説明

外観検査装置

【課題】第1回転ディスクから第2回転ディスクへのワークの移し替えを良好に行える外観検査装置を提供する。
【解決手段】第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12の下面外周部分に、各エア吸引穴11b及び12bと外気とを連通する圧力調整穴11d及び12dが個別に設けられているため、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴11b及び12bがワークWによって塞がれても、各エア吸引穴11b及び12bの内圧が減少し引き込み力が増加することを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの外観を画像処理により検査する外観検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、直方体形状のワークを検査対象とする外観検査装置を示す。この外観検査装置は、第1回転ディスク101と、第2回転ディスク102と、第1カメラ103と、第2カメラ104と、ワークフィーダ105とを備えている(特許文献1〜3を参照)。
【0003】
第1回転ディスク101は所定半径を有する円盤から成り、その外周面にはワーク取り込み位置P1とワーク受け渡し前位置P2とワーク受け渡し位置P3が設定されている。この第1回転ディスク101は、モータ等の回転動力源(図示省略)によって図中の+印を中心とした反時計回り方向の回転を可能としている。
【0004】
また、第1回転ディスク101の外周面には、複数個(図中は24個)のワーク保持溝101aが等角度間隔(図中は15度間隔)で形成されている。各ワーク保持溝101aは直交する2平面を有する断面V字形を成していて、直方体形状のワークWをその側面角部分を収容した状態で保持できるようになっている。加えて、各ワーク保持溝101aの内面には、エア吸引穴(図示省略)がそれぞれ形成され、第1回転ディスク101の内部には、各エア吸引穴に通じるエア吸引路(図示省略)が放射状に、且つ、個別に形成されている。
【0005】
さらに、第1回転ディスク101の内部には、ワーク取り込み位置P1とワーク受け渡し位置P3のそれぞれにワーク保持溝101aが存する状態で、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝101aのエア吸引穴に対応したエア吸引路のみに、真空ポンプ等の負圧発生源(図示省略)からのエア吸引力を作用させるためのエア吸引路選択機構(図示省略)が設けられている。
【0006】
第2回転ディスク102は第1回転ディスク101と同じサイズの円盤から成り、その外周面にはワーク受け取り位置P4と不良品排出位置P5と良品排出位置P6がそれぞれ設定されている。この第2回転ディスク102は、モータ等の回転動力源(図示省略)によって図中の+印を中心とした時計回り方向の回転(第1回転ディスク101とは逆方向の回転)を可能としており、その外周面が第1回転ディスク101の外周面と隙間を介して向き合うように、且つ、その回転軸が第1回転ディスク101の回転軸と平行となるように設置されている。
【0007】
また、第2回転ディスク102の外周面には、第1回転ディスク101のワーク保持溝101aと同じ形状のワーク保持溝102aが同じ数、且つ、同じ角度間隔で形成されている。加えて、各ワーク保持溝102aの内面には、エア吸引穴(図示省略)がそれぞれ形成され、第2回転ディスク102の内部には、各エア吸引穴に通じるエア吸引路(図示省略)が放射状に、且つ、個別に形成されている。
【0008】
さらに、第2回転ディスク102の内部には、ワーク受け取り位置P4と不良品排出位置P5と良品排出位置P6のそれぞれにワーク保持溝102aが存する状態で、ワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝102aのエア吸引穴に対応したエア吸引路のみに、真空ポンプ等の負圧発生源(図示省略)からのエア吸引力を作用させるためのエア吸引路選択機構(図示省略)が設けられている。
【0009】
ワークフィーダ105は、ワークWを所定向きで一列に並んだ状態で搬送すると共に、第1回転ディスク101のワーク取り込み位置P1に存するワーク保持溝101aにその先端の供給口105aからワークWを所定向きで供給する役割を担っている。
【0010】
図1に示した外観検査装置によってワークWの外観検査を行うときには、第1回転ディスク101及び第2回転ディスク102を、互いの回転方向が逆になるように、同期して15度間隔で間欠回転させるか(図中の矢印(A)を参照)、または、同期して連続回転させる(図中の矢印(B)を参照)。尚、間欠回転タイプについては特許文献1に開示され、連続回転タイプに関しては特許文献2及び3に開示されているため、必要に応じて参照されたい。
【0011】
第1回転ディスク101は、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝101aのエア吸引穴にエア吸引力が生じるようになっている。
【0012】
そのため、第1回転ディスク101の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝101aがワーク取り込み位置P1に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークフィーダ105の供給口105aからワーク保持溝101aに向かってワークWが引き込まれ、該ワークWは側面角部分が収容された状態でワーク保持溝101aに保持される。
【0013】
ワーク取り込み位置P1でワーク保持溝101aに保持されたワークWは、第1回転ディスク101の間欠回転または連続回転に伴って反時計回り方向に移動し、該ワークWが撮像位置に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークWの2側面を含む露出部分が第1カメラ103によって撮像される。
【0014】
第1回転ディスク101は、ワーク受け渡し位置P3に存在するワーク保持溝101aのエア吸引穴にエア吸引力が生じるようにはなっておらず、一方、第2回転ディスク102は、ワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝102aのエア吸引穴にエア吸引力が生じるようになっている。
【0015】
そのため、第1回転ディスク101の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝101aがワーク受け渡し位置P3に到達して、且つ、第2回転ディスク102の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝102aがワーク受け取り位置P4に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、第1回転ディスク101のワーク保持溝101aから第2回転ディスク102のワーク保持溝102aに向かってワークWが引き込まれて所期の移し替えが行われ、該ワークWは180度対向する側面角部分が収容された状態(180度向きが変わった状態)でワーク保持溝102aに保持される。
【0016】
ワーク受け取り位置P4でワーク保持溝102aに保持されたワークWは、第2回転ディスク102の間欠回転または連続回転に伴って時計回り方向に移動し、該ワークWが撮像位置に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークWの他の2側面を含む露出部分が第2カメラ104によって撮像される。
【0017】
ワークWの外観検査、例えば、汚れや傷や寸法等の検査は、第1カメラ103及び第2カメラ104によって得た画像を解析することにより行われ、解析の結果、外観不良と外観良の判定が下される。外観不良の判定が下されたワークWが不良品排出位置P5に到達すると、ワーク保持溝102aに保持されていたワークWがエア吹き付けやロッド押し付け等の手法によって該ワーク保持溝102aから強制排出され、不良品ケース(図示省略)等に回収される。また、外観良の判定が下されたワークWが良品排出位置P6に到達すると、ワーク保持溝102aに保持されていたワークWがエア吹き付けやロッド押し付け等の手法によって該ワーク保持溝102aから強制排出され、良品ケース(図示省略)等に回収される。
【0018】
ところで、前記第1回転ディスク101は、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝101aのエア吸引穴101bにエア吸引力が生じるようになっている。
【0019】
そのため、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝101aの全てにワークWが保持されると、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴101bがワークWによって塞がれてしまうため、各エア吸引穴101bの内圧が徐々に減少して引き込み力が増加する。つまり、引き込み力の増加によってワークWがワーク保持溝101aに密着し易くなるため、エア吸引力を解除しても密着が解除されず、結果として、第1回転ディスク101から第2回転ディスク102へのワークWの移し替えに支障を生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平08−136463号公報
【特許文献2】特開2003−341832号公報
【特許文献3】特開2004−075248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、第1回転ディスクから第2回転ディスクへのワークの移し替えを良好に行える外観検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するため、本発明は、エア吸引穴を内面に有する複数のワーク保持溝が外周面に等角度間隔で形成された第1回転ディスク及び第2回転ディスクを各々の外周面が隙間を介して向き合った状態で互いに逆方向に同期して間欠回転または連続回転させ、第1回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークの露出部分を該第1回転ディスクの回転停止時または回転時に第1カメラで撮像し、第1回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークを第2回転ディスクのワーク保持溝に移し替えて保持させ、第2回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークの露出部分を該第2回転ディスクの回転停止時または回転時に第2カメラで撮像することよって、ワークの外観を画像処理により検査する外観検査装置において、第1回転ディスク及び第2回転ディスクのうちの少なくとも第1回転ディスクの一の面に、各エア吸引穴と外気とを連通する圧力調整穴を個別に設けた、ことをその特徴とする。
【0023】
この外観検査装置によれば、第1回転ディスクの各エア吸引穴と外気とは圧力調整穴を通じて連通しているため、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴がワークによって塞がれても、各エア吸引穴の内圧が減少し引き込み力が増加することを抑制できる。つまり、引き込み力の増加によってワークがワーク保持溝に密着することを抑制できるため、該密着を原因として第1回転ディスクから第2回転ディスクへのワークの移し替えに支障を生じる恐れを解消することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1回転ディスクから第2回転ディスクへのワークの移し替えを良好に行える外観検査装置を提供することができる。
【0025】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は直方体形状のワークを検査対象とする外観検査装置の上面図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態に係る第1回転ディスクの上面図である。
【図3】図3は図2のS1−S1線に沿う断面図である。
【図4】図4は本発明の第1実施形態に係る第2回転ディスクの上面図である。
【図5】図5は図2のS2−S2線に沿う断面図である。
【図6】図6は本発明の第1実施形態の動作を説明するための図である。
【図7】図7は図2に示した第1回転ディスクの部分変形例を示す要部下面図である。
【図8】図8は本発明の第2実施形態に係る第1回転ディスクの下面図である。
【図9】図9は図8のS3−S3線に沿う断面図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は本発明の第2実施形態の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を説明する。ここでは、図2及び図3を引用して図1に示した第1回転ディスク101と置換可能な第1回転ディスク11の構造を説明し、次に、図4及び図5を引用して図1に示した第2回転ディスク102と置換可能な第2回転ディスク12の構造を説明し、次に、図2、図4、図6及び図7を引用して第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12を用いた外観検査装置の構成及び動作について説明する。
【0028】
<第1回転ディスク11の構造>
図2及び図3に示したように、第1回転ディスク11は所定半径を有する円盤から成り、その外周面にはワーク取り込み位置P1とワーク受け渡し前位置P2とワーク受け渡し位置P3が設定されている。
【0029】
また、第1回転ディスク11の外周面には、複数個(図中は24個)のワーク保持溝11aが等角度間隔(図中は15度間隔)で形成されている。各ワーク保持溝11aは直交する2平面を有する断面V字形を成していて、直方体形状のワークWをその側面角部分を収容した状態で保持できるようになっている。加えて、各ワーク保持溝11aの内面には、エア吸引穴11bがそれぞれ形成され、第1回転ディスク11の内部には、各エア吸引穴11bに通じるエア吸引路11cが放射状に、且つ、個別に形成されている。
【0030】
さらに、第1回転ディスク11の下面外周部分には、各エア吸引穴11bと外気とを連通するための圧力調整穴11dが個別に形成されている。各圧力調整穴11dは、各エア吸引穴11bに生じるエア吸引力が所定値を越えないように調整するものであって、その断面形は各エア吸引穴11bの断面形よりも小さい。加えて、第1回転ディスク11の下面には、各エア吸引路11cをその略中央で分断するような環状凹部11eが形成されている。この環状凹部11eは、後記環状凸部21aとの協働によってエア吸引路選択機構(符号無し)を構成している。
【0031】
さらに、第1回転ディスク11の下面中央部分には、シャフト部11fが一体或いは別体で形成され、該シャフト部11fの中心には、各エア吸引路11cに達する深さの共通エア吸引路11gが形成されている。各エア吸引路11cは環状凹部11eによって分断されているものの、該各エア吸引路11cの内側端は共通エア吸引路11gに連通している。因みに、シャフト部11fはモータ等の回転動力源(図示省略)に接続されており、共通エア吸引路11gは真空ポンプ等の負圧発生源(図示省略)に吸い込み制御バルブ(図示省略)を介して接続されている。
【0032】
第1回転ディスク11のシャフト部11fの周囲には、該シャフト部11fを回転自在に支持する固定ボス21がブッシュ(図示省略)を介して配置されている。この固定ボス21の上面には、第1回転ディスク11の環状凹部11eにシール(図示省略)を介して嵌り込む環状凸部21aが形成されており、該環状凸部21aは、各エア吸引路11cに達しない高さの第1円弧部分21a1と、環状凹部11eの上面に達する高さの第2円弧部分21a2とを有している。
【0033】
つまり、計24本のエア吸引路11cのうち、環状凸部21aの第2円弧部分21a2が嵌り込む角度領域に存するエア吸引路11cは、該第2円弧部分21a2によって気密に遮断されている。また、環状凸部21aの第1円弧部分21a1が嵌り込む角度領域に存するエア吸引路11cは、該第1円弧部分21a1と環状凹部11eとの間に画成される円弧状空間(符号無し)を介して共通エア吸引路11gと連通している。この円弧状空間(符号無し)はワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に対応しているため、ワーク取り込み位置P1とワーク受け渡し位置P3のそれぞれにワーク保持溝11aが存する状態では、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝11aのエア吸引穴11bに対応したエア吸引路11cのみが、共通エア吸引路11gと連通している。
【0034】
第1回転ディスク11の下側には、ワーク受け渡し位置P3に到達した圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込んで内圧増加を図るためのエア吐出ノズル31が、固定ボス21との間に設けた固定ブラケット32を介して配置されている。このエア吐出ノズル31は圧力調整穴11dに向き合うエア吐出穴31aを有しており、その上面を第1回転ディスク11の下面にシール(図示省略)を介して接している。つまり、エア吐出ノズル31は、そのエア吐出穴31aが第1回転ディスク11の圧力調整穴11dに向き合うように固定配置されている。因みに、エア吐出穴31aはエアコンプレッサ等の正圧発生源(図示省略)に吹き込み制御バルブ(図示省略)を介して接続されている。
【0035】
<第2回転ディスク12の構造>
図4及び図5に示したように、第2回転ディスク12は第1回転ディスク11と同じサイズの円盤から成り、その外周面にはワーク受け取り位置P4と不良品排出位置P5と良品排出位置P6がそれぞれ設定されている。
【0036】
また、第2回転ディスク12の外周面には、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aと同じ形状のワーク保持溝12aが同じ数、且つ、同じ角度間隔で形成されている。加えて、各ワーク保持溝12aの内面には、エア吸引穴12bがそれぞれ形成され、第2回転ディスク12の内部には、各エア吸引穴12bに通じるエア吸引路12cが放射状に、且つ、個別に形成されている。
【0037】
さらに、第2回転ディスク12の下面外周部分には、各エア吸引穴12bと外気とを連通するための圧力調整穴12dが個別に形成されている。各圧力調整穴12dは、各エア吸引穴12bに生じるエア吸引力が所定値を越えないように調整するものであって、その断面形は各エア吸引穴12bの断面形よりも小さい。加えて、第2回転ディスク12の下面には、各エア吸引路12cをその略中央で分断するような環状凹部12eが形成されている。この環状凹部12eは、後記環状凸部22aとの協働によってエア吸引路選択機構(符号無し)を構成している。
【0038】
さらに、第2回転ディスク12の下面中央部分には、シャフト部12fが一体或いは別体で形成され、該シャフト部12fの中心には、各エア吸引路12cに達する深さの共通エア吸引路12gが形成されている。各エア吸引路12cは環状凹部12eによって分断されているものの、該各エア吸引路12cの内側端は共通エア吸引路12gに連通している。因みに、シャフト部12fはモータ等の回転動力源(図示省略)に接続されており、共通エア吸引路12gは真空ポンプ等の負圧発生源(図示省略)に接続されている。
【0039】
第2回転ディスク12のシャフト部12fの周囲には、該シャフト部12fを回転自在に支持する固定ボス22がブッシュ(図示省略)を介して配置されている。この固定ボス22の上面には、第2回転ディスク12の環状凹部12eにシール(図示省略)を介して嵌り込む環状凸部22aが形成されており、該環状凸部22aは、各エア吸引路12cに達しない高さの第1円弧部分22a1と、環状凹部12eの上面に達する高さの第2円弧部分22a2とを有している。
【0040】
つまり、計24本のエア吸引路12cのうち、環状凸部22aの第2円弧部分22a2が嵌り込む角度領域に存するエア吸引路12cは、該第2円弧部分22a2によって気密に遮断されている。また、環状凸部22aの第1円弧部分22a1が嵌り込む角度領域に存するエア吸引路12cは、該第1円弧部分22a1と環状凹部11eとの間に画成される円弧状空間(符号無し)を介して共通エア吸引路12gと連通している。この円弧状空間(符号無し)はワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に対応しているため、ワーク受け取り位置P4と不良品排出位置P5と良品排出位置P6のそれぞれにワーク保持溝12aが存する状態では、ワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝12aのエア吸引穴12bに対応したエア吸引路12cのみが、共通エア吸引路12gと連通している。
【0041】
<外観検査装置の構成及び動作>
前記第1回転ディスク11及び前記第2回転ディスク12は、図1に示した第1回転ディスク101及び第2回転ディスク102と置換することによって同様の外観検査装置を構成する。
【0042】
即ち、第1回転ディスク11と第2回転ディスク12は、各々の外周面が隙間を介して向き合うように、且つ、各々の回転軸が平行になるように設置される(図6を参照)。また、第1回転ディスク11の外周面外側には該第1回転ディスク11のワーク保持溝11aに保持されたワークWの露出部分を撮像する第1カメラ(図示省略)が図1に示した外観検査装置と同様に配置され、第2回転ディスク12の外周面外側には該第2回転ディスク12のワーク保持溝12aに保持されたワークWの露出部分を撮像する第2カメラ(図示省略)が図1に示した外観検査装置と同様に配置される。また、第1回転ディスク11の外周面外側には、ワーク取り込み位置P1に存するワーク保持溝11aにワークWを所定向きで供給するワークフィーダ(図示省略)が図1に示した外観検査装置と同様に配置される。
【0043】
ワークWの外観検査を行うときには、第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12を、互いの回転方向が逆になるように、同期して15度間隔で間欠回転させるか(図2及び図4の矢印(A)を参照)、または、同期して連続回転させる(図2及び図4の矢印(B)を参照)。
【0044】
第1回転ディスク11は、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝11aのエア吸引穴11bにエア吸引力が生じるようになっている。
【0045】
そのため、第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝11aがワーク取り込み位置P1に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークフィーダの供給口からワーク保持溝11aに向かってワークWが引き込まれ、該ワークWは側面角部分が収容された状態でワーク保持溝11aに保持される(図2を参照)。
【0046】
ワーク取り込み位置P1でワーク保持溝11aに保持されたワークWは、第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴って図2中で反時計回り方向に移動し、該ワークWが撮像位置に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークWの2側面を含む露出部分が第1カメラによって撮像される。
【0047】
第1回転ディスク11の下面外周部分には、各エア吸引穴11bと外気とを連通するための圧力調整穴11dが個別に形成されているため、ワーク取り込み位置P1からワーク受け渡し前位置P2に至る角度領域に存在する各ワーク保持溝11aのエア吸引穴11bにエア吸引力が生じるようになっているものの、各エア吸引穴11bに生じるエア吸引力は所定値を越えないように調整される。
【0048】
つまり、第1回転ディスク11の各エア吸引穴11bと外気とは圧力調整穴11dを通じて連通しているため、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴11bがワークWによって塞がれても、各エア吸引穴11bの内圧が減少し引き込み力が増加することを抑制できる。要するに、引き込み力の増加によってワークWがワーク保持溝11aに密着することを抑制できるため、該密着を原因として第1回転ディスク11から第2回転ディスク12へのワークWの移し替えに支障を生じる恐れを解消することができる。また、引き込み力の増加によってワークWに付加される応力が増すことを抑制できるため、該付加応力を原因としてワークWに亀裂や欠け等のダメージを生じる恐れを解消することができる。
【0049】
第1回転ディスク11は、ワーク受け渡し位置P3に存在するワーク保持溝11aのエア吸引穴11bにエア吸引力が生じるようにはなっておらず、一方、第2回転ディスク12は、ワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に存在する複数(図中は12個)のワーク保持溝12aのエア吸引穴12bにエア吸引力が生じるようになっている。
【0050】
そのため、第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3に到達して、且つ、第2回転ディスク12の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝12aがワーク受け取り位置P4に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aから第2回転ディスク12のワーク保持溝12aに向かってワークWが引き込まれて所期の移し替えが行われ、該ワークWは180度対向する側面角部分が収容された状態(180度向きが変わった状態)でワーク保持溝12aに保持される(図4と図6を参照)。
【0051】
また、第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴ってワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3に向かって移動し、該ワーク保持溝11aに対応する圧力調整穴11dがエア吐出ノズル31のエア吐出穴31aに重なり始めると、該エア吐出穴31aから圧力調整穴11dにエアが吹き込まれ、該エア吹き込みによってエア吸引穴11bの内圧増加が図られる(図6を参照)。因みに、このエア吐出穴31aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みは、第1回転ディスク11の回転位置を適当なセンサで検出して、該検出信号に基づいてエア吐出穴31aと正圧発生源との間に介在された吹き込み制御バルブを開閉することによって制御される。
【0052】
つまり、ワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3に到達したときに、エア吐出ノズル31のエア吐出穴31aから圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込んでエア吸引穴11bの内圧増加を図ることができるため、ワーク保持溝11aにワークWが密着している場合でもこの内圧増加によって密着を確実に解除して、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aから第2回転ディスク12のワーク保持溝12aへのワークWの移し替えをより良好に行うことができる。
【0053】
しかも、圧力調整穴11dがエア吐出穴31aに重なり初めてから重なりが完全に無くなる迄の間、該圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続できるので、間欠回転の場合には、ワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3で停止する前の時点から停止後に移動を再開した後の時点迄、エア吐出穴31aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続させて、前記の密着解除及び移し替えを効果的に行うことができる。一方、連続回転の場合には、ワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3を通り過ぎる前の時点から通り過ぎた後の時点迄、エア吐出穴31aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続させて、前記の密着解除及び移し替えを効果的に行うことができる。
【0054】
図7はエア吹き込みの継続時間を増加する場合に有効な構造を示すもので、同図に示したエア吐出ノズル31’は、第1回転ディスク11の下面に接する面側に円弧状溝31a1を連続して有するエア吐出穴31a’を備えている。この円弧状溝31a1の中心曲率は圧力調整穴11dの中心曲率と一致しているため、該円弧状溝31a1の角度範囲を調整することによって、第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴って圧力調整穴11dがエア吐出穴31a’と連通する時間を変えることができる。前記エア吐出穴31aの口径を圧力調整穴11dの口径よりも大きくすることでもエア吹き込みの継続時間を増加することは可能ではあるが、図7に示したエア吐出ノズル31’を用いれば円弧状溝31a1の角度範囲によって該継続時間の調整を容易に行うことができる。
【0055】
ワーク受け取り位置P4でワーク保持溝12aに保持されたワークWは、第2回転ディスク12の間欠回転または連続回転に伴って時計回り方向に移動し、該ワークWが撮像位置に到達する度に、間欠回転の場合には回転停止時に、一方、連続回転の場合には回転時に、ワークWの他の2側面を含む露出部分が第2カメラによって撮像される。
【0056】
第2回転ディスク12の下面外周部分には、第1回転ディスク11と同様に、各エア吸引穴12bと外気とを連通するための圧力調整穴12dが個別に形成されているため、ワーク受け取り位置P4から良品排出位置P6に至る角度領域に存在する各ワーク保持溝12aのエア吸引穴12bにエア吸引力が生じるようになっているものの、各エア吸引穴12bに生じるエア吸引力は所定値を越えないように調整される。
【0057】
つまり、第2回転ディスク12の各エア吸引穴12bと外気とは圧力調整穴12dを通じて連通しているため、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴12bがワークWによって塞がれても、各エア吸引穴12bの内圧が減少し引き込み力が増加することを抑制できる。要するに、引き込み力の増加によってワークWがワーク保持溝12aに密着することを抑制できるため、該密着を原因として不良品排出位置P5及び良品排出位置P6におけるワークWの強制排出をスムースに行うことができる。また、引き込み力の増加によってワークWに付加される応力が増すことを抑制できるため、該付加応力を原因としてワークWに亀裂や欠け等のダメージを生じる恐れを解消することができる。
【0058】
ワークWの外観検査、例えば、汚れや傷や寸法等の検査は、第1カメラ及び第2カメラによって得た画像を解析することにより行われ、解析の結果、外観不良と外観良の判定が下される。外観不良の判定が下されたワークWが不良品排出位置P5に到達すると、ワーク保持溝12aに保持されていたワークWがエア吹き付けやロッド押し付け等の手法によって該ワーク保持溝12aから強制排出され、不良品ケース(図示省略)等に回収される。また、外観良の判定が下されたワークWが良品排出位置P6に到達すると、ワーク保持溝12aに保持されていたワークWがエア吹き付けやロッド押し付け等の手法によって該ワーク保持溝12aから強制排出され、良品ケース(図示省略)等に回収される。
【0059】
<第1実施形態に係る外観検査装置によって得られる効果>
第1実施形態に係る外観検査装置によれば、下記効果(E1)〜(E3)を得ることができる。
【0060】
(E1)第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12の下面外周部分に、各エア吸引穴11b及び12bと外気とを連通する圧力調整穴11d及び12dが個別に設けられている。そのため、エア吸引力が生じている全てのエア吸引穴11b及び12bがワークWによって塞がれても、各エア吸引穴11b及び12bの内圧が減少し引き込み力が増加することを抑制できる。つまり、第1回転ディスク11にあっては、引き込み力の増加によってワークWがワーク保持溝11aに密着することを抑制できるため、該密着を原因として第1回転ディスク11から第2回転ディスク12へのワークWの移し替えに支障を生じる恐れを解消することができる。また、引き込み力の増加によってワークWに付加される応力が増すことを抑制できるため、該付加応力を原因としてワークWに亀裂や欠け等のダメージを生じる恐れを解消することができる。一方、第2回転ディスク12にあっては、引き込み力の増加によってワークWがワーク保持溝12aに密着することを抑制できるため、該密着を原因として不良品排出位置P5及び良品排出位置P6におけるワークWの強制排出をスムースに行うことができる。また、引き込み力の増加によってワークWに付加される応力が増すことを抑制できるため、該付加応力を原因としてワークWに亀裂や欠け等のダメージを生じる恐れを解消することができる。
【0061】
(E2)第1回転ディスク11のワーク保持溝11aに保持されたワークWを第2回転ディスク12のワーク保持溝12aに移し替えて保持させるときに、エア吐出ノズル31のエア吐出穴31aから圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込んでエア吸引穴11bの内圧増加を図ることができる、そのため、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aにワークWが密着している場合でもこの内圧増加によって密着を確実に解除して、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aから第2回転ディスク12のワーク保持溝12aへのワークWの移し替えをより良好に行うことができる。しかも、圧力調整穴11dがエア吐出穴31aに重なり初めてから重なりが完全に無くなる迄の間、該圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続できるので、間欠回転の場合には、ワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3で停止する前の時点から停止後に移動を再開した後の時点迄、エア吐出穴31aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続させて、前記の密着解除及び移し替えを効果的に行うことができる。一方、連続回転の場合には、ワーク保持溝11aがワーク受け渡し位置P3を通り過ぎる前の時点から通り過ぎた後の時点迄、エア吐出穴31aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みを継続させて、前記の密着解除及び移し替えを効果的に行うことができる。
【0062】
(E3)第1回転ディスク11の下側に配置されたエア吐出ノズル31を用いて、該第1回転ディスク11の所定の圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込むことができるため、エア吸引穴11bに生じていたエア吸引を停止してから該エア吸引をエア吐出に切り替える場合(内部的にエア吸引とエア吐出を切り替える場合)に比べて、エア吸引穴11bの内圧増加を瞬時に、且つ、タイムリーに行うことができる。即ち、内部的にエア吸引とエア吐出を切り替える場合には、エア自体の圧縮及び膨張が支障となってエア吸引穴11bの内圧増加を瞬時に、且つ、タイムリーに行うことが難しいが、圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込む方式を採用することによってエア吸引穴11bの内圧を素速く増加させることができるし、内圧増加のタイミングも時間的なズレを生じること無く行うことができる。
【0063】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を説明する。ここでは、図8〜図10を引用して前記第1実施形態に係る外観検査装置との構成上及び動作上の相違点を説明する。
【0064】
<第1実施形態に係る外観検査装置との構成上及び動作上の相違点>
図8及び図9に示したように、第1回転ディスク11の下側には、ワーク受け渡し位置P3に近づいた圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込んで内圧増加を図るためのエア吐出ノズル41が、固定ボス21との間に設けた可動ブラケット42を介して配置されている。このエア吐出ノズル41は圧力調整穴に向き合うエア吐出穴41aを有しており、その上面を第1回転ディスク11の下面にシール(図示省略)を介して接している。可動ブラケット42は、固定ボス21の外周面に回転自在に設けられた環状部42aを有しており、エア吐出ノズル41は、該可動ブラケット42の端部に固定されている。つまり、可動ブラケット42は、第1回転ディスク11の回転軸と一致した軸を中心として回転できるように配置され、エア吐出ノズル41は、そのエア吐出穴41aが第1回転ディスク11の圧力調整穴11dに向き合った状態で該第1回転ディスク1と同期して動けるように配置されている。因みに、エア吐出穴41aはエアコンプレッサ等の正圧発生源(図示省略)に吹き込み制御バルブ(図示省略)を介して接続されている。
【0065】
また、固定ボス21には、可動ブラケット42を所定角度範囲で回転駆動するための可動ブラケット駆動機構43が配置されている。この可動ブラケット駆動機構43のメカニズムには特段の制限は無いが、(1)モータ駆動のカム盤によって往復移動可能なレバーの端部を可動ブラケット42に軸支した機構、(2)エアシリンダのロッドの端部を可動ブラケット42に軸支した機構、(3)ソレノイドのロッドの端部を可動ブラケット42に軸支した機構、等が適宜採用できる。
【0066】
図10(A)に示したように、エア吐出ノズル41はワーク受け渡し位置P3よりもワーク受け渡し前位置P2に寄った位置を待機位置としている。第1回転ディスク11の間欠回転または連続回転に伴ってワークWを保持したワーク保持溝11aに対応する圧力調整穴11dが待機位置に存するエア吐出ノズル41のエア吐出穴41aと重なると、図10(B)に実線矢印で示したように、該エア吐出穴41aが圧力調整穴11dに重なった状態を所定角度範囲で維持するように、エア吐出ノズル41が第1回転ディスク11と同期して図中の時計回り方向に回転する。
【0067】
圧力調整穴11dが待機位置に存するエア吐出ノズル41のエア吐出穴41aに重なってから該エア吐出ノズル41が所定角度回転する迄は、該エア吐出穴41aから圧力調整穴11dにエアが吹き込まれ、該エア吹き込みによってエア吸引穴11bの内圧増加が図られる。因みに、このエア吐出穴41aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みは、第1回転ディスク11の回転位置を適当なセンサで検出して、該検出信号に基づいてエア吐出穴41aと正圧発生源との間に介在された吹き込み制御バルブを開閉することによって制御される。
【0068】
エア吐出ノズル41が所定角度回転した後は、エア吐出穴41aから圧力調整穴11dへのエア吹き込みが停止されると共に、図10(B)に破線矢印で示したように、エア吐出ノズル41が図中の反時計回り方向に回転して待機位置に復帰する。第1回転ディスク11から第2回転ディスク12へのワークWの移し替えは、エア吐出ノズル41が所定角度回転する過程においてワーク受け渡し位置P3及びその近傍で行われる。
【0069】
<第2実施形態に係る外観検査装置によって得られる効果>
第2実施形態に係る外観検査装置によれば、前記効果(E1)〜(E3)に加えて、下記効果(E4)を得ることができる。
(E4)エア吐出ノズル41を第1回転ディスク11と同期して動けるようにすることで、該エア吐出ノズル41がそのエア吐出穴41aが第1回転ディスク11側の圧力調整穴11dに重なった状態を所定角度範囲で維持できるように変位しつつ該圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込むことができる。つまり、エア吐出ノズル41の変位角度を調整することによって、圧力調整穴11dに外部からエアを吹き込む継続時間を任意に設定することができるため、内圧増加区間をより適切に設定して、前記の密着解除及び移し替えをより効果的に行うことができる。
【0070】
[他の実施形態]
(1)第1実施形態及び第2実施形態では、第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12として計24個のワーク保持溝11a及び12aを15度間隔で形成したものを示したが、該ワーク保持溝11a及び12aの数及び角度間隔は、第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12の半径や検査対象となるワークWのサイズに応じて適宜増減して良い。
【0071】
(2)第1実施形態及び第2実施形態では、ワーク保持溝11a及び12aとして断面V字形を成すものを示したが、該ワーク保持溝11a及び12aの断面形状は検査対象となるワークWの形状に応じて適宜変更して良い。例えば、円柱形状のワークWを検査対象とする場合には、ワーク保持溝11a及び12aの断面形状を断面半円形とすれば良い。
【0072】
(3)第1実施形態及び第2実施形態では、第1カメラ及び第2カメラを図1に示した外観検査装置と同様に配置したものを示したが、第1回転ディスク11のワーク保持溝11aに保持されたワークWの露出部分を2台以上の第1カメラで撮像しても良いし、第2回転ディスク12のワーク保持溝12aに保持されたワークWの露出部分を2台以上の第2カメラで撮像しても良い。
【0073】
(4)第1実施形態及び第2実施形態では、第1回転ディスク11及び第2回転ディスク12の下面外周部分に、各エア吸引穴11b及び12bと外気とを連通する圧力調整穴11d及び12dが個別に設けたものを示したが、第2回転ディスク12のワーク保持溝12aに保持されたワークWは不良品排出位置P5と良品排出位置P6で強制排出されるものであるため、第2回転ディスク12には圧力調整穴12dを必ずしも設ける必要は無い。
【符号の説明】
【0074】
11…第1回転ディスク、11a…ワーク保持溝、11b…エア吸引穴、11d…圧力調整穴、12…第2回転ディスク、12a…ワーク保持溝、12b…エア吸引穴、12d…圧力調整穴、21,22…固定ボス、31,31’…エア吐出ノズル、31a,31a’…エア吐出穴、32…固定ブラケット、41…エア吐出ノズル、41a…エア吐出穴、42…可動ブラケット、43…可動ブラケット駆動機構、W…ワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エア吸引穴を内面に有する複数のワーク保持溝が外周面に等角度間隔で形成された第1回転ディスク及び第2回転ディスクを各々の外周面が隙間を介して向き合った状態で互いに逆方向に同期して間欠回転または連続回転させ、第1回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークの露出部分を該第1回転ディスクの回転停止時または回転時に第1カメラで撮像し、第1回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークを第2回転ディスクのワーク保持溝に移し替えて保持させ、第2回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークの露出部分を該第2回転ディスクの回転停止時または回転時に第2カメラで撮像することよって、ワークの外観を画像処理により検査する外観検査装置において、
第1回転ディスク及び第2回転ディスクのうちの少なくとも第1回転ディスクの一の面に、各エア吸引穴と外気とを連通する圧力調整穴を個別に設けた、
ことを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
第1回転ディスクのワーク保持溝に保持されたワークを第2回転ディスクのワーク保持溝に移し替えて保持させるときに、該第1回転ディスクのワーク保持溝のエア吸引穴に対応した圧力調整穴に外部からエアを吹き込んでエア吸引穴の内圧増加を図るためのエア吐出ノズルを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
エア吐出ノズルはそのエア吐出穴が第1回転ディスクの圧力調整穴に向き合うように固定配置されていて、該エア吐出ノズルのエア吐出穴に第1回転ディスク側の圧力調整穴が重なっているとき該圧力調整穴に外部からエアを吹き込めるように構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
エア吐出ノズルはそのエア吐出穴が第1回転ディスクの圧力調整穴に向き合った状態で第1回転ディスクと同期して動けるように配置されていて、該エア吐出ノズルはそのエア吐出穴が第1回転ディスク側の圧力調整穴に重なった状態を所定角度範囲で維持できるように変位しつつ該圧力調整穴に外部からエアを吹き込めるように構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−5989(P2012−5989A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146061(P2010−146061)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】