説明

外用組成物

【課題】不安定で分解しやすく、刺激が強く、効果が低いトコフェリルレチノエート含有外用組成物を安定性が優れ、刺激が弱く安全で、効果の高いトコフェリルレチノエート含有外用組成物を得る
【解決手段】天然界面活性剤類、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類とd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類から選択される六種類以上の物質を同時に含有することにより安定性が優れ、刺激が弱く安全で、効果の高いトコフェリルレチノエート含有外用組成物を得る

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トコフェリルレチノエート含有物質の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
レチノイン酸とαトコフェロールとのエステルであるαトコフェリルレチノエートは、消化管潰瘍治療剤(特公昭60−26770号公報)、皮膚疾患治療剤(特開昭61−207332号公報)などの医薬用途、および化粧料の成分(特開昭51−73137号公報)の用途に有用な化合物として知られている。
【0003】
αトコフェリルレチノエートが皮膚角化症等の予防、治療や、皮膚老化の防止、回復に有効であることは知られており、以下の特許には医薬品および化粧料成分として用いられている化合物であることが記されている
【0004】
即ち本発明で使用できるトコフェリルレチノエート含有物質については、以下の参考文献とこの文献で引用されている文献類で公知となっている。
【特許文献1】 特開平5−202020
【特許文献2】 特開平08−099856皮膚外用剤
【特許文献3】 特開平08−099855皮膚外用剤
【特許文献4】 特開平08−099834皮膚外用剤
【特許文献5】 特開平08−099831皮膚外用剤
【特許文献6】 特開平08−099830皮膚外用剤
【特許文献7】 特開平08−099829皮膚外用剤
【特許文献8】 特開平08−099828皮膚外用剤
【特許文献9】 特開平08−099827皮膚外用剤
【特許文献10】 特開平08−099826皮膚外用剤
【特許文献11】 特開平08−099825皮膚外用剤
【特許文献12】 特開平08−099824皮膚外用剤
【特許文献13】 特開平08−099823皮膚外用剤
【特許文献14】 特開平08−099822皮膚外用剤
【特許文献15】 特開平08−099821皮膚外用剤
【0005】
一方、δトコフェリルレチノエートには、紫外線誘導性MMP2の抑制作用、コラーゲン合成促進作用、活性酸素消去作用、シワ改善作用等が以下の文献に報告され化粧品としての用途が記されている。
【非特許文献1】Kojima.,et al., A novel hybrid Vitamin derivatives: Conjugated product of all−trance−retinoic acid with d−δ−tocopherol, Its dermatological efficacy, IFSCC conference proceeding book,8−13,Edinburgh,2002
【0006】
しかしながら、αトコフェリルレチノエートは構造的に極めて不安定であり、光、空気、熱、金属イオン等により容易に加水分解や種々の異性化、重合等を起こすため、保存中に活性が低下するという問題点があり、安定に皮膚外用剤に配合することは困難であった。
【0007】
そこで、従来から、α−トコフェリルレチノエートの保存安定性を改善せんとする試みがなされており、例えば、アスコルビン酸やトコフェロール等の抗酸化剤を共存させたり(特開平2−300123号公報)、カロチノイドを共存させて光等に対する安定性を高めたりすること(特開平5−163143号公報)が知られている。
【0008】
しかし、前者の抗酸化剤を共存させる方法では、その安定化作用は不十分であり、また、後者のカロチノイドを配合する方法では、0.0001重量%程度の配合量でも基剤が着色され、所期の安定化効果を得るための必要量を配合しようとするとかなりの着色を免れることはできず、皮膚外用剤としての性質上過度の着色は避ける必要があることを考慮すると、カロチノイドを多量に配合できないという問題点があった。
【0009】
α−トコフェリルレチノエートを安定化させるために満足し得る方法は、未だ見出されておらず、優れた安定化手段の開発が望まれている。
【0010】
一方、分解する前のα−トコフェリルレチノエートを純度の高い状態で単純に皮膚に塗布しても効果が弱く且つ皮膚刺激が強く安全性の点で問題があり十分なシワ改善効果や色素沈着治療効果を得ることができないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記した従来の不安定なトコフェリルレチノエートの欠点を解消し組成物の保存安定性に優れ、皮膚に対する刺激の点で安全性が高く皮膚の外用剤としてシワの抑制と色素沈着の改善に対して有効性の高いトコフェリルレチノエート含有外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは鋭意研究の結果、特定の異なる分類のグループの中から1種以上の分子を選択し組み合わせることで本問題を解決できることを見出し、本発明を完成するにいたった。本発明に使用されるd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類は、αタイプ非比較しより不安定であるが、同時にαタイプに比較しシワや色素沈着に対し生理活性作用が高く皮膚に対する刺激も高いことが我々の実験から見出された。我々はまずd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類の酸化安定性を増加させるために抗酸化物質のスクリーニングを行いd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類の安定化に寄与できる抗酸化物質を見出した。我々はd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類が生体中でも分解することを見出しこれらの加水分解に金属結合タンパクが関与しているだろうという予想からこれらの分解酵素の活性を阻害するために有効な金属キレート剤をスクリーニングし前述の抗酸化物質と併用することにより安定性と低刺激性を格段に向上させることを見出した。またd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類の特異的な刺激に対してさらにその刺激を緩和する抗炎症剤をスクリーニングして見出した。これらの混合物の作用は界面活性剤存在下で増強したが通常の合成界面活性剤では抗酸化効果は増強されたが刺激も増強されることが見出された。検討の結果特定の界面活性作用を持つ天然界面活性剤と分子に極性作用を有するアルコール類を混合したところ合成界面活性剤と同様な安定性が実現し且つ刺激の発生を極めて低下させることも見出されこれら6種類の混合物により本発明を完成することができた。
【0013】
本発明者らは、かかる現状に鑑み、鋭意研究の結果、α型以外のトコフェリルレチノエートとともに、天然界面活性剤類、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類とd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類から選択される六種類以上の物質を同時に含有する外用組成物を作成することにより安定性と安全性が向上し且つ効果が格段に向上した外用組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられるトコフェリルレチノエートとは、d−トコフェロールとレチノイン酸のエステルであり、d−トコフェロールは、d−βトコフェリルレチノエート、d−γトコフェリルレチノエート、d−δトコフェリルレチノエートから選択される一種以上の単体又は混合物からなるトコフェリルレチノエートであればよい。レチノイン酸は、all−trans−レチノイン酸、13−cis−レチノイン酸、11−cis−レチノイン酸、9−cis−レチノイン酸またはそれらを含有する混合異性体から選択される一種以上の単体又は混合物であればよい。
【0015】
中でもd−δ−トコフェロール又は、d−β−トコフェロール又はd−γ−トコフェロールと、all−trans−レチノイン酸のエステル又はこれらのエステルの混合物が好ましい。
【0016】
本発明に従って皮膚外用剤に配合されるトコフェリルレチノエートの量としては、特に制限はないが、トコフェリルレチノエートの肌への効果を考えると0001重量%以上であり、α−トコフェリルレチノエートの効果を強く訴求するするためには好ましくはトコフェリルレチノエートの含有濃度が0.01〜2%重量であればよい。
【0017】
本発明の天然界面活性剤類としては、植物抽出アミノ酸系界面活性剤類、リン脂質類、サポニン類等がある。サポニン類としては、トリテルペノイドサポニン類、ステロイドサポニン類及びそれを含有する植物抽出物から選択される一種以上の単体又は複合物又はその塩類であればよい。これらの天然界面活性剤類には具体的には、大豆サポニン、ムクロジサポニン、ルートサポニン、キラヤサポニン、ビートサポニン、ヒトデサポニン、ナマコサポニン、天然のグルタミン酸脂質エステル、サーファクチン、卵黄抽出物、フォスファチジルコリン等がある。これらの中でも本発明に特に適しているのは、コスト及び効果の点から大豆サポニン、ムクロジサポニン、ルートサポニン、キラヤサポニン、ビートサポニン、ヒトデサポニン、ナマコサポニン、サーファクチン、フォスファチジルコリンから選択される一種以上の単体又は混合物及びそれらの塩類である。
【0018】
本発明の天然界面活性剤類の外用組成物への配合量は0.001から10%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.1〜5%重量であれば良い。
【0019】
本発明のキレート剤類としてはエデト酸類、αヒドロキシ酸類、βヒドロキシ酸類、フィチン酸類、ポリアクリル酸類から選択される一種以上の単体又は複合物であればよい。エデト酸類、αヒドロキシ酸類、βヒドロキシ酸類、フィチン酸類、ポリアクリル酸類に含まれる物質としてはクエン酸、乳酸、グリコール酸のような有機カルボン酸類、EDTA、DTPA,HBED、フィチン酸、フェナンスロリン、ヒドロキシピリジノン、リンゴ酸、コハク酸、及びそのエステル化合物及びその塩類や複合物や混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であればよい。これらの中でも本発明に特に適しているのは、コスト及び効果の点からクエン酸、乳酸、グリコール酸、EDTA、DTPA,HBED、フィチン酸、フェナンスロリン、ヒドロキシピリジノン、リンゴ酸、コハク酸から選択される一種以上の単体又は混合物又はその塩類である。
【0020】
本発明のキレート剤類の外用組成物への配合量は0.001から10%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.01〜5%重量であれば良い。
【0021】
本発明の抗炎症剤類としてはアミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アロエエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス等の抗炎症植物抽出物類から選択される一種以上の単体又は複合物であればよい。これらの中でも本発明に特に適しているのは、コスト及び効果の点からアミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アロエエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、カンゾウエキスである。
【0022】
本発明の抗炎症剤類の外用組成物への配合量は0.001から1%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.01から1%重量であれば良い。
【0023】
本発明の抗酸化物質及びその誘導体類及び抗酸化作用のある天然植物抽出物としてはテトラヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸塩類、アスコルビン酸リン酸パルミテート塩類、アスコルビン酸グルコシド類、トコフェロール類、カロチノイド類、ゴマ油、ブドウ種子油、アボカド油から選択される一種以上の単体又は複合物又はその塩類であればよい。これらの中でも本発明に特に適しているのは、コスト及び効果の点からテトラヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸リン酸パルミテート、アスコルビン酸グルコシド、トコフェロール、カロチン、アスタキサンチン、ゴマ油、ブドウ種子油、アボカド油から選択される一種以上の単体又は混合物又はその塩類である。
【0024】
本発明に使用できるテトラヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸塩類、アスコルビン酸リン酸パルミテート塩類、アスコルビン酸グルコシド類としては、L−アスコルビン酸−2−リン酸及びその塩類、L−アスコルビン酸−2−リン酸のNa塩又はK塩又はCa塩又はMgZn塩又はZn塩又はCaK等、アスコルビン酸ー2−リン酸−6−脂肪酸、 L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘキシルデカン酸)エステル又は L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ブチルヘキサン酸)エステル又は L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−(2’−ヘプチルウンデカン酸)エステル又は L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸、 L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−ステアリン酸又はこれらの化合物のNa塩又はK塩又はCa塩又はMgZn塩又はZn塩又はCaK塩又はこれらの複合塩が使用できる。さらに、アスコルビン酸ー2−グルコシド、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−パルミチン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−ステアリン酸、アスコルビン酸−2−グルコシド−6−脂肪酸、アスコルビン酸−2−ポリグルコシド、アスコルビン酸−2−グルコシド−2−ジグルコシド、アスコルビン酸−2,3,5,6テトライソパルミチン酸、アスコルビン酸−6ーパルミチン酸、アスコルビン酸−2,6ージパルミチン酸、アスコルビン酸−2,6−ジステアリン酸。
【0025】
本発明のトコフェロール類としては、α型、β型、γ型及びδ型トコフェロールのD及びDL体、α型、β型、γ型及びδ型トコトリエノールのD及びDL体、トコフェロール結合タンパク、トコフェロール及びトコトリエノール及びそのエステル化合物及びその塩類から選択される少なくとも1種の化合物であればよい。さらに本発明のトコフェリルレチノエート含有物質として使用できるものとしては、上記のトコフェロール又はトコトリエノールのエステル、又は/及びアミド、又は/及びこれらの塩、又は/及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であればよい。
その誘導体の具体例としては、酢酸エステル、パルミチン酸エステルなどの脂肪酸エステル、グルコシド等の糖エステル、トリリン酸やリン酸などのリン酸エステル、ジメチルグリシンなどのアミノ酸エステルおよびこれらの塩類や複合物や混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であればよい。
【0026】
カロチノイド類としてはβーカロチン、αーカロチン、アスタキサンチン、レチノエート、レチノイン酸、トレチノイン、リコピン、ルテイン、クリプトキサンチン等のカロチノイド及びそのエステル化合物及びその塩類や複合物や混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であればよい。
【0027】
本発明の抗酸化物質のうち天然植物抽出物としてはフラボノイド類や抗酸化オイル類があげられ、フラボノイド類としては、ポリフェノール類、フラボン、フラボノール、フラバノン、フラバノール、カテキン、没食子酸、没食子酸プロピル、ケルセチン、ミリスチン、ケルシトリン、ルチン、ゴマ油、ブドウ種子油、オリーブ油、アボカド油及びそのエステル化合物及びその塩類や複合物や混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であればよい。
【0028】
本発明の抗酸化物質の外用組成物への配合量は0.001から10%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.01〜10%重量であれば良い。
【0029】
本発明のアルコール類としてはエタノール、フェノキシエタノール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール,多価アルコールから選択される一種以上の単体又は複合物であればよい。これらの中でも本発明に特に適しているのは、コスト及び効果の点からエタノール、プロパノール、フェノキシエタノール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコールからなるから選択される一種以上の単体又は混合物である。
【0030】
本発明のアルコール類の外用組成物への配合量は0.001から10%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.01〜10%重量であれば良い。
【0031】
これらの天然界面活性剤類、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類とd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類から選択される六種類以上の物質を同時に含有することにより、安定性が向上し且つ皮膚に対する刺激が低下しシワの改善や色素沈着抑制効果が格段に向上する。
【0032】
これらの天然界面活性剤類、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類とd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類から選択される六種類以上の物質についてはそれらの誘導体や塩であってもよく、塩類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅、ゲルマニウム、マンガン、亜鉛、ビスマス、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、はジシクロヘキシルアミン等の塩であることが好ましい。とりわけ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ土類金属が好ましい。これらの塩は、1種または2種以上混合して、または組み合わせて、または複合塩として使用してもよい。
【0033】
本発明の赤外線吸収金属酸化物とは、皮膚に塗布した場合赤外領域の光を5%以上吸収或は遮蔽できる金属酸化物で、皮膚の表面にグリセリンで20%重量に希釈した金属酸化物を100平方センチ当たり1gの密度で均一に塗布した状態で東京の晴天時の夏場の平均的な正午の日光を皮膚に垂直に照射し、10分後の皮膚の表面温度が金属酸化物を塗布しない場合に比較し0.5℃度以上低くなる金属酸化物であればよく、皮膚表面に外用可能な安全性を有するものであれば良い。具体的には赤外線吸収酸化チタン、赤外線吸収酸化亜鉛、赤外線吸収酸化アルミニウム、赤外線吸収酸化ジルコニウムなどが使用でき、さらに具体的にはテイカ株式会社製酸化チタンMP−100等を使用することができる。本発明の赤外線吸収金属酸化物の外用組成物への配合量は0.1から70%重量であればよく、経済効率を考えて高い効果を得るには0.1〜30%重量であれば良い。
【0034】
d−β−トコフェリルレチノエート、d−γ−トコフェリルレチノエート、d−δ−トコフェリルレチノエートの製造方法の一例を以下に示す。
レチノイン酸45gを15gづつ別々にとり、それぞれをイソプロピルエーテル150mlにN3気流下中懸濁し、撹拌下にそれぞれにトリフルオロ酢酸無水物11.5gを加える。15分間撹拌を行った後d−β−トコフェロール24g、d−γ−トコフェロール24g、d−δ−トコフェロール24gをそれぞれに10分間を要して滴下する。26〜28℃で1時間以上撹拌を行い、次に反応液に28%アンモニア水18mlをそれぞれ加え、27〜32℃で1時間撹拌を行う。反応液を水中に注ぎイソプロピルエーテルにて抽出を行う。中性となるまで水洗し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧下に留去し残渣約40gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付す(メルク社製シリカゲル70〜230メッシュ300g使用)。2%エーテル−ヘキサン溶液で溶出を行いそれぞれの溶出区分を薄層クロマトグラフィーで確認する。目的物区分を合わせ濃縮を行いそれぞれ油状のd−β−トコフェリルレチノエート30.5g、d−γ−トコフェリルレチノエート31.1gをd−δ−トコフェリルレチノエート30.2gを得た。
【0035】
本発明においてトコフェリルレチノエートが配合される皮膚外用組成物の基剤としては通常の皮膚外用剤基剤ならばいずれのものも利用できる。すなわち、液状、ゲル状、ペースト状、クリーム状、あるいは粉末状、固状などのもので、皮膚外用剤を修飾する成分として保湿剤、油分、界面活性剤、増粘剤、金属封鎖剤、その他の薬剤、色素、香料などが併用できることは言うまでもない。
【0036】
本発明のトコフェリルレチノエート含有外用組成物を含有する外用組成物の用途は、これを医薬、、動物薬、化粧料、医薬部外品、雑貨等に配合することによってトコフェリルレチノエート含有物質の有効な供給が可能となる。
【0037】
本発明の医薬、動物薬、化粧料、医薬部外品、雑貨におけるトコフェリルレチノエート含有外用組成物の皮膚に対する外用量は、要求される効果の度合、併用される他の成分等との関係により適宜選択されるものであるが、例えばヒトの顔面の皮膚1平方センチメートルに対して0.0001〜2gを一日当たり1回から5回塗布する。シワの改善効果、色素沈着症の改善効果を得るためには、これを3日から1年間連用する。3日以上毎日連用することによりシワや色素沈着の予防効果もある。
【0038】
本発明のトコフェリルレチノエート含有外用組成物は以下に掲げる疾患に対し予防及び治療効果があり、以下の疾患の予防や治療を目的とした医薬、動物薬、化粧料、医薬部外品、雑貨に使用することができる。
【0039】
例えば、皮膚の老化、色素沈着、皴、癌、脂漏症、日焼け、癌、アクネ、やけど、皮膚のたるみ、皮膚の肥満、脱毛、セルライト、感染症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、
【0040】
本発明の外用組成物を以下の分子導入方法を用いる事により組織中のトコフェリルレチノエート含有外用組成物濃度を高めることができる。その分子導入方法とは加湿加温導入法、振動導入法、イオン導入法、音波導入法、電磁波導入法、角質除去導入法から選択される一種以上の導入法。
【0041】
具体的には、加湿加温導入法とは、ヒーターや赤外線照射により加温したり蒸気を肌に噴霧して加温するなどして毛穴を開かせ皮膚温度を上げることで皮膚の毛細血管の血量を増大させ分子の導入を促進するも。振動導入法とは、高速モーター付のバイブレーターや電磁リレー装置、超音波や音波振動版などで微少な振動を皮膚表面に与えることにより分子の移動を加速して血行を促進させ、分子を組織に導入促進するものである。
【0042】
イオン導入法とは、皮膚表面に電極を当て電位を付加することによりイオン性の物質を導入促進する方法とイオン性の溶媒に成分を分散し溶媒とともに導入する方法や電気分解させたイオン性の溶媒を組織に吹き付けるものなどがある。音波導入法とは振動導入法にも含まれるが音波や超音波振動を振動版により皮膚に当てることにより分子運動を加速し血行を促進し物質の拡散状態を促進させ物質を皮膚内に導入するもの。電磁波導入法とは、低周波、高周波、中周波の電磁波を暴露させることにより血行を促進又は角質に穴を開けて有効成分の浸透性を高めるものなどがある。
【0043】
角質除去導入法とは粘着テープや研削剤、髭剃り器具、バイブレーター、ソニックバイブレータ、研磨剤、脱毛装置、研磨布、ナノ繊維布、マイクロファイバークロス、ナノポーラス粒子、レーザーやケミカルピーリング、レチノイン酸などにより皮膚組織などの物理的又は化学的に脱毛又は角質を除去又は角質を薄くして分子の皮膚浸透性を高める方法である。上記の複合型の方法として、あらかじめ赤外線で皮膚を温熱しスチーマーで蒸気を噴出し毛穴を開かせ珪藻土やシリコンなどのナノサイズのポーラスな微粒子にトコフェリルレチノエート含有外用組成物をあらかじめ浸透させておきこの上からミクロやナノサイズの繊維で擦ることにより角質をわずかに研削し、場合により音波や超音波振動バイブレーターにより研削深度を深めトコフェリルレチノエート含有外用組成物を含有したガーゼーで被い、その上よりイオン導入装置で分子を導入する方法などがあるがこれらの方法も本発明の分子導入方法として使用することができる。
【0044】
これらは単独ではなくこれらの機能を複数組み合わせて用いることもできるし二種以上の美顔器械を併用することもできる。例えばイオン導入と振動や超音波を同時に付加することにより成分の皮膚浸透性を高めることができる。本発明で使用できる導入器の具体例としては、ベルファムSDX、ベルファムミニ、ハイビタリオン、ビューリ2、ツインソニック、フォトイオン、トゥアビソ、マルベージャ3、パルスJソニック、シャルム、ハイパーレーザーZ、ビーレーザー、ビジョンレーザーYKE−1002、レーザーエピデュエット、バイブロデピ、パルスJソニック、モナリザアミュ、モナリザシェリーII、ナノケアインク ナノリジュ、ナノケアインク ソニックナノケア、レブニール、ビューソニック、トレイシーなどがある。
【0045】
上記のそれぞれの導入方法は対応する既に公知の分子導入器械を用いて導入することができ、例えば本発明に使用できる導入器としては、加湿導入器、振動導入器、イオン導入器、音波導入器、電磁波導入器、美容レーザー等から選択される一種以上の導入器又は複合機であればよい。
【0046】
本発明のトコフェリルレチノエート含有外用組成物を生体組織に適用する場合においては、発明の効果を損なわない範囲において、一般に生態に用いられる他の成分を配合することができる。このような「他の成分」としては、例えば、第十四改正日本薬局方、化粧品原料基準第二版注解、日本公定書協会編、1984(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格追補、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別許可基準、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、および化粧品原料事典、平成3年(日光ケミカルズ)等に記載されている薬剤等を使用することができる。
【0047】
本発明の製剤に添加可能な材料例(例えば、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等)を以下に列挙するが、もちろん本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0048】
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル、カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12−18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
【0049】
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0050】
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油;アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、杏仁油、ココナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油等の植物油およびその硬化油;ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
【0051】
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーントコフェリルレチノエート含有TVゴム等が挙げられる。
【0052】
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0053】
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2−エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
【0054】
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸およびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素;黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素;ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子;黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料:タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料;雲母チタン等のパール顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩;シリカ、アルミナ等の無機粉体;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン;ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。
【0055】
なお、これらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていても良く、また事前に表面処理されていなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
【0056】
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0057】
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
【0058】
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
【0059】
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子化合物の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28−1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28−2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA,BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP,BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート・イソボニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BF goodトコフェリルレチノエート含有ich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(パミュレン、BF goodトコフェリルレチノエート含有ich社製)等のアニオン性高分子化合物;ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMEトコフェリルレチノエート含有、NSC社製)等の両性高分子化合物;ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物;ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。
【0060】
また、セルロース又はその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン剤、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
【0061】
これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンキカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0062】
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿成分;スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤;
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン類;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤;α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸等の細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤、レチノエート、レチノエート誘導体等の創傷治癒剤;アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤;セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL−α−トコフェロール、酢酸DL−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L−メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、サダニシキエキス等の育毛剤等が挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキス等の酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
(化粧料組成物)
更に本発明の化粧料組成物には、既存の乳化剤等を一般的な濃度で添加することもできる。
(皮膚外用剤)
本発明の医薬品、医薬部外品、化粧品、雑貨のうち皮膚外用剤は、更に、例えばスキンミルク、スキンクリーム、ファンデーションクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、シェービングクリーム、クレンジングフォーム、化粧水、ローション、パック、シャンプー、リンス、育毛剤、養毛剤、染毛剤、整髪料、歯磨き、うがい剤、パーマネントウェーブ剤、軟膏、入浴剤、ボディーソープ等の化粧料として用いることができる。
(化粧料)
化粧料は、例えばエタノール、プロピレングリコール等のアルコール類;パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル等の防腐剤;精製水等に配合することにより得ることができるものであるが、特に限定されるものではない。
【0063】
本発明における化粧品は、例えばファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメイクアップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、アクネ対策化粧料、エッセンス等の基礎化粧料;シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、養毛料、パーマネント剤等の頭髪化粧料;ボディパウダー、デオドラント、脱毛剤、セッケン、ボディシャンプー、入浴剤、ハンドソープ、香水等に分類され、各々の化粧料として用いることができる。
【0064】
本発明の剤型としては、特に限定はなく、二層状、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、ジェル状、スプレー、ムース状、油性、固形状、シート状、パウダー状等従来公知の剤型を使用することができるものである。
【発明の効果】
【0065】
本発明は、不安定で分解しやすいトコフェリルレチノエート含有外用組成物を特殊な処方により安定性が優れ、生態に無害で、高率に生態に導入できる、効果の高いトコフェリルレチノエート含有外用組成物が得られるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
本発明のトコフェリルレチノエート含有外用組成物は、外用組成物のうち特に化粧品で利用した場合生体内で最良のトコフェリルレチノエート効果を発揮し、皮膚疾患、老化防止、美容等様々な疾患やヒトや動物や植物の健康維持に効果を発揮する。
【0067】
次に本発明をより多くの実施例で詳述するが本発明はこれにより限定されるものではない。
【0068】
以下、特別な記載がない限り数字の単位は重量%で示す。
【実施例1】
乳化水溶製剤の調製例
以下の処方で本発明のトコフェリルレチノエート含有外用組成物の乳化物を得た。
d−βトコフェリルレチノエート 1.0、d−γトコフェリルレチノエート 1.0、d−δトコフェリルレチノエート 1.0、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル1.0、アスコルビン酸リン酸パルミテートNa1.0、αトコフェロール0.1、カロチン0.1、ゴマ油0.1、ブドウ種子油0.1、オリーブ油0.1、アボカド油0.1、大豆サポニン0.1、ムクロジサポニン0.1、ルートサポニン0.1、キラヤサポニン0.1、ビートサポニン0.1、エタノール1.0、フェノキシエタノール0.5、ブチレングリコール10、プロピレングリコール5.0、ペンチレングリコール3.0、アロエエキス0.1、オウゴンエキス0.1、オウバクエキス0.1、カンゾウエキス0.1、アミノカプロン酸0.01、グリチルリチン酸0.01、グリチルレチン酸0.01、塩化リゾチーム0.01、アスコルビン酸リン酸Na0.1、アスコルビン酸グルコシド0.1、EDTA4Na0.1、クエン酸0.5、乳酸、グリコール酸0.1、リンゴ酸0.3、フィチン酸0.1、ポリアクリル酸Na0.01、NaOH(水溶成分のpHを6.9に調整)、サーファクチン2.0、水
【実施例2】
【0069】
水溶製剤の調製例
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)実施例1の乳化物1 1.0(6)防腐剤適量(7)精製水残量
【実施例3】
【0070】
水溶製剤の調製例(処方)(%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)実施例1の乳化物1 1.0(6)防腐剤適量(10)精製水残量
【実施例4】
【0071】
化粧水の調製例(処方)(%)
(1)グリセリン5.0(2)1,3−ブチレングリコール6.5(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン1.2モノラウリン酸エステル(4)エチルアルコール8.0(5)実施例1の乳化物10.0(6)アロエ抽出物2 1.0(7)ケイケットウ抽出物3 1.0(8)防腐剤適量(9)香料適量(10)精製水残量
【実施例5】
【0072】
乳化製剤の調製例(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)実施例1の乳化物1 5.0(8)イブキトラノオ抽出物2 0.1(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)テイカ社製酸化チタンMP−100(以下単に酸化チタンMP100と記す)5.0(14)精製水残量
【実施例6】
【0073】
乳化製剤の調製例(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)実施例1の乳化物1 5.0(8)ムクロジ抽出物2 1.0(9)防腐剤0.1(10)カルボキシビニルポリマー0.1(11)水酸化ナトリウム0.05(12)エチルアルコール5.0(13)精製水残量
【実施例7】
【0074】
乳化製剤の調製例(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン1.0モノステアレート(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット0.5テトラオレエート(3)グリセリルモノステアレート1.0(4)ステアリン酸0.5(5)ベヘニルアルコール0.5(6)スクワラン8.0(7)実施例1の乳化物1 5.0(8)シコン抽出物2 1.0(9)オトギリソウ抽出物3 1.0(10)防腐剤0.1(11)カルボキシビニルポリマー0.1(12)水酸化ナトリウム0.05(13)エチルアルコール5.0(14)酸化チタンMP100 5.0(15)精製水残量
【0075】
実施例1から7の製剤はいずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線による顔面のシワ及び皮膚組織の色素沈着を予防治療するものであった。
【実施例8】
【0076】
軟膏の調製例(処方)(%)
(1)ステアリン酸18.0(2)セタノール4.0(3)トリエタノールアミン2.0(4)グリセリン5.0(5)実施例1の乳化物1 1.0(6)グアイアズレン2 0.1(7)酸化チタンMP100 5.0(8)精製水残量
実施例8の軟膏は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【実施例9】
【0077】
パック組成物の調製例(処方)(%)
(1)ポリビニルアルコール20.0(2)エチルアルコール20.0(3)グリセリン5.0(4)カオリン6.0(5)実施例1の乳化物1 0.05(6)マイカイカ抽出物2 0.2(7)防腐剤0.2(8)香料0.1(9)精製水残量
実施例9のパックは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【実施例10】
【0078】
洗浄料の調製例(処方)(%)
(1)ステアリン酸10.0(2)パルミチン酸8.0(3)ミリスチン酸12.0(4)ラウリン酸4.0(5)オレイルアルコール1.5(6)精製ラノリン1.0(7)香料0.1(8)防腐剤0.2(9)グリセリン18.0(10)水酸化カリウム6.0(11)実施例1の乳化物1 0.5(12)インドメタシン2 0.01(13)糖蜜抽出物3 0.5(14)精製水残量1 2 シグマ社製3 太陽化学社製(製法)
実施例10の洗浄料は経時安定性と洗浄能力に優れ、皮膚に適用することにより、くすみのない透明感のあるすこやかな肌にするものであった。
【実施例11】
【0079】
ゲル化剤の調製例(処方)(%)
(1)カルボキシビニルポリマー1.0(2)トリエタノールアミン1.0(3)1,3ブチレングリコール10.0(4)実施例1の乳化物1 0.01(5)アラントイン2 0.02(6)精製水残量1 2メルク社製
実施例11のゲル軟膏は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けによる紅斑を抑制し、効果的に色素沈着を防止するものであった。
【実施例12】
【0080】
乳化製剤調製例(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート2.0(2)グリセリンモノステアレート(自己乳化型)5.0(3)ステアリン酸5.0(4)ベヘニルアルコール0.5(5)スクワラン15.0(6)イソオクタン酸セチル5.0(7)防腐剤適量(8)1,3−ブチレングリコール5.0(9)実施例1の乳化物1 0.2(10)モッカ抽出物2 0.5(11)精製水残量(12)香料適量1 2丸善製薬社製
実施例12のクリームは経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、くすみのない透明感のある美しい肌にするものであった。
【実施例13】
【0081】
化粧品用ファンデーションの調製例(処方)(%)
(1)ラノリン7.0(2)流動パラフィン5.0(3)ステアリン酸2.0(4)セタノール1.0(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル3.0(6)4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン1.0(7)グリセリン5.0(8)トリエタノールアミン1.0(9)カルボキシメチルセルロース0.7(10)精製水残量(11)マイカ15.0(12)タルク6.0(13)着色顔料6.0(14)実施例1の乳化物1 0.01(15)ヨクイニン抽出物2 0.5(16)酸化チタンMP100 3.0(17)香料適量1参考例1で製造したもの2丸善製薬社製
実施例13で得たリキッドファンデーションは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼け等による肌の黒化やシミやソバカスを防止するものであった。
【実施例14】
【0082】
安定性試験
以下の処方により安定性試験のための本発明の乳液と比較のための乳液を作成した。
本発明の乳液
d−βトコフェリルレチノエート 1.0、d−γトコフェリルレチノエート 1.0、d−δトコフェリルレチノエート 1.0、αトコフェロール1.0、ゴマ油0.1、ブドウ種子油0.1、オリーブ油0.1、アボカド油0.1、大豆サポニン0.1、フェノキシエタノール0.5、ブチレングリコール10、アロエエキス0.1、オウゴンエキス0.1、オウバクエキス0.1、カンゾウエキス0.1、グリチルリチン酸K0.01、クエン酸0.1、EDTA4Na0.1、NaOH(水溶成分のpHを7.2に調整)、サーファクチン2.0、水
【0083】
比較のための乳液
d−βトコフェリルレチノエート 1.0、d−γトコフェリルレチノエート 1.0、d−δトコフェリルレチノエート 1.0、オリーブ油2.0、フェノキシエタノール0.5、ブチレングリコール10、EDTA4Na0.5、NaOH(水溶成分のpHを7.2に調整)、サーファクチン2.0、水
【0084】
本発明の乳液、比較のための乳液を上記の配合処方により、常法により調製した。得られた各試料について、調製直後と、40℃、2ヶ月後におけるβ、γ、δトコフェリルレチノエートの定量値を逆相系高速液体クロマトグラフィーによりUV検出器を用いて測定した。その結果、調整直後を100%とした場合、二ヶ月後には本発明の乳液のβ、γ、δトコフェリルレチノエートがそれぞれ99.1%、98.7%、96.3%であったのに対し比較のための乳液はβ、γ、δが67.3%、61.7%、55,4%まで落ち込んでいた。
この結果本発明の乳液が比較乳液に対し極めて高い安定性を保てることが実証された。
【実施例15】
【0085】
効果試験及び刺激試験
本発明の乳液、比較のための乳液を上記の配合処方により、常法により調製した。得られた各試料について、21歳から52歳の顔面のシワと色素沈着症に悩む女性60人をランダムに2グループに分け、本発明の乳液を使用するグループと比較のための乳液を塗布するグループに分けて一日2回朝晩洗顔後に約2gを顔面に塗布して三ヶ月間連続塗布した。
実験開始時と三ヵ月後に顔面の写真を撮影し、実験終了後にシワ及び色素沈着の改善傾向を写真によるコンピューター画像解析により判定した。また、試験期間中の刺激の有無についてもアンケート調査した。その結果本発明の乳液を塗布したグループ30人のうち29人にシワの改善が認められ、色素沈着については30人中25人が改善した。比較のための乳液を使用した30人ではシワの改善が認められたのは10人で、色素沈着については5人であった。また、刺激の有無については本発明の乳液使用者には刺激を報告したものは0人であったが、比較のための乳液使用者では5人が赤斑、3人がかゆみの刺激を報告した。以上の結果により本発明の乳液は、比較の乳液に対しシワ、色素沈着に対して効果が高くまた、刺激が極めて少ない安定性の高いものであることが確認された。
【実施例16】
【0086】
化粧水(重量%)
グリセリン2.0エタノール7.0POE(50)オレイルエーテル0.5オレイルアルコール0.002β−トコフェリルレチノエート0.5パラメトキシ桂皮酸ナトリウム塩0.05乳酸0.02乳酸ナトリウム0.1メチルパラベン0.1精製水全体を100とする量
【実施例17】
【0087】
オイルジェル(重量%)
γ−トコフェリルレチノエート10.0 2−エチルヘキサン酸トリグリセリド40.0オリーブ油10.0BHT0.1BHA0.05POE(20)オクチルドデシルエーテル13.0グリセリン11.0イソプロピル−p−メトキシシンナメート2.0精製水全体を100とする量
【実施例18】
【0088】
美容液(重量%)
β−トコフェリルレチノエート0.3イソプロピルミリステート3.0 POE(60)硬化ヒマシ油0.6キサンタンガム0.8グリセリン30.0プロピレングリコール5.0 4−メトキシ−4−t−ブチルジベンゾイルメタン0.2グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラ0.2メトキシシンナメートエタノール6.0メチルパラベン0.1精製水全体を100とする量
【実施例19】
【0089】
クリーム(重量%)
A.セタノール3.0グリセリルモノステアレート2.0POE(25)セチルエーテル1.0ステアリン酸2.5ワセリン4.0N,N−ジメチルPABAブチルエステル3.0イソプロピルパルミテート3.0スクワラン3.0γ−トコフェリルレチノエート0.1BHT0.05香料適量B.プロピレングリコール3.0水酸化カリウム0.24精製水全体を100とする量Aの油相部分とBの水相部分をそれぞれ70℃で加熱溶解し、AをBに加え乳化する。そののち冷却処理をしてクリームを得る。
【実施例20】
【0090】
美容エッセンス(重量%)
カルボキシビニルポリマー0.4グリセリン5.0プロピレングリコール5.0POE(60)硬化ヒマシ油0.5β−トコフェリルレチノエート0.1スクワラン1.0α−トコフェロール0.05 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン0.01メチルパラベン0.2エチルアルコール6.0精製水全体を100とする量
【0021】
【実施例21】
【0091】
リップスティック(重量%)
固形パラフィン8.0カルナウバロウ2.0キャンデリラロウ4.0マイクロクリスタリンワックス6.0水添ラノリン15.0イソプロピルパルミテート全体を100とする量グリセリルジイソステアレート30.0ワセリン15.0γ−トコフェリルレチノエート0.25 4−フェニルベンゾフェノン0.5 3−(4−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー0.2BHT0.1調合色剤(赤色系)7.0香料適量上記の各原料を80℃で加熱溶解し、そののち所定の容器に流し込みリップスティックを得る。
【実施例22】
【0092】
アイリンクルオイル(重量%)
オリーブオイル20.0イプロピルミリスラート10.0 2−エチルヘキサン酸トリグリセリド26.0スクワラン全体を100とする量PEG4000 2.04−メトキシ−4−t−ブチルジベンゾイルメタン1.0オクチルメトキシシンナメート3.0β−トコフェロール1.0BHT0.1α−トコフェリルレチノエート0.1
【実施例23】
【0093】
美容ペースト(重量%)
PEG300 30.0PEG1500 40.0PEG4000 10.0γ−トコフェリルレチノエート0.5イソプロピルミリステート5.0イソアミル−p−メトキシシンナメート1.0POE(25)セチルエーテル2.0ステアリン酸5.0精製水全体を100とする量
【実施例24】
【0094】
トリートメントサンスクリーン(重量%)
1,3−ブチレングリコール18.0β−トコフェリルレチノエート0.3オクチルメトキシシンナメート25.0 2−ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン1.0流動パラフィン3.0POE(60)硬化ヒマシ油1.0精製水全体を100とする量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
d−βトコフェリルレチノエート、d−γトコフェリルレチノエートから選択される一種以上の単体又は混合物からなるトコフェリルレチノエート含有外用組成物
【請求項2】
d−β,γ,δトコフェリルレチノエート類、天然界面活性剤類、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類の6類の物質群からそれぞれ1種以上選択し、6種以上の物質を同時に含有するトコフェリルレチノエート含有外用組成物
【請求項3】
トコフェリルレチノエートの含有濃度が0.1〜2%重量、抗酸化剤及びその誘導体類の含有濃度が0.01〜10%重量、キレート剤類が0.01〜5%重量、アルコール類が0.01〜10%重量である請求項2の外用組成物
【請求項4】
外用組成物が化粧品、洗浄剤、育毛剤、入浴剤である請求項1及び請求項2の外用組成物
【請求項5】
以下の物質群からなるd−β,γ,δトコフェリルレチノエート類、天然界面活性剤、キレート剤類、抗炎症剤類、抗酸化剤及びその誘導体類、アルコール類の6類の物質群からそれぞれ1種以上選択し、合計6種以上の物質を同時に含有する請求項2の外用組成物。
d−β,γ,δトコフェリルレチノエート類とは、d−βトコフェリルレチノエート、d−γトコフェリルレチノエート、d−δトコフェリルレチノエートから選択される一種以上の単体又は混合物。
天然界面活性剤類とは、大豆サポニン、ムクロジサポニン、ルートサポニン、キラヤサポニン、ビートサポニン、ヒトデサポニン、ナマコサポニン、サーファクチン、フォスファチジルコリンから選択される一種以上の単体又は混合物及びそれらの塩類。
キレート剤類とは、クエン酸、乳酸、グリコール酸、EDTA、DTPA,HBED、フィチン酸、フェナンスロリン、ヒドロキシピリジノン、リンゴ酸、コハク酸から選択される一種以上の単体又は混合物又はその塩類。
抗炎症剤類とは、アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アロエエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、カンゾウエキスから選択される一種以上の単体又は混合物及びそれらの塩類。
抗酸化物質及びその誘導体類及び抗酸化作用のある天然植物抽出物とは、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、アスコルビン酸リン酸、アスコルビン酸リン酸パルミテート、アスコルビン酸グルコシド、トコフェロール、カロチン、アスタキサンチン、ゴマ油、ブドウ種子油、アボカド油から選択される一種以上の単体又は混合物又はその塩類。
アルコール類とは、エタノール、プロパノール、フェノキシエタノール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコールからなるから選択される一種以上の単体又は混合物。
【請求項6】
赤外線吸収金属酸化物含有する請求項2の外用組成物

【公開番号】特開2006−28148(P2006−28148A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−234922(P2004−234922)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(399078844)
【Fターム(参考)】