説明

外装容器及びチューブ容器用スタンド

【課題】内部に保持されるチューブ容器内における内容物の絞り残しの抑制に優れる外装容器及びチューブ容器用スタンドを提供に関することを目的とする。
【解決手段】本発明の外装容器は、平面部と口部とが設けられたチューブ容器の内容物が収納されたチューブ容器本体の外側を囲むように配される外装容器であって、本外装容器は、一対の半割体が組み合わされてなり、各半割体は、開口部と、開口部の下部に連結され、且つ、開口部内に配設された、チューブ容器本体を押圧可能な舌片と、を備え、舌片は、チューブ容器の平面部側を両側から挟むように固定する挟持部と、チューブ容器の平面部側から口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装容器及びチューブ容器用スタンドに関する。更に詳しくは、容器構造が簡単であり、外装容器に保持されるチューブ容器内の内容物の絞り残しの抑制に優れる外装容器及びチューブ容器用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液状、ゼリー状及びペースト状等の接着剤やコーティング材等を収納する容器として、金属チューブ製容器が用いられている。この金属チューブ製容器は、有機溶剤等に対する耐薬品性に優れ、且つ、湿分を透過させ難く、内容物と空気中の湿分とが遮断されるため、内容物の保存安定性にも優れている。また、容易に塑性変形させることができ、内容物を押し出し易いため、接着剤、硬化剤、コーティング剤等を充填し、保存する容器として多用されている。
しかし、この金属チューブ製容器は、局部的に大きく変形させると容器が破損し、内容物が漏出する危険がある。そこで、金属チューブ製容器についてプラスチック製の被覆体を用いることにより、金属チューブ製容器の破損や内容物の漏出を防止する方法が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、金属チューブ製容器の少なくとも一部が、プラスチック体で覆われている液状物質用容器が記載されている。また、特許文献2には、内側容器と外套容器との間に圧力媒体を介在させた低粘度液体用複合容器が記載されている。また、特許文献3には、ケーシングとスクイーザーとを係合させた構造の変形可能チューブから物質を絞り出すための装置が記載されている。更に、特許文献4には、樹脂製外套容器の片側側面に、収容するアルミニウム製容器を間接押圧するための変形可能な切欠部を設けた接着剤用複合容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭55−84240号公報
【特許文献2】特開平6−191543号公報
【特許文献3】米国特許第6315165号公報
【特許文献4】特開2003−226374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載された被覆体は、切り込みを入れる等の加工が施してあり、機能的ではあるが、装着性や外観の向上には配慮されていない。また、特許文献2及び3に記載された複合容器は、内容物の絞り出しが困難であり、内容物が金属チューブ製容器内に残留しやすいという問題がある。また、ゼリー状やペースト状等の高粘度の液体を使用した場合、塗布量の調整が難しい。更に、構造が複雑で生産性に劣る等の問題もある。また、特許文献4に記載された複合容器は、金属チューブ製容器内の吐出口付近及び下部の内容物の絞り出しが困難であり、金属チューブ製容器内に内容物が残留しやすいという問題がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、容器構造が簡単でありながら、外装容器に保持されるチューブ容器内における内容物の絞り残しの抑制に優れる外装容器及びチューブ容器用スタンドを提供に関することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の通りである。
1.平面部と口部とが設けられたチューブ容器の内容物が収納されたチューブ容器本体の外側を囲むように配される外装容器であって、
本外装容器は、一対の半割体が組み合わされてなり、
前記各半割体は、開口部と、該開口部の下部に連結され、且つ、該開口部内に配設された、前記チューブ容器本体を押圧可能な舌片と、を備え、
前記舌片は、前記チューブ容器の前記平面部側を両側から挟むように固定する挟持部と、前記チューブ容器の前記平面部側から前記口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有することを特徴とする外装容器。
2.前記押圧板部が、前記挟持部から前記チューブ容器の前記口部側に向けて延設されている上記1.に記載の外装容器。
3.本外装容器が、前記チューブ容器の前記口部側を保持するリング状の保持部を有している上記1.又は上記2.に記載の外装容器。
4.本外装容器の底部に、凹状のくぼみによる指当て部が設けられている上記1.乃至上記3.のいずれかに記載の外装容器。
5.前記一対の半割体の一方には、凸状に形成された突起が設けられており、前記一対の半割体の他方には、前記突起と嵌合可能な凹状に形成された受け孔が設けられており、
前記一対の半割体は、前記突起と前記受け孔とを嵌合させることにより組み合わされており、
前記突起には、先割れ形状のスリットが形成されており、
前記受け孔内には、前記突起と前記受け孔とが嵌合したときに前記スリット内に進入する楔が設けられている上記1.乃至上記4.のいずれかに記載の外装容器。
6.前記チューブ容器は、前記口部の外周面にネジが形成されているとともに、前記口部に螺結される蓋部材を備えており、
前記半割体の前記口部に対応する側の端部には、前記口部の延びる方向に沿って立ち上がるように形成された周壁部が設けられており、
前記周壁部は、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記蓋部材に外周側から覆われる形態で、前記蓋部材と嵌合する上記1.乃至上記5.のいずれかに記載の外装容器。
7.前記蓋部材の内周面には、前記蓋部材の内側方向に突出するように形成された蓋側突起が設けられており、前記蓋側突起は、前記内周面の周方向に沿って複数配設されており、
前記周壁部の外周面には、周方向に沿って形成された溝部と、前記溝部を幅方向に架け渡すように形成されたリブと、が設けられており、
前記溝部は、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記複数の蓋側突起がそれぞれ嵌るように設けられており、
前記リブは、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記複数の蓋側突起の間に位置するように設けられている上記6.に記載の外装容器。
8.本外装容器が、自立するように、底面を備える上記1.乃至上記7.のいずれかに記載の外装容器。
9.前記内容物の形態が、液状、ペースト状又はゼリー状である上記1.乃至上記8.のいずれかに記載の外装容器。
10.前記内容物が、接着剤である上記9.に記載の外装容器。
11.上記8.に記載の外装容器を用いることを特徴とするチューブ容器用スタンド。
【発明の効果】
【0007】
本発明の外装容器によると、一対の半割体が組み合わされてなり、その半割体は、それぞれ、開口部と、開口部の下部に連結され、且つ、開口部内に配設された、チューブ容器本体を押圧可能な舌片と、を備え、この舌片は、チューブ容器の平面部側を両側から挟むように固定する挟持部と、チューブ容器の平面部側から口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有することから、外装容器の構造が簡単で生産性に優れ、且つ、保持されるチューブ容器の装着性に優れると共に、チューブ容器内における内容物の絞り残しの抑制に優れる外装容器とすることができる。また、外装容器内部に保持されるチューブ容器の外観が露出されず意匠性に優れる。
また、本外装容器における押圧板部が、挟持部からチューブ容器の口部側に向けて延設されている場合、内部のチューブ容器本体を効率的に押圧することができ、内容物の絞り残しの抑制により優れると共に、内容物の吐出量の調整にも優れる外装容器とすることができる。
また、本外装容器が、チューブ容器の口部側を保持するリング状の保持部を有している場合には、内部のチューブ容器が安定して保持されることから、操作性及びチューブ容器の装着性により優れる外装容器とすることができる。
更に、本外装容器の底部に、凹状のくぼみによる指当て部が設けられている場合には、内部のチューブ容器本体を下部方向から効率的に押圧することができ、内容物の絞り残しの抑制により優れる外装容器とすることができる。
また、一対の半割体の一方には、凸状に形成された突起が設けられており、一対の半割体の他方には、突起と嵌合可能な凹状に形成された受け孔が設けられており、一対の半割体は、突起と受け孔とを嵌合させることにより組み合わされており、突起には、先割れ形状のスリットが形成されており、受け孔内には、突起と受け孔とが嵌合したときにスリット内に進入する楔が設けられている場合は、突起と受け孔とが嵌合することにより、半割体同士を確実に組み合わせることができる。また、スリットと楔により、突起と受け孔との嵌合をより確実なものとすることができる。
更に、チューブ容器は、口部の外周面にネジが形成されているとともに、口部に螺結される蓋部材を備えており、半割体の口部に対応する側の端部には、口部の延びる方向に沿って立ち上がるように形成された周壁部が設けられており、周壁部は、蓋部材が口部に螺結されたときには、蓋部材に外周側から覆われる形態で、蓋部材と嵌合する場合は、周壁部の外周と蓋部材の内周が嵌合することにより、半割体同士の結合を高めることができる。
また、蓋部材の内周面には、蓋部材の内側方向に突出するように形成された蓋側突起が設けられており、蓋側突起は、内周面の周方向に沿って複数配設されており、周壁部の外周面には、周方向に沿って形成された溝部と、溝部を幅方向に架け渡すように形成されたリブと、が設けられており、溝部は、蓋部材が口部に螺結されたときには、複数の蓋側突起がそれぞれ嵌るように設けられており、リブは、蓋部材が口部に螺結されたときには、複数の蓋側突起の間に位置するように設けられている場合は、蓋側突起が溝部に嵌ることにより、蓋部材と周壁部との結合をより確実なものとすることができる。また、蓋側突起とリブが設けられていることにより、蓋部材を螺結させてゆく際に、蓋側突起がリブと干渉しつつ回転する感覚を得ることができる。これにより、蓋部材を確実に螺結させたことを認識することができる。更に、螺結完了時には、蓋側突起の間にリブが位置することにより、蓋部材の緩みを防止することができる。
更に、本外装容器が、自立するように、平面状に形成された底面(底部の底端面)を備える場合には、内容物を収納したチューブ容器を自立した状態で保管することが可能であり、チューブ容器内の内容物の目的物以外への付着が抑制され、作業性及び保管性に優れる外装容器とすることができる。
また、内容物の形態が、液状、ペースト状又はゼリー状である場合、チューブ容器本体を押圧可能な舌片の簡便な操作性により、内容物の吐出量の調整を容易に行うことができる。
更に、内容物が、接着剤である場合、被接着体への塗布量の調整を容易に行うことができ、作業性に優れる。
また、本発明のチューブ容器用スタンドは、平面状に形成された底面を備える外装容器であることから、自立してチューブ容器を保管することができ、且つ意匠性に優れ、作業性及び保管性に優れるチューブ容器用スタンドとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】ノズル及びキャップを備えるチューブ容器を保持した実施例に係る外装容器の正面図である。
【図2】ノズル及びキャップを備えるチューブ容器を保持した実施例に係る外装容器の斜視図である。
【図3】ノズル及びキャップを備えるチューブ容器を保持した実施例に係る外装容器の分解斜視図である。
【図4】図1における、ノズル及びキャップを備えるチューブ容器を保持した実施例に係る外装容器のA−A線部分断面である。
【図5】図4におけるB部分の拡大図である。
【図6】実施例に係る外装容器の正面図である。
【図7】実施例に係る外装容器の側面図である。
【図8】実施例に係る外装容器の平面図である。
【図9】実施例に係る外装容器の底面図である。
【図10】実施例に係る外装容器の斜視図である。
【図11】実施例における一方の半割体の側面図である。
【図12】実施例に係る外装容器の内壁面を表す一方の半割体の背面図である。
【図13】実施例における一方の半割体の平面図である。
【図14】実施例における一方の半割体の底面図である。
【図15】実施例における一方の半割体の斜視図である。
【図16】ノズル及びキャップを備えるチューブ容器を保持した実施例に係る外装容器の側面図である。
【図17】他の実施例における一方の半割体の内壁面が表される斜視図である。
【図18】図17におけるC部分の拡大図である。
【図19】図17におけるD部分の拡大図である。
【図20】他の実施例に係る外装容器の底部の拡大斜視図である。
【図21】他の実施例に係る一方の半割体の部分拡大斜視図である。
【図22】他の実施例に係る一方の半割体の部分拡大斜視図である。
【図23】他の実施例に係る外装容器の作用を説明するための説明図である。
【図24】他の実施例に係る外装容器の作用を説明するための説明図である。
【図25】他の実施例に係る外装容器の部分拡大斜視図である。
【図26】他の実施例に係る、ノズル及びキャップを備えるチューブ容器、並びにそのチューブ容器を保持した状態の外装容器であって、チューブ容器にノズルを取着する前の状態を示す部分拡大片側縦断面図である。
【図27】他の実施例に係る、ノズル及びキャップを備えるチューブ容器、並びにそのチューブ容器を保持した状態の外装容器であって、チューブ容器にノズルを取着する前の状態を示す部分拡大一部縦断面図である。
【図28】他の実施例に係る、ノズル及びキャップを備えるチューブ容器、並びにそのチューブ容器を保持した状態の外装容器であって、チューブ容器にノズルを取着した状態を示す部分拡大片側縦断面図である。
【図29】図28におけるE部分の拡大図である。
【図30】図28におけるF−F線部分断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なもの、及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.外装容器
本発明の外装容器は、平面部と口部とが設けられたチューブ容器の内容物を収納するチューブ容器本体の外側を囲むように配される外装容器であって、本外装容器は、一対の半割体が組み合わされてなり、各半割体は、開口部と、開口部の下部に連結され、且つ、開口部内に配設された、チューブ容器本体を押圧可能な舌片と、を備え、舌片は、チューブ容器の平面部側を両側から挟むように固定する挟持部と、チューブ容器の平面部側から口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の外装容器は、内部に保持されるチューブ容器を保護し、チューブ容器内の内容物を押し出す容器として用いられる。本発明の外装容器としては、例えば、図1〜図3等に示されるように、一対の半割体が組み合わされてなり、外装容器内部に保持されるチューブ容器の本体の外側を囲むように形成されている。
外装容器を構成する半割体は、開口部と舌片とを備え、舌片は開口部の下部に連結されると共に、開口部内に配設されている(例えば、図6等参照)。
【0012】
開口部は、内部に舌片を配設されるように、それぞれの半割体に1個形成され、その開口部の下部に連結された舌片を1個備える。また、開口部の位置、大きさ、形状等は、特に限定されない。例えば、開口部としては、半割体の外形に沿って、半割体の中央部に設ける形態が挙げられる(例えば、図6、図10等参照)。
【0013】
舌片は、チューブ容器本体を押圧可能に形成され、且つ、チューブ容器の口部側に向かうにつれて、舌片同士の間隔が広がるように対向して設けられている。そして、舌片は、チューブ容器の一端側の平面形状とされた平面部側を固定する挟持部と、チューブ容器の平面部側から口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有する。舌片が備える挟持部は、チューブ容器の平面部側を両側から挟むように固定するように設けられている。
即ち、本発明における挟持部は、外装容器内に保持されるチューブ容器の平面部側を挟持して、チューブ容器の下部を固定することができる(例えば、図4等参照)。また、押圧板部は、舌片の一部を構成して、チューブ容器本体を押圧可能に形成されている(例えば、図4等参照)。
【0014】
舌片の大きさ、形状等は、特に限定されない。例えば、舌片の形状としては、下部が屈曲した形状(L字形状)を有し、挟持部と、押圧板部と、を備える形態が挙げられる(例えば、図4、図10等参照)。この舌片の屈曲部分が、挟持部を形成し、2つの半割体が組み合わされることにより、屈曲部分である挟持部が、チューブ容器の一端側の平面形状とされた平面部側を両側から挟むように固定することができる。
【0015】
また、舌片に形成される押圧板部としては、挟持部からチューブ容器の他端側である口部側に向けて延設され、挟持部を支点に片持ち状に設けることができる。そして、押圧板部は、もう一方の半割体が備える押圧板部とにより、V字状に形成され、それぞれの押圧板部は、チューブ容器の平面部側から口部側に向かうにつれて広がるように設けることができる(例えば、図4、図7等参照)。そして、外装容器が備える2枚の押圧板部は、押圧により撓曲可能に形成されおり、2枚の押圧板部を押圧することで、チューブ容器本体の一面側及び他面側が、2枚の押圧板部により挟まれることにより圧力を受けて、チューブ容器の内容物が吐出される。この場合、チューブ容器の平面部側の下部を接触して固定している挟持部が、押圧板部の支点となって、チューブ容器本体を押圧するため、チューブ容器内の内容物を効率よく吐出させることができる。
また、押圧板部を含む舌片の形状としては、開口部の下部に連結され、開口部の形状に沿った形状とすることができるが、チューブ容器本体全体を押圧可能となる大きさ及び形状とすることが好ましい(例えば、図3等参照)。
【0016】
また、本外装容器は、チューブ容器と接触する内面に、チューブ容器を固定する固定部を設けることができる。この固定部としては、挟持部と同様に、チューブ容器の平面部側周辺を挟むように固定する突起状のリブとすることができる。また、固定部の数や位置は、特に限定されないが、挟持部周辺や外装容器の内側の下部に設けることが好ましい(例えば、図5、図12及び図19等参照)。
更に、挟持部においては、チューブ容器の平面部側周辺の挟持を補助する補助挟持部を設けることができる。この補助挟持部としては、例えば、挟持部を構成する舌片の屈曲部形状に沿って、帯状(棒状)に突出させたリブとすることができる(例えば、図17及び図19等参照)。この補助挟持部を設けることにより、より安定して、チューブ容器の平面部側周辺を挟持して固定することができる。
【0017】
また、本外装容器は、その上部において、チューブ容器の口部側(チューブ容器の肩)を保持するリング状の保持部を設けることができる。この保持部としては、各半割体の上部を半リング状に形成し、2つの半割体を係止することにより、外装容器の上部にリング状の保持部を形成することができる。外装容器が、リング状の保持部を有している場合には、内部のチューブ容器を安定して保持することができる(例えば、図4及び図8等参照)。
【0018】
また、本外装容器は、上記保持部において、チューブ容器と接触する内面に、チューブ容器を固定するリブ状の拘止部を設けることができる。この拘止部は、チューブ容器の肩に食い込むように、チューブ容器を押さえて固定することができる。拘止部が、保持部に更に設けられると、チューブ容器の口部側の肩(口部周辺)がより固定され、チューブ容器の外装容器からの脱落を防止することができる(例えば、図17及び図18等参照)。
【0019】
本発明の外装容器は、底面(底端面)を平面状に形成することができる。底面が平面状にされることにより、外装容器を自立させて、立てて置くことができる。外装容器を立てて置くことにより、チューブ容器内の内容物の塗布物以外への付着を効果的に防止することができる。また、この場合、外装容器の底部が台座状であると、より安定した自立が可能となることからより好ましい(例えば、図16等参照)。
更に、底端面には、外装容器の安定した自立をより可能にするものとして、お椀状、皿状、曲面状、半球状等に形成された突起部からなる足を設けることができる。この突起部を設ける場合、底端面の四隅に設置することが好ましい。これにより、外装容器を自立させた場合でも、がたつくことがなく、より安定した自立を可能とすることができる(例えば、図20等参照)。
【0020】
また、外装容器の底部には、凹状のくぼみ等による指当て部を形成することができる。底部にくぼみ形状の指当て部が形成されている場合には、舌片及び押圧板部を押圧する際に、舌片及び押圧板部の下部からの押圧がより可能となり、チューブ容器の平面部側からより効率的に圧力をかけることができる。これにより、内容物の絞り残しの抑制により優れる外装容器とすることができる(例えば、図2等参照)。
【0021】
本発明の外装容器は、一対の半割体を組み合わせてなることから、半割体としては係止部を有する形態が挙げられる。この係止部としては、2つの半割体(一対の半割体)を係止して、外装容器を形成することができる限り、係止部の形状、個数等は、特に限定されない。この係止部の形状としては、例えば、凸状に形成された突起と、この突起と相補的な受け孔とによる形状が挙げられる。また、この場合、一対の半割体としては、同一形状からなる2つの半割体とすることができる(例えば、図3、図4参照)。
【0022】
上記突起及び上記受け孔の形状、大きさ等は特に問わない。突起には、例えば、先割れ形状のスリットが形成されていることができる(例えば、図21〜図24等参照)。この場合、上記受け孔内には、例えば、突起と受け孔とが嵌合したときに上記スリット内に進入する楔が設けられていることができる(例えば、図21〜図24等参照)。
また、上記半割体は、例えば、所定の中心線を通る面に対して略対称な形状とされており、本外装容器は、一対の半割体の同一部位となる突き合わせ面部同士を突き合わせて組み合わせるように構成されていることができる(例えば、図3、図12等参照)。
【0023】
ここで、本外装容器としては、例えば、一の半割体と、一の半割体に対となる半割体と、が、同一形状であるとともに、同一部位となる突き合わせ面部同士を突き合わせて組み合わせることにより本外装容器を形成しており、突き合わせ面部には上記係止部が設けられており、係止部は、上記突起、又は突起と嵌合可能な凹状に形成された上記受け孔であり、係止部は、突起と、受け孔と、を一対とする形態で複数対が設けられており、対となる突起及び受け孔は、所定の中心線に対して線対称となる位置にそれぞれ設けられている形態であることができる(例えば、図3、図12等参照)。
【0024】
また、本外装容器は、例えば、上記半割体が、上記チューブ容器の口部に対応する側の端部に、口部の延びる方向に沿って立ち上がるように形成された周壁部を備える形態であることができる(例えば、図25〜図27等参照)。上記周壁部の構成等は特に問わない。周壁部は、例えば、その外周面に、周方向に沿って形成された溝部が設けられている形態であることができる。また、この場合、溝部を幅方向に架け渡すように形成されたリブが設けられていることができる。
上記溝部の断面形状、大きさ、個数等は特に問わない。また、上記リブの形状、大きさ、個数等は特に問わない。
【0025】
半割体の形成方法は、射出成形、押出成形等により一体的に形成する方法が挙げられる。また、開口部が形成される前の、外装容器を構成する半割状の成型体に対して、開口部及び舌片を形成するように、コの字状に切り込みを入れることにより、開口部と舌片とを有する半割体とすることもできる。
外装容器の素材としては、舌片が押圧されることにより内部のチューブ容器本体を押圧可能とする、撓曲可能な合成樹脂等が好ましい。このような合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
【0026】
本発明の外装容器に保持されるチューブ容器としては、例えば、図3に示されるように、一端側に、押しつぶされて平面状に形成された閉塞部分である平面部と、他端側には、チューブ容器内に収納される内容物が吐出される吐出口を有する口部と、内容物が収容されるチューブ容器本体と、を備えるチューブ容器が挙げられる。
チューブ容器は、内容物を収納する容器であり、チューブ容器本体が押圧等により圧力を受けることにより、他端側の口部に形成されている吐出口より内容物が吐出される。また、チューブ容器の一端側である平面部は、内容物を充填した後に、押しつぶされて、あるいは、押しつぶされた後に折り返されて、平面状に形成されることにより閉塞されている。
【0027】
チューブ容器の素材としては、内容物に対して不活性で、かつ、浸透あるいは透過性のない素材が好ましい。このような素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート及びポリオレフィン系樹脂等の合成樹脂、あるいは、アルミニウム、錫、鉛等の金属等の材料が挙げられる。これらのうち、チューブ容器としては、具体的には、上記金属の金属製チューブ容器、あるいは、上記金属と、上記合成樹脂あるいは積層フィルム、インク、紙、プラスチックフィルム等とのラミネートチューブ容器等が好ましく用いられる。
【0028】
また、チューブ容器としては、例えば、蓋部材を備えることができる。この蓋部材は、通常、チューブ容器の口部に取着される。蓋部材の構成等は特に限定されないが、例えば、図3及び図4に示されるように、内容物が吐出されるノズルである形態や、単に口部に取着され、内容物の吐出を防止する蓋である形態等であることができる。なお、蓋部材がノズルである場合は、ノズルを閉塞するキャップ(蓋体)を更に備えていてもよい。蓋部材の取着形態としては、例えば、螺合による取着(例えば、図4、図24〜26等参照)等であることができる。
また、蓋部材は、例えば、その内周面に、蓋部材の内側方向に突出するように形成された蓋側突起が設けられていることができる。この蓋側突起は、例えば、内周面の周方向に沿って複数配設されていることができる(例えば、図26、図27、図30等参照)。
【0029】
本発明におけるチューブ容器が適用できる内容物の形態としては、特に限定されず、液状、ペースト状又はゼリー状等の内容物について良好に用いることができる。これらのうち、本発明においては、内容物の吐出量の調整を容易に行うことができることから、ペースト状又はゼリー状の高粘度の内容物についても好適に用いることができる。
また、本発明におけるチューブ容器が適用できる内容物としては、特に限定されないがが、例えば、接着剤、硬化剤、コーティング剤、靴墨、ワックス等の化成品、山葵、生姜、辛子、大蒜、チョコレート等の食料品、練り歯磨き、化粧品、髪染め等の日用品、軟膏等の医薬品、絵の具等の文具等が挙げられる。これらのうち、チューブ容器の内容物としては、接着剤が好ましく、具体的には、2−シアノアクリレート系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤が挙げられる。これらのうち、2−シアノアクリレート系接着剤のような瞬間接着剤に好適に用いることができる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る外装容器は、例えば、チューブ容器の口部の外周面にはネジが形成されているとともに、チューブ容器には口部に螺結される蓋部材が備えられており、半割体の口部に対応する側の端部には、上記周壁部が設けられており、周壁部は、蓋部材が口部に螺結されたときには、蓋部材に外周側から覆われる形態で、蓋部材と嵌合する形態であることができる(例えば、図28、図29等参照)。
また、本実施形態に係る外装容器は、例えば、上記蓋部材の内周面に上記蓋側突起が設けられており、蓋側突起は内周面の周方向に沿って複数配設されており、上記周壁部の外周面には、上記溝部と、上記リブと、が設けられており、溝部は、蓋部材が口部に螺結されたときには、複数の蓋側突起がそれぞれ嵌るように設けられており、リブは、蓋部材が口部に螺結されたときには、複数の蓋側突起の間に位置するように設けられている形態であることができる(例えば、図28〜図30等参照)。
【0031】
2.チューブ容器用スタンド
本発明のチューブ容器用スタンドは、平面状に形成された底面を備える外装容器である。
本チューブ容器スタンドは、チューブ容器を内部に保持することから、チューブ容器の全体外観が露出することなく、意匠性並びに作業性及び保管性に優れるチューブ容器用スタンドとすることができる(例えば、図4、図16等参照)。
また、本チューブ容器用スタンドは、底面が平面に形成されていることから、自立して立てて置くことができ、内容物の余分な付着を防止することができる。
【実施例】
【0032】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0033】
(1)外装容器
実施例1
本実施例に係る外装容器1は、図1〜16に示されるように、一対の半割体(半割体3a及び半割体3b)が組み合わされて構成されると共に、チューブ容器2の本体21の外側を囲むようにして、外装容器1の内部にチューブ容器2を保持できるように形成されている。
半割体3a及び3bは、図3に示されるように、同一形状で形成されている。半割体3a及び3bは、図3及び図12に示すように、所定の中心線CLを通る面に対して略対称な形状とされており、同一部位となる突き合わせ面部同士を突き合わせて組み合わせるように構成されている。半割体3a及び3bの各突き合わせ面部には、半割体3a及び3b同士を係止するための係止部31が設けられている。係止部31は、凸状に形成された突起311、又は突起311と嵌合可能な凹状に形成された受け孔312とされている。係止部31は、これら突起311と、受け孔312と、を一対とする形態で複数対(図12中2対)が設けられている。そして、対となる突起311及び受け孔312は、所定の中心線CLに対して対称となる位置にそれぞれ設けられている。これにより、同一形状に形成された半割体3a及び3bの突き合わせ面部同士を突き合わせたときに、半割体3a及び3bの一方に設けられた突起311と、他方に設けられた受け孔312と、を嵌合させて組み合わせることができるようになっている。
【0034】
また、半割体3a及び3bは、それぞれ、開口部4a及び4bと、舌片5a及び5bと、を備える。舌片5a及び5bは、それぞれ、開口部4a及び4bの下部に連結されると共に、開口部4a内及び開口部4b内に配設されている。
舌片5(5a及び5b)は、図4及び図5に示されるように、下部が屈曲した形状(L字形状)を有し、それぞれ、挟持部6a及び6bと、押圧板部7(7a及び7b)と、を備えている。そして、舌片5a及び5bは、チューブ容器2の口部23側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている。
【0035】
また、図4及び図5に示されるように、舌片5(5a、5b)が有する屈曲部分が、挟持部6(6a、6b)を形成している。半割体3a及び3bが、係止により組み合わされることにより、屈曲部分である挟持部6a及び6bが、チューブ容器2の平面状とされた一端側22を両側から挟むように固定する。また、図5及び図12に示されるように、挟持部6a及び6bには、更に、突起状のリブからなる固定部61がそれぞれ4個形成され、チューブ容器2がより安定して固定されている。また、半割体3a及び3bの内側の下部に、突起状のリブからなる固定部62がそれぞれ4個形成されている。チューブ容器2と接触する内面に、チューブ容器2を固定する固定部61及び62が設けられ、チューブ容器2の平面部側22周辺を挟むように固定している。
【0036】
押圧板部7a及び7bは、それぞれ、挟持部6a及び6bからチューブ容器2の口部23側に向けて延設され、挟持部6a及び6bを支点に片持ち状に設けられている。そして、押圧板部7aと押圧板部7bとの間隔が、チューブ容器2の平面部22側から口部23側に向かうにつれて広がるように、押圧板部7aと押圧板部7bとは、V字状に形成されている。また、押圧板部7a及び7bの幅は、先端部にかけて、開口部4a及び4bの形状に従って、細くなるように形成されている。また、押圧板部7a及び7bの厚さは、押圧板部の中心部から先端部にかけて、徐々に厚くなるように設けられていると共に、押圧板部7a及び押圧板部7bは、チューブ容器本体21の一面側及び他面側にそれぞれ接触するように形成され、チューブ容器本体21の一面側及び他面側のそれぞれの全体面を均一に押圧可能に配設されている。
【0037】
また、押圧板部7(7a、7b)は、挟持部6(6a、6b)が支点となって、可動するように形成されており、押圧板部7aと押圧板部7bとを押圧することで、チューブ容器2の一面側及び他面側が、押圧板部7aと押圧板部7bとにより圧力を受けて、チューブ容器2の内容物が口部23に備える吐出口(図示せず)より吐出される。
【0038】
半割体3a及び3bの上部は、半リング状(11a及び11b)に形成されている。半割体3a及び3bが係止されて、外装容器1の上部に、チューブ容器2の肩部24(チューブ容器本体21の口部23側)を保持するリング状の保持部11が形成される。保持部11は、半リング状(11a及び11b)がチューブ容器2の肩部24を両側から挟むようにして、チューブ容器2を保持している。
【0039】
また、本実施例の外装容器1は、図4及び図5に示されるように、その底部12が台座状に形成され、且つ、底面(底部の底端面)が、形成されている。また、この底面には、図5及び図9に示されるように、凹状のへこみ部13が設けられており、この凹状のへこみ部13にコイン等を挿入することにより、容易に外装容器1を解体することができる。更に、外装容器1の底部には、図2等に示されるように、凹状のくぼみによる指当て部34が、それぞれの半割体3a及び3bに形成されている。
【0040】
チューブ容器2は、アルミチューブ容器である。また、チューブ容器2は、ノズル(本発明に係る蓋部材として例示する)8及びキャップ9を備えており、口部23には雄ねじが形成されている。ノズル8には口部23の雄ねじに対応する雌ねじが形成され、ノズル8は、吐出口を有する口部23に螺合されている。また、キャップ9は着脱自由に、ノズル8に係合され、チューブ容器内の密閉性を維持している。
また、チューブ容器2内に収容される収容物は、ゼリー状の瞬間接着剤であり、その内容量は4gである。
【0041】
実施例2
本実施例2に係る外装容器1は、図17〜19に示されるように、実施例1における外装容器1の形状に加えて、更に、拘止部拘拘及び33、並びに、補助挟持部63を備える。拘止部32及び33は、保持部11におけるチューブ容器2と接触する部分に形成されている。拘止部32としては、三角錐状のリブが形成されている。また、拘止部33としては、保持部11のリング形状に沿って、湾曲した角棒状のリブが形成されている。拘止部32及び33により、チューブ容器2の肩に食い込むように、チューブ容器2を押さえて固定し、チューブ容器2の外装容器1からの脱落を防止している。
また、補助挟持部63は、挟持部6におけるチューブ容器2と接触する部分に形成されている。補助挟持部63としては、挟持部6に形成されている4つの固定部61のうち、中心部の2つの固定部61を繋ぐように、棒状のリブが形成され、チューブ容器2の平面部22側周辺の挟持を補助している。
【0042】
実施例3
本実施例3に係る外装容器1は、図20に示されるように、実施例1における外装容器1の形状に加えて、更に、底部12の底端面に、皿状(半球状)に形成された4つの突起部14を備える。
【0043】
実施例4
本実施例4に係る外装容器1は、実施例1の外装容器1と略同様の構成であることに加えて、図21〜図24に示すように、突起311に先割れ形状のスリット313が形成されているとともに、受け孔312に楔314が設けられている。そして、突起311と受け孔312とを嵌合させるときには、スリット313が形成されていることにより突起311が変形し、突起311の受け孔312への挿入が容易となる。また、嵌合したときには、楔314がスリット313に進入して突起311を押し広げた状態となり、嵌合がより確実になる。
【0044】
実施例5
本実施例5に係る外装容器1は、実施例1の外装容器1と略同様の構成であることに加えて、図25〜図26に示すように、半割体3a及び3bには、周壁部35が設けられている。周壁部35は、チューブ容器2の口部23に対応する側の端部に設けられており、口部23の延びる方向に沿って立ち上がるように形成されている。そして、周壁部35は、ノズル8が口部23に螺結されたときには、図28及び図29に示すように、ノズル8に外周側から覆われる形態でノズル8と嵌合するようになっており、半割体3a及び半割体3bが組み合わされた状態を保持することができるようになっている。また、この周壁部35は、図26に示すように、チューブ容器2の肩部24を上方から抑えるように設けられており、チューブ容器2が外装容器1から抜けることを防止できるようになっている。
【0045】
また、周壁部35の外周面には、周方向に沿って形成された溝部36と、溝部36を幅方向に架け渡すように形成されたリブ37と、が設けられている。また、本実施例5に係るノズル8の内周面には、内側方向に突出するように形成された蓋側突起81が設けられている。蓋側突起81は、図24及び図25に示すように、内周面の周方向に沿って、全周に渡って等間隔に、複数配設されている。そして、ノズル8が口部23に螺結されたときには、図26及び図27に示すように、溝部36は、蓋側突起81のそれぞれが嵌るように設けられており、リブ37は、図26及び図28に示すように、蓋側突起81の間に位置するように設けられている。
【0046】
なお、図26〜図28に示すように、本実施例において、チューブ容器2の口部23には、ノズル8が螺合される前の状態では、チューブ容器2の内容物を封止するための封止膜231が設けられており、これによりチューブ容器2は密封状態とされている。そして、ノズル8を口部23に螺合させることによって、ノズル8の接続部82により封止膜231が破られ、チューブ容器2が開封される。従って、使用者がノズル8を口部23に螺結すると、螺合に伴って蓋側突起81がリブ37を乗り越える感覚が感知されるとともに、蓋側突起81が溝部36に嵌る感覚が感知されることによって、チューブ容器2が開封され、使用可能な状態となったことを認識することができるようになっている。
【0047】
(2)残量評価試験
実施例1の外装容器1にチューブ容器2が保持された状態で、押圧板部7の押圧により接着剤が吐出できるまで押し出して使用した。その後、チューブ容器2を外装容器1から取り出して、チューブ容器2内に残留している接着剤の残量を計測し、下記に示される残量率を算出した。
残量率(%)=(使用後のチューブ容器内の接着剤残量(g)/チューブ容器内の接着剤残量(g))×100
上記により、得られた残量率から、下記の基準で残量評価について判定した。その結果を表1に示す。
○:残量率が30質量%未満であった。
×:残量率が30質量%以上、50質量%未満下であった。
××:残量率が50質量%以上であった。
【0048】
比較例1
上記特許文献3に記載の容器に相当する容器を用いて、実施例1と同様にして、上記の残量評価試験を行なった。その結果を表1に併記する。
【0049】
比較例2
上記特許文献4に記載の容器に類似する容器(特開2003−20078号公報)を用いて、実施例1と同様にして、上記の残量評価試験を行なった。その結果を表1に併記する。
【0050】
【表1】

【0051】
(3)チューブ容器用スタンド
実施例6
本実施例に係るチューブ容器用スタンドは、実施例1に記載の外装容器1からなり、図1〜図4に示されるように、内部にチューブ容器本体21の外側を囲むように保持されている。また、挟持部6及びリング状の保持部11によりチューブ容器2が固定されている。
また、本実施例のチューブ容器用スタンドは、その底部12が台座状に形成され、且つ、底辺(底部の底端面)が、平面に形成されていることにより、容易に立てて置くことができる。
【0052】
(4)実施例の効果
以上より、本実施例の外装容器1によると、屈曲形状からなる舌片5(5a、5b)を備え、屈曲部からなる挟持部6(6a、6b)と、挟持部6(6a、6b)を支点として延設された押圧板部7(7a、7b)とを有する。よって、チューブ容器2の下部(平面部22側)は、挟持部が両側から接触して挟むようにして固定され、また、チューブ容器2の上部(口部23側)は、リング状の保持部11により、チューブ容器2の肩部を両側から挟むようにして、固定されていることから、チューブ容器2は外装容器1内に安定的に固定され装着性及び操作性に優れる。
【0053】
また、舌片5(5a、5b)は、開口部4(4a、4b)のほぼ全面に渡って配設され、挟持部6(6a、6b)を支点として形成された押圧板部7(7a、7b)を有している。よって、押圧板部7(7a、7b)は、挟持部6を支点として可動されると共に、チューブ容器本体21の一面側及び他面側のほぼ全面を押圧することができ、効率的にチューブ容器2の内容物が吐出口より吐出され、チューブ容器内における内容物の絞り残しの抑制に優れ、内容物が残留し難い効果を奏する。
【0054】
また、押圧板部7a及び7bは、それぞれの中心部から先端部にかけて、徐々に厚くなるように設けられていることにより、チューブ容器本体21の一面側及び他面側のそれぞれの全体面を均一に押圧することができ、押圧等によりチューブ容器本体21が変形した状態であっても、チューブ容器2の内容物を効率的に絞り出すことができる。
【0055】
また、外装容器1の底部12が台座状に形成され、且つ、底部12の底面が平面に形成されていることにより、外装容器1は自立させて、安定して立てて置くことができる。これにより、塗布物以外への内容物の付着等を効果的に防止することができる。特に、内容物が瞬間接着剤等である場合には、作業台等の非接着物への付着を効果的に防止することができ、作業性及び保管性に優れる。
【0056】
また、底部12にくぼみ状等の指当て部34が設けられていることにより、押圧板部7(7a、7b)を押圧する際に、押圧板部7(7a、7b)の下部方向からの押圧がより可能となり、チューブ容器本体21の平面状の平面部22側からより効率的に圧力をかけることができ、内容物の絞り残しの抑制により優れる。
【0057】
また、表1の結果から、本発明の実施例1による外装容器1では、チューブ容器本体21内に残留している接着剤の残量率は、30質量%未満であった。一方、比較例1では、接着剤の残量率は、45質量%であり、更に、比較例2では、55質量%であり、いずれもチューブ容器内の内容物の残留量は多かった。このことから、実施例1の本発明による外装容器1は、内部に保持されるチューブ容器2内の内容物の絞り残しの抑制に優れ、内容物が残留し難い効果を奏することがわかる。
【0058】
実施例2における外装容器1は、三角錐状のリブからなる拘止部32及び湾曲した角棒状のリブからなる拘止部33が保持部11に形成され、且つ、棒状のリブからなる補助挟持部63が挟持部6に形成されている。これにより、内装されるチューブ容器2をしっかり固定することができ、チューブ容器2が外装容器1から抜けることを効率的に防止することができる。
【0059】
また、実施例3における外装容器1は、底部12の底端面に、皿状に形成された4つの突起部14を備える。これにより、外装容器1を立てて使用する場合、安定して立てて使用することができ、所謂、ガタツキの防止に効果的である。
特に、本実施例3に示される外装容器1は、安定して立てて使用することができることから、チューブ容器スタンドとして好適に用いることができる。
【0060】
実施例4に係る外装容器1は、対となる半割体3a及び3bの一方に凸状に形成された突起311が設けられており、他方に突起311と嵌合可能な凹状に形成された受け孔312が設けられている。そして、外装容器1は、対となる半割体3a及び3bの一方に設けられた突起311と、他方に設けられた受け孔312とを嵌合させることにより、半割体3a及び3bを組み合わせてなる。また、突起311には、先割れ形状のスリット313が形成されており、受け孔312内には、突起311と受け孔312とが嵌合したときにスリット内に進入する楔314が設けられている。このような構成により、突起311と受け孔312とが嵌合することにより、半割体3a及び3bを確実に組み合わせることができる。また、スリット313と楔314により、突起311と受け孔312との嵌合をより確実なものとすることができる。
【0061】
実施例5に係る外装容器1は、半割体3a及び3bのチューブ容器2の口部23に対応する側の端部に、口部23の延びる方向に沿って立ち上がるように形成された周壁部35が設けられており、周壁部35は、ノズル8が口部23に螺結されたときには、ノズル8に外周側から覆われる形態で、ノズル8と嵌合するようになっている。これにより、半割体3a及び3b同士の結合を高めることができる。
【0062】
また、実施例5では、ノズル8の内周面に、ノズル8の内側方向に突出するように形成された蓋側突起81が設けられており、蓋側突起81は、内周面の周方向に沿って複数配設されている。また、周壁部35の外周面には、周方向に沿って形成された溝部36と、溝部36を幅方向に架け渡すように形成されたリブ37と、が設けられている。そして、溝部36は、ノズル8が口部23に螺結されたときには、蓋側突起81が嵌るように設けられている。また、リブ37は、ノズル8が口部23に螺結されたときには、蓋側突起81の間に位置するように設けられている。このように、蓋側突起81が溝部36に嵌ることで、ノズル8と周壁部35との結合をより確実なものとすることができる。また、蓋側突起81とリブ37が設けられていることにより、ノズル8を螺結させてゆく際に、蓋側突起81がリブ37と干渉しつつ回転する感覚を得ることができる。これにより、ノズル8を確実に螺結させたことを認識することができる。更に、螺結完了時には、蓋側突起81の間にリブ37が位置することにより、ノズル8の緩みを防止することができる。
【0063】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0064】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の外装容器は、接着剤、硬化剤、コーティング剤、靴墨、ワックス等の化成品、山葵、生姜、辛子、大蒜、チョコレート等の食料品、練り歯磨き、化粧品、髪染め等の日用品、軟膏等の医薬品、絵の具等のチューブ容器の外装容器として広く利用される。特に、ペースト状又はゼリー状の接着剤の外装容器に好適に利用される。
【符号の説明】
【0066】
1;外装容器、11(11a、11b);保持部、12;底部、13;へこみ部、14;突起部、2;チューブ容器、21;チューブ容器本体、22;チューブ容器の平面部、23;チューブ容器の口部、231;封止膜、24;チューブ容器の肩部、3(3a、3b);半割体、31;係止部、311;突起、312;受け孔、313;スリット、314;楔、32,33;拘止部、34;指当て部、35;周壁部、36;溝部、37;リブ、3a;半割体、3b;半割体、4(4a、4b);開口部、5(5a、5b);舌片、6(6a、6b);挟持部、61、62;固定部、63;補助挟持部、7(7a、7b);押圧板部、8;ノズル、81;蓋側突起、82;接続部、9;キャップ、CL;中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部と口部とが設けられたチューブ容器の内容物が収納されたチューブ容器本体の外側を囲むように配される外装容器であって、
本外装容器は、一対の半割体が組み合わされてなり、
前記各半割体は、開口部と、該開口部の下部に連結され、且つ、該開口部内に配設された、前記チューブ容器本体を押圧可能な舌片と、を備え、
前記舌片は、前記チューブ容器の前記平面部側を両側から挟むように固定する挟持部と、前記チューブ容器の前記平面部側から前記口部側に向かうにつれて広がるように対向して設けられている押圧板部と、を有することを特徴とする外装容器。
【請求項2】
前記押圧板部が、前記挟持部から前記チューブ容器の前記口部側に向けて延設されている請求項1に記載の外装容器。
【請求項3】
本外装容器が、前記チューブ容器の前記口部側を保持するリング状の保持部を有している請求項1又は2に記載の外装容器。
【請求項4】
本外装容器の底部に、凹状のくぼみによる指当て部が設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の外装容器。
【請求項5】
前記一対の半割体の一方には、凸状に形成された突起が設けられており、前記一対の半割体の他方には、前記突起と嵌合可能な凹状に形成された受け孔が設けられており、
前記一対の半割体は、前記突起と前記受け孔とを嵌合させることにより組み合わされており、
前記突起には、先割れ形状のスリットが形成されており、
前記受け孔内には、前記突起と前記受け孔とが嵌合したときに前記スリット内に進入する楔が設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の外装容器。
【請求項6】
前記チューブ容器は、前記口部の外周面にネジが形成されているとともに、前記口部に螺結される蓋部材を備えており、
前記半割体の前記口部に対応する側の端部には、前記口部の延びる方向に沿って立ち上がるように形成された周壁部が設けられており、
前記周壁部は、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記蓋部材に外周側から覆われる形態で、前記蓋部材と嵌合する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の外装容器。
【請求項7】
前記蓋部材の内周面には、前記蓋部材の内側方向に突出するように形成された蓋側突起が設けられており、前記蓋側突起は、前記内周面の周方向に沿って複数配設されており、
前記周壁部の外周面には、周方向に沿って形成された溝部と、前記溝部を幅方向に架け渡すように形成されたリブと、が設けられており、
前記溝部は、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記複数の蓋側突起がそれぞれ嵌るように設けられており、
前記リブは、前記蓋部材が前記口部に螺結されたときには、前記複数の蓋側突起の間に位置するように設けられている請求項6に記載の外装容器。
【請求項8】
本外装容器が、自立するように、底面を備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載の外装容器。
【請求項9】
前記内容物の形態が、液状、ペースト状又はゼリー状である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の外装容器。
【請求項10】
前記内容物が、接着剤である請求項9に記載の外装容器。
【請求項11】
請求項8に記載の外装容器を用いることを特徴とするチューブ容器用スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−56711(P2013−56711A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284258(P2012−284258)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2012−540978(P2012−540978)の分割
【原出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(000003034)東亞合成株式会社 (548)
【Fターム(参考)】