説明

外装枠及び電池パック

【課題】金型のコストが抑えられ、コストが安価であるとともに、組電池に嵌合するのが容易である外装枠、及びこの外装枠を備え、外観が良好である電池パックを提供する。
【解決手段】外装枠2は、組電池1の保護回路基板12aを覆う基板被覆部21と、可撓性を有し、組電池1の保護回路部12が配される一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆部22と、組電池1の他端面を覆う他端面被覆部23と、組電池1の他側面を覆う他側面被覆部24とを備える。一側面被覆部22は、前記一側面の両端側に対向する側面部22a,22dと、組電池1の上端部を覆う上端部被覆部22b,22eと、組電池1の下端部を覆う下端部被覆部22c,22fと、湾曲部22gとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラ,モバイルコンピュータ,携帯電話機等の主として携帯電子機器の電源として利用される充放電可能な非水電解質二次電池、具体的にはリチウムイオン二次電池等の各側面を包囲し、絶縁体からなる外装枠、及びこの外装枠を備える電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に普及しているビデオカメラ,モバイルコンピュータ,携帯電話機等の携帯電子機器の電源としては、充放電可能な直方体状の非水電解質二次電池、例えばリチウムイオン二次電池等が主として用いられている。
【0003】
リチウムイオン二次電池においては、過充電及び過放電を防止するために一側面に電池電圧を制御するための保護回路基板が設けられており、これらを絶縁性の例えば合成樹脂製の外装枠に収容した状態の電池パックとして電子機器に装着する。保護回路基板と電池との間は接続用のリード板により電気的に接続される。
【0004】
図8は、従来のコアパックを示す分解斜視図であり、図中、20がコアパックである。 コアパック20の組電池7の素電池71は、その内部に正極及び負極をセパレータを介して巻回した発電要素からなる非水電解質二次電池、具体的には例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池を備え、この発電要素をアルミニウム又はアルミニウム合金製のケースに収納してなる。素電池71の一側面には、絶縁紙を介して負極端子が設けられており(図示せず)、この負極端子が設けられた部分以外の素電池71の全体が正極(端子)とされる。
【0005】
素電池71の一端面には、絶縁紙及びスペーサを介して保護回路部72が取り付けられている。保護回路部72の保護回路基板72aは、素電池71の過充電又は過放電等を防止するための保護回路を備える。保護回路基板72aの素電池71と対向する面に回路素子(図示せず)が実装されており、反対側、即ち外側の面の一端部側には、外部へ電力を取り出し、また逆に充電のために外部から電力を取り込むための正負極の電極端子72b,72b,72bが突設されている。そして、保護回路基板72aの両端部には、素電池71の両側面に沿わせるリード板部72c,72cが設けられている。
【0006】
合成樹脂製の第1外装枠8は、保護回路基板72aを覆う基板被覆部81と、組電池7の保護回路部72が配される前記一端面に隣接する各側面を各々覆う側面被覆部82,83とを備える。基板被覆部81は、組電池7の側面に対向する側面部81aと、組電池7の上面の端部を覆う上端部被覆部81bと、組電池7の下面の端部を覆う下端部被覆部81cと、保護回路基板72aの電極端子72bを露出させるための窓部81d,81d,81dとを備える。同様に、側面被覆部82,83は、組電池7の側面に対向する側面部82a,83aと、組電池7の上面の端部を覆う上端部被覆部82c,83cと、組電池7の下面の端部を覆う下端部被覆部82d,83dとを備える。そして、側面部82aの長手方向の端部には係止凸部82bが設けられており、側面部83aの長手方向の端部には係止凹部83bが設けられている。
【0007】
第2外装枠9は、組電池7の他端面を覆う他端面被覆部91と、前記他端面に隣接する各側面を各々覆う側面被覆部92,93とを備える。他端面被覆部91は、組電池7の側面に対向する側面部91aと、組電池7の上面の端部を覆う上端部被覆部91bと、組電池7の下面の端部を覆う下端部被覆部91cとを備える。同様に、側面被覆部92,93は、組電池7の側面に対向する側面部92a,93aと、組電池7の上面の端部を覆う上端部被覆部92c,93cと、組電池7の下面の端部を覆う下端部被覆部92d,93dとを備える。そして、側面被覆部92の長手方向の端部には係止凹部92bが設けられており、側面被覆部93の長手方向の端部には係止凸部93bが設けられている。
【0008】
コアパック20の組み立てに際しては、まず、素電池71の一端面に、順次、絶縁紙、スペーサ及び保護回路部72を重ねて、組電池7を得る。さらに、この一端面を第1外装枠8で覆い、他端面を第2外装枠9で覆い、係止凸部82bと係止凹部92bとを係止させ、係止凸部93bと係止凹部83bとを係止させることにより第1外装枠8と第2外装枠9とを一体化させて、コアパック20を得る。最後にラベル30をコアパック20の平面部に貼付・位置決めし、第1外装枠8及び第2外装枠9を巻き込んで貼付し、電池パックを得る。
【0009】
特許文献1には、コアパックの外装枠を第1ケースと第2ケースとに上下に分割すると共に、分割された第1ケース及び第2ケース各々が、組電池の側面をカバーする側面ケース部と薄型電池の端面をカバーする端面ケース部とを方形枠状に成形してなり、さらに、第2ケースと第1ケースとは、いずれか一方または両方に係止フックを一体的に成形して設け、この係止フックを係止する係止凹部を他方に設けたコアパックの発明が開示されている。
特許文献2には、図8のコアパックと同様に、外装枠が組電池の幅方向に2分割しており、ラベルが切り込みを有し、組電池の表面に付着される基材層と、基材層の表面に積層される表面層とからなる電池パックの発明が開示されている。この電池パックでは、コアパックにラベルを付着するときに破れるのが防止されている。
【特許文献1】特開2005−100689号公報
【特許文献2】特開2005−135770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の図8、特許文献1及び2のコアパックにおいては、外装枠が2ピースからなるので、外装枠が1ピースである場合と比較して、金型が2種類必要であってコストがかかり、外装枠のコストが高くなるという問題がある。そして、ラベルを巻いたときに、外装枠の接続部分が視認され、外観が良くないという問題がある。
また、分断部を有することなく、外装枠を1ピースから構成した場合は、金型の形状が複雑になるのに加えて、組電池に外装枠を嵌め合わせるのが容易ではなく、無理な力が加わって破損する虞があるという問題がある。
さらに、特許文献1のコアパックの場合、組電池の側面と外装枠の側面ケース部とを接着させるので、組み立て工程が煩雑であるという問題がある。
【0011】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、1ピースから構成することにより、金型のコストが抑えられ、コストが安価であり、しかも、金型の形状が簡単であり、組電池に嵌合するのが容易であって、無理な力が加わって破損するのが抑制されている外装枠を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、組み立て時に、外装枠を組電池に嵌合するのが容易であり、無理な力が加わって破損するのが抑制されるとともに、外装枠の接続部分が1箇所であるので、ラベルを巻き付けたときに、外観が良好である電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る外装枠は、平板状の素電池の側面の外側に、外部出力端子を有する保護回路基板を配してなる組電池の各側面を覆う外装枠において、前記組電池の前記保護回路基板に対向させる枠辺部に隣接する一枠辺部に分断部を有することを特徴とする。
【0014】
ここで、組電池の側面とは、組電池の上面及び下面以外の面をいう。
本発明においては、外装枠の分断部が1箇所であり、1ピースからなるので、金型が1種類で済み、金型のコストが抑えられ、外装枠のコストが安価になる。そして、分断部が1箇所であるので、外装枠を組電池に嵌合したコアパックにラベルを巻いて電池パックを得るときに、接続部分が1箇所視認されるのみであり、外観が良好である。
また、分断部を有するので、分断部を有しない一体型の外装枠と比較して、外装枠を組電池に嵌め合わせるのが容易である。
【0015】
第2発明に係る外装枠は、第1発明において、前記一枠辺部に対向する枠辺部の少なくとも中央部が可撓性を有することを特徴とする。
【0016】
本発明においては、組電池の保護回路基板に対向させる枠辺部に隣接する枠辺部の少なくとも中央部が可撓性を有するので、前者の枠辺部を組電池の保護回路基板を配してある側面に嵌め合わせた後、内側に撓んだ後者の枠辺部を反対側に反らせつつ、組電池の前記側面に隣接する側面に沿わせることで、容易に外装枠の各枠辺部を組電池の各側面に沿わせることが出来、分断部の対向端部同士を嵌合して外装枠を一体化させ、組電池に嵌合させることが出来る。
【0017】
第3発明に係る外装枠は、第2発明において、前記枠辺部が内側に凸に湾曲し、前記保護回路基板に対向させる枠辺部と、該枠辺部に対向する枠辺部とが、湾曲した枠辺部を介して連なり、内側を同一方向に向けた状態に成形してなることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、外装枠の前記組電池の保護回路基板に対向する枠辺部と、該側面に対向する枠辺部とが、湾曲した枠辺部を介して連なり、内側を同一方向に向けた状態に成形するので、金型が開く側に、分断した枠辺部も含めて、外装枠の全ての枠辺部の内側を向けることが出来、容易に金型から成形した外装枠を取り出すことが出来、金型の形状が簡単になり、金型を作りやすくなる。そして、外装枠を射出成形により一体成形することが出来る。
【0019】
第4発明に係る外装枠は、第2発明において、前記一枠辺部に対向する枠辺部の湾曲する部分の上下寸法が前記枠辺部の端部の上下寸法より短いことを特徴とする。
【0020】
本発明においては、前記枠辺部の湾曲部分の上下寸法が端部の上下寸法より短いので、中央部が曲がりやすく、前記枠辺部を湾曲させやすい。
【0021】
第5発明に係る外装枠は、第2発明において、前記一枠辺部に対向する枠辺部の湾曲する部分の中央部の上下寸法が前記枠辺部の端部の上下寸法と略同寸であり、前記部分の他部の上下寸法は前記端部の上下寸法より短いことを特徴とする。
【0022】
本発明においては、湾曲部分の端部の上下寸法が端部の上下寸法より短いので、湾曲部分が曲がりやすく、しかも湾曲部分の中央部の上下寸法が枠辺部の端部の上下寸法と略同寸であるので、外装枠を組電池に嵌め合わせたコアパックにラベルを巻き付けるときに段差がなく、外装枠の組電池への固定が安定し、外観も良好である。
【0023】
第6発明に係る電池パックは、平板状の素電池の側面の外側に、外部出力端子を有する保護回路基板を配してなる組電池と、第1乃至第5発明のいずれかの外装枠とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、組み立て時に、外装枠を組電池に嵌合するのが容易であり、無理な力が加わって破損するのが抑制されるとともに、外装枠の接続部分が1箇所であるので、ラベルを巻き付けたときに、外観が良好である。
【発明の効果】
【0025】
第1発明によれば、外装枠が1ピースから構成されるので、金型が1種類で済み、金型のコストが抑えられ、外装枠のコストが安価になる。そして、分断部が1箇所であるので、外装枠を組電池に嵌合したコアパックにラベルを巻いたときに、接続部分が1箇所視認されるのみであり、外観が良好である。
【0026】
第2発明によれば、外装枠を容易に組電池に嵌合させることが出来る。
【0027】
第3発明によれば、金型が開く側に外装枠の枠辺部の内側を向けることが出来、容易に金型から成形した外装枠を取り出すことが出来るので、金型の形状が簡単になり、金型を作りやすい。そして、射出成形により外装枠を一体成形することが出来る。
【0028】
第4発明によれば、中央部が曲がりやすく、枠辺部を湾曲させやすい。
【0029】
第5発明によれば、湾曲部を有する枠辺部の中央部と端部との段差が小さくなり、外装枠を組電池に嵌め合わせたコアパックにラベルを巻き付ける場合に、外観が良好である。
【0030】
第6発明によれば、組み立て時に、外装枠を組電池に嵌合するのが容易であり、無理な力が加わって破損するのが抑制されるとともに、ラベルを巻き付けたときに、外観が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るコアパック10を示す斜視図、図2は、コアパック10を示す分解斜視図である。
コアパック10の組電池1の素電池11は、その内部に正極及び負極をセパレータを介して巻回した発電要素からなる非水電解質二次電池、具体的には例えばリチウムイオン二次電池等の二次電池を備え、この発電要素をアルミニウム又はアルミニウム合金製のケースに収納してなる。素電池11の一側面には、絶縁紙を介して負極端子が設けられており(図示せず)、この負極端子が設けられた部分以外の素電池11の全体が正極(端子)とされる。
【0032】
素電池11の一端面(本実施形態においては、素電池11の正面側及び背面側の側面を端面という)には、絶縁紙及びスペーサを介して保護回路部12が取り付けられている。保護回路部12の保護回路基板12aは、素電池11の過充電又は過放電等を防止するための保護回路を備える。保護回路基板12aの素電池11と対向する面に回路素子(図示せず)が実装されており、反対側、即ち外側の面の一端部側には、外部へ電力を取り出し、また逆に充電のために外部から電力を取り込むための正負極の電極端子12b,12b,12bが突設されている。そして、保護回路基板12aの両端部には、素電池11の両側面に沿わせるリード板部12c,12cが設けられている。
【0033】
ポリカーボネート製の外装枠2は、保護回路基板12aを覆う基板被覆(枠辺)部21と、可撓性を有し、組電池1の保護回路部12が配される前記一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆(枠辺)部22と、組電池1の他端面を覆う他端面被覆(枠辺)部23と、組電池1の他側面を覆う他側面被覆(枠辺)部24とを備える。
基板被覆部21は、組電池1の端面に対向する端面部21aと、組電池1の上面の端部を覆う上端部被覆部21bと、組電池1の下面の端部を覆う下端部被覆部21cと、保護回路基板12aの電極端子12bを露出させるための窓部21d,21d,21dと、端面部21aの下部の両端部に設けられた突起部21e(図2においては、一方のみ示す)とを備える。
【0034】
一側面被覆部22は、組電池1の前記一側面の両端側に対向する側面部22a,22dと、組電池1の上端部を覆う上端部被覆部22b,22eと、組電池1の下端部を覆う下端部被覆部22c,22fと、中央部に設けられ、可撓性を有し、湾曲している湾曲部22gとを備える。湾曲部22gの厚みは、一側面被覆部22の他部の厚みより薄い。湾曲部22gは、他部より曲げ強度が強い材質により作製してもよい。
他端面被覆部23は、組電池1の他端面に対向する端面部23aと、組電池1の上端部を覆う上端部被覆部23bと、組電池1の下端部を覆う下端部被覆部23cとを備える。
【0035】
他側面被覆部24は分断しており、該他側面の回路基板部12側に対向する側面部24aと、該側面部24aの長手方向の端部に設けられた係止凹部24bと、組電池1の上端部を覆う上端部被覆部24cと、下端部を覆う下端部被覆部24dと、前記他側面の他端面側に対向する側面部24eと、該側面部24eの長手方向の端部に設けられた係止凸部24fと、上端部を覆う上端部被覆部24gと、下端部を覆う下端部被覆部24hとを備える。
【0036】
外装枠2は、図2の斜視図に示すように、一側面被覆部22の湾曲部22gが内側に凸に湾曲し、基板被覆部21と、他端面被覆部23とが、一側面被覆部22を介して連なり、内側を同一方向に向けた状態に射出成形して得られる。
本実施形態においては、金型が開く側に外装枠2の内側を向けることが出来、容易に金型から成形した外装枠2を取り出すことが出来るので、金型の形状が簡単になり、金型を作りやすい。従って、外装枠2の分断部が1箇所であり、1ピースからなるので、金型が1種類で済むことと相まって、金型のコストが抑えられ、外装枠2のコストが安価になる。
【0037】
図3は、外装枠2を示す斜視図である。外装枠2は、その係止凸部24fを係止凹部24bに嵌合することにより一体化される。
【0038】
コアパック10の組み立てに際しては、まず、素電池11の一端面に、順次、絶縁紙、スペーサ及び保護回路部12を重ねて、組電池1を得る。そして、外装枠2の基板被覆部21及び他側面被覆部24の側面部24aを組電池1の一端面及び他側面の該一端面側に嵌め合わせた後、一側面被覆部22の内側に湾曲した湾曲部22gを反対側に反らせつつ、組電池1の一側面に沿わせ、さらに他端面被覆部23を組電池1の他端面に沿わせて、側面部24eを組電池1の他側面に合わせ、係止凸部24fを係止凹部24bに嵌合して、外装枠2を組電池1に嵌め合わせ、コアパック10を得る。最後にラベル(図示せず)をコアパック10の平面部に貼付・位置決めし、外装枠2を巻き込んで貼付し、電池パックを得る。
【0039】
本実施形態においては、組電池1の保護回路部12を基板被覆部21で覆った後、内側に湾曲した湾曲部22gを反対側に反らせつつ、順次、組電池1の一端面及び他側面に沿わせるので、1ピースから構成される外装枠2を組電池1に容易に嵌合することが出来、無理な力が加わって破損するのが抑制されている。そして、外装枠2を組電池1に嵌合したコアパック10にラベルを巻いて電池パックを得るときに、接続部分は1箇所視認されるのみであり、外観が良好である。
【0040】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るコアパックの外装枠3を示す斜視図である。
ポリカーボネート製の外装枠3は、組電池の保護回路基板を配した一端面を覆う基板被覆部31と、可撓性を有し、前記一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆部32と、組電池の他端面を覆う他端面被覆部33と、組電池の他側面を覆う他側面被覆部34とを備える。
基板被覆部31は、組電池の側面に対向する端面部31aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部31bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部31cと、保護回路基板の電極端子を露出させるための窓部31d,31d,31dと、端面部31aの下部の両端部に設けられた突起部31e(図4においては、一方のみ示す)とを備える。
【0041】
一側面被覆部32は、組電池の前記一側面の両端側に対向する側面部32a,32dと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部32b,32eと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部32c,32fと、中央部に設けられ、可撓性を有し、湾曲している湾曲部32gとを備える。湾曲部32gには、複数の切り込み32h,32h…が設けられているので、湾曲しやすい。湾曲部32gは、他部より肉厚を薄くしたり、曲げ強度が強い材質により作製することにしてもよい。
他端面被覆部33は、組電池の他端面に対向する端面部33aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部33bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部33cとを備える。
【0042】
他側面被覆部34は分断しており、該他側面の回路基板部側に対向する側面部34aと、該側面部34aの端部に設けられた係止凹部34bと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部34cと、下端部を覆う下端部被覆部34dと、前記他側面の他端面側に対向する側面部34eと、該側面部34eの端部に設けられた係止凸部34fと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部34gと、下端部を覆う下端部被覆部34hとを備える。
本実施形態においては、外装枠3を、湾曲部32gを反対側に反らせ、係止凹部34bと係止凸部34fとを嵌合することにより一体化させて組電池に嵌合してコアパックを得、さらにラベルを貼付して電池パックを得る。
【0043】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るコアパックの外装枠4を示す斜視図である。
ポリカーボネート製の外装枠4は、組電池の保護回路基板を配した一端面を覆う基板被覆部41と、可撓性を有し、前記一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆部42と、組電池の他端面を覆う他端面被覆部43と、組電池の他側面を覆う他側面被覆部44とを備える。
基板被覆部41は、組電池の側面に対向する端面部41aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部41bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部41cと、保護回路基板の電極端子を露出させるための窓部41d,41d,41dと、端面部41aの下部の両端部に設けられた突起部41e(図5においては、一方のみ示す)とを備える。
【0044】
一側面被覆部42は、組電池の前記一側面の両端側に対向する側面部42a,42dと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部42b,42eと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部42c,42fと、中央部に設けられ、可撓性を有し、湾曲している湾曲部42g,42hとを備える。湾曲部42g,42hは、側面部42aと42dとを上下に橋絡する。湾曲部42g,42hは幅狭であるので、湾曲しやすい。湾曲部42g,42hは、他部より肉厚を薄くしたり、曲げ強度が強い材質により作製することにしてもよい。
他端面被覆部43は、組電池の他端面に対向する端面部43aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部43bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部43cとを備える。
【0045】
他側面被覆部44は分断しており、該他側面の回路基板部側に対向する側面部44aと、該側面部44aの端部に設けられた係止凹部44bと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部44cと、下端部を覆う下端部被覆部44dと、前記他側面の他端面側に対向する側面部44eと、該側面部44eの端部に設けられた係止凸部44fと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部44gと、下端部を覆う下端部被覆部44hとを備える。
本実施形態においては、外装枠4を、湾曲部42g,42hを反対側に反らせ、係止凹部44bと係止凸部44fとを嵌合することにより一体化させて組電池に嵌合してコアパックを得、さらにラベルを貼付して電池パックを得る。
【0046】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係るコアパックの外装枠5を示す斜視図である。
ポリカーボネート製の外装枠5は、組電池の保護回路基板を配した一端面を覆う基板被覆部51と、可撓性を有し、前記一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆部52と、組電池の他端面を覆う他端面被覆部53と、組電池の他側面を覆う他側面被覆部54とを備える。
基板被覆部51は、組電池の側面に対向する端面部51aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部51bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部51cと、保護回路基板の電極端子を露出させるための窓部51d,51d,51dと、端面部51aの下部の両端部に設けられた突起部51e(図6においては、一方のみ示す)とを備える。
【0047】
一側面被覆部52は、組電池の前記一側面の両端側に対向する側面部52a,52dと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部52b,52eと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部52c,52fと、中央部に設けられ、可撓性を有し、湾曲している湾曲部52gとを備える。湾曲部52gは、側面部52aと52dとを橋絡する。湾曲部52gの上下寸法は、側面部52a及び52dの上下寸法より短いので、湾曲しやすい。湾曲部52gは、他部より肉厚を薄くしたり、曲げ強度が強い材質により作製することにしてもよい。
他端面被覆部53は、組電池の他端面に対向する端面部53aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部53bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部53cとを備える。
【0048】
他側面被覆部54は分断しており、該他側面の回路基板部側に対向する側面部54aと、該側面部54aの端部に設けられた係止凹部54bと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部54cと、下端部を覆う下端部被覆部54dと、前記他側面の他端面側に対向する側面部54eと、該側面部54eの端部に設けられた係止凸部54fと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部54gと、下端部を覆う下端部被覆部54hとを備える。
本実施形態においては、外装枠5を、湾曲部52gを反対側に反らせ、係止凹部54bと係止凸部54fとを嵌合することにより一体化させて組電池に嵌合してコアパックを得、さらにラベルを貼付して電池パックを得る。
【0049】
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5に係るコアパックの外装枠6を示す斜視図である。
ポリカーボネート製の外装枠6は、組電池の保護回路基板を配した一端面を覆う基板被覆部61と、可撓性を有し、前記一端面に隣接する一側面を覆う一側面被覆部62と、組電池の他端面を覆う他端面被覆部63と、組電池の他側面を覆う他側面被覆部64とを備える。
基板被覆部61は、組電池の側面に対向する端面部61aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部61bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部61cと、保護回路基板の電極端子を露出させるための窓部61d,61d,61dと、端面部61aの下部の両端部に設けられた突起部61e(図7においては、一方のみ示す)とを備える。
【0050】
一側面被覆部62は、組電池の前記一側面の両端側に対向する側面部62a,62dと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部62b,62eと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部62c,62fと、中央部に設けられ、可撓性を有し、湾曲している湾曲部62gとを備える。湾曲部62gは、側面部62aと62dとを橋絡し、湾曲部62gの上下寸法は、側面部62a及び62dの上下寸法より短いので、湾曲しやすい。そして、湾曲部62gの中央部には、上下寸法が側面部62a及び62dの上下寸法と同寸であり、肉厚も側面部62a及び62dの肉厚と同等であり、前記一側面の中央部に対向する側面部62hが設けられている。側面部62hには、組電池の上端部を覆う上端部被覆部62iと、下端部を覆う下端部被覆部62jとが突設されている。湾曲部62gは、他部より肉厚を薄くしたり、曲げ強度が強い材質により作製することにしてもよい。
他端面被覆部63は、組電池の他端面に対向する端面部63aと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部63bと、組電池の下端部を覆う下端部被覆部63cとを備える。
【0051】
他側面被覆部64は分断しており、該他側面の回路基板部側に対向する側面部64aと、該側面部64aの端部に設けられた係止凹部64bと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部64cと、下端部を覆う下端部被覆部64dと、前記他側面の他端面側に対向する側面部64eと、該側面部64eの端部に設けられた係止凸部64fと、組電池の上端部を覆う上端部被覆部64gと、下端部を覆う下端部被覆部64hとを備える。
本実施形態においては、外装枠6を、湾曲部62gを反対側に反らせ、係止凹部64bと係止凸部64fとを嵌合することにより一体化させて組電池に嵌合してコアパックを得、さらにラベルを貼付して電池パックを得る。
【0052】
本実施形態においては、側面部62hの上下寸法が側面部62a及び62dの上下寸法と同寸であるので、外装枠6を嵌め合わせた組電池にラベルを巻き付けるときに段差がなく、外装枠6の組電池への固定が安定し、外観も良好である。
【0053】
なお、前記実施の形態1乃至5においては、外装枠2、3、4、5及び6がポリカーボネート製である場合につき説明しているがこれに限定されるものではなく、ポリカーボネートにABS樹脂等を添加したものであってもよい。外装枠2、3、4、5及び6は曲げ強度が強く、柔軟な材質であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコアパックを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るコアパックを示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る外装枠を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るコアパックの外装枠を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るコアパックの外装枠を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係るコアパックの外装枠を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態5に係るコアパックの外装枠を示す斜視図である。
【図8】従来のコアパックを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 組電池
2、3、4、5、6 外装枠
21、31、41、51、61 基板被覆部
22、32、42、52、62 一側面被覆部
22a、22d、32a、32d、42a、42d、52a、52d、62a、62d 側面部
22b、22e、32b、32e、42b、42e、52b、52e、62b、62e 上端部被覆部
22c、22f、32c、32f、42c、42f、52c、52f、62c、62f 下端部被覆部
22g、32g、42g、42h、52g、62g 湾曲部
62h 側面部
62i 上端部被覆部
62j 下端部被覆部
23、33、43、53、63 他端面被覆部
24、34、44、54、64 他側面被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の素電池の側面の外側に、外部出力端子を有する保護回路基板を配してなる組電池の各側面を覆う外装枠において、
前記組電池の前記保護回路基板に対向させる枠辺部に隣接する一枠辺部に分断部を有することを特徴とする外装枠。
【請求項2】
前記一枠辺部に対向する枠辺部の少なくとも中央部が可撓性を有する請求項1に記載の外装枠。
【請求項3】
前記枠辺部が内側に凸に湾曲し、前記保護回路基板に対向させる枠辺部と、該枠辺部に対向する枠辺部とが、湾曲した枠辺部を介して連なり、内側を同一方向に向けた状態に成形してなる請求項2に記載の外装枠。
【請求項4】
前記一枠辺部に対向する枠辺部の湾曲する部分の上下寸法が前記枠辺部の端部の上下寸法より短い請求項2に記載の外装枠。
【請求項5】
前記一枠辺部に対向する枠辺部の湾曲する部分の中央部の上下寸法が前記枠辺部の端部の上下寸法と略同寸であり、前記部分の他部の上下寸法は前記端部の上下寸法より短い請求項2に記載の外装枠。
【請求項6】
平板状の素電池の側面の外側に、外部出力端子を有する保護回路基板を配してなる組電池と、
請求項1乃至5のいずれかに記載の外装枠と
を備えることを特徴とする電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−179979(P2007−179979A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380105(P2005−380105)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(597176832)三洋ジ−エスソフトエナジー株式会社 (94)
【Fターム(参考)】