説明

外観検査装置

【課題】検査対象物の表裏を一台のカメラで一度に検査できるようにすること。
【解決手段】外観検査装置1は、カメラ4と、光学系15とを具備する。検査対象物20の正面20aがカメラ4の視野4bに配置される。光学系15は、検査対象物20の正面20a及び背面20bをカメラ4が同時に撮影することが可能なように背面20bからの光線102の向きを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置及び外観検査方法に関し、特に半導体パッケージの外観検査装置及び外観検査方法と半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2010−014735号公報は、錠剤等の検査対象物の外観の検査を行うための外観検査装置を開示している。この外観検査装置は、錠剤の上面と側面のうちの一方を撮像するように設置された撮像手段と、上面と側面のうちの他方の画像を撮像手段に取り込むように上面と側面のうちの他方からの光の方向を変更する変更手段と、上面と側面のうちの他方から撮像手段までの第1光路の光路長に上面と側面のうちの一方から撮像手段までの第2光路の光路長を合わせるために、第2光路を冗長させる光路冗長手段とを備えている。
【0003】
特開2009−276338号公報は、半導体装置等のデバイスの外観を検査する外観検査装置を開示している。この外観検査装置は、デバイスの底面と撮像面が対向する撮像手段と、デバイスの4側面に対応して設けられたミラーとを備える。ミラーは、デバイスの4側面の像を、撮像面に向けて反射する。撮像手段は、底面画像に加えて4側面の像を撮像する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−014735号公報
【特許文献2】特開2009−276338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、上述の外観検査装置では検査対象物の表裏を一台のカメラで一度に検査することができないものと認識している。
【0006】
本発明の課題は、検査対象物の表裏を一台のカメラで一度に検査できる外観検査装置、外観検査方法、及び半導体パッケージの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明の第1の観点による外観検査装置(1)は、カメラ(4)と、前記カメラの視野(4b)に正面(20a、24、28a)が配置される検査対象物(20)の前記正面及び背面(20b、23、28b、27b)を前記カメラが同時に撮影することが可能なように、前記背面からの第1光線(102)の向きを変更する光学系(15)とを具備する。
【0009】
本発明の第2の観点による外観検査方法は、カメラ(4)の視野(4b)に検査対象物(20)の正面(20a、24、28a)を配置するステップと、前記検査対象物の背面(20b、23、28b、27b)からの第1光線(102)の向きを変更するステップと、前記第1光線及び前記正面からの光線(101)に基づいて、前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップとを具備する。
【0010】
本発明の第3の観点による半導体パッケージの製造方法は、半導体チップをパッケージして半導体パッケージ(20)を形成するステップと、前記半導体パッケージの外観を検査するステップとを具備する。前記半導体パッケージの外観を検査する前記ステップは、カメラ(4)の視野(4b)に前記半導体パッケージの正面(20a、24、28a)を配置するステップと、前記半導体パッケージの背面(20b、23、28b、27b)からの第1光線(102)の向きを変更するステップと、前記第1光線及び前記正面からの光線(101)に基づいて、前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップとを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検査対象物の表裏を一台のカメラで一度に検査できる外観検査装置、外観検査方法、及び半導体パッケージの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る外観検査装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置の概略図である。
【図3】図3は、第2の実施形態に係る外観検査装置のミラーと検査対象物の配置を示す平面図である。
【図4】図4は、第2の実施形態に係る外観検査装置の機能ブロック図である。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る外観検査装置による画像取得を説明する概念図である。
【図6】図6は、第2の実施形態に係る外観検査装置により取得される検査対象物の画像の一例を示す。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る外観検査装置により取得される検査対象物の画像の他の例を示す。
【図8】図8は、検査対象物としてのBGAパッケージを示す。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る外観検査装置により取得されるBGAパッケージの画像の一例を示す。
【図10】図10は、検査対象物としてのQFNパッケージを示す。
【図11】図11は、第2の実施形態に係る外観検査装置により取得されるQFNパッケージの画像の一例を示す。
【図12】図12は、本発明の第3の実施形態に係る外観検査装置の概略図である。
【図13】図13は、第3の実施形態の変形例に係る外観検査装置の概略図である。
【図14】図14は、本発明の第4の実施形態に係る外観検査装置の機能ブロック図である。
【図15】図15は、第4の実施形態に係る外観検査装置の効果の一例を示す概念図である。
【図16】図16は、第4の実施形態に係る外観検査装置の効果の他の例を示す概念図である。
【図17】図17は、第4の実施形態に係る外観検査装置の効果の他の例を示す概念図である。
【図18】図18は、本発明の第5の実施形態に係る外観検査装置の概略図である。
【図19】図19は、本発明の第6の実施形態に係る外観検査装置の機能ブロック図である。
【図20】図20は、第6の実施形態に係る外観検査装置のミラーと検査対象物の配置を示す平面図である。
【図21】図21は、本発明の第7の実施形態に係る外観検査装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明による外観検査装置、外観検査方法、及び半導体パッケージの製造方法を実施するための形態を以下に説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る外観検査装置1を説明する。外観検査装置1は、カメラ4と、光学系15とを備える。外観検査装置1に対してX方向、Y方向、及びZ方向が定義されている。X方向、Y方向、及びZ方向は互いに垂直である。以下の説明においてZ方向は水平面に垂直である。カメラ4は例えば2次元カメラである。カメラ4の撮影軸4aがZ方向に平行になるように、カメラ4は下を向いている。撮影軸4aのベクトルのX方向成分、Y方向成分、及びZ方向成分はそれぞれゼロ、ゼロ、及び負である。外観検査装置1によって外観が検査される検査対象物20は、正面20aと、背面20bと、側面20cとを備える。背面20bは正面20aの反対側である。検査対象物20は、正面20aをカメラ4に向けてカメラ4の下方に配置される。正面20aがカメラ4の視野4bに配置されるため、正面20aからの光線101はカメラ4に直接到達する。背面20bからの光線102は、光学系15によって向きが変更されてカメラ4に到達する。カメラ4は、光線101及び102に基づいて正面20a及び背面20bを同時に撮影する。これにより、正面20a及び背面20bの両方が写された一つの画像が得られる。
【0015】
本実施形態によれば、検査対象物20の表裏を一台のカメラで一度に検査することが可能であり、検査時間が短縮される。本実施形態によれば、一つの検査ステージで検査対象物20の表裏を検査することができるため、検査のためのスペースが小さくて済む。更に、半導体パッケージ20を検査ステージ間で搬送するためのピックアップハンドが不要であり、一台のカメラで検査対象物20の表裏を検査するため、装置コストが削減される。
【0016】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第1の実施形態と同様である。
【0017】
図2を参照して、検査対象物20は半導体パッケージ(以下、「半導体パッケージ20」と称する。)である。半導体パッケージ20は、半導体チップをパッケージすることで形成される。半導体パッケージ20は、矩形平板形状のパッケージ本体21と、複数の外部端子22とを備える。パッケージ本体21は半導体チップを含んでいる。複数の外部端子22は半導体チップ内の回路に電気的に接続されている。パッケージ本体21は、正面20aの一部としての表面24と、背面20bの一部としての裏面23と、側面20cの一部としての側面25とを備える。裏面23は、半導体パッケージ20をプリント配線板に搭載したときにプリント配線板を向く矩形面である。表面24は、裏面23の反対側の矩形面であり、裏面23に平行である。
【0018】
半導体パッケージ20は例えばSOP(Small Outline Package)又はQFP(Quad Flat Package)である。各外部端子22はガルウイング形状をしたリード(以下、「リード22」と称する。)である。リード22は、パッケージ本体21の側面25から突き出している。
【0019】
第2の実施形態に係る外観検査装置1は、カメラ4及び光学系15に加えて、表面24を照光する照明装置3と、裏面23を照光する照明装置3と、半導体パッケージ20が載せられる台座2とを備える。台座2は、表面24がZ方向に垂直な状態でカメラ4を向くように半導体パッケージ20を支持する。表面24を照光する照明装置3及び裏面23を照光する照明装置3の各々は、Z方向に対して斜めに半導体パッケージ20を照光する。
【0020】
光学系15は、ミラー5及び6を備える。ミラー5は、半導体パッケージ20の裏面23の側(すなわち背面20bの側)に配置される。例えば、ミラー5は台座2の側面に取り付けられる。ミラー6は、半導体パッケージ20からX方向に離れて配置される。ミラー6及び半導体パッケージ20はZ方向の位置が概ね一致している。例えば、ミラー6及び半導体パッケージ20の両方と共有点を持ちZ方向に垂直な平面が存在する。ミラー5の反射面の法線ベクトルのX方向成分、Y方向成分、及びZ方向線分はそれぞれ正、ゼロ、及び正である。ミラー6の反射面の法線ベクトルのX方向成分、Y方向成分、及びZ方向線分はそれぞれ負、ゼロ、及び正である。
【0021】
図3を参照して、パッケージ本体21は、Z方向に平行に見て矩形である。その矩形は、辺21a及び辺21bを備える。辺21a及び辺21bは互いに垂直である。台座2は、辺21aがY方向に平行になるように半導体パッケージ20を支持する。辺21aに沿って複数のリード22が配列されている。辺21aに沿って配列されたリード22を検査するために、ミラー5の反射面がY方向に平行な長辺を持つ矩形であり、ミラー6の反射面がY方向に平行な長辺を持つ矩形であることが好ましい。
【0022】
半導体パッケージ20がQFPである場合、辺21bに沿って配列された複数のリードが追加される。この場合、辺21bに沿って配列されたリードを検査するために、ミラー5及び6に対応する一対のミラーが設けられることが好ましい。
【0023】
図4を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、画像処理装置16と、記憶装置17と、出力装置18とを備える。出力装置18は例えば表示装置である。カメラ4、画像処理装置16、記憶装置17、及び出力装置18は、互いにデータをやりとりすることが可能なように接続される。
【0024】
図5を参照して、リード22は、表面24がZ方向に垂直且つ辺21aがY方向に平行のときにY方向に垂直な平面内で延びるように形成されている。リード22は、パッケージ本体21の側面25から表面24及び裏面23に平行に延びる基部26と、基部26の先端から裏面23の側に延びる中間部27と、中間部27の先端から表面24及び裏面23にほぼ平行に延びる端部28とを備える。中間部27は斜辺部と称される場合がある。端部28はリードフットと称される場合がある。中間部27は、表面24及び裏面23の法線に対して僅かに傾いている。端部28は、表面24及び裏面23に対して僅かに傾いている。半導体パッケージ20をプリント配線板に搭載したときに端部28がプリント配線板に半田付けされる。端部28は、正面20aの一部としての表面28aと、背面20bの一部としての裏面28bと、側面20cの一部としての側面28cとを備える。側面28cは端部28の端面である。
【0025】
表面28aからの光線101はカメラ4に直接到達する。光線102は裏面28bで反射された光線である。ミラー5は裏面28bからの光線102をミラー6へ反射する。ミラー6はミラー5からの光線102と側面28cからの光線103とをカメラ4へ反射する。カメラ4は、光線101、102、及び103に基づいて、表面28a、裏面28b、及び28cを同時に撮影して画像30を取得する。画像30は、光線101に基づく表面28aの画像としての表面画像31と、光線102に基づく裏面28bの画像としての裏面画像32と、光線103に基づく側面28cの画像としての側面画像33とを含む。画像30に対してV方向及びW方向が定義されている。V方向はX方向及びZ方向に対応する。W方向はY方向に対応する。
【0026】
ミラー5が裏面28bからの光線102をミラー6へ反射するとき、光線102の方向ベクトルのX方向の成分の符号が逆になる。したがって、ミラー6から見て裏側の裏面28bが撮影される。
【0027】
半導体パッケージ20の外観検査において、画像処理装置16は画像30に対して画像処理を実行する。画像処理装置16は、画像処理により表面28aに付着した異物や裏面28bに形成された傷を検出する。異物及び傷は画像30においてそれぞれ異物の画像201及び傷の画像202として示されている。記憶装置17は画像30や画像処理装置16の画像処理結果を記憶する。出力装置18は、画像30や画像処理装置16の画像処理結果を出力する。検査員が出力された画像30に基づいて表面28aに付着した異物や裏面28bに形成された傷を検出してもよい。
【0028】
外観検査装置1は、表面28aに付着した異物をエアーで吹き飛ばす等して除去することが好ましい。この場合、半導体パッケージ20の製造方法は、半導体チップをパッケージして半導体パッケージ20を形成する工程と、半導体パッケージ20の外観検査を実行する工程と、外観検査で発見された異物を半導体パッケージ20から除去する工程とを含む。
【0029】
外観検査装置1は、半導体パッケージ20の異物や傷の検査だけでなくリード22の曲がり、浮き、リードフット角度、及びコプラナリティを検査することが可能である。以下、これらの検査を説明する。
【0030】
図6は、半導体パッケージ20が備える複数のリード22が設計どおりに形成されている場合において取得される画像30及び基準線Sを示している。基準線SはW方向に平行である。画像30は、第1のリード22〜第8のリード22のそれぞれについての第1画像群41〜第8画像群48を含んでいる。第1画像群41〜第8画像群48の各々は、表面画像31、裏面画像32、及び側面画像33を含んでいる。第1画像群41〜第8画像群48の全てについて、側面画像33の基準線Sからのズレ量がゼロである。
【0031】
図7は、半導体パッケージ20が備える複数のリード22のうちのいくつかが設計どおりに形成されていない場合において取得される画像30及び基準線S、S41〜S47を示している。基準線SはW方向に平行である。基準線S41〜S47の各々はV方向に平行である。画像30は、第1のリード22〜第7のリード22のそれぞれについての第1画像群41〜第7画像群47を含んでいる。第1画像群41〜第7画像群47の各々は、表面画像31、裏面画像32、及び側面画像33を含んでいる。
【0032】
図7を参照して、第1画像群41において表面画像31、裏面画像32、及び側面画像33が基準線S41に沿って配置され且つ側面画像33の基準線Sからのズレ量がゼロであるため、第1のリード22は設計どおりに形成されていることが検出される。第2画像群42から第2のリード22の端部28が曲がっていることが検出される。第3画像群43において側面画像33が基準線SからV方向の負側にずれているため、第3リード22の端部28に浮きが生じていることが検出される。第4画像群44及び第5画像群の各々において表面画像31及び裏面画像32のV方向の長さが第1画像群41と異なるため、第4リード22及び第5リード22の各々において端部28の角度(リードフット角度)が適切でないことが検出される。
【0033】
画像処理装置16は下記のように画像30に基づいてコプラナリティを検査する。半導体パッケージ20の外部端子22がリードであるため、JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)の3点設置方式が用いられる。半導体パッケージ20の全てのリード22について、側面画像33の基準線SからのV方向のズレ量を検出する。ここで、側面画像33が基準線SからV方向の正側にずれている場合にズレ量は正の値であり、V方向の負側にずれている場合にズレ量は負の値である。ズレ量が大きいものから順番に3点をその3点を頂点とする三角形が半導体パッケージ20の中心を含むように抽出する。その3点を通る平面の方程式を算出する。その平面から側面28cまでの距離を全てのリード22について算出する。算出した距離の最大値をコプラナリティとして算出する。算出されたコプラナリティは基準値と比較される。
【0034】
記憶装置17は、算出されたコプラナリティ及び算出されたコプラナリティと基準値の比較結果を記憶する。出力装置18は、算出されたコプラナリティ及び算出されたコプラナリティと基準値の比較結果を出力する。
【0035】
図8を参照して、半導体パッケージ20はBGA(Ball Grid Array)パッケージ(以下、「BGAパッケージ20」と称する。)でもよい。BGAパッケージ20は、パッケージ本体21と、外部端子22としての半田ボール(以下、「半田ボール22」と称する。)を備える。半田ボール22がパッケージ本体21の裏面23の周縁部のみに設けられている場合、外観検査装置1はBGAパッケージ20についてコプラナリティの検査を実行することができる。
【0036】
図9は、BGAパッケージ20を撮影した画像30及び基準線Sを示す。画像30は、表面画像31と、裏面画像32と、側面画像33を含む。表面画像31にはパッケージ本体21の表面24が写されている。裏面画像32にはパッケージ本体21の裏面23及び半田ボール22が写されている。側面画像33にはパッケージ本体21の側面25及び半田ボール22が写されている。
【0037】
BGAパッケージ20の場合、画像処理装置16は、3点設置方式のかわりに最小2乗平面方式を用いてコプラナリティを検査する。
【0038】
図10を参照して、半導体パッケージ20はQFN(Quad Flat No‐Lead)パッケージ(以下、「QFNパッケージ20」と称する。)でもよい。QFNパッケージ20は、パッケージ本体21と、外部端子22としてのパッド22(以下、「パッド22」と称する。)を備える。パッド22がパッケージ本体21の裏面23の周縁部のみに設けられている場合、外観検査装置1はQFNパッケージ20についてコプラナリティの検査を実行することができる。
【0039】
図11は、QFNパッケージ20を撮影した画像30及び基準線Sを示す。画像30は、表面画像31と、裏面画像32と、側面画像33を含む。表面画像31にはパッケージ本体21の表面24が写されている。裏面画像32にはパッケージ本体21の裏面23及びパッド22が写されている。側面画像33にはパッケージ本体21の側面25及びパッド22が写されている。
【0040】
QFNパッケージ20の場合、画像処理装置16は、3点設置方式のかわりに最小2乗平面方式を用いてコプラナリティを検査する。
【0041】
本実施形態によれば、リード22の表裏の付着物及び傷の検査とリード22の端部28のZ方向位置の検査とを一つの検査ステージで実行することができる。そのため、検査のためのスペースが小さくて済む。更に、半導体パッケージ20を検査ステージ間で搬送するためのピックアップハンドが不要であるため装置コストが削減される。高価な三次元検査装置を用いずにリード22の端部28のZ方向位置を検査することができるため装置コストが削減される。
【0042】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第2の実施形態と同様である。
【0043】
図12を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、台座2を支持する支柱8を備える。台座2は、半導体パッケージ20の裏面23に接触する上面2aと、上面2aの反対側の下面2bとを備える。支柱8は下面2bの中心に接続される。ミラー5は支柱8に支持される。
【0044】
ミラー5が支柱に支持されるため、裏面23の中心近傍部分の外観を検査できる。尚、台座2が小型化されることが好ましい。
【0045】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態の変形例に係る外観検査装置1を以下に説明する。
【0046】
図13を参照して、台座2が透光性材料により形成されていることが好ましい。この場合、裏面23の中心近傍部分の外観を検査することが更に容易である。台座2が大型である場合であっても、裏面23の中心近傍部分の外観を検査することができる。大型の台座2は半導体パッケージ20を安定的に支持する上で有利である。
【0047】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第2又は第3の実施形態と同様である。
【0048】
図14を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、駆動部51及び52を備える。
【0049】
図15を参照して、駆動部51は、ミラー5をY方向に平行な軸まわりに回転させ、ミラー5をZ方向に移動させる。例えば、駆動部51はガルバノメータの回転手段と類似の手段でミラー5を回転させる。駆動部52は、ミラー6をZ方向及びY方向に移動させる。
【0050】
本実施形態によれば、半導体パッケージ20の種類ごとに異なるミラーを用意しなくても外観検査を実行することができる。また、ミラー5と半導体パッケージ20との距離、及びミラー6と半導体パッケージ20との距離を変えることで、焦点を自由に変えることができる。また、本実施形態によればインデックスが早くなる。
【0051】
更に、中間部27の裏面27bの外観検査を精密に行うことが可能である。裏面27bは、たとえZ方向の正側を向くカメラを用いて半導体パッケージ20の下側から撮影したとしても検査をすることが難しい部分である。
【0052】
また、ミラー6のZ方向位置を調節可能であるため、図16に示すように裏面23が凹面になるようにパッケージ本体21に反りが生じた場合と図17に示すように裏面23が凸面になるようにパッケージ本体21に反りが生じた場合の両方において、パッケージ本体21の端部の画像と台座2の端部の画像の両方が側面画像33に含まれる。したがって、パッケージ本体21の端部の画像と台座2の端部の画像の位置関係からスタンドオフSOを測定することが可能である。
【0053】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第2乃至第4の実施形態と同様である。
【0054】
図18を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、上述の照明装置3に加えて、照明装置10、11、及び14を備える。照明装置3は、リング形状又はバー形状に形成される。照明装置10は、表面24及び裏面23に平行に検査対象物20を照光する。照明装置10は、リング形状又はバー形状に形成される。照明装置14は、光源12と、ハーフミラー13とを備える。ハーフミラー13はカメラ4の撮影軸4aの延長上に配置される。光源12はハーフミラー13を介して検査対象物20の正面20aを照光する。カメラ4はハーフミラー13を介して検査対象物20を撮影する。照明装置14は、撮影軸4aと同軸に検査対象物20の正面20aを照光する。照明装置11は、ドームの内側面から検査対象物20の正面20aを照光する照明装置11と、ドームの内側面から検査対象物20の背面20bを照光する照明装置11とを含む。
【0055】
本実施形態によれば、様々な方向から検査対象物20が照光される。
【0056】
尚、第2乃至第5の実施形態において、照明装置3、10、11、及び14は、検査対象物20を照らす光の波長を切り替えるように構成されることが好ましい。照明の波長を変えることで焦点の位置を変えることができる。例えば、検査対象物20を第一の色の光(例えば赤色光)で照らしながら検査対象物20の正面20a及び背面20bを同時に撮影して画像30を取得する、検査対象物20を第一の色と異なる第二の色の光(例えば青色光)で照らしながら検査対象物20の正面20a及び背面20bを同時に撮影して画像30を取得する。異なる色の光で撮影することで、検査対象物20に付着した透明な異物を発見できる確率が高くなる。ここで、出力装置18は、第一の色の光で撮影された画像30と第二の色の光で撮影された画像30を並べて表示することが好ましい。
【0057】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第2乃至第5の実施形態と同様である。
【0058】
図19を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、複数の台座2と、複数の台座2の各々をZ方向に平行な回転軸まわりに回転させる駆動部53とを備える。
【0059】
図20を参照して、複数の半導体パッケージ20がY方向に並んで支持されるように、複数の台座2がY方向に並んで配置される。ミラー5及びミラー6は、複数の半導体パッケージ20のそれぞれの背面20bをカメラ4が同時に撮影することができるようにY方向に十分な長さを有する。カメラ4は、複数の半導体パッケージ20の正面20a及び背面20bを同時に撮影することができる。
【0060】
本実施形態によれば、複数の半導体パッケージ20の正面20a及び背面20bを一度に検査することができる。
【0061】
更に、駆動部53が複数の半導体パッケージ20の各々をZ方向に平行な回転軸まわりに90度回転させることで、半導体パッケージ20の辺21aと辺21bの両方に沿って外部端子22が配列される場合にも外観検査を短時間で行うことができる。尚、本実施形態においては、台座2が回転してもミラー5は動かないように構成されている。
【0062】
尚、SOPしか検査しない場合は外観検査装置1が半導体パッケージ20をZ方向に平行な回転軸まわりに回転させなくてもよい。
【0063】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る外観検査装置1を以下に説明する。本実施形態は以下の説明を除いて第2乃至第6の実施形態と同様である。
【0064】
図21を参照して、本実施形態に係る外観検査装置1は、ミラー6を備えない。検査対象物20の正面20aからの光線101はカメラ4に直接到達する。ミラー5は、検査対象物20の背面20bからの光線102をカメラ4へ反射する。カメラ4は、光線101及び102に基づいて、正面20a及び背面20bを同時に撮影する。
【0065】
以上、実施の形態を参照して本発明による外観検査装置、外観検査方法、及び半導体パッケージの製造方法を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されない。例えば、上記実施の形態においてカメラ4の下方に配置される検査対象物20を下向きのカメラ4で撮影する場合を説明したが、カメラ4の上方に配置される検査対象物20を上向きのカメラ4で撮影してもよい。この場合、検査対象物20の背面20b(例えば裏面23)を吸引する保持部によって検査対象物20が保持されることが好ましい。
【0066】
また、光学系15は、ミラー5及び6のいずれか一方又は両方に代えてプリズムを備えることが可能である。
【0067】
上記実施の形態どうしを組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…外観検査装置
2…台座
2a…上面
2b…下面
3…照明装置
4…カメラ
4a…撮影軸
4b…視野
5、6…ミラー
8…支柱
10…照明装置
11…照明装置
12…光源
13…ハーフミラー
14…照明装置
15…光学系
16…画像処理装置
17…記憶装置
18…出力装置
20…検査対象物(半導体パッケージ)
20a…正面
20b…背面
20c…側面
21…パッケージ本体
21a、21b…辺
22…外部端子
23…裏面
24…表面
25…側面
26…基部
27…中間部
27b…裏面
28…端部
28a…表面
28b…裏面
28c…側面
30…画像
31…表面画像
32…裏面画像
33…側面画像
41〜48…第1画像群〜第8画像群
51〜53…駆動部
101〜103…光線
201…異物の像
202…傷の像
S、S41〜S47…基準線
SO…スタンドオフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
前記カメラの視野に正面が配置される検査対象物の前記正面及び背面を前記カメラが同時に撮影することが可能なように、前記背面からの第1光線の向きを変更する光学系と
を具備する
外観検査装置。
【請求項2】
前記カメラの向きは第1方向に平行であり、
前記光学系は、
前記検査対象物の前記背面の側に配置される第1ミラーと、
前記検査対象物から前記第1方向に垂直な第2方向に離れて配置される第2ミラーと
を備え、
前記第1ミラーは前記背面からの前記第1光線を前記第2ミラーへ反射し、
前記第2ミラーは前記第1ミラーからの前記第1光線を前記カメラへ反射する
請求項1の外観検査装置。
【請求項3】
前記検査対象物は半導体パッケージであり、
前記半導体パッケージは、
矩形平板形状のパッケージ本体と、
前記パッケージ本体の辺に沿って配列された外部端子と
を備え、
前記第1光線は、前記辺が前記第1方向及び前記第2方向に垂直になるように前記半導体パッケージが配置された状態で、前記外部端子によって反射された光線であり、
前記第1ミラーが前記外部端子からの前記第1光線を前記第2ミラーへ反射するとき、前記第1光線の方向ベクトルの前記第2方向の成分の符号が逆になる
請求項2の外観検査装置。
【請求項4】
前記第2ミラーは、前記カメラが前記検査対象物の前記正面、前記背面、及び側面を同時に撮影することが可能なように、前記側面からの第2光線を前記カメラへ反射する
請求項2又は3の外観検査装置。
【請求項5】
前記検査対象物が載せられる台座と、
前記台座を支持する支柱と
を更に具備し、
前記台座は、
前記背面に接触する上面と、
前記上面の反対側の下面と
を備え、
前記支柱は前記下面に接続され、
前記第1ミラーは前記支柱に支持される
請求項2乃至4のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記台座は透光性材料により形成される
請求項5の外観検査装置。
【請求項7】
前記第1方向及び前記第2方向に垂直な軸まわりに前記第1ミラーを回転させる第1駆動部を更に具備する
請求項2乃至6のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項8】
前記第1ミラーを前記第1方向に移動させる第2駆動部を更に具備する
請求項2乃至7のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項9】
前記第2ミラーを前記第1方向に移動させる第3駆動部を更に具備する
請求項2乃至8のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項10】
前記光学系は、前記検査対象物の前記正面及び前記背面と、前記カメラの視野に正面が配置される他の検査対象物の前記正面及び背面とを前記カメラが同時に撮影することができるように、前記他の検査対象物の前記背面からの第3光線の向きを変更するように構成され、
前記第1ミラーは前記他の検査対象物の前記背面からの前記第3光線を前記第2ミラーへ反射し、
前記第2ミラーは前記第1ミラーからの前記第3光線を前記カメラへ反射する
請求項2乃至9のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項11】
前記検査対象物を前記第1方向に平行な第1回転軸まわりに回転させ、前記他の検査対象物を前記第1方向に平行な第2回転軸まわりに回転させる第4駆動部を更に備える
請求項10の外観検査装置。
【請求項12】
前記検査対象物を照らす光の波長を切り替えるように構成された照明装置を更に具備する
請求項1乃至11のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項13】
カメラの視野に検査対象物の正面を配置するステップと、
前記検査対象物の背面からの第1光線の向きを変更するステップと、
前記第1光線及び前記正面からの光線に基づいて、前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップと
を具備する
外観検査方法。
【請求項14】
前記カメラの向きは第1方向に平行であり、
前記検査対象物の前記背面の側に第1ミラーが配置され、
前記検査対象物から前記第1方向に垂直な第2方向に離れて第2ミラーが配置され、
前記第1光線の向きを変更する前記ステップは、
前記第1ミラーが前記背面からの前記第1光線を前記第2ミラーへ反射するステップと、
前記第2ミラーが前記第1ミラーからの前記第1光線を前記カメラへ反射するステップと
を含む
請求項13の外観検査方法。
【請求項15】
前記検査対象物は半導体パッケージであり、
前記半導体パッケージは、
矩形平板形状のパッケージ本体と、
前記パッケージ本体の辺に沿って配列された外部端子と
を備え、
前記第1光線は、前記辺が前記第1方向及び前記第2方向に垂直になるように前記半導体パッケージが配置された状態で、前記外部端子によって反射された光線であり、
前記第1ミラーが前記背面からの前記第1光線を前記第2ミラーへ反射する前記ステップにおいて、前記第1光線の方向ベクトルの前記第2方向の成分の符号が逆になる
請求項14の外観検査方法。
【請求項16】
前記第2ミラーが前記検査対象物の側面からの第2光線を前記カメラへ反射するステップを更に具備し、
前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影する前記ステップにおいて、前記カメラは、前記第1光線、前記正面からの前記光線、及び前記第2光線に基づいて、前記検査対象物の前記正面、前記背面、及び前記側面を同時に撮影する
請求項14又は15の外観検査方法。
【請求項17】
前記カメラの前記視野に他の検査対象物の正面を配置するステップと、
前記第1ミラーが前記他の検査対象物の背面からの第3光線を前記第2ミラーへ反射するステップと、
前記第2ミラーが前記第1ミラーからの前記第3光線を前記カメラへ反射するステップと
を更に具備し、
前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影する前記ステップにおいて、前記カメラは、前記第1光線、前記検査対象物の前記正面からの前記光線、前記第3光線、及び前記他の検査対象物の前記正面からの光線に基づいて、前記検査対象物の前記正面及び前記背面と前記他の検査対象物の前記正面及び前記背面とを同時に撮影する
請求項14乃至16のいずれかに記載の外観検査方法。
【請求項18】
前記検査対象物を前記第1方向に平行な第1回転軸まわりに回転させるステップと、
前記他の検査対象物を前記第1方向に平行な第2回転軸まわりに回転させるステップと
を更に具備する
請求項17の外観検査方法。
【請求項19】
前記カメラが前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップは、
前記検査対象物を第1の色の光で照らしながら前記検査対象物の前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップと、
前記検査対象物を前記第1の色と異なる第2の色の光で照らしながら前記検査対象物の前記正面及び前記背面を同時に撮影するステップと
を含む
請求項13乃至18のいずれかに記載の外観検査方法。
【請求項20】
半導体チップをパッケージして半導体パッケージを形成するステップと、
請求項13乃至19のいずれかに記載の外観検査方法を実行して前記半導体パッケージの外観を検査するステップと
を具備する
半導体パッケージの製造方法。
【請求項21】
前記半導体パッケージの外観を検査する前記ステップで発見された異物を前記半導体パッケージから除去するステップを更に具備する
請求項20の半導体パッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−181114(P2012−181114A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44442(P2011−44442)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】