説明

外科手術鉗子

【課題】単一の動作で組織を把持し、密閉し、そして切断する外科手術鉗子を提供する。
【解決手段】上記鉗子は、エンドエフェクターアセンブリを含み、エンドエフェクターアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材110および第2のジョー部材120であって、ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能である、第1のジョー部材110および第2のジョー部材120と、ナイフバー142とを含み、ナイフバー142は、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに第1のジョー部材110および第2のジョー部材120に対して長手方向に並進可能であり、ナイフバー142は、ピン−スロット係合を介して第1のジョー部材110および第2のジョー部材120のうちの少なくとも1つに結合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科手術鉗子に関し、より具体的には、組織を密閉し、かつ切断することが可能である電気外科手術鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
鉗子は、脈管または組織を把持し、クランプ締め、そして締め付けるために、そのジョーの間の機械的動作に頼るプライヤー状の器具である。電気外科手術鉗子は、機械的クランプ締めの動作と、組織を凝固させ、そして/または焼灼するために、組織および血管を加熱することによって止血に影響するための電気エネルギーとの両方を利用する。ある外科手術手順は、組織、脈管およびある脈管バンドルを「密閉する」ために、単純に組織を焼灼することより多くを必要とし、クランプ締めの力、正確な電気外科手術エネルギーの制御、およびギャップ距離(すなわち、組織の周りに閉じられたときに、両側のジョー部材の間の距離)の特有の組み合わせに頼る。
【0003】
典型的には、一旦脈管が密閉されると、外科医は、新たに形成された組織のシールに沿って精確に脈管を切り離さなければならない。従って、多くの脈管密閉器具は、組織のシールを形成した後に、組織を効率的に切り離すナイフまたはブレード部材を組み込むように設計されている。そのような器具の多くは、外科医が、ジョー部材の間に組織を把持するように第1のトリガーを作動し(例えば、密閉動作を行い)、次に、組織のシールが形成されると、第2のトリガーを作動し、新たに形成された組織のシールを切り離すために、組織を通ってナイフを前進させることを必要とする。
【0004】
それゆえに、組織を把持し、密閉し、そして切断することを要求されたステップの数を減少させる器具を開発することが有益である。例えば、同一人譲渡されたGarrisonらへの特許文献1は、単一の動作で組織を把持し、密閉し、そして切断することが可能である単一動作の組織密閉具を開示する。上記文献の全容が、本明細書において参照することによって援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,628,791号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
本開示に従って、鉗子が提供される。鉗子は、エンドエフェクターアセンブリを含み、エンドエフェクターアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置されている第1のジョー部材および第2のジョー部材を有する。ジョー部材のうちの1つ(または両方)は、ジョー部材の間に組織を把持するために、間隔を空けられた位置から接近した位置に他方に対して移動可能である。ナイフは、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに第1のジョー部材および第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能である。ナイフは、ピン−スロット係合を介してジョー部材のうちの1つ(または両方)に結合されており、それにより、退縮された位置から中間位置へのナイフの並進の際に、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持し、中間位置から延長された位置へのナイフの並進の際に、ナイフが、ジョー部材の間に延在され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する。
【0007】
1つの実施形態において、第1のジョー部材および第2のジョー部材の各々は、ジョー部材の間に把持された組織にエネルギーを連結するために、電気外科手術エネルギー供給源に接続するように適合された対向の電気伝導性組織密閉表面を含む。
【0008】
別の実施形態において、第1のジョー部材および第2のジョー部材のうちの1つ(または両方)は、ジョー部材内に規定されたナイフチャンネルを含む。ナイフチャンネルは、ナイフチャンネルを通るナイフの往復運動を可能にするように構成されている。ナイフチャンネルは、T形の長手方向の断面構成またはL形の長手方向の断面構成を規定し得る。さらに、ナイフは、ナイフチャンネルの長手方向の断面構成に対して相補的な長手方向の断面構成を規定し得る。
【0009】
なお別の実施形態において、ナイフは、ナイフ内に規定されたスロットを含み、ジョー部材のうちの1つ、例えば、第1のジョー部材は、スロット内に係合されたピンを含む。ナイフ内に規定されたスロットは、ナイフが退縮された位置から中間位置へ並進されるときに、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、間隔を空けられた位置から接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている。スロットは、中間位置から延長された位置へのナイフの並進の際に、ナイフが、ジョー部材の間に延在され、ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成され得る。
【0010】
代替的には、ナイフは、ナイフに対して横切る関係でナイフに係合されたピンを含み得、第1のジョー部材および第2のジョー部材の各々は、各々を通って規定されたスロットを含み得る。このような実施形態において、スロットは、ナイフが退縮された位置から中間位置へ並進されるときに、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、間隔を空けられた位置から接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている。スロットは、中間位置から延長された位置へのナイフの並進の際に、ナイフが、ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成され得る。
【0011】
なお別の実施形態において、第1のジョー部材および第2のジョー部材が接近した位置に配置されているときに、所定のギャップ距離が、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に規定される。
【0012】
なお別の実施形態において、ハンドルアセンブリが提供される。ハンドルアセンブリは、エンドエフェクターアセンブリに結合されており、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とにナイフを並進させるために、最初の位置と、第1の作動された位置と、第2の作動された位置とのそれぞれに選択的に移動可能である。ハンドルアセンブリは、ハンドルアセンブリの位置に関する可聴、触覚、および/または可視のフィードバックを提供するために、1つ以上のフィードバック特徴をさらに含み得る。
【0013】
本開示に従って提供される鉗子の別の実施形態は、ハンドルアセンブリを含み、ハンドルアセンブリは、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能である移動可能なハンドルを含む。ハンドルアセンブリは、ハンドルアセンブリから遠位へ延在するシャフトを有する。エンドエフェクターアセンブリが、シャフトの遠位端部に配置されており、互いに対して対向の関係で配置されている第1のジョー部材および第2のジョー部材を含む。ジョー部材のうちの1つまたは両方は、ジョー部材の間に組織を把持するために、間隔を空けられた位置から接近した位置に他方に対して移動可能である。ジョー部材のうちの1つまたは両方は、ジョー部材を通って延在するピンをさらに含む。ナイフバーは、シャフト内に配置されており、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能なハンドルの移動の際に、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とのそれぞれに第1のジョー部材および第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能である。ナイフバーは、ナイフバー内に規定されたスロットを含み、スロットは、スロットを通してジョー部材のピンを受け取るように構成されており、それにより、退縮された位置から中間位置へのナイフバーの並進の際に、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持し、中間位置から延長された位置へのナイフバーの並進の際に、ナイフバーが、ジョー部材の間に延在され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する。
【0014】
なお、本開示に従って提供される鉗子の別の実施形態は、同様に、ハンドルアセンブリを含み、ハンドルアセンブリは、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能である移動可能なハンドルを有する。シャフトが、ハンドルアセンブリから遠位へ延在し、シャフトの遠位端部に配置されたエンドエフェクターアセンブリを含む。エンドエフェクターアセンブリは、互いに対して対向の関係で配置されている第1のジョー部材および第2のジョー部材を含む。ジョー部材のうちの1つまたは両方は、ジョー部材の間に組織を把持するために、間隔を空けられた位置から接近した位置に他方に対して移動可能である。ジョー部材のうちの1つまたは両方は、ジョー部材を通って規定されたスロットを有する近位フランジを含む。ナイフバーは、シャフト内に配置されており、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能なハンドルの移動の際に、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに第1のジョー部材および第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能である。ナイフバーは、ナイフバー内に係合され、かつナイフバーに対して横切って延在するピンを含み、ピンは、ジョー部材のスロット内の係合のために構成されており、それにより、退縮された位置から中間位置へのナイフバーの並進の際に、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持し、中間位置から延長された位置へのナイフバーの並進の際に、ナイフバーが、ジョー部材の間に延在され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する。
【0015】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1A)
鉗子であって、該鉗子は、
エンドエフェクターアセンブリを含み、該エンドエフェクターアセンブリは、
互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材および第2のジョー部材であって、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、該ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能である、第1のジョー部材および第2のジョー部材と、
ナイフバーと
を含み、
該ナイフバーは、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに該第1のジョー部材および該第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能であり、該ナイフバーは、ピン−スロット係合を介して該第1のジョー部材および該第2のジョー部材のうちの少なくとも1つに結合されており、それにより、該退縮された位置から該中間位置への該ナイフバーの並進の際に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、該接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持し、該中間位置から該延長された位置への該ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に把持された該組織を切断する、鉗子。
(項目2A)
上記ナイフバーは、該ナイフバーに規定されたスロットを含み、上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材のうちの1つは、該スロット内に係合されるピンを含み、該スロットは、該ナイフバーが上記退縮された位置から該中間位置へ並進される場合に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、上記項目に記載の鉗子。
(項目3A)
上記スロットは、上記中間位置から上記延長された位置への上記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、上記ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目4A)
上記ナイフバーは、該ナイフバーに対して横切る関係で該ナイフバーに係合されたピンを含み、上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材の各々は、各々を通って規定されたスロットを含み、該スロットは、該ナイフバーが上記退縮された位置から該中間位置へ並進される場合に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目5A)
上記スロットは、上記中間位置から上記延長された位置への上記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、上記ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目6A)
上記エンドエフェクターアセンブリに結合されているハンドルアセンブリをさらに含み、該ハンドルアセンブリは、上記退縮された位置と、上記中間位置と、上記延長された位置とに上記ナイフバーを並進させるために、最初の位置と、第1の作動された位置と、第2の作動された位置とのそれぞれに選択的に移動可能である、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目1B)
鉗子であって、該鉗子は、
エンドエフェクターアセンブリを含み、該エンドエフェクターアセンブリは、
互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材および第2のジョー部材であって、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、該ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能である、第1のジョー部材および第2のジョー部材と、
ナイフバーと
を含み、
該ナイフバーは、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに該第1のジョー部材および該第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能であり、該ナイフバーは、ピン−スロット係合を介して該第1のジョー部材および該第2のジョー部材のうちの少なくとも1つに結合されており、それにより、該退縮された位置から該中間位置への該ナイフバーの並進の際に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、該接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持し、該中間位置から該延長された位置への該ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に把持された該組織を切断する、鉗子。
(項目2B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材の各々は、該ジョー部材の間に把持された組織にエネルギーを連結するために、電気外科手術エネルギー供給源に接続するように適合された対向の電気伝導性組織密閉表面を含む、上記項目に記載の鉗子。
(項目3B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、該ジョー部材内に規定されたナイフチャンネルを含み、該少なくとも1つのナイフチャンネルが、該ナイフチャンネルを通る上記ナイフバーの往復運動を可能にするように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目4B)
上記少なくとも1つのナイフチャンネルは、T形の長手方向の断面構成およびL形の長手方向の断面構成のうちの1つを規定する、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目5B)
上記ナイフバーは、上記少なくとも1つのナイフチャンネルの上記長手方向の断面構成に対する補足的な長手方向の断面構成を規定する、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目6B)
上記ナイフバーは、該ナイフバー内に規定されたスロットを含み、上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材のうちの1つは、該スロット内に係合されるピンを含み、該スロットは、該ナイフバーが上記退縮された位置から該中間位置へ並進されるときに、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目7B)
上記スロットは、上記中間位置から上記延長された位置への上記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、上記ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目8B)
上記ナイフバーは、該ナイフバーに対して横切る関係で該ナイフバーに係合されたピンを含み、上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材の各々は、各々を通って規定されたスロットを含み、該スロットは、該ナイフバーが上記退縮された位置から該中間位置へ並進されるときに、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、上記間隔を空けられた位置から上記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目9B)
上記スロットは、上記中間位置から上記延長された位置への上記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、上記ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目10B)
上記接近した位置にあるときに、上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材は、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に所定のギャップ距離を規定する、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目11B)
上記エンドエフェクターアセンブリに結合されているハンドルアセンブリをさらに含み、該ハンドルアセンブリは、上記退縮された位置と、上記中間位置と、上記延長された位置とに上記ナイフバーを並進させるために、最初の位置と、第1の作動された位置と、第2の作動された位置とのそれぞれに選択的に移動可能である、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目12B)
上記ハンドルアセンブリは、該ハンドルアセンブリの位置に関するフィードバックを提供するために、少なくとも1つのフィードバック特徴を含む、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目13B)
鉗子であって、該鉗子は、
ハンドルアセンブリであって、該ハンドルアセンブリは、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能である移動可能なハンドルを含み、該ハンドルアセンブリは、該ハンドルアセンブリから遠位へ延在するシャフトを有している、ハンドルアセンブリと、
エンドエフェクターアセンブリと
を含み、
該エンドエフェクターアセンブリは、該シャフトの遠位端部に配置されており、該エンドエフェクターアセンブリは、
互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材および第2のジョー部材であって、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、該ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能であり、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、該ジョー部材を通って延在するピンを含む、第1のジョー部材および第2のジョー部材と、
ナイフバーと
を含み、
該ナイフバーは、該シャフト内に配置されており、該第1の位置と、該第2の位置と、該第3の位置とへの該移動可能なハンドルの移動の際に、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに該第1のジョー部材および該第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能であり、該ナイフバーは、該ナイフバー内に規定されたスロットを含み、該スロットは、該少なくとも1つのジョー部材の該ピンを受け取るように構成されており、それにより、該退縮された位置から該中間位置への該ナイフバーの並進の際に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、該接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持し、該中間位置から該延長された位置への該ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する、鉗子。
(項目14B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材の各々は、該ジョー部材の間に把持された組織にエネルギーを連結するために、電気外科手術エネルギー供給源に接続するように適合された対向の電気伝導性組織密閉表面を含む、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目15B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、該ジョー部材内に規定されたナイフチャンネルを含み、該少なくとも1つのナイフチャンネルが、該ナイフチャンネルを通る上記ナイフバーの往復運動を可能にするように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目16B)
上記ハンドルアセンブリは、該ハンドルアセンブリの位置に関するフィードバックを提供するために、少なくとも1つのフィードバック特徴を含む、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目17B)
鉗子であって、該鉗子は、
ハンドルアセンブリと、該ハンドルアセンブリは、第1の位置と、第2の位置と、第3の位置とに移動可能である移動可能なハンドルを含み、該ハンドルアセンブリは、該ハンドルアセンブリから遠位へ延在するシャフトを有している、ハンドルアセンブリと、
エンドエフェクターアセンブリと
を含み、
該エンドエフェクターアセンブリが、該シャフトの遠位端部に配置されており、該エンドエフェクターアセンブリは、
互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材および第2のジョー部材であって、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、該ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能であり、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、該ジョー部材を通って規定されたスロットを有する近位フランジを含む、第1のジョー部材および第2のジョー部材と、
ナイフバーと
を含み、
該ナイフバーは、該シャフト内に配置されており、該第1の位置と、該第2の位置と、該第3の位置とへの該移動可能なハンドルの移動の際に、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに該第1のジョー部材および該第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能であり、該ナイフバーは、該ナイフバー内に係合され、かつ該ナイフバーに対して横切って延在するピンを含み、該ピンは、該少なくとも1つのスロット内の係合のために構成されており、それにより、該退縮された位置から該中間位置への該ナイフバーの並進の際に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、該接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持し、該中間位置から該延長された位置への該ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する、鉗子。
(項目18B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材の各々は、該ジョー部材の間に把持された組織にエネルギーを連結するために、電気外科手術エネルギー供給源に接続するように適合された対向の電気伝導性組織密閉表面を含む、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目19B)
上記第1のジョー部材および上記第2のジョー部材のうちの少なくとも1つは、該ジョー部材内に規定されたナイフチャンネルを含み、該少なくとも1つのナイフチャンネルが、該ナイフチャンネルを通る上記ナイフバーの往復運動を可能にするように構成されている、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
(項目20B)
上記ハンドルアセンブリは、該ハンドルアセンブリの位置に関するフィードバックを提供するために、少なくとも1つのフィードバック特徴を含む、上記項目のいずれかに記載の鉗子。
【0016】
(摘要)
鉗子は、エンドエフェクターアセンブリを含み、エンドエフェクターアセンブリは、互いに対して対向する関係で配置されている第1のジョー部材および第2のジョー部材を有する。ジョー部材のうちの1つ(または両方)は、ジョー部材の間に組織を把持するために、間隔を空けられた位置から接近した位置に他方に対して移動可能である。ナイフは、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置と第1のジョー部材および第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能である。ナイフは、ピン−スロット係合を介してジョー部材のうちの1つまたは両方に結合されており、それにより、退縮された位置から中間位置へのナイフの並進の際に、第1のジョー部材および第2のジョー部材が、接近した位置へ移動され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に組織を把持し、中間位置から延長された位置へのナイフの並進の際に、ナイフが、ジョー部材の間に延在され、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間に把持された組織を切断する。
【0017】
主題の器具のさまざまな実施形態は、図面を参照して、本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従うエンドエフェクターアセンブリを有する鉗子の透視図である。
【図2】図2は、図1のエンドエフェクターアセンブリの拡大された透視図である。
【図3】図3は、図1のエンドエフェクターアセンブリと共に用いられるためのナイフアセンブリの透視図である。
【図4】図4は、図3のナイフアセンブリの遠位端部の拡大された透視図である。
【図5】図5は、分離された部分で示される図1のエンドエフェクターアセンブリの透視図である。
【図6A】図6Aは、図1のエンドエフェクターアセンブリの横断面図である。
【図6B】図6Bは、図1のエンドエフェクターアセンブリに類似するエンドエフェクターアセンブリの別の実施形態の横断面図である。
【図6C】図6Cは、図1のエンドエフェクターアセンブリに類似するエンドエフェクターアセンブリのさらに別の実施形態の横断面図である。
【図7】図7は、第1の位置にナイフアセンブリを有する図1のエンドエフェクターアセンブリの側断面図である。
【図8】図8は、第2の位置にナイフアセンブリを有する図1のエンドエフェクターアセンブリの側断面図である。
【図9】図9は、第3の位置にナイフアセンブリを有する図1のエンドエフェクターアセンブリの側断面図である。
【図10】図10は、図1の鉗子の側面図であり、ハウジングの一部分は、鉗子の内部の部品を示すように取り外されており、ハンドルが、第1の位置に配置されている。
【図11】図11は、図1の鉗子の側面図であり、ハウジングの一部分は、鉗子の内部の部品を示すように取り外されており、ハンドルが、第2の位置に配置されている。
【図12】図12は、図1の鉗子の側面図であり、ハウジングの一部分は、鉗子の内部の部品を示すように取り外されており、ハンドルが、第3の位置に配置されている。
【図13】図13は、本開示に従って提供され、かつ分離された部分で示されるエンドエフェクターアセンブリの別の実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
本開示された外科手術器具の実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。同様な参照数字は、類似または同一の構成要素を識別する。本明細書に用いられる場合、用語「遠位」は、ユーザーからより遠いと説明される部分を指し、その一方で、用語「近位」は、ユーザーにより近いと説明される部分を指す。
【0020】
ここで図1に向けると、鉗子10は、ハウジング20、ハンドルアセンブリ30、アクチュエーター70、回転するアセンブリ80、およびエンドエフェクターアセンブリ100を含むように示される。鉗子10は、シャフト12をさらに含み、シャフト12は、エンドエフェクターアセンブリ100を機械的に係合するように構成された遠位端部14と、ハウジング20を機械的に係合する近位端部16とを有する。鉗子10はまた、電気外科手術ケーブル310を含み、電気外科手術ケーブル310は、鉗子10を生成器(示されていない)または他の適切な電源に接続し、ただし、鉗子10は、代替的に、バッテリー電源の器具として構成され得る。ケーブル310は、エンドエフェクターアセンブリ100のジョー部材110および120のうちの少なくとも1つに電気エネルギーを提供するために、シャフト12を通して延在するように十分の長さを有する。回転するアセンブリ80は、シャフト12に対して長手方向軸「A−A」の周りにエンドエフェクターアセンブリ100を回転するために、長手方向軸「A−A」の周りのどちらの方向でも回転可能である。
【0021】
ここで図2に向けると、エンドエフェクターアセンブリ100が、シャフト12の遠位端部14に取り付けられるように示される。エンドエフェクターアセンブリ100は、1対の対向するジョー部材110と120を含む。エンドエフェクターアセンブリ100は、単方向性アセンブリとして設計されており、すなわち、ジョー部材120が、シャフト12に対して固定されており、かつジョー部材110が、間隔を空けられた位置と接近した位置との間に、ジョー部材120に対して移動可能であり、例えば、旋回可能である。しかしながら、ジョー部材110、120のどちらまたは両方は、間隔を空けられた位置と接近した位置との間にもう1つに対して移動可能であり得る。
【0022】
続いて図2を参照して、各ジョー部材110、120は、それぞれ、電気伝導性組織密閉表面112、122を含み、組織密閉表面112、122が、もう1つと対向するような寸法を有する。従って、ジョー部材110、120が、接近した位置に移動されると、組織が、密閉表面112と122との間に把持される。組織が密閉表面112と122との間に把持された状態で、電気エネルギーが、組織のシールをもたらすために、組織密閉表面112と122との間に、そしてその間に把持された組織を通って伝導されるように、電気エネルギーが、ジョー部材110、120のうちの1つまたは両方に供給され得る。アクチュエーター70(図1)は、ジョー部材110、120に電気エネルギーを供給するように選択的に作動可能であり得、または代替的に、例えば、組織を把持するための位置へのジョー部材110、120の移動の際に、電気エネルギーが、ジョー部材110、120に自動的に供給され得る。
【0023】
図5に最もよく示されるように、および前述のように、ジョー部材110、120が、ピボットピン103を介して互いに対して旋回可能に結合されている。より具体的には、ジョー部材110は、1対の近位フランジ113を含み、各フランジは、そこを通って規定された第1のアパーチャ114を有する。同様に、ジョー部材120は、1対の近位フランジ123を含み、各フランジは、そこを通って規定された第1のアパーチャ124を有する。ジョー部材120の近位フランジ123は、ジョー部材110の近位フランジ113よりさらに間隔を空けられており、その結果、組立の間に、ジョー部材110の近位フランジ113は、ジョー部材120の近位フランジ123の間に挿入され、ジョー部材110の近位フランジ113の第1のアパーチャ114と、ジョー部材120の近位フランジ123の第1のアパーチャ124とを整列させる。ピボットピン103は、ジョー部材110と120とのそれぞれの第1のアパーチャ114と124とを通って配置され、かつ第1のアパーチャ114と124との内に係合され、互いに対してジョー部材110、120をしっかりと係合し、かつジョー部材110、120が間隔を空けられた位置と接近した位置との間に互いに対して旋回することを可能にする。
【0024】
ここで図3〜4に関連して図5を参照して、ナイフアセンブリ140が、シャフト12内に配置される。図5に示されるように、ナイフアセンブリ140は、ナイフバー142と、ナイフバー142の遠位端部に配置されたナイフブレード144とを含む。図3に示されるように、ナイフバー142が、その遠位端部にナイフフォルダー146に係合される。以下に詳細に説明されるように、ナイフフォルダー146は、シャフト12を通ってハウジング20(図1)内に近位へ延在し、ユーザーが、ナイフフォルダー146、従ってナイフバー142の長手方向の並進を選択的に制御することを可能にするために、最終的に移動可能なハンドル40(図1)に結合する。
【0025】
続いて図3〜5を参照して、ナイフバー142は、ナイフフォルダー146から遠位へ延在し、かつナイフバー142が遠位へ並進されるときに、例えば、移動可能なハンドル40(図1)の作動の際に、ジョー部材110がピボットピン103の周りに旋回され、ジョー部材120に対して間隔を空けられた位置からジョー部材110と120との間に組織を把持するための位置へ移動されるように、ジョー部材110に結合されている。ナイフバー142のさらなる遠位並進の際に、例えば、移動可能なハンドル40(図1)のさらなる作動の際に、ナイフブレード144が、ジョー部材110と120との間に把持された組織を切断するために、シャフト12から、ジョー部材110、120を通って遠位へ前進される。従って、ナイフチャンネル115が、ジョー部材110と120とを通したナイフブレード144の往復運動を可能にするために、ジョー部材110、120のうちの1つまたは両方内に規定される。
【0026】
前述のように、ナイフブレード142が、ジョー部材110に結合されている。より具体的には、ジョー部材110の近位フランジ113の各々は、各フランジを通って規定され、かつ第1のアパーチャ114より下方にオフセットされた第2のアパーチャ116を含み、その一方で、ナイフバー142は、そこに規定された長手方向のスロット147を含む。組立の間に、ナイフバー142は、ジョー部材110の近位フランジ113の間に位置決めされ、ピン105は、ジョー部材110の1つの近位フランジ113の第2のアパーチャ116を通って、ナイフバー142のスロット147を通って、そしてジョー部材110のもう1つの近位フランジ113の第2のアパーチャ116を通って挿入される。ピン105は、ナイフバー142とジョー部材110とを互いに対してしっかりと結合させるために、ナイフバー142のいずれの側においても近位フランジ113の第2のアパーチャ116内に固定される。代替的には、図13を参照して以下に説明されるように、駆動ピン250が、ナイフバー242内で横切って、ジョー部材210と220とのそれぞれのフランジ213と227とに係合され得、フランジは、フランジを通るスロット216、226を規定する。
【0027】
前述のナイフバー142とジョー部材110とを結合させることの結果として、ジョー部材110の近位フランジ113の第2のアパーチャ116内のピン105の係合のために、ナイフバー142が、ジョー部材110に対して長手方向に並進されるときに、ピン105は、ナイフバー142のスロット147に沿って並進される。さらに、ピン105が、スロット147に沿って並進されるので、長手方向軸「A−A」に対するピン105の横位置が、ナイフバー142のスロット147の構成によって決定される。例えば、ピン105が、スロット147の上向きに傾斜した部分に沿って並進される場合に、スロット147は、上向きに、例えば、長手方向軸「A−A」に対する正の方向でピン105を押し得る。それによって、ピン105を上向きに押すことは、ピボットピン103に対するピン105のオフセット位置のために、ピボットピン103の周りに第1の方向で回転するように、ジョー部材110を押し得る。他方で、ピン105が、スロット147の下向きに傾斜した部分に沿って並進される場合に、ピン105は、下向きに、例えば、長手方向軸「A−A」に対する負の方向で押され得、それによって、ピボットピン103の周りに第1の方向の対向である第2の方向で回転するように、ジョー部材110を押す。より一般的に書くと、ナイフバー142が、ジョー部材110に対して並進される場合、ナイフバー142のスロット147の構成は、長手方向軸「A−A」に対してピン105の変位を制御する。ナイフバー142が、ジョー部材110に対して並進され、ピン105の変位、例えば、ピン105の上向きまたは下向きの移動は、次に、変位の方向に依存して、ピボットピン103の周りに、第1のまたは第2の方向、例えば、右回りまたは左回りの方向で回転するように、ジョー部材110を押す。
【0028】
従って、ナイフバー142がジョー部材110、120に対して並進されるときに、ナイフバー142のスロット147は、ジョー部材110を、ピボットピン103の周りに、ジョー部材120に対して間隔を空けられた位置から接近した位置へ、接近した位置から間隔を空けられた位置へ旋回させるように、または、ジョー部材110、120の相対的位置を維持するように具体的に構成される。さらに、スロット147は、ジョー部材110、120が、単一の方向におけるジョー部材110、120に対するナイフバー142の並進の際に、(把持された位置で)接近され、所定の位置に維持され、そして/または開放され得るように、さまざまな構成の区分を規定し得る。従って、スロット147の1つの特定の構成のみが以下に説明されるが、スロット147は、ジョー部材110、120に対するナイフバー142の並進の際に、ジョー部材110、120の位置を接近させること、開放すること、および維持することの任意の所望の組み合わせを達成するように構成され得る。
【0029】
ここで図6A〜6Cに向けると、接近した位置、または把持された位置に配置されるジョー部材110、120を有するエンドエフェクターアセンブリが示される。図6Aに示されるように、ジョー部材120は、「T」形のブレードチャンネル115bを含む。ジョー部材110のブレードチャンネル115aと共に、「T」形のブレードチャンネル115bは、チャンネルを通る、対応する「T」形のブレード(示されていない)の往復運動を可能にするように構成される。示されていないが、ジョー部材110は、同様に、「T」形のブレードチャンネルを含み得、それにより、ジョー部材110と120とのそれぞれのブレードチャンネル115aと115bとが、チャンネルを通る「I」形のブレード(示されていない)の往復運動を可能にするように協働する。代替的には、図6Bに示されるように、ジョー部材110および/またはジョー部材120は、チャンネルを通る対応する形のブレード(示されていない)の往復運動のための「L」形のブレードチャンネルを含み得、または図6Cに示されるように、1つのジョー部材のみ、例えば、ジョー部材120は、そこに規定されたブレードチャンネル115bを含み得る。より一般的に書くと、ジョー部材110と120とのそれぞれのブレードチャンネル115aと115bとは、ナイフブレード144が、ブレードチャンネルを通って並進することを可能にされるように、任意の適切な仕方で構成され得、ただし、ジョー部材110および/またはジョー部材120は、そこに規定されたブレードチャンネルを含む必要はない。
【0030】
ここで、図7〜9に向けると、エンドエフェクターアセンブリ100の動作の使用が説明される。最初に、図7に示されるように、ピン105がスロット147の遠位端部147aに配置されるように(図4を参照する)、ナイフバー142が、最近位位置に配置されている。図7に示されるように、この位置は、ジョー部材110、120の間隔を空けられた位置に対応する。さらに、この最近位位置において、ナイフブレード144が、ジョー部材110と120とのそれぞれのフランジ113と123との間に配置されており、ジョー部材110と120との間に延在していない。従って、ジョー部材110、120が間隔を空けられた位置にある場合に、ナイフブレード144が、露出されていない。実際には、以下により明白になるように、ジョー部材110、120が間隔を空けられた位置に配置されるときに、ナイフバー142内に規定されたスロット147の構成のために、ブレード144が、ジョー部材110と120との間に延在することを抑制される。使用において、ジョー部材110、120が、間隔を空けられた位置にある状態で、エンドエフェクターアセンブリ100は、密閉され、そして/または分離されるべきである組織が、ジョー部材110と120との間に位置決めされるように位置決めされる。さらに、スロット147は、ジョー部材110、120が開放し得る相対的距離を事前に決定するような大きさを有し得、例えば、スロット147は、鉗子10に対して開放のストップまたはリミッターとして動作し得る。
【0031】
次に、図8に示されるように、ナイフバー142は、最近位位置から中間位置へ遠位に並進される。より具体的には、ナイフバー142が遠位に並進されるときに、ピン105は、スロット147の斜めの部分148に沿って並進される。ピン105が、スロット147の斜めの部分148に沿って並進されるときに、ピン105が、下向きに押され、それによって、ジョー部材110を押し、ピボットピン103の周り、およびジョー部材120に対して、接近した位置、または把持された位置に回転させる。ナイフバー142および/ピン105は、中間位置にナイフバー142を解放可能に固定するために、ロッキング特徴(示されていない)、例えば、嵌合凹部/突起部、または適切なロッキング特徴を含み得る。さらに、ハンドルアセンブリ30(図1)は、最近位位置または中間位置にナイフバー142を解放可能に固定するための1つ以上のロッキング特徴(示されていない)を含み得る。
【0032】
続いて図8を参照して、理解され得るように、スロット147の斜めの部分148の長さおよび勾配は、長手方向軸「A−A」に対するピン105の横変位を決定し、それは、次に、ピボットピン103の周りのジョー部材110の回転の角度を決定する。従って、スロット147は、接近した位置、例えば、約0.001インチ〜0.006インチに移動されるときに、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122との間に所望のギャップ距離「g」を達成するように構成され得る。例えば、スロット147の斜めの部分148が、より緩やかな勾配を規定する場合に、またはスロット147の斜めの部分148が、比較的に短い長さを規定する場合に、ピン105は、スロット147の斜めの部分148に沿って並進する際に、長手方向軸「A−A」に対して比較的に短い距離のみをずらされる。従って、ジョー部材110が、ピボットピン103の周りに比較的に小さい角度を回転され、結果として、接近した位置において、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122との間に比較的に大きなギャップ距離「g」を生じる。他方で、スロット147の斜めの部分148が、より急激な勾配、またはより長い長さを規定する場合に、ピン105は、スロット147の斜めの部分148に沿って並進する際に、長手方向軸「A−A」に対して比較的に長い距離をずらされ、それにより、ジョー部材110が、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122との間に比較的に小さなギャップ距離を規定するように、接近した位置へ、ピボットピン103に対してより大きな角度を回転される。さらに、ナイフバー142のスロット147の斜めの部分148は、いくつかの漸進的な中間位置を含み得、例えば、斜めの部分148は、連続的に傾斜した構成ではなく、異なるギャップ距離「g」に対応する階段状の構成を規定し得、それにより、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122との間のギャップ距離が、接近した位置へのジョー部材110、120の移動の際に、例えば、把持され、かつ密閉されるべきである組織の直径および/または組成に依存して変えられ得る。
【0033】
図8に示されるように、中間位置において、ナイフバー142は、最近位位置から遠位へ並進されている。しかしながら、ナイフブレード144は、ジョー部材110と120とのそれぞれのフランジ113と123との間に配置されたままの状態であり、ジョー部材110と120との間に延在していない。従って、組織に対してブレード144を露出させることなしに、間隔を空けられた位置からジョー部材110と120との間に組織を把持するための接近した位置へジョー部材110、120を移動させるように、ナイフバー142が、最近位位置から中間位置へ並進され得る。言い換えると、例えば、ジョー部材110、120の接近を介して、組織を把持することは、例えば、ジョー部材110と120との間のナイフブレード144の前進を介して、組織を切断することに対して独立である。
【0034】
使用中、組織が、ジョー部材110と120との間に、より具体的には、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122との間に把持された状態で、組織のシールをもたらすために、電気外科手術エネルギーが、密閉表面112、122に供給され、密閉表面112と122との間に把持された組織を通って伝導され得る。
【0035】
ここで、図9に向けると、一旦組織が密閉されると、または単に組織を把持し、分離することが望まれる場合に、ナイフバー142は、中間位置から延長された位置へ前進される。前述のように、ナイフバー142が、中間位置から延長された位置へ並進する際に、ピボットピン103の下を通過し得るように、ピボットピン103は、ピン105より上にオフセットされている。図9に示されるように、延長された位置において、ナイフブレード144が、ジョー部材110と120との間に把持された組織を解剖するように、ナイフバー142が、ジョー部材110と120との間に前進される。より具体的には、ナイフバー142は、それぞれ、ジョー部材110と120との中に規定されたナイフチャンネル115aおよび/またはナイフチャンネル115bを通って並進される。ナイフバー142が、延長された位置に並進されるときに、ピン105が、スロット147に沿って、スロット147の近位端部147bに並進される。ナイフバー142のスロット147は、長手方向軸「A−A」上の中心に置かれ、かつ斜めの部分148から近位へ延在する長手方向部分149を規定し、それにより、ナイフバー142が、中間位置から延長された位置へ遠位に並進されるときに、ピン105が、長手方向軸「A−A」上に維持され、従ってジョー部材110、120が、接近した位置に維持される。
【0036】
一旦組織が把持され、密閉され、そして/または分離されると、前述のように、密閉され、かつ分離された組織を解放するために、ナイフバー142は、ジョー部材110、120を、間隔を空けられた位置に戻すように、延長された位置から、中間位置を通って近位へ並進され、最近位位置に戻され得る。その後に、エンドエフェクターアセンブリ100が、外科手術部位から取り外され得る。
【0037】
ここで、図1に関連して図10〜12を参照して、最近位位置と、中間位置と、延長された位置とにナイフバー142を選択的に並進させるように構成されたハンドルアセンブリ30が説明される。ハンドルアセンブリ30は、固定のハンドル50と、移動可能なハンドル40とを含む。固定のハンドル50が、ハウジング20と一体的に結合され、移動可能なハンドル40は、固定のハンドル50に対して移動可能である。移動可能なハンドル40は、ハウジング20内に、ナイフフォルダー146の両側に延在する1対のフランジ42を含む。フランジ42および従って移動可能なハンドル40が、ピボットピン34を介してハウジング20に旋回可能に結合される。図12〜14に最もよく示されるように、フランジ42は、ナイフフォルダー146に固定的に係合されるナイフスリーブ36に接する。さらに、ばね38、または他の付勢する部材は、ナイフアセンブリ140を最近位位置に向かって付勢し、それによって移動可能なハンドル40を最初の位置「P」に向かって付勢するために、ハウジング20内にナイフフォルダー146の周りに配置され得る。
【0038】
続いて図1および10〜12を参照して、移動可能なハンドル40は、固定のハンドル50に対して、最初の位置「P」(図1および10)と、第1の作動された位置「P」(図11)と、第2の作動された位置「P」(図12)とに移動可能である。移動可能なハンドル40のフランジ42とナイフスリーブ36との間の接した関係のために、最初の位置「P」と、第1の作動された位置「P」と、第2の作動された位置「P」とにハンドル40を移動させることは、それぞれ、最近位位置(図7)と、中間位置(図8)と、延長された位置(図9)とにナイフフォルダー146および従ってナイフブレード142を並進させる。以下に説明されるように、ハンドルアセンブリ30は、固定のハンドル50に対する移動可能なハンドル40の位置に関する可聴、触覚、可視、または他のフィードバックをユーザーに提供するために、1つ以上のフィードバック特徴、例えば、移動可能なハンドル40のラッチ部材44を含み得る。さらに、ハンドルアセンブリ40は、第1の作動された位置「P」および/または第2の作動された位置「P」に移動可能なハンドル40を解放可能に保持するためのロッキング機構(示されていない)を含み得る。
【0039】
図1に示されるように、最初の位置「P」において、ジョー部材110、120が、間隔を空けられた位置に配置される。移動可能なハンドル40が、最初の位置から第1の作動された位置「P」へ移動されるときに、ジョー部材110、120が、ジョー部材110と120との間に組織を把持するために、接近した位置に移動されるように(図8を参照する)、ナイフバー142が遠位に前進される。移動可能なハンドル40のさらなる作動の際に、例えば、第1の作動された位置「P」から第2の作動された位置「P」への移動可能なハンドル40の移動の際に、ナイフバー142は、ジョー部材110と120との間に把持された組織を切断するために、ジョー部材110と120との間に延在するようにさらに遠位へ前進される。
【0040】
より具体的には、図10に示されるように、移動可能なハンドル40が、最初の位置「P」に配置されるときに、ナイフアセンブリ140が、最近位位置に配置され、従って、ジョー部材110、120が、間隔を空けられた位置に配置される(図7を参照する)。移動可能なハンドル40、ナイフアセンブリ140およびジョー部材110、120は、ばね38の付勢の下でそれらのそれぞれの位置に維持される。さらに、移動可能なハンドル40が最初の位置「P」に配置された状態で、移動可能なハンドルにしっかりと係合されているラッチ部材44は、固定のハンドル50内に最小限に延在する。
【0041】
図11に示されるように、移動可能なハンドル40が、ばね38の付勢に反して、最初の位置「P」から第1の作動された位置「P」へ移動されるときに、ナイフアセンブリ140が、中間位置へ遠位に前進され(図8を参照する)、ジョー部材110、120が、ジョー部材110と120との間に組織を把持するために、接近した位置に移動され(図8を参照する)、そしてラッチ部材44の突起部46が、固定のハンドル50内に規定された第1の凹部47を係合するように、ラッチ部材44が、さらに遠く、固定のハンドル50内に前進される。突起部46と第1の凹部47との係合は、移動可能なハンドル40が第1の作動された位置「P」に配置されており、従ってジョー部材110、120が接近した位置に配置されていることをユーザーに警報する可聴の「クリック」を提供し得る。ロッキング機構(示されていない)はまた、第1の作動された位置「P」にハンドルを固定するように提供され得る。ジョー部材110、120が、接近した位置(図1)に配置され、ジョー部材110と120との間に組織を把持した状態で、アクチュエーター70は、組織のシールをもたらすために、ジョー部材110と120とのそれぞれの密閉表面112と122に電気外科手術エネルギーを供給するように押され得る。
【0042】
一旦組織が十分に密閉されると、または組織を切断することのみが望まれる場合に、移動可能なハンドル40は、ばね38の付勢に反して、第1の作動された位置「P」から第2の作動された位置「P」へさらに遠く移動され得る。前述のように、第2の作動された位置「P」に移動可能なハンドル40を移動させることは、ジョー部材110と120との間に配置された組織を切断するために、例えば、ブレードチャンネル115a、115b(図6A)を通って、ジョー部材110と120との間にナイフブレード144を前進させる。移動可能なハンドル40が、第1の作動された位置「P」から第2の作動された位置「P」へ移動されるときに、ラッチ部材44の突起部46が、固定のハンドル50内に規定された第2の凹部49を係合するように、ラッチ部材44は、さらに遠く、固定のハンドル50内に前進される。突起部46と第2の凹部49との係合は、移動可能なハンドル40が第2の作動された位置「P」に配置されており、従ってナイフブレード144が、ジョー部材110と120とのそれぞれのブレードチャンネル115aと115bを通って延在されていることをユーザーに警報する可聴の「クリック」を提供し得る。その後に、移動可能なハンドル40が解放され、またはそうでなければ、最初の位置「P」に戻され得、ナイフアセンブリ140が最近位位置に戻ることを可能にし、従って、ジョー部材110、120が間隔を空けられた位置に戻ることを可能にする。
【0043】
ハンドルアセンブリ30は、2段階の機構として構成され得、例えば、移動可能なハンドル40は、最初に、最初の位置「P」から第1の作動された位置「P」へ移動し、次に、追加の力の印加の際に、第1の作動された位置「P」から第2の作動された位置「P」へ移動するように構成され得、または代替的に連続の単一ストローク機構として構成され得、例えば、移動可能なハンドル40は、最初の位置「P」から、組織を把持し、または密閉するための第1の作動された位置「P」を通って、組織を切断するための第2の作動された位置「P」へ移動される。ハンドルアセンブリ30が、間隔を空けられた位置と接近した位置との間にジョー部材110、120を移動させ、ジョー部材110と120との間にナイフブレード144を前進させるように構成される限り、ハンドルアセンブリ30の他の構成も考えられる。
【0044】
上記説明から理解され得るように、ハンドルアセンブリ30とナイフアセンブリ140は、最小限の部品を用いて、間隔を空けられた位置と接近した位置との間にジョー部材110、120を移動させ、ジョー部材110と120との間にナイフブレード144を前進させるようにエンドエフェクターアセンブリ100と協働する。しかしながら、同じ機構が、組織を把持する(密閉する)ために、間隔を空けられた位置と接近した位置との間にジョー部材110、120を移動させ、組織を切断するために、ジョー部材110と120との間にナイフブレード144を前進させるように使用されるが、把持する/密閉する機能および切断する機能が、互いに対して独立の状態のままである。言い換えると、エンドエフェクターアセンブリ100は、組織を把持し、かつ密閉するために、組織を把持し、かつ切断するために、または組織を把持し、密閉し、そして切断するために使用され得る。
【0045】
ここで図13を参照して、本開示に従って提供された鉗子10(図1)と共に用いられるために構成されたエンドエフェクターアセンブリの別の実施形態が、示され、概して参照数字200によって識別される。エンドエフェクターアセンブリ100(図1〜12)に類似して、エンドエフェクターアセンブリ200は、一対の対向するジョー部材210と220を含み、ジョー部材210、220の各々は、その対向の表面上に配置された電気伝導性組織密閉表面212、222を有し得る。ジョー部材210、220は、ジョー部材210と220との間に組織を把持し、かつ密閉するために、間隔を空けられた位置から接近した位置まで、互いに対して移動可能である。エンドエフェクターアセンブリ200は、両方向性アセンブリとして設計され、すなわち、ジョー部材210、220の両方が、互いに対して移動可能であり、ただし、エンドエフェクターアセンブリ200は、代替的に単方向性アセンブリのように構成され得、すなわち、ジョー部材210、220のうちの1つが所定の位置に固定される。
【0046】
続いて図13を参照して、ジョー部材210、220は、ピボットピン203を介して互いに対して旋回可能に結合される。より具体的には、各ジョー部材は、近位フランジ213、223を含み、近位フランジの各々は、そこを通るアパーチャ214、224を規定し、アパーチャは、そこを通ってピボットピン203を受け取るように構成されている。ジョー部材210と220とのそれぞれのフランジ213と223とは、各々、フランジ213と223とを通るスロット216と226をさらに含む。各スロット216、226は、それぞれ、角度のある部分217、227と、エンドエフェクターアセンブリ200の長手方向軸に対してそれぞれのアパーチャ213、223と実質的に整列される長手方向部分218、228とを含む。
【0047】
ナイフアセンブリ140(図5)に類似して、ナイフアセンブリ240は、シャフト12(図1)内に位置決めするように構成され、ナイフバー242と、ナイフバー242の遠位端部に配置されたナイフブレード244とを含む。ナイフバー242は、ナイフバー242に対して横切る関係で、そこを通って配置された駆動ピン250を含む。駆動ピン250は、ジョー部材210と220とのそれぞれのスロット216と226との各々内に係合され、その結果、ナイフバー242が遠位へ並進されるときに、例えば、移動可能なハンドル40(図1)の作動の際に、ジョー部材210、220はピボットピン203の周りに、および間隔を空けられた位置から、ジョー部材210と220との間に組織を把持するための接近した位置まで互いに対して旋回される。より具体的には、ジョー部材210、220が互いに接近させられるように、駆動ピン250は、スロット216と226とのそれぞれの角度のある部分217と227を通って並進される。
【0048】
ナイフバー242のさらなる遠位並進の際に、例えば、移動可能なハンドル40(図1)のさらなる作動の際に、ナイフブレード244は、ジョー部材210と220との間に把持された組織を切断するために、ジョー部材210および/またはジョー部材220のナイフチャンネル215を通って遠位へ前進される。より具体的には、駆動ピン250は、ジョー部材210と220とのそれぞれに対して長手方向にナイフブレード244を並進させるために、スロット216と226との長手方向部分218と228とのそれぞれを通って並進される。理解され得るように、移動可能なハンドル40(図1)の解放、または戻りの際に、ナイフバー242の近位並進は、ナイフブレード244を近位へ戻し、かつ単方向に、間隔を空けられた位置にジョー部材210、220を戻す。
【0049】
図1〜12を参照する前述のエンドエフェクターアセンブリ100の使用、動作、および追加の特徴は、同様にエンドエフェクターアセンブリ200に適用され、従って、簡潔の目的のために、ここで繰り返されない。
【0050】
上記内容から、およびさまざまな図面を参照して、当業者は、一定の変更が、本開示の範囲から逸脱することなしに本開示にも加えられ得ることを理解する。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示が、当技術分野が許容する範囲と同程度に広く、明細書が同様に読まれることが意図されるので、本開示が実施形態に限定されないことが意図される。それゆえに、上記説明は、限定するものとしてではなく、むしろ特定の実施形態の代表的な例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内の他の変更を想定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉗子であって、該鉗子は、
エンドエフェクターアセンブリを含み、該エンドエフェクターアセンブリは、
互いに対して対向する関係で配置された第1のジョー部材および第2のジョー部材であって、該ジョー部材のうちの少なくとも1つは、間隔を空けられた位置から、該ジョー部材の間に組織を把持するための接近した位置に他方に対して移動可能である、第1のジョー部材および第2のジョー部材と、
ナイフバーと
を含み、
該ナイフバーは、退縮された位置と、中間位置と、延長された位置とに該第1のジョー部材および該第2のジョー部材に対して長手方向に並進可能であり、該ナイフバーは、ピン−スロット係合を介して該第1のジョー部材および該第2のジョー部材のうちの少なくとも1つに結合されており、それにより、該退縮された位置から該中間位置への該ナイフバーの並進の際に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、該接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持し、該中間位置から該延長された位置への該ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、該ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に把持された該組織を切断する、鉗子。
【請求項2】
前記ナイフバーは、該ナイフバーに規定されたスロットを含み、前記第1のジョー部材および前記第2のジョー部材のうちの1つは、該スロット内に係合されるピンを含み、該スロットは、該ナイフバーが前記退縮された位置から該中間位置へ並進される場合に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、前記間隔を空けられた位置から前記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、請求項1に記載の鉗子。
【請求項3】
前記スロットは、前記中間位置から前記延長された位置への前記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、前記ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、請求項2に記載の鉗子。
【請求項4】
前記ナイフバーは、該ナイフバーに対して横切る関係で該ナイフバーに係合されたピンを含み、前記第1のジョー部材および前記第2のジョー部材の各々は、各々を通って規定されたスロットを含み、該スロットは、該ナイフバーが前記退縮された位置から該中間位置へ並進される場合に、該第1のジョー部材および該第2のジョー部材が、前記間隔を空けられた位置から前記接近した位置へ移動され、該第1のジョー部材と該第2のジョー部材との間に組織を把持するように構成されている、請求項1に記載の鉗子。
【請求項5】
前記スロットは、前記中間位置から前記延長された位置への前記ナイフバーの並進の際に、該ナイフバーが、前記ジョー部材の間に少なくとも部分的に延在され、該ジョー部材の間に把持された組織を切断するようにさらに構成されている、請求項4に記載の鉗子。
【請求項6】
前記エンドエフェクターアセンブリに結合されているハンドルアセンブリをさらに含み、該ハンドルアセンブリは、前記退縮された位置と、前記中間位置と、前記延長された位置とに前記ナイフバーを並進させるために、最初の位置と、第1の作動された位置と、第2の作動された位置とのそれぞれに選択的に移動可能である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉗子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−232140(P2012−232140A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−105414(P2012−105414)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】