説明

外装部品の取付構造及び画像形成装置

【課題】組み立てが容易で、且つ、取付後の固定強度が高い外装部品の取付構造及びこれを用いた画像形成装置を得る。
【解決手段】本発明に係る外装部品12の取付構造及び画像形成装置の外装部品12に形成された第1の嵌合部38は、機械本体2に形成された第1の被嵌合部22との嵌合時に第1の被嵌合部22の内面に接触して外装部品12の外側への動きを規制する第1の外側規制部47と、第1の外側規制部47の先端から外装部品12に対して内方に拡がるように傾斜して第1の被嵌合部22との嵌合動作を誘導する嵌合誘導部45とを備え、第1の被嵌合部22に段階的に嵌合するように構成される。外装部品12に形成された第2の嵌合部50は、機械本体2に形成された第2の被嵌合部27との嵌合時に機械本体2の内面に接触して外装部品12の外側への動きを規制する第2の外側規制部49を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種機械部品から成る機械本体に外装部品を取り付けるための外装部品の取付構造及びこれを用いた画像形成装置に関し、特に、外装部品に設けられた複数の嵌合部を機械本体に設けられた複数の被嵌合部に対して嵌合する外装部品の取付構造及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ・複写機・ファクシミリやこれらを機能的に備えた複合機等のいわゆる電子写真方式の画像形成装置は、各種機械部品から成る機械本体(例えば、給紙デスク)に対して、この機械本体を覆う外装部品(例えば、カバーや操作パネル)を、ビス等を用いて取り付けている。しかしながら、このようにビス等を用いて外装部品を機械本体に取り付ける場合には、ビス等の別部材を外装部品、機械本体に追加して使用する分、部品点数が増加する。加えて、機械本体と外装部品にそれぞれ設けられたビス穴の位置合わせを行わなければならないため、作業者の作業負担が増大する。特に、機械本体や外装部品が樹脂材製のものである場合には、上記のビス穴の位置精度が悪化しやすく、上記位置合わせの作業が一層煩雑になる。
【0003】
そこで、特許文献1には、外装部品の下端に突設したフックを機械本体の外周面に穿設した嵌合穴に嵌合させるとともに、外装部品の上端に突出片を突出し、この突出片に穿設した凹部を機械本体の上端に突設した凸部と係合させる構成が開示されている。また、特許文献2には、外装部品に突設した2種類の係合爪を機械本体に設けた係合溝、係合孔にそれぞれ係合させ、外装部品に突設した係止ボスを機械本体に設けた嵌合穴に嵌合させる構成が開示されている。これらの従来技術はいずれも、ビス等の別部材を用いることなく外装部品を装置本体に取り付けることを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−47554号公報
【特許文献2】特開2009−169122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に開示された構成では、外装部品の上端と機械本体の上端とが凹部と凸部の係合のみによって固定されているため、両部材の上端部分における固定強度が低い。そのため、外装部品を機械本体から離間させる方向に応力が作用した場合に、外装部品が機械本体から脱落してしまうことが懸念される。また、特許文献2に開示された構成では、外装部品に突設した2種類の係合爪と機械本体に設けた係合溝、係合孔を係合させる際の位置決めを補助するための手段が講じられていない。そのため、上記2種類の係合爪が離れた位置に形成されているような場合には、上記2種類の係合爪の位置決めが煩雑になり、組み立て作業の作業性が低下する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、組み立てが容易で、且つ、取付後の固定強度が高い外装部品の取付構造及びこれを用いた画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る画像形成装置は、各種機械部品から成る機械本体を覆う外装部品に形成された第1の嵌合部及び第2の嵌合部を、該各嵌合部に対応して前記機械本体にそれぞれ形成された第1の被嵌合部及び第2の被嵌合部に嵌合させることにより、前記外装部品を前記機械本体に取り付けるための外装部品の取付構造であって、前記機械本体の外面又は前記外装部品の内面に当接して前記外装部品の内側への動きを規制する内側規制部を備え、前記第1の嵌合部は、前記第1の被嵌合部との嵌合時に該第1の被嵌合部の内面に接触して前記外装部品の外側への動きを規制する第1の外側規制部と、該第1の外側規制部の先端から前記外装部品に対して内方に拡がるように傾斜して前記第1の被嵌合部との嵌合動作を誘導する嵌合誘導部とを備え、前記第1の被嵌合部に段階的に嵌合するように構成され、前記第2の嵌合部は、前記第2の被嵌合部との嵌合時に前記機械本体の内面に接触して前記外装部品の外側への動きを規制する第2の外側規制部を備え、前記第1の嵌合部の嵌合誘導部を前記第1の被嵌合部に引掛け、当接させ、この当接箇所を支点に前記外装部品を前記機械本体側に回転させると、前記第1の嵌合部の第1の外側規制部が前記第1の被嵌合部の内面に接触して前記第1の嵌合部が前記第1の被嵌合部に嵌合すると同時に、前記第2の嵌合部の第2の外側規制部が前記機械本体の内面に接触して前記第2の嵌合部が前記第2の被嵌合部に嵌合すると共に前記内側規制部が前記機械本体の外面又は前記外装部品の内面に当接することを特徴とする。
【0008】
また、前記第1の嵌合部には、前記外側規制部と前記嵌合誘導部の間に段差部が形成され、前記第1の嵌合部の嵌合誘導部を前記第1の被嵌合部に引掛けた後、前記段差部を前記第1の被嵌合部に当接させ、この当接箇所を支点に前記外装部品を前記機械本体側に回転させることにより、前記第1の被嵌合部に対する前記第1の嵌合部の嵌合及び前記第2の被嵌合部に対する前記第2の嵌合部の嵌合が行われるものであっても良い。
【0009】
更に、前記第1の嵌合部を挟んで前記第2の嵌合部の反対側の前記外装部品の内面に回転補助部が形成され、該回転補助部は、前記第1の嵌合部を前記第1の被嵌合部に当接させる際に前記機械本体の外面に当接し、前記第1の被嵌合部に対する前記第1の嵌合部の当接位置を規定するものであっても良い。
【0010】
更にまた、前記外装部品には位置決めボスが突設され、前記機械本体には前記位置決めボスと嵌合可能な位置決め穴が穿設され、前記第1の嵌合部と前記第1の被嵌合部との嵌合及び前記第2の嵌合部と前記第2の被嵌合部との嵌合に伴って、前記位置決めボスと前記位置決め穴が、前記第1の嵌合部と前記第1の被嵌合部との嵌合方向及び前記第2の嵌合部と前記第2の被嵌合部との嵌合方向とは交差する方向に嵌合するように形成されているものであっても良い。
【0011】
また、本発明は上記したいずれかの構成からなる外装部品の取付構造を採用した画像形成装置とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置は、組み立てが容易で、且つ、取付後の固定強度が高い外装部品の取付構造及びこれを用いた画像形成装置を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、給紙デスクの内部を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、給紙デスク(左カバーを取り外した状態)を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを示す内面側からの斜視図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図5の一部拡大図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックを突出板に当接させた状態を示す給紙デスクの内側からの斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックの嵌合誘導部を突出板に当接させた状態を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックの段差部を突出板に当接させた状態を示す断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームの方向へ回転させる前の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、下側フックと突出板、上側フックと嵌合穴の嵌合前の状態を示す断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決めボスと位置決め穴の嵌合前の状態を示す断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、下側フックが突出板に嵌合し、上側フックが嵌合穴に嵌合している状態を示す断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決めボスが位置決め穴に嵌合している状態を示す断面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに取り付けた状態を示す給紙デスクの内面側からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、図1〜15図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、給紙デスクの内部を示す説明図である。図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、給紙デスク(左カバーを取り外した状態)を示す斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを示す内面側からの斜視図である。図5は、図4のA−A断面図である。図6は、図5の一部拡大図である。図7は、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックを突出板に当接させた状態を示す給紙デスクの内側からの斜視図である。図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックの嵌合誘導部を突出板に当接させた状態を示す断面図である。図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに対して傾斜させ、下側フックの段差部を突出板に当接させた状態を示す断面図である。図10は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの方向へ回転させる前の状態を示す断面図である。図11は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、下側フックと突出板及び上側フックと嵌合穴の嵌合前の状態を示す断面図である。図12は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決めボスと位置決め穴の嵌合前の状態を示す断面図である。図13は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、下側フックが突出板に嵌合し、上側フックが嵌合穴に嵌合している状態を示す断面図である。図14は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、位置決めボスが位置決め穴に嵌合している状態を示す断面図である。図15は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、左カバーを給紙デスクの本体フレームに取り付けた状態を示す給紙デスクの内面側からの斜視図である。なお、図8〜図14においては、図4のA−A線部分を基準として、断面が表示されている。また、本明細書中においては、カセットカバー及び収納カバーを取り付けた面(図1では右手前側の面)を、機械本体の前面とした場合について説明する。
【0015】
まず、本発明の画像形成装置の全体構造について説明する。図1に示す如く、画像形成装置としてのカラープリンタ1は、各種機械部品から成る機械本体としての給紙デスク2と、この給紙デスク2の上面15に載置される装置本体3と、を備えている。
【0016】
図2に示す如く、給紙デスク2の下部には、転写紙や交換用のトナーコンテナを保管するための収納部4が設けられている。この収納部4には、給紙デスク2の正面側から引き出し可能な収納カセット5が収納されており、この収納カセット5の前面を構成する収納カバー6が、給紙デスク2の前面から露出している(図1参照)。給紙デスク2の上部には、転写紙を装置本体3に搬送するための給紙部7が設けられている。この給紙部7の下部には、装置本体3に搬送される転写紙を収容するための給紙カセット8が収納されており、この給紙カセット8の前面を構成する給紙カバー9が、給紙デスク2の前面から露出している(図1参照)。また、給紙部7の上部前側には、給紙カセット8に収容された転写紙を装置本体3の方向(本実施の形態では上方)に搬送するための給紙ユニット10が、上端部11を給紙デスク2の上面15から突出させた状態で配置されている。
【0017】
図1に示す如く、給紙デスク2の左側面(図1では左手前側の面)には、給紙デスク2を覆う外装部品としての左カバー12が取り付けられ、給紙デスク2の右側面には、外装部品としての右カバー(図示せず)が取り付けられている。給紙デスク2の上面15には、装置本体3の連結穴(図示せず)と係合可能な一対の連結突起13が突設され、給紙デスク2の底面四隅にはキャスター14が固定されている。
【0018】
装置本体3には、いずれも図示を省略するが、感光体ドラムを収納したドラムユニット、感光体ドラムの表面を所定の電圧に帯電させる帯電ユニット、帯電ユニットによって帯電させた感光体ドラムの表面に対して露光を行う露光ユニット、露光ユニットが形成した静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像ユニット、そのトナー像を感光体ドラムと協働して転写紙に転写する転写ユニット、転写紙に転写したトナー像を定着させる定着ユニット等の各ユニットが内設されている。そして、給紙ユニット10により給紙カセット8から装置本体3の内部へと搬送された転写紙に対して、上記各ユニットを用いて画像形成処理を行う。
【0019】
また、本実施の形態においては、左カバー12の給紙デスク2への取付に、本発明に係る外装部品の取付構造が用いられている。以下、この給紙デスク2への左カバー12の取付構造について説明する。
【0020】
図3に示す如く、給紙デスク2の左側部には、上枠16、本体ベース17及び両側枠18からなる方形の本体フレーム20が固定されており、左カバー12を取り外した状態で、この本体フレーム20の内側に収納カセット5及び給紙カセット8の側面が露出している。本体ベース17は、底板21と、この底板21から上方に向かって略直角に屈曲された第1の被嵌合部としての突出板22とからなる(図7参照)。上枠16は、水平板23と、この水平板23から下方に向かって略直角に屈曲された垂直板24とからなり、垂直板24には、長さ方向の中央から下方に向かって舌片25が突設された連結板26が固定されている。この連結板26の舌片25と両側枠18の上部及び下部には、それぞれ第2の被嵌合部としての嵌合穴27が穿設されている。また、両側枠18の上下方向中央部には、それぞれ位置決め孔28が穿設されている。また、給紙カバー9及び収納カバー6と前面側の両側枠18の間には挿通溝30が凹設されている。また、背面カバー14と背面側の両側枠18の間には連結溝31が凹設され、この連結溝31には、係合突起29が突設されている。
【0021】
図4に示す如く、左カバー12の一端(図4では右端)には、給紙デスク2の連結溝31と対応する位置に、左カバー12の内側に向かって湾曲する湾曲部33が設けられている。また、湾曲部33の内側縁57の上部、中央部、下部には、給紙デスク2の係合突起29と対応する位置に、係合穴58が穿設された係合片59が内方に向かって突設されている(図5参照)。左カバー12の他端(図4では左端)には、給紙デスク2の挿通溝30と対応する位置に、左カバー12の内面32側に向かって略直角に屈曲された屈曲部34が設けられている。
【0022】
左カバー12の内面32は、縦横に5本ずつ突設された直線状の突条35により、碁盤目状に区画されている。各横方向の突条35の両側部には、給紙デスク2の両側枠18に対応する位置に、凹部状の内側規制部39が形成されている。また、左カバー12の内面32下端の中央部及び両側部には厚肉部36が形成され、各厚肉部36の下端は面取りされて、回転補助部37が形成されている(図6参照)。回転補助部37は、各下側フック38(後述)を挟んで各上側フック50(後述)の反対側の左カバー12の内面32に形成されている。
【0023】
左カバー12の内面32下端の中央部及び両側部には、第1の嵌合部としての下側フック38が、左カバー12の各厚肉部36と対向するように突設されている(図6参照)。各下側フック38は、最下端の横方向の突条35から下方に向かって三又に分岐する補強リブ42により、中央部及び両側部が補強されている。
【0024】
図6に示す如く、各下側フック38は、左カバー12の内面32から水平方向に延出する水平部43と、この水平部43から下方に向かって垂直に屈曲された第1の外側規制部47と、この第1の外側規制部47の先端から左カバーに対して内方に拡がるように傾斜して形成された嵌合誘導部45と、嵌合誘導部45と第1の外側規制部47の間に形成された段差部46と、を備えている。第1の外側規制部47は、左カバーの内面32に形成された対向面40と略平行に形成されている。嵌合誘導部45は、この嵌合誘導部45と左カバー12の対向面40との対向間隔が、基端部(本実施の形態では上端部)から先端部(本実施の形態では下端部)に向かって広くなるように傾斜して形成されている。段差部46は、嵌合誘導部45よりも対向面40に対する傾斜角度が大きくなるように段差状に形成されている。
【0025】
図4に示す如く、左カバー12の内面32には、中央部の上部及び両側部の上部及び下部に、第2の嵌合部としての上側フック50が、給紙デスク2の各嵌合穴27と対応する位置に突設されている。各上側フック50は、左カバー12の内面32から水平方向に突出する基端部51と、この基端部51から下方に向かって略垂直に屈曲された先端部52とを備えており、この先端部52の内面に第2の外側規制部49が形成されている(図6参照)。また、左カバー12の内面32の両側部の上下方向中央部には、給紙デスク2の位置決め孔28と対応する位置に、位置決めボス53が突設されている。また、左カバー12の内面32の中央部の上下左右には、本体フレーム20の内側に露出する収納カセット5及び給紙カセット8の側面(図3参照)と対応する位置に、突当部54が突設されている。
【0026】
上述の如く構成されたものにおいて、左カバー12を給紙デスク2に対して取り付ける作用について以下に説明する。まず、図7に示す如く、左カバー12を給紙デスク2の本体フレーム20に対して傾斜させた状態で保持し、図8に示す如く、本体ベース17の突出板22の上端55に、各下側フック38の嵌合誘導部45を引掛け、当接させる。その際、嵌合誘導部45は、第1の外側規制部47の先端から左カバーに対して内方に拡がるように傾斜して形成されているため、突出板22の上端55に誘い込み易くなる。
【0027】
次に、各下側フック38の嵌合誘導部45を本体ベース17の突出板22に沿って摺動させ、図9に示す如く、段差部46を突出板22の上端55に当接させる。その際、厚肉部36の回転補助部37が、給紙デスク2の突出板22の外面56と当接して、突出板22の上端55に対する各下側フック38の当接位置を規定するため、突出板22の上端55を各下側フック38の所定の位置(本実施例では、段差部46)に確実に当接させることが可能となる。このように突出板22が段差部46に当接すると、この当接部分を中心として、左カバー12が給紙デスク2に回転自在に軸支される。
【0028】
次に、図10に矢印で示す如く、本体ベース17の突出板22と各下側フック38との当接箇所を支点に左カバー12を給紙デスク2の本体フレーム20側に回動させ、左カバー12を給紙デスク2の本体フレーム20に対して略平行に配置する。その際、図11に示す如く、本実施の形態では、嵌合誘導部45と第1の外側規制部47の間に段差部46が形成されているため、突出板22の上端55が係止され、各下側フック38と突出板22の上端55との係合位置が嵌合誘導部45側にずれてしまうおそれがない。
【0029】
左カバー12の回転に伴って、各上側フック50は、各下側フック38と突出板22の当接部分を中心として、各嵌合穴27との嵌合不能位置(図10参照)から各嵌合穴27との嵌合可能位置まで回転し、各上側フック50の先端部52の下端が、各嵌合穴27の下端部分において、舌片25、両側枠18と当接する。また、この時、図12に示す如く、左カバー12の位置決めボス53は、本体フレーム20の位置決め孔28の上部近傍まで変位する。
【0030】
この状態で、左カバー12の外面を押圧しつつ下方にスライドさせると、図13に示す如く、各下側フック38の第1の外側規制部47が本体ベース17の突出板22の内面に接触して、各下側フック38が突出板22に嵌合すると同時に、各上側フック50の第2の外側規制部49が給紙デスク2の両側板18の内面に接触して、各上側フック50が各嵌合穴27に嵌合し、左カバー12の外側への動きが規制される。また、この時、左カバー12の内側規制部39が給紙デスク2の両側枠18の外面に当接し、左カバー12の内側への動きが規制され、これにより、第1の外側規制部47及び第2の外側規制部49と内側規制部39との間に左カバー12が挟持される。さらに、位置決めボス53が、位置決め孔28に嵌合し、左カバー12の湾曲部33が給紙デスク2の連結溝31に係合して各係合片59の係合穴58が係合突起29に係合するとともに、左カバー12の屈曲部34が給紙デスク2の挿通溝30に係合する。これにより、図15に示す如く、左カバー12の給紙デスク2への取付が完了する。
【0031】
上記した本発明の実施の形態によれば、段差部46と突出板22との当接箇所を支点に左カバー12を給紙デスク2側に回転させることにより、各上側フック50と各嵌合穴27との嵌合位置の位置決めを容易に行うことができる。また、突出板22に対して嵌合誘導部45、段差部46、第1の外側規制部47を順次段階的に嵌合させ、各下側フック38が突出板22に嵌合するのと同時に、各上側フック50が各嵌合穴27に嵌合されるようになっているため、左カバー12の給紙デスク2への取付作業の作業性と左カバー12の給紙デスク2への取付強度とを同時に高めることが可能となる。
【0032】
また、上記した本発明の実施の形態では、各下側フック38と突出板22、各上側フック50と各嵌合穴27が、それぞれ上下方向に嵌合する一方、位置決めボス53と位置決め孔28は各上側フック50と各嵌合穴27の嵌合方向と交差する左右方向に嵌合するようになっているため、左カバー12に上側の力が作用しても給紙デスク2から簡単に脱落することがなく、左カバー12の給紙デスク2に対する取付強度を一層高めることが可能となる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、嵌合誘導部45と第1の外側規制部47との間に段差部46を設けたが、他の異なる実施の形態においては、段差部46を設けなくても良い。この場合には、嵌合誘導部45に突出板22の上端55を当接させた状態で、左カバー12の回転が行われる。
【0034】
また、本実施の形態においてはこのように、左カバー12の給紙デスク2への取付に本発明の外装部品の取付構造を適用したが、他の異なる実施の形態においては、背面カバー、右カバー等、給紙デスク2を覆う他の外装カバーに本発明の外装部品の取付構造を適用することも可能である。また、給紙デスク2に限らず、画像形成装置内に配置されたあらゆる機械本体(例えば、本実施の形態の装置本体3)とその外装部品(例えば、カバーや操作パネル)に対して、本発明の外装部品の取付構造を適用することが可能である。更に、本発明の外装部品の取付構造は、画像形成装置以外のあらゆる技術分野において使用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 カラープリンタ(画像形成装置)
2 給紙デスク(機械本体)
12 左カバー(外装部品)
22 突出板(第1の被嵌合部)
27 嵌合穴(第2の被嵌合部)
28 位置決め孔
32 内面
37 回転補助部
38 下側フック(第1の嵌合部)
39 内側規制部
40 対向面
45 嵌合誘導部
46 段差部
47 第1の外側規制部
49 第2の外側規制部
50 上側フック(第2の嵌合部)
53 位置決めボス
55 上端
56 外面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種機械部品から成る機械本体を覆う外装部品に形成された第1の嵌合部及び第2の嵌合部を、該各嵌合部に対応して前記機械本体にそれぞれ形成された第1の被嵌合部及び第2の被嵌合部に嵌合させることにより、前記外装部品を前記機械本体に取り付けるための外装部品の取付構造であって、
前記機械本体の外面又は前記外装部品の内面に当接して前記外装部品の内側への動きを規制する内側規制部を備え、
前記第1の嵌合部は、前記第1の被嵌合部との嵌合時に該第1の被嵌合部の内面に接触して前記外装部品の外側への動きを規制する第1の外側規制部と、該第1の外側規制部の先端から前記外装部品に対して内方に拡がるように傾斜して前記第1の被嵌合部との嵌合動作を誘導する嵌合誘導部とを備え、前記第1の被嵌合部に段階的に嵌合するように構成され、
前記第2の嵌合部は、前記第2の被嵌合部との嵌合時に前記機械本体の内面に接触して前記外装部品の外側への動きを規制する第2の外側規制部を備え、
前記第1の嵌合部の嵌合誘導部を前記第1の被嵌合部に引掛け、当接させ、この当接箇所を支点に前記外装部品を前記機械本体側に回転させると、前記第1の嵌合部の前記第1の外側規制部が前記第1の被嵌合部の内面に接触して前記第1の嵌合部が前記第1の被嵌合部に嵌合すると同時に、前記第2の嵌合部の第2の外側規制部が前記機械本体の内面に接触して前記第2の嵌合部が前記第2の被嵌合部に嵌合すると共に前記内側規制部が前記機械本体の外面又は前記外装部品の内面に当接することを特徴とする外装部品の取付構造。
【請求項2】
前記第1の嵌合部には、前記外側規制部と前記嵌合誘導部の間に段差部が形成され、前記第1の嵌合部の嵌合誘導部を前記第1の被嵌合部に引掛けた後、前記段差部を前記第1の被嵌合部に当接させ、この当接箇所を支点に前記外装部品を前記機械本体側に回転させることにより、前記第1の被嵌合部に対する前記第1の嵌合部の嵌合及び前記第2の被嵌合部に対する前記第2の嵌合部の嵌合が行われることを特徴とする請求項1に記載された外装部品の取付構造。
【請求項3】
前記第1の嵌合部を挟んで前記第2の嵌合部の反対側の前記外装部品の内面に回転補助部が形成され、該回転補助部は、前記第1の嵌合部を前記第1の被嵌合部に当接させる際に前記機械本体の外面に当接し、前記第1の被嵌合部に対する前記第1の嵌合部の当接位置を規定することを特徴とする請求項1又は2に記載された外装部品の取付構造。
【請求項4】
前記外装部品には位置決めボスが突設され、前記機械本体には前記位置決めボスと嵌合可能な位置決め穴が穿設され、
前記第1の嵌合部と前記第1の被嵌合部との嵌合及び前記第2の嵌合部と前記第2の被嵌合部との嵌合に伴って、前記位置決めボスと前記位置決め穴が、前記第1の嵌合部と前記第1の被嵌合部との嵌合方向及び前記第2の嵌合部と前記第2の被嵌合部との嵌合方向とは交差する方向に嵌合するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載された外装部品の取付構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載された外装部品の取付構造を備えていることを特徴とする画像形成装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−8469(P2012−8469A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146415(P2010−146415)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】