説明

外観検査装置における平面状板材の保持構造

【課題】プリント基板を斜め上下方向に搬送させる場合、ピントのぼけをなくすようにするとともに、その取り付けや取り外し作業を簡単に行えるようにする。
【解決手段】傾斜させた状態でプリント基板5を載置して斜め上下方向に搬送させるステージ21と、ステージ21に載置されたプリント基板5を保持する保持部3とを備えてなる外観検査装置1において、保持部3を、ステージ21に載置されるプリント基板5の裏面によってステージ21の平面より下方側に押圧される顎片31と、当該顎片31を平面の下方に押圧することによって、当該顎片31と一体的に回動し、プリント基板5の表面をステージ21側に押圧させる押圧片33と、前記顎片31をステージ21の平面よりも上方に突出させた第一の状態と、押圧片33によって平面上板材をステージ21の平面に押圧させた第二の状態とに切り替える弾性体とを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板などの平面状板材を検査する際に使用される外観検査装置に関するもので、より詳しくは、斜め上方に平面状板材を搬送して、その形成状態を検査する際に、その平面状板材をステージに保持させるようにした構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント基板を斜め上方に搬送させてプリント基板の外観を検査するようにした外観検査装置が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、図6に示すように、プリント基板5の上端および下端を保持する保持部60と、当該保持部60に保持されたプリント基板5を約30度の角度で斜め上下方向に搬送させる搬送部6と、当該搬送部6によって斜め上方に搬送されたプリント基板から表面画像を取得する画像取得部7とを備えてなる装置であって、画像取得部7で取得された画像に基づいてパッドや配線パターン、レジストなどの形成状態を検査できるようにしたものが開示されている。このような装置によれば、卓上でプリント基板を検査する際に、プリント基板5を水平移動させる場合に比べて設置面積を小さくすることができるとともに、プリント基板5が不良であった場合には、傾斜したプリント基板5を法線方向から目視判断させることができるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような外観検査装置では次のような問題を生じる。
【0005】
すなわち、上述の外観検査装置では、プリント基板5を保持させる場合、プリント基板5の上端および下端を保持する上端保持部61および下端保持部62をそれぞれ上方および下方に対向させて保持しているため、傾斜角度が小さくなるとプリント基板5の中央部分が自重で撓んでしまい、画像を取得する際のピントが合わなくなる可能性がある。特に、この上端保持部61については、プリント基板5を下端側に向けてバネで強く押圧するようにしているため、そのバネの押圧力が大きいと、よりプリント基板5が撓んでピントが合わなくなるといった可能性がある。
【0006】
さらには、プリント基板5の上端および下端を平面に沿った方向に押圧させる構造であると、上端保持部61や下端保持部62の奥方(底面側)に密着させていなくてもプリント基板5を保持させることができるため、カメラの撮像方向に対して傾いた状態でプリント基板5を保持させてしまうと、画像のピントが合わなくなってしまう。
【0007】
また、プリント基板5を保持部60に保持させる場合、上端部のバネにプリント基板5の端部を当接させて平面方向に押し上げ、その後、プリント基板5の下端部を下端保持部62に保持させなければならないため、プリント基板5の載置方向や取り出し方向(すなわち、プリント基板5の平面に対して法線方向)と、その保持させるための方向(平面に沿った方向)が異なってしまい、取り付け作業や取り外し作業に時間がかかってしまうといった問題を生じていた。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、プリント基板などの平面状板材を斜め上下方向に搬送させる際、ピントのぼけをなくすようにするとともに、その平面状板材の取り付けや取り外し作業を簡単に行えるようにした外観検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、傾斜させた状態で平面状板材を載置して斜め上下方向に搬送させるステージと、当該ステージに載置された平面状板材を保持する保持部とを備えてなる外観検査装置の平面状板材保持構造において、前記保持部を、ステージに載置される平面状板材の裏面によって当該ステージの平面より下方側に押圧される顎片と、当該顎片を平面の下方に押圧することによって、当該顎片と一体的に回動し、平面状板材の表面をステージ側に押圧させる押圧片と、前記顎片をステージの平面よりも上方に突出させた第一の状態と、押圧片によって平面上板材をステージの平面に押圧させた第二の状態とに切り替える弾性体とを有するように構成したものである。
【0010】
このように構成すれば、平面状板材がステージ上に全面的に保持されるため、撓みを生じることなく表面の画像を取得することができる。しかも、ステージの傾斜角度を大きくした場合であっても、平面状板材を表面からステージに押圧しているため、確実にステージ上に平面状板材を密着させることができるようになり、さらには、平面状板材のステージの載置方向と平面状板材を保持させる方向とを一致させることができるため、平面状板材の載置もしくは取り出しのための作業を簡単に行うことができる。
【0011】
また、このような発明において、前記顎片に、平面状板材の端部を平面状板材の平面に沿った方向に押圧する段部を設けるようにする。
【0012】
このようにすれば、顎片を回動させて平面状板材の端部を保持させる際に、平面状板材の端部を段部に引っ掛けてその平面に沿った方向に押圧させることができ、より確実に平面状板材を固定することができる。
【0013】
さらに、前記保持部を平面状板材の上端側に設け、下端側に平面状板材を自重でステージ上に密着させるようなテーパー部を有する下端保持部を設けるようにする。
【0014】
このようにすれば、下端側についてもそのテーパー部でステージ側に平面状板材を密着させることができるようになる。特に、段部によって下方へ押圧させた際、そのテーパー部によって、より確実に平面状板材をステージに密着させることができるようになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、傾斜させた状態で平面状板材を載置して斜め上下方向に搬送させるステージと、当該ステージに載置された平面状板材を保持する保持部とを備えてなる外観検査装置の平面状板材保持構造において、前記保持部を、ステージに載置される平面状板材の裏面によって当該ステージの平面より下方側に押圧される顎片と、当該顎片を平面の下方に押圧することによって、当該顎片と一体的に回動し、平面状板材の表面をステージ側に押圧させる押圧片と、前記顎片をステージの平面よりも上方に突出させた第一の状態と、押圧片によって平面上板材をステージの平面に押圧させた第二の状態とに切り替える弾性体とを有するようにしたので、撓みを生じることなく画像取得時におけるピントのずれを防止することができる。また、ステージの傾斜角度を大きくした場合であっても、平面状板材を表面から押圧しているため、確実にステージ上に平面状板材を密着させることができる、さらには、平面状板材をステージに載置する方向と平面状板材を保持させる方向とを一致させることができるため、平面状板材の載置もしくは取り出しのための作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態における外観検査装置の側面概略図
【図2】同形態におけるステージおよび保持部の構造を示す正面図
【図3】同形態におけるステージおよび保持部の構造を示す外観斜視図
【図4】同形態における保持部の動作状態を示す図(顎片を突出させた第一の状態)
【図5】同形態における保持部の動作状態を示す図(押圧片で押圧させた第二の状態)
【図6】従来例における斜め搬送の外観検査装置
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。この実施の形態における外観検査装置1は、プリント基板5(図1における破線)に形成されたパッドや配線パターン、スルーホール、レジスト、シルクなどを検査できるようにしたものであって、プリント基板5を斜め上下方向に搬送させることによって設置面積を小さくし、しかも、目視によっても不良と判定されたプリント基板5を検査できるようにしたものである。そして、特徴的には、そのプリント基板5をステージ21に載せて斜め上下方向に搬送させる際に、プリント基板5の上端部近傍を保持部3で保持し、プリント基板5を載置させる方向とプリント基板5を保持させる方向を一致させて、確実にプリント基板5を固定できるようにしたものである。以下、本実施の形態における外観検査装置1の構造について説明する。
【0018】
この実施の形態における外観検査装置1は、図1に示すように、斜め上下方向に沿ってプリント基板5を搬送させる搬送部2と、その搬送部2によって搬送されたプリント基板5から画像を取得する画像取得部4とを備えている。
【0019】
この搬送部2は、平面状に構成されたステージ21を傾斜させた状態でプリント基板5を搬送するようにしたもので、図2に示すように、そのステージ21の両側にフレーム24を設け、ステージ21をそのフレーム24に沿って搬送させるようにしている。このフレーム24は、初期状態では最下端側に位置させており、そこでプリント基板5をステージ21上に載置させるとともに検査の終了したプリント基板5を取り出せるようにしている。そして、検査を開始することによって、モーターを駆動させてステージ21を上方に移動させ、最上端の近傍で画像を取得して、そこで下方へ折り返して最下端まで移動させる。この搬送部2における傾斜角度としては、作業者が椅子に座って作業をする際に、プリント基板5を法線方向から視認させるような角度に設定しておくことが好ましく、例えば、机上に外観検査装置1を載せて使用する場合は、30度〜70度(好ましくは45度〜60度)の範囲内の角度に設定しておく。このような角度に設定すれば、設置面積を小さくすることができるとともに、椅子に座って作業をする際に、プリント基板5を法線方向から目視で確認することができる。なお、この実施の形態では、枠組みされたフレームによって傾斜角度が固定されているが、適宜、その傾斜角度を変更できるような角度変更機構を設けるようにしてもよい。このような角度変更機構としては、例えば、搬送部2の前端側に回動可能なヒンジを取り付けるとともに、後端側を任意の高さ位置で固定できるような固定部を設けて構成するとよい。もちろん、この傾斜角度を変更する際には、搬送部2だけでなく画像取得部4についても同じ角度で一体的に回動させるようにしておく。
【0020】
画像取得部4は、搬送されてきたプリント基板5に対して斜め方向から光を照射し、その反射光を取得するように構成される。斜め方向から光を照射させる場合、蛍光灯やLED、ハロゲンランプなどの光源41を使い、その光源41からの光を斜め方向からプリント基板5に照射させる。この光源41による光は、プリント基板5によって反射され、プリント基板5の法線方向に設けられたラインセンサ43によって取得される。このラインセンサ43で反射光を取得する場合、ミラー42をプリント基板5の法線方向に設けておき、そこで反射光を反射させてその反射光を取得するようにしている。
【0021】
このように構成された外観検査装置1において、ステージ21に設けられる保持部3は次のように構成される。この保持部3の構造について、図3から図5を用いて説明する。
【0022】
一般的に、プリント基板5をステージ21に載置させる場合、前述のように、プリント基板5を載置させる方向と押圧させる方向とが一致することが好ましく、また、検査の終了したプリント基板5を取り出す際は、ステージ21とプリント基板5の間に隙間を設けてプリント基板5を指で取り出しやすくしておくのが好ましい。そこで、プリント基板5の載置方向と押圧方向などを一致させるように、図3に示すように、ヒンジ34を中心に回動可能なU字状(あるいはC字状)の保持部3を設け、プリント基板5の載置方向と押圧方向とを一致させるとともに、取り外しの際にはプリント基板5をステージ21から若干浮かせるようにする。
【0023】
このステージ21に設けられた保持部3は、ステージ21の表面から出没可能に設けられた顎片31と、プリント基板5の表面をステージ21側へ押圧する押圧片33とをそれぞれ設けてU字状に構成しており、それぞれの基端部分に設けられたヒンジ34によって回動できるようになっている。また、このヒンジ34の近傍と押圧片33との間にはバネ35が取り付けられており、このバネ35の引っ張り力によって、顎片31をステージ21の表面から突出させた状態にする第一の状態と、顎片31をステージ21に沈み込ませて押圧片33でプリント基板5を押圧させる第二の状態に切り替えられるようになっている。この第一の状態、すなわち、プリント基板5を取り付ける状態では、顎片31と押圧片33との先端部分の隙間に上からプリント基板5の端部を挿入できるようにしており、例えば、顎片31と押圧片33をステージ21に対して45度で傾斜させ、これによって顎片31と押圧片33の先端部分を結ぶ角度をステージ21に対して135度程度の角度となるようにしている。このような角度で固定するには、押圧片33の後方から延出する解除片36をベース37に当接させ、これによって顎片31を突出させた状態に停止させる。このようにすれば、ステージ21の法線方向から見た場合に、顎片31と押圧片33の先端部分の隙間W(図4参照)が大きくなり、ステージ21に対して法線方向からプリント基板5の端部を差し込むことが容易になる。また、第二の状態(図5参照)、すなわち、プリント基板5を押圧させる状態では、顎片31がステージ21の表面と平行となっているか、もしくは、これよりも下方となるような状態となっており、これによって、押圧片33によってプリント基板5の表面を押圧させる。
【0024】
ところで、この押圧片33によってプリント基板5を押圧させる場合、プリント基板5の法線方向に沿ってプリント基板5を押圧させることができるが、プリント基板5の平面に沿った方向(例えば、下方側)にプリント基板5を押圧させることができない。そこで、この実施の形態では、顎片31の表面に段部32を設け、顎片31を回動させる際に、その段部32をプリント基板5の端部に当接させるようにして、回動によってプリント基板5の平面に沿った下方へ押圧させるようにしている。この段部32としては、顎片31の先端に向かって肉厚が薄くなるような構造を用い、これによって、保持部3を回動させる際に、いずれかの段部32によってプリント基板5の端部を平面に沿った方向に押圧させるようにしている。
【0025】
また、この保持部3には、プリント基板5の押圧状態を解除するための解除片36が設けられている。この解除片36は、押圧片33の後端側に延出するように設けられるものであって、この解除片36を上から押圧することによって、バネ35の引っ張り力に抗して、顎片31を上方へ回動させるようにしている。
【0026】
このように構成された保持部3は、ステージ21の表面に設けられた溝部22上で上下方向にスライド可能に取り付けられており、任意の高さ位置でネジなどによって固定できるようになっている。そして、この保持部3と、ステージ21の側方に設けられた突出片および、ステージ21の下方に設けられた下端保持部25によってプリント基板5を保持させる。なお、このプリント基板5を保持させる際、上端側のみを押圧したのではプリント基板5がステージ21から外れて落ちてしまう可能性があるため、下端保持部25に、プリント基板5の下端部を自重によってステージ21側に押圧するテーパー部25aを設け、このテーパー部および保持部3の押圧力によってプリント基板5をステージ21の表面へ押圧させるようにする。
【0027】
次に、このように構成された保持部3の作用について説明する。
【0028】
まず、プリント基板5をステージ21に保持させる場合、プリント基板5の形状や大きさに対応させるべく、保持部3をステージ21の溝部22に沿った方向にスライドさせ、最適な位置でネジで固定させる。そして、このように保持部3を固定した状態で、検査対象となるプリント基板5の下端部分を下端保持部25に当接させる。すると、そのプリント基板5の下端部分は、下端保持部25のテーパー部25aによってステージ21の表面側へと自重によって押圧される。
【0029】
このように下端部分を位置決めした状態で、プリント基板5を左右方向にスライドさせて、プリント基板5の側端をステージ21の側方に設けられた突出片26(図1や図2参照)に位置させるように位置決めする。
【0030】
このように下端部分および側端部分を位置決めした状態で、今度は、プリント基板5の上端部分をステージ21の表面側に向けて押し付ける。すると、そのプリント基板5の上端部分は、保持部3の顎片31と押圧片33との間(隙間Wの間)に挿入され、顎片31の先端部分の上部に接触する。この状態(図4の状態)でプリント基板5の上端部分をステージ21側へ押圧すると、保持部3は、バネ35の力に抗して第二の状態側へと回動し(図5の状態)、押圧片33によってプリント基板5の上端部近傍を押圧する。このとき、プリント基板5の上端部は、顎片31のいずれかの段部32によって回動時に下端側へと押圧され、これによってプリント基板5を平面に沿った方向と法線方向に沿った方向に押圧することができる。
【0031】
このようにプリント基板5をステージ21に保持させた後、図示しない検査開始ボタンを押下すると、そのステージ21は斜め上方に沿って搬送され、画像取得部4によって表面画像を取得して検査が行われる。そして、上端部で折り返して再び初期位置まで搬送される。
【0032】
次に、検査の終了したプリント基板5をステージ21から取り外す場合は、ステージ21の側方に設けられた切欠部23を介して指をプリント基板5の裏面側から表側へと押圧し、プリント基板5の保持状態を解除する。もしくは、保持部3の解除片36を上から押圧してプリント基板5の保持状態を解除する。すると、プリント基板5は、顎片31によってステージ21よりも若干上方へと持ち上げられ、ステージ21とプリント基板5との間に隙間を形成することができる。しかも、この際、プリント基板5の下端部分はテーパー部25aを有する下端保持部25によって保持されているため、上端部分が持ち上げられても下端部分からプリント基板5が滑り落ちることがない。そして、このようにプリント基板5の上端近傍をステージ21から持ち上げた状態で、ステージ21との隙間に指を入れ、プリント基板5を持ち上げて回収する。
【0033】
このように上記実施の形態によれば、傾斜させた状態でプリント基板5を載置して斜め上下方向に搬送させるステージ21と、当該ステージ21に載置されたプリント基板5を保持する保持部3とを備えてなる外観検査装置1において、前記保持部3を、ステージ21に載置されるプリント基板5の裏面によって当該ステージ21の平面より下方側に押圧される顎片31と、当該顎片31を平面の下方に押圧することによって、当該顎片31と一体的に回動し、プリント基板5の表面をステージ21側に押圧させる押圧片33と、前記顎片31をステージ21の平面よりも上方に突出させた第一の状態と、押圧片33によってプリント基板5をステージ21の平面に押圧させた第二の状態とに切り替える弾性体とを有するようにしたので、撓みを生じることなく画像取得時におけるピントのずれを防止することができる。また、ステージ21の傾斜角度を大きくした場合であっても、プリント基板5を表面から押圧しているため、確実にステージ21上にプリント基板5を密着させることができる、さらには、プリント基板5をステージ21に載置する方向とプリント基板5を保持させる方向とを一致させることができるため、プリント基板5の載置もしくは取り外しのための作業を簡単に行えるようにすることができる。
【0034】
また、顎片31に、プリント基板5の端部をプリント基板5の平面に沿った方向に押圧する段部32を設けるようにしたので、顎片31を回動させてプリント基板5の端部を保持させる際、プリント基板5の平面に沿った方向に押圧することができ、より確実に平面状板材を固定することができる。
【0035】
さらに、保持部3をプリント基板5の上端側に設け、下端側にプリント基板5を自重でステージ21上に密着させるようなテーパー部25aを有する下端保持部25を設けるようにしたので、下端側についてもそのテーパー部25aでステージ21の表面側にプリント基板5を密着させることができるようになる。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0037】
例えば、上記実施の形態では、平面状板材としてプリント基板5を例に挙げて説明したが、プリント基板5に限定されるものではなく、液晶基板、ガラス、樹脂板などの平面状の部材などを用いるようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、ステージ21を45度〜60度の角度で傾斜させて搬送させるようにしたが、水平な角度で搬送させる場合についても、この保持部3の構造を適用させることができる。
【0039】
さらに、この実施の形態では、傾斜させて搬送させる際に、プリント基板5の上端部分を押圧させるようにしているが、プリント基板5の側端部分を同様の保持部3で保持させるようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、手動によって保持部3を回動させるようにしているが、ソレノイドやモーターなどの駆動源を用いて保持部3を回動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1・・・外観検査装置
2・・・搬送部
21・・・ステージ
22・・・溝
23・・・切欠部
24・・・フレーム
3・・・保持部
31・・・顎片
32・・・段部
33・・・押圧片
34・・・ヒンジ
35・・・バネ
36・・・解除片
4・・・画像取得部
41・・・光源
42・・・ミラー
43・・・ラインセンサ
5・・・プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜させた状態で平面状板材を載置して斜め上下方向に搬送させるステージと、当該ステージに載置された平面状板材を保持する保持部とを備えてなる外観検査装置の平面状板材保持構造において、前記保持部を、
ステージに載置される平面状板材の裏面によって当該ステージの平面より下方側に押圧される顎片と、
当該顎片を平面の下方に押圧することによって、当該顎片と一体的に回動し、平面状板材の表面をステージ側に押圧させる押圧片と、
前記顎片をステージの平面よりも上方に突出させた第一の状態と、押圧片によって平面上板材をステージの平面に押圧させた第二の状態とに切り替える弾性体と、
を有するように構成したことを特徴とする外観検査装置の平面状板材保持構造。
【請求項2】
前記顎片に、平面状板材の端部を平面状板材の平面に沿った方向に押圧する段部を設けた請求項1に記載の外観検査装置の平面状板材保持構造。
【請求項3】
前記保持部を平面状板材の上端側に設け、下端側に平面状板材を自重でステージ上に密着させるテーパー部を備えた下端保持部を設けるようにした請求項1に記載の観検査装置の平面状板材保持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73194(P2012−73194A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220100(P2010−220100)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(597028081)株式会社メガトレード (27)
【Fターム(参考)】