説明

外皮用組成物

【課題】植物成分といった有効成分の皮膚に対する作用効果に優れた外皮用組成物の提供。
【解決手段】i)植物成分、ii)水、iii)ジエチレングリコールエーテル、モノエチレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びモノプロピレングリコールエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種のグリコールエーテル、並びにiv)界面活性剤、可溶化成分、油脂類及び経皮吸収促進成分よりなる群から選択される少なくとも1種(但し、プロピレングリコール1種のみを選択する場合はない)を含有することを特徴とする外皮用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスコルビン酸、そのエステル誘導体、そのエーテル誘導体若しくはそれらの塩(以下、本明細書においてこれらを総称して「アスコルビン酸類」ともいう)又は植物成分を含有する水性の外皮用組成物に関する。より詳細には、本発明は皮膚に対するアスコルビン酸類や植物成分の効果に優れた外皮用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、植物成分は、美白作用、保湿作用、収斂作用、血行促進作用、抗菌作用、抗酸化作用、細胞賦活化作用、抗シワ作用または抗炎症作用等の多様な作用を有することが知られており、これらの作用を期待して外用医薬品、外用医薬部外品及び化粧品などの各種外用剤の成分として広く用いられている。また、アスコルビン酸類は、皮膚改善剤、栄養補助剤又は酸化防止剤として医薬品、医薬部外品、化粧品または食品等に広く使用されている。特に皮膚に対してアスコルビン酸又はその誘導体は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して外用医薬品、外用医薬部外品及び化粧品などの各種外用剤の成分として広く用いられている。
【0003】
ところで、皮膚の表面は厚い角質層で覆われている。このため、多くの外皮用組成物は角質層が強固なバリアとなって、配合した有効成分の所期効果が十分に得られていないのが実情である。このため、従来より、皮膚浸透の律速段階となっている角質層の透過速度をあげたり、皮膚浸透性を向上させたりことによって、外皮用組成物に配合する有効成分の作用を最大限発揮させるための製剤工夫が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、皮膚に対する有効成分の作用効果を効率的に発揮し得る外皮用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、有効成分としてアスコルビン酸、そのエステル誘導体、そのエーテル誘導体及びそれらの塩(アスコルビン酸類)を用いる場合に、外皮用組成物に水とグリコールエーテルとの混合水性溶媒を使用することにより、上記アスコルビン酸類の皮膚への作用効果が向上することを見いだした。さらに本発明者らは、当該混合水性溶媒によれば、アスコルビン酸類を配合した場合でも、皮膚へのべたつきがなく、使用感に優れた外皮用組成物が調製できることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0006】
すなわち本発明は、下記(1)〜(5)に掲げる外皮用組成物である:
(1)i)アスコルビン酸、そのエステル誘導体、そのエーテル誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、ii)水、及び iii)グリコールエーテルを含有することを特徴とする外皮用組成物。
(2)アスコルビン酸のエステル誘導体が、L−アスコルビン酸モノリン酸エステルである(1)記載の外皮用組成物。
(3)グリコールエーテルが、ジエチレングリコールエーテル、モノエチレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びモノプロピレングリコールエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種である(1)または(2)に記載の外皮用組成物。
(4)グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びモノプロピレングリコールモノエチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種である(1)または(2)に記載の外皮用組成物。
(5)さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、抗シワ成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の外皮用組成物。
【0007】
また本発明者らは、上記知見に基づいて更に研究を重ねていたところ、有効成分として上記アスコルビン酸類に代えて、またはアスコルビン酸類とともに植物成分を用いる場合も、上記と同様に、水とグリコールエーテルとの混合水性溶媒を用いることによって、上記有効成分の皮膚への作用効果が向上し、しかも使用感に優れた外皮用組成物が調製できることを見いだした。すなわち、本発明は下記の(a)〜(f)に掲げる外皮用組成物である。
(a)i)植物成分またはi')植物成分及びアスコルビン酸類、ii)水、及び iii)グリコールエーテルを含有することを特徴とする外皮用組成物。
(b)植物成分が美白作用、抗炎症作用、血行促進作用、収斂作用、抗菌作用、抗酸化作用、細胞賦活化作用、または保湿作用を有する成分である(a)記載の外皮用組成物。
(c)グリコールエーテルが、ジエチレングリコールエーテル、モノエチレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びモノプロピレングリコールエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種である(a)または(b)に記載の外皮用組成物。
(d)グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びモノプロピレングリコールモノエチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種である(a)または(b)に記載の外皮用組成物。
(e)アスコルビン酸類が、L−アスコルビン酸モノリン酸エステルである(a)乃至(d)のいずれかに記載の外皮用組成物。
(f)さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、抗シワ成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(a)乃至(e)のいずれかに記載の外皮用組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の外皮用組成物は、有効成分である植物成分及び/またはアスコルビン酸類の溶媒として水とグリコールエーテルとの混合水性溶媒を用いることを特徴とするものであり、これによって上記有効成分の皮膚における効果発現が改善、向上されるという効果を有する。ゆえに、本発明の外皮用組成物によれば、植物成分が本来有する各種作用(美白作用、保湿作用、収斂作用、血行促進作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用、細胞賦活作用など)及び/またはアスコルビン酸類が本来有する各種の作用(美白作用、抗炎症作用、ニキビ改善作用、老化防止作用、コラーゲンなどの合成促進作用、細胞賦活作用、紫外線による細胞損傷防止作用など)をその配合量に応じて安定して有効に発揮することができる。
【0009】
さらに、本発明の組成物は皮膚への刺激がなく安全性が高いうえ、使用感に優れており、皮膚に適用した後のべたつき感が無く、また肌へのなじみがよい。このように本発明の外皮用組成物は、アスコルビン酸類及び/または植物成分を、最小限の有効量で最大限の効果を発揮できるように調製したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の外皮用組成物は、有効成分としてi)植物成分、アスコルビン酸、そのエステル誘導体、そのエーテル誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、ii)水、及び iii)グリコールエーテルを含有することを特徴とするものである。
【0011】
i-1)植物成分
本発明で用いられる植物成分は、皮膚に対して有用な効果を奏するものであれば特に制限されない。通常、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものが用いられる。具体的には美白作用、抗炎症作用、血行促進作用、収斂作用、抗菌作用、抗酸化作用、細胞賦活化作用または保湿作用を有する植物由来成分を挙げることができる。植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。
【0012】
植物成分として具体的には、各作用に応じて下記に挙げるものを例示することができる。なお、下記成分中( )内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0013】
例えば美白作用を有する植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分である。
【0014】
抗炎症作用を有する植物成分としては、アセンヤク、アマチャ、アルテア、アルニカ、アロエ、ウコン、エチナシ、エンメイソウ、オウゴン、オウバク、オオムギ、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カノコソウ、カミツレ、ローマカミツレ、カワラヨモギ、キュウリ、クチナシ、クマザサ、ゲンチアナ、ゲンノショウコウ、ゴボウ、コンフリー、サンショウ、シコン、シソ、ボフダイジュ、シャクヤク、セイヨウキズタ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、センキュウ、センブリ、セージ、ソハクヒ、タイソウ、タイム、トウガシ、トウキンセンカ、トウニン、ドクダミ、トルメンチラ、ニンジン、パセリ、イラクサ、ビャクダン、ビワ、ブッチャーブルーム、ブドウ、ベニバナ、ボタン、マロニエ、モモ、ヤグルマソウ、ヨモギ、ラベンダー、ローズマリー、ビワ、カロット及びトウキ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、アマチャ、アルテア、アルニカ、アロエ、ウコン、エチナシ、エンメイソウ、オウゴン、オウバク、オオムギ、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カノコソウ、カミツレ、ローマカミツレ、カワラヨモギ、クチナシ、クマザサ、ゲンチアナ、ゲンノショウコウ、コンフリー、シコン、シソ、ボダイジュ、シャクヤク、セイヨウキズタ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、センキュウ、センブリ、セージ、ソハクヒ、タイソウ、タイム、トウガシ、トウキンセンカ、トウニン、ドクダミ、トルメンチラ、ニンジン、パセリ、イラクサ、ビャクダン、ビワ、ブッチャーブルーム、ブドウ、ベニバナ、ボタン、マロニエ、モモ、ヤグルマソウ、ヨモギ、ラベンダー、ローズマリー、ビワ、カロット及びトウキ等の植物由来成分が挙げられる。より好ましくは、アマチャ、アロエ、エンメイソウ、オウゴン、オウバク、オオムギ、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カミツレ、ローマカミツレ、カワラヨモギ、クチナシ、コンフリー、シコン、シソ、ボダイジュ、シャクヤク、セイヨウハッカ、センキュウ、センブリ、セージ、ソハクヒ、タイソウ、タイム、トウキンセンカ、トウニン、ニンジン、パセリ、イラクサ、ビャクダン、ビワ、ブッチャーブルーム、ブドウ、ベニバナ、ボタン、マロニエ、モモ、ヤグルマソウ、ヨモギ、ラベンダー、カロット及びローズマリーの植物由来成分である。
【0015】
血行促進作用を有する植物成分としてはアシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ等の植物に由来する成分が挙げられる。
【0016】
収斂作用を有する植物成分としては、アセンヤク、アマチャ、アルテア、アロエ、ウイキョウ、エイジツ、セイヨウオトギリソウ、オドリコソウ、オレンジ、海藻、カノコソウ、カワラヨモギ、キイチゴ、キウイ、ゲンチアナ、ゲンノショウコウ、ゴバイシ、サンザシ、シモツケソウ、シラカバ、セイヨウサンザシ、セイヨウニワトコ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セージ、タイム、茶、トルメンチラ、イラクサ、フキタンポポ、ブドウ、ホップ、マロニエ、メリッサ、ヤグルマソウ、ヨモギ、リンゴ、レモン、レンゲソウ、ローズヒップ、スイカズラ、シャクヤク、スギナ、クレマティス、セイヨウキズタ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、アマチャ、アルテア、アロエ、ウイキョウ、エイジツ、セイヨウオトギリソウ、オドリコソウ、オレンジ、海藻、カノコソウ、カワラヨモギ、キイチゴ、キウイ、ゲンチアナ、ゲンノショウコウ、ゴバイシ、サンザシ、シラカバ、セイヨウサンザシ、セイヨウノコギリソウ、セージ、タイム、茶、トルメンチラ、イラクサ、フキタンポポ、ブドウ、ホップ、マロニエ、メリッサ、ヤグルマソウ、ヨモギ、リンゴ、レモン、レンゲソウ、ローズヒップ、スイカズラ、シャクヤク、スギナ、海藻、クレマティス等の植物由来成分であり、より好ましくは、アマチャ、アロエ、ウイキョウ、エイジツ、セイヨウオトギリソウ、オドリコソウ、オレンジ、カワラヨモギ、キイチゴ、キウイ、ゲンチアナ、シラカバ、セージ、タイム、茶、ブドウ、ホップ、マロニエ、メリッサ、ヤグルマソウ、ヨモギ、リンゴ、レモン、レンゲソウ、ローズヒップ、スイカズラ、シャクヤク、スギナの植物由来成分である。
【0017】
抗菌作用を有する植物成分としては、ムクロジ、アスパラガス、アセンヤク、アマチャ、アルニカ、アロエ、イチョウ、ウコン、エチナシ、エンメイソウ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カワラヨモギ、クチナシ、クマザサ、クララ、グッレープフルーツ、ゲンノショウコウ、サイシン、サンザシ、サンショウ、シコン、シソ、シャクヤク、シラカバ、スイカズラ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、センキュウ、セージ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、タイム、チョウジ、トウキンセンカ、ドクダミ、ニンニク、ボタン、ホップ、ハッカ、モモ、ラベンダー、ログウッド、ローズヒップ、ローズマリー、ユーカリ、ヨモギ、シャクヤク、ショウブ、セイヨウハッカ、ゴボウ、サボンソウ等の植物由来成分である。好ましくは、ムクロジ、アスパラガス、アセンヤク、アルニカ、アロエ、イチョウ、ウコン、エチナシ、エンメイソウ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カワラヨモギ、クチナシ、クマザサ、クララ、グレープフルーツ、ゲンノショウコウ、サイシン、サンザシ、サンショウ、シコン、シソ、シャクヤク、シラカバ、スイカズラ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、センキュウ、セージ、ソウハクヒ、タイム、チョウジ、トウキンセンカ、ボタン、ホップ、ハッカ、モモ、ユーカリ、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、ヨモギ、シャクヤク、ショウブ、セイヨウハッカ、サボンソウの植物に由来する成分が挙げられる。より好ましくは、ムクロジ、アスパラガス、アロエ、イチョウ、ウコン、エチナシ、エンメイソウ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、セイヨウオトギリソウ、オレンジ、カワラヨモギ、クチナシ、クマザサ、クララ、グレープフルーツ、ゲンノショウコウ、サンショウ、シコン、シソ、シラカバ、スイカズラ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、センキュウ、セージ、ソウハクヒ、タイム、チョウジ、トウキンセンカ、ボタン、ホップ、ハッカ、モモ、ユーカリ、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、ヨモギ、シャクヤク、ショウブ、サボンソウの植物由来成分である。
【0018】
抗酸化作用を有する植物成分としては、アマチャ、ウコン、エイジツ、エチナシ、オウゴン、オトギリソウ、ゴバイシ、ゲンノショウコウ、コメ、コメヌカ、コンフリー、サンショウ、シソ、シャクヤク、ダイズ、納豆、茶、チョウジ、ビワ、ボタン、マロニエ、ユキノシタ、ルイボス、及びローズマリー、スピルリナ、クロレラ、ドナリエラ等の植物に由来する成分が挙げられる。
【0019】
細胞賦活化作用を有する植物成分としては、カゴメコンブ、ヒバマタ、ワカメメカブ、レッソニク、モズク、オバクサなどの植物に由来する成分が挙げられる。
【0020】
保湿作用を有する植物成分としては、ニンジン、オタネニンジン、アルテア、アルニカ、アロエ、アルファルファ、イラクサ、ウイキョウ、ウイッチヘーゼル(ハマメリス)、ウコン、コガネバナ(オウゴン)、キハダ(オウバク)、オトギリソウ、イネ(コメ)、イブキトラノオ、カミツレ、カワラヨモギ(インチンコウ)、キウイ、キュウリ、スイカズラ(キンギンカ)、クララ(クジン)、ブドウ、クチナシ、、コンフリー(ヒレハリソウ)、サボンソウ、サボテン、サンザシ、ジオウ、シソ、シャクヤク、シラカバ、スギナ、ボダイジュ、サルビア(セージ)、センブリ、センキュウ、クワ(ソウハクヒ)、ダイズ、タチジャコウソウ(タイム)、トウキ、トウキンセンカ、ナツメ(タイソウ)、ニワトコ、パセリ、ハトムギ(ヨクイニン)、ブッチヤズブルーム、ヘチマ、ホップ、マロニエ、メリッサ、モモ、ユキノシタ、キイチゴ、ラベンダー、レンゲ、バラ、ノイバラ(エイジツ)、ローズマリー(マンネンロウ)、カンゾウ、チャ(リョクチャ、コウチャ、ウーロンチャ)、ユリ、オオムギ(麦芽根)、コムギ、アンズ(キョウニン)、カラスムギ、トウモロコシ、ゼニアオイ(ウスベニタチヤオイ)、ムラサキ(シコン)、レタス、レモン、マルメロ、オレンジ、イチゴ、ベニバナ、ブナ、ゲンチヤナ、リンドウ(リュウタン)、ハッカ、ミドリハッカ(スペアミント)、セイヨウハッカ(ペパーミント)、ムクロジ、ユーカリ、ウスベニアオイ、クマザサ、ウスバサイシン、ケイリンサイシン、オドリコソウ、ゴボウ、ニンニク、ハウチマメ、イナゴマメ、マツ、キヅタ、ヤグルマソウ、ワレモコウ(ジユ)、コボタンヅル、シモツケ、アボカド、カイソウ(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、マツモ、モズク、イシゲ、ハバノリ、コンブモドキ、フクロノリ、イワヒゲ、カゴメノリ、アナメ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、エゾイシゲ、ラッパモク、ホンダラワ、オオバモク、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、トサカノリ、キリンサイ、ツノマタ、トチヤカ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ウスバノリ、ウシケノリ、アサクサノリ、フサノリ、カギノリ、ヒビロウド、カタノリ、ムカデノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、イバラノリ、オゴノリ、カイメンソウ、エゴノリ、コノハノリ、ヒメゴケ等の紅藻類;アオノリ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類;グレープフルーツ、プルーン、ライム、ゲンノショウコ、オノニス、トルメンチラ、ユズ(キジツ)、オウレン、ヒノキ、ボタン(ボタンピ)、オリーブ、ヒマワリ(サフラワー)、ホホバ、マカデミアナッツ、メドゥホーム、ツバキ、アーモンド、カカオ、ゴマ、シア、ボラージ(ルリジサ)等の植物に由来する成分を挙げることができる。
【0021】
本発明で用いられる植物成分として好ましくは、上記の中でもニンジン、オタネニンジン、アルテア、アルニカ、アロエ、イラクサ、ウイキョウ、ウイッチヘーゼル(ハマメリス)、ウコン、コガネバナ(オウゴン)、キハダ(オウバク)、オトギリソウ、イネ(コメ)、イブキトラノオ、カミツレ、カワラヨモギ(インチンコウ)、キウイ、キュウリ、スイカズラ(キンギンカ)、クララ(クジン)、ブドウ、クチナシ、コンフリー(ヒレハリソウ)、サボンソウ、サボテン、サンザシ、ジオウ、シソ、シャクヤク、シラカバ、スギナ、ボダイジュ、サルビア(セージ)、センブリ、センキュウ、クワ(ソウハクヒ)、ダイズ、タチジャコウソウ(タイム)、トウキ、トウキンセンカ、ナツメ(タイソウ)、ニワトコ、パセリ、ハトムギ(ヨクイニン)、ブッチヤズブルーム、ヘチマ、ホップ、マロニエ、メリッサ、モモ、ユキノシタ、キイチゴ、ラベンダー、レンゲ、バラ、ノイバラ(エイジツ)、ローズマリー(マンネンロウ)、カンゾウ、チャ(リョクチャ、コウチャ、ウーロンチャ)、ユリ、オオムギ(麦芽根)、コムギ、アンズ(キョウニン)、カラスムギ、トウモロコシ、ゼニアオイ(ウスベニタチヤオイ)、ムラサキ(シコン)、レタス、レモン、マルメロ、オレンジ、イチゴ、ベニバナ、ブナ、ゲンチヤナ、リンドウ(リュウタン)、ハッカ、ミドリハッカ(スペアミント)、セイヨウハッカ(ペパーミント)、ムクロジ、ユーカリ、ウスベニアオイ、クマザサ、ウスバサイシン、ケイリンサイシン、オドリコソウ、ゴボウ、ニンニク、ハウチマメ、イナゴマメ、マツ、キヅタ、ヤグルマソウ、ワレモコウ(ジユ)、コボタンヅル、シモツケ、アボカド、カイソウ(コンブ、マコンブ、ワカメ、ヒジキ、ヒバマタ、ウミウチワ、マツモ、モズク、イシゲ、ハバノリ、コンブモドキ、フクロノリ、イワヒゲ、カゴメノリ、アナメ、スジメ、トロロコンブ、カジメ、ツルアラメ、チガイソ、エゾイシゲ、ラッパモク、ホンダラワ、オオバモク、ジャイアントケルプ等の褐藻類;テングサ、ヒラクサ、オニクサ、オバクサ、トサカノリ、キリンサイ、ツノマタ、トチヤカ、スギノリ、シキンノリ、カイノリ、ウスバノリ、ウシケノリ、アサクサノリ、フサノリ、カギノリ、ヒビロウド、カタノリ、ムカデノリ、マツノリ、トサカマツ、フノリ、イバラノリ、オゴノリ、カイメンソウ、エゴノリ、コノハノリ、ヒメゴケ等の紅藻類;アオノリ、クロロコッカス、アナアオサ、カワノリ、マリモ、シオグサ、カサノリ、フトジュズモ等の緑藻類;スピルリナ等の藍藻類;グレープフルーツ、プルーン、ライム、ゲンノショウコ、オノニス、トルメンチラ、ユズ(キジツ)、オウレン、ヒノキ、ボタン(ボタンピ)、オリーブ、ヒマワリ(サフラワー)、ホホバ、マカデミアナッツ、メドゥホーム、ツバキ、アーモンド、カカオ、ゴマ、シア、ボラージ(ルリジサ)等の植物に由来する成分を挙げることができる。
【0022】
より好ましくは、ニンジン、オタネニンジン、アロエ、イラクサ、ウイキョウ、ウイッチヘーゼル(ハマメリス)、ウコン、コガネバナ(オウゴン)、キハダ(オウバク)、オトギリソウ、イネ(コメ)、カミツレ、カワラヨモギ(インチンコウ)、キウイ、キュウリ、クララ(クジン)、ブドウ、クチナシ、コンフリー(ヒレハリソウ)、サボンソウ、ジオウ、シソ、シャクヤク、シラカバ、スギナ、ボダイジュ、サルビア(セージ)、センブリ、センキュウ、クワ(ソウハクヒ)、ダイズ、タチジャコウソウ(タイム)、トウキ、トウキンセンカ、パセリ、ハトムギ(ヨクイニン)、ブッチヤズブルーム、ヘチマ、ホップ、マロニエ、メリッサ、モモ、ユキノシタ、キイチゴ、ラベンダー、レンゲ、バラ、ノイバラ(エイジツ)、ローズマリー(マンネンロウ)、カンゾウ、チャ(リョクチャ、コウチャ、ウーロンチャ)、ユリ、オオムギ(麦芽根)、コムギ、アンズ(キョウニン)、カラスムギ、ムラサキ(シコン)、レモン、マルメロ、オレンジ、イチゴ、ベニバナ、リンドウ(リュウタン)、ハッカ、ミドリハッカ(スペアミント)、セイヨウハッカ(ペパーミント)、ムクロジ、ユーカリ、オドリコソウ、マツ、ヤグルマソウ、ワレモコウ(ジユ)、アボカド、海藻、グレープフルーツ、プルーン、ライム、ユズ(キジツ)、オウレン、ヒノキ、ボタン(ボタンピ)、オリーブ、ヒマワリ(サフラワー)、ホホバ、マカデミアナッツ、メドゥホーム、ツバキ、アーモンド、カカオ、ゴマ、カロット、カンゾウの植物に由来する成分である。
【0023】
これらの植物成分は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を有効成分として用いる場合、外皮用組成物への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。また、本発明の外皮用組成物が、他に有効成分として後述するアスコルビン酸類を含有する場合、植物成分は当該アスコルビン酸類100重量部に対して0.0001〜100重量部、好ましくは0.001〜50重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0024】
i-2)アスコルビン酸類
本発明で用いられるアスコルビン酸は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。通常、ビタミンCの慣用名で知られるL−アスコルビン酸をあげることができる。
【0025】
また本発明で用いられるL−アスコルビン酸の誘導体としては、アスコルビン酸と同様、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されず、任意のエステル誘導体またはエーテル誘導体を挙げることができる。好ましくは水溶性または水溶性の高いエステル誘導体またはエーテル誘導体である。アスコルビン酸のエステル誘導体とは、具体的にはL−アスコルビン酸モノリン酸エステル,L−アスコルビン酸ジリン酸エステルまたはL−アスコルビン酸トリリン酸エステルといったL−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体、ならびにL−アスコルビン酸−2−硫酸エステルを意味する。また、アスコルビン酸のエーテル誘導体とは、具体的にはL−アスコルビン酸−2−グルコシドを意味する。
【0026】
また本発明で用いられるアスコルビン酸、そのエステル誘導体またはそのエーテル誘導体の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム,カルシウム及びバリウム等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩:アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,モノイソプロパノールアミン,ジイソプロパノールアミン,及びトリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0027】
アスコルビン酸類として、好ましくはL−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸のリン酸エステル,L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル,L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩であり、皮膚や粘膜に対する安全性の高さと作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸,L−アスコルビン酸モノリン酸エステル,L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩である。
【0028】
なお、本発明の外皮用組成物には、上記のアスコルビン酸、そのエステル誘導体、そのエーテル誘導体及びそれらの塩は、1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0029】
本発明の外皮用組成物中に配合する上記のアスコルビン酸類の割合は、本発明の外皮用組成物がアスコルビン酸類によって生じる作用を有することを限度として特に制限されず、目的とするアスコルビン酸類の各種作用(例えば、抗炎症作用、ニキビ改善作用、美白作用、老化防止作用、コラーゲン等の生体成分合成促進作用、紫外線による細胞障害やDNA損傷抑制作用など)に応じて適宜選択することができる。通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01 〜30重量%、より好ましくは0.1〜25重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは5〜20重量%の範囲を挙げることができる。
【0030】
なお、本発明の外皮用組成物には、以上説明した各種の植物成分並びにアスコルビン酸類を任意に選択して有効成分として配合することができる。すなわち、本発明の外皮用組成物には、植物成分を1種または2種以上組み合わせて、またはアスコルビン酸類を1種または2種以上組み合わせて、または植物成分とアスコルビン酸類とを任意に1種または2種以上組み合わせて含有するものが包含される。
【0031】
ii) 水
本発明の外皮用組成物中に配合される水の割合は、本発明の外皮用組成物がアスコルビン酸類を安定的に維持することを限度として特に制限されず、通常0.01〜90重量%の範囲から適宜選択して使用することができる。好適には、皮膚使用感及び/または皮膚への有効成分の効果等を考慮して適宜選択調整されることが望ましい。かかる観点から、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは5〜80重量%、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは10〜55重量%の範囲を挙げることができる。
【0032】
iii) グリコールエーテル
グリコールエーテルは、モノエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテルであり、具体的にはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル;プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル;ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルである。
【0033】
本発明の外皮用組成物に配合されるグリコールエーテルの配合割合としては、植物成分やアスコルビン酸類の有効成分の作用が効果的に発揮する範囲であれば特に制限されず、通常0.001〜99重量%の範囲から、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができる。かかる観点から好ましくは1〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%を挙げることができる。
【0034】
また、外皮用組成物中のグリコールエーテルと水との配合重量比は、有効成分の作用が効果的に発揮する範囲であれば特に制限されず、通常グリコールエーテル1重量部に対して水が0.0001〜10000重量部の割合となるような範囲で適宜選択調整することができる。皮膚使用感や効果の観点から、好適にはグリコールエーテル1重量部に対して水0.001〜1000重量部、好ましくは0.01〜500重量部、より好ましくは0.1〜100重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部の範囲を挙げることができる。特に本発明の外皮用組成物が有効成分としてアスコルビン酸類を含有する場合にはその安定性に配慮してグリコールエーテル1重量部に対して水を0.2〜0.9重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0035】
またこの場合、グリコールエーテルは、外皮用組成物に含まれるアスコルビン酸類との配合割合として、グリコールエーテル1重量部に対してアスコルビン酸類が0.0001〜10000重量部となるような範囲で配合される。好適には、皮膚使用感及び/または皮膚へのアスコルビン酸類の効果を考慮して、グリコールエーテル1重量部に対してアスコルビン酸類が0.001〜1000重量部、好ましくは0.01〜500重量部、さらに好ましくは0.1〜100重量部となるような割合を挙げることができる。
【0036】
上記構成を有する本発明の外皮用組成物は、植物成分やアスコルビン酸類といった有効成分が本来的に有する各種の作用(例えば、美白作用、抗炎症作用、抗菌作用、細胞賦活作用、収斂作用、抗酸化作用、血行促進作用、抗シワ作用、保湿作用、ニキビ改善作用、老化防止作用、コラーゲンなどの生体成分合成促進作用、紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する作用等)を効果的に発揮することができる。
【0037】
本発明の外皮用組成物には、前述する植物成分やアスコルビン酸類に加えて、上記植物成分やアスコルビン酸類が有する各種の作用を増強または補足する目的で、また外皮用組成物に他の有用な作用を付加する目的で、他に美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、抗シワ成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、抗シワ成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの成分の組み合わせとして特に好ましいものとしては、植物成分又はアスコルビン酸類と美白成分との各組み合わせ、植物成分及びアスコルビン酸類と美白成分との組み合わせ、植物成分又はアスコルビン酸類と抗酸化成分との各組み合わせ、植物成分及びアスコルビン酸類と抗酸化成分との組み合わせ、植物成分又はアスコルビン酸類と細胞賦活化成分との各組み合わせ、植物成分及びアスコルビン酸類と細胞賦活化成分との組み合わせを挙げることができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において外用剤の成分として従来より使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0038】
例えば、美白成分としては、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0039】
上記美白成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、美白成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分(エキスや精油などの抽出物換算、以下についても同じ)100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0040】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0041】
上記抗炎症成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗炎症成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0042】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0043】
上記抗菌成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗菌成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0044】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0045】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、細胞賦活成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0046】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0047】
収斂成分を用いる場合、その外皮用組成物に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、収斂成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0048】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、トコフェロール及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0049】
抗酸化成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。また外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0050】
抗シワ成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0051】
上記抗シワ成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗シワ成分は外皮用組成物中に含まれるアスコルビン酸類または植物成分100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0052】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分などがあげられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウである。
【0053】
保湿成分を用いる場合、外皮用組成物に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0054】
本発明の外皮用組成物は、上記各成分に加えて、さらに界面活性剤、可溶化成分、油脂類または経皮吸収促進成分を配合することもできる。特に界面活性剤、可溶化成分または油脂類を配合することによって、水性溶媒中におけるアスコルビン酸類または植物成分といった有効成分の安定性をより向上させることができ、また経皮吸収促進成分を配合することにより外皮用組成物中の有効成分の皮膚透過性(経皮吸収性)をより向上させることができる。
【0055】
ここで用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤::ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、及びオレイン酸等の高級脂肪酸のカリウム、ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノ酸等の各種の塩;エーテルカルボン酸のカリウムまたはナトリウム塩;N−アシルアミノ酸の塩;N −アシルサルコン酸塩;高級アルキルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤::アルキルアミン塩、ポリアミン、アミノアルコール脂肪酸有機シリコーン樹脂、アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤::あるいはレシチンやベタイン誘導体等の両性界面活性剤等を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0056】
界面活性剤を使用する場合、外皮用組成物への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、外皮用組成物中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。外皮用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜20重量%の範囲を挙げることができる。また外皮用組成物に含まれるグリコールエーテル100重量部に対する界面活性剤の配合割合としては、0.01 〜1000重量部、好ましくは0.01〜500重量部、より好ましくは0.1〜250重量部の範囲を例示することができる。さらに、有効成分としてアスコルビン酸類を用いる場合、外皮用組成物中のアスコルビン酸類の安定性向上の観点から、アスコルビン酸類100重量部に対する界面活性剤の配合割合として0.1 〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.1〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0057】
可溶化成分としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン,エチレングリコール,及びプロピレングリコール等の多価アルコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、より好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質である。これらの可溶化成分は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0058】
これらの可溶化成分を使用する場合、外皮用組成物への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、外皮用組成物中に0.01〜80重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、外皮用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは0.1〜60重量%の範囲を挙げることができる。また外皮用組成物に含まれるグリコールエーテル100重量部に対する可溶化成分の配合割合としては、0.01〜1000重量部、好ましくは0.01〜500重量部、より好ましくは0.01〜250重量部の範囲を例示することができる。さらに、有効成分としてアスコルビン酸類を用いる場合、外皮用組成物中のアスコルビン酸類の安定性向上の観点から、アスコルビン酸類100重量部に対する可溶化成分の配合割合として0.1 〜1000重量部、好ましくは1〜1000重量部、より好ましくは1〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0059】
油脂類としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂;大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油脂;ミンク油、卵黄油、牛脂、乳脂、及び豚脂等の動物油脂;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステルやエーテル類;シリコーン油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0060】
これらの油脂類を使用する場合、外皮用組成物への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、外皮用組成物中に0.01〜80重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、外皮用組成物中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点から、好ましくは0.1〜80重量%、より好ましくは0.1〜60重量%の範囲を挙げることができる。また外皮用組成物に含まれるグリコールエーテル100重量部に対する油脂類の配合割合としては、0.01〜1000重量部、好ましくは0.01〜800重量部、より好ましくは0.05〜500重量部の範囲を例示することができる。さらに、有効成分としてアスコルビン酸類を用いる場合、外皮用組成物中のアスコルビン酸類の安定性向上の観点から、アスコルビン酸類100重量部に対する油脂類の配合割合として0.1〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.1〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0061】
経皮吸収促進成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、尿素;乳酸、フルーツ酸、グリコール酸などのα−ヒドロキシ酸;イオウ;サリチル酸等のβ−ヒドロキシ酸;オレイン酸、ウンデカノイン酸、オクタノール、ノナノール、メントール、チモール、リモネン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ドデシルメチルスルホキシド、dimethyl lacetamide、N,N−ジメチルホルムアミド、ラウリル硫酸ナトリウム、N,N-bis(2 hydroxy ethy) oleylamine、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、Dodecyl dimethyl ammoniopropane sulfate、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、n,n-dimethyl-m-toluamide、DEET(diethyl-m-toluamide)、Laurocapram、シクロデキストリン、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、N−モノ又はジ置換−p−メンタン−3−カルボキシアミド、 2−(2−メトキシ−1−メチルエチル)−5−メチルシクロヘキサノ−ル、アザシクロアルカン誘導体等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、尿素、乳酸、フルーツ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、メントール、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、シクロデキストリンである。これらの経皮吸収促進成分は、1種単独で使用しても2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0062】
これらの経皮吸収促進成分を使用する場合、外皮用組成物への配合割合としては外皮用組成物中に0.0003〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%の割合で含まれるような範囲挙げることができる。また有効成分としてアスコルビン酸類を用いる場合、外皮用組成物中のアスコルビン酸類の安定性向上の観点から、アスコルビン酸類100重量部に対する経皮吸収促進成分の配合割合としては0.001〜1000重量部、好ましくは0.001〜300重量部、より好ましくは0.01〜200重量部の範囲を挙げることができる。
【0063】
本発明の外皮用組成物には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0064】
本発明の外皮用組成物は、上記アスコルビン酸類及び/又は植物成分、水及びグリコールエーテル、並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。
【0065】
本発明の外皮用組成物は、通常pH2〜8の液性を備えていればよいが、アスコルビン酸類の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2.5〜6の弱酸性であることが望ましい。
【0066】
本発明の外皮用組成物は、例えば、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品または外用医薬部外品の分野に属する各種の外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。
【0067】
なお本発明の外皮用組成物は、i)植物成分または/及びアスコルビン酸類、ii)水、及びiii)グリコールエーテルが同じ系内で共存状態にあるものであり、その限りにおいて、植物成分または/及びアスコルビン酸類の存在状態を問うものではない。よって外皮用組成物中に植物成分または/及びアスコルビン酸類が溶解していても、分散していても、また懸濁していてもよいが、少なくとも一部、より好ましくは全ての植物成分または/及びアスコルビン酸が外皮用組成物中に溶解していることが望ましい。
【実施例】
【0068】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0069】
実施例1 保湿化粧料
ジエチエングリコールモノプロピルエーテル 20.0(%)
1、3−ブチレングリコール 5.0
アロエエキス 1.0
ハマメリスエキス 0.5
精製水 73.5
合 計 100.0%。
【0070】
実施例2 美白化粧水
L−アスコルビン酸ナトリウム 20.0(%)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 30.0
プロピレングリコール 20.0
グリセリン 5.0
乳酸 1.5
イリス根エキス 0.01
香料 0.1
精製水 23.39
合 計 100.00%。
【0071】
実施例3 化粧水
L−アスコルビン酸 10.0(%)
ポリオキシエチレン硬化ひまし油 1.0
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル 20.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
スクワラン 1.0
ローズマリー油 0.2
香料 0.2
精製水 62.6
合 計 100.0%。
【0072】
実施例4 乳液
L−アスコルビン酸ジリン酸エステルナトリウム 20.0(%)
ステアリン酸ポリグリセリド 1.0
エチレングリコールモノエチルエーテル 40.0
乳酸ナトリウム 0.1
セタノール 2.0
パラフィン 0.5
ラベンダー油 1.0
カミツレエキス 0.5
精製水 34.9
合 計 100.0%。
【0073】
実施例5 クリーム
L−アスコルビン酸−2−スルホン酸エステル 15.0(%)
プロピレングリコールモノエチルエーテル 30.0
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル 1.5
セトステアリルアルコール 2.0
アラントイン 0.1
プロピレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
ワセリン 10.0
オウバクエキス 0.1
精製水 36.2
合 計 100.0%。
【0074】
実施例6 スプレー化粧料
L−アスコルビン酸 8.0(%)
エチレングリコールモノプロピルエーテル 50.0
エタノール 10.0
アロエエキス 0.01
精製水 31.99
合 計 100.00%。
【0075】
実施例7 外皮用剤
L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル 5.0(%)
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 1.0
ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル 40.0
ホホバ油 5.0
ハマメリスエキス 0.01
イソプロピルメチルフェノール 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.5
トリエタノールアミン 0.3
精製水 48.14
合 計 100.00%。
【0076】
実施例8 アクネローション
L−アスコルビン酸トリリン酸エステルマグネシウム 15.0(%)
1,3―ブチレングリコール 3.0
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 20.0
塩化ベンザルコニウム 0.5
ハマメリスエキス 0.1
ムクロジエキス 0.1
エタノール 5.0
香料 0.1
メントール 0.01
精製水 56.29
合 計 100.0 %。
【0077】
実施例9 美容液
L−アスコルビン酸 15.0(%)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 60.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ニンジンエキス 0.5
精製水 19.5
合 計 100.0%。
【0078】
実施例10 美容液
L−アスコルビン酸 10.0(%)
L−アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム 2.0
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 51.0
プロピレングリコール 23.0
アロエエキス 2.0
精製水 12.0
合 計 100.0%。
【0079】
試験例1 皮膚刺激試験
実施例1〜9の外皮用組成物を被験者(20〜40歳代の男性3名、20〜50歳代の女性3名)の上腕部に塗布し、パッチテストユニット(Finn Chamber on Scanpor tape:大正製薬製)を用いクローズドパッチ試験を行った。48時間後、パッチテストユニットを除去し、1時間以上経過した後に下記の基準に従って皮膚刺激性の有無について判定を行った。
【0080】
<判定の基準>
−:無反応、
±:軽微な紅斑、
+:明らかな紅斑、
++:紅斑及び浮腫、丘疹
その結果、全被験者においていずれの実施例の外皮用組成物も無反応(−)で刺激反応は認められず、本発明の外皮用組成物の安全性が示された。
【0081】
試験例2 美白効果試験
(1) 精製水15%、L−アスコルビン酸10%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル45%、エチレングリコール10%、エタノール10%、及びプロピレングリコール10%を混合して外皮用組成物(本発明美容液1)を調製した。これを顔面に色素沈着部位を有する被験者1〜5(30〜50歳代女性、5名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ヶ月間継続して使用してもらった後にその淡色化効果(美白効果)を後述する基準に従って判定した。
【0082】
なお、比較試験として、精製水155%、L−アスコルビン酸10%、エチレングリコール10%、エタノール10%、及びプロピレングリコール10%を混合した外皮用組成物(比較美容液1)を顔面に色素沈着部位を有する被験者6及び7(30〜50歳代女性、2名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ヶ月間継続して使用してもらった後にその淡色化効果(美白効果)を判定した。結果を表1に示す。
【0083】
【表1】

【0084】
表1の結果からわかるように、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGME)を含有しない外皮用組成物(比較美容液1)を使用した被験者は色素沈着に変化が認められなかったが、DEGMEを含有する外皮用組成物(本発明美容液1)を使用した被験者1〜5は全員、色素沈着部分の淡色化効果が認められた。このことから、水とDEGMEの水性混合溶媒にアスコルビン酸を配合することによりアスコルビン酸の美白効果が有意に発揮されること、すなわち水とDEGMEとアスコルビン酸を含有する外皮用組成物は顕著な美白効果を有することが確認された。
【0085】
(2)また本発明美容液2として、精製水65%、アロエエキス5%、DEGME10%、グリセリン5%、ソルビトール5%およびエタノール10%を混合した外皮用組成物;本発明美容液3として、精製水65%、アロエエキス5%、アスコルビン酸5%、DEGME10%、グリセリン5%、ソルビトール5%およびエタノール10%を混合した外皮用組成物;並びに、比較美容液2として精製水75%、アロエエキス5%、グリセリン5%、ソルビトール5%およびエタノール10%を混合した外皮用組成物をそれぞれ調製した。
【0086】
これらをそれぞれ顔面に色素沈着部位を有する被験者6,7及び8(30〜50歳代女性、3名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ヶ月間継続して使用してもらった後にその淡色化効果(美白効果)を上記の基準に従って判定した。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
表2の結果からわかるように、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DEGME)を含有しない外皮用組成物(比較美容液2)を使用した被験者8は色素沈着に変化が認められなかったが、アロエエキスとDEGMEを含有する外皮用組成物(本発明美容液2)、アロエエキスとアスコルビン酸とDEGMEを含有する外皮用組成物(本発明美容液3)を使用した被験者6及び7はいずれも色素沈着部分の淡色化効果が認められた。このことから、水とDEGMEの水性混合溶媒に、アロエエキス、またはアロエエキスとアスコルビン酸を配合することによりアロエエキス及び/又はアスコルビン酸の美白効果が有意に発揮されること、すなわち水とDEGMEとアロエエキス、または水とDEGMEとアロエエキスとアスコルビン酸を含有する外皮用組成物は顕著な美白効果を有することが確認された。
【0089】
試験例3 美白効果試験
エチレングリコール(最終濃度10%)、エタノール(最終濃度10%)及びプロピレングリコール(最終濃度10%)に下記表3に記載する各成分を配合し、水で全量を100%にして各種の外皮用組成物(美容液a〜p)を調製した。なお、表中、DEGMEはジエチレングリコールモノエチルエーテルを意味し、DPGMEはジプロピレングリコールモノエチルエーテルを意味する。また表中のカンゾウエキスとして油溶性カンゾウエキスを用いた。これらの美容液を顔面に色素沈着部位を有する被験者(30〜50歳代女性、14名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ヶ月間継続して使用してもらった後にその淡色化効果(美白効果)を判定した。結果を表3に併せて示す。
【0090】
【表3】

【0091】
表3の結果からわかるように、DEGMEまたはDPGMEを配合することによって、植物成分(アロエ、アイリス、ハマメリス、海藻、エイジツ、カンゾウ)やアスコルビン酸等の美白成分による色素淡色化効果が増強することが認められた。すなわち、本発明の外皮用組成物は顕著な美白効果を有することが確認された。
【0092】
試験例4 しわ改善効果の評価方法
下記表4に記載する処方に従って外皮用組成物(実施例11、比較例1〜5)を作成し、これらの外皮用組成物を使用して、そのしわ改善効果の評価を行なった。
【0093】
【表4】

【0094】
具体的には、上記実施例10及び比較例1〜5の外皮用組成物を専門パネル(6グループ、各グループ5名[a〜e]ずつ、計30名)に顔に洗顔後、塗布してもらい、1ヶ月間継続使用後にしわや肌のきめの細かさの変化を目視で評価してもらった。表5に、各被験グループにおける被験者5名(被験者a〜e)の結果をそれぞれ示す。
【0095】
【表5】

【0096】
この結果からわかるように、実施例10の外皮用組成物の使用によって被験者全員についてしわ形成の抑制効果または肌のきめに対する効果が認められ、本発明の外皮用組成物が顕著な美肌効果(しわ形成抑制効果)を有することが確認された。このことは、当該外皮用組成物に含まれる老化防止成分又はコラーゲン合成促進成分であるアスコルビン酸の効果発現が向上または改善し効果を充分に発揮していることを示すものである。
【0097】
試験例5 抗炎症効果試験
エチレングリコール(最終濃度10%)、エタノール(最終濃度10%)及びプロピレングリコール(最終濃度10%)に下記表6に記載する各成分を配合し、水で全量を100%にして各種の外皮用組成物〔美容液 1〜13)〕を調製した。なお、表中、DEGMEはジエチレングリコールモノエチルエーテルを意味し、DPGMEはジプロピレングリコールモノエチルエーテルを意味する。これらの外皮用組成物を専門パネルに日焼け後などの炎症部位に塗布してもらい、炎症の治まり程度を下記の評価基準に従って評価してもらった。
【0098】
【表6】

【0099】
表6の結果からわかるように、DEGMEまたはDPGMEを配合することによって、植物成分(アロエ、カロット、クマザサ、ヨモギ、ローズマリー)や他の抗炎症成分(アラントインやグリチルリチン酸)等による抗炎症効果が増強することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)植物成分、
ii)水、
iii)ジエチレングリコールエーテル、モノエチレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びモノプロピレングリコールエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種のグリコールエーテル、並びに
iv) 界面活性剤、可溶化成分、油脂類及び経皮吸収促進成分よりなる群から選択される少なくとも1種(但し、プロピレングリコール1種のみを選択する場合はない)
を含有することを特徴とする外皮用組成物。

【公開番号】特開2007−308516(P2007−308516A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225671(P2007−225671)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【分割の表示】特願2002−84156(P2002−84156)の分割
【原出願日】平成14年3月25日(2002.3.25)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】