説明

外蓋に内装部材が装着された容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器。

【課題】内装部材を外蓋に容易に装着することができ、高い気密性を備え、収容物の分別廃棄が容易な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することを目的とする。
【解決手段】外蓋の内周壁に、係合凸部を形成し、内装部材の外周側位置には、径方向外側に向けて斜め下方に突設する複数の係合片が形成されていて、内装部材を外蓋の内側に装着する際に、内装部材の複数の係合片が、前記係合凸部を乗り越えて、前記外蓋の内周壁と当接するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外蓋に内装部材が装着された容器の蓋、およびかかる容器の蓋を備える薬剤収容用の容器に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、内装部材として、内蓋の内部に乾燥剤などを収容した内蓋や、パッキンを外蓋に装着した容器の蓋であって、薬剤などが収容された容器を閉栓することにより、容器内の雰囲気を防湿または調湿された状態に維持するための技術、および用済み後には、内蓋の内部に収容されている乾燥剤などを、容易に分別廃棄し得るようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、容器内に湿気を嫌う例えば薬剤などを収容する場合には、容器の口部を蓋体により気密に閉止し、かかる蓋体の内部に乾燥剤を収容させて、この乾燥剤の吸湿機能または調湿機能により、容器内の雰囲気を所定の状態に保持するという防湿が行われている。
【0004】
このような防湿を実現させるため、外蓋の内側にパッキンを装着したものや、外蓋の内側に有底円筒状の内蓋を着脱可能に装着し、この内蓋の内部に乾燥剤を収容したものが知られている。そして、この外蓋の内側に内蓋を装着したものでは、内蓋の底壁に貫通させた通気孔を通して、容器内の雰囲気と乾燥剤とを接触させることで、乾燥剤に容器内の雰囲気に含まれる水分を吸湿させ、防湿を図るようにしている。
【0005】
また、容器内に収容していた薬剤などの全てが消費されて、容器を廃棄する段階では、乾燥剤を分別廃棄するため、内蓋の内部から乾燥剤を取り出す必要がある。
【0006】
このような容器の蓋に関して、図15、図16、図17、図18に示したような容器の蓋100が、本出願人により開示されている(特許文献1)。ここで、図15は、従来の容器の蓋100の部分省略断面図、図16は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が外蓋に装着される前の状態を示した図、図17は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が外蓋に装着された後の状態を示した図、図18は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込んだ後の状態を示した図である。
【0007】
なお、本明細書において、「上方」「上面」とは、外蓋の内側に内蓋を装着した際の外蓋の頂壁側を言い、「下方」「下面」とは、外蓋の内側に内蓋を装着した際の内蓋の底壁側を言う。
【0008】
この特許文献1の容器の蓋100は、図15に示したように、頂壁140と、この頂壁140と一体に形成された周壁142とを有する外蓋104、および底壁128と、この底壁128と一体に形成された周壁126とを有する内蓋102とを備えている。外蓋104の周壁142は、頂壁140の外周側位置から下方に向けて突設し、内蓋102の周壁126は、底壁128の外周側位置から上方に向けて突設している。
【0009】
また、外蓋104の内側には、内蓋102がその周壁126の先端側から装着されて、これにより、外蓋104の頂壁140と、内蓋102の周壁126および底壁128により囲まれた空間106が形成され、この空間106に乾燥剤108が収容されている。すなわち、外蓋104の内側に装着された内蓋102の内部には、乾燥剤108が収容されている。
【0010】
さらに、この内蓋102が装着された外蓋104が、薬剤が収容された容器105の口部152に嵌め込まれることで、容器105の口部152が閉止されている。
【0011】
外蓋104の内周壁142aには、容器105のネジ部153と螺合するネジ部143が形成されるとともに、その内周壁142aの頂壁140側には、環状に形成された係合凸部144が突設している。
【0012】
また、内蓋102の周壁126の先端には、径方向外側に向けて略水平に突設する環状フランジ130が、周壁126と一体に形成されている。この環状フランジ130には、環状フランジ130の内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部132と、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部134とが形成されている。この内周側環状凸部132の先端は、内蓋102が装着された外蓋104が容器105の口部152に嵌め込まれる前の状態において、外周側環状凸部134の先端よりも上方に位置するように形成されている。
【0013】
また、環状フランジ130には、外周側位置から径方向外側に突設する複数の係合片136、136、…が形成されている。この係合片136は、図16に示したように、内蓋102が外蓋104の内側に装着される前の状態では、環状フランジ130の外周側位置から径方向外側に向けて略水平に突設している。
【0014】
また、図16に示したように、外蓋104の中心線CL104から係合凸部144の基端までの長さr1´は、内蓋102と外蓋104との中心位置を合わせて、内蓋102を外蓋104の内側に装着した際に、内蓋102の中心線CL102から係合片136の先端までの長さr4´よりも短くなるように構成されている。また、外蓋104の中心線CL104から係合凸部144先端までの長さr2´は、内蓋102と外蓋104との中心位置を合わせて、内蓋102を外蓋104の内側に装着した際に、内蓋102の中心線CL102から係合片136の基端までの長さr3´よりも長くなるように構成されている。
【0015】
そして、図17に示したように、内蓋102の内周側環状凸部132が、外蓋104の頂壁140の下面140aに当設するように、内蓋102が外蓋104の内側に装着されると、内蓋102の複数の係合片136、136、…が、係合凸部144を乗り越えて、弾性変形した状態で、外蓋104の内周壁142aと当接する。これにより外蓋104と内蓋102とが係合されて、内蓋102が外蓋104に装着された状態で保持されるようになっている。
【0016】
また、図18に示したように、内蓋102の内周側環状凸部132が、外蓋104の頂壁140の下面140aに当接するように、内蓋102が外蓋104の内側に装着され、更に、内蓋102が装着された外蓋104が、容器105の口部152に嵌め込まれた際、すなわち、図17に示した状態の外蓋104が、容器105の口部152に嵌め込まれた際は、容器105の口部152の先端が、内蓋102の環状フランジ130の下面130aを圧接し、これにより環状フランジ130が上向きに湾曲するように弾性変形して、外周側環状凸部134が外蓋104の頂壁140の下面140aに当接する。
【0017】
したがって、内蓋102が装着された外蓋104が、容器105の口部152に嵌め込まれた状態では、内周側環状凸部132と、外周側環状凸部134の2箇所において、容器内の雰囲気が容器外の雰囲気から遮断されて、容器105を気密に保持できるようになっている。また、図15に示したように、内蓋102の底壁128に貫通させた通気孔129を通して、容器105内の雰囲気と乾燥剤108とを接触させて、乾燥剤108に容
器105内の雰囲気に含まれる水分を吸湿させ、防湿を図ることができるようになっている。
【0018】
さらに、底壁128には、外周部に弱化部131と、中央部に不図示の摘み片が形成されており、この摘み片を下向に引くことにより、底壁128の全体を弱化部131に沿って引き千切ることができるように構成されている。したがって、用済み時には、乾燥剤108を分別廃棄するため、この不図示の摘み片を引くだけで内蓋102から乾燥剤108を容易に取り出すことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2009−40435号公報
【特許文献2】公開実用昭和57−190761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、特許文献1の容器の蓋100では、係合片136が環状フランジ130の外周側位置から径方向外側に向けて略水平に突設しているため、内蓋102を外蓋104の内側に装着する際に、係合片136が係合凸部144を乗り越えるためには、係合片136を大きく弾性変形させる必要がある。しかし、複数の係合片136、136、…を大きく弾性変形させるためには、内蓋102に大きな押し込み力を作用させる必要があるため、内蓋102の装着作業性に劣るところがあった。
【0021】
また、内蓋102を外蓋104の内側に装着する際に、押し込み力が偏って作用した場合や、内蓋102や外蓋104に寸法誤差があると、複数の係合片136、136、…が不均等に弾性変形した状態で係合凸部144を乗り越え、内蓋102が傾いた状態で外蓋104と係合される。また、内蓋102が外蓋104に装着された後に、内蓋102および外蓋104に外部から衝撃が加わると、内蓋102が傾いた状態で外蓋104と係合される場合がある。すなわち、図19に示したように、複数の係合片136、136、…のうち、ある係合片136aは、略水平の状態に復元して内周壁142aと当接し、これと対向する位置にある係合片136bは、下向きに大きく弾性変形した状態で内周壁142aと当接して、所謂芯ずれを起こした状態で、内蓋102と外蓋104とが係合される。
【0022】
この芯ずれを起こした状態で、内蓋102と外蓋104とが係合されると、内周側環状凸部132および外周側環状凸部134と、頂壁140の下面140aとが、全周に亘って均等に当接しないため、容器105の気密性が低下してしまうとの問題が生じていた。
【0023】
なお、特許文献1には、多少芯ずれを起こした状態であっても、外蓋104を容器105の口部152に嵌め込むことにより、内蓋102が調芯されるように変位する旨が記載されている。しかし、図19に示した係合片136aのように、略水平の状態にまで復元してしまうと、この係合片136aに水平方向の力が作用しても弾性変形しないため、内蓋102が装着された外蓋104を容器105の口部152に嵌め込むことによっても、複数の係合片136,136、…を均等に弾性変形した状態に戻すことは困難である。
【0024】
上述した問題に対応するため、小さな押し込み力で、内蓋102を外蓋104の内側に装着できるよう、係合片136の長さを短くすることや、係合片136の剛性を小さくすることが考えられる。しかし、この場合には、内蓋102と外蓋104との係合力も小さくなってしまうため、内蓋102の底壁128を引き千切って、内蓋102から乾燥剤108を取り出そうとした際に、内蓋102が外れてしまうとの、新たな問題が生じてしまう。
【0025】
また、公開実用昭和57−190761には、図20に示したように、頂壁240と周壁242とを有する外蓋204と、底壁228と周壁226とを有する内蓋202とを備え、外蓋204の内周壁242aには係合凸部244が突設し、内蓋202の周壁226の先端に径方向外側に向けて斜め下方に突設する環状フランジ230が形成された、容器の蓋200が開示されている(特許文献2)。
【0026】
この特許文献2の容器の蓋200では、環状フランジ230が斜め下方に突設することで、内蓋202を外蓋204の内側に装着し易く、且つ、内蓋202が外蓋204から外れ難く構成されているものの、気密性については何ら考慮されておらず、気密性が要求される容器の蓋に使用することは出来なかった。
【0027】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであって、小さな押し込み力で内装部材を外蓋の内側に装着することができ、且つ、装着された内装部材が外れ難い容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、内装部材が外蓋に芯ずれを起こした状態で装着された場合であっても、外蓋を容器の口部に嵌め込むことにより、容易に調芯することが可能な、容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することを目的とする。
【0029】
さらに、本発明は、内装部材が外蓋に装着された後に、内装部材および外蓋に外部から衝撃が加わった場合でも、気密性が低下しない容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することを目的とする。
【0030】
また、本発明は、内装部材たる内蓋から収容物を取り出す際に、収容物だけを容易に取り出すことができ、蓋と収容物の分別廃棄が容易な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、上述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、本発明の容器の蓋は、
頂壁と周壁とを有する外蓋と、
前記外蓋の内側に装着される内装部材とを備え、
前記内装部材が装着された外蓋を容器の口部の嵌め込むことで、容器の口部を閉止して、容器内を気密に保持するように構成された容器の蓋であって、
前記外蓋の内周壁には、係合凸部が突設し、
前記内装部材の外周側位置には、径方向外側に向けて斜め下方に突設する複数の係合片が形成されていて、
前記内装部材を前記外蓋の内側に装着する際に、
前記内装部材の複数の係合片が、前記係合凸部を乗り越えて、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることを特徴とする。
【0032】
このように構成することによって、係合片が内装部材の外周側位置から径方向外側に向けて斜め下方に突設するため、従来と比べて小さな押し込み力で、内装部材を外蓋に装着することができ、外蓋のネジ部と内装部材の係合片との干渉に起因する、係合片の破断、折れ込み、粉吹きなどを防止することができる。また、後述するように、内装部材が自動的に調芯されることと相まって、従来と比べてシビアな位置決めを行わずとも、芯ずれを起こすことなく内装部材を外蓋に装着することができ、内装部材の装着作業性に優れるとともに、歩留りも向上する。
【0033】
また、芯ずれを起こした状態で内装部材と外蓋とが係合された場合であっても、内装部材が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込むことで、内装部材が自動的に調芯されるため、安定して高い気密性を備えた容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0034】
さらに、内装部材が外蓋に装着された後に、内装部材および外蓋に外部から衝撃が加わった場合でも、芯ずれが生じ難く、気密性が低下しないため、安定して高い気密性を備えた容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0035】
また、係合片が内装部材の外周側位置から径方向外側に向けて斜め下方に突設するため、内装部材を外蓋の内側に装着した後に、内装部材を外蓋から引き抜こうとする力が作用したとしても、内装部材が外蓋から外れ難く、内装部材と外蓋とを確実に係合することが可能な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0036】
上記発明において、前記内装部材が、底壁と周壁とを有する内蓋であって、
前記内蓋を前記外蓋の内側に装着することで、外蓋の頂壁と、内蓋の周壁および底壁により囲まれた空間が形成されるよう構成されているとともに、
前記内蓋の周壁の先端には、径方向外側に向けて略水平に突設する環状フランジが形成されていて、
前記複数の係合片は、前記環状フランジの外周側位置に形成されていることが望ましい。
【0037】
このように構成することによって、外蓋の内側に内蓋を装着することで、外蓋の頂壁と、内壁の周壁および底壁により囲まれた空間が形成されるため、この空間に、例えば乾燥剤などの収容物を収容することができる容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0038】
また、上記発明において、前記環状フランジには、内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部と、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部とが形成されており、
前記内蓋を前記外蓋の内側に装着する際に、前記内周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接し、
前記内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込む際に、前記外周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接して、
これにより、前記容器内を気密に保持するように構成されていることが望ましい。
【0039】
このように構成することによって、内周側環状凸部と外周側環状凸部の2箇所において、容器内の雰囲気が容器外の雰囲気から遮断されるため、高い気密性を長期間に亘り維持することが可能な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0040】
また、上記発明において、前記内蓋の底壁の外周部には、引き千切り可能な程度に弱められた線状の弱化部が形成されていることが望ましい。
【0041】
このように構成することによって、内蓋を外蓋の内側に装着した状態で、内蓋の底壁を容易に引き千切ることができるため、内蓋を外蓋から取り外すことなく、内蓋内部の収容物を容易に取り出すことができる容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0042】
また、上記発明において、前記外蓋の頂壁と、前記内蓋の周壁および底壁により囲まれた前記空間に乾燥剤が収容されることが望ましい。
【0043】
このように構成することによって、用済み後に、内蓋を外蓋から取り外すことなく、内蓋内部の乾燥剤を容易に取り出すことができるため、乾燥剤の分別廃棄が容易な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0044】
上記発明において、前記内装部材が、平板状に形成されたパッキンであることが望ましい。
【0045】
また、上記発明において、前記パッキンには、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部と、
前記外周側環状凸部の内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部とが形成されており、
前記パッキンが装着された外蓋を容器の口部に嵌め込む際に、前記外周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接して、
これにより、前記容器内を気密に保持するように構成されていることが望ましい。
【0046】
このように構成することによって、小さな押し込み力でパッキンを外蓋の内側に装着することができ、且つ、装着されたパッキンが外れ難いため、安定して高い気密性を備えた容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0047】
また、内周側環状凸部と外周側環状凸部の2箇所において、容器内の雰囲気が容器外の雰囲気から遮断されるため、高い気密性を長期間に亘り維持することが可能な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0048】
上記発明において、前記内蓋の複数の係合片が、弾性変形した状態で、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることが望ましい。
【0049】
このように構成することによって、芯ずれを起こした状態で内装部材と外蓋とが係合された場合であっても、内装部材が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込むことで、内装部材が自動的に調芯されるとの調芯作用がより効果的に発揮される。
【0050】
また、内装部材が外蓋に装着された後に、内装部材および外蓋に外部から衝撃が加わった場合でも、より芯ずれが生じ難いため、より安定して高い気密性を備えた容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0051】
上記発明において、前記環状フランジの外側位置には、相互に隣接する前記複数の係合片の間に、略水平に突設する複数の案内片が形成され、
前記案内片は、前記係合片よりも肉厚に形成されており、
前記内蓋を前記外蓋の内側に装着する際に、
前記複数の案内片が、前記係合凸部を乗り越えて、略水平に突設した状態で、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることが望ましい。
【0052】
このように構成することによって、内装部材を外蓋の内側に装着する際や、内装部材が外蓋に装着された後に、内装部材および外蓋に外部から衝撃が加わった際に、より芯ずれが生じ難い容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0053】
また、内装部材を外蓋の内側に装着した後に、内装部材に外蓋から引き抜こうとする力が作用したとしても、内装部材が外蓋からより外れ難くなるため、内装部材と外蓋とを確実に係合することが可能な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供
することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、小さな押し込み力で内装部材を外蓋の内側に装着することができ、且つ、装着された内装部材が外れ難い容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0055】
また、本発明によれば、内装部材が外蓋に芯ずれを起こした状態で装着された場合であっても、外蓋を容器の口部に嵌め込むことにより、容易に調芯することが可能な、容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0056】
さらに、本発明によれば、内装部材が外蓋に装着された後に、内装部材および外蓋に外部から衝撃が加わった場合でも、気密性が低下しない容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【0057】
また、本発明によれば、内装部材たる内蓋から収容物を取り出す際に、収容物だけを容易に取り出すことができ、蓋と収容物の分別廃棄が容易な容器の蓋、および該容器の蓋を備える薬剤収容用の容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明の容器の蓋であって、内蓋が外蓋の内側に装着される前の状態を示した斜視図である。
【図2】図2は、本発明の容器の蓋の部分省略断面図である。
【図3】図3は、本発明の容器の蓋の内蓋を示した平面図である。
【図4】図4は、図2のA部の拡大図で、外蓋に内蓋が装着される前の状態を示した図である。
【図5】図5は、図2のA部の拡大図で、外蓋に内蓋が装着された後の状態を示した図である。
【図6】図6は、図2のA部の拡大図で、内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込んだ後の状態を示した図である。
【図7】図7は、内蓋が外蓋に装着される際、係合片が弾性変形する状態を説明する図である。
【図8】図8は、本発明の容器の蓋が、芯ずれした状態を示した断面図である。
【図9】図9は、内蓋が外蓋に装着された状態で、内蓋を引き抜こうとした際、係合片が弾性変形する状態を説明する図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施形態の容器の蓋の内蓋の平面図である。
【図11】図11は、図10のA−A線での部分拡大断面図で、内蓋が外蓋に装着される前の状態を示した図である。
【図12】図12は、図10のA−A線での部分拡大断面図で、内蓋が外蓋に装着された後の状態を示した図である。
【図13】図13は、本発明の第3の実施形態の容器の蓋のパッキンの平面図である。
【図14】図14は、図13のA−A線での部分省略断面図である。
【図15】図15は、従来の容器の蓋100の部分省略断面図である。
【図16】図16は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が外蓋に装着される前の状態を示した図である。
【図17】図17は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が外蓋に装着された後の状態を示した図である。
【図18】図18は、図15のA部の部分拡大図で、内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込んだ後の状態を示した図である。
【図19】図19は、従来の容器の蓋100が、芯ずれした状態を示した断面図である。
【図20】図20は、従来の容器の蓋200を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいてより詳細に説明する。
<第1の実施形態> 図1は、本発明の容器の蓋であって、内蓋が外蓋の内側に装着される前の状態を示した斜視図、図2は、本発明の容器の蓋の部分省略断面図、図3は、本発明の容器の蓋の内蓋を示した平面図、図4は、図2のA部の拡大図で、内蓋が外蓋に装着される前の状態を示した図、図5は、図2のA部の拡大図で、内蓋が外蓋に装着された後の状態を示した図、図6は、図2のA部の拡大図で、内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込んだ後の状態を示した図である。
【0060】
本発明の容器の蓋1は、図1に示したとおり、内蓋2と外蓋4とから構成され、内部に乾燥剤8を収容した内蓋2が、外蓋4の内側に装着されることで、図2に示すとおりに組み立てられる。
【0061】
この本発明の容器の蓋1は、図1および図2に示したように、略円形状をなした頂壁40と、この頂壁40と一体に形成された周壁42とを有する外蓋4、および略円形状をなした底壁28と、この底壁28と一体に形成された周壁26とを有する内蓋2とを備えており、外蓋4の周壁42は、頂壁40の外周側位置から下方に向けて突設し、内蓋2の周壁26は、底壁28の外周側位置から上方に向けて突設している。
【0062】
また、外蓋4の内側には、内蓋2がその周壁26の先端側から装着されて、これにより、外蓋4の頂壁40と、内蓋2の周壁26および底壁28により囲まれた空間6が形成され、この空間6に例えばシリカゲルなどの乾燥剤8が収容されている。すなわち、外蓋4の内側に装着された内蓋2の内部には、乾燥剤8が収容されている。
【0063】
さらに、この内蓋2が装着された外蓋4が、薬剤が収容された容器5の口部52に嵌め込まれることで、容器5の口部52が閉止されている。
【0064】
外蓋4の内周壁42aには、容器5のネジ部53と螺合するネジ部43が形成されるとともに、その内周壁42aの頂壁40側には、内周壁42aの内周に沿って、係合凸部44が環状に突設している。
【0065】
なお、係合凸部44の形状は、特に限定されないが、本実施例では、係合片36が乗り越え易く、且つ、係合片36と係合し易いよう、断面視で湾曲状に突出している。
【0066】
また、内蓋2の周壁26の先端には、径方向外側に向けて略水平に突設する環状フランジ30が、周壁26と一体に形成されている。この環状フランジ30には、環状フランジ30の内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部32と、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部34とが形成されている。この内周側環状凸部32の先端は、内蓋2が装着された外蓋4が容器5の口部52に嵌め込まれる前の状態において、外周側環状凸部34の先端よりも上方に位置するように形成されている。
【0067】
また、環状フランジ30には、外周側位置から径方向外側に突設する複数の係合片36、36、…が形成されている。この複数の係合片36、36、…は、図3に示したように、環状フランジ30の外周側位置に等間隔に配設されており、本実施例では12個形成されている。また、この係合片36は、図4に示したように、内蓋2が外蓋4の内側に装着される前の状態では、環状フランジ30の外周側位置から径方向外側に向けて斜め下方に
突設している。また、この複数の係合片36、36、…の形状は、下側に向けて弾性変形し易いように、上面側が急傾斜をなして、先端側に向けて徐々に薄肉になるように形成されており、その基端部の厚さは、環状フランジ30の厚さの約1/2となっている。また、この複数の係合片36、36、…は、全て同一の形状に形成されている。
【0068】
なお、この複数の係合片36、36、…の数は、少なくとも複数個形成されていればよく、容器5および蓋1の形状により適当な数とすることができる。また、複数の係合片36、36、…の配置間隔も、特に限定されないが、内蓋2を外蓋4の内側に装着する際に、複数の係合片36、36、…が均等に弾性変形して、芯ずれを起こすことがないように、略等間隔に配設されていることが好ましい。
【0069】
また、図4に示したように、外蓋4の中心線CL4から係合凸部44の基端までの長さr1は、内蓋2と外蓋4との中心位置を合わせて、内蓋2を外蓋4の内側に装着した際に、内蓋2の中心線CL2から係合片36の先端までの長さr4よりも短くなるように構成されている。また、外蓋4の中心線CL4から係合凸部44先端までの長さr2は、内蓋2と外蓋4との中心位置を合わせて、内蓋2を外蓋4の内側に装着した際に、内蓋2の中心線CL2から係合片36の基端までの長さr3よりも長くなるように構成されている。すなわち、内蓋2の内周側環状凸部32が、外蓋4の頂壁40の下面40aに当接するように、内蓋2が外蓋4の内側に装着された際に、内蓋の複数の係合片36、36、…が、係合凸部44を乗り越えて、弾性変形した状態で、外蓋4の内周壁42aと当接するように構成されている。
【0070】
そして、図5に示したように、内蓋2の内周側環状凸部32が、外蓋4の頂壁40の下面40aに当設するように、内蓋2が外蓋4の内側に装着されると、内蓋2の複数の係合片36、36、…が、係合凸部44を乗り越えて、弾性変形した状態で、外蓋4の内周壁42aと当接する。これにより外蓋4と内蓋2とが係合されて、内蓋2が外蓋4に装着された状態で保持されるようになっている。
【0071】
なお、本実施例では、複数の係合片36、36、…は、弾性変形した状態で、外壁4の内周壁42aと当接するが、本発明の複数の係合片36、36、…は、内周壁42aと当接するように構成されていればよく、必ずしも弾性変形した状態で、内周壁42aと当接してなくともよい。すなわち、図4に示した、外蓋4の中心線CL4から係合凸部44の基端までの長さr1は、内蓋2と外蓋4との中心位置を合わせて、内蓋2を外蓋4の内側に装着した際に、内蓋2の中心線CL2から係合片36の先端までの長さr4と略同一の長さになるように構成されてもよい。
【0072】
ただし、後述するように、芯ずれを起こした状態で内蓋と外蓋とが係合された場合であっても、内蓋2が装着された外蓋4を容器5の口部52に嵌め込むことで、内蓋4が自動的に調芯されるとの調芯作用をより効果的に発揮させるため、および内蓋2が外蓋4に装着された後に、内蓋2および外蓋4に外部から衝撃が加わった場合でも、より芯ずれを生じ難くするために、複数の係合片36、36、…は、弾性変形した状態で、外壁4の内周壁42aと当接するように構成されていることが望ましい。
【0073】
また、図6に示したように、内蓋2の内周側環状凸部32が、外蓋4の頂壁40の下面40aに当接するように、内蓋2が外蓋4の内側に装着され、更に、内蓋2が装着された外蓋4が、容器5の口部52に嵌め込まれた際、すなわち、図5に示した状態の外蓋4が、容器5の口部52に嵌め込まれた際は、容器5の口部52の先端が、内蓋2の環状フランジ30の下面30aを圧接し、これにより環状フランジ30が上向きに湾曲するように弾性変形して、外周側環状凸部34が外蓋4の内周壁42aに当接する。
【0074】
したがって、内蓋2が装着された外蓋4が、容器5の口部52に嵌め込まれた状態では、内周側環状凸部32と、外周側環状凸部34の2箇所において、容器内の雰囲気が容器外の雰囲気から遮断されて、容器5を気密に保持できるようになっている。また、図2および図3に示したように、内蓋2の底壁28に貫通させた通気孔29を通して、容器5内の雰囲気と乾燥剤8とを接触させて、乾燥剤8に容器5内の雰囲気に含まれる水分を吸湿させ、防湿を図ることができるようになっている。
【0075】
なお、本実施例では、容器5内を気密に保持するように構成するため、環状フランジ30には、内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部32と、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部34とが形成されているが、本発明の容器の蓋1は、これに限定されない。
【0076】
すなわち、本発明の容器の蓋1は、容器5内を気密に保持するように構成されていればよく、例えば、環状フランジ30の上面と、頂壁40の下面40aとが当接することで、容器5内を気密に保持するように構成してもよく、また、例えば、頂壁40の下面40aに環状の突起を形成して、かかる環状の突起と環状フランジ30の上面とが当接することで、容器5内を気密に保持するように構成してもよい。さらに、例えば、容器5の気密性を向上させるために、外蓋4の頂壁40の下面40aにシート状のパッキンを配置して、頂壁40の下面40aと、環状フランジ30の上面や、内周側環状凸部32および外周側環状凸部34とで、挟み込むように構成してもよい。
【0077】
さらに、底壁28には、図2および図3に示したように、外周部に弱化部31と、中央部に摘み片33とが形成されており、この摘み片33を下向に引くことにより、底壁28の全体を弱化部31に沿って引き千切ることができるように構成されている。したがって、用済み時には、乾燥剤8を分別廃棄するため、この摘み片33を引くだけで内蓋2から乾燥剤8を容易に取り出すことができるようになっている。
【0078】
なお、内蓋2は、容器5の気密性、環状フランジ30の弾性、および弱化部31の引き千切り容易性の観点から、合成樹脂成形により形成すればよく、従来と同様に、例えばPE−LD(低密度ポリエチレン)、PE−LLD(リニア低密度ポリエチレン)、PE−MD(中密度ポリエチレン)等のオレフィン系の素材を単独で使用したり、あるいは、これらのいずれかの素材に対しPE−HD(高密度ポリエチレン)、EVA(エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂)もしくはエラストマー等をブレンドしたものを使用することができる。
【0079】
また、外蓋4および容器5の材料としても、従来と同様に、各種の合成樹脂成形材料を使用することが可能であるが、容器5に薬剤を収容する場合は、固形製材用プラスチックボトルの標準化の要請(「固形製材用プラスチックボトルの標準化」医薬品包装材料標準化委員会 篠田晃 PHARM TECH JAPAN Vol.17 No.7 2001 p27−39)に従い、外蓋4および容器5をPE−HD(高密度ポリエチレン)により形成し、内蓋2をPE−LD(低密度ポリエチレン)を主体にして形成するのが好ましい。
【0080】
また、弱化部31は、引き千切り可能な程度に弱められていればよく、特に限定されない。本実施例の弱化部51は、断面形状が略V字状の凹溝を、底壁28の下面側に形成したものである。
【0081】
次に、本発明の係合片36の作用について、図7、図8、図9を参照しつつ、従来の係合片136と対比して説明する。
【0082】
図7は、内蓋が外蓋に装着される際、係合片が弾性変形する状態を説明する図で、図7
(A)は、従来の容器の蓋100の係合片136が弾性変形した状態と、その際の作用力を、図7(B)は、本発明の容器の蓋1の係合片36が弾性変形した状態と、その際の作用力を、それぞれ説明するものである。図8は、本発明の容器の蓋が、芯ずれした状態を示した断面図である。図9は、内蓋が外蓋に装着された状態で、内蓋を引き抜こうとした際、係合片が弾性変形する状態を説明する図で、図9(A)は、従来の容器の蓋100の係合片136が弾性変形した状態を、図9(B)は、本発明の容器の蓋1の係合片36が弾性変形した状態を、それぞれ示している。
【0083】
従来の容器の蓋100では、図7(A)に示したように、内蓋102に上向きの押し込み力P1´を作用させて、内蓋102を外蓋104に装着する際、係合片136が内周壁142aに押圧されて、図中点線で表示した略水平に突設した状態から、係合片136の基端を中心として、角度α´だけ下向きに回転するように弾性変形する。すると、この係合片136には、元の略水平の状態に戻ろうとする弾性復元力F1´が図中の矢印F1´方向に発生し、この反力として、内周壁142aから反力R1´が係合片136に作用する。この反力R1´の鉛直成分をRv1´、水平成分をRh1´とすると、内蓋102を外蓋に104に装着する際に必要な押し込み力P1´は、係合片136と内周壁142aとの摩擦抵抗を無視すれば、反力R1´の鉛直成分Rv1´と等しい。
【0084】
これに対して、本発明の容器の蓋1では、図7(B)に示したように、内蓋2に上向きの押し込み力P1を作用させて、内蓋2を外蓋4に装着する際、係合片36が内周壁42aに押圧されて、図中点線で表示した斜め下方に突設した状態から、係合片36の基端を中心として、角度αだけ下向きに回転するように弾性変形する。すると、この係合片36には、元の略水平の状態に戻ろうとする弾性復元力F1が図中の矢印F1方向に発生し、この反力として、内周壁42aから反力R1が係合片36に作用する。この反力R1の鉛直成分をRv1、水平成分をRh1とすると、内蓋2を外蓋に4に装着する際に必要な押し込み力P1は、係合片36と内周壁42aとの摩擦抵抗を無視すれば、反力R1の鉛直成分Rv1と等しい。
【0085】
ここで、本発明の係合片36の回転角度αは、従来の係合片136の回転角度α´よりも小さく、弾性復元力F1もF1´よりも小さいため、反力R1はR1´よりも小さい。さらに、本発明の係合片36は、斜め下方に突設している状態から、さらに下方に向けて弾性変形するため、反力R1は、反力R1´と比べて、より水平に近い方向に作用する。すなわち、反力R1に占める鉛直成分Rv1の割合は、反力R1´に占める鉛直成分Rv1´に比して小さい。
【0086】
したがって、本発明の容器の蓋1では、従来の容器の蓋100と比べて、小さい押し込み力P1で、内蓋2を外蓋4の内側に装着することができるため、装着作業性に優れる。
【0087】
また、本発明の容器の蓋1では、内蓋2と外蓋4とが芯ずれした状態で係合されたとしても、内蓋2が装着された外蓋4を容器5の口部52に嵌め込むことにより、内蓋2と外蓋4とを自動的に調芯することが可能である。
【0088】
すなわち、図8に示したように、内蓋2と外蓋4とが芯ずれした状態で係合された状態において、図6に示したように、容器5の口部52が嵌め込まれると、容器5の口部52の先端が、内蓋2の環状フランジ30の下面30aを圧接し、これにより環状フランジ30が上向きに湾曲するように弾性変形して、複数の係合片36、36、…が内周壁42aに圧接される。この際、複数の係合片36、36、…が不均等に弾性変形していると、大きく弾性変形している係合片36bから、斜め下方に突接した状態に復元している係合片36aに向かって、水平方向の力が作用する。すると、この係合片36aは、斜め下方に突接していることから、内周壁42aに圧接されて、再び下向きに弾性変形し、これによ
り内蓋2が調芯される。
【0089】
このように、本発明の容器の蓋1では、芯ずれを起こした状態で、内蓋2と外蓋4とが係合されたとしても、容器5の口部52が嵌めこまれることで、内蓋2と外蓋4とが自動的に調芯されるため、高い気密性を安定的に備えることが可能である。
【0090】
さらに、本発明の容器の蓋1では、内蓋が外蓋に装着された後に、内蓋2および外蓋4に外部から衝撃が加わった場合でも、芯ずれが生じ難いため、気密性が低下しない。
【0091】
すなわち、従来の容器の蓋100においては、内蓋102が外蓋104に装着された後に、内蓋102および外蓋104に外部から衝撃が加わると、図19に示したように、係合片136aが略水平の状態に復元し、芯ずれを起こして、気密性が低下する場合がある。
【0092】
これに対して、本発明の容器の蓋1では、内蓋2が外蓋4に装着された後に、内蓋2および外蓋4に外部から衝撃が加わり、瞬間的に内蓋2と外蓋4とが芯ずれして、図8に示したように、係合片36aが元の斜め下方に突設した状態に復元したとしても、次の瞬間には、大きく弾性変形した係合片36bから係合片36aに向かって水平方向の力が作用する。すると、この係合片36aは、斜め下方に突設していることから、内周壁42aに圧接されて、再び下向きに弾性変形し、これにより内蓋2と外蓋4との芯ずれが解消する。
【0093】
このように、本発明の容器の蓋1では、内蓋2が外蓋4に装着された後に、内蓋2および外蓋4に外部から衝撃が加わった場合でも、係合片36が斜め下方に突設していることから、芯ずれが生じ難い。したがって、従来のように気密性が低下することがなく、高い気密性を安定的に備えることが可能である。
【0094】
また、従来の容器の蓋100では、図9(A)に示したように、内蓋102に下向きの引き抜き力P2´を作用させた際、係合片136が内周壁142aに押圧されて、図中点線で表示した略水平に突設した状態から、係合片136の基端を中心として、角度β´だけ上向きに回転するように弾性変形する。すると、この係合片136には、元の略水平の状態に戻ろうとする弾性復元力F2´が図中の矢印F2´方向に発生し、この反力として、内周壁142aから反力R2´が係合片136に作用する。この反力R2´の鉛直成分をRv2´、水平成分をRh2´とすると、内蓋102を外蓋104から引き抜くのに必要な引き抜き力P2´は、係合片136と内周壁142aとの摩擦抵抗を無視すれば、反力R2´の鉛直成分Rv2´と等しい。
【0095】
これに対して、本発明の容器の蓋1では、図9(B)に示したように、内蓋2に下向きの引き抜き力P2を作用させた際、係合片36が内周壁42aに押圧されて、図中点線で表示した斜め下方に突設した状態から、係合片36の基端を中心として、角度βだけ上向きに回転するように弾性変形する。すると、この係合片36には、元の略水平の状態に戻ろうとする弾性復元力F2が図中の矢印F2方向に発生し、この反力として、内周壁42aから反力R2が係合片36に作用する。この反力R2の鉛直成分をRv2、水平成分をRh2とすると、内蓋2を外蓋4から引き抜くのに必要な引き抜き力P2は、係合片36と内周壁42aとの摩擦抵抗を無視すれば、反力R2の鉛直成分Rv2と等しい。
【0096】
ここで、本発明の係合片36の回転角度βは、従来の係合片136の回転角度β´よりも大きく、弾性復元力F2もF2´よりも大きいため、反力R2はR2´よりも大きい。さらに、本発明の係合片36は、斜め下方に突設している状態から、水平の状態を越えて、斜め上方に弾性変形するため、反力R2は、反力R2´と比べて、より鉛直に近い方向
に作用する。すなわち、反力R2に占める鉛直成分Rv2の割合は、反力R2´に占める鉛直成分Rv2´に比して大きい。
【0097】
したがって、本発明の容器の蓋1では、従来の容器の蓋100と比べて、内蓋2を外蓋4から引き抜く際に、大きな引き抜き力P2を要するため、例えば、内蓋2の底壁28を引き千切る際に、内蓋2が外れてしまうことがなく、内蓋2と外蓋4とを確実に係合することができる。
【0098】
なお、環状フランジ30と係合片36とのなす角度は、直角すなわち90度に近いほど、小さな押し込み力で、内蓋2を外蓋4の内側に装着することができ、また、内蓋2が外蓋4から外れ難くなるが、一方において、係合片36が下向きに長く形成する必要がある。したがって、環状フランジ30と係合片36とのなす角度は、係合片36が長くなり過ぎて、係合片の破断、折れ込みが生ずることのないよう、30度以上60度以下の範囲で形成されるのが好ましく、本実施例では、45度に形成されている。
<第2の実施形態>
図10、図11、図12は、本発明の第2の実施形態の容器の蓋1を示した図である。図10は、本発明の第2の実施形態の容器の蓋の内蓋の平面図、図11は、図10のA−A線での部分拡大断面図で、内蓋が外蓋に装着される前の状態を示した図、図12は、図10のA−A線での部分拡大断面図で、内蓋が外蓋に装着された後の状態を示した図である。なお、先に説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0099】
この第2の実施形態の容器の蓋1では、図10に示したように、内蓋2の環状フランジ30の外周側位置に、複数の案内片37、37、…が形成されている。この複数の案内片37、37、…は、相互に隣接する複数の係合片36、36、…の中間に形成されており、本実施例では略等間隔に10個が形成されている。
【0100】
また、この案内片37は、図11に示したように、環状フランジ30の外周側位置から略水平に突設しており、案内片37の上面側には、係合凸部44を乗り越え易いように、曲線状のテーパが付されている。また、この案内片37は、係合片36よりも肉厚に形成されており、本実施例では、その基端部の厚さが、環状フランジ30の厚さと略同一に形成されている。また、この複数の案内片37、37、…は、全て同一の形状に形成されている。
【0101】
また、この複数の案内片37、37…は、図11に示したように、内蓋2と外蓋4との中心を合わせて、内蓋2を外蓋4の内側に装着した際に、内蓋2の中心線CL2から案内片37の先端までの距離r5が、外蓋4の中心線CL4から係合凸部44の基端までの長さr1と、ほぼ等しい長さとなるように構成されている。すなわち、内蓋2の内周側環状凸部32が、外蓋4の頂壁40の下面40aに当接するように、内蓋2が外蓋4の内側に装着された際に、複数の案内片37、37、…が、係合凸部44を乗り越えて、略水平に突設した状態で、外蓋2の内周壁42aと当接するように構成されている。
【0102】
そして、図12に示したように、内蓋2の内周側環状凸部32が、外蓋4の頂壁40の下面40aに当設するように、内蓋2が外蓋4の内側に装着されると、複数の係合片36、36、…とともに、この複数の案内片37、37、…が、外蓋4の内周壁42aに突設した係合凸部44を乗り越えて、略水平に突設した状態で、外蓋4の内周壁42aと当接する。
【0103】
このように、この複数の案内片37、37、…は、内蓋2を外蓋4の内側に装着する際に、元の略水平に突設した状態のまま外壁4の内周壁42aと当接するため、水平方向の
力が作用しても、弾性変形しない。また、係合片36よりも肉厚に形成されているため、斜め方向の力に対しても、弾性変形し難い。
【0104】
したがって、このような複数の案内片37、37、…が形成されている容器の蓋1は、内蓋2が外蓋4に装着された後に、内蓋2および外蓋4に外部から衝撃が加わっても、内蓋2が左右方向にずれないので、より芯ずれが生じ難い。また、内蓋2を外蓋4の内側に装着する際に、案内片37がガイドとなって、内蓋2が左右方向にずれて装着されるのを防止するため、より芯ずれが生じ難い。
【0105】
さらに、内蓋2が外蓋4に装着された後に、内蓋2に外蓋4から引き抜こうとする力が作用したとしても、複数の係合片36、36、…と同様に、この複数の案内片37、37、…も係合凸部44と係合して、引き抜き力に抗するため、内蓋2が外蓋4からより外れ難くなり、内蓋2と外蓋4とを確実に係合することが可能となる。
【0106】
なお、この複数の案内片37、37、…の数は、少なくとも複数個形成されていればよく、容器5および蓋1の形状により適当な数とすることができる。また、複数の案内片37、37、…の配置間隔も、特に限定されないが、内蓋2を外蓋4の内側に装着する際に、内蓋2が左右方向にずれるのを効果的に防止できるよう、略等間隔に配設されていることが好ましい。
<第3の実施形態>
なお、外蓋4の内側に装着される内装部材は、内蓋2に限定されず、例えば、パッキン7であってもよい。
【0107】
図13、図14は、本発明の第3の実施形態を示した図で、外蓋4に装着される内装部材がパッキン7である容器の蓋1を示している。ここで、図13は、本発明の第3の実施形態の容器の蓋のパッキンの平面図、図14は、図13のA−A線での部分省略断面図である。なお、先に説明した部材と同一の部材には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0108】
この第3の実施形態の容器の蓋1では、図14に示したように、外蓋4の内側にパッキン7が装着されている。このパッキン7は、図13に示したように、平面視で略円形状に形成され、平板状をなしている。このパッキン7の外周には、複数の係合片76、76、…と、複数の案内片77、77、…とが形成されており、本実施例では、それぞれ略等間隔に8個づつ形成されている。
【0109】
この複数の係合片76、76、…は、先に説明した第1、2の実施形態の係合片36、36、…と同様に、パッキン7が外蓋4の内側に装着される前の状態では、パッキン7の外周側位置から径方向外側に向けて斜め下方に突設している。また、この係合片76の形状は、下側に向けて弾性変形し易いように、上面側が急傾斜をなして、先端側に向けて徐々に薄肉になるように形成されており、その基端部の厚さは、パッキン7の厚さの約1/2となっている。また、この複数の係合片76、76、…は、全て同一の形状に形成されている。
【0110】
また、複数の案内片77、77、…は、先に説明した第2の実施形態の複数の案内片37、37、…と同様に、パッキン7の外周側位置から略水平に突設しており、パッキン7を外蓋4の内側に装着する際に、元の略水平に突設した状態のまま外壁4の内周壁42aと当接するように構成されている。また、案内片77の上面側には、係合凸部44を乗り越え易いように、曲線状のテーパが付されている。この案内片77は、係合片76よりも肉厚に形成されており、本実施例では、その基端部の厚さが、パッキン7の厚さと略同一に形成されている。また、この複数の案内片77、77、…は、全て同一の形状に形成さ
れている。
【0111】
また、パッキン7には、パッキン7の外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部7
2と、この外周側環状凸部74よりも内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部とが形成されている。また、先に説明した第1、2の実施形態の内蓋2と同様に、この内周側環状凸部72の先端は、パッキン7が装着された外蓋4が容器5の口部52に嵌め込まれる前の状態において、外周側環状凸部74の先端よりも上方に位置するように形成されている。
【0112】
このように構成された本発明の第3の実施形態の容器の蓋1では、パッキン7の外周側位置に形成された係合片76が、径方向外側に向けて斜め下方に突設していることから、先に説明した第1、2の実施形態と同様に、小さな押し込み力でパッキン7を外蓋4の内側に装着することができ、且つ、装着されたパッキン7が外れ難い。さらに、芯ずれを起こした状態でパッキン7と外蓋4とが係合された場合であっても、先に説明した第1、2の実施形態と同様に、パッキン7が装着された外蓋4を容器5の口部52に嵌め込むことで、パッキン7が自動的に調芯される。
【0113】
また、複数の案内片77、77、…が形成されていることから、先に説明した第2の実施形態と同様に、パッキン7および外蓋4に外部から衝撃が加わっても、パッキン7が左右方向にずれないので、より芯ずれが生じ難い。
【0114】
さらに、パッキン7が外蓋4に装着された後に、パッキン7に外蓋4から引き抜こうとする力が作用したとしても、複数の係合片76、76、…とともに、複数の案内片77、77、…が係合凸部44と係合して、引き抜き力に抗するため、パッキン7が外蓋4からより外れ難く、パッキン7と外蓋4とを確実に係合することが可能である。
【0115】
また、パッキン7には、内周側環状凸部72と外周側環状凸部74が突設していることから、先に説明した第1、2の実施形態と同様に、パッキン7が装着された外蓋4が、容器5の口部52に嵌め込まれた状態では、内周側環状凸部72と、外周側環状凸部74の2箇所において、容器内の雰囲気が容器外の雰囲気から遮断されるため、長期間に亘り、安定して、容器5を気密に保持することができる。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0117】
例えば、上記の実施例では、内蓋2の内部には乾燥剤8が収容されているが、内蓋2に収容される収容物は、乾燥剤には限定されず、分別廃棄が要求される他の収容物であっても、好適に使用することが可能である。
【0118】
また、例えば、上記の実施例では、容器5には薬剤が収容されているが、容器5に収容される収容物は薬剤には限定されず、高気密性、高防湿性が要求される他の収容物であっても、好適に使用することが可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 容器の蓋
2 内蓋
4 外蓋
5 容器
6 空間
7 パッキン
8 乾燥剤
26 周壁
28 底壁
29 通気孔
30 環状フランジ
30a 環状フランジの下面
31 弱化部
32 内周側環状凸部
33 摘み片
34 外周側環状凸部
36 係合片
36a 係合片
36b 係合片
37 案内片
40 頂壁
40a 頂壁の下面
42 周壁
42a 内周壁
43 ネジ部
44 係合凸部
52 口部
53 ネジ部
72 内周側環状凸部
74 外周側環状凸部
76 係合片
77 案内片
100 容器の蓋
102 内蓋
104 外蓋
105 容器
106 空間
108 乾燥剤
126 周壁
128 底壁
129 通気孔
130 環状フランジ
130a 環状フランジの下面
131 弱化部
132 内周側環状凸部
134 外周側環状凸部
136 係合片
136a 係合片
136b 係合片
140 頂壁
140a 頂壁の下面
142 周壁
142a 内周壁
143 ネジ部
144 係合凸部
152 口部
153 ネジ部
200 容器の蓋
202 内蓋
204 外蓋
226 周壁
228 底壁
230 環状フランジ
240 頂壁
242 周壁
242a 内周壁
244 係合凸部
CL2、CL102 内蓋の中心線
CL4、CL104 外蓋の中心線
F1、F1´、F2、F2´ 弾性復元力
P1、P1´ 押し込み力
P2、P2´ 引き抜き力
R1、R1´、R2、R2´ 反力
Rh1、Rh1´、Rh2、Rh2´ 反力の鉛直成分
Rv1、Rv1´、Rv2、Rv2´ 反力の鉛直成分
α、β 回転角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂壁と周壁とを有する外蓋と、
前記外蓋の内側に装着される内装部材とを備え、
前記内装部材が装着された外蓋を容器の口部の嵌め込むことで、容器の口部を閉止して、容器内を気密に保持するように構成された容器の蓋であって、
前記外蓋の内周壁には、係合凸部が突設し、
前記内装部材の外周側位置には、径方向外側に向けて斜め下方に突設する複数の係合片が形成されていて、
前記内装部材を前記外蓋の内側に装着する際に、
前記内装部材の複数の係合片が、前記係合凸部を乗り越えて、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることを特徴とする容器の蓋。
【請求項2】
前記内装部材が、底壁と周壁とを有する内蓋であって、
前記内蓋を前記外蓋の内側に装着することで、外蓋の頂壁と、内蓋の周壁および底壁により囲まれた空間が形成されるよう構成されているとともに、
前記内蓋の周壁の先端には、径方向外側に向けて略水平に突設する環状フランジが形成されていて、
前記複数の係合片は、前記環状フランジの外周側位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器の蓋。
【請求項3】
前記環状フランジには、内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部と、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部とが形成されており、
前記内蓋を前記外蓋の内側に装着する際に、前記内周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接し、
前記内蓋が装着された外蓋を容器の口部に嵌め込む際に、前記外周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接して、
これにより、前記容器内を気密に保持するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の容器の蓋。
【請求項4】
前記内蓋の底壁の外周部には、引き千切り可能な程度に弱められた線状の弱化部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の容器の蓋。
【請求項5】
前記外蓋の頂壁と、前記内蓋の周壁および底壁により囲まれた前記空間に乾燥剤が収容されることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の容器の蓋。
【請求項6】
前記内装部材が、平板状に形成されたパッキンであることを特徴とする請求項1に記載の容器の蓋。
【請求項7】
前記パッキンには、外周側位置から上方に突設する外周側環状凸部と、
前記外周側環状凸部の内周側位置から上方に突設する内周側環状凸部とが形成されており、
前記パッキンが装着された外蓋を容器の口部に嵌め込む際に、前記外周側環状凸部と前記頂壁の下面とが当接して、
これにより、前記容器内を気密に保持するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の容器の蓋。
【請求項8】
前記複数の係合片が、弾性変形した状態で、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の容器の蓋。
【請求項9】
前記内装部材の外周側位置には、相互に隣接する前記複数の係合片の間に、略水平に突設する複数の案内片が形成され、
前記案内片は、前記係合片よりも肉厚に形成されており、
前記内装部材を前記外蓋の内側に装着する際に、
前記複数の案内片が、前記係合凸部を乗り越えて、略水平に突設した状態で、前記外蓋の内周壁と当接するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の容器の蓋。
【請求項10】
請求項1から9に記載の容器の蓋を備え、該容器内に薬剤が収容されることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−260612(P2010−260612A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113318(P2009−113318)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】