説明

外用組成物

【課題】ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩を含む有用な外用組成物を提供する
【解決手段】ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩、及びペプチドを、有効成分として含む外用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品、又は医薬部外品として使用される外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロロキノリンキノン(以下、「PQQ」と略称することがある)は、植物、動物、及び微生物など広く生物界に存在し、エネルギー獲得に必須である酸化還元の補酵素として機能している。
PQQには、多くの生理活性があることが知られており、医薬品、医薬部外品、化粧品、又はサプリメントの有効成分としての使用が期待されている。このような生理活性として、活性酸素やラジカルの除去作用、細胞増殖促進作用、紫外線吸収作用、神経成長因子産生促進作用、脳機能改善作用、育毛作用、顔色改善作用、メラニン産生抑制及び美白作用、ミトコンドリア賦活作用、及び抗疲労作用などが知られている。
また、PQQの製剤中での安定性を向上させるための試みが行われている。例えば、特許文献1は、PQQに類似した化合物であるオキサゾピロロキノリン、その塩、又はそのエステルが、活性酸素消去作用、メラニン合成抑制作用、及び過酸化脂質生成抑制作用などの生理活性を有するとともに、製剤中での安定性にも優れることを教えている。
【0003】
また、マメ科植物由来の成分が種々の生理活性を有することも知られている。例えば、特許文献2は、マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物の抽出物がコラーゲン産生促進用、及びヒアルロン酸産生促進作用を有することを開示している。また、特許文献3は、ダイズ粉加水分解物が皮膚弾力改善作用を有することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−138011号
【特許文献2】特開2010−24222号
【特許文献3】特開2004−75572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、PQQ又は薬学的に許容されるその塩(以下、「塩」と略称することがある)を含む有用な外用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するために研究を重ね、ペプチドとPQQ又はその塩とを併用した組成物は、皮膚に適用した場合に、(i)毛孔部の開き(面積)を小さくすると共にその周囲の窪みの深さと面積を小さくすることにより、毛穴を目立たなくすること(毛穴の収縮)、(ii)肌荒れを改善すること、(iii)シワや小ジワを減少させること、(iv)肌のキメを健やかに整えて、バリア機能を改善すること、(v)皮膚の水分量を向上させること、及び(vi)皮膚のクスミを改善してツヤを与えることを見出した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下の外用組成物を提供する。
項1. ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩、及びペプチドを、有効成分として含む外用組成物。
項2. ペプチドが、マメ科植物タンパク加水分解物である項1に記載の外用組成物。
項3. マメ科植物タンパク加水分解物がダイズ属植物タンパク加水分解物である項2に記載の外用組成物。
項4. ダイズ属植物タンパク加水分解物が、ダイズ属植物タンパク質のプロテアーゼによる加水分解物である項3に記載の外用組成物。
項5. プロテアーゼがサーモリシンである項4に記載の外用組成物。
項6. さらに、水溶性高分子増粘剤を含む項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
項7. ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
項8. ペプチドを、組成物の全量に対して、0.0001〜5重量%含む項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
項9. ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、ペプチドを0.001〜1000重量部含む項1〜8の何れかに記載の外用組成物。
項10. ペプチドの分子量が、300〜10000である項1〜9の何れかに記載の外用組成物。
項11. ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物と、ペプチドを含む組成物とを備えた、使用時混合式組成物である、項1〜10の何れかに記載の外用組成物。
項12. 水溶性高分子増粘剤を、組成物の全量に対して、0.001〜5重量%含む項6〜11の何れかに記載の外用組成物。
項13. 水溶性高分子増粘剤が、セルロース系増粘剤、増粘多糖類;デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、及び(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である項6〜12の何れかに記載の外用組成物。
項14.項1〜13の何れかに記載の外用組成物からなる毛穴収縮剤。
項15.項1〜13の何れかに記載の外用組成物からなる肌荒れ改善剤。
項16.項1〜13の何れかに記載の外用組成物からなる肌のキメの改善剤。
【発明の効果】
【0008】
PQQ又はその塩とペプチドを含む本発明の外用組成物は、毛孔部の開き(面積)を小さくすると共にその周囲の窪みの深さと面積を小さくすることにより、毛穴を目立たなくする。即ち、本発明の外用組成物は、毛穴収縮作用を有する。その結果、見える毛穴の数を減らすことができ、その結果、肌の美観を著しく向上させる。
また、本発明の外用組成物は、肌荒れを改善することができる。詳述すれば、肌荒れは、表皮の角質層が肥厚することにより発生するが、本発明の外用組成物は表皮の肥厚を抑制することにより、角質剥離が少なくなる。角質剥離の減少は、肌荒れが改善されることを表している。
また、本発明の外用組成物は、シワを改善する。
また、本発明の外用組成物は、肌のキメ(角質細胞が並び、細胞間に細胞間脂質及び天然保湿物質が存在する状態)を健やかに整え、バリア機能を改善することができる。敏感肌では、角質間の細胞間脂質の量が健常肌よりも少なくなっている等の原因で、肌のキメが乱れて、バリア機能が低下し、刺激の閾値が下がり刺激を感じやすい肌になっている。従って、本発明の外用組成物は、敏感肌の肌質改善に好適に使用できる。
また、本発明の外用組成物は、皮膚の水分量を増加させ、即ち保湿効果がある。
また、本発明の外用組成物は、皮膚のクスミを改善してツヤを与える。
これらの効果は、増粘剤を含むことにより、一層顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の組成物の4週間使用による毛穴の改善スコア(大きさ及び凹み)の評価値の変化を示す。
【図2】実施例1の組成物の4週間使用による毛穴の数の変化を示す。
【図3】実施例1の組成物の4週間使用によるシワの評価値の変化を示す。
【図4】実施例1の組成物の4週間使用によるキメの評価値の変化を示す。
【図5】実施例1の組成物の4週間使用による角質水分量の変化の評価値を示す。
【図6】実施例1の製剤を使用する前、及び使用8週間後の毛穴の数の測定画像を示す。
【図7】実施例1の製剤を使用する前、及び使用8週間後のキメ(毛穴の凹凸の数)の測定画像を示す。
【図8】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、毛穴数の変化率を示す。
【図9】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、毛穴面積の変化率を示す。
【図10】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、マイクロスコープで評価した毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)の改善効果の指標となるスコア値の変化を示す。
【図11】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、マイクロスコープで評価した毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)の改善率を示す。
【図12】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、マイクロスコープで評価した肌荒れの改善効果の指標となるスコア値の変化を示す。
【図13】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、マイクロスコープで評価した肌荒れの改善率を示す。
【図14】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、テープストリッピング法により測定した、肌荒れ改善効果の指標となる重層剥離のスコア値の変化を示す。
【図15】実施例1、及び比較例1〜3の製剤の使用による、テープストリッピング法により測定した肌荒れの改善率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩、及びペプチドを有効成分として含む組成物である。
【0011】
PQQ又はその塩
PQQは動物、植物、及び細菌など多様な生物体内に存在するので、種々の生物から抽出できる。また、PQQは、市販品を購入できる。
PQQの薬学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及びリチウム塩のようなアルカリ金属塩;並びにカルシウム塩、及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩などが挙げられる。塩の中では、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩が好ましい。
【0012】
PQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、0.00001重量%以上が好ましく、0.0001重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、化粧品、又は医薬部外品の通常使用量で、前述した本発明の効果が十分に得られる。
また、PQQ又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、1重量%以下が好ましく、0.3重量%以下がより好ましく、0.1重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、製剤中での溶解性が良好である。
【0013】
ペプチド
ペプチドは、化粧品、又は医薬部外品に配合される天然または合成の由来の公知のペプチドを制限なく使用できる。このようなペプチドとして、例えば、マメ科植物タンパク加水分解物;シルクタンパク分解物;真珠タンパク分解物;コラーゲン加水分解物(水溶性コラーゲン)、低分子コラーゲン、コラーゲンペプチド、加水分解コラーゲン、アテロコラーゲン、及びサクシニルアテロコラーゲン等のコラーゲン誘導体;(アルギニン/リシン)ポリペプチド等のポリペプチド類;オリゴペプチド−6、デカペプチド−2、テトラペプチド−21、トリペプチド−3、ジアミノヒドロキシ酪酸、パルミトイルジペプチド−5ジアミノブチロイルヒドロキシトレオニン、パルミトイルトリペプチド−5、ヘキサペプチド−2、ヘキサペプチド−3、ヘキサペプチド−9、ヘプタペプチド−8、及び酢酸ヘキサノイルジペプチド−3ノルロイシン等のオリゴペプチド類;並びにジペプチド−4、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド、及びパルミトイルジペプチド−5等のジペプチド類などが挙げられる。中でも、マメ科植物タンパク加水分解物が好ましい。
ペプチドは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0014】
ペプチドのピーク平均分子量は、300以上が好ましく、400以上がより好ましく、500以上がさらにより好ましい。また、マメ科植物加水分解物の重量平均分子量は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、皮膚からの浸透性ないしは吸収性が良い。
【0015】
本発明において、ペプチドのピーク平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値であり、具体的には、実施例に記載の方法で測定した値である。
【0016】
ペプチドの含有量は、組成物の全量に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.001重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、本発明の効果が十分に得られる。
また、ペプチドの含有量は、組成物に対して、5重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、製剤がペプチドの臭いを発すること、及び製剤中でのペプチドの沈殿を抑制することができる。
【0017】
マメ科植物タンパク加水分解物
以下、マメ科植物タンパク加水分解物について説明する。
マメ科植物タンパク加水分解物には、例えば、マメ科植物(Leguminosase)の全体の他、根、根茎、葉、種子、及び茎、並びにこれらの破損物又は粉砕物等のタンパク加水分解物が含まれる。中でも、種子タンパクの加水分解物が好ましい。また、タンパクは全タンパクでもよく、一部のタンパクでもよい。
分解は、酸、アルカリ、又は酵素などで行えばよい。中でも、前述した本発明の効果が顕著になり、かつ安全に処理を行うことができる点で、酵素加水分解物が好ましく、プロテアーゼ加水分解物がより好ましい。
【0018】
プロテアーゼとしては、例えば、セリンプロテアーゼ、サーモリシン、パパイン、ブロメライン、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン、及びスブリチンなどが挙げられる。プロテアーゼは、1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、前述した本発明の効果を顕著に示す点で、サーモリシンが好ましい。
【0019】
サーモリシン(EC3.4.24.4)は、耐熱性菌Bacillus thermoproteolyticsが生産する耐熱性プロテアーゼであり、大和化成社などから市販されている。サーモリシンは、通常、大きな側鎖をもった疎水性のアミノ酸残基(例えば、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、及びアラニンなど)のアミノ基側のペプチド結合を切断することが知られている。
【0020】
マメ科植物としては、例えば、ハマエンドウ(L. japonicus)、及びシュクコンスイートピー(L. odoratus)などのレンリソウ属植物(Lathyrus);エンドウ(P. sativum)などのエンドウ属植物(Pisum);ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ、V. angustifolia)、ソラマメ(Vicia faba)、スズメノエンドウ(V. hirsuta)、カスマグサ(V. tetrasperma)、クサフジ(Vicia cracca)、ナヨクサフジ(Vicia dasycarpa)、及びナンテンハギ(Vicia unijuga)などのソラマメ属植物(Vicia);ダイズ(Glycine max subsp. max)、及びツルマメ(Glycine max subsp. soja)などのダイズ属植物;並びにコマツナギなどのコマツナギ属植物が挙げられる。
中でも、レンリソウ属植物(Lathyrus)、エンドウ属植物(Pisum)、ダイズ属植物、及びコマツナギ属植物が好ましく、中でも、ハマエンドウ(L. japonicus)、エンドウ(P. sativum)、ダイズ(Glycine max subsp. max)、ツルマメ(Glycine max subsp. soja)、及びコマツナギ(Indigofera pseudotinctoria)がより好ましく、ハマエンドウ、エンドウ、ダイズ、及びツルマメがさらにより好ましい。
【0021】
以下、大豆ペプチドについて詳述する。本発明において、大豆ペプチドはダイズ属植物のペプチドである。中でも、ダイズペプチドが好ましい。
部位については、ダイズ属植物の種子を用いるのが好ましい。種子には、種子全体、脱皮ダイズ種子、脱脂ダイズ種子、及び種子全体から得られる雪花菜(オカラ)などが含まれる。
【0022】
大豆タンパク質をプロテアーゼで分解する際の反応条件は、そのプロテアーゼの最適条件とすればよい。プロテアーゼの最適条件は当業者が技術常識に基づいて適宜選択できる。例えば、市販のプロテアーゼを使用する場合は、その使用説明書に記載の条件を採用すればよい。具体例としては、水などの溶媒に、大豆タンパク質濃度が一般的には0.1〜30%(w/v)、好ましくは1〜10%(w/v)となるように、大豆タンパク質又は大豆タンパク質を含む原料を懸濁し、この懸濁液に、一般的には0.001〜3%(w/v)、好ましくは0.01〜0.125%(w/v)となるようにプロテアーゼを加えて加水分解反応を行う態様が挙げられる。反応時間は、一般的には、30〜80℃、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃とすることができる。また、反応時間は、一般的には、2〜30時間、好ましくは3〜24時間、より好ましくは10〜20時間、さらに好ましくは12〜18時間とすることができる。反応液のpHは、使用するプロテアーゼの至適pH付近であることが好ましく、例えば、サーモリシンを使用する場合のpHは、7〜8.5であることが好ましい。
【0023】
大豆ペプチドは、例えば、日清オイリオ社、ADMファーイースト社、昭和産業社、及び不二製油社などから市販されている。
大豆ペプチドの分子量は、ペプチドについて前述した通りである。
【0024】
PQQ又はその塩に対するペプチドの含有比率
また、PQQ又はその塩に対するペプチドの含有比率は、PQQ又はその塩の1重量部に対して、ペプチドを、0.001重量部以上とするのが好ましく、0.01重量部以上とするのがより好ましく、0.1重量部以上とするのがさらにより好ましい。
また、PQQ又はその塩に対するペプチドの含有比率は、PQQ又はその塩の1重量部に対して、ペプチドを、1000重量部以下とするのが好ましく、300重量部以下とするのがより好ましく、100重量部以下とするのがさらにより好ましい。
上記範囲であれば、本発明の効果が十分に得られる。
【0025】
増粘剤
本発明の組成物は、増粘剤を含むことが好ましい。これにより、使用感が良好くなり、また前述した本発明の効果が一層顕著に得られるようになる。
増粘剤としては、化粧品、又は医薬部外品の増粘剤として使用される公知のものを制限なく使用できる。このような公知の増粘剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースのようなセルロース系増粘剤;グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、及びキサンタンガムのような増粘多糖類;デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸及びこれらの塩、並びにヒアルロン酸誘導体及びこれらの塩などの水溶性高分子が挙げられる。
中でも、特に使用感が良くなる点で、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースのようなセルロース系増粘剤;グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、及びキサンタンガムのような増粘多糖類;デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、デキストリン脂肪酸エステル、ペクチン、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、並びに(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが好ましく、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、及び(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーがより好ましい。
増粘剤は、1種を単独で、又は2種以上を組合わせて使用できる。
【0026】
増粘剤の含有量は、組成物の全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.05重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、良好な使用感が得られ、また本発明の効果を十分に増強させることができる。
また、増粘剤の含有量は、組成物の全量に対して、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、増粘剤を製剤中に溶解させることができる。
【0027】
基剤又は担体
基剤又は担体としては、例えば、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、白ロウ、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、セレシン、ワセリン、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、及びイソステアリン酸のような脂肪酸;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルのようなトリ脂肪酸グリセリド;セタノール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールのような高級アルコール;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、及びジメチルポリシロキサンのようなシリコーン油;エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート、ヘキシレングリコールジアセタート、及び2−メチル−2−プロペン−1,1−ジオールジアセタートのようなグリコールアセタート;トリエチレングリコールジバレラート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチラート、及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチラートのようなグリコールエステル;エチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、プロピレングリコールモノアクリラート、2,2−ジメチル−トリメチレングリコールジアクリラート、及び1,3−ブチレングリコールジアクリラートのようなグリコールアクリラート;エチレングリコールジニトラート、ジエチレングリコールジニトラート、トリエチレングリコールジニトラート、及びプロピレングリコールジニトラートのようなグリコールジニトラート;2,2′−[1,4−フェニレンジオキシ]ジエタノール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
【0028】
中でも、炭化水素(特に、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、軽質流動パラフィン、及び流動パラフィン)、トリ脂肪酸グリセリド(特に、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、高級アルコール(特に、セタノール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール)、シリコーン油(特に、メチルポリシロキサン、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、及びジメチルポリシロキサン)、エステル類(特に、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット)、多糖類(特に、デキストリン、及びマルトデキストリン)、グリコールエーテル(特に、ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、並びに水が好ましい。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0029】
添加剤
また、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料、又は医薬部外品に添加される公知の添加剤、例えば、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、及びパール光沢付与剤等を添加することができる。添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0030】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、及びテトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル、及びモノステアリン酸グリセリンリンゴ酸のようなグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、及びジイソステアリン酸ポリグリセリルのようなポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;並びにポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
【0031】
中でも、グリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸グリセリル)、ポリグリセリン脂肪酸類(特に、モノステアリン酸ポリグリセリル)、硬化ヒマシ油誘導体(特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(特に、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、及びモノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60))、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレンセチルエーテル)、並びにシリコーン系界面活性剤(特に、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン)が好ましい。
【0032】
保存剤、又は防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、及びフェノキシエタノールなどが挙げられる。中でも、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、及びフェノキシエタノールが好ましい。
【0033】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、及びホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、及びアミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムなど)、並びに有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びリジンなど)などが挙げられる。中でも、コハク酸、コハク酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウムが好ましい。
【0034】
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、及びカリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、並びにメタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、及びブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、及び2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
【0035】
着色剤としては、例えば、無機顔料、及び天然色素などが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、及びジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
【0036】
その他の活性成分
本発明の組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、例えば、抗酸化成分、老化防止成分、抗炎症成分、美白成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、ビタミン類、血行促進成分、保湿成分、DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、抗菌成分、並びに収斂成分などの、化粧品に添加し得る他の活性成分を配合することができる。他の活性成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0037】
抗酸化成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、及びコンフリー等)に由来する成分;プロアントシアニジン、トコフェロール及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、へスペリジン、グルコシルヘスペリジン、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、並びにヒポタウリンなどが挙げられる。中でも、ブドウ種子エキス、ブドウ葉エキス、オタネニンジンエキス、コンフリー葉エキス、プロアントシアニジン、トコフェロール及びその誘導体(特に、δ−トコフェロール、及びα−トコフェロール)、アスコルビン酸及びその誘導体(特に、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びテトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル))、へスペリジン、グルコシルヘスペリジン、並びにエルゴチオネインが好ましい。
【0038】
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノール及びその誘導体、レチノイン酸、及びレチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、並びにメバロノラクトン等が挙げられる。中でも、アルテミアエキス、加水分解大豆タンパク、レチノール、酢酸レチノール、及びパルミチン酸レチノールが好ましい。
【0039】
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、コンフリー)に由来する成分;アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、並びにサリチル酸又はその誘導体などが挙げられる。中でも、コンフリー葉エキス、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、及びグリチルレチン酸ステアリルが好ましい。
【0040】
美白成分としては、例えば、アルブチン、ハイドロキノン、コウジ酸、エラグ酸、フィチン酸、ルシノール、カモミラET、アスコルビン酸又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、トラネキサム酸、及び美白作用を有する植物成分(例えば、植物エキスや精油)が挙げられる。中でも、アルブチン、ハイドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、及びトラネキサム酸が好ましい。
【0041】
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、及びクエン酸などが挙げられる。中でも、乳酸、乳酸ナトリウム、グリコール酸、サリチル酸、及びフィチン酸が好ましい。
【0042】
細胞賦活化成分としては、例えば、植物(例えば、ビルベリー)に由来する成分;γ-アミノ酪酸、及びε-アミノプロン酸などのアミノ酸類;レチノール及びその誘導体、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、及び乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、並びに感光素301号などが挙げられる。中でも、ビルベリー葉エキス、レチノール、酢酸レチノール、及びパルミチン酸レチノールが好ましい。
【0043】
ビタミン類としては、例えば、レチノール、レチノール誘導体(酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等)、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、及びβ−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、及びエキネノン等のプロビタミンA類;δ−トコフェロール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、及びニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、及びニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びアスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、及びファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、及びビオシチン等のビオチン類;並びにカルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、及びγ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
【0044】
中でも、レチノール、酢酸レチノール、及びパルミチン酸レチノールなどのビタミンA類;アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、及びテトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)などのビタミンC類;δ−トコフェロール、及びニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;並びにニコチン酸アミドなどのニコチン酸類が好ましい。
【0045】
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、又はトウモロコシ)に由来する成分;ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、並びにヘスペリジンが挙げられる。中でも、オタネニンジンエキス、ニコチン酸トコフェロール、グルコシルヘスペリジン、及びヘスペリジンが好ましい。
【0046】
保湿成分としては、例えば、植物(例えば、チガヤ)に由来する成分;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、並びにテアニンのようなアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、ゼラチン、及びエラスチンのようなタンパク質、ペプチド、又はそれらの加水分解物;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジグリセリンなどの多価アルコール;ソルビトールのような糖アルコール;レシチン、及び水素添加レシチンのようなリン脂質;ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン、及びコンドロイチンのようなムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及び尿素のようなNMF由来成分;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)等)等のリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体;並びにソルビトールなどが挙げられる。中でも、チガヤ根エキス、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、MPCポリマーグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、トリメチルグリシン(ベタイン)、ヒドロキシエチルウレア、アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、水素添加レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、及びソルビトールが好ましい。
【0047】
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;並びにDNA、DNA塩、RNA、及びRNA塩等の核酸成分が挙げられる。中でも、アルテミアエキス、及びDNA-Naが好ましい。
【0048】
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、及び2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。中でも、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、及び2,4,6−トリス[4−(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジンが好ましい。
【0049】
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、及び含水ケイ酸等の無機化合物、これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカ、又はタルク等の無機粉体で被覆したもの、これらの無機化合物をポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、又はナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、並びにこれらの無機化合物をシリコーン油、又は脂肪酸アルミニウム塩等で処理又は被覆したものなどが挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化鉄等の無機化合物、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカ、若しくはタルク等の無機粉体、又はシリコーン油で処理又は被覆したものが好ましい。
【0050】
洗浄成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、高級脂肪酸塩、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アシル化イセチオン酸塩、及びアシル化タウレート等のアニオン界面活性剤;アミンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油等の非イオン界面活性剤;アルキレンオキサイドが付加していてもよい、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキル基を有するモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;並びにカルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、及びアミドベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0051】
中でも、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤が好ましい。アニオン界面活性剤では、高級脂肪酸塩(特に、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸等の高級脂肪酸の塩)、並びにN-アシルアミノ酸塩(特に、N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、水酸化カリウム/N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、及びミリストイルグルタミン酸)が好ましい。非イオン界面活性剤では、脂肪酸アルカノールアミド(特に、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、及びヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド)、アミンオキサイド(特に、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシド)が好ましい。両性界面活性剤では、イミダゾリニウムベタイン(特に、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム)が好ましい。
【0052】
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、並びに塩酸アルキルジアミノグリシンなどが挙げられる。中でも、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、並びに塩酸アルキルジアミノグリシンが好ましく、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、並びにイソプロピルメチルフェノールがより好ましい。
【0053】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、及び硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;並びにタンニン酸、クエン酸、乳酸、及びコハク酸などの有機酸を挙げることができる。中でも、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、及びタンニン酸が好ましい。
【0054】
本発明の組成物は、各成分を常法に従って混合撹拌することにより調製できる。
pH
本発明の組成物のpHは4〜8が好ましく、5〜7がより好ましい。上記範囲であれば、組成物の分離や成分の分解が抑制された安定な製剤となる。
【0055】
製剤形態
本発明の組成物の形態は特に限定されず、化粧料又は医薬部外品の形態として公知の形態を採ることができる。このような公知の形態として、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、パップ剤、不織布等のシートに薬液を含浸させたシート剤、及びリップスティックのようなスティック剤などが挙げられる。中でも、使用感が良い点で、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、及びローション剤が好ましく、液剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、及びローション剤がより好ましい。
また、化粧料組成物の具体的な用途は特に限定されず、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、ハンドクリーム、ボディローション、及びボディークリームのような基礎化粧料;洗顔料、メイク落とし、ボディーシャンプー、シャンプー、及びリンスのような洗浄用化粧料;ファンデーション、化粧下地、リップクリーム、口紅、及びチークカラーのようなメークアップ化粧料;並びに入浴剤などが挙げられる。
【0056】
使用時混合式組成物
また、本発明の組成物は、PQQ又はその塩を含む第1の組成物と、ペプチドを含む第2の組成物とを組み合わせた使用時混合式又は用時調製型の外用組成物とすることができる。本発明者は、PQQ又はその塩が、ペプチドの存在下で分解又は変性し易いことを見出したが、PQQ又はその塩を含む第1の組成物と、ペプチドを含む第2の組成物とを使用時に混合するようにすることで、保存又は流通中に、PQQ又はその塩の生理活性が減少し、又は失われるのが回避される。
【0057】
容器
本発明の組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、及び材質の容器に収容し、使用することができる。容器形状としては、例えば、ボトルタイプ、チューブタイプ、ジャータイプ、スポイドタイプ、ディスペンサータイプ、スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。また、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、及びLLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリスチレン、ガラス、並びに金属(アルミ等)などを例示できる。また、これらの材料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コーティング処理を行ったり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器材料として用いることができる。また、当業者であれば、容器からの吐出量を制限、容器への付着性を軽減するために、容器のノズル及び製剤の溶出部の口径、及び材質を選択することができる。
【0058】
また、使用時混合式の組成物とする場合は、第1剤を収容する容器と、第2剤を収容する容器は、ノズルなどの吐出部を共通にすることができる。また、各容器の吐出部が途中から一つになって、そこで第1剤と第2剤が混合され、最終的に一つの容器口から混合物が吐出されるものであってもよい。また、第1剤を収容する容器の吐出部及び容器口と、第2剤を収容する容器の吐出部及び容器口とが別々であり、手や肌に取った後に使用者が両剤を混ぜ合わせるものであってもよい。
【0059】
使用方法
本発明の組成物の使用方法は、使用対象の皮膚の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。即ち、1日数回(例えば、1〜5回、好ましくは1〜3回)、1回当たり適量(例えば、0.05〜5g)を皮膚に塗布すればよい。また、PQQ又はその塩の1日使用量が、例えば0.0005〜0.05g、好ましくは0.001〜0.02g、より好ましくは0.002〜0.01gとなるように、又はペプチドの1日使用量が、例えば0.01〜1g、好ましくは0.02〜0.4g、より好ましくは0.04〜0.2gとなるように組成物を塗布すればよい。
また、塗布期間は、例えば2週間〜6ヶ月、好ましくは1〜6ヶ月間とすればよい。
【0060】
また、使用時混合式の組成物である場合は、容器口から第1剤と第2剤の混合物を吐出させ、混合物を皮膚に塗り広げるようにしてもよいし、第1剤と第2剤をそれぞれ別の容器口から吐出させた後に、手や、本発明の組成物が適用される皮膚の上で混合しながら塗り広げるようにしてもよい。また、一方の剤を皮膚に塗布してなじませた後に、他方の剤を皮膚に塗布してなじませる方法で使用してもよい。
【0061】
PQQ又はその塩を含む第1剤と、ペプチドを含む第2剤の使用比率は、PQQ又はその塩の1重量部に対して、ペプチドの使用量が、0.001重量部以上、特に0.01重量部以上、中でも0.1重量部以上となるようにするのが好ましい。
また、PQQ又はその塩を含む第1剤と、ペプチドを含む第2剤の使用比率は、PQQ又はその塩の1重量部に対して、ペプチドの使用量が、1000重量部以下、特に300重量部以下、中でも100重量部以下となるようにするのが好ましい。
上記範囲であれば、本発明の効果が十分に得られる。
【0062】
本発明の外用組成物は、PQQ又はその塩、及びペプチドの生理活性を期待して、種々の皮膚疾患や皮膚トラブルを有する人に好適に使用できる。特に、毛穴が大きく又は毛穴が深いために毛穴が目立つ人、シワを有する人、肌のキメが乱れている人、及び敏感肌の人が好適な対象となる。また、皮膚トラブルの予防のため、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0064】
(1)組成物の調製
参考例(大豆蛋白加水分解物の調製)
粉末状分離ダイズタンパク質(製品名「PR-800」、大和化成株式会社製)50gを2Lの蒸留水に分散し、0.1N NaOHでpH8.0に調整した。500mgのサーモリシン(Bacillus thermoproteolyticus由来、製品名「サモアーゼPC10F」、大和化成株式会社製)を添加して、60℃で15時間での分解を行なった。反応後、100℃で10分間煮沸してサーモリシンを失活させた。放冷後、25gのろ過助剤(ラジオライト500、昭和化学工業株式会社)を添加し、撹拌した後、ろ過を行なった。得られたろ液を500mLまで減圧濃縮し、その後凍結乾燥をして、最終的に26gのサーモリシン加水分解物を得た。
【0065】
大豆蛋白加水分解物のピーク平均分子量測定
このようにして得られた加水分解物のピーク平均分子量を、GPC法により測定した。
ダイズペプチドを25mM Tris-HCl緩衝液(150mM NaCl含有、pH7.5)に溶解し、1mg/mLの被験溶液を調製した。HPLCカラム Superdex peptide HR(10mm I.D.×30cm,Amersham Biosciences社製)を同じ緩衝液で平衡化し、このカラムに被験溶液を100μL注入した。カラムの流速は0.5mL/分、カラム温度は室温、ペプチドの検出は214nmで行い、溶出時間から分子量分布及びピーク平均分子量を推定した。なお、分子量既知のペプチド標品として、Cytochrome C(シグマ社製、分子量12327)、Aprotinin(シグマ社製、分子量6518)、Hexaglycine(シグマ社製、分子量360)、Triglycine(シグマ社製、分子量189)、及びGlycine(シグマ社製、分子量75)を用いた。
214nmでペプチドを検出し、溶出時間から分子量分布およびピーク平均分子量を推定した。その結果、本実施例により得られたダイズタンパク質のサーモリシン加水分解物のピーク平均分子量は711であった。
本明細書において、「ピーク平均分子量」は、上記条件のGPC法により測定される平均分子量であり、クロマトグラムのピークトップ(最も強い強度のピーク)の溶出時間に対応する分子量を意味する。
【0066】
上記のようにして調製した大豆蛋白加水分解物を用いて、下記組成を有する外用組成物を調製した。
実施例1(乳液)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.2
モノステアリン酸ソルビタン 0.6
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 0.8
カルボキシビニルポリマー 0.2
1,3-ブチレングリコール 3
ジプロピレングリコール 3
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 0.3
ステアリルアルコール 0.4
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 4
αオレフィンオリゴマー 8
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド 0.5
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2Na 0.02
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.4
モノステアリン酸ポリグリセリル 0.2
流動パラフィン 5
エデト酸ナトリウム 0.05
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、ガラス製容器にそれぞれ収容した。
【0067】
実施例2(ゲル化粧水)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.3
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 0.6
カルボキシビニルポリマー 0.15
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
ジプロピレングリコール 3
グリセリン 5
エデト酸ナトリウム 0.05
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 3
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2Na 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.2
ジプロピレングリコール 5
エデト酸ナトリウム 0.05
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、2剤混合型ポンプ容器(容器本体、ポンプヘッド部、ディスペンサー部の材質;ポリプロピレン、1プッシュ0.3mL)に収容した。
【0068】
実施例3(ゲル美容液)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.05
モノイソステアリン酸ソルビタン 0.4
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 0.4
カルボキシビニルポリマー 0.3
キサンタンガム 0.05
ジプロピレングリコール 3
グリセリン 5
エデト酸ナトリウム 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
ベヘニルアルコール 0.2
ステアリルアルコール 0.3
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 3
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2Na 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.35
1,3−ブチレングリコール 5
エデト酸ナトリウム 0.05
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、容器本体の材質;ポリエチレンテレフタレート、ディスペンサー部の材質;ポリプロピレン、1プッシュ0.3mLで構成されるディスペンサー容器にそれぞれ収容した。
【0069】
実施例4(乳液×ゲル美容液)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.1
モノステアリン酸ソルビタン 0.6
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 0.8
カルボキシビニルポリマー 0.2
1,3−ブチレングリコール 3
ジプロピレングリコール 3
大豆加水分解物 0.01
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 0.3
ステアリルアルコール 0.4
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 4
αオレフィンオリゴマー 8
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド 0.5
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2Na 0.01
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.4
モノステアリン酸ポリグリセリル 0.2
流動パラフィン 5
エデト酸ナトリウム 0.05
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、2剤混合型ポンプ容器(容器本体、ポンプヘッド部、ディスペンサー部の材質;ポリプロピレン、1プッシュ0.4mL)に収容した。
【0070】
実施例5(クリーム)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.05
モノステアリン酸ソルビタン 1.2
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
プルラン 0.2
加水分解コラーゲン 0.05
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
1,3−ブチレングリコール 10
グリセリン 10
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 2
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 8
ホホバ油 5
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド 3
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2Na 0.3
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
キサンタンガム 0.05
モノステアリン酸ポリグリセリル 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.1
1,3−ブチレングリコール 3
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 2
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 1.5
セタノール 1.5
スクワラン 5
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
シア脂 2
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、2剤混合型ポンプ容器(容器本体の材質;ポリエチレンテレフタレート、ポンプヘッド部・ポンプ部の材質;ポリプロピレン、1プッシュ0.5mL)に収容した。
【0071】
実施例6(クリーム)
第1剤
大豆蛋白加水分解物 0.3
モノステアリン酸グリセリン 1.6
モノステアリン酸ポリグリセリル 2.0
キサンタンガム 0.1
1,3−ブチレングリコール 5
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 2
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 2
スクワラン 5
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 5
トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド 3
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第2剤
PQQ2K 0.01
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.2
キサンタンガム 0.1
モノステアリン酸ソルビタン 1.2
イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20.EO.) 1.2
1,3−ブチレングリコール 3
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 2
エデト酸ナトリウム 0.05
ベヘニルアルコール 2
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 8
ホホバ油 5
pH調整剤 適量
防腐剤 適量
精製水 残量
第1剤、第2剤をそれぞれ調製し、2剤混合型ポンプ容器(容器本体の材質;ポリエチレンテレフタレート、ポンプヘッド部・ポンプ部の材質;ポリプロピレン、1プッシュ0.5mL)に収容した。
【0072】
(2)試験1
(2-1)試験方法
30〜44歳の男女パネル28名が、56日間、毎日2回、実施例1の両剤の適量を等容量手の平に取り、手のひらで混ぜ合わせてから顔全体に塗布した。塗布開始時(0w)、塗布開始28日後(4w)、及び塗布開始56日(8w)後に、皮膚画像解析(VISIA)、角層水分含量測定、及びアンケート調査を行った。測定及びアンケート調査は、洗顔後、約10分間状態を安定化させた後に行った。
【0073】
測定方法の詳細は以下の通りである。
(i)皮膚画像解析
撮影部位:1)右側 2)左側
使用機器:VISIA Evolution/インテグラル
解析:VISIA内臓の解析ソフトによる解析を行った。
1)毛穴改善の評価
2)シワ改善の評価
3)キメ改善の評価
毛穴に関しては毛穴の大きさ(面積)、色値(毛穴の深み)、及び数を、シワに関してはシワの長さ・幅及び色値を、キメに関しては皮膚表面上で皮溝が会合する点を結んだ面積を、本機器内臓ソフトで処理した数値により評価した。塗布前後の数値を比較し、塗布前より塗布後の数値の下降度が大きいほど効果が強いことを示す。
【0074】
(ii)角質水分量測定
測定部位:右側の頬
測定機器:CORNEOMETER AM825、SKICON-200EX/インテグラル
【0075】
(iii)アンケート調査
外用組成物を塗布したパネル28名に、テスト開始時(塗布前)、4週間後、及び8週間後に、アンケートを実施し、肌質改善に関するコメントを確認した。アンケート項目は、「くすみ」、「つや」、「キメ(毛穴の凸凹)」、「目尻の小じわ」、「シワの線の深さ」、「潤い」、及び「総合的な肌状態」の7項目とした。各項目とも10段階で評価する。評点0は最も悪い状態を示し、評点10は最も良い状態を示す。各項目における肌状態が良くも悪くもない状態の場合は、評点5とする。
【0076】
(2-2)結果
実施例1の組成物の4週間使用による各評価値の変化を図1〜5に示す。
図1は、毛穴の改善スコア(大きさ及び凹み)の評価値の変化を示し、図2は、範囲指定した面積当たりの毛穴の数の変化を示す。図3は、シワの評価値の変化を示し、図4は、キメ(皮膚表面上で皮溝が会合する点を結んだ面積の変化)の評価値の変化を示し、図5は、角質水分量の評価値の変化値を示す。
また、図6は、実施例1の製剤を使用する前、及び使用8週間後の毛穴の数の測定画像を示す。また、図7は、実施例1の製剤を使用する前、及び使用8週間後のキメ(毛穴の凹凸の数)の測定画像を示す。
【0077】
(i)皮膚画像解析
毛穴、シワ、キメの改善状況は、本願発明の外用組成物を塗布することにより、塗布前の状況と比較して、投与後の毛穴、シワ、キメの状況は優位に改善した。即ち、毛穴については、毛孔部のサイズ及び窪みが小さくなったことを示しており、本願発明の外用組成物の高い効果が確認された。
【0078】
(ii)角質水分量測定
角質水分量は、本発明の外用組成物を塗布することにより有意に増大した。
【0079】
(iii)アンケート調査
結果を以下の表1及び表2に示す。アンケート結果は、各項目毎に、塗布前の評点が、評点5「状態が良くも悪くも無い」以下であるモニターの結果を集計した。また、表中の「改善」は、投与前(0w)の評点より投与後の評点(改善効果)の方が高いモニター(塗布によって効果を実感したモニター)の数を示し、「改善なし」は投与前評点と投与後評点が同じであるモニターの数を示している。なお、本試験において、実施例1の組成物を塗布することにより、塗布前評点より低い評点(状態が悪化)になったモニターはいなかった。
【0080】
【表1】

【0081】
【表2】

【0082】
(3)試験2
(3-1)試験方法
上記実施例1の製剤において、PQQ2Naを水に置き換えた外用組成物(比較例1)、大豆蛋白加水分解物を水に置き換えた外用組成物(比較例2)、並びにPQQ2Na、及び大豆蛋白加水分解物を水に置き換えた外用組成物(比較例3)を調製した。
25〜50歳の男女パネル24名が、28日間、毎日2回、実施例1の第1剤及び第2剤を、等容量になるよう適量、手の平に取り、手のひらで混ぜ合わせてから顔の右半分全体に塗布した(n=24)。また、その24名を3群に分け、各群8名の顔の左半分に、それぞれ、比較例1、比較例2、及び比較例3の製剤を塗布した(n=8)。比較例1〜3についても、第1剤及び第2剤を、等容量になるよう適量、手の平に取り、手のひらで混ぜ合わせてから塗布した。
塗布開始時(0w)、及び塗布開始28日後(4w)に、皮膚画像解析1(Robo Skin Analyzer)、皮膚画像解析2(マイクロスコープ)、及び角層テープストリッピングを行った。測定は、洗顔後、約10分間状態を安定化させた後に行った。試験に使用した各例の組成物のPQQ2Na、及び大豆蛋白加水分解物の有無を以下の表3に示す。
【0083】
【表3】

【0084】
測定方法の詳細は以下の通りである。
(i)皮膚画像解析1
撮影部位:1)右側 2)左側
使用機器:Robo Skin Analyzer CS50/ニーク
解析:機器内臓の解析ソフトによる解析を行った。
毛穴に関して、毛穴の大きさ(面積)、及び数を、本機器内臓ソフトで処理した数値により評価した。試験開始前(0w)と塗布4週間後(4w)の数値を比較し、本願発明の効果を確認した。
【0085】
(ii)皮膚画像解析2
撮影部位:1)右側 頬(中央、及び下) 2)左側 頬(中央、及び下)
使用機器:マイクロスコープ/キーエンス
解析方法: 試験開始前および4週間後に、マイクロスコープで皮膚を撮影した。撮影した画像を下記の評価基準に基づいて目視で評価し、試験開始前(0w)および4週間後(4w)の(a)毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)、及び(b)肌状態(肌荒れ)を算出した。
(a)毛穴の目立ち評価スコア
評点5:毛穴が目立たない
評点4:毛穴がほとんど目立たない
評点3:毛穴がやや目立つ
評点2:毛穴が目立つ
評点1:非常に毛穴が目立つ
(b)肌状態(肌荒れ)の評価スコア
評点5:皮溝がはっきりみとめられるか又はきれいな網目状である
評点4:皮溝は認められるか又はやや網目状である
評点3:皮溝は認められるが、浅いか又は一方向性が強い
評点2:皮溝がやや不鮮明であるか又は一方向性が強い
評点1:皮溝が不鮮明である
【0086】
(iii)角質テープストリッピング
剥離部位:1)右側 頬(中央、及び下) 2)左側 頬(中央、及び下)
解析方法: 頬部よりセロハンテープで採取した角層をスライドグラスに転写し、ゲンチアナバイオレット-ブリリアントグリーン染色を行い、角層を染色した。光学顕微鏡にて観察し、下記の評価基準に基づき目視にて評価し、試験開始前(0w)および4週後(4w)の(c)重層剥離(肌荒れ)度を算出した。
(c)角質の重層剥離の評価スコア
評点1:多い
評点2:やや多い
評点3:中間
評点4:やや少ない
評点5:少ない
角質の重層剥離の高いスコア値は肌環境が良好なことを示し、低いスコア値は肌環境(肌荒れ)が不良であることを示す。このため低い値から高い値に向かった場合(スコア差がプラス)は肌荒れが改善したことを示し、高い値から低い値を示した場合(スコア差がマイナス)は肌荒れが悪化したことを示す。
【0087】
(3-2)結果
実施例1、及び比較例1〜3の組成物の4週間使用による各評価値の変化を図8〜15、表4〜9に示す。
図8および表4は、塗布前(0W)に対する4週間塗布後(4W)の、範囲指定した面積当たりの毛穴数の変化率を示す。
図9及び表5は、塗布前(0W)に対する4週間塗布後(4W)の、範囲指定した面積当たりの毛穴面積の変化率を示す。
図10及び表6は、マイクロスコープで評価した毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)の改善効果の指標となるスコア値を示す。図11及び表7は、マイクロスコープで評価した毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)についての、塗布前(0W)に対する4週間塗布後(4W)の改善率を示す。
図12及び表8は、マイクロスコープで評価した肌荒れの改善効果の指標となるスコア値を示す。図13は、マイクロスコープで評価した肌荒れについての、塗布前(0W)に対する4週間塗布後(4W)の改善率を示す。
図14及び表9は、テープストリッピング法により測定した、肌荒れ改善効果の指標となる重層剥離のスコア値を示す。図15は、テープストリッピング法により測定した肌荒れについての、塗布前(0W)に対する4週間塗布後(4W)の改善率を示す。
【0088】
(i)皮膚画像解析1
図8〜9及び表4〜5から明らかなように、本願発明の外用組成物を塗布することにより、投与後の毛穴の状況は有意に改善した。
【表4】

【表5】

【0089】
即ち、PQQ2Naと大豆蛋白加水分解物を組み合わせた実施例1は、毛穴数を初期値と比較して95%まで減少させ、毛穴数の減少に相乗効果が認められた。なお、実施例1の減少した結果の毛穴数は、顔半分につき約50個であった。
また、PQQ2Naと大豆蛋白加水分解物を組み合わせた実施例1は、毛穴面積を減少させ、毛穴面積の減少に相乗効果が認められた。
これらの結果は毛孔部のサイズ及び窪みが小さくなったことを示すものであり、本願発明の外用組成物による毛穴縮小の高い効果が確認された。
【0090】
(ii)皮膚画像解析2
<毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)の改善>
図10〜11および表6〜7から明らかなように、毛穴の目立ち(毛穴の開き・大きさ)は、本願発明の外用組成物を塗布することにより、有意に改善した。
【表6】

【表7】

【0091】
PQQ2Naと大豆蛋白加水分解物を組み合わせた実施例1の外用組成物は、スコア値及び改善率を大きく増加させ、毛穴の目立ちの改善に相乗効果が認められた。
即ち、本願発明の外用組成物において、実施例1の塗布4週間後の目立ちスコア値は評点3.8を示し、「ほぼ毛穴が目立たない:評点4」に匹敵するスコアを示した。
毛穴の目立ちのスコア値及び改善率の増加は、毛孔部のサイズ及び窪みが小さくなったことを示すものであり、本願発明の外用組成物による毛穴縮小の高い効果が確認された。
【0092】
<肌荒れの改善>
図12〜13及び表8から明らかなように、肌荒れは、本願発明の外用組成物を塗布することにより、有意に改善した。即ち、本願発明の外用組成物では、塗布4週間後の皮溝の明確性が有意に向上した。
【表8】

即ち、PQQ2Naと大豆蛋白加水分解物を組合わせた実施例1は、スコア値及び改善率を大きく増加させ、肌荒れ改善に相乗効果が認められた。即ち、実施例1の投与前のスコア値は1.5(肌荒れ状態)であったのに対して、投与後のスコア値は2.9であった。肌荒れが改善したことが分かる。
【0093】
(iii)角質テープストリッピング
角質の重層剥離試験は、肌荒れを評価する指標の一つである。
図14〜15及び表9から明らかなように、重層剥離試験の結果、本願発明の外用組成物を塗布することにより、角質の重層剥離は有意に少なくなった。肌荒れが改善したことが示された。
【表9】

スコア差の指標
-2:悪化、-1:変化なし、0:変化なし、1:やや改善、2:改善
【0094】
即ち、PQQ2Naと大豆蛋白加水分解物を組み合わせた実施例1は、スコア値及び改善率を大きく増加させ(スコア差が0.71)、肌荒れ改善に相乗効果が認められた。実施例1のスコア差0.71はスコア差1「肌荒れがやや改善」に近く、比較例1〜3と比較して明らかに、改善効果が高かった。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の外用組成物は、効果的に、肌荒れを改善し、シワを改善し、肌のキメの整え、肌のクスミを改善してツヤを与え、保湿性に優れ、毛穴を小さくし又は目立たなくするため、化粧品、又は医薬部外品として有用なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩、及びペプチドを、有効成分として含む外用組成物。
【請求項2】
ペプチドが、マメ科植物タンパク加水分解物である請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
マメ科植物タンパク加水分解物がダイズ属植物タンパク加水分解物である請求項2に記載の外用組成物。
【請求項4】
ダイズ属植物タンパク加水分解物が、ダイズ属植物タンパク質のプロテアーゼによる加水分解物である請求項3に記載の外用組成物。
【請求項5】
プロテアーゼがサーモリシンである請求項4に記載の外用組成物。
【請求項6】
さらに、水溶性高分子増粘剤を含む請求項1〜5の何れかに記載の外用組成物。
【請求項7】
ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.00001〜1重量%含む請求項1〜6の何れかに記載の外用組成物。
【請求項8】
ペプチドを、組成物の全量に対して、0.0001〜5重量%含む請求項1〜7の何れかに記載の外用組成物。
【請求項9】
ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、ペプチドを0.001〜1000重量部含む請求項1〜8の何れかに記載の外用組成物。
【請求項10】
ピロロキノリンキノン又は薬学的に許容されるその塩を含む組成物と、ペプチドを含む組成物とを備えた、使用時混合式組成物である、請求項1〜9の何れかに記載の外用組成物。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の外用組成物からなる毛穴収縮剤。
【請求項12】
請求項1〜10の何れかに記載の外用組成物からなる肌荒れ改善剤。
【請求項13】
請求項1〜10の何れかに記載の外用組成物からなる肌のキメの改善剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−6834(P2013−6834A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118103(P2012−118103)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】