説明

外耳道内壁マッサージ機

【課題】上記の様な外耳道内部のマッサージ機は、電動で手軽に一人でできるが、一方では、耳孔の奥まで容易に入ってしまう構造になっている為、鼓膜や耳の奥を傷つけてしまうという心配がある。又、耳の奥まで入らない構造とした場合でも耳孔にフィットした形にした場合、又はマッサージ具本体を耳に押し当てた場合、マッサージ具により閉鎖された外耳道の内外に空気圧の差が生じ、マッサージをした時に鼓膜を圧迫して不快感があるという不具合がある。
【解決手段】本発明の耳路マッサージ具は、マッサージ具を耳に強く押し当てても、外耳道の奥まで入らない形状とし、かつ外耳道に押し当てても、マッサージ具により閉鎖された外耳道の内外に空気圧の差が生じない様、マッサージ具の表面に溝を施す又は内部に通気道を持たせる、もしくは空気を通す事の出来る材料で形成する、もしくは使用時に変形する構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関し、更に詳しくは外耳道内壁のマッサージに好適なマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の外耳道内壁のマッサージ機には、外耳道内にマッサージ具を入れることの出来る外耳道内マッサージ機がある。(例えば特許文献1,2 参照)
また、耳の奥まで入れることの出来ない突起を配した外耳道内マッサージ機がある。(例えば特許文献3 参照)
【特許文献1】実用新案登録第3131261号
【特許文献2】特開平7−132133号公報
【特許文献3】特開平2003−299707
【0003】
特許文献1の従来技術は、外耳道内に棒状の細長いマッサージ具を挿入し、そのマッサージ具を電動式により振動もしくは回転させることによって、外耳道内をマッサージするという技術である。この従来技術の場合、電動式により手を動かさずに外耳道のマッサージが出来るという利便性はあるが、マッサージ具が細いため、注意深く操作をしないとマッサージ具が耳の奥まで入り込み、耳の内部を傷つけるという恐れがある。
【0004】
特許文献2の従来技術は、外耳道内に挿入される棒状の細長いマッサージ具の長さを1〜2cmと短くし、耳の奥まで入らない様にしてあるがマッサージ具本体を耳に押し付けながら使用した場合、マッサージ具本体により閉鎖された外耳道内部の空気に振動による圧力変動が生ずる為、鼓膜を圧迫してしまい心地よいマッサージ感が得られないという問題がある。
【0005】
特許文献3の従来技術は、同じく耳路内にマッサージ具を挿入する形式であるが、特許文献1、2の様な棒状の細長いマッサージ具ではなく、台形状の角のある2つの突起を配した形状をしている。外耳道への心地よいマッサージ感を得るには、マッサージ具の形状を外耳道内壁に添う様な形状にして、内部をまんべんなく刺激する方が良いが、そうした形状にはなっていない。
【0006】
上記の様な課題を解決でき、かつ簡単に出来る外耳道内壁マッサージ機は知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の様な外耳道内部のマッサージ機は、電動で手軽に一人でできるが、一方では、耳孔の奥まで容易に入ってしまう構造になっている為、鼓膜や耳の奥を傷つけてしまうという心配がある。
【0008】
又、耳の奥まで入らない構造とした場合でも耳孔にフィットした形にした場合、又はマッサージ具本体を耳に押し当てた場合には、マッサージ具により閉鎖された外耳道の内外に空気圧の差が生じ、マッサージをした時の振動による圧力変動により鼓膜を圧迫して不快感があるという不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における第1の発明に係るマッサージ機は、
外耳道の入口内径よりも大きな外径のアウター振動体と、
アウター振動体に固定した外耳道内壁を振動させるインナー振動体と、
アウター振動体とインナー振動体とを振動させる加振機構と
を含めて構成してあり、
【0010】
該インナー振動体が外耳道内挿入可能な形状に形成してあり、
かつ該インナー振動体を外耳道に挿入しても鼓膜まで届かない形状に形成してあり、
かつ該アウター振動体及び/又はインナー振動体によって閉鎖された外耳道内外を連通させる通気道を該アウター振動体及び/又はインナー振動体に形成してある事を特徴とする。
【0011】
第1の発明に係るマッサージ機において、前記アウター振動体及び/又はインナー振動体には、前記通気道として機能する溝をその表面部分に有している事を特徴とする。
【0012】
第1の発明に係るマッサージ機において、前記アウター振動体及び/又はインナー振動体は、その内部に空気の通る通気道を形成している事を特徴とする。
【0013】
第1の発明に係るマッサージ機において、前記アウター振動体及び/又はインナー振動体は、少なくともその一部が、空気を通す事の出来る材料で形成されている事を特徴とする。
【0014】
第1の発明に係るマッサージ機において、前記アウター振動体及び/又はインナー振動体は、使用時の変形によって外耳道内外の空気が連通可能となる様に形成されている事を特徴とする。
【0015】
第1の発明に係るマッサージ機において、前記アウター振動は、マッサージ機本体と脱着機構を介して取り付けられる構造とした事を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本考案は、上記の様な構成のマッサージ機であるので、これにより一人で、本マッサージ機を耳に押し当てるだけで安心して手軽に外耳道内のマッサージを快適に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本考案の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のマッサージ機の一例における全体概観図、図2は、本実施形態のマッサージ機の一例における全体断面図、図3はマッサージヘッド9をはずした時の全体概観図、図4はマッサージヘッド部を外耳道に挿入している状態の側面図、図5は図4の他の実施例である。
【0018】
図6はマッサージヘッドの側面図及び断面図、図7〜10は、マッサージヘッドの他の実施例の断面図及び概観図である。
【0019】
本実施例の外耳道マッサージ機は、外耳道内に挿入して外耳道内壁をマッサージするマッサージ機であって、概略すると図1に示す様に、先端部が外耳道内に挿入されるインナー振動体11と、インナー振動体が固定されているアウター振動体10(10、11の両方からなるマッサージヘッド9)とマッサージヘッド駆動本体20から構成され、マッサージヘッド9の先端部のインナー振動体11を外耳道内に挿入した状態で外耳道内をマッサージできる様にした構成よりなる。
【0020】
図2に示す様に、マッサージヘッド1駆動本体20は、先端部にマッサージヘッド9が装着される部分であるマッサージヘッド装着部21と全体が棒状のグリップ22と、グリップ22に内臓された振動発生器30と振動発生器30を作動させる為の電池40から構成されている。また、グリップ22の外部には、図1に示す様な電源及びスピード切替スイッチ23が配設されている。
【0021】
本実施例の耳路マッサージ機の使用方法を説明すると、マッサージヘッド9をマッサージヘッド駆動本体20に装着し、インナー振動体11を外耳道内に挿入し、マッサージ機駆動本体20の電源スイッチ23を操作する事で振動発生器30からの振動がマッサージ機駆動本体を介してアウター振動体10に伝わり、さらにインナー振動体11に伝わり、外耳道内がマッサージされ該外耳道内に刺激が与えられる様に作用する。
【0022】
図4に示す様にアウター振動体10とインナー振動体の結合部分の直径Dが外耳道入り口部の直径dより大きくしておく事によって、マッサージヘッド9を耳に押し当てて使用しても、インナー振動体11が鼓膜5に届かない形状にしておく事により、鼓膜5や耳の奥を傷つける心配がない。よって誰でも、マッサージ機を耳に押し当てるだけで容易に安心して使用する事が出来る。
【0023】
他の実施例として図5に示す様に、インナー振動体11が外耳道入り口で突き当たる様な形状とし、インナー振動体を外耳道内壁に密着させるという実施形態もある。
【0024】
図6に示す様に、アウター振動体10,インナー振動体11には溝12、あるいは図7の(ア)(イ)に示す様な通気道15を形成しているので、マッサージヘッド9を耳に押し当てて使用しても、マッサージヘッド9によって閉鎖された外耳道の内外での気圧差が主じないので、外耳道内部の空気圧の変動がなく心地よいマッサージ感が得られる。
【0025】
図8の様に溝12の山側部分13に突起14を施すことにより、さらにマッサージ感を向上させる事も出来る。
【0026】
アウター振動体10及びインナー振動体11を耳に押し当てた時にあえて変形させることにより溝や通気道を形成したと同様の効果をもららすことも出来る。
【0027】
また、図3に示す様に、マッサージヘッド装着部21に突起等を配設する事により、マッサージヘッドを取り外し、マッサージヘッド装着部21を直接体の各部に押し当てる事により、耳路以外の部位についても本マッサージ機にてマッサージを行う事が出来る。
【0028】
また、図9に示す様に、マッサージヘッド9を構成するアウター振動体10とインナー振動体11は特に境界がなく一体形状をしていてもなんら問題はない。インナー振動体11の形状は前記実施例の様な形状に限定されるものではなく、図10の(ウ)(エ)の様にアウター振動体10に脱着自在とし、用途により使い分ける事も可能である。
【0029】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変形実施できる構成を含むものである。因みに、上記実施例では、マッサーヘッドを振動させているが、例えばマッサージヘッドの先端を回転させる構成や、マッサージヘッドを振動及び回転できる様にして、そのいずれかを選択できる構成、その他微小進退する構成などにする事も出来る
【実施例】
【産業上の利用可能性】
【0030】
本考案は、外耳道のマッサージ機として、広く手軽に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】 本発明の一実施例の全体概観図である。
【図2】 本発明の、一実施例における全体断面図である
【図3】 本発明の、一実施例における説明図である
【図4】 図1に示すマッサージ機のマッサージヘッドを外耳道に挿入したところの説明図である。
【図5】 図3に示すマッサージヘッドの他の実施例を示す説明図である
【図6】 本発明のマッサージヘッド部の実施例の側面図と断面図である
【図7】 図5に示すマッサージヘッドの他の実施例を示す断面図である
【図8】 図5に示すマッサージヘッドの他の実施例を示す断面図である
【図9】 図5に示すマッサージヘッドの変形例の概観図である
【図10】 図5に示すマッサージヘッドの変形例の外観図である
【符号の説明】
【0032】
1. 耳介
2. 外耳道
3. 外耳道内
4. 外耳道外
9. マッサージヘッド
10. アウター振動体
11. インナー振動体
12. 溝
13. 山側部分
14. 突起
15. 通気道
20. 加振機構
21. アウター振動体 装着部
22. グリップ
23. 電源及びスピード切替スイッチ
30. 振動発生器
40. 電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外耳道の入口内径よりも大きな外径のアウター振動体と、
アウター振動体に固定した外耳道内壁を振動させるインナー振動体と、
アウター振動体とインナー振動体とを振動させる加振機構と
を含めて構成してあり、
該インナー振動体が外耳道内挿入可能な形状に形成してあり、
かつ該インナー振動体を外耳道に挿入しても鼓膜まで届かない形状に形成してあり、
かつ該アウター振動体及び/又はインナー振動体によって閉鎖された外耳道内外を連通させる通気道を該アウター振動体及び/又はインナー振動体に形成してある事を特徴とする
外耳道内壁マッサージ機。
【請求項2】
前記アウター振動体及び/又はインナー振動体には、前記通気道として機能する溝をその表面部分に有している事を特徴とする請求項1記載の外耳道内壁マッサージ機。
【請求項3】
前記アウター振動体及び/又はインナー振動体は、その内部に空気の通る通気道を形成している事を特徴とする請求項1又は2に記載の外耳道内壁マッサージ機。
【請求項4】
前記アウター振動体及び/又はインナー振動体は、少なくともその一部が、空気を通す事の出来る材料で形成されている事を特徴とする請求項1〜3に記載の外耳道内壁マッサージ機。
【請求項5】
前記通気道は前記アウター振動体及び/又はインナー振動体の使用時の変形によって外耳道内外の空気が連通可能となる様に形成されている事を特徴とする請求項1に記載の外耳道内壁マッサージ機。
【請求項6】
前記アウター振動は、マッサージ機本体と脱着機構を介して取り付けられる構造とした事を特徴とする請求項1〜5に記載の外耳道内壁マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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