説明

外用組成物

【解決手段】 キシロピア(Xylopia)属植物、バターナットノキ(Caryocar)属植物、グアズマ(Guazuma)属植物、タバコソウ(Cuphea)属植物、ヘテロプテリス(Heteropteris)属植物、スキアドテニア(Sciadotenia)属植物、アンペロジジフス(Ampelozizyphus)属植物、ルエヘア(Luehea)属植物、クルミ(Juglans)属植物及びイワダレソウ(Lippia)属植物からなる群より選ばれた植物又はそれらの抽出物の一種又は二種以上を含有する外用組成物。
【効果】 本発明の外用組成物は、安定で、環境ストレスや加齢によって引き起こされる生体機能の低下、特に皮膚・毛髪・口腔組織の機能の低下を予防あるいは改善する効果に優れていることから、応用範囲が極めて広いものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境ストレスや加齢によって引き起こされる生体機能の低下、特に皮膚・毛髪・口腔組織の機能の低下を予防あるいは改善する効果の高い外用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】通常、皮膚・毛髪・口腔などの生体組織は、新陳代謝によって、種々の要因によって起こる機能の低下や構造的変化などを速やかに改善することができる。しかしながら、紫外線や乾燥・有害化学物質などの過度な暴露や加齢に伴って、生体組織に傷害が蓄積することにより、本来の働きが損なわれ、さまざまなトラブルが発生する。皮膚であれば、しみやしわ、肌荒れ、アトピー様症状などに悩まされるようになる。毛髪においては、抜け毛、薄毛、白髪などの発生を引き起こす。口腔分野では、歯肉の退縮や歯茎からの出血といった病態を示すようになる。このように機能的、構造的な劣化を示す生体組織に対して、機能低下の原因となる活性酸素種の発生や慢性的炎症を防いだり、組織自体を賦活化して機能の低下した生体組織を修復し、健常組織へと再生する方法が考えらている。
【0003】活性酸素種の発生を防ぐものとしては、生体組織にダメージを与える活性酸素種の一つである一重項酸素を消去するものとしてビタミン類や各種植物抽出物が提案されている(特開平7−133216号公報)。また、慢性的な炎症やアレルギー反応を抑えるものとしては、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有する物質の探索が盛んに行われており、いくつかの海藻や植物成分が見出されている(特開平8−53360号公報)。組織自体を賦活化する手段としては、皮膚組織や歯肉組織のコラーゲン合成能を高める方法が数多く示されおり、細菌や植物の抽出物、アミノ酸組成物を用いる方法(特開平7−194375号公報)などが提案されている。
【0004】しかしいずれの手段も、安全性上使用量の制限が必要であったり、作用・効果が不十分な点や、活性を保ったまま製剤に安定に配合することが困難であるというような問題点が残されていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、医薬品、医薬部外品、化粧品など様々な分野に適用でき、安全性が高く、かつ生体組織に対する優れた傷害防御作用ならびに賦活作用を有する外用組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本発明者らは、天然物の生体組織に対する優れた傷害防御作用ならびに賦活作用について鋭意研究を重ねた結果、キシロピア(Xylopia)属植物、バターナットノキ(Caryocar)属植物、グアズマ(Guazuma)属植物、タバコソウ(Cuphea)属植物、ヘテロプテリス(Heteropteris)属植物、スキアドテニア(Sciadotenia)属植物、アンペロジジフス(Ampelozizyphus)属植物、ルエヘア(Luehea)属植物、クルミ(Juglans)属植物、イワダレソウ(Lippia)属植物又はそれらの抽出物に優れた生体組織に対する傷害防御作用ならびに賦活作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】従って、本発明は、上記植物又はそれらの抽出物の一種又は二種以上を含有する外用組成物を提供する。本発明の外用組成物は、皮膚・毛髪組織、口腔組織に対して優れた傷害防御作用ならびに賦活作用を有し、かつ安全性が高く、医薬品、医薬部外品、化粧品などに好適に用いることができる。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明に用いられる、キシロピア(Xylopia)属植物は、熱帯アメリカで調味料、駆風剤、健胃剤などとして用いられており、中でも現地名インビエイロ:Imbieiro(Xylopia benthamii)、ピンダイーバ・デ・フォーリャ・ペケーナ:Pindaiba−de−folha−pequena(X.brasiliensis)、ピンダイーバ・ヴェルメーリャ:Pindaiba−vermelha(X.carminativa)、コアジェルクー:Coagerucu(X.frutescens)に優れた作用があり、特に望ましい。バターナットノキ(Caryocar)属植物は、熱帯中南米で収斂、気管支の病気、下痢止めなどの用途で用いられており、中でも現地名ピキー:Piqui(Caryocar brasiliense)、ピキアー:Piquia(C.coriaceum)、ピキアラーナ・ダ・テラ・フィルメ:Piquiarana−da−terra−firme(C.glabrum)、ピキアー・ヴェルダデイロ:Piquia−verdadeiro(C.villosum)に優れた作用があり、特に望ましい。グアズマ(Guazuma)属植物は、熱帯アメリカで煎剤として梅毒、肝臓病、皮膚病、傷薬に用いる。樹皮のシロップは呼吸器病に用い、咳止め、喘息、肺炎などに用いられており、中でも現地名ムタンバ:Mutamba(Guazuma ulmifolia)に優れた効果があり、特に望ましい。タバコソウ(Cuphea)属植物は、熱帯アメリカで主に茶剤として、浄血作用があり、解熱、発汗、利尿などに用いられている。中でも現地名セッテ・サングリアス:Sete−sangrias(Cuphea antisyphilitica)、バルサモナ:Balsamona(C.carthagenensis)、モタ・カナ:Mata−cana(C.ingrata)に優れた効果があり、特に望ましい。ヘテロプテリス(Heteropteris)属植物は、南アメリカで茶剤、又は煎剤として強壮、催淫などに用いられおり、中でも現地名ノー・デ・カショーロ:No−de−cachorro(Heteropteris aphrodisiaca)、ムラプアマ:Marapuama(H.campestris)、ポアイア・ミネイラ:Poaia−mineira(H.pragua)、サラバツクー:Sarabatucu(H.suberosa)、プラグアー:Pragua(H.syrungiforia)に優れた効果があり、特に望ましい。スキアドテニア(Sciadotenia)属植物は、ブラジルで茶剤として強壮、興奮剤に用いられ、中でも現地名シポー・アマルゴーゾ:Cipo−amargoso(Sciadotenia candicans)、アブータ:Abuta(S.paraensis)、に優れた効果があり、特に望ましい。アンペロジジフス(Ampelozizyphus)属植物はブラジルで強壮、解熱、傷薬として用いられており、中でも現地名サラクーラ・ムイラー:Saracura−muira(Ampelozizyphus amazonicus)に優れた効果があり、特に望ましい。ルエヘア(Luehea)属植物は、南アメリカで皮は関節炎、リューマチに用い、葉と花は茶剤又は煎剤として、収斂、血止めに用いられており、中でもアソイタ・カバーロ:Acoita−cavalo(Luehea divaricata)、イヴィチンガ:Ivintinga(L.grandiflora)に優れた効果があり、特に望ましい。クルミ(Juglans)属植物は、アジア、南北アメリカで食用に用いられており、中でも南アメリカの現地名ノゲイラ:Nogueira(Juglans regia)に優れた効果があり、特に望ましい。イワダレソウ(Lippia)属植物は、熱帯アメリカで芳香、鎮静、消毒、リューマチなどに用いられ、中でも現地名エルヴァ・シドレイラ:Erva−cidreira(Lippia alba)、アレクリン・ピメンタ:Alecrim−pimenta(L.alnifolia)、アレクリン・ダ・チャパダ:Alecrim−da−chapada(L.gracilis)、アレクリン・ド・カンポ:Alecrim−do−campo(L.microphylla)、カピトン・ド・マット:Capitao−do−mato(L.pseudo−thea)、エストレパ・カヴァロ:Estrepa−cavalo(L.sidoides)に優れた効果があり、望ましい。
【0009】上記植物群は、その木部、心材部、樹皮部、茎部、枝部、葉部、根部、種子部、果実部、花部などを用いることができる。
【0010】上記植物の抽出物としては、抽出エキスでもよく、抽出液から分離精製したものでもよい。抽出エキスの場合は、上記植物体を乾燥あるいはそのまま粉砕したものを溶媒抽出することによって得ることができ、抽出溶媒が使用上無毒性のものであれば抽出液をそのまま用いても、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、あるいは濃縮エキスとしたり、凍結乾燥などにより乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものなどが利用できる。
【0011】上記植物の抽出物を得るのに用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセトンなどの一般に用いられる有機溶媒、及び水などを挙げることができ、これらの一種を単独で又は二種以上を混合して使用することができる。これらの溶媒の中では特にメタノール、エタノール、水が好ましい。なお、抽出処理は、通常3〜70℃程度の温度で常法によって行うことができる。
【0012】溶媒抽出の他に、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出によって得たエキスも同様に利用できる。このときには、抽出助剤としてヘキサン、エタノールなどを用いることもできる。また、抽出物からの有効成分の分離精製は、抽出物をカラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどで精製することによって行うことができる。
【0013】本発明の外用組成物は、上記植物又はそれらの抽出物の一種又は二種以上を有効成分として含有するものである。その配合量は、有効量であり、組成物の用途、剤型等に応じて適宜選定されるが、通常、0.00001〜20重量%配合するのがよい。好ましくは0.0001〜10重量%配合するのがよい。配合量が0.00001重量%未満であると、本発明の効果を発揮できず、また剤型によっては製造が困難になるものもあることから、20重量%を超えないほうがよい。
【0014】本発明の外用組成物は、皮膚、口腔用等の粘膜、毛髪などに適用され、例えば、クリーム、ハンドクリーム、乳液、化粧水、ローション、石鹸、ハンドソープ、ボディソープ、制汗剤、水虫薬、にきび治療剤、手指消毒剤、美白剤、貼付剤等の皮膚外用剤乃至皮膚化粧料、シャンプー、リンス、トニック、育毛剤等の毛髪化粧料、歯磨、洗口剤、歯肉マッサージクリーム等の口腔用組成物などとして調製することができる。
【0015】この場合、本発明の外用組成物は、上記外用組成物の種類、剤型などに応じた公知の配合成分を用いて常法により調製し得る。なお、本発明組成物には、上記有効成分に加えて、一般に用いられている細胞賦活剤、例えば、ホルモン類、ビタミン類、サポニンなどの生薬抽出物、胎盤抽出物、植物レクチンなどをあわせて用いることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の外用組成物は、安定で、環境ストレスや加齢によって引き起こされる生体機能の低下、特に皮膚・毛髪・口腔組織の機能の低下を予防あるいは改善する効果に優れていることから、応用範囲が極めて広いものである。
【0017】
【実施例】以下、調製例、実験例、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に制限されるものではない。
【0018】〔調製例1〕キシロピア(Xylopia)属植物の抽出インビエイロ:Imbieiro(Xylopia benthamii)の果実の粉砕物1kgに10Lの70%エタノールを加え、2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス102gを得た。また、ピンダイーバ・デ・フォーリャ・ペケーナ:Pindaiba−de−folha−pequena(X.brasiliensis)、ピンダイーバ・ヴェルメーリャ:Pindaiba−vermelha(X.carminativa)、コアジェルクー:Coagerucu(X.frutescens)のそれぞれの果実の粉砕物1kgに10Lのメタノールを加え、2日間抽出した。抽出液を濾過した後、メタノールを減圧留去して、抽出エキスをそれぞれ96g、111g、106g得た。
【0019】〔調製例2〕バターナットノキ(Caryocar)属植物の抽出ピキー:Piqui(Caryocar brasiliense)とピキアラーナ・ダ・テラ・フィルメ:Piquiarana−da−terra−firme(C.glabrum)の、それぞれ果実の粉砕物1kgに10Lのメタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、メタノールを減圧留去して、抽出エキス114gと101gを得た。また、ピキアー:Piquia(C.coriaceum)、ピキアー・ヴェルダデイロ:Piquia−verdadeiro(C.villosum)のそれぞれの果実の粉砕物1kgから超臨界抽出により、それぞれ123g、142gのエキスを得た。
【0020】〔調製例3〕グアズマ(Guazuma)属植物の抽出ムタンバ:Mutamba(Guazuma ulmifolia)の樹皮及び葉の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス95gを得た。
【0021】〔調製例4〕タバコソウ(Cuphea)属植物の抽出セッテ・サングリアス:Sete−sangrias(Cuphea antisyphilitica)とバルサモナ:Balsamona(C.carthagenensis)とモタ・カナ:Mata−cana(C.ingrata)の、それぞれ樹木、葉の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス102g、87g、96gを得た。
【0022】〔調製例5〕ヘテロプテリス(Heteropteris)属植物の抽出ノー・デ・カショーロ:No−de−cachorro(Heteropteris aphrodisiaca)、ムラプアマ:Marapuama(H.campestris)、ポアイア・ミネイラ:Poaia−mineira(H.Pragua)、サラバツクー:Sarabatucu(H.suberosa)とプラグアー:Pragua(H.syrungiforia)の、それぞれ根の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス99g、110g、90g、75g、81gを得た。
【0023】〔調製例6〕スキアドテニア(Sciadotenia)属植物の抽出シポー・アマルゴーゾ:Cipo−amargoso(Sciadotenia candicans)とアブータ:Abuta(S.paraensis)の、それぞれ根及び茎の粉砕物1kgに10Lの70%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス108g、132gを得た。
【0024】〔調製例7〕アンペロジジフス(Ampelozizyphus)属植物の抽出サラクーラ・ムイラー:Saracura−muira(Ampelozizyphus amazonicus)の、それぞれ根及び葉の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス103g、80gを得た。
【0025】〔調製例8〕ルエヘア(Luehea)属植物の抽出アソイタ・カバーロ:Acoita−cavalo(Luehea divaricata)とイヴィチンガ:Ivintinga(L.grandiflora)のそれぞれ根及び葉の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス106g、87gを得た。
【0026】〔調製例9〕クルミ(Juglans)属植物の抽出ノゲイラ:Nogueira(Juglans regia)の樹皮の粉砕物1kgを超臨界抽出して、抽出エキス72gを得た。
【0027】〔調製例10〕イワダレソウ(Lippia)属植物の抽出エルヴァ・シドレイラ:Erva−cidreira(Lippia alba)、アレクリン・ピメンタ:Alecrim−pimenta(L.alnifolia)、アレクリン・ダ・チャパダ:Alecrim−da−chapada(L.gracilis)、アレクリン・ド・カンポ:Alecrim−do−campo(L.microphylla)、カピトン・ド・マット:Capitao−do−mato(L.pseudo−thea)とエストレパ・カヴァロ:Estrepa−cavalo(L.sidoides)の、それぞれ根の粉砕物1kgに10Lの95%エタノールを加え、室温で2日間抽出した。抽出液を濾過した後、エタノールを減圧留去して、抽出エキス80g、104g、89g、110g、95g、81gを得た。
【0028】〔実験例1〕調整例に従って得た各植物の抽出エキスを用い、下記の方法で生体組織に傷害を与える一重項酸素の消去能について評価した。結果を表1に示す。方法:一重項酸素はローズベンガル(和光純薬工業(株))に蛍光灯を照射することにより発生させ、スクワレンの酸化の程度を指標に一重項酸素消去能を測定した。3mMスクワレン、25μMローズベンガルになるようにサンプルの適量とメタノールを加えて溶液を調製した。コントロールにはメタノールのみを加えた。4℃で蛍光灯を18時間照射した。照射時間0時間のものをブランクとした。生じた過酸化スクワレンをTBA法にて定量した。標準物質には1,1,3,3−テトラエトキシプロパン(和光純薬工業(株))を用いた。1mlの溶液にTBA試薬(0.375%チオバルビトール酸、15%トリクロロ酢酸、0.04%ブチルヒドロキシトルエン、2%エタノール、0.25N塩酸)を2ml加えて、撹拌後、沸騰水浴上で1時間加熱した。氷冷して室温まで冷却後、ブタノールで抽出し、ブランクを対照として535nmの吸光度を測定した。一重項酸素消去能の程度は、コントロールのTBA値を100としたときの相対値で表わし、90%以上を◎、60〜89%を○、30〜59%を△、30%未満を×として表わした。
【0029】
【表1】


【0030】表1の結果から明らかなように、各植物抽出物の高い一重項酸素消去能が立証された。
【0031】〔実験例2〕調製例に従って得た各植物の抽出エキスを用い、下記の方法で炎症やアレルギーの発症に関与するヒアルロニダーゼの阻害活性について評価した。結果を表2に示す。
方法:酵素(type IV−S from Bovine testis、SIGMA社製)溶液100μl(4,000unit/ml)に上記製造例で得た各抽出エキス試料200μlを加えて、37℃で20分間インキュベートした。次に、酵素活性化剤(Compound 48/80、SIGMA社製)溶液(0.1mg/ml)200μlを加え、37℃で20分間インキュベートした後、基質であるヒアルロン酸カリウム(from rooster comb、和光純薬社製)溶液(0.4mg/ml)500μlを入れ、37℃で40分間インキュベートした。
【0032】次いで、0.4M水酸化ナトリウム溶液200μlを加えて反応を停止させた後、Morgan−Elson法の変法(J.Biol.Chem.,217,959(1955))で生成したN−アセチルヘキソサミン量を吸光度OD585nmから求めた。
【0033】また、酵素反応には0.1mM酢酸緩衝液(pH3.5)を用い、ヒアルロニダーゼ阻害活性は次式より求められる阻害率で算出した。
【0034】
【数1】


阻害率が90%以上を◎、60〜89%を○、30〜59%を△、30%未満を×として表わした。
【0035】
【表2】


【0036】表2の結果から明らかなように、各植物抽出物の高いヒアルロニダーゼ阻害活性が立証された。
【0037】〔実験例3〕調製例に従って得た各植物の抽出エキスを用い、下記の方法で組織の賦活化に関与しているコラーゲン合成能について評価した。結果を表3に示す。
方法:24穴細胞培養用プレートにヒト皮膚由来線維芽細胞(クラボウ社)を25%コンフレントになるように播種し、コンフレントになるまで10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地で37℃、5%炭酸ガス存在下で培養した。サンプルを適量加えた後、18時間同条件にて培養した。コントロールには同量の培地を加えた。培養上清中に含まれるI型コラーゲンをELISA法にて定量した。100μlの培養上清をELISA用プレートに添加し、18時間室温中で保管した。0.05%Tween−20を含むPBS(PBS−T)で洗浄後、1%スキムミルク/PBS−Tで2時間ブロッキングした。抗ヒトI型コラーゲン抗体、ペルオキシダーゼ標識抗ラットIgG抗体で処理し、ペルオキシダーゼ発色用キットを用いて発色させた。450nmの吸光度から培養上清中に含まれるI型コラーゲン量を求めた。コントロールに対して、I型コラーゲン量が120%以上を◎、101〜119%を○、100%未満を×として表わした。
【0038】
【表3】


【0039】表3の結果から明らかなように、各植物抽出物の高いコラーゲン合成能が立証された。
【0040】以下、本発明の外用組成物を配合した実施例を示す。下記の例は、いずれも皮膚や毛髪、口腔のトラブルの予防・改善効果に優れており、安全性も良好なものであった。なお、各植物抽出物は調製例1〜10の方法の抽出法によるものである。
【0041】
【表4】


【0042】
【表5】


【0043】
【表6】


【0044】
【表7】


【0045】
【表8】


【0046】
【表9】


【0047】
【表10】


【0048】
【表11】


*1 ライオン化学製 XM−503LN*2 三菱油化社製 ユカフォーマーAM75201
【0049】
【表12】


【0050】
【表13】


【0051】
【表14】


【0052】
【表15】


【0053】
【表16】


【0054】
【表17】


【0055】
【表18】


【0056】
【表19】


【0057】
【表20】


【0058】
【表21】


ペースト状になるまでニーダで混合し、貼付剤組成物とした。貼付剤組成物を不織布上に150g/cm2になるまで均一塗布し、ポリエチレンフィルムを施し、貼付剤を調製した。
【0059】
【表22】


【0060】
【表23】


【0061】
【表24】


【0062】
【表25】


*1 信越化学工業(株) メトロース 65SH−1500*2 ライオン化学製 XM−503LN又はレオガードGP又はUCC社製ポリマーJR400

【特許請求の範囲】
【請求項1】 キシロピア(Xylopia)属植物、バターナットノキ(Caryocar)属植物、グアズマ(Guazuma)属植物、タバコソウ(Cuphea)属植物、ヘテロプテリス(Heteropteris)属植物、スキアドテニア(Sciadotenia)属植物、アンペロジジフス(Ampelozizyphus)属植物、ルエヘア(Luehea)属植物、クルミ(Juglans)属植物及びイワダレソウ(Lippia)属植物からなる群より選ばれた植物又はそれらの抽出物の一種又は二種以上を含有する外用組成物。

【公開番号】特開2001−64145(P2001−64145A)
【公開日】平成13年3月13日(2001.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−237971
【出願日】平成11年8月25日(1999.8.25)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】