説明

外袋レスタイプの使い捨てカイロ及びその製造方法

【課題】包装袋(外袋)を不要とした、新規な使い捨てカイロを提供する。
【解決手段】袋体2の通気面3に相当する部分、非通気面5に相当する部分と、剥離シート4に相当する部分とを連続状に備えた積層フィルムを用い、この積層フィルムを、Z型に折曲げ、通気面に相当する部分と非通気面に相当する部分の間に、発熱材1の充填空間と充填口を残して、Z型に折曲げた積層フィルムの周縁を熱圧着し、三辺を難剥離シール部6と易剥離シール部9で接合する。充填口から充填空間に発熱材1を充填した後に充填口を熱圧着し、発熱材1が封入された扁平状の袋体2を形成し、且つ該袋体の各通気孔7を密閉状に覆う剥離シート4を袋体の通気面3に易剥離可能に接合する。その後、通気面3と剥離シート4の境界である二つ折り部分31を、難剥離シール部6及び易剥離シール部9を残して切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使い捨てカイロに関し、詳しくは、袋体内に発熱材を封入した使い捨てカイロの包装形態の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、鉄粉等を含有した発熱材を通気性のある扁平袋内に封入した使い捨てカイロが広く普及している。この種使い捨てカイロは、非通気性シートよりなる包装袋(外袋)の中に一つずつ気密状に封入して包装されており、その包装袋を破って取り出すと空気中の酸素が袋体を通過して、発熱材が発熱するようになっている。
発熱材が封入される袋体は、通常、略同一形状の通気性シートと非通気性シート、又は通気性シート同士における、互いの周縁部同士を熱圧着して扁平袋状に形成されている。
【0003】
ところで、従来の使い捨てカイロは、製造時において、発熱材が封入された袋体を一つずつ包装袋(外袋)に封入しなければならず、製造工程の簡素化、低コスト化に限界があった。また、使用時に包装袋を破って取り出さなければならないので面倒であるばかりか、包装袋はゴミになるので、地球環境保護などの面からも改良が望まれていた。
【0004】
このような問題を解消する為に、例えば特許文献1に開示されるような、不織布にポリエチレンフィルムをラミネートし細孔を列設した通気性シートの上に、ポリ塩化ビニリデンコートポリエステルフィルムのような非通気シートを接着し、その接着力を50〜300g/15mm程度とし容易に剥離できるようにして、包装袋を不要とする提案がなされている。
【0005】
【特許文献1】実開昭61−80015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した従来の外袋レス使い捨てカイロによれば、不織布にポリエチレンフィルムをラミネートし細孔を列設した通気性シートと、ポリ塩化ビニリデンコートポリエステルフィルムのような非通気シートの二種類のシートが必要であり、これら二種類のシートを貼り合わせたうえでさらに袋体を形成するので、製造に手間がかかると共にコスト高になるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来事情に鑑みて成されたもので、その目的とする処は、一面が通気性を有し、他面が非通気性である扁平状の袋体に発熱材を封入し、且つ前記袋体の通気面を剥離可能に塞ぐ手段を備えることで包装袋(外袋)を不要とした使い捨てカイロであって、容易に製造ができて低コストでの提供が可能である、新規な外袋レスタイプの使い捨てカイロを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するために、本発明に係る使い捨てカイロは、一面が複数の通気孔を有する通気面、他面が非通気面である扁平状の袋体内に発熱材が封入されたカイロ本体と、前記通気面に剥離可能に接合された非通気性の剥離シートからなり、
前記袋体と剥離シートが同一の積層フィルムで形成されていて、該積層フィルムは少なくとも、一面側の最外層が熱圧着により易剥離シール可能なイージーピール層であり、他面側の最外層が熱圧着により難剥離シール可能な熱可塑性樹脂層であり、
前記袋体は、前記積層フィルムを、前記イージーピール層が外側、熱可塑性樹脂層が内側になるよう二つ折りし、その周縁部同士を難剥離シールして扁平袋状に形成されており、
前記剥離シートは、前記袋体の通気面と対向する面が前記イージーピール層となるよう前記袋体に重ね合わせ、その周縁部同士を易剥離シールして前記通気面の各通気孔を密閉状に覆っていることを特徴とする。
【0009】
このような構成とした場合、通気面を剥離シートで塞がれ、且つその剥離シートを容易に剥離して使用することができる発熱材入り袋体を、一枚の積層フィルムを折り畳むなどして要所を熱圧着するという簡単な製法で得ることができる。よって、包装袋(外袋)を不要とした使い捨てカイロであって、容易に製造でき低コストでの提供を可能にするという本発明の課題を達成することができる。また、同じ積層フィルムにより袋体と剥離シートが形成されているので、使用後のゴミの分別が不要になるなどの利点を有する。
【0010】
本発明の使い捨てカイロは、剥離シートを引き剥がし袋体の通気面を露呈させることで発熱材が発熱して使用可能となる。剥離シートは、引き剥がす際の手掛かりとなる非接合部(摘み部分)を備えると良い。
【0011】
前記積層フィルムにおけるイージーピール層は、例えばイージーピールフィルムで形成することができる。熱可塑性樹脂層は、例えば、ポリエチレン(PE)フィルム又はエチレンコポリマー(EAA、EMAA、EMA、EEA、EMMA)フィルムで形成することができる。また、前記積層フィルムはその中間層に、酸素及び水蒸気のバリア層と、耐引裂き性付与のための補強層を備えることが好ましい。
【0012】
袋体の通気性は、積層フィルムにおける通気面部分に形成する通気孔(針孔)の孔径や数を任意に選択することで、適宜に調整することができる。通常、この種使い捨てカイロは、用途や大きさなどに合わせて、その通気性が例えば、3sec/100ml〜60sec/100ml(東洋精機製作所社製のガーレ式デンソメータによる測定値)程度の範囲内になるよう調整される。
【0013】
イージーピール層を形成するためのイージーピールフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムの表面にスチロール樹脂などを積層してなり、手で引き剥がすことができる剥離強度をもって熱圧着されるイージーピール性(易剥離性)を有する厚さ20〜40μm程度のフィルムを用いることができる。
【0014】
イージーピールフィルムに通気孔を多数形成した場合、その通気孔からフィルムが裂ける虞れがある。また、カイロ使用中には袋体中の発熱材が酸化して硬くなり、このような状態において袋体を手で握るなどしても、袋体(フィルム)が裂けないよう考慮する必要がある。
よって、イージーピールフィルムの裏面に、合成樹脂補強フィルムからなる補強層を積層し、イージーピールフィルムに耐引裂き性付与のための補強層を設けると良い。補強層を形成するための合成樹脂補強フィルムとして、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂フィルムを用いることができる。袋体の柔軟性などを確保することを考慮すると、ナイロンフィルムを用いることが好ましい。
【0015】
熱可塑性樹脂層を形成するためのフィルムとして、例えばポリエチレンフィルムを用いることができる。また、酸素や水蒸気を遮断するためのバリア層を形成するフィルムとして、ポリプロピレン(PP)とポリ塩化ビニリデン(PVDC)の積層フィルム(KOP30)など、この種分野において一般的なものを用いることができる(例えば、特開2002−345875号公報、特開2002−360624号公報、特開2006−116171号公報など参照)。
【0016】
袋体の周縁部は、通常、難剥離性をもって熱圧着される。具体的には、使い捨てカイロにおける扁平状の袋体を形成する際の、通気面と非通気面の周縁部同士の熱圧着によるシール強度(接合強度)は、一般的に15(N/25mm)以上、好ましくは20(N/25mm)以上であり、該袋体の周縁部を難剥離シール部とする。
一方、イージーピール層同士の縁部の熱圧着によるシール強度(剥離強度)は、易剥離性をもって熱圧着される。本発明では、8〜24(N/25mm)、好ましくは10〜17(N/25mm)の範囲の剥離強度となるよう熱圧着を行い、該圧着部分を易剥離シール部とする。
尚、前記難剥離シール部の強度(接合強度)と易剥離シール部の強度(剥離強度)との関係は、難剥離シール部の強度(接合強度)>易剥離シール部の強度(剥離強度)となるようにすることは言うまでもない。
ここで、それぞれのシール強度(接合強度、剥離強度)は、熱圧着された二枚のシートを中央にしてその端部を180度開き、その状態で、各シートの端部を引張試験機のつかみ具に固定した後、前記熱圧着された二枚のシートが剥離するまで引張応力を加えて、剥離するまでの最大応力を求めたものである。
また、前記難剥離シール部と易剥離シール部は、一回の熱圧着により同時に形成することができる。
【0017】
本発明の使い捨てカイロは、そのまま手に持って使用したりポケットなどに入れて使用する、所謂「貼らないタイプの使い捨てカイロ」とすることができる。また、袋体の非通気面に粘着層を設けると共に、該粘着層を剥離紙で覆い、使用時に剥離紙を剥して粘着層を露出させることで、衣類などに貼って使用する、所謂「貼るタイプの使い捨てカイロ」とすることができる。
【0018】
本発明に係る使い捨てカイロの好ましい製造方法として、
前記積層フィルムが、前記袋体における通気面に相当する部分及び非通気面に相当する部分と、前記剥離シートに相当する部分とを連続状に備え、
該積層フィルムを、前記通気面に相当する部分が、前記非通気面に相当する部分と、剥離シートに相当する部分で挟まれるようZ型に折曲げ、
該通気面に相当する部分と非通気面に相当する部分の間に、前記発熱材の充填空間と充填口を残して、前記Z型に折曲げた積層フィルムの周縁を熱圧着し、
前記充填口から前記充填空間に発熱材を充填した後に該充填口を熱圧着して、
発熱材が封入された扁平状の袋体を形成し、且つ該袋体の各通気孔を密閉状に覆う剥離シートを前記袋体の通気面に易剥離可能に接合し、
その後、前記通気面と剥離シートの境界である二つ折り部分を、難剥離シール部及び易剥離シール部を残して切断する方法をあげることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明は、内部に発熱材が封入された扁平状の袋体と、該袋体の通気面を剥離可能に塞ぐ剥離シートとからなる外袋レスタイプの使い捨てカイロであるため、外袋が不要となり、製造コストの軽減、使用後のゴミの低減などの効果を得ることができる。
また、一面側の最外層が熱圧着により易剥離シール可能なイージーピール層であり、他面側の最外層が熱圧着により難剥離シール可能な熱可塑性樹脂層である、同一の積層フィルムにより袋体と剥離シートが形成されているので、使用後のゴミの分別が不要になるなどの利点を有する。
また、一枚の積層フィルムの要所を折り畳み、且つ要所を熱圧着するという簡単な製法で製造し得、容易且つ低コストでの提供が可能になるなど、多くの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0021】
本例の使い捨てカイロAは、発熱材1を扁平状の袋体2内に封入すると共に、該袋体2の通気面3を剥離シート4で剥離可能に覆ったもので、発熱材1は、例えば鉄粉、水、バーミキュライト、活性炭、塩類等が混合された混合粉体で、酸素と反応して発熱するものである。尚、発熱材として、前記混合粉体をシート状に成形したり、シート状物に前記混合粉体を保持させたものを用いることもできる。
【0022】
袋体2は、内部の発熱材1に酸素を供給できるよう少なくともその一部分が通気性を有するようになっており、詳しくは、図1に示すように、積層フィルムaを二つ折りし、該二つ折りした面(通気面3と非通気面5)の周縁部同士を難剥離シールして扁平袋状に形成されている。本例では、前記周縁部同士を20(N/25mm)程度のシール強度(接合強度)をもって熱圧着することで、当該周縁部を難剥離シール部6として袋体2を構成している。
袋体2の通気面3には多数の通気孔(針孔)7が穿孔されている。本例の使い捨てカイロAは所謂貼らないタイプであり、通気性が良すぎると発熱材1が発熱し過ぎるので、例えば、10〜15sec/100ml程度に通気性を抑制する必要がある。よって、通気面3がその程度の通気機能を有するよう、通気孔7の孔径と穿孔割合が適宜設定される。
【0023】
剥離シート4は、袋体2の通気面3と同程度か、もしくは引き剥がす際の摘み部分8を有する大きさの非通気性フィルム(積層フィルムa)で、通気面3と対向する面が後述するイージーピール層11となるよう袋体2に重ね合わせ、その周縁部同士を易剥離シールして通気面3の各通気孔7を密閉状に覆っている。本例では、前記周縁部同士を10〜17(N/25mm)程度のシール強度(剥離強度)を持って熱圧着することで、当該周縁部を易剥離シール部9として、剥離シート4を容易に剥がせるようになっている。
【0024】
積層フィルムaは、図2に拡大図を示すように、一面側の最外層が熱圧着により易剥離シール可能なイージーピール層11であり、他面側の最外層が熱圧着により難剥離シール可能な熱可塑性樹脂層15であり、袋体2は前記したように、この積層フィルムaを、イージーピール層11が外側、熱可塑性樹脂層15が内側になるよう二つ折りし、その周縁部同士を難剥離シールすることで形成されている。剥離シート4は前記したように、イージーピール層11を通気面3と対向させ、その周縁部同士を易剥離シールして各通気孔7を密閉状に覆っている。
【0025】
イージーピール層11は、ポリエチレンフィルムの表面にスチロール樹脂などを積層したイージーピールフィルムからなり、手で引き剥がすことができる剥離強度をもって熱圧着されるイージーピール性を有する。例えば、東レフィルム加工(株)社製の「CFフィルム7601Eシリーズ」などを用いることができる。
【0026】
イージーピール層11の裏面には、通気孔(針孔)7を穿設することによる引裂け防止の為に、厚さ8〜15μm程度のナイロンフィルムなどからなる補強層12が積層されている。
補強層12の裏面には、ポリプロピレン(PP)とポリ塩化ビニリデン(PVDC)の積層フィルム(KOP30)からなるバリア層13が積層され、酸素や水蒸気の通過が遮断されるようになっている。
【0027】
熱可塑性樹脂層15は、厚さ15〜25μm程度の低密度ポリエチレンフィルムからなり、その裏側(前記バリア層13との間)には、厚さ10〜20μm程度のポリエチレンフィルム14を積層して複層化されている。
【0028】
このような構成とした本例の使い捨てカイロAによれば、通気面3を剥離シート4で気密状に塞ぐことで袋体2内の発熱材1の発熱を防止し、使用に際しては、剥離シート4を容易に剥離して通気面3を露呈させ、発熱させることができる。よって、包装袋(外袋)を不要とした使い捨てカイロとして供することができる。
また、袋体2と剥離シート4が同じ積層フィルムaからなるので、形成材料の種類を少数化し低コストでの製造を可能にすることができる。また、使用後のゴミの分別が不要になるなどの効果が期待できる。
また、本例の使い捨てカイロAは、以下の方法により容易に製造することができる。
【0029】
本例の使い捨てカイロAの製造に用いる積層フィルムaは、図3に示すように、袋体2における通気面3に相当する部分a及び非通気面5に相当する部分aと、剥離シート4に相当する部分aとを連続状に備えており、通気面に相当する部分aには前述の通気孔7が穿設されており、剥離シートに相当する部分は前述の摘み部分8を含んでいる。
【0030】
このような積層フィルムaを、まず、通気面3に相当する部分aが、非通気面5に相当する部分aと、剥離シート4に相当する部分aで挟まれるように、Z型に折曲げる(図4参照)。
【0031】
次に、そのように折曲げた状態のままで、通気面に相当する部分aと、非通気面に相当する部分aとの間に、発熱材1の充填空間20と充填口21を残して、前記Z型に折曲げた積層フィルムの周縁(本例では左右側辺と下辺の三辺)を熱圧着し、該三辺において、前述の難剥離シール部6と易剥離シール部9を形成する。その状態で、前記充填口21から前記充填空間20に、計量器22などを用いて、発熱材1を充填する(図5,図6参照)。
【0032】
そして、発熱材1を充填した後、前記充填口21(本例では上辺)を熱圧着して、該一辺において、前述の難剥離シール部6と易剥離シール部9を形成する。これにより、発熱材1が封入された扁平状の袋体2が形成されると共に、該袋体2の各通気孔7を密閉状に覆う剥離シート4が該袋体2の通気面3に易剥離可能に接合される。さらに、前記したようにZ型に折曲げた二箇所の二つ折り部分30,31のうち、通気面3と剥離シート4の境界である二つ折り部分31、すなわち余剰部分を、難剥離シール部6と易剥離シール部9を残して切断する(図7,図8参照)。
【0033】
このような手順により、図1に示す使い捨てカイロAを製造することができる。
尚、本例の製造方法は、積層フィルムaの大きさ、熱圧着の箇所、その後の切断箇所などを適宜選択することで、図5に示すように、使い捨てカイロAを一度に複数個製造することも可能である。
【0034】
本発明において、袋体2の形状は図示例に限定されず、正方形状、円形状、楕円形状など、扁平状であれば任意に選択することができる。
【0035】
また、図示例では、使い捨てカイロについて説明したが、発熱材に代えて、袋体内に吸湿剤を封入すれば使い捨てタイプの外袋レス吸湿体とすることができ、芳香剤を封入すれば使い捨てタイプの外袋レス芳香体とすることができ、消臭剤を封入すれば使い捨てタイプの外袋レス消臭体とすることができ、防虫剤を封入すれば使い捨てタイプの外袋レス防虫体とすることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態例と参考例を説明したが、本発明は前述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において各種の変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る使い捨てカイロの一実施形態例を示す中央縦断正面図。
【図2】図1に示す使い捨てカイロを構成する積層フィルムの拡大断面図。
【図3】図1に示す使い捨てカイロの製造に用いる積層フィルムの展開斜視図。
【図4】図3に示す積層フィルムをZ型に折曲げた工程を示す斜視図。
【図5】図4に示す積層フィルムの要所を熱圧着した後発熱材を充填する工程を示す斜視図。
【図6】図3に示す状態の縦断側面図。
【図7】発熱材を充填し充填口を熱圧着した後、余剰部分を切断する工程を示す斜視図。
【図8】図7に示す状態の縦断面図。
【符号の説明】
【0038】
A:使い捨てカイロ
1:発熱材
2:袋体
3:通気面
4:剥離シート
5:非通気面
6:難剥離シール部
7:通気孔
8:摘み部分
9:易剥離シール部
a:積層フィルム
11:イージーピール層
12:補強層
13:バリア層
15:熱可塑性樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が複数の通気孔(7)を有する通気面(3)、他面が非通気面(5)である扁平状の袋体(2)内に発熱材(1)が封入されたカイロ本体と、前記通気面に剥離可能に接合された非通気性の剥離シート(4)からなり、
前記袋体(2)と剥離シート(4)が同一の積層フィルム(a)で形成されていて、該積層フィルムは少なくとも、一面側の最外層が熱圧着により易剥離シール可能なイージーピール層(11)であり、他面側の最外層が熱圧着により難剥離シール可能な熱可塑性樹脂層(15)であり、
前記袋体(2)は、前記積層フィルムを、前記イージーピール層が外側、熱可塑性樹脂層が内側になるよう二つ折りし、その周縁部同士を難剥離シール(6)して扁平袋状に形成されており、
前記剥離シート(4)は、前記袋体の通気面と対向する面が前記イージーピール層となるよう前記袋体に重ね合わせ、その周縁部同士を易剥離シール(9)して前記通気面の各通気孔(7)を密閉状に覆っていることを特徴とする外袋レスタイプの使い捨てカイロ。
【請求項2】
前記剥離シート(4)を剥離し前記袋体の通気面(3)を露呈させることで前記発熱材(1)が発熱して使用可能となる請求項1記載の使い捨てカイロ。
【請求項3】
前記積層フィルムにおけるイージーピール層(11)がイージーピールフィルムからなる請求項1または2記載の使い捨てカイロ。
【請求項4】
前記積層フィルムにおける熱可塑性樹脂層(15)がポリエチレンフィルム又はエチレンコポリマーフィルムからなる請求項1〜3のいずれか記載の使い捨てカイロ。
【請求項5】
前記積層フィルムはその中間層に、酸素及び水蒸気のバリア層(13)と、耐引裂き性付与のための補強層(12)を備えている請求項1〜4のいずれか記載の使い捨てカイロ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載の使い捨てカイロの製造方法であって、
前記積層フィルム(a)が、前記袋体(2)における通気面に相当する部分(a)及び非通気面に相当する部分(a)と、前記剥離シートに相当する部分(a)とを連続状に備え、
該積層フィルムを、前記通気面に相当する部分(a)が、前記非通気面に相当する部分(a)と、剥離シートに相当する部分(a)で挟まれるようZ型に折曲げ、
該通気面に相当する部分と非通気面に相当する部分の間に、前記発熱材(1)の充填空間(20)と充填口(21)を残して、前記Z型に折曲げた積層フィルムの周縁を熱圧着し、
前記充填口(21)から前記充填空間に発熱材(1)を充填した後に該充填口を熱圧着して、
発熱材が封入された扁平状の袋体(2)を形成すると共に、該袋体の各通気孔(7)を密閉状に覆う剥離シート(4)を前記袋体の通気面(3)に易剥離可能に接合し、
その後、前記通気面(3)と剥離シート(4)の境界である二つ折り部分(31)を、難剥離シール部6及び易剥離シール部9を残して切断し、請求項1〜5のいずれか記載の使い捨てカイロを得ることを特徴とする使い捨てカイロ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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