外装材付き壁パネル
【課題】従来に比して強度に優れるとともに、コストの削減が可能となり、さらに、防水性の向上が可能な外装材付き壁パネルの提供。
【解決手段】板材２の両面の周縁部に枠体３，４が取り付けられ、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、枠体３および縦棧材５の表面に複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定された外装材付き壁パネル１。これにより、枠体によって板材を両面側から挟み込むことができる。また、使用する板材の量を２枚から１枚に減らすことができる。その上、隣接する外装材間からの雨水の浸入を防水材によって確実に防ぐことができる。
【解決手段】板材２の両面の周縁部に枠体３，４が取り付けられ、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、枠体３および縦棧材５の表面に複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定された外装材付き壁パネル１。これにより、枠体によって板材を両面側から挟み込むことができる。また、使用する板材の量を２枚から１枚に減らすことができる。その上、隣接する外装材間からの雨水の浸入を防水材によって確実に防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、住宅等の建物に用いられる外装材付き壁パネルに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、住宅等の建物の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより住宅を構築するパネル工法が一部に採用されている（例えば、特許文献１参照）。
この特許文献１で用いられる壁パネルは、縦芯材と横芯材とが矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材が縦横に組まれて枠体とされ、さらに、この枠体内にグラスウール等の断熱材が充填された状態で枠体の表裏両面に合板等の面材が貼着されたものである。
【特許文献１】特開平１１−２６９９８２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところが、上記特許文献１に記載のような壁パネルに対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この壁パネルの大部分を構成する両面材や、これら両面材と枠体との取付部分などが多大な影響を受けてしまう場合がある。このため、近年、地震対策等の観点から、面材や、面材と枠体との接合部分が影響を受けにくく、強度に優れる壁パネルの技術開発が望まれていた。
しかしながら、壁パネルの強度を向上させるために、例えば、強度の高い金属を取り付けたり、制振等の特殊な機能を付属させるとコストの増加を招く場合がある。
【０００４】
さらに、上記特許文献１に記載のような壁パネルは、外側の面材に防水シートが貼設されるとともに、この防水シート上に横方向に延在する胴縁が上下に複数並設されており、これら横方向の胴縁に対して、上下方向に長く形成されたサイディングが、胴縁の長さ方向に沿って隣接配置されている。
しかしながら、例えば隣接するサイディングの側端部間の隙間から雨水等が浸入してしまうと、外装材の裏面や胴縁が濡れるのを防ぐことが難しく、また前記胴縁が横方向に延在しているので、この胴縁の上面に雨水が溜まってしまう場合等があるため、防水性を向上させることが可能な技術の開発が望まれていた。
【０００５】
本発明の課題は、従来に比して強度に優れるとともに、コストの削減が可能となり、さらに、防水性の向上が可能な外装材付き壁パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に記載の発明は、外装材付き壁パネル１であり、例えば図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、
これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることを特徴とする。
【０００７】
請求項１に記載の発明によれば、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４を取り付けてなるので、前記枠体３，４によって板材２を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材２の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制し、板材２が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって変形を抑制することができる。また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとすれば、板材２両面の前記枠体３，４全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４によって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、前記板材２の両面に枠体３，４が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材２の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることから、隣接する外装材７の側端部間からの雨水の浸入を、前記防水材８によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【０００８】
しかも、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面に、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置されていることから、現場で外装材７を取り付ける手間を省くことができるので、作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項１に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記複数の外装材７は、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されていることを特徴とする。
【００１０】
請求項２に記載の発明によれば、前記複数の外装材７は、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されているので、これら上サネ７ｂの下面と下サネ７ａの上面とが密接することになり、雨水の浸入が困難となるため、防水性をより向上させることができる。
【００１１】
請求項３に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項１または２に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっていることを特徴とする。
【００１２】
請求項３に記載の発明によれば、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっているので、この通気層９内を常に空気が通過することになり、例えば隣接する外装材７の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層９内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができる。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項３に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の両面側に取り付けられた枠体３，４のうち、少なくとも一方の枠体３（４）の内部には断熱材１０（１１）が設けられており、
前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されていることを特徴とする。
【００１４】
請求項４に記載の発明によれば、前記板材２の両面側に取り付けられた枠体３，４のうち、少なくとも一方の枠体３（４）の内部には断熱材１０（１１）が設けられており、前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されているので、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部の通気層９によって、枠体３の内部の乾燥状態を維持しながら、前記断熱材１０によって断熱効果を得ることができる。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、例えば図１および図２に示すように、請求項１〜４のいずれか一項に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいることを特徴とする。
【００１６】
請求項５に記載の発明によれば、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいるので、前記一方の縦框材３ａと他方の縦框材３ｂとは、凹凸の関係性を有していることとなる。したがって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際は、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるようにしながら、隣接する外装材付き壁パネル１の側端面同士を密接させるだけで、容易に位置決めを行うことができる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、板材の両面の周縁部に取り付けられた枠体によって板材を両面側から挟み込むことができ、板材が、いずれの方向に変形しても枠体によって変形を抑制することができるので、板材や、この板材と両枠体との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、板材の両面に枠体が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、複数の外装材の側端部が、板材の一面側に取り付けられた枠体の一方および他方の縦框材の表面と縦棧材の表面に、それぞれ防水材を介して固定されていることから、隣接する外装材の側端部間からの雨水の浸入を、防水材によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【００１９】
本実施の形態の外装材付き壁パネル１は、図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されている。
【００２０】
なお、図１に示す図は、本実施の形態の外装材付き壁パネル１を複数用意し、これら外装材付き壁パネル１を隣接させた状態を示しており、一方の外装材付き壁パネル１の板材２の他面側に取り付けられた枠体４の一方の縦框材４ａと、他方の外装材付き壁パネル１の板材２の他面側に取り付けられた枠体４の他方の縦框材４ｂとが、連結ボルト１２によって連結されている。
また、図２に示す図は、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部を示す正面図、側断面図および底断面図である。
【００２１】
ここで、本実施の形態の板材２として、材料に合板が用いられているが、これに限るものではない。すなわち、例えば樹種を変更したり、木片等を合成樹脂で固めたパーティクルボードを使用してもよく、地震等に対する強度を向上させることが可能であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【００２２】
前記枠体３，４は、図１および図２に示すように、離間して対向配置された縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂの上下端部間に、それぞれ横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄが架設されることで、四角枠状に形成されており、この枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する前記縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されている。
【００２３】
また、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいる。
したがって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際は、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるようにしながら、隣接する外装材付き壁パネル１の側端面同士を密接させるだけで、容易に位置決めを行うことができるようになっている。
【００２４】
さらに、前記一方の縦框材３ａの突出寸法は、前記他方の縦框材３ｂの引込み寸法と略等しい寸法となっており、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を正確に合わせることができるようになっている。
【００２５】
すなわち、前記一方の縦框材３ａの突出寸法は、図１に示すように、例えば一方の縦框材３ａのうち、前記板材２の周縁部から横方向外側に突出していない部分の幅寸法の値を「１０」とすると、前記板材２の周縁部から横方向外側に突出している部分の幅寸法の値が「５」となっている。
対して、前記他方の縦框材３ｂの幅寸法の値は、前記一方の縦框材３ａの突出していない部分と同じく「１０」となっており、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んだ分の引込み寸法の値は、前記一方の縦框材３ａの突出している部分と同じく「５」となっている。
つまり、前記一方の縦框材３ａが突出する分だけ、他方の縦框材３ｂが引込んだ形態となっている。ただし、以上説明した各値はこれに限定されない。
【００２６】
一方、前記板材２の他面側に取り付けられた枠体４は、図１に示すように、前記板材２の周縁部に沿って正確に取り付けられており、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３よりも、奥行き寸法が長く形成されている。
【００２７】
また、図２に示すように、前記板材２の両面の枠体３，４の内部には、前記横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄと平行する横棧材５ａ，６ａが、前記縦棧材５，６と直交するようにして、対向する縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂ間にそれぞれ配置されている。すなわち、前記板材２の両面に枠体３，４の内部において、これら縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって前記枠体３，４の補強を行うことができるので、地震等に対する強度をより向上させることが可能となっている。
【００２８】
一方、前記複数の外装材７は、上述のように前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面に、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、隣接配置されている。これによって、現場で外装材７を取り付ける手間を省くことができるので、作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
また、後述する断熱材１０，１１を、予め板材２の両面の枠体３，４の内部に設けておいてもよく、図１に示すように、複数の外装材付き壁パネル１を複数連結しておいても同様に作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
【００２９】
一方、前記複数の外装材７は、前記板材２の上下方向に沿って長く形成されており、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されている。したがって、これら上サネ７ｂの下面と下サネ７ａの上面とが密接することになり、雨水の浸入が困難となるため、防水性を向上させることが可能となっている。
なお、互いに重ね合わさる上サネ７ｂおよび下サネ７ａ間には、ホットメルト等の接着剤が塗布され、上サネ７ｂおよび下サネ７ａ同士が接着されている。
【００３０】
なお、前記板材２の一面側の縦棧材５は、前記板材２の一面側の一方の縦框材３ａよりも幅広に形成されており、これによって、この縦棧材５に対して外装材７の側端部を固定しやすくなっている。
【００３１】
また、前記板材２の一面側の枠体３のうち、一方の縦框材３ａの表面には、この一方の縦框材３ａの外側端部と下サネ７ａの側端部とを揃えるようにして外装材７が固定され、他方の縦框材３ｂの表面には、この他方の縦框材３ｂの外側端部よりも上サネ７ｂの側端部を突出させるようにして外装材７が固定されている。
【００３２】
これによって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるのと同時に、前記一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａの表面に固定された外装材７の下サネ７ａと、前記他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂの表面に固定された外装材７の上サネ７ｂとを互いに重ね合わせることができ、施工性に優れる。
【００３３】
一方、本実施の形態の防水材８は、例えばブチルゴム等のような液体不透過性や耐候性、耐熱性等に優れる素材からなるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【００３４】
また、この防水材８は、前記一方および他方の縦框材３ａ，３ｂや、前記縦棧材５の表面の形状に合わせて形成されており、縦方向に長い矩形状となっている。また、図示はしないが、この防水材８を、前記一方および他方の縦框材３ａ，３ｂや縦棧材５よりも若干大きくなるように形成してもよい。
【００３５】
そして、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、図１に示すように、通気層９となっており、この通気層９は、前記板材２の上下方向に沿って延在している。
なお、上述したように前記板材２の一面側の枠体３の内部には、前記横棧材５ａが配置されている。ここで、図示はしないが、通気層９の良好な通気状態を維持するために、この横棧材５ａを、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄厚に形成したり、この横棧材５ａに、上下に連通する通気孔を設けるようにしてもよい。
【００３６】
このように、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっているので、この通気層９内を常に空気が通過することになり、例えば隣接する外装材７の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層９内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができる。
また、図１に示すように、この通気層９内をパイプスペース１３として使用することもできる。
【００３７】
さらに、図１に示すように、この板材２の一面側の枠体３の内部には断熱材１０が設けられており、前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されている。
【００３８】
そして、このように板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法が、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されているので、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部の通気層９によって、枠体３の内部の乾燥状態を維持しながら、前記断熱材１０によって断熱効果を得ることができるようになっている。
【００３９】
一方、前記板材２の他面側に取り付けられた枠体４の内部は、断熱材の設置スペースとして使用されたり、パイプスペースとして使用されたり、また、図示はしないが、棚を取り付けて収納スペースとすることも可能となっており、多目的に利用することができるので、利便性が高い。
【００４０】
本実施の形態においては、断熱材１１が設けられている。すなわち、前記板材２の両面に取り付けられた枠体３，４の内部には、双方に断熱材１０，１１が設けられることになっている。
このように、双方に断熱材１０，１１を設置すると、従来の、断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることが可能となっている。
なお、前記板材２両面の枠体３，４の内部に、断熱材１０，１１が設けられる際は、前記縦横の棧材５，５ａ、６，６ａを避けて断熱材１０，１１が設置されることとなる。
【００４１】
また、前記板材２の他面側の枠体４および縦横の棧材６，６ａの表面には、防湿シート１４ａを介して石膏ボード１４が取り付けられている。さらに、図示はしないが、この石膏ボード１４の表面には内装材が取り付けられ、本実施の形態の外装材付き壁パネル１を、外壁用パネルとして使用することができるようになっている。
【００４２】
なお、本実施の形態の外装材付き壁パネル１とは別に、例えば、他の外装材付き壁パネルとは連続しない箇所に外装材付き壁パネルを設置する際は、図３に示すような外装材付き壁パネル１５を使用してもよい。
【００４３】
この外装材付き壁パネル１５は、板材１６の両面に枠体１７，１８および縦棧材１７ｃ，１８Ｃが取り付けられており、板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７および縦棧材１７ｃの表面に外装材１９が設けられている。
【００４４】
また、図３に示すように外装材付き壁パネル１５，１５同士を隣接させる際は、一方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の他面側に取り付けられた枠体１８の一方の縦框材１８ａと、他方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の他面側に取り付けられた枠体１８の他方の縦框材１８ｂとを、連結ボルト２０によって連結する。
この時、一方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７の一方の縦框材１７ａ付近に位置する外装材１９の下サネ１９ａと、他方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７の他方の縦框材１７ｂ付近に位置する外装材１９の上サネ１９ｂとが互いに重なり合うようになっている。
【００４５】
また、これら隣接する外装材付き壁パネル１５同士の互いに重なり合う下サネ１９ａおよび上サネ１９ｂとは反対側に位置する、それぞれの外装材付き壁パネル１５の上サネ１９ｂおよび下サネ１９ａの側端部の位置と、それぞれ枠材１７，１８の外側端部の位置とが揃うように構成されている。
【００４６】
次に、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部による地震等の変形力に対する作用について詳細に説明する。
【００４７】
ここで、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部は、図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されて構成されている。これに加えて、前記横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄと平行する横棧材５ａ，６ａが、前記縦棧材５，６と直交するようにして、対向する縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂ間にそれぞれ配置されている。
【００４８】
そして、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。
【００４９】
例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制する。
すなわち、例えば前記板材２の一面側が外側に向くように位置し、他面側が内側に向くように位置するようにして、前記板材２が側面視くの字に変形する場合、前記板材２の一面側に取り付けられた一方の縦框材３ａおよび他方の縦框材３ｂも、前記板材２の一面側と同様の方向に変形しようとし、前記板材２の他面側に取り付けられた一方の縦框材４ａおよび他方の縦框材４ｂも、前記板材２の他面側と同様の方向に変形しようとする力が働く。
【００５０】
これに対して、前記板材２の一面側に取り付けられた一方の縦框材３ａおよび他方の縦框材３ｂには、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとし、前記板材２の他面側に取り付けられた一方の縦框材４ａおよび他方の縦框材４ｂにも、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとする。
【００５１】
このため、前記板材２は、この板材２両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂの、変形しようとする力と、変形に対する復帰力とによって挟み込まれることとなる。
【００５２】
つまり、前記板材２が、側面視くの字に変形しようとしても、前記板材２の両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制され、また前記板材２が、側面視逆くの字に変形しようとしても、前記板材２の両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制されることとなる。
【００５３】
一方、例えば、前記板材２が、平面視くの字に変形しようとしても、上述のごとく、前記板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって、その変形が抑制されることとなる。
【００５４】
また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとしても、前記板材２両面の縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄからなる枠体３，４全体で変形を抑制することができるようになっている。
【００５５】
しかも、前記板材２の両面側の枠体３，４の内部には、前記縦横の棧材５，５ａ、６，６ａが設けられているので、これら縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって前記枠体３，４の補強を行うことができ、この補強された枠体３，４によって板材２の変形を抑制する力が強化されることとなる。
【００５６】
したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４および縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
【００５７】
本実施の形態によれば、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４を取り付けてなるので、前記枠体３，４によって板材２を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材２の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制し、板材２が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって変形を抑制することができる。また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとすれば、板材２両面の前記枠体３，４全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４によって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、前記板材２の両面に枠体３，４が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材２の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることから、隣接する外装材７の側端部間からの雨水の浸入を、前記防水材８によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００５８】
【図１】本発明の実施の形態に係る外装材付き壁パネルを示す平断面図である。
【図２】図１に示す外装材付き壁パネルの主要部を示す正面図、側断面図および底断面図である。
【図３】その他の外装材付き壁パネルの例を示す平断面図である。
【符号の説明】
【００５９】
１ 外装材付き壁パネル
２ 板材
３ 枠体
４ 枠体
５ 縦棧材
７ 外装材
８ 防水材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、住宅等の建物に用いられる外装材付き壁パネルに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、住宅等の建物の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより住宅を構築するパネル工法が一部に採用されている（例えば、特許文献１参照）。
この特許文献１で用いられる壁パネルは、縦芯材と横芯材とが矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材が縦横に組まれて枠体とされ、さらに、この枠体内にグラスウール等の断熱材が充填された状態で枠体の表裏両面に合板等の面材が貼着されたものである。
【特許文献１】特開平１１−２６９９８２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところが、上記特許文献１に記載のような壁パネルに対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この壁パネルの大部分を構成する両面材や、これら両面材と枠体との取付部分などが多大な影響を受けてしまう場合がある。このため、近年、地震対策等の観点から、面材や、面材と枠体との接合部分が影響を受けにくく、強度に優れる壁パネルの技術開発が望まれていた。
しかしながら、壁パネルの強度を向上させるために、例えば、強度の高い金属を取り付けたり、制振等の特殊な機能を付属させるとコストの増加を招く場合がある。
【０００４】
さらに、上記特許文献１に記載のような壁パネルは、外側の面材に防水シートが貼設されるとともに、この防水シート上に横方向に延在する胴縁が上下に複数並設されており、これら横方向の胴縁に対して、上下方向に長く形成されたサイディングが、胴縁の長さ方向に沿って隣接配置されている。
しかしながら、例えば隣接するサイディングの側端部間の隙間から雨水等が浸入してしまうと、外装材の裏面や胴縁が濡れるのを防ぐことが難しく、また前記胴縁が横方向に延在しているので、この胴縁の上面に雨水が溜まってしまう場合等があるため、防水性を向上させることが可能な技術の開発が望まれていた。
【０００５】
本発明の課題は、従来に比して強度に優れるとともに、コストの削減が可能となり、さらに、防水性の向上が可能な外装材付き壁パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
請求項１に記載の発明は、外装材付き壁パネル１であり、例えば図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、
これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることを特徴とする。
【０００７】
請求項１に記載の発明によれば、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４を取り付けてなるので、前記枠体３，４によって板材２を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材２の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制し、板材２が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって変形を抑制することができる。また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとすれば、板材２両面の前記枠体３，４全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４によって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、前記板材２の両面に枠体３，４が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材２の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることから、隣接する外装材７の側端部間からの雨水の浸入を、前記防水材８によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【０００８】
しかも、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面に、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置されていることから、現場で外装材７を取り付ける手間を省くことができるので、作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
【０００９】
請求項２に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項１に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記複数の外装材７は、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されていることを特徴とする。
【００１０】
請求項２に記載の発明によれば、前記複数の外装材７は、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されているので、これら上サネ７ｂの下面と下サネ７ａの上面とが密接することになり、雨水の浸入が困難となるため、防水性をより向上させることができる。
【００１１】
請求項３に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項１または２に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっていることを特徴とする。
【００１２】
請求項３に記載の発明によれば、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっているので、この通気層９内を常に空気が通過することになり、例えば隣接する外装材７の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層９内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができる。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、例えば図１に示すように、請求項３に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の両面側に取り付けられた枠体３，４のうち、少なくとも一方の枠体３（４）の内部には断熱材１０（１１）が設けられており、
前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されていることを特徴とする。
【００１４】
請求項４に記載の発明によれば、前記板材２の両面側に取り付けられた枠体３，４のうち、少なくとも一方の枠体３（４）の内部には断熱材１０（１１）が設けられており、前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されているので、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部の通気層９によって、枠体３の内部の乾燥状態を維持しながら、前記断熱材１０によって断熱効果を得ることができる。
【００１５】
請求項５に記載の発明は、例えば図１および図２に示すように、請求項１〜４のいずれか一項に記載の外装材付き壁パネル１において、
前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいることを特徴とする。
【００１６】
請求項５に記載の発明によれば、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいるので、前記一方の縦框材３ａと他方の縦框材３ｂとは、凹凸の関係性を有していることとなる。したがって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際は、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるようにしながら、隣接する外装材付き壁パネル１の側端面同士を密接させるだけで、容易に位置決めを行うことができる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、板材の両面の周縁部に取り付けられた枠体によって板材を両面側から挟み込むことができ、板材が、いずれの方向に変形しても枠体によって変形を抑制することができるので、板材や、この板材と両枠体との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、板材の両面に枠体が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、複数の外装材の側端部が、板材の一面側に取り付けられた枠体の一方および他方の縦框材の表面と縦棧材の表面に、それぞれ防水材を介して固定されていることから、隣接する外装材の側端部間からの雨水の浸入を、防水材によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【００１９】
本実施の形態の外装材付き壁パネル１は、図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されており、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されている。
【００２０】
なお、図１に示す図は、本実施の形態の外装材付き壁パネル１を複数用意し、これら外装材付き壁パネル１を隣接させた状態を示しており、一方の外装材付き壁パネル１の板材２の他面側に取り付けられた枠体４の一方の縦框材４ａと、他方の外装材付き壁パネル１の板材２の他面側に取り付けられた枠体４の他方の縦框材４ｂとが、連結ボルト１２によって連結されている。
また、図２に示す図は、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部を示す正面図、側断面図および底断面図である。
【００２１】
ここで、本実施の形態の板材２として、材料に合板が用いられているが、これに限るものではない。すなわち、例えば樹種を変更したり、木片等を合成樹脂で固めたパーティクルボードを使用してもよく、地震等に対する強度を向上させることが可能であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【００２２】
前記枠体３，４は、図１および図２に示すように、離間して対向配置された縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂの上下端部間に、それぞれ横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄが架設されることで、四角枠状に形成されており、この枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する前記縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されている。
【００２３】
また、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の縦框材３ａ，３ｂのうち、一方の縦框材３ａは、前記板材２の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材３ｂは、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んでいる。
したがって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際は、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるようにしながら、隣接する外装材付き壁パネル１の側端面同士を密接させるだけで、容易に位置決めを行うことができるようになっている。
【００２４】
さらに、前記一方の縦框材３ａの突出寸法は、前記他方の縦框材３ｂの引込み寸法と略等しい寸法となっており、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を正確に合わせることができるようになっている。
【００２５】
すなわち、前記一方の縦框材３ａの突出寸法は、図１に示すように、例えば一方の縦框材３ａのうち、前記板材２の周縁部から横方向外側に突出していない部分の幅寸法の値を「１０」とすると、前記板材２の周縁部から横方向外側に突出している部分の幅寸法の値が「５」となっている。
対して、前記他方の縦框材３ｂの幅寸法の値は、前記一方の縦框材３ａの突出していない部分と同じく「１０」となっており、前記板材２の周縁部よりも横方向内側に引込んだ分の引込み寸法の値は、前記一方の縦框材３ａの突出している部分と同じく「５」となっている。
つまり、前記一方の縦框材３ａが突出する分だけ、他方の縦框材３ｂが引込んだ形態となっている。ただし、以上説明した各値はこれに限定されない。
【００２６】
一方、前記板材２の他面側に取り付けられた枠体４は、図１に示すように、前記板材２の周縁部に沿って正確に取り付けられており、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３よりも、奥行き寸法が長く形成されている。
【００２７】
また、図２に示すように、前記板材２の両面の枠体３，４の内部には、前記横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄと平行する横棧材５ａ，６ａが、前記縦棧材５，６と直交するようにして、対向する縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂ間にそれぞれ配置されている。すなわち、前記板材２の両面に枠体３，４の内部において、これら縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって前記枠体３，４の補強を行うことができるので、地震等に対する強度をより向上させることが可能となっている。
【００２８】
一方、前記複数の外装材７は、上述のように前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面に、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、隣接配置されている。これによって、現場で外装材７を取り付ける手間を省くことができるので、作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
また、後述する断熱材１０，１１を、予め板材２の両面の枠体３，４の内部に設けておいてもよく、図１に示すように、複数の外装材付き壁パネル１を複数連結しておいても同様に作業性の向上や工期の短縮を図ることができる。
【００２９】
一方、前記複数の外装材７は、前記板材２の上下方向に沿って長く形成されており、それぞれ一方の側端部に下サネ７ａを他方の側端部に上サネ７ｂを備えることによって、これら上サネ７ｂおよび下サネ７ａが互いに重なり合うようにして隣接配置されている。したがって、これら上サネ７ｂの下面と下サネ７ａの上面とが密接することになり、雨水の浸入が困難となるため、防水性を向上させることが可能となっている。
なお、互いに重ね合わさる上サネ７ｂおよび下サネ７ａ間には、ホットメルト等の接着剤が塗布され、上サネ７ｂおよび下サネ７ａ同士が接着されている。
【００３０】
なお、前記板材２の一面側の縦棧材５は、前記板材２の一面側の一方の縦框材３ａよりも幅広に形成されており、これによって、この縦棧材５に対して外装材７の側端部を固定しやすくなっている。
【００３１】
また、前記板材２の一面側の枠体３のうち、一方の縦框材３ａの表面には、この一方の縦框材３ａの外側端部と下サネ７ａの側端部とを揃えるようにして外装材７が固定され、他方の縦框材３ｂの表面には、この他方の縦框材３ｂの外側端部よりも上サネ７ｂの側端部を突出させるようにして外装材７が固定されている。
【００３２】
これによって、外装材付き壁パネル１同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａと、引込んでいる他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂとの位置を合わせるのと同時に、前記一方の外装材付き壁パネル１の一方の縦框材３ａの表面に固定された外装材７の下サネ７ａと、前記他方の外装材付き壁パネル１の他方の縦框材３ｂの表面に固定された外装材７の上サネ７ｂとを互いに重ね合わせることができ、施工性に優れる。
【００３３】
一方、本実施の形態の防水材８は、例えばブチルゴム等のような液体不透過性や耐候性、耐熱性等に優れる素材からなるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【００３４】
また、この防水材８は、前記一方および他方の縦框材３ａ，３ｂや、前記縦棧材５の表面の形状に合わせて形成されており、縦方向に長い矩形状となっている。また、図示はしないが、この防水材８を、前記一方および他方の縦框材３ａ，３ｂや縦棧材５よりも若干大きくなるように形成してもよい。
【００３５】
そして、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、図１に示すように、通気層９となっており、この通気層９は、前記板材２の上下方向に沿って延在している。
なお、上述したように前記板材２の一面側の枠体３の内部には、前記横棧材５ａが配置されている。ここで、図示はしないが、通気層９の良好な通気状態を維持するために、この横棧材５ａを、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄厚に形成したり、この横棧材５ａに、上下に連通する通気孔を設けるようにしてもよい。
【００３６】
このように、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部は、通気層９となっているので、この通気層９内を常に空気が通過することになり、例えば隣接する外装材７の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層９内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができる。
また、図１に示すように、この通気層９内をパイプスペース１３として使用することもできる。
【００３７】
さらに、図１に示すように、この板材２の一面側の枠体３の内部には断熱材１０が設けられており、前記板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法は、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されている。
【００３８】
そして、このように板材２の一面側の枠体３の内部に設けられる断熱材１０の厚さ寸法が、前記板材２の一面側の枠体３よりも薄く形成されているので、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の内部の通気層９によって、枠体３の内部の乾燥状態を維持しながら、前記断熱材１０によって断熱効果を得ることができるようになっている。
【００３９】
一方、前記板材２の他面側に取り付けられた枠体４の内部は、断熱材の設置スペースとして使用されたり、パイプスペースとして使用されたり、また、図示はしないが、棚を取り付けて収納スペースとすることも可能となっており、多目的に利用することができるので、利便性が高い。
【００４０】
本実施の形態においては、断熱材１１が設けられている。すなわち、前記板材２の両面に取り付けられた枠体３，４の内部には、双方に断熱材１０，１１が設けられることになっている。
このように、双方に断熱材１０，１１を設置すると、従来の、断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることが可能となっている。
なお、前記板材２両面の枠体３，４の内部に、断熱材１０，１１が設けられる際は、前記縦横の棧材５，５ａ、６，６ａを避けて断熱材１０，１１が設置されることとなる。
【００４１】
また、前記板材２の他面側の枠体４および縦横の棧材６，６ａの表面には、防湿シート１４ａを介して石膏ボード１４が取り付けられている。さらに、図示はしないが、この石膏ボード１４の表面には内装材が取り付けられ、本実施の形態の外装材付き壁パネル１を、外壁用パネルとして使用することができるようになっている。
【００４２】
なお、本実施の形態の外装材付き壁パネル１とは別に、例えば、他の外装材付き壁パネルとは連続しない箇所に外装材付き壁パネルを設置する際は、図３に示すような外装材付き壁パネル１５を使用してもよい。
【００４３】
この外装材付き壁パネル１５は、板材１６の両面に枠体１７，１８および縦棧材１７ｃ，１８Ｃが取り付けられており、板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７および縦棧材１７ｃの表面に外装材１９が設けられている。
【００４４】
また、図３に示すように外装材付き壁パネル１５，１５同士を隣接させる際は、一方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の他面側に取り付けられた枠体１８の一方の縦框材１８ａと、他方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の他面側に取り付けられた枠体１８の他方の縦框材１８ｂとを、連結ボルト２０によって連結する。
この時、一方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７の一方の縦框材１７ａ付近に位置する外装材１９の下サネ１９ａと、他方の外装材付き壁パネル１５の板材１６の一面側に取り付けられた枠体１７の他方の縦框材１７ｂ付近に位置する外装材１９の上サネ１９ｂとが互いに重なり合うようになっている。
【００４５】
また、これら隣接する外装材付き壁パネル１５同士の互いに重なり合う下サネ１９ａおよび上サネ１９ｂとは反対側に位置する、それぞれの外装材付き壁パネル１５の上サネ１９ｂおよび下サネ１９ａの側端部の位置と、それぞれ枠材１７，１８の外側端部の位置とが揃うように構成されている。
【００４６】
次に、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部による地震等の変形力に対する作用について詳細に説明する。
【００４７】
ここで、本実施の形態の外装材付き壁パネル１の主要部は、図１および図２に示すように、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４が取り付けられるとともに、これら枠体３，４の内部に、一方および他方の縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂと平行する縦棧材５，６が、対向する横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄ間に配置されて構成されている。これに加えて、前記横框材３ｃ，３ｄ、４ｃ，４ｄと平行する横棧材５ａ，６ａが、前記縦棧材５，６と直交するようにして、対向する縦框材３ａ，３ｂ、４ａ，４ｂ間にそれぞれ配置されている。
【００４８】
そして、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。
【００４９】
例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制する。
すなわち、例えば前記板材２の一面側が外側に向くように位置し、他面側が内側に向くように位置するようにして、前記板材２が側面視くの字に変形する場合、前記板材２の一面側に取り付けられた一方の縦框材３ａおよび他方の縦框材３ｂも、前記板材２の一面側と同様の方向に変形しようとし、前記板材２の他面側に取り付けられた一方の縦框材４ａおよび他方の縦框材４ｂも、前記板材２の他面側と同様の方向に変形しようとする力が働く。
【００５０】
これに対して、前記板材２の一面側に取り付けられた一方の縦框材３ａおよび他方の縦框材３ｂには、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとし、前記板材２の他面側に取り付けられた一方の縦框材４ａおよび他方の縦框材４ｂにも、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとする。
【００５１】
このため、前記板材２は、この板材２両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂの、変形しようとする力と、変形に対する復帰力とによって挟み込まれることとなる。
【００５２】
つまり、前記板材２が、側面視くの字に変形しようとしても、前記板材２の両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制され、また前記板材２が、側面視逆くの字に変形しようとしても、前記板材２の両面に取り付けられた一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制されることとなる。
【００５３】
一方、例えば、前記板材２が、平面視くの字に変形しようとしても、上述のごとく、前記板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって、その変形が抑制されることとなる。
【００５４】
また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとしても、前記板材２両面の縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄからなる枠体３，４全体で変形を抑制することができるようになっている。
【００５５】
しかも、前記板材２の両面側の枠体３，４の内部には、前記縦横の棧材５，５ａ、６，６ａが設けられているので、これら縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって前記枠体３，４の補強を行うことができ、この補強された枠体３，４によって板材２の変形を抑制する力が強化されることとなる。
【００５６】
したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４および縦横の棧材５，５ａ、６，６ａによって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
【００５７】
本実施の形態によれば、四角形状に形成された板材２の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを四角枠状に組み立てた枠体３，４を取り付けてなるので、前記枠体３，４によって板材２を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材２の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材２に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材２は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材２が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の縦框材３ａ，４ａおよび他方の縦框材３ｂ，４ｂによって変形を抑制し、板材２が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材２両面の前記一方の横框材３ｃ，４ｃおよび他方の横框材３ｄ，４ｄとによって変形を抑制することができる。また、例えば板材２が、捻れるように変形しようとすれば、板材２両面の前記枠体３，４全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材２が、いずれの方向に変形しても前記枠体３，４によって変形を抑制することができるので、前記板材２や、この板材２と両枠体３，４との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
また、前記板材２の両面に枠体３，４が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材２の量を２枚から１枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
その上、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３および縦棧材５の表面には、これら枠体３および縦棧材５間に架け渡されるようにして、複数の外装材７が隣接配置され、これら複数の外装材７の側端部が、前記板材２の一面側に取り付けられた枠体３の一方および他方の縦框材３ａ，３ｂの表面と前記縦棧材５の表面に、それぞれ防水材８を介して固定されていることから、隣接する外装材７の側端部間からの雨水の浸入を、前記防水材８によって確実に防ぐことができるので、従来に比して、防水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００５８】
【図１】本発明の実施の形態に係る外装材付き壁パネルを示す平断面図である。
【図２】図１に示す外装材付き壁パネルの主要部を示す正面図、側断面図および底断面図である。
【図３】その他の外装材付き壁パネルの例を示す平断面図である。
【符号の説明】
【００５９】
１ 外装材付き壁パネル
２ 板材
３ 枠体
４ 枠体
５ 縦棧材
７ 外装材
８ 防水材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
四角形状に形成された板材の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体が取り付けられるとともに、これら枠体の内部に、一方および他方の縦框材と平行する縦棧材が、対向する横框材間に配置されており、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体および縦棧材の表面には、これら枠体および縦棧材間に架け渡されるようにして、複数の外装材が隣接配置され、
これら複数の外装材の側端部が、前記板材の一面側に取り付けられた枠体の一方および他方の縦框材の表面と前記縦棧材の表面に、それぞれ防水材を介して固定されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項２】
請求項１に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記複数の外装材は、それぞれ一方の側端部に下サネを他方の側端部に上サネを備えることによって、これら上サネおよび下サネが互いに重なり合うようにして隣接配置されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項３】
請求項１または２に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体の内部は、通気層となっていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項４】
請求項３に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の両面側に取り付けられた枠体のうち、少なくとも一方の枠体の内部には断熱材が設けられており、
前記板材の一面側の枠体の内部に設けられる断熱材の厚さ寸法は、前記板材の一面側の枠体よりも薄く形成されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一項に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体の縦框材のうち、一方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向内側に引込んでいることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項１】
四角形状に形成された板材の両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体が取り付けられるとともに、これら枠体の内部に、一方および他方の縦框材と平行する縦棧材が、対向する横框材間に配置されており、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体および縦棧材の表面には、これら枠体および縦棧材間に架け渡されるようにして、複数の外装材が隣接配置され、
これら複数の外装材の側端部が、前記板材の一面側に取り付けられた枠体の一方および他方の縦框材の表面と前記縦棧材の表面に、それぞれ防水材を介して固定されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項２】
請求項１に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記複数の外装材は、それぞれ一方の側端部に下サネを他方の側端部に上サネを備えることによって、これら上サネおよび下サネが互いに重なり合うようにして隣接配置されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項３】
請求項１または２に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体の内部は、通気層となっていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項４】
請求項３に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の両面側に取り付けられた枠体のうち、少なくとも一方の枠体の内部には断熱材が設けられており、
前記板材の一面側の枠体の内部に設けられる断熱材の厚さ寸法は、前記板材の一面側の枠体よりも薄く形成されていることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【請求項５】
請求項１〜４のいずれか一項に記載の外装材付き壁パネルにおいて、
前記板材の一面側に取り付けられた枠体の縦框材のうち、一方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向内側に引込んでいることを特徴とする外装材付き壁パネル。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−２６６９０６（Ｐ２００８−２６６９０６Ａ）
【公開日】平成２０年１１月６日（２００８．１１．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１０８１６８（Ｐ２００７−１０８１６８）
【出願日】平成１９年４月１７日（２００７．４．１７）
【出願人】（３０７０４２３８５）ミサワホーム株式会社 (569)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１１月６日（２００８．１１．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年４月１７日（２００７．４．１７）
【出願人】（３０７０４２３８５）ミサワホーム株式会社 (569)
【Ｆターム（参考）】
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