外用貼付剤
【課題】本発明が解決しようとする課題は、慢性化した筋肉組織の老化及び疲労を蓄積している組織を活性化させるような素材並びに外用貼付剤を提供する。
【解決手段】堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末の混合体組成物であり、また樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末と静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物であり、これらの組成物を不織布、織布、フェルトに塗布或いは含侵した基材の片面に粘着剤層を積層した外皮貼着型の貼付剤を作成する。
【解決手段】堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末の混合体組成物であり、また樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末と静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物であり、これらの組成物を不織布、織布、フェルトに塗布或いは含侵した基材の片面に粘着剤層を積層した外皮貼着型の貼付剤を作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、外用貼付剤に関し、さらに詳しくは、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射することを図った鎮痛、消炎、疲労緩和等の効果が得られる外皮貼着型の外用貼付剤に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、外用貼付剤は、一般に不織布等の基材層とその片面に粘着性の薬効成分を含む粘着層とその粘着層を被覆する剥離シートからなっている。打ち身、捻挫、打撲、筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労時等に、粘着剤に含んだ薬効成分の粘着剤層が直接患部の経皮に貼着することにより、鎮痛、消炎、疲労緩和等の効果のある薬効成分が皮膚から吸収して患部を治癒するものである。
外用貼付剤の粘着剤に含む薬効成分として、一般的な効果があるものとして知られている薬剤は、インドメタシン、メントール、サリチル酸メチル、ケトプロフェン等がよく知られている。また特殊な薬剤として刺激的な作用を使ったトウガラシのカプサイシンがある。
【０００３】
また、物理的な外用貼付剤として、温熱効果を利用した遠赤外線セラミック粉末を粘着剤に含有させた外用貼付剤や、マイナスイオン効果を利用したマイナスイオン発生の粉末を粘着剤に含有させた外用貼付剤や、また特殊なものとして、冷却効果を利用したゲル状のシート層をもうけた外用貼付剤や、磁気効果を利用した磁石を取り付けた外用貼付剤や、針刺激効果を利用した針を取り付けた外用貼付剤等が、市場で販売されている。
【０００４】
これら湿布材の使用状況をみると、不慮の事故による打ち身、打撲、捻挫は、別として、高齢化や運動不足による体力の低下により、慢性的な筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等が生じ、そのような人が急性症状が現れたときに一時的に外用貼付剤を使用されている。また、運動による疲労の蓄積や痛み等の急性症状の時も同様に使用されている。しかしながら、外用貼付剤の利用は一時的な急性症状の時にだけ患部に貼着するというものであり、慢性化した筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等は、完全に治癒するというものでないのが現状である。
【０００５】
物理的な外用貼付剤として、遠赤外線の利用を図った商品がみられるが、いずれも、粘着剤に遠赤外線セラミック粉末やトルマリンを含有させた粘着剤層からなる外用貼付剤がある。この商品についてみると、遠赤外線の利用を図った商品であるため、遠赤外線の効果で体内の温熱作用により、痛み、疲労等の予防並びに緩和に良いとされている。しかし温熱作用であるため、冬場の寒い時期は暖かくて気持が良いが、夏になると、発汗作用が著しく、温熱効果を発揮できなく、夏場には不向きな商品であった。
【０００６】
更に、マイナスイオンの利用を図った外用貼付剤がみられる。マイナスイオンの効果は、人体の改善でいうと、体内の各組織や自律神経を活性化させ、リュウマチ、神経痛、慢性病を治癒する効果があるとされている。
いずれも、粘着剤にマイナスイオンを発生するというトルマリンとジルコニウムの混合物を配合させた粘着剤層の構成になっているが、昨今では、トルマリンは、マイナスイオンを発生しにくい鉱石とされていたり、またジルコニウム単体自体がマイナスイオンを発生するということは公知に知られていない。
【０００７】
また、ジルコニウム化合物が、マイナスイオンを発生するのは、ジルコニウム化合物に含まれている放射性物質である希土元素類を含むトリウム及びウラン等が微量に含まれているためである。精製される前のジルコニウム化合物は、天然鉱石として、ジルコンサンドが知られているが、ジルコンサンドには、放射性物質であるトリウムとウラン等の希土元素類を含んでいる事が、文献等でもよく知られている事実がある。そのようなことを鑑みると、ジルコニウムがマイナスイオンを発生しないとも考えられる。
【０００８】
また公報の実施例として、マイナスイオンの発生量が記述されているが、総マイナスイオン発生量が、３００〜６００個／ｃｃと発生量としては非常に低く、これらの発生量の数値は、自然界に存在する数値と同じで、マイナスイオンの発生の有無が明確でないことと、自然界レベルの発生量では、本来のマイナスイオン効果を発揮する外用貼付剤としての治癒効果があるとは疑問の多い点がある。
更には、マイナスイオン測定方法に、イオンカウンターＩＣ−１０００で測定されているが、この測定器の場合ポータブルであるため、１０００個／ｃｃの数値では、精度が良くなく、数百レベルでは自然量と相殺されて、発生の有無がわからない測定器の問題点があった。また、放射性の物質を使っている点では、プラスイオンの測定結果については、明示されていない点も疑問が多いものであった。
【特許文献１】特開２００３−２８２６
【０００９】
更には、衣類等、特に肌着を着ることによって体質改善、健康増進できる衣類等の電気石粉末のコーティング布地、或いは、微粉末化した電気石粉末を再生繊維や合成繊維に配合するとともに、電気石結晶を繊維表面に配向分布させた永久電極繊維等が提案されている。
しかし、元来、電気石自体が発生するマイナスイオンは極微弱であるため、その効果はそれほど期待できない問題点があった。
【特許文献２】特開平６−１８４８０８号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明が解決しようとする課題は、慢性化した筋肉組織の老化及び疲労を蓄積している組織を活性化させるような素材並びに外用貼付剤を提供することにあり、急性症状及び慢性症状の筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等の緩和及び治癒を主目的にすると、筋肉組織の収縮を柔軟化させたり、筋肉組織の細胞を活性化し、また蘇り図り、慢性化した筋肉組織の老化及び疲労を蓄積している組織を活性化させて、筋肉痛、関節痛、神経痛、肩凝り、腰痛等の緩和及び治癒、並びに疲労回復させるような素材並びに外用貼付剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記の問題点に鑑みて、マイナスイオンと遠赤外線効果に着目し、増幅効果もあわせて各々検討を重ねた結果、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射する混合体組成物並びに樹脂組成物、すなわち、混合組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末の混合体組成物であり、また樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末と静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物であり、これらの組成物を不織布、織布、フェルトに塗布或いは含侵した基材の片面に粘着剤層を積層した外皮貼着型の貼付剤を作成することにより、慢性化した痛みや疲労症状をもつ患者の患部に貼付することにより、１日から４日以内に鎮痛効果がみられ、体内の慢性化した患部の治癒効果がみられる作用を見い出されるものとなった。
【００１２】
本発明において、堆積礫岩天然鉱石として、その鉱石成分として、酸化シリカ、酸化アリミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マンガン、酸化ホウ素、酸化クロム、酸化ジルコニウムを成分質量とする天然鉱石である。天然鉱石であるため、より好ましくは、質量％が、酸化シリカ４７〜５５、酸化アルミニウム１０〜１４、酸化鉄６〜８、酸化チタン０．７〜１．０、酸化マグネシウム６〜８、酸化ナトリウム２〜４、酸化カリウム０．０８〜０．３酸化マンガン０．１〜０．２、酸化ホウ素０．１〜０．２、酸化クロム０．０７〜０．２、酸化ジルコニウム０．０１〜０．０２の成分質量を有する範囲の天然鉱石すなわち、堆積礫岩を用いることが出来る。上記の堆積礫岩の粒径として、１ｍｍ以下に粉砕したものを用いることが出来る。より好ましくは、粒径が３０以下に粉砕したものが、混合による増幅効果等に有益である。
【００１３】
本発明において、希土元素類を含む天然鉱石として、フェルグソン石、モナズ石、ジルゴンサンド、チタン鉱石、バストネス石、ゼノタイム石、コルンブ石、ベタホ石、サマルスキー石、タンタル石、ウラン石、方トリウム石、ゴム石、ガドリン石等がある。これらの鉱石のうち、極微弱な放射線を放出し、人体に悪影響を及ぼさないとされる１．０ｍＳｖ／年以下の放射線を放射し、原子力規制法で、届出を要しない３７０ベクレル／ｇ以下の放射線濃度とする天然鉱石として、最も好ましいのは、モナズ石、ジルコンサンド、チタン鉱石である。上記の天然鉱石の粒径として、１ｍｍ以下に粉砕したものを用いることができる。より好ましくは、粒径が３０ミクロン以下に粉砕されたものが、混合等による増幅効果等に有益である。
【００１４】
本発明において、混合する樹脂として、マイナスイオンの増幅効果並びに遠赤外線の増幅効果に悪影響を及ぼさず、増幅効果も期待できる樹脂、すなわち静電気に帯電しない樹脂が特定できる。
静電気に帯電しない樹脂として、シリコンエマルジョン、シリコン・アクリル共重合エマルジョン、アクリルエマルジョン、酢酸ビニールエマルジョン、フッソエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、アクリロニトリルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等の水性樹脂を用いる事が出来、また、溶剤含有樹脂として、ポリウレタン溶剤含有樹脂、アクリル溶剤含有樹脂、並びに紫外線硬化樹脂を用いる事が出来る。
【００１５】
本発明において、堆積礫岩粉末と希土類鉱石粉末との混合比率は、堆積礫岩粉末１００重量部数に対し、希土類鉱石粉末１０〜１００重量部数である。より好ましくは、堆積礫岩粉末１００重量部数に対し、希土類鉱石粉末１０〜４０重量部数である。
また、静電気に帯電しない樹脂と堆積礫岩粉末と希土類鉱石粉末との混合比率は、樹脂固形分１００重量部数に対し、堆積礫岩粉末５〜４０重量部数、希土類鉱石粉末５〜４０重量部数である。
【００１６】
本発明において、不織布及び織布及びフェルトの基材として、木綿、麻、羊毛、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、パルプ、炭素繊維等があり、それぞれの繊維を単独で用いたり、混紡或いは交織して用いた不織布及び織布及びフェルトを用いる事ができる。
不織布及び織布及びフェルトに、混合組成物並びに樹脂組成物を塗布加工する方法として、ディッピング加工、コーティング加工、捺染加工、ストライプ加工、メッシュ加工、スプレー加工があり、いずれの加工方法でも用いる事が出来る。
【００１７】
本発明において、粘着剤層の粘着剤として、アクリル系粘着剤、アクリル共重合系粘着剤、ゴム系粘着剤およびシリコン粘着剤等を用いることが出来る。ゴム系粘着剤として、天然ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、ポリウレタン、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等があり、それらを主成分とし、必要に応じてポリブテン、ロジン、水添ロジン、石油樹脂等の粘着付与剤を配合することもできる。
加工した繊維基材の片面に、粘着剤層を積層させる方法として、離型紙ライナーに、粘着剤を塗布し乾燥後、基材と張り合わす方法等を用いる事が出来る。
【発明の効果】
【００１８】
本発明は、外用貼付剤の繊維等基材に、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅放射する混合組成物並びに樹脂組成物を塗布した外皮貼着型の貼付剤が、マイナスイオンの大量発生効果と遠赤外線の高放射効果により、打ち身、打撲、関節痛、肩凝り、腰痛、疲労等の患部に貼り付けることにより、慢性症状及び急性症状の鎮痛、消炎効果、さらには疲労回復効果がある。
【実施例】
【００１９】
以下に、実施例と比較例をあげて詳細に本発明を説明する。
下記に、表１には、実施例１、比較例１及び比較例２の配合処方を示した。
堆積礫岩粉末と、モナズ石粉末は、１５ミクロン以下に粉砕したものを用いた。
各々の配合を、ミルミキサーで１時間攪拌して、実施例１、比較例１及び比較例２の水分散体を作成した。
【００２０】
【表１】
同様にして、実施例２、比較例１及び比較例２の配合処方を表２に示した。
静電気に帯電しない樹脂として、シリコン・アクリル共重合エマルジョン（製品名 シャリーヌＦＥ−２３０ 日信化学工業製）を使用して、混合攪拌して実施例２、比較例３及び比較例４の樹脂組成物を作成した。
【００２１】
【表２】
外用貼付剤の繊維基材層の作成は、不織布として、ポリエステル製不織布（製品名スパンボンド 旭化成製）を使用し、実施例１、比較例１及び比較例２の水分散体並びに、実施例２、比較例３及び比較例４の樹脂組成物を、攪拌しながら各々についてディッピング加工して、乾燥炉で１２０℃、１０分間で乾燥した。その時の塗布量は、各々、固形分塗布量が５０ｇ／ｍ２であった。
【００２２】
上記作成した各々の加工した繊維基材の片面に、粘着剤を加工する方法として、まず離型紙に、水性アクリル系粘着剤をコーティング加工して、乾燥炉で１２０℃、３分間乾燥した直後に、各々の加工した繊維基材を張り合わせて、実施例１及び実施例２、並びに比較例１及び比較例２及び比較例３及び比較例４の外用貼付剤を作成した。
【００２３】
実施例１及び実施例２、並びに比較例１及び比較例２及び比較例３及び比較例４の上記作成した外用貼付剤のイオン測定と、遠赤外線測定をした。
イオン測定方法は、空気イオンカウンターＩＴＣ−２０１Ｃ（アンデス電気製）を用いて、５分間平均のマイナスイオン生成数と、プラスイオン生成数を測定した。遠赤外線測定は、公的試験機関の環境イオン計測センターで、遠赤外線放射率のＦＴＩＲ測定をして、人体体温域３５℃、波長４〜１４μの平均放射率を求めた。その結果を、表３及び表４に示した。
【００２４】
【表３】
【００２５】
【表４】
実施例１及び実施例２の外用貼付剤の結果から明らかなように、堆積礫岩粉末とモナズ石粉末との組み合わせた加工方法により、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く生成しつつ、遠赤外線放射率も、多く増幅している。
この現象は、堆積礫岩の持つ遠赤外線及びその他と、モナズ石の持つイオン生成能力及び微弱な放射線並びに、静電気に帯電しない樹脂の作用とが互いに相互作用で反応しあい、またプラスイオンの抑制作用が生じ、同時に遠赤外線の増幅作用も生じたと判定される。
【００２６】
これに対し、比較例２及び比較例４では、マイナスイオンよりもプラスイオンの方が多く生成していて、本来のマイナスイオン効果が期待できないことは明らかで、遠赤外線放射率も効果も期待できない非常に低いものであり増幅していない。また、比較例１及び比較例３では、イオンが生成するものでなく、また遠赤外線放射率は、低い部類の結果でもあった。
【００２７】
本発明をより効果があると実証するために、すでに実用化段階に入っているマイナスイオン効果と遠赤外線効果を利用した鎮痛、消炎及び疲労緩和効果を有する外皮貼着型の貼付剤としての実施例及び比較例をあげて、詳細を明らかにしていく。上記、実施例１及び２、並びに比較例１及び２及び３及び４で作成した貼付剤の試着方法として、年齢は、４０〜６５歳、慢性の肩凝り及び腰痛及び関節痛のある人、並びに疲労がある人を、選任して、ランダムに、実施例１及び２、並びに比較例１及び２及び３及び４の６品種の外用貼付剤を、各々２０個、各々２０名に１０日間試着してもらい各々の人にアンケート結果を採った。結果の判定は、各々２０名平均の治癒効果有りの百分率と治癒効果の状態を示した。その結果を表５及び表６に示した。
【００２８】
【表５】
【００２９】
【表６】
表５の試着試験結果から明らかのように、慢性的な肩凝り、腰痛、関節痛、疲労を患っているほとんどの人が、症状部位が楽になり、痛みがとれ、疲労緩和している結果となった。
この作用効果を表す結果をみると、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅放射する混合組成物並びに樹脂組成物の作用が、患部の皮膚組織から浸透していき細胞組織の活性化が促進されて、鎮痛、消炎及び疲労緩和の現象が生じたということが明らかである。
【００３０】
一方、表６の比較例の試着試験結果から明らかなように、すべての人が、治癒効果がなかった。プラスイオンの方が多いイオン効果の単独効果と、低放射率の遠赤外線の単独効果では、鎮痛、消炎及び疲労緩和の効果がないことが明らかとなった。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、外用貼付剤に関し、さらに詳しくは、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射することを図った鎮痛、消炎、疲労緩和等の効果が得られる外皮貼着型の外用貼付剤に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、外用貼付剤は、一般に不織布等の基材層とその片面に粘着性の薬効成分を含む粘着層とその粘着層を被覆する剥離シートからなっている。打ち身、捻挫、打撲、筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労時等に、粘着剤に含んだ薬効成分の粘着剤層が直接患部の経皮に貼着することにより、鎮痛、消炎、疲労緩和等の効果のある薬効成分が皮膚から吸収して患部を治癒するものである。
外用貼付剤の粘着剤に含む薬効成分として、一般的な効果があるものとして知られている薬剤は、インドメタシン、メントール、サリチル酸メチル、ケトプロフェン等がよく知られている。また特殊な薬剤として刺激的な作用を使ったトウガラシのカプサイシンがある。
【０００３】
また、物理的な外用貼付剤として、温熱効果を利用した遠赤外線セラミック粉末を粘着剤に含有させた外用貼付剤や、マイナスイオン効果を利用したマイナスイオン発生の粉末を粘着剤に含有させた外用貼付剤や、また特殊なものとして、冷却効果を利用したゲル状のシート層をもうけた外用貼付剤や、磁気効果を利用した磁石を取り付けた外用貼付剤や、針刺激効果を利用した針を取り付けた外用貼付剤等が、市場で販売されている。
【０００４】
これら湿布材の使用状況をみると、不慮の事故による打ち身、打撲、捻挫は、別として、高齢化や運動不足による体力の低下により、慢性的な筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等が生じ、そのような人が急性症状が現れたときに一時的に外用貼付剤を使用されている。また、運動による疲労の蓄積や痛み等の急性症状の時も同様に使用されている。しかしながら、外用貼付剤の利用は一時的な急性症状の時にだけ患部に貼着するというものであり、慢性化した筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等は、完全に治癒するというものでないのが現状である。
【０００５】
物理的な外用貼付剤として、遠赤外線の利用を図った商品がみられるが、いずれも、粘着剤に遠赤外線セラミック粉末やトルマリンを含有させた粘着剤層からなる外用貼付剤がある。この商品についてみると、遠赤外線の利用を図った商品であるため、遠赤外線の効果で体内の温熱作用により、痛み、疲労等の予防並びに緩和に良いとされている。しかし温熱作用であるため、冬場の寒い時期は暖かくて気持が良いが、夏になると、発汗作用が著しく、温熱効果を発揮できなく、夏場には不向きな商品であった。
【０００６】
更に、マイナスイオンの利用を図った外用貼付剤がみられる。マイナスイオンの効果は、人体の改善でいうと、体内の各組織や自律神経を活性化させ、リュウマチ、神経痛、慢性病を治癒する効果があるとされている。
いずれも、粘着剤にマイナスイオンを発生するというトルマリンとジルコニウムの混合物を配合させた粘着剤層の構成になっているが、昨今では、トルマリンは、マイナスイオンを発生しにくい鉱石とされていたり、またジルコニウム単体自体がマイナスイオンを発生するということは公知に知られていない。
【０００７】
また、ジルコニウム化合物が、マイナスイオンを発生するのは、ジルコニウム化合物に含まれている放射性物質である希土元素類を含むトリウム及びウラン等が微量に含まれているためである。精製される前のジルコニウム化合物は、天然鉱石として、ジルコンサンドが知られているが、ジルコンサンドには、放射性物質であるトリウムとウラン等の希土元素類を含んでいる事が、文献等でもよく知られている事実がある。そのようなことを鑑みると、ジルコニウムがマイナスイオンを発生しないとも考えられる。
【０００８】
また公報の実施例として、マイナスイオンの発生量が記述されているが、総マイナスイオン発生量が、３００〜６００個／ｃｃと発生量としては非常に低く、これらの発生量の数値は、自然界に存在する数値と同じで、マイナスイオンの発生の有無が明確でないことと、自然界レベルの発生量では、本来のマイナスイオン効果を発揮する外用貼付剤としての治癒効果があるとは疑問の多い点がある。
更には、マイナスイオン測定方法に、イオンカウンターＩＣ−１０００で測定されているが、この測定器の場合ポータブルであるため、１０００個／ｃｃの数値では、精度が良くなく、数百レベルでは自然量と相殺されて、発生の有無がわからない測定器の問題点があった。また、放射性の物質を使っている点では、プラスイオンの測定結果については、明示されていない点も疑問が多いものであった。
【特許文献１】特開２００３−２８２６
【０００９】
更には、衣類等、特に肌着を着ることによって体質改善、健康増進できる衣類等の電気石粉末のコーティング布地、或いは、微粉末化した電気石粉末を再生繊維や合成繊維に配合するとともに、電気石結晶を繊維表面に配向分布させた永久電極繊維等が提案されている。
しかし、元来、電気石自体が発生するマイナスイオンは極微弱であるため、その効果はそれほど期待できない問題点があった。
【特許文献２】特開平６−１８４８０８号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明が解決しようとする課題は、慢性化した筋肉組織の老化及び疲労を蓄積している組織を活性化させるような素材並びに外用貼付剤を提供することにあり、急性症状及び慢性症状の筋肉痛、肩凝り、腰痛、関節痛、疲労等の緩和及び治癒を主目的にすると、筋肉組織の収縮を柔軟化させたり、筋肉組織の細胞を活性化し、また蘇り図り、慢性化した筋肉組織の老化及び疲労を蓄積している組織を活性化させて、筋肉痛、関節痛、神経痛、肩凝り、腰痛等の緩和及び治癒、並びに疲労回復させるような素材並びに外用貼付剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記の問題点に鑑みて、マイナスイオンと遠赤外線効果に着目し、増幅効果もあわせて各々検討を重ねた結果、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射する混合体組成物並びに樹脂組成物、すなわち、混合組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末の混合体組成物であり、また樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石粉末と希土元素類を含む天然鉱石粉末と静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物であり、これらの組成物を不織布、織布、フェルトに塗布或いは含侵した基材の片面に粘着剤層を積層した外皮貼着型の貼付剤を作成することにより、慢性化した痛みや疲労症状をもつ患者の患部に貼付することにより、１日から４日以内に鎮痛効果がみられ、体内の慢性化した患部の治癒効果がみられる作用を見い出されるものとなった。
【００１２】
本発明において、堆積礫岩天然鉱石として、その鉱石成分として、酸化シリカ、酸化アリミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マンガン、酸化ホウ素、酸化クロム、酸化ジルコニウムを成分質量とする天然鉱石である。天然鉱石であるため、より好ましくは、質量％が、酸化シリカ４７〜５５、酸化アルミニウム１０〜１４、酸化鉄６〜８、酸化チタン０．７〜１．０、酸化マグネシウム６〜８、酸化ナトリウム２〜４、酸化カリウム０．０８〜０．３酸化マンガン０．１〜０．２、酸化ホウ素０．１〜０．２、酸化クロム０．０７〜０．２、酸化ジルコニウム０．０１〜０．０２の成分質量を有する範囲の天然鉱石すなわち、堆積礫岩を用いることが出来る。上記の堆積礫岩の粒径として、１ｍｍ以下に粉砕したものを用いることが出来る。より好ましくは、粒径が３０以下に粉砕したものが、混合による増幅効果等に有益である。
【００１３】
本発明において、希土元素類を含む天然鉱石として、フェルグソン石、モナズ石、ジルゴンサンド、チタン鉱石、バストネス石、ゼノタイム石、コルンブ石、ベタホ石、サマルスキー石、タンタル石、ウラン石、方トリウム石、ゴム石、ガドリン石等がある。これらの鉱石のうち、極微弱な放射線を放出し、人体に悪影響を及ぼさないとされる１．０ｍＳｖ／年以下の放射線を放射し、原子力規制法で、届出を要しない３７０ベクレル／ｇ以下の放射線濃度とする天然鉱石として、最も好ましいのは、モナズ石、ジルコンサンド、チタン鉱石である。上記の天然鉱石の粒径として、１ｍｍ以下に粉砕したものを用いることができる。より好ましくは、粒径が３０ミクロン以下に粉砕されたものが、混合等による増幅効果等に有益である。
【００１４】
本発明において、混合する樹脂として、マイナスイオンの増幅効果並びに遠赤外線の増幅効果に悪影響を及ぼさず、増幅効果も期待できる樹脂、すなわち静電気に帯電しない樹脂が特定できる。
静電気に帯電しない樹脂として、シリコンエマルジョン、シリコン・アクリル共重合エマルジョン、アクリルエマルジョン、酢酸ビニールエマルジョン、フッソエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス、イソプレンゴムラテックス、アクリロニトリルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス等の水性樹脂を用いる事が出来、また、溶剤含有樹脂として、ポリウレタン溶剤含有樹脂、アクリル溶剤含有樹脂、並びに紫外線硬化樹脂を用いる事が出来る。
【００１５】
本発明において、堆積礫岩粉末と希土類鉱石粉末との混合比率は、堆積礫岩粉末１００重量部数に対し、希土類鉱石粉末１０〜１００重量部数である。より好ましくは、堆積礫岩粉末１００重量部数に対し、希土類鉱石粉末１０〜４０重量部数である。
また、静電気に帯電しない樹脂と堆積礫岩粉末と希土類鉱石粉末との混合比率は、樹脂固形分１００重量部数に対し、堆積礫岩粉末５〜４０重量部数、希土類鉱石粉末５〜４０重量部数である。
【００１６】
本発明において、不織布及び織布及びフェルトの基材として、木綿、麻、羊毛、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、パルプ、炭素繊維等があり、それぞれの繊維を単独で用いたり、混紡或いは交織して用いた不織布及び織布及びフェルトを用いる事ができる。
不織布及び織布及びフェルトに、混合組成物並びに樹脂組成物を塗布加工する方法として、ディッピング加工、コーティング加工、捺染加工、ストライプ加工、メッシュ加工、スプレー加工があり、いずれの加工方法でも用いる事が出来る。
【００１７】
本発明において、粘着剤層の粘着剤として、アクリル系粘着剤、アクリル共重合系粘着剤、ゴム系粘着剤およびシリコン粘着剤等を用いることが出来る。ゴム系粘着剤として、天然ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム、ポリウレタン、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム等があり、それらを主成分とし、必要に応じてポリブテン、ロジン、水添ロジン、石油樹脂等の粘着付与剤を配合することもできる。
加工した繊維基材の片面に、粘着剤層を積層させる方法として、離型紙ライナーに、粘着剤を塗布し乾燥後、基材と張り合わす方法等を用いる事が出来る。
【発明の効果】
【００１８】
本発明は、外用貼付剤の繊維等基材に、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅放射する混合組成物並びに樹脂組成物を塗布した外皮貼着型の貼付剤が、マイナスイオンの大量発生効果と遠赤外線の高放射効果により、打ち身、打撲、関節痛、肩凝り、腰痛、疲労等の患部に貼り付けることにより、慢性症状及び急性症状の鎮痛、消炎効果、さらには疲労回復効果がある。
【実施例】
【００１９】
以下に、実施例と比較例をあげて詳細に本発明を説明する。
下記に、表１には、実施例１、比較例１及び比較例２の配合処方を示した。
堆積礫岩粉末と、モナズ石粉末は、１５ミクロン以下に粉砕したものを用いた。
各々の配合を、ミルミキサーで１時間攪拌して、実施例１、比較例１及び比較例２の水分散体を作成した。
【００２０】
【表１】
同様にして、実施例２、比較例１及び比較例２の配合処方を表２に示した。
静電気に帯電しない樹脂として、シリコン・アクリル共重合エマルジョン（製品名 シャリーヌＦＥ−２３０ 日信化学工業製）を使用して、混合攪拌して実施例２、比較例３及び比較例４の樹脂組成物を作成した。
【００２１】
【表２】
外用貼付剤の繊維基材層の作成は、不織布として、ポリエステル製不織布（製品名スパンボンド 旭化成製）を使用し、実施例１、比較例１及び比較例２の水分散体並びに、実施例２、比較例３及び比較例４の樹脂組成物を、攪拌しながら各々についてディッピング加工して、乾燥炉で１２０℃、１０分間で乾燥した。その時の塗布量は、各々、固形分塗布量が５０ｇ／ｍ２であった。
【００２２】
上記作成した各々の加工した繊維基材の片面に、粘着剤を加工する方法として、まず離型紙に、水性アクリル系粘着剤をコーティング加工して、乾燥炉で１２０℃、３分間乾燥した直後に、各々の加工した繊維基材を張り合わせて、実施例１及び実施例２、並びに比較例１及び比較例２及び比較例３及び比較例４の外用貼付剤を作成した。
【００２３】
実施例１及び実施例２、並びに比較例１及び比較例２及び比較例３及び比較例４の上記作成した外用貼付剤のイオン測定と、遠赤外線測定をした。
イオン測定方法は、空気イオンカウンターＩＴＣ−２０１Ｃ（アンデス電気製）を用いて、５分間平均のマイナスイオン生成数と、プラスイオン生成数を測定した。遠赤外線測定は、公的試験機関の環境イオン計測センターで、遠赤外線放射率のＦＴＩＲ測定をして、人体体温域３５℃、波長４〜１４μの平均放射率を求めた。その結果を、表３及び表４に示した。
【００２４】
【表３】
【００２５】
【表４】
実施例１及び実施例２の外用貼付剤の結果から明らかなように、堆積礫岩粉末とモナズ石粉末との組み合わせた加工方法により、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く生成しつつ、遠赤外線放射率も、多く増幅している。
この現象は、堆積礫岩の持つ遠赤外線及びその他と、モナズ石の持つイオン生成能力及び微弱な放射線並びに、静電気に帯電しない樹脂の作用とが互いに相互作用で反応しあい、またプラスイオンの抑制作用が生じ、同時に遠赤外線の増幅作用も生じたと判定される。
【００２６】
これに対し、比較例２及び比較例４では、マイナスイオンよりもプラスイオンの方が多く生成していて、本来のマイナスイオン効果が期待できないことは明らかで、遠赤外線放射率も効果も期待できない非常に低いものであり増幅していない。また、比較例１及び比較例３では、イオンが生成するものでなく、また遠赤外線放射率は、低い部類の結果でもあった。
【００２７】
本発明をより効果があると実証するために、すでに実用化段階に入っているマイナスイオン効果と遠赤外線効果を利用した鎮痛、消炎及び疲労緩和効果を有する外皮貼着型の貼付剤としての実施例及び比較例をあげて、詳細を明らかにしていく。上記、実施例１及び２、並びに比較例１及び２及び３及び４で作成した貼付剤の試着方法として、年齢は、４０〜６５歳、慢性の肩凝り及び腰痛及び関節痛のある人、並びに疲労がある人を、選任して、ランダムに、実施例１及び２、並びに比較例１及び２及び３及び４の６品種の外用貼付剤を、各々２０個、各々２０名に１０日間試着してもらい各々の人にアンケート結果を採った。結果の判定は、各々２０名平均の治癒効果有りの百分率と治癒効果の状態を示した。その結果を表５及び表６に示した。
【００２８】
【表５】
【００２９】
【表６】
表５の試着試験結果から明らかのように、慢性的な肩凝り、腰痛、関節痛、疲労を患っているほとんどの人が、症状部位が楽になり、痛みがとれ、疲労緩和している結果となった。
この作用効果を表す結果をみると、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅放射する混合組成物並びに樹脂組成物の作用が、患部の皮膚組織から浸透していき細胞組織の活性化が促進されて、鎮痛、消炎及び疲労緩和の現象が生じたということが明らかである。
【００３０】
一方、表６の比較例の試着試験結果から明らかなように、すべての人が、治癒効果がなかった。プラスイオンの方が多いイオン効果の単独効果と、低放射率の遠赤外線の単独効果では、鎮痛、消炎及び疲労緩和の効果がないことが明らかとなった。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
不織布或いは織布或いはフェルトに、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射する混合体組成物或いは樹脂組成物を、塗布又は含侵した基材の基材層の片面に粘着剤層を積層したことを特徴とする外用貼付剤。
【請求項２】
前記混合体組成物として、堆積礫岩天然鉱石と希土元素類を含む天然鉱石の混合体組成物であり、又前記樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石と希土元素類を含む天然鉱石と、静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物からなる請求項１記載の外用貼付剤。
【請求項１】
不織布或いは織布或いはフェルトに、プラスイオンよりもマイナスイオンの方が多く同時生成しつつ、同時に遠赤外線が増幅し放射する混合体組成物或いは樹脂組成物を、塗布又は含侵した基材の基材層の片面に粘着剤層を積層したことを特徴とする外用貼付剤。
【請求項２】
前記混合体組成物として、堆積礫岩天然鉱石と希土元素類を含む天然鉱石の混合体組成物であり、又前記樹脂組成物として、堆積礫岩天然鉱石と希土元素類を含む天然鉱石と、静電気に帯電しない樹脂を混合した樹脂組成物からなる請求項１記載の外用貼付剤。
【公開番号】特開２００６−３６７４３（Ｐ２００６−３６７４３Ａ）
【公開日】平成１８年２月９日（２００６．２．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２４０１７０（Ｐ２００４−２４０１７０）
【出願日】平成１６年７月２２日（２００４．７．２２）
【出願人】（５０３２９７５４５）株式会社サンタモニカ (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月９日（２００６．２．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月２２日（２００４．７．２２）
【出願人】（５０３２９７５４５）株式会社サンタモニカ (1)
【Ｆターム（参考）】
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