説明

外装用積層突板化粧板

【課題】多目的ホール、ホテル、エントランス、病院、劇場、美術館、公共施設、一戸建て住宅、集合住宅、店舗、マンション等の外装用化粧材としても好適に使われる高耐候性、耐汚染性、意匠性等に優れる外装用積層突板化粧板の提供を目的とする。
【解決手段】少なくとも透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材層とがこの相対的順序で積層されている積層突板化粧板において、透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層のそれぞれの層に紫外線吸収剤と光安定剤を添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多目的ホール、ホテル、エントランス、病院、劇場、美術館、公共施設、一戸建て住宅、集合住宅、店舗、マンション等の外装用化粧材として好適に使用される高耐候性、耐汚染性、意匠性等に優れる外装用積層突板化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天然木の突板を使った積層突板化粧板は、多目的ホール、ホテル、エントランス、病院、劇場、美術館、公共施設、一戸建て住宅、集合住宅、店舗、マンション等の内装用の化粧板としては広く使用されているが、耐候性に劣るため屋外での使用は制限されていた。
【0003】
一方、天然木の突板を使った積層突板化粧板は、天然木材の醸し出す質感が好まれて内装用の化粧材として広く用いられているが、突板にする木材が年々少なくなってきており、如何にして希望する突板の取得が可能な木材を確保できるかが問題となってきている。最近は、突板を取るための木材の確保を目的とし、成長の早いアユース材等の計画植林がなされ、木材資源の枯渇問題に対処するようになってはきているが、意匠性を満足する突板が確保できる木材の取得には限りがあり、希望する意匠を有する突板化粧材の提供がしにくくなてきている。
【0004】
また、たとえ所望の意匠を有する天然木の突板を入手できたとしても、従来の積層突板化粧板では耐候性に問題があり、色も落ちやすかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような状況に鑑みなされたものであり、耐候性や耐汚染性、意匠性等に優れる、天然木の突板をその一部に積層してなる外装用積層突板化粧板の提供を主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その請求項1記載の発明は、少なくとも透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材層とがこの相対的順序で積層されている積層突板化粧板において、透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層のそれぞれの層には紫外線吸収剤と光安定剤が添加されていることを特徴とする外装用積層突板化粧板である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の外装用積層突板化粧板において、透明性表面保護層と天然木突板基材層とはその間に絵柄層を介在させて積層されていることを特徴とする。
【0008】
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の外装用積層突板化粧板において、透明性熱可塑性樹脂層を構成する樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1または2のいずれかに記載の外装用積層突板化粧板において、透明性熱可塑性樹脂層が紫外線吸収剤と光安定剤が添加してあるフッ素樹脂とアクリル樹脂の共押出しシートからなることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、請求項5記載の発明は、請求項1記載の外装用積層突板化粧板において、透明性表面保護層を構成する樹脂がシリコーン変性ウレタン樹脂であることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の外装用積層突板化粧板において、少なくとも透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材とがこの相対的順序で積層されてなる積層部が基材層に貼り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のような構成に係る本発明の外装用積層突板化粧板は、内層に位置する天然木突板基材層等に紫外線が殆ど到達しないので、耐候性が一段と向上し、色落ちの心配も殆どなく、屋外での使用も可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の外装用積層突板化粧板をその一実施形態を参照にして詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の外装用積層突板化粧板の概略の断面構成を示している。この外装用積層突板化粧板は、大略的には少なくとも透明性表面保護層1と透明性熱可塑性樹脂層2と天然木突板基材層4とがこの相対的順序で積層されおり、より詳細には、図面からも理解されるように、透明性表面保護層1と透明性熱可塑性樹脂層2とが積層され、さらに透明性熱可塑性樹脂層2には絵柄層3と接着剤層4を介して天然木突板基材層4が積層されていると共に、天然木突板基材層4にはさらに裏打ち層7と基材層9とがそれぞれ接着剤層6と接着剤層8を介して積層されている。
【0015】
透明性表面保護層1は、主として紫外線に対する耐性を付与すると共に、耐汚染性、耐傷性、耐候性等をも付与して化粧板の表面を保護するために設ける層であり、紫外線吸収剤と光安定剤とが添加されている樹脂からなる。具体的には、紫外線吸収剤と光安定剤とが添加されているウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等からなる。
【0016】
ウレタン系樹脂としては、アクリルポリオールをシリコーン変性し、イソシアネートを添加して硬化するタイプのシリコーン変性ウレタン樹脂が望ましい。このタイプのシリコーン変性ウレタン樹脂は、塗工性や保管性などに優れ、塗布により耐汚染性に優れる樹脂層を形成することができる。塗布によりこの透明性表面保護層1を形成する場合の塗布量は1g/m2〜10g/m2程度、好ましくは3〜6g/m2の範囲である。
【0017】
また、アクリル系樹脂としては、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレートやこれらの変性物が具体的には挙げられる。アクリル樹脂は、メタクリル酸、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸、アクリル酸エステルなどのモノマーなどのモノマーを重合して得られるが、モノマーの段階で水酸基が導入された、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどを、上記モノマーと共に適宜重合時に添加していくことで得られる、水酸基を有したアクリル樹脂を用いてもよい。
【0018】
具体的には、4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)などやこれらの変性物、重合物、誘導体などが挙げられる。
【0019】
本発明においては、透明性表面保護層1を構成する上記したこれらの樹脂に、耐候性の
付与を目的として、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系など)を光安定剤と共に添加する。添加部数は化粧材として要求される耐候性に応じて適宜設定すればよいが、具体的には樹脂固形分に対して0.11〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
【0020】
具体的な紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系の2−(2−ヒドロキシ−5−t−フブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチヅベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドリキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
【0021】
また、トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
【0022】
透明性表面保護層1は、樹脂中に上記した紫外線吸収剤と共に光安定剤を添加するが、これは樹脂自体が光、熱、水などにより劣化しないようにするためである。具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ポベリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオクシ)−4−ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体などのヒンダードアミン系光安定剤を添加する。これらは樹脂固形分に対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の割合で添加する。
【0023】
以上のような構成になる透明性表面保護層1は、後述する絵柄層3並びに天然木突板基材層5が目視できる程度の透明性を有し、透明もしくは半透明である。
【0024】
一方、透明性表面保護層1の下層の透明性熱可塑性樹脂層2は、照り感を出すことを目的として設けるものであり、前述した透明性表面保護層1と共に積層して設けることにより、耐傷性、耐候性等の物性の向上と照り感が表現できるように設ける層である。この透明性熱可塑性樹脂層2は、ポリエチレンやポリプロピレンまたはそれらの変性樹脂を主体としてなり、さらに紫外線吸収剤が光安定剤が添加されていて、下層の絵柄層3並びに自然木突板基材層5が目視できる程度の透明性を有し、透明もしくは半透明になっている。
【0025】
この透明性熱可塑性樹脂層2の構成樹脂としては、表面の硬度や耐熱性なども考慮するとポリプロピレン系樹脂が好適である。ポリプロピレン系樹脂としては、ランダム共重合、ホモ系の2種類があるが、いずれのものも適用可能であって、これらのものから用途に応じて適宜のものを選択して使用すればよい。ホモ系ではアタクチック成分の高い非晶質性のタイプであれば柔軟な樹脂層を形成することができる。
【0026】
透明性熱可塑性樹脂層2へ添加する紫外線吸収剤は、前記透明性表面保護層1中に添加してある紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系など)と同等のものでよい。その添加部数は化粧材として要求される耐候性に応じて適宜のものを選択すればよいが、具体的には樹脂固形分に対して01〜10重量%の範囲、好ましくは1〜5重量%である。
【0027】
透明性熱可塑性樹脂層2に添加する紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系として、2−(2−ヒドロキシ−5−t−フブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル―2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
【0028】
また、トリアジン系としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1−3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
【0029】
さらに、ベンゾフェノ系としては、オクタベンゾンやその変性物、重合物、誘導体を用いてもよい。
【0030】
また、透明性熱可塑性樹脂層2を構成する樹脂自体の光、熱、水などによる劣化を防止するために光安定剤を添加するが、添加部数は化粧板として要求される耐候性の度合に応じて適宜の量を添加すればよいが、具体的には樹脂固形分に対して0.1〜10重量%の範囲、好ましくは1%〜5重量%である。
【0031】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ポベリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオクシ)−4−ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体などが挙げられる。
【0032】
透明性熱可塑性樹脂層2は、これらの紫外線吸収剤と光安定剤が添加されている樹脂組成物を用い、押出成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法などでフィルム状に成形して、前記透明性表面保護層1上に積層して設ける。この場合、積層する層の総厚は粘着貼り合わせ加工のし易さや、耐候性、透明性などを考慮すると30〜120μm程度が適切である。
【0033】
絵柄層3は、化粧板としての意匠性を向上させ、下部に位置する天然木突板基材層5の木目柄と相俟って所望の樹種(突板模様)とするために前記した透明性熱可塑性樹脂層2
の下層に設ける層であって、耐候性に優れる顔料やバインダー樹脂などからなる耐候性インキにより形成される、木目柄などの絵柄からなるパターン層である。
【0034】
耐候性に優れるインキとしては、例えば、ポリオールにイソシアネートを反応させてもわずかに水酸基が残っている状態のところへヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートの混合物からなる硬化剤を印刷直前に添加するタイプのインキ組成物中にイソインドリノン、ジケトピロロピロール、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、ジスアゾ系などの耐候性に優れる顔料を添加してある耐候性インキを具体的に挙げることができる。
【0035】
この絵柄層3は上記したような耐候性インキで透明性熱可塑性樹脂層2面に木目柄などの裏刷りを施してから、天然木突板基材層5との間に介在させるように接着剤層4で積層・一体化させる。接着剤としては、例えば変性酢酸ビニル樹脂エマルジョン系、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系、二液水性ウレタン樹脂エマルジョン系、ポリウレタンエマルジョン系等のエマルジョン系接着剤が使用できる。接着剤としては上述のものに限定されるものではなく、ナイロン12や一液湿気硬化型反応性ホットメルト樹脂系のものも使用可能である。接着剤の塗布量は10〜30g/m2(乾燥後)程度が望ましい。
【0036】
図1に示す外装用積層突板化粧板は、上述した透明性表面保護層1と透明性熱可塑性樹脂層2と絵柄層3と天然木突板基材層5とを有する積層部に、さらに裏打ち層7と基材層9が接着剤層6、8を介して積層・一体化されている。
【0037】
接着剤層6、接着剤層8を介して積層されている裏打ち層7と基材層9の内、裏打ち層7は天然木突板基材を固定してハンドリングを良くするために設け、また基材層9は化粧板としての剛性を出すために設ける層であり、具体的には、裏打ち層7としては、不織布、ビニロン繊維などが、基材層9としては、木質合板、石膏ボード、金属板などを具体的に挙げることができる。
【0038】
本発明の外装用積層突板化粧板は、上述したような構成であるので、耐候性に優れ、屋外での使用を可能とする。そして、構成する各材料として、VOC(volatile organic compounds)やホルムアルデヒドなどの発散の少ないF★★★★等級(日本建材産業協会)に対応するものを使用すれば、屋内での使用も可能となる。
【0039】
以下、本発明の好ましい実施例を述べる。
【実施例1】
【0040】
ランダムポリプロピレン樹脂中にトリアジン系紫外線吸収剤を0.5重量%、ヒンダードアミン系光安定剤を0.5重量%を添加してなる樹脂組成物をT型ダイスより70μmの厚さで押出し、ランダムポリプロピレン樹脂製の押出しシート(透明性熱可塑性樹脂層)を作成した後、その一方の面にシリコーン変性ウレタン樹脂中にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を1.0重量%、ヒンダードアミン系光安定剤を1.0重量%それぞれ添加した樹脂組成物を乾燥後の塗布量が6g/m2となるように塗工し、透明性表面保護層を設けた。
【0041】
一方、ランダムポリプロピレン樹脂製の押出しシートのもう一方の表面にコロナ放電処理(40mN/m以上)を施した後、ポリオールにイソシアネートを反応させてもわずかに残った水酸基にさらにヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイソシアネートの混合からなる硬化剤を印刷直前に添加して使用するタイプの樹脂をバインダー樹脂として用い、顔料としてイソインドリノン、ジケトピロロピロール、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、ジスアゾ系顔料を添加してなる二液ポリウレタン樹脂系耐候性インキ
で木目柄を印刷した。
【0042】
次に、厚み0.5mmの天然木(アユース材)の突板に裏打ち層としてビニロン樹脂・パルプ混合不織布とを酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤で貼り合わせた後、絵柄層形成面側と酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤で貼り合わせた。そして最後に、5mmの合板(基材層)と貼り合わせて外装用化粧積層突板化粧板を得た。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の外装用積層突板化粧板の概略の断面構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・透明性表面保護層
2・・透明性熱可塑性樹脂層
3・・絵柄層
4、6、8・・接着剤層
5・・天然木突板基材層
7・・裏打ち層
9・・基材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材層とがこの相対的順序で積層されてなる積層化粧板において、透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層のそれぞれの層には紫外線吸収剤と光安定剤が添加されていることを特徴とする外装用積層突板化粧板。
【請求項2】
透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材層とはその間に絵柄層を介在させて積層されていることを特徴とする請求項1記載の外装用積層突板化粧板。
【請求項3】
透明性熱可塑性樹脂層を構成する樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の外装用積層突板化粧板
【請求項4】
透明性熱可塑性樹脂層が紫外線吸収剤と光安定剤が添加してあるフッ素樹脂とアクリル樹脂の共押出しシートからなることを特徴とする請求項1または2記載の外装用積層突板化粧板。
【請求項5】
透明性表面保護層を構成する樹脂がシリコーン変性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外装用積層突板化粧板。
【請求項6】
少なくとも透明性表面保護層と透明性熱可塑性樹脂層と天然木突板基材層とがこの相対的順序で積層されてなる積層部が基材層に貼り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外装用積層突板化粧板。

【図1】
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【公開番号】特開2006−110929(P2006−110929A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302543(P2004−302543)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】