説明

外用消炎鎮痛剤組成物

【課題】
主剤である非ステロイド性消炎鎮痛剤の皮膚透過性を亢進させ、優れた薬理効果を発揮する、外用消炎鎮痛剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
非ステロイド性消炎鎮痛剤と、抗酸化剤とを含有する、外用消炎鎮痛剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚透過性が亢進された、非ステロイド性消炎鎮痛剤と抗酸化剤とを含有する、外用消炎鎮痛剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン等の非ステロイド性消炎鎮痛剤は、内用及び/又は外用剤として、広く使用されている。
【0003】
各種製剤の添加剤として使用される抗酸化剤が、主剤の皮膚透過性を亢進し、かつ、主剤の薬理効果をあげることは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、非ステロイド性消炎鎮痛剤の皮膚透過性を亢進させ、優れた薬理効果を発揮させるための、新規な外用消炎鎮痛剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、非ステロイド性消炎鎮痛剤と抗酸化剤とを含有する、外用消炎鎮痛剤組成物である。
【0006】
本発明の非ステロイド性消炎鎮痛剤としては、例えば、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、プラノプロフェン、フェノプロフェンナトリウム、ナプロキセン、ラクチルフェネチジン、塩酸トラマドール、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、ペンタゾシン、インドメタシン、ピロキシカム、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等をあげることができ、好適には、ロキソプロフェンナトリウムである。
【0007】
本発明の抗酸化剤としては、医薬品添加物として通常使用されるものであれば、特に制限はないが、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、パルミチン酸アスコルビン酸、アルファチオグリセリン、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、ジクロルイソシアヌール酸カリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、チオグリコール酸ナトリウム、チオリンゴ酸ナトリウム、天然ビタミンE,トコフェロール、d−δ−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、1,3−ブチレングリコール、ベンゾトリアゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾール等をあげることができ、好適には、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸又は没食子酸プロピルである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の組成物は、主剤である非ステロイド性消炎鎮痛剤の皮膚透過性が亢進しており、優れた薬理効果を発揮するので、外用消炎鎮痛剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物において含有される、非ステロイド性消炎鎮痛剤の重量%は、抗酸化剤の種類により異なるが、通常、0.1乃至5.0%であり、好適には、0.3乃至3.0%であり、また、抗酸化剤の重量%は、抗酸化剤の種類により異なるが、通常、0.01乃至50%であり、好適には、0.02乃至10%であり、さらに好適には、0.03乃至2%である。
【0010】
本発明の外用消炎鎮痛剤組成物の具体的な剤形としては、例えば、液剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、貼付剤、エアゾール剤等をあげることができ、各剤形に適した添加剤や基材を適宜使用し、日本薬局方などに記載される通常の方法に従い、製造することができる。
【0011】
上記各剤形において、その剤形に応じ、通常使用される基剤又は各種添加剤を使用することもできる。
【0012】
例えば、液剤の場合、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;水;プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ヒマシ油等を溶剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等をpH調整剤として、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の高分子を粘性付与剤として、使用することができ、
クリーム剤の場合、ワセリン等の炭化水素類;エステル類;トリグリセライド類;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類等を油相成分として、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート等のアニオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン界面活性剤;ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40、モノステアリン酸エチレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン等のノニオン界面活性剤等を界面活性剤として、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトー
ル等を保湿剤として使用することができ、
軟膏剤の場合、ワセリン、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;プラスチベース;精製ラノリン、ラノリンアルコール、水添ラノリン等のラノリン類;動植物油;天然ワックス;ロウ等を軟膏基剤として使用することができ、
ゲル剤の場合、ステアリン酸アルミニウム、脂肪酸デキストランエステル等を油性ゲル基剤として、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を水性ゲル基剤として使用することができ、
貼付剤の場合、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、ペクチン、ポリビニルピロリドン、ビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガムなどが、保湿剤としてはグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を粘着性高分子として、硫酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、トリグリシジルイソシアネート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグルシジルエーテル、トリグリセリンジグリシジルエーテル等を硬化剤として、カオリン、無水ケイ酸、酸化亜鉛、酸化チタン等を無機粉体として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を界面活性剤として使用することができ、
エアゾール剤の場合、塩化フッ化炭素類;塩化フッ化炭化水素類;液化石油ガス類;ジメチルエーテル類を液化ガス噴射剤として、窒素ガス、二酸化炭素ガス、亜酸化窒素ガスを圧縮ガス噴射剤として、使用することができる。
【0013】
上記各剤形において、必要に応じ、パラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、チメロサール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等の保存剤;lーメントール、dl−カンフル、酢酸トコフェロール、オオバクエキス、セイヨウトチノミエキス、アルニカチンキ等の使用実感の改善剤等を添加することもできる。
【実施例】
【0014】
(実施例1)ヒト皮膚組織モデルを用いた皮膚透過性の評価試験
市販のヒト皮膚再構築モデルTESTSKIN(登録商標、LSE−003、6穴タイプ、東洋紡績(株)社製)を購入後1日、37℃で、インキュベーター内に保存した。
試験当日、組織トレイよりトランスウェルを取りだし、シリコンを塗布したアッセイリングを接着させ、1.2mlのアッセイ培地を入れたアッセイトレイに移した。
薬液100μl(生理食塩水中、ロキソプロフェンナトリウムを2W/V%、並びに、亜硫酸水素ナトリウムを0mg/ml、0.3mg/ml又は3.0mg/ml、あるいは、アスコルビン酸を0mg/ml、3mg/ml、30mg/ml、あるいは、没食子酸プロピル0mg/ml、0.2mg/ml又は2.0mg/mlを含有する)をアッセイリング内に注入した。3時間後、組織下のアッセイ培地を0.4ml採取し、測定用試料とした。
測定用試料を、下記HPLC条件で示す移動相で10倍に希釈し、内標準液と1:1で混和し、下記HPLC条件下、ロキソプロフェンの量を測定した。結果を表1に示す。
【0015】
(HPLC条件)
装置: LC−10Aシステム(島津製作所)
カラム: コスモシール5C18−AR 4.6mm x 150mm(ナカライテスク)
移動相: アセトニトリル/水/リン酸=40:60:0.02
流速 : 1ml/分
検出 : UV225nm
カラム温度: 40℃
【0016】
(表1)
―――――――――――――――――――――――――――――――
亜硫酸水素ナトリウムの添加量 3時間後における透過量比
(mg/ml)
―――――――――――――――――――――――――――――――
0 100
0.3 156
3.0 546
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0017】
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――――――
没食子酸プロピルの添加量 3時間後における透過量比
(mg/ml)
―――――――――――――――――――――――――――――――
0 100
0.2 146
2.0 191
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0018】
(表3)
―――――――――――――――――――――――――――――――
アスコルビン酸の添加量 3時間後における透過量比
(mg/ml)
―――――――――――――――――――――――――――――――
0 100
3 121
30 241
―――――――――――――――――――――――――――――――
【0019】
(実施例2)液剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0020】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及び防腐剤を加えて攪拌した後、pH調節剤を加えて液剤を製する。
【0021】
(実施例3)クリーム剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
乳化剤1(イソステアリン酸コレステリル) 1.0g
乳化剤2(α−モノステアリルグリセリルエーテル) 2.0g
湿潤剤(グリセリン) 10.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
基剤1(グリセリン脂肪酸エステル) 16.0g
基剤2(パルミチン酸イソプロピル) 6.0g
基剤3(合成スクワラン) 5.0g
基剤4(精製水) 適量
100.0g
【0022】
(2)製法
100gの製法
基剤1、基剤2、基剤3、乳化剤1、乳化剤2及び防腐剤を加えて加温し、この溶液に基剤4にロキソプロフェンナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、湿潤剤及びpH調節剤を溶解させて加温した水溶液を徐々に添加して乳化させ、その後冷却してクリーム剤を製する。
【0023】
(実施例4)軟膏剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
粘稠剤(軽質無水ケイ酸) 1.5g
基剤1(白色ワセリン) 10.0g
基剤2(ゲル化炭化水素) 適量
100.0g
【0024】
(2)製法
100gの製法
基剤2の一部と基剤1にロキソプロフェンナトリウムを加えて均一し分散させた後に亜硫酸水素ナトリウム及び粘稠剤を加え、残りの基剤2を加えて均一にし、軟膏剤を製する。
【0025】
(実施例5)ゲル製剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
粘稠剤1(カルボキシビニルポリマー) 1.2g
粘稠剤2(ヒドロキシプロピルセルロース) 1.5g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0026】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及び粘稠剤1を加えて攪拌する。これに予め溶剤1に溶解した粘稠剤2及びpH調節剤を加えて攪拌し、ゲル剤を製する。
【0027】
(実施例6)貼付剤
(1)成分及び分量
本剤1,000cm2(膏体100g)中
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
界面活性剤1(ポリソルベート80) 0.3g
界面活性剤2(セスキオレイン酸ソルビタン) 0.2g
湿潤剤(濃グリセリン) 22.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
粘着剤1(ポリアクリル酸ナトリウム) 6.0g
粘着剤2(アクリル酸メチル・アクリル酸-2-エチルヘキシル 5.0g
共重合樹脂エマルシ゛ョン)
基剤1(カオリン) 2.5g
基剤2(アクリル酸デンプン300) 6.0g
基剤3(精製水) 適量
100.0g
支持体 不織布 1000cm2
ライナー ポリプロピレンフィルム 1000cm2
【0028】
(2)製法
100gの製法
基剤3にロキソプロフェンナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムを加えた後、界面活性剤1、界面活性剤2、基剤1、粘着剤1、粘着剤2を順次加えて均一化し、pH調節剤を加えた後、基剤2を加えて膏体を製する。
【0029】
(実施例7)スプレー剤
(1)成分及び分量(原液)
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
亜硫酸水素ナトリウム 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
○ 原液/ガス比=70/30
○ ガス(噴射剤)= LPG(プロパンとブタンの混合ガス)
【0030】
(2)製法
原液100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、防腐剤及びpH調節剤を加えて攪拌し、液剤を製する。
【0031】
(実施例8)液剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0032】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、没食子酸プロピル及び防腐剤を加えて攪拌した後、pH調節剤を加えて液剤を製する。
【0033】
(実施例9)クリーム剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
乳化剤1(イソステアリン酸コレステリル) 1.0g
乳化剤2(α−モノステアリルグリセリルエーテル) 2.0g
湿潤剤(グリセリン) 10.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
基剤1(グリセリン脂肪酸エステル) 16.0g
基剤2(パルミチン酸イソプロピル) 6.0g
基剤3(合成スクワラン) 5.0g
基剤4(精製水) 適量
100.0g
【0034】
(2)製法
100gの製法
基剤1、基剤2、基剤3、乳化剤1、乳化剤2及び防腐剤を加えて加温し、この溶液に基剤4にロキソプロフェンナトリウム、没食子酸プロピル、湿潤剤及びpH調節剤を溶解させて加温した水溶液を徐々に添加して乳化させ、その後冷却してクリーム剤を製する。
【0035】
(実施例10)軟膏剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
粘稠剤(軽質無水ケイ酸) 1.5g
基剤1(白色ワセリン) 10.0g
基剤2(ゲル化炭化水素) 適量
100.0g
【0036】
(2)製法
100gの製法
基剤2の一部と基剤1にロキソプロフェンナトリウムを加えて均一し分散させた後に没食子酸プロピル及び粘稠剤を加え、残りの基剤2を加えて均一にし、軟膏剤を製する。
【0037】
(実施例11)ゲル製剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
粘稠剤1(カルボキシビニルポリマー) 1.2g
粘稠剤2(ヒドロキシプロピルセルロース) 1.5g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0038】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、没食子酸プロピル及び粘稠剤1を加えて攪拌する。これに予め溶剤1に溶解した粘稠剤2及びpH調節剤を加えて攪拌し、ゲル剤を製する。
【0039】
(実施例12)貼付剤
(1)成分及び分量
本剤1,000cm2(膏体100g)中
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
界面活性剤1(ポリソルベート80) 0.3g
界面活性剤2(セスキオレイン酸ソルビタン) 0.2g
湿潤剤(濃グリセリン) 22.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
粘着剤1(ポリアクリル酸ナトリウム) 6.0g
粘着剤2(アクリル酸メチル・アクリル酸-2-エチルヘキシル 5.0g
共重合樹脂エマルシ゛ョン)
基剤1(カオリン) 2.5g
基剤2(アクリル酸デンプン300) 6.0g
基剤3(精製水) 適量
100.0g
支持体 不織布 1000cm2
ライナー ポリプロピレンフィルム 1000cm2
【0040】
(2)製法
100gの製法
基剤3にロキソプロフェンナトリウム及び没食子酸プロピルを加えた後、界面活性剤1、界面活性剤2、基剤1、粘着剤1、粘着剤2を順次加えて均一化し、pH調節剤を加えた後、基剤2を加えて膏体を製する。
【0041】
(実施例13)スプレー剤
(1)成分及び分量(原液)
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
没食子酸プロピル 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
○ 原液/ガス比=70/30
○ ガス(噴射剤)= LPG(プロパンとブタンの混合ガス)
【0042】
(2)製法
原液100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、没食子酸プロピル、防腐剤及びpH調節剤を加えて攪拌し、液剤を製する。
【0043】
(実施例14)液剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0044】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、アスコルビン酸及び防腐剤を加えて攪拌した後、pH調節剤を加えて液剤を製する。
【0045】
(実施例15)クリーム剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
乳化剤1(イソステアリン酸コレステリル) 1.0g
乳化剤2(α−モノステアリルグリセリルエーテル) 2.0g
湿潤剤(グリセリン) 10.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
基剤1(グリセリン脂肪酸エステル) 16.0g
基剤2(パルミチン酸イソプロピル) 6.0g
基剤3(合成スクワラン) 5.0g
基剤4(精製水) 適量
100.0g
【0046】
(2)製法
100gの製法
基剤1、基剤2、基剤3、乳化剤1、乳化剤2及び防腐剤を加えて加温し、この溶液に基剤4にロキソプロフェンナトリウム、アスコルビン酸、湿潤剤及びpH調節剤を溶解させて加温した水溶液を徐々に添加して乳化させ、その後冷却してクリーム剤を製する。
【0047】
(実施例16)軟膏剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
粘稠剤(軽質無水ケイ酸) 1.5g
基剤1(白色ワセリン) 10.0g
基剤2(ゲル化炭化水素) 適量
100.0g
【0048】
(2)製法
100gの製法
基剤2の一部と基剤1にロキソプロフェンナトリウムを加えて均一し分散させた後にアスコルビン酸及び粘稠剤を加え、残りの基剤2を加えて均一にし、軟膏剤を製する。
【0049】
(実施例17)ゲル製剤
(1)成分及び分量
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
粘稠剤1(カルボキシビニルポリマー) 1.2g
粘稠剤2(ヒドロキシプロピルセルロース) 1.5g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
【0050】
(2)製法
100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、アスコルビン酸及び粘稠剤1を加えて攪拌する。これに予め溶剤1に溶解した粘稠剤2及びpH調節剤を加えて攪拌し、ゲル剤を製する。
【0051】
(実施例18)貼付剤
(1)成分及び分量
本剤1,000cm2(膏体100g)中
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
界面活性剤1(ポリソルベート80) 0.3g
界面活性剤2(セスキオレイン酸ソルビタン) 0.2g
湿潤剤(濃グリセリン) 22.0g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
粘着剤1(ポリアクリル酸ナトリウム) 6.0g
粘着剤2(アクリル酸メチル・アクリル酸-2-エチルヘキシル 5.0g
共重合樹脂エマルシ゛ョン)
基剤1(カオリン) 2.5g
基剤2(アクリル酸デンプン300) 6.0g
基剤3(精製水) 適量
100.0g
支持体 不織布 1000cm2
ライナー ポリプロピレンフィルム 1000cm2
【0052】
(2)製法
100gの製法
基剤3にロキソプロフェンナトリウム及びアスコルビン酸を加えた後、界面活性剤1、界面活性剤2、基剤1、粘着剤1、粘着剤2を順次加えて均一化し、pH調節剤を加えた後、基剤2を加えて膏体を製する。
【0053】
(実施例19)スプレー剤
(1)成分及び分量(原液)
ロキソプロフェンナトリウム 3.0g
アスコルビン酸 0.3g
pH調節剤(水酸化ナトリウム) 適量
防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.3g
溶剤1(エタノール) 45.0g
溶剤2(精製水) 適量
100.0g
○ 原液/ガス比=70/30
○ ガス(噴射剤)= LPG(プロパンとブタンの混合ガス)
【0054】
(2)製法
原液100gの製法
溶剤1と溶剤2の混合液にロキソプロフェンナトリウム、アスコルビン酸、防腐剤及びpH調節剤を加えて攪拌し、液剤を製する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロキソプロフェンナトリウムと亜硝酸ナトリウム又はピロ亜硫酸ナトリウムを含有する、ロキソプロフェンの皮膚透過性が亢進することを特徴とする外用消炎鎮痛剤組成物。



【公開番号】特開2011−140501(P2011−140501A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44897(P2011−44897)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【分割の表示】特願2000−326350(P2000−326350)の分割
【原出願日】平成12年10月26日(2000.10.26)
【出願人】(307010166)第一三共株式会社 (196)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【Fターム(参考)】