説明

外科的な流体管理システム

【解決手段】外科的流体管理部は、配管(26)に解除可能に係合可能なポンプ(70)とユーザインターフェイス(60)とを含む。ユーザインターフェイス(60)は、指でタッチすることで配管(26)を通る流体の流速の選択を可能にするように構成され、第1モード又は第2モードの少なくとも一方で動作するように構成される。第1モードでは、複数の選択可能なデジタル数値のひとつを直接に選択することで流速は制御され、一方で、第2のモードでは、英数字の識別名の表中でひとつの英数字の識別名をユーザが選択することで、流速は制御される。各々の英数字の識別名は、機器の大きさの表中でひとつの機器の大きさだけに直接に対応している。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、流体管理システムに関する。とりわけ、外科器具のような医療工具のための流体管理システムに関する。ある種の外科的工具は、流体の供給を使用して、患者の治療部位を洗浄し、及び/又は、外科的工具を冷却する。これらのタイプの外科的工具の非限定的ないくつかの例は、ミクロ創面清拭具(micro-debriders)、耳科用ドリル(otologic drills)、吸引洗浄器具を含む。流体の外科的工具へのしっかりとした配送を提供する1つの共通した方法は、ペリスタポンプ(a peristaltic pump)のような陽圧の容積型配置ポンプ(a positive displacement pump)を介して、バッグのような流体源から医療用配管を通じて流体をポンプする工程を含む。ペリスタポンプは、流体が医療用配管を通って流れ、ポンプの要素に接触しないから、流体の滅菌状態とポンプの清浄さとを維持する能力等多くの理由のために望ましい。使用時に、配管は、ペリスタポンプ内に配置され、それのローラが配管と周期的に係合して所望のポンプ動作を提供することを可能にする。
【0002】
洗浄経路を通過する流速を制御する更に別の従来型の方法は、自重送りする配置(a gravity-feed arrangement)、及び、遍在する指で操作するローラピンチ弁の使用を含む。配管上を挟む動作の程度を変化させることで、このローラ弁は、流体の流速を効率的に制御する。実行は単純だが、この方法は、流速の一貫性の欠如と予測可能性の欠如とを欠点として持つ。とりわけ、外科医は、単一の外科手術中に異なる器具から所望の流速を達成するために、ローラ弁を介して流速を調整する間に(或いは、看護師/技術者に調整を指図する間に)、外科手術中の多くの貴重な時間を無駄にする恐れがある。更に、ある外科手術と別の手術とで、外科医(或いは補助の看護師/技術者)は、ローラ弁のどの位置が所望の流速を達成するかを首尾よく予想することはできない。時間消費型の性質を有するこの調整方法に加えて、流速制御のこの変化可能性は、一般に他の多数の器具と患者の生理的なパラメータを監視している外科医や看護師/技術者にとっては、気を散らすものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来の流体配送システムは、外科手術毎に、或いは、単一の外科手術中の器具毎に、流速を一貫して予測可能に制御することを提供できないので、外科処置を妨げる恐れがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明の原理に従った、外科器具の流体配送システムの斜視図である。
【図2】本発明の原理に従った、流体管理部のブロック図を含む概観図である。
【図3A】本発明の原理に従った、予め設定された流速と、連続して更に小さい器具の大きさの進行との関係を率に応じて概略的に図解するグラフである。
【図3B】本発明の原理に従った、予め設定された流速と、連続して更に大きい器具の大きさの進行との関係を率に応じて概略的に図解するグラフである。
【図4】本発明の原理に従った、切除洗浄器具の側面図である。
【図5】本発明の原理に従った、吸引洗浄器具の側面図である。
【図6】本発明の原理に従った、医療処置中の洗浄液を管理する方法を概略的に図解する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の実施形態は、外科器具のような医療工具への配管を通じた流体流れの制御を指向する。一般的な意味において、本発明の実施形態は、医療配管を介して流体を受容する任意の医療工具への、制御された流体の配送を提供するために使用可能である。従って、本発明の実施形態は、医療工具を伴った使用だけに制限されず、非常に多様な医療工具で採用可能である。
【0006】
他の特徴と構成の中で、本発明のいくつかの実施形態は、第1の外科器具と流体管理部の両方を、滅菌された場の中やそれに隣接した場に配置する工程を含む外科手術を実行する方法を提供する。いくつかの実施形態では、流体管理部は、滅菌された場の外部のコンソールと、滅菌された場の中の(コンソールと電気通信状態にある)遠隔制御部と、を含む。流体管理部の流体流れの制御の特徴を実行し調整するために、いくつかの実施形態では、コンソールと遠隔制御部の一方又は両方は、電気式タッチパッドを有し、一方、他の実施形態では、コンソールと遠隔制御部の一方又は両方は、ボタンアレイ、ホイール、他の電気機械式の道具を有する。
【0007】
流速は、流体管理部を介して、独立変数として選択される。外科処置は、第1の外科器具を使用して実行され、その流速で洗浄流体を(滅菌された場の外部に配置されたポンプから)第1の外科器具の洗浄導管を通って配管の中へ方向付ける工程を含む。洗浄導管は、流体を治療部位へ方向付け、及び/又は、第1の外科器具の切除道具を冷却するように配置される。いくつかの例では、治療部位はなんら処置が実行されない診断部位であり、一方、他の例では、処置又は外科手術はその治療部位で実行されることが理解される。
【0008】
上述したように、いくつかの実施形態では、流体管理部の遠隔制御部は、処置中、滅菌された場の中に配置される。この特徴は、看護師や他の技術者の支援を必ずしも要求することなく、外科医が治療部位での洗浄流体の流速に対する直接的な制御を保持することを可能にする。
【0009】
いくつかの実施形態では、流速は、デジタル数値を介して流体管理部にて選択され表示される。しかし、他の実施形態では、流速は、コンソールに表示され予め設定された流速に対応する英数字の識別名を介して選択される。更に他の実施形態では、流速は、(予め設定された流速に対応する)1又は2以上のアイコンを介して選択され、英数字の識別名を介してコンソールで示される。
【0010】
ある特徴では、英数字の識別名は、流体管理部に除去可能に接続された外科器具の大きさを表す。従って、外科医は、(コンソールや遠隔制御部を介して)流体管理部で外科器具の大きさに対応する英数字の識別名を選択するだけで、特殊な大きさの器具に適切な流速を達成することができる。この方法では、外科医は、外科器具の特殊な大きさに対応する別々の流速の各々を記憶する必要はないし、外科医は、従来型の指で操作するピンチ弁を操作するために、看護師の熟練の技に頼る必要もない。
【0011】
更に、流体管理部は、予め設定された流速の範囲と、連続して更に大きな外科器具や連続して更に小さな外科器具の範囲との間の大まかな関係を表現するデータを蓄える。他の特徴では、その範囲内の各々の流速は、離散した間隔で分離される。
【0012】
従って、吸引洗浄道具を含む処置の間に、外科医が第1の大きさの道具を第2の異なる大きさの道具で置き換えるために選択するとき、外科医は、流体管理部を至便に使って第2の道具の大きさに対応する英数字の識別子を選択し、その処置に適切な流速を選択する。代替的には、切除洗浄道具を含む処置の間に、外科医が道具を選択したり道具を置き換えるとき、外科医は、流体管理部を至便に使ってデジタル数値に従って流速を正確に設定する。いずれの場合にも、選択は、滅菌された場の外部の(流体管理部の)コンソールを介してなされ、或いは、滅菌された場の中に配置可能な(流体管理部の)遠隔制御部を介してなされることが可能である。(外科医が自分自身で直接に選択することを可能にする。)第1の道具に対するここでの参照は、処置の中で最初に使用される道具に必ずしも対応しないが、第1の道具と第2の道具という語は処置の間のいくつかのポイントで使用される2つの道具の相対的な順序を参照しているに過ぎないことはまた理解される。
【0013】
この方法で、本発明の実施形態は、外科医が、外科処置中に一貫した予測可能な流体流速を達成し維持することを可能にする。これらの実施形態と他の実施形態とは、図1乃至図6に関連して更に充分に記述される。
【0014】
外科的システム10は、本発明の原理に関連して図1に示されており、治療部位の洗浄や、外科器具の切除道具の冷却のための機構を含む。他の特徴部の中で、システム10は、流体源(例えば容器20,22)、配管セット26、負荷カセット30、コンソール50、ポンプ組立体70、切除洗浄道具90と吸引洗浄道具40のような外科器具を含む(図1に概略的に表される)。容器20,22に蓄えられる流体は、配管部分21,23を介して供給され、コンソール50によって制御されるように、ポンプ組立体70のひとつを介して配管セット26を通って外科器具40,90へ汲み出される。各配管部分21,23は、容器20,22の外部の流体の自重送りによる移送の開始か停止かのために採用されたローラピンチ弁24を含む。ひとつの特徴では、各配管部分21,23は、配管セット26の近位部分28に除去可能に流体的に接続され、一方、配管セット26の遠位部分29は、切除洗浄道具90の流体ポート81や(アダプタ35を介して)吸引洗浄道具40の流体ポートへ延伸して流体的に接続する。本発明の実施形態は、記述された特別に設定された器具に限定されず、外科器具の更に広範囲に広がることは理解される。
【0015】
一般的な用語において、この配置で、洗浄通路は、容器20,22から、配管部分21,23を通って、配管セット26の近位部分28と遠位部分29とを通って、各々の道具40,90のひとつの洗浄導管の中に設置される。
【0016】
他の特徴では、ポンプ組立体70は、コンソール50のフレーム52上に取り付けられ、いくつかの実施形態では、コンソール50に対して解除可能に固定されて、ポンプ組立体70の1又は2以上の至便な置き換えを可能にする。ある実施形態では、各ポンプ組立体70は、英国コーンウエル州のワトソン−マーロー ブレデル ポンプ社(Watson-Marlow Bredel Pumps Limited)から入手可能なペリスタポンプ(蠕動ポンプ)313,314シリーズと実質的に同じか類似の特徴部を有する陽圧の容積型配置ポンプ(positive displacement pump)を有する。他の実施形態では、ポンプは、加圧式のキャニスタポンプ(pressurized canister pump)やダイアフラムポンプ、制御された流体流れに好適な他のポンプを有する。
【0017】
ある実施形態では、各配管セット26は、負荷カセット30を含み、配管セット26の近位部分28の至便で適切な負荷を促進するように適合し、ポンプ組立体70のひとつのペリスタポンプ機構に対して解除可能に係合させる。いったん配管セット26の近位部分28がカセット30を介して取り付けられると、ポンプ組立体76のペリスタ機構のローラは、配管の外部に解除可能に係合して、配管を通して流体を押しつぶしてポンプする。他の特徴部の中には、カセット30を介した適切な負荷は、配管の長寿命化を保障し、配管を通る予測可能で一貫した流体流れを可能にする。カセット30と配管セット26とポンプ組立体70とコンソール50のこの配置及び相互作用は、更に、出願人による係属中の、2008年2月22日出願の「ポンプ装置への配管の負荷の方法とシステム」という米国出願番号12/036,148号、代理人書類番号M190.251.101に開示されており、ここで参照することで本願に組み込まれる。しかし、配管セット26の近位部分28は、カセット30以外の負荷道具のための技術を使って、ポンプ組立体70のひとつの上に負荷できること理解される。
【0018】
いくつかの実施形態では、配管セット26は、配管セット26の遠位部分29に(即ち負荷カセット30の遠位に)配置された緩衝機構部32を更に有し、緩衝機構部32は、ポンプ組立体70のペリスタポンプ動作の遠位に配置される。ある特徴において、緩衝機構部32は、ペリスタポンプ動作から生じる流体流れにおける脈動(パルス化)を最小化するように作用する。洗浄経路を通じて動くとき、この配置は、流体流れの速度に実質的に影響を与えることなく、流体の流れを滑らかにする。それにもかかわらず、他の実施形態では、配管セット26は、緩衝機構部32を省略し、そこでは、流体流れの脈動に関心が払われない。
【0019】
他の特徴では、緩衝機構部32を配管セット26の一部として提供することで、緩衝機構部32は、ポンプ組立体70から分離し独立している。この配置は、替わって、配管セットを選択するとき、緩衝機構部32の円滑な動作を用いたか否かを操作者が決定することを可能にする。更に、緩衝機構部32を配管セット26の一部として提供することで、ポンプ組立体70、及び/又は、コンソール50は、更に複雑な従来型の緩衝装置、即ち、緩衝機構部によって妨げられない。
【0020】
更に図1に示されるように、配管セット26の遠位端33は、切除洗浄道具90のような外科器具に流体接続するハンドピース80の流体ポート81に(方向矢印Bで示されるように)除去可能に接続可能である。代替的には、配管セット26の遠位端33は、アダプタ35を介して、吸引洗浄道具40のような他の外科器具の流体ポートに(方向矢印Cに示されるように)除去可能に接続可能である。他の実施形態では、配管セット26は、アダプタを使用することなく、外科器具に接続される。
【0021】
外科処置中、操作者は、一般に、一方の手で切除洗浄道具90を使用し、他方の手で吸引道具を操作する。代替的には、処置中、操作者は、一方の手でドリルを使用し、他方の手で吸引洗浄道具40を使用する。いずれのケースでも、配管セット26の遠位端33を道具40,90へ接続することは、洗浄経路を提供し、治療部位の洗浄のための流体を配送し、及び/又は、切除道具を冷却する。
【0022】
更に図1に示されるように、切除洗浄道具90は、コンソール50のポートステーション54に除去可能に接続可能なハンドピース80によって支持される。ポートステーション54を介して、コンソール50は、ハンドピース80に動力と制御信号とを供給し、切除洗浄道具90のブレード即ちバーを操作し、同様に、ポンプ組立体70を制御する制御信号を提供して、洗浄経路を通る流体の流速を制御する。
【0023】
最後に、コンソール50は、制御信号をポンプ組立体70へ方向付けて流体の流速に対する制御を提供するように構成され、各外科器具40,90にて切除動作や吸引動作を制御するように構成されたユーザインターフェイス60を含む。ひとつの特徴では、ユーザインターフェイス60は、グラフィックユーザインターフェイスであり、図2に関連して更に記述されるように、指でタッチして特定の機能や特徴を同時に表示したり、及び/又は、それらを起動化することを提供する電気式タッチパッドの容量を含む。
【0024】
更に図1に示されるように、いくつかの実施形態では、システム10は、更に、(ライン78を介して)コンソール50のポートステーション54に除去可能に接続された遠隔制御部75を含む。他の実施形態では、遠隔制御部75は、RFや赤外線通信プロトコルを使用して、コンソール50とワイヤレスで通信する。図2に関連して後に更に記述されるように、コンソール50と協働して、遠隔制御部75は、配管セット26を通って吸引洗浄道具40や切除洗浄道具90への流体流れを制御するように構成される。ある実施形態では、遠隔制御部75は、指でタッチして特定の機能や特徴の起動化を可能にするように構成された電気式制御タッチパッドを含み、それは、特定の機能や特徴と関連付けたグラフィックディスプレイを含むことも含まないこともある。
【0025】
いくつかの実施形態では、アダプタキットは、配管セット26の遠位端33を吸引洗浄道具40へ迅速に接続するか連携するように提供される。ある実施形態では、アダプタ35は、配管セット26から吸引洗浄道具40への連携を提供する。他の特徴では、システム10は、負圧源95を含み、吸引洗浄道具40に除去可能に接続可能で、治療部位にて吸引又は真空を提供するように構成される。吸引を採用するために非常に多様な道具が使用可能であるから、システム10は、外科処置中に吸引機能を提供するために、吸引洗浄道具40の使用に厳格に限定されない。
【0026】
システム10の上述した一般的な構成に留意すれば、流体管理部100は、図2に示される。流体管理部100の特徴部及び要素は、多くの異なる形式及びグループに配置可能であることは理解される。しかし、図解された実施形態では、流体管理部100は、少なくともコンソール150と、(ワイヤやワイヤレスで)コンソール150と通信する遠隔制御部175を含む。ある特徴では、ワイヤレス通信は、RF、赤外線通信プロトコル、或いは、他の知られた狭範囲のワイヤレス通信プロトコルを介して実行される。
【0027】
ある実施形態では、流体管理部100は、図1のコンソール50及び遠隔制御部75と実質的に同じ特徴部と属性とを有し、更に、図2に関連して記述され図解される追加の特徴部及び属性を有する。ある実施形態では、コンソール150の特徴部及び要素は、図2に表された機能及び特徴部を同時に表示し、及び/又は、起動化を提供するコンソール150のような、電気式制御タッチパッド特徴部を提供するグラフィックユーザインターフェイス60(図1)を介して提供される。他の実施形態では、コンソール150は、1又は2以上の指回し式円形板(thumbwheel)、ボタン、流体管理部100の機能を実行する他の電気機械式の制御機構部を含む。
【0028】
ある実施形態では、図2に示されるように、コンソール150は、吸引洗浄モジュール160、切除洗浄モジュール162、メモリ163、コントローラ165、ポンプ選択部166、モード選択部168、予備の制御モジュール170、及び/又は、第2の流体制御モジュール350を含む。
【0029】
ある実施形態では、コントローラ165は、システム10の流体管理部100の操作を方向付ける制御信号を生成するように構成された、1又は2以上の処理ユニット及び関連するメモリを有し、システム10は、少なくともコンソール150及びポンプ組立体70の制御を含む。特に、(図2のコンソール150によってグラフィック的に表されるように)ユーザインターフェイス60を介して受領されるコマンド、及び/又は、コントローラ165に関連したメモリ163の中に含まれる指示に応じて、又は、コマンド及び/又は指示に基づいて、コントローラ165は、ポンプ組立体70の操作を方向付ける制御信号を生成し、配管セット26及び洗浄導管によって提供される洗浄経路を通る流速を選択的に制御する。
【0030】
いくつかの実施形態では、遠隔制御部175は、受動式の機器であり、コントローラ165によって制御されない。替わりに、遠隔制御部175は、滅菌された場の中から信号を提供し、滅菌された場の外部にあるコンソール150のコントローラ165に命令する。いくつかの実施形態では、遠隔制御部175は、スイッチ式のレジスタアレイを有し、一方、他の実施形態では、遠隔制御部175は、容量式スイッチ、誘電式スイッチ、或いは、容量式と誘電式の組み合わせ、及び/又は、抵抗式スイッチを有する。
【0031】
本願の目的のために、コントローラ165に関連して、用語「処理ユニット」は、メモリ内に含まれる連続した指示を実行する、現在開発された又は将来開発される処理ユニットを意味する。連続した指示の実行は、制御信号生成ステップのようなステップを処理ユニットに実行させる。指示は、処理ユニットによる実行のために、メモリ163によって表されるような、リードオンリーメモリ、大容量記憶機器、或いは、他のいくつかの永続記憶装置(persistent storage)から、ランダムアクセスメモリ内にロードされる。他の実施形態では、配線で接続された電気回路(hard wired circuitry)は、ソフトウエアの指示の代わりに、或いは、ソフトウエアと組み合わせて使用され、記述された機能を実行する。例えば、コントローラ165は、1又は2以上のASIC(特定用途向けIC)の一部として具体化される。そうでない場合、特別に記述されなければ、コントローラは、ハードウエア回路とソフトウエアとの任意の特定された組み合わせに限定されず、処理ユニットによって実行される指示のための任意の特定されたソースにも限定されない。
【0032】
一般的な用語において、吸引洗浄モジュール160は、解除のために、配管セット26(図1)を通り(図5に示される後述の吸引洗浄道具400等の)外科的道具の洗浄導管を通って治療部位上へ流れる流速の選択を可能にするように構成されている。ある実施形態では、吸引洗浄モジュール160は、機器サイズ選択部200、ミクロ流れ調整器220、吸引モジュール230を含む。
【0033】
ひとつの特徴では、機器サイズ選択部200は、コンソール150の除去可能に接続された機器の大きさに応じて流速を選択するように構成される。非限定的な例では、機器の大きさは、それの断面領域、即ち、それの外径によって特定される。機器サイズ選択部200は、減少機能部202、増加機能部204、表示部206、ユニット機能部210のような様々な制御部を含む。使用時には、操作者は、増加機能部204や減少機能部202を操作して、表示部206に表示される所望の英数字の識別名の設定の選択を達成する。示される例では、機器サイズ選択部200は、カテーテルスケールのフレンチ、それ故に、表示部206を採用し、ユニット機能部210と組み合わせて英数字の識別名8フレンチ(8Fr)を表示する。
【0034】
他の実施形態、英数字の識別名は、文字だけで(例えばA,B,C)表現されて機器の特定の大きさを特定し、一方、更に他の実施形態では、文字と数字との組み合わせ(例えばA3、A4等)は、機器の特定の大きさを特定するために使用される。従って、英数字の識別名は、機器の大きさに対する任意の表示であり、代替的には、機器の大きさの間接的な表現である。いずれのケースでも、英数字の識別名は、任意の特定の大きさの機器のために予め設定された流速を表さない。
【0035】
更に他の実施形態では、アイコン、及び/又は、グラフィックの指標の型は、(英数字の識別名に替わって)機器サイズ選択部200を介して表示可能で起動可能であり、大きさの範囲の中から機器の大きさを選択し、それによって、流体の異なる流速の範囲の中から流体流速を間接的に選択する。以前に記述した英数字の識別名のように、アイコン、及び/又は、他のグラフィックの指標は、機器の大きさに対する任意の代表であり、代替的には、機器の大きさの間接的な表現である。いずれのケースでも、アイコン(他のグラフィックの指標)は、任意の特定の大きさの機器のための予め設定された流速を表さない。
【0036】
機器サイズ選択部200は、カテーテルスケールのフレンチを介して機器の大きさを特定することに限定されないが、機器ファミリから相対的な大きさを特定するのに利用可能な他の測定単位へと広げることは更に理解される。ひとつの特徴では、機器サイズ選択部200は、単一の型の機器の断面の大きさの表中でひとつの断面の大きさを特定するように構成される。替わりに、このひとつの断面の大きさは、流速の表内の特別の流速に直接対応し、あの単一型の機器と特定の型の処置のために、治療部位での洗浄の適切な量(又は切除道具の冷却)を提供する。
【0037】
従って、(表示部206を介して視認可能な)この英数字の識別名の設定は、コンソール150に接続された外科器具(例えば吸引洗浄道具40又は切除洗浄道具90)のための流速を示さないことは、本技術分野の当業者には明らかだろう。替わりに、コンソール150は、コンソールのメモリ163内に予めプログラムされたデータテーブルを含み、各々の異なる予め設定された流速が異なる英数字の識別名によって独自に識別されて、(吸引洗浄道具40等の)外科器具の異なる大きさの各々にとって異なる予め設定された流速を提供する。吸引洗浄道具40の各々の大きさを特定する英数字の識別名と、それらの関連する予め設定された流速との間の関係のグラフィックの図解は、後述され、図3A−3Bと関連して、更に図解される。
【0038】
従って、たとえコンソール150が実際の流速の設定を表示しないにせよ、操作者は、コンソール150が適切な流速を自動的に選択するだろうということを知っているので、外科的道具の大きさを選択することだけを必要とする。この方法では、(機器サイズ選択部200を介して)単一のボタンをタッチするだけで、操作者は、あの大きさの外科的道具には流速が処置ごとに一貫すると信用することが可能である。いくつかの実施形態では、コンソール150は、選択された機器の大きさに関連した予め設定された流速を追加して或いは代替的に表示するように構成される。
【0039】
ある特徴では、英数字の識別名を至便に入力して外科的道具のために流速を選択する能力は、一連の連続して更に大きな、或いは、連続して更に小さな外科器具が、特別な治療部位へのアクセスを得るために採用されるある外科処置で非常に有用であることがわかる。ひとつの非限定的な例では、多くのENT処置は、更に大きな外科器具(例えば切除道具)で始まり、それから、治療部位への更なるアクセスが得られるにつれて、連続して更に小さな外科器具の使用へ進行する。ひとつのそのような切除道具は、洗浄道具を含み、洗浄道具は、創傷清拭動作を提供するブレードやバー、及び、切除道具を冷却して治療部位を洗浄する洗浄流体を提供する洗浄導管を含む。大きな器具から小さな器具へ進行が起こるとき、操作者がコンソール150の機器サイズ選択部200を指でタッチして器具の大きさを示すとき、本発明の原理に従って提供されたコンソール150は、予め設定された適切な流速を、連続して小さな器具の各々に自動的に選択する。
【0040】
この関係は、図3A及び図3Bに関連して更に図解され、これらの図は、複数の予め設定された流速、及び、それらの各々の流速の各々に関連したある範囲の大きさの外科器具の間の、率に応じて定められた関係を概略的に図解する。図3Aは、ポイント408にてスケール406を概略的に表すグラフ400を提供する。各ポイント408は、特定の大きさの外科器具及びその特定の大きさに関係した予め設定された流速を表す。ある特徴では、X軸404は、一連の外科器具が単一の処置で使用される等級を表す。いくつかの実施形態では、外科器具の大きさはカテーテルスケールのフレンチに従って測定され、他の実施形態では、異なる測定ユニット及びスケール識別名が使用される。別の特徴では、Y軸402は、特定の大きさの器具のための流体の予め設定された流速を表す。
【0041】
図3Aに示される特定のスケールは、単に図解され、本発明の実施形態は、特定の大きさの器具や図3Aに示される特定の流速に限定されないことも理解される。それにもかかわらず、図3Aに示される例では、スケール406は、10フレンチの大きさの器具に40cc/分の予め設定された流速を、9フレンチの大きさの器具に35cc/分の予め設定された流速を、8フレンチの大きさの器具に30cc/分の予め設定された流速等を提供する。図2に更に図解されるように、連続する流速は、離散した間隔で(例えば5cc/分)分離され、その結果、各々の異なる大きさの器具に対する流速の変化は、段階を追ったやり方で起こる。
【0042】
他の関係の中には、グラフ400は、更に大きな外科器具は、更に大きな流速に対応し、その結果、処置において早期に使用された器具は、更に高い流速を有し、連続して使用される器具の大きさが大きさの点で段々に減少するにつれて、各々の連続的な予め設定された流速における対応する減少が起こる。流速とグラフ400の器具の大きさとのこの率に応じて定められた関係は、コンソール150(図2)のメモリ163に蓄えられ、システムは、(機器サイズ選択部200の英数字の識別名を介して)器具の大きさを示して、適切な流速を操作者に自動的に設定する。
【0043】
操作者は、外科器具が使用される等級を改め、いつでもスケール406に沿っていくつかの大きさをスキップするだろうこともまた理解される。それにもかかわらず、操作者は、いまだに、機器サイズ選択部200を介して提供される至便な選択機構のために、選択された機器のための適切な流速を迅速に得るであろう。機器サイズ選択部200は、英数字の識別名を使用して機器の大きさの直接的な選択を介して、適切な予め設定された流速の選択を可能にする。
【0044】
類似の方法で、図3Bは、(Y軸432に表されるような)予め設定された流速と(X軸434によって表されるような)機器の大きさと率に応じて定められた関係を表現する分離したポイント438のスケール436を表しているグラフ430を図解する。ひとつの特徴では、グラフ430は、図3Aのグラフ400と同じ特徴部及び属性を実質的に有するが、この実施形態では、連続的に大きな器具が(X軸434によって表されるような)外科処置の進行中に使用される処置に、機器が使用される等級が応じている点が異なる。他の方法では、グラフ430は、グラフ400と実質的に類似であり、一連のポイント438を図解し、グラフ430は、特定の大きさの外科器具に直接に対応している予め設定された流速の各々を使って、別々の間隔で分離された予め設定された複数の流速を表す。
【0045】
再び図2を参照すれば、操作者のために時間を節約することに加えて、特定の大きさの機器のための予測可能で一貫した流速を処置間で確実にすることと同様、自動的に選択可能な流速はまた、流速と特定の大きさの器具の吸引量との適切な割合を確実にする。更に、図2に示されるように、いくつかの実施形態では、吸引モジュール230は、調整を可能にするために備わっており、吸引洗浄道具40を介した治療部位での吸引量を(増加機能部236を介して)増やしたり(減少機能部234を介して)減らしたりする。表示部232は、吸引レベルの相対的な増加や減少を追跡するために備わっている。
【0046】
器具が進行して連続して更に小さくなる場合、相対的に更に小さな吸引量が、更に小さな器具の各々に提供されて、連続的に更に小さな器具の各々に治療部位で提供される相対的に更に小さな洗浄の流速に比例して、吸引量は持続する。器具が進行して連続的に更に大きくなる場合、相対的に更に大きな吸引量が、更に大きな器具の各々に提供されて、連続的に更に大きな器具の各々に治療部位で提供される相対的に更に大きな洗浄の流速に比例して、吸引量は持続する。最後に、別の特徴では、操作者が(次のサイズごとの進行に替わり)異なる大きさの器具の間をスキップするときでさえ、適切な吸引量が特定の器具に提供されるであろう。
【0047】
操作者が、わずかに高い又はわずかに低い洗浄流速を所望するとき、ミクロ流れ調整器220は、機器サイズ選択部200によって選択される流速の微調整を可能にする。特に、ミクロ流れ調整器220は、オン/オフボタン222、減少ボタン224、増加ボタン226、調整表示部228を含む。オン/オフボタン222は、コンソール150を介して洗浄流体の流れの初期化や停止の制御を可能にするように構成される。減少ボタン224及び増加ボタン226は、各々、機器サイズ選択部200によって設定されたマクロの流速や基礎の流速とは別に、少しの減少や少しの増加を可能にする。表示部228は、マクロの流速における相対的な増加や減少のグラフィック表示部を提供する。ある特徴では、特定の機器のための予め設定された流速の微調整は、方向矢印Fを介して図3Aに図解され、それは、6フレンチの大きさの外科器具のために、予め選択された流速(例えば20cc/分)から小さな範囲の増加や減少を図解する。
【0048】
いくつかの実施形態では、ミクロ流れ調整器220の減少ボタン224や増加ボタン226の各々のタッチは、機器サイズ選択部200(即ちマクロの流れ調整器)の減少ボタン202や増加ボタン204の各々のタッチによって引き起こされる流速における増加や減少の桁よりも少なくとも一桁小さい値を有する各々の減少や増加を引き起こす。ひとつの非限定的な例では、ミクロ流れ調整器220のボタン224,226は、各々、(機器サイズ選択部200を介して選択されたマクロの流速のひとつである)名目上の流速の5%や10%の減少や増加を可能にする。
【0049】
他の実施形態では、ミクロ流れ調整器220の減少ボタン224や増加ボタン226の各々のタッチは、各々、予め設定された減少や予め設定された増加を引き起こし、それは、機器サイズ選択部200(即ちマクロの流れ調整器)の減少ボタン202や増加ボタン204の各々のタッチによって引き起こされる流速における増加や減少のほんの少し、即ち、わずかなパーセント(例えば1%、2%、5%、7%、10%、15%)である。
【0050】
この方法では、操作者は、(機器サイズ選択部200の英数字の識別名を介して選択された)予め設定された流速に対して僅かな変更や調整をすることが可能であり、それは、使用される外科器具の大きさに対応している。従って、操作者は、外科器具の大きさに適合した予測可能な予め設定された流速の有利な点を得る一方、予め設定された流速に対して上下方向に流速を調整する柔軟性を維持している。
【0051】
いくつかの実施形態では、コンソール150はまた、図2に図解されるような、切除洗浄モジュール162を有する。このモジュール162は、切除速度モジュール240、方向モード選択部250、流速モジュール260を含む。切除速度モジュール240は、増加機能部244、減少機能部242、表示部246を含む。増加機能部244及び減少機能部242は、一般に、1分当たりの回転数(RPM)で測定されるような、切除道具の速度の選択及び調整が可能である。方向モード選択部250は、各々の正転機能部252や反転機能部254を介して切除道具の正転モード及び反転モードの選択が可能である。加えて、切除洗浄モジュール162はまた(一般に、或いは、方向モード選択部250を介して)選択を振動切除モードのような他の切除モードに随意に提供することが理解される。
【0052】
他の特徴では、切除洗浄モジュール162の流速モジュール260は、減少機能部262及び増加機能部264を提供し、表示部266に表示されるように、デジタル数値として流速を選択する。示された非限定的な例では、流速は、cc/分の単位で表示される。デジタル数値として流速を選択可能とすることで、外科医は、処置中に機器ごと、即ち、外科手術ごとに再生成可能な予測可能な流速を難なく達成することができる。ある実施形態では、流速は独立した変数として選択される。言い換えれば、流速は、(関節鏡視下手術(an arthroscopic surgery)等の)関節内の流体圧力等の他の変数に依存しない。従って、いったん設定されれば、(コンソール150を介して新たな一定の速度へと特に調整されなくても)流速は、様々な従来型の関節鏡視下手術システムで起こるような、限度に対して下方向や上方向へ自由に変えることができない。
【0053】
いくつかの実施形態では、流速モジュール260は、また、切除道具を冷却するため、又は、治療部位を洗浄するための洗浄導管を準備するように構成されたプライム機能部268を含む。上述したように、治療部位という用語は、一般に、診断部位、外科的部位、洗浄部位、それらの組み合わせを参照することは理解される。
【0054】
図2を更に参照すれば、いくつかの実施形態では、流体管理部100は、また、処置中に滅菌された場の中に配置するための大きさにされ、適合された遠隔制御部175を含む。ある特徴では、遠隔制御部は、休止機能部270、微調整機能部272、粗調整機能部280を含む。休止機能部270は、操作者が、各々の道具40,90のひとつの洗浄導管を通る流体の流れを開始させ、終了させ、一時停止させることを可能にする。ある実施形態では、休止機能部270は、各々の道具40,90(図1)のひとつの洗浄導管に水を満たしたり、どっと流したりする制御に使用される。
【0055】
粗調整機能部280は、減少機能部282及び増加機能部284を含む。ある特徴では、吸引洗浄モジュール160は、吸引洗浄道具40(図1)や400(図5)と共に使用されるとき、遠隔制御部175の粗調整機能部280は、吸引洗浄モジュール160(図2)の機器サイズ選択部200に実質的に類似して、機器サイズ選択部として機能する。従って、遠隔制御部175の減少機能部282及び増加機能部284は、コンソール150の機器サイズ選択部200を介して選択可能な英数字の識別名によって、機器の大きさの選択において、各々の減少や増加を引き起こす。このやり方で、外科医は、遠隔制御部175を使用して、使用する機器の大きさを単に特定するだけで、適切な予め設定された流速を達成する。
【0056】
他方、切除洗浄モジュール162が切除洗浄道具90(図1)や300(図4)と共に使用されるとき、遠隔制御部175の粗調整機能部280は、切除洗浄モジュール162(図2)の流速選択部260と同じ実質的に同じ方法で、デジタル数値に従って、流速を直接に選択することを可能にする。従って、遠隔制御部175の減少機能部282及び増加機能部284は、デジタル数値で選択されたりそれを介して表されたりするように、各々、流速の減少や増加を引き起こす。
【0057】
別の特徴では、遠隔制御部175の微調整特徴部272は、選択された流速において僅かな増加及び減少を可能にする。例えば、吸引洗浄モジュール160が使用されるとき、遠隔制御部175の増加ボタン276を介してなされた流速の僅かな増加は、コンソール150(図2)のミクロ流れ調整器220の増加ボタン226を介してなされた僅かな増加に対応する。同様に、遠隔制御部175の減少ボタン274を介してなされた流速における僅かな減少は、コンソール150(図2)のミクロ流れ調整器220の減少ボタン224を介してなされた僅かな減少に対応する。他方、切除洗浄モジュール162が使用されるとき、遠隔制御部175の減少ボタン274及び増加ボタン276を介してなされた変化は、各々、コンソール150の流速選択部260を介して選択された基礎の流速の僅かな減少及び増加に対応する。
【0058】
ある実施形態では、遠隔制御部175は、また、道具90等の切除道具やドリルの速度と方向とを制御するために使用可能である。この配置では、遠隔制御部175は、粗調整機能部280がドリルの方向を制御するために使用される予備のモードで動作して、(遠隔制御部175の)粗調整機能部280の増加機能部284の活性化して前方へのドリルの方向を引き起こし、粗調整機能部280の減少機能部282の活性化して反対のドリルの方向を引き起こす。加えて、遠隔制御部175をこの予備のモードで動作させ、遠隔制御部175の微調整機能部272は、速度の増加を引き起こす増加機能部274と、ドリルの速度の減少を引き起こす減少機能部276とでドリルの速度を制御する。いくつかの実施形態では、遠隔制御部175のこの予備のモードで、遠隔制御部175の休止機能部270は、ドリルの方向を逆にする(例えば正転、反転)ために使用される。
【0059】
いくつかの実施形態では、増加機能部と減少機能部の更なるセットが(図2の粗調整機能部280に実質的に類似の方法で)遠隔制御部175に追加されて、遠隔制御部175が流体流れとドリルの両方に対して同時に制御することを許容する。これ以外の実施形態では、操作者は、遠隔制御部175を使用して切り替えて、ドリルの制御や流体流れの制御が可能である。
【0060】
コンソール150はまた、切除機能部194を含むモード選択部168を有して、切除洗浄道具90のために操作者が切除洗浄モジュール162を介して流体管理を選択することを可能にし、一方、吸引機能部196は、吸引洗浄道具40のために操作者が吸引洗浄モジュール160を介して流体管理を選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、機能部194,196のいずれが選択されても、吸引洗浄モジュール160及び切除洗浄モジュール162の両方が、コンソール150のユーザインターフェイス60上に同時に表示される。他方、他の実施形態では、各々のモジュール160,162のいずれを表示するかを決定するモード選択部168を備えて、吸引洗浄モジュール160又は切除洗浄モジュール162の一方だけが、コンソール150上に一時に表示される。この後者の配置では、コンソール150は、吸引洗浄モジュール160との使用の間、又は、切除洗浄モジュール162との使用の間、至便である。
【0061】
いくつかの実施形態では、コンソール150は、図2に図解されるように、ポンプ選択部166を含む。ポンプ166は、ポンプ組立体70の一方又は両方の活性化を選択するボタン190,192を有し、流体容器20,22や他の流体源のどれが使用されるかに適切に依存している。
【0062】
図2を再び参照すれば、いくつかの実施形態では、コンソール150は、予備の制御モジュール170を含み、外科器具に流速を設定する代替的な機構を提供するよう構成される。この実施形態は、吸引洗浄モジュール160や切除洗浄モジュール162を使用する替わりに、様々な値、及び/又は、機能のキーパッドによる入力に更に快適で習熟しているこれらの使用者には、特に有益であることが示される。この点に留意すれば、予備の制御モジュール170は、英数字の識別名と同様、デジタル数値の入力を許容するように構成されたキーパッド172を含む。予備の制御モジュール170のサイズ機能部174は、外科医等の使用者が英数字の識別名を使用してキーパッド172を介して機器の大きさを入力することを可能にし、それによって、洗浄流体のための適切な流速が特別な機器の洗浄導管の中へ(そしてそれを通って)移動することを引き起こすことを可能にする。他の特徴では、予備の制御モジュール170の流れ機能部176は、(特別な外科器具の洗浄導管のための)要求された流速を、外科医が、キーパッド172を使用してデジタル数値として直接に入力することを可能にする。更に別の特徴では、予備の制御モジュール170の速度機能部178は、切除洗浄モジュール162の速度選択部240を使用する替わりに、外科医(又はその補助者)が、キーパッド172を介して外科器具の切除道具の回転速度を直接に入力することを可能にする。最後に、入力された値、及び/又は、予備の制御モジュール170を介して選択された機能部は、コンソール150の各々の表示部206,228,246,266の任意の1又は2以上に類似して、表示部を介してコンソール上に表示可能であり、それは、コンソール50のグラフィックユーザインターフェイス60等のグラフィックユーザインターフェイスの一部を形成する他の表示器後部も同様である。
【0063】
いくつかの実施形態では、流体管理部100のコンソール150は、また、第2の流体制御モジュール350を介して、提供される追加の流体制御モジュールを含み、流体の流速の選択に加えて、流体流れの制御を増大させる。図2に図解されるように、第2の流れ制御モジュール350は、パルス化された流れ機能部352と反対の流れ機能部354とを有する。使用に当たって、流体の流速は、上述のように、流体管理部100(図2)の1又は2以上を介して選択される。その後、パルス化された流れ機能部352、及び/又は、反対の流れ機能部354の一方は、使用のために選択されて、選択された流速を更に良好に実行する。
【0064】
ある実施形態では、パルス化された流れ機能部352は、パルス化された流体流れを引き起こし、洗浄導管の単一のノズルオリフィスの大きさが、更に幅広い流れの範囲にわたって洗浄の流れを配送することを可能にし、少なくとも2つの方法で、更に良好な外科的な視覚視野を提供する。第1に、パルス化された流れ機能部352を介した流体流れのパルス化は、他の方法では外科医の視野を遮断する恐れがある治療部位の中への連続的な流体の流れを邪魔する。第2に、流体流れのパルス化は、断続的に流れの無い間隔を提供し、それによって、外科医が、(流れの無い間隔の間)治療部位における吸引を適用することを許容して、他の方法では治療部位での外科医の解剖視野(anatomy)を邪魔する恐れがある任意のプールされた洗浄流体を除去する。
【0065】
ひとつの非限定的な例では、20cc/分の流速が選択されれば、パルス化された流れ機能部352は、流体流れのない間隔によって分離された流体流れの実質的に更に大きな流速(例えば50cc/分)の断続的なパルスを介して、20cc/分の平均流速を維持するであろう。従って、パルス化された流体流れを適用するとき、流体の同じ全体量は、時間の間に(例えば1分)パルス化されていない流体の流速として、治療部位へ方向付けられる。しかし、パルス化された流体機能部で、いくつかの時間の流れのない間隔は、流体流れの連続的なパルスを分離して、治療部位の更に大きな視認性を可能にし、流体流れを前進させることなく吸引を適用する機会を可能にする。
【0066】
ひとつの実施形態では、コンソール150でそれの活性化するとき、外科医が洗浄流体の流れを選択的に停止するたびに、反対の流れ機能部354は自動的に適用される。従って、ポンプ組立体70の標準的な停止動作に加えて、反対の流れ機能部354は、ポンプ組立体70が、治療部位から離れて流体流れの方向に向けて、前進する前方の流体流れの短い反転を追加的に実行することを引き起こす。この短い反転は、前方の流体流れの慣性をオフセットして、緩衝機構部32(図1)の圧力を減じるのに充分であり、ユーザ要求に関する更に速い流れの反応が、流体流れを開始し停止することを可能にする。他の特徴では、反対の流れ機能部354は、また、配管(及び洗浄導管)を通る任意の前進する流体流れを迅速に停止し、それによって、治療部位での任意のプールされた洗浄流体の除去を(吸引を介して)許容し、一方、他の方法では小さな解剖の外科医の視野を邪魔する恐れがある洗浄導管の遠位端部から滴り落ちることを妨げる。言い換えれば、反対の流れ機能部354は、迅速な停止の機能部に同等で、滴り落ちることを防止する。従って、いったん活性化されれば、外科医が吸引洗浄道具40と切除洗浄道具90のいずれを使用するかにかかわらず、流れが選択的に停止するたびに、反対の流れ機能部354は、自動的に適用される。例えば、吸引洗浄道具40の使用中、遠隔制御部175やコンソール上の一時停止ボタンを手で押すことで、流体流れは選択的に停止され、それによって、反対の流れ機能部354の適用を自動的に引き金にする。他の例では、切除洗浄道具90の使用中に、切除洗浄道具90のドリルが(フットペダルの開放や他の停止機構部を介して)停止するたびに、流体流れはまた、反対の流れ機能部354に従って、自動的に停止される。
【0067】
図2の流体管理部100と関連して、使用される外科器具が、多くの形状や形態を取ることが可能であるが、切除洗浄モジュール162と共に使用されることに適合されるひとつの特殊な外科器具は、図4に図解されるように、ミクロバーの器具300等の切除洗浄道具を有する。ミクロバーの器具300は、例えば鼻中隔形成(術)(septoplasty)や鼻甲介切開形成術(turbinoplasty)等の洞(sinus)の外科処置を最適に実行するように構成される。しかし、本発明の原理は、切除洗浄道具及び他の型の外科手術に対して、洞の手術と洞以外の手術の両方に対して、広がることは理解される。
【0068】
図4に示されるように、器具300は、外側の管状組立体312及び内側の管状組立体314を含む(図1に一般に参照される)。外側の管状組立体312は、外側のハブ316及び外側の管状部材318を含み、一方、内側の管状組立体314は、内側のハブ320及び内側の管状部材322を含む。内側の管状部材322は、外側の管状部材318の中で、同軸に受領される大きさであり、それの遠位端部にてバー324を形成する。外側の管状部材318は、外側のハブ316から遠位方向に延伸して、外側のハブ316は、技術分野における既知の非常に多様な形態を取ることが可能である。これに留意すれば、内側のハブ320と外側のハブ316の両方は、ハンドピース(例えば図1中のハンドピース等)の往復運動する要素と係合するように構成される。それは、替わりに、外側の管状部材318に対して内側の管状部材322の高速回転を制御する。この配置は、究極的には、バー324の高速回転という結果となり、それは、治療部位での標的組織の創傷清拭(de-bride)や切除のために動作する。
【0069】
追加して、そして、ひとつの実施形態では、切除器具300は、外側の管状部材318に外側で固定される洗浄管330を含む。洗浄管330は、洗浄流体を器具300の作業チップへ運ぶように構成され、それによって、バー324を冷却し、周囲の治療部位を洗浄する。図4に示されるこのひとつの構成では、接続部340は、洗浄管330の一方の端部に備えられ、図1の流体源20,22のひとつのような、洗浄管330を流体源に流体的に接続するのに適合する。洗浄管330の反対側の遠位端部342は、外側の管状部材318の壁部を通って流体を運び、バー324及び周囲の治療部位を洗浄するように配置される。代替的には、外側の管状組立体312は、外側の管状部材318を介して、冷却バー324に洗浄流体を内部に配送して周囲の治療部位を洗浄するのに適合する。
【0070】
図5は、本開示の原理に従い、図1に示される吸引洗浄道具40として使用されるために備えられることがある吸引洗浄道具を図解する。この実施形態では、吸引洗浄道具は、多くの形態を取ることが可能な一方、吸引洗浄器具400は、吸引部分402及び洗浄部分420を有する。吸引部分402は、遠位端部404及び近位端部406の間を延伸する吸引導管412を画定する。接続部分408は、近位端部406にて画定され、配管を介して負圧源95(図1)に接続するために構成される。吸引量は、吸引部分402の孔部分410等の従来型の技術を介して、及び/又は、図2のコンソール150の吸引洗浄モジュール160の吸引モジュール230を介して、制御される。他方、洗浄部分420は、遠位端部422及び近位端部424の間を延伸する洗浄導管432を画定する。接続部分426は、近位端部424にて画定され、図1に示されるアダプタ35等の1又は2以上のアダプタを介して配管セット26の遠位部分29への接続のために構成される。この方法では、洗浄部分420は、流体容器20,22及び配管セット26から延伸する洗浄経路の一部を形成する。
【0071】
図6は、本開示の原理に従って、外科手術の方法500を概略的に図解する流れ図を提供する。ひとつの実施形態では、方法500は、図1乃至図5に関連して上述された1又は2以上のシステムや要素を採用し、他の実施形態では、方法500は、他のシステムや要素を使用して実行される。
【0072】
図6に図解されるように、方法は、ブロック502に示されるように、滅菌された場の外部にペリスタポンプを配置する一方で、流体管理部の外科器具及び遠隔制御部の両方を滅菌された場内に配置することを含む。ブロック504で、遠隔制御部を介して、第1の流速は、デジタル数値として表現される独立変数として選択される。方法は、外科器具を使用して処置を実行することを継続し、選択された第1の流速でポンプを介して流体を配管と外科器具の洗浄導管とを通過させて(図4のバー324等の)開放のために切除先端上、及び/又は、治療部位上に方向付ける。
【0073】
本開示の実施形態は、システム及び方法を提供し、操作者は、予め設定された流速を選択可能であり、外科器具が切除洗浄道具や吸引洗浄道具のいずれであろうとも、治療部位にて洗浄流体の一貫して予測可能な流速を確実にする。ある非限定的な例では、英数字の識別名を介して機器の大きさの指でタッチする選択は、予め設定された流速の表中で流速の選択を引き起こす。他の例では、予め設定された流速は、独立変数として選択され、表示部上にデジタル数値を介して表される。更に、利用可能な遠隔制御部特徴部を備えて、外科医は、(デジタルの英数字を介して、或いは、機器の大きさの選択を介して直接に)そのような予め設定された流速を容易に選択可能であり、或いは、遠隔した滅菌された場の中でボタンをタッチするだけで、流速のわずかな調整を可能にする。
【0074】
本開示は好適な実施形態を参照して記述されてきたが、本技術分野の当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、変化が形態や詳細においてなされることが可能であることは認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリスタポンプと、
洗浄導管及び切除道具を有する第1の道具、又は
洗浄導管及び当該洗浄導管とは分離して独立している吸引導管を有する第2の道具、の少なくとも一方を含む、外科器具と、
前記ポンプに対して解除可能に係合可能で、前記外科器具の前記洗浄導管と流体連通している配管であって、流体源から当該配管及び当該洗浄導管を通って洗浄経路を画定する配管と、
前記洗浄経路を通る流体の流速を選択可能に構成された制御機構部であって、当該流体の流速は独立して可変可能であり、切除洗浄モード又は吸引洗浄モードを介して当該流速を制御するように構成された、制御機構部と、
を有する外科的システムであって、
前記切除洗浄モードでは、流速は、複数の選択可能なデジタル数値のひとつとして前記第1の道具に対して選択可能であり、
前記吸引洗浄モードでは、流速は、英数字の識別名の表中のひとつの英数字の識別名を介して前記第2の道具に対して選択可能で、各英数字の識別名が複数の第2の道具のうちの異なる大きさの各一つに直接に対応する、外科的システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
第2の道具の各々は、他の第2の道具に対して前記洗浄導管の異なる大きさの断面領域を有する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
第2の道具の各々は、他の第2の道具に対して前記吸引導管の異なる大きさの断面領域を有する、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記各第2の道具のすべての中で、同じ固定された割合が前記洗浄導管の断面領域と前記吸引導管の断面領域の間に維持される、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記制御機構部は、
滅菌された場の外部に配置可能で、ぺリスタポンプを支持するコンソールと、
前記コンソールと連通し前記滅菌された場の中に配置可能な遠隔制御部であって、前記外科器具から分離し独立している遠隔制御部と、
を備え、
前記コンソール及び前記遠隔制御部の両方は、各切除洗浄モード及び吸引洗浄モードの一方を介して流速の選択のために提供される、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記遠隔制御部は、コンソール及び遠隔制御部を含み、
前記遠隔制御部は、選択された前記流速の大きさの桁よりも少なくとも一桁小さい離散した間隔で数値によって選択された当該流速で増加又は減少の少なくとも一方を引き起こすように構成された調整機構部を備える、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ぺリスタポンプ及び前記外科器具の間に配置されて前記洗浄流路内にパルス化された流れを調節する緩衝機構部を更に備える、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記制御機構部は、前記切除洗浄モード及び前記吸引洗浄モードの両方へのアクセスを表示し提供するグラフィックユーザインターフェイスを備え、
前記グラフィックユーザインターフェイスは、前記切除洗浄モード及び前記吸引洗浄モードの間で互換性を有するアクセスを提供する、システム。
【請求項9】
外科手術を実行する方法であって、
ポンプを滅菌された場の外部に配置する一方で、第1の外科器具及び流体管理部の遠隔制御部の両方を当該滅菌された場の中に配置する工程と、
前記遠隔制御部を介して独立変数として第1の流速をデジタルの数値として選択する工程と、
前記第1の外科器具を使用して外科処置を実行する工程であって、洗浄流体を前記ポンプから前記第1の流速で配管の中へ当該第1の外科器具の洗浄導管を通って治療部位上に方向付ける工程を含む、工程と、を備える、方法。
【請求項10】
請求項9の方法において、
断面の大きさで並ぶ複数の選択可能な外科器具を断面の大きさの範囲内で連続する大きさの間の不連続の間隔で画定される表に従って提供する工程であって、当該複数の器具が少なくとも前記第1の外科器具及び異なる大きさの第2の外科器具を含む、工程と、
少なくとも前記第1の流速及び第2の流速を含み、複数の英数字の識別名で表される複数の選択可能な流速を提供する工程であって、各々の選択可能な外科器具のひとつの断面の大きさに直接に対応するように各々の流速が較正される、工程と、
前記第2の外科器具の前記断面の大きさに対応する前記英数字の識別名のひとつを選択して、前記滅菌された場の中の前記遠隔制御部を介して前記各々の流速のひとつを選択する工程と、
を備える、方法。
【請求項11】
請求項10の方法において、
前記第1の外科的具を前記第2の外科器具で置き換える工程と、
前記第2の外科器具を使用して前記処置を再開する工程であって、前記洗浄流体を前記ポンプから前記第2の流速で前記第2の外科器具の洗浄導管を通って前記配管の中へと方向付ける工程を含む、工程と、
を備える、方法。
【請求項12】
請求項10の方法において、
前記流体管理部を配置して、選択された前記流速の大きさの桁よりも少なくとも一桁小さい離散した間隔で数値によって選択された当該流速で増加又は減少の少なくとも一方を可能にするように構成された調整機構部を含む、工程を備える、方法。
【請求項13】
請求項10の方法において、
処置中に連続する更に大きな外科器具や連続する更に小さな外科器具の少なくとも一方を使用する外科処置の実行に対応して、離散した間隔で前記流速を変化させる工程を備える、方法。
【請求項14】
請求項9の方法において、
各々の外科器具を配置し、前記洗浄導管から独立し分離した吸引導管、又は、切除要素の少なくとも一方を含む工程を備える、方法。
【請求項15】
請求項9の方法において、
前記第1の流速を連続するパルスを介して平均流速として実行する工程であって、各々のパルスが当該平均流速より実質的に大きな第2の流速で前記洗浄流体を方向付ける工程を備え、
前記各パルスは、流体が前記洗浄導管から前記治療部位上へと抜け出ない流れのない間隔で互いに分離される、方法。
【請求項16】
請求項15の方法において、
前記治療部位にて前記流れのない間隔の間に吸引を実行する工程を含む、方法。
【請求項17】
請求項9の方法において、
前記洗浄導管を通る前記洗浄流体の流れを選択的に停止する工程であって、当該流体流れの方向を一時的に逆にする工程を含む工程を有する、方法。
【請求項18】
請求項17の方法において、
前記流体流れの前記方向を一時的に逆にする工程は、前記外科器具の前記ポンプ及び前記洗浄導管の間に配置された緩衝機構部を減圧する工程を含む、方法。
【請求項19】
配管に解除可能に係合可能な陽圧の容積型配置ポンプと、
前記配管及び当該配管に接続可能な外科器具を通る流体の流速を指の接触によって電気的な選択を可能にするように構成されたユーザインターフェイスと、を備える、外科的流体管理部において、
前記ユーザインターフェイスは、
複数の選択可能なデジタル数値のひとつをユーザが選択することで前記流速を制御するように構成される第1モード、又は、
英数字の識別名の表中でひとつの英数字の識別名をユーザが選択することで前記流速を制御するように構成された第2のモードであって、各々の英数字の識別名は、機器の大きさの表中で一つの機器の大きさだけに直接に対応する、第2モード、
のうちの少なくとも一方で動作するように構成される、外科的流体管理部。
【請求項20】
請求項19の外科的流体管理部において、
前記ユーザインターフェイスは、前記第1モード及び第2モードの間で互換性を有する選択を提供するように構成されるモード選択部を有する、外科的流体管理部。
【請求項21】
請求項19の外科的流体管理部において、
前記器具の大きさは、器具の断面領域によって決定され、
前記外科器具は、前記流体が流れる洗浄導管を含む、外科的流体管理部。
【請求項22】
請求項19の外科的流体管理部において、
前記ユーザインターフェイスは、滅菌された場の外部に配置可能で、前記陽圧の容積型配置ポンプを支持するコンソールと、
前記コンソールと通信状態にあり、前記滅菌された場の中に配置可能な遠隔制御部であって、前記外科器具から分離して独立している遠隔制御部と、
を備え、
前記コンソール及び前記遠隔制御部の両方は、前記第1モード及び前記第2モードの各々のひとつを介して前記流速の指の接触による電気的な選択を提供する、外科的流体管理部。
【請求項23】
請求項22の外科的流体管理部において、
前記ユーザインターフェイスは、前記コンソール及び前記遠隔制御部の両方を含み、
前記ユーザインターフェイスは、選択された前記流速の大きさの桁よりも少なくとも一桁小さい離散した間隔で数値によって選択された当該流速で増加又は減少の少なくとも一方を引き起こすように構成された調整機構部を備える、外科的流体管理部。
【請求項24】
請求項19の外科的流体管理部において、
前記第2のモードにおいて、前記流速は、処置中に連続する更に大きな外科器具や連続する更に小さな外科器具の少なくとも一方を使用する外科処置の実行に対応して前記英数字の識別名を介して選択可能であり、各々の連続する英数字の識別名は当該処置のために次の器具の大きさに対応している、外科的流体管理部。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−500662(P2012−500662A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523862(P2011−523862)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/053345
【国際公開番号】WO2010/021866
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(504101304)メドトロニック・ゾーメド・インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】