説明

外部入力電源コードレス電光什器

【課題】従来、百貨店や量販店(スーパーマーケット・一般店舗)などに、商品を販売展示する為に、様々な什器設備を用いるが、それらの什器設備には、商品価値を高める目的で、照明器具や商品説明などのPOP(販売促進掲示物)、また音声や動画などのモニター器具等、多くの電光器が付帯または内臓されている。
これらの電光器を稼動させる為に用いる電気を外部電源から供給すると、外部電源配線が必要となり、それらは店舗内に張り巡らされ、通路上など於いては障害物となり、往来時に於いての転倒の危険性や断線等による火災事故の誘発性が常に介在していた。
また、外部電源配線自体の長さが外部電源との移動設置範囲の上限となり、レイアウト上の制約を生み、商品販促の阻害となっている。
【解決手段】本発明は、電光器の電源を充電式電池とし、またそれ自体を内臓化させることにした。これにより、外部電源配線からの制約から逃れ、設置に際しても移動配置の自由度が飛躍的に向上させることができ、同時に、事故等の危険性の低減、および省電力化に寄与することができるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部入力電源コードレス化を図った充電式電池内蔵型電光器付什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、百貨店や量販店・スーパーマーケット・一般店舗等には、商品販売展示を目的とした什器設備を設置し、より販売促進を進める為に、電光器等を内臓・付帯させたものを使用されてきた。
【0003】
これらの電光器には、当然ながら電気が必要とされ、電源配線を用いて、外部電源より直接供給されるものが一般的である。
【0004】
また、それらの外部電源配線は、無線ではなく有線であることから、店舗内に張り巡らされている。
【0005】
これらの外部電源配線は、店舗施設などの通路を部分的に遮断し、転倒事故や段差による商品への移動流通及び振動破損障害など、人的・物的往来の障害となり、電気エネルギーの供給役務以外、なんら存在価値のないものであった。
【0006】
また、店舗等での外部電源配線の存在は、商品の販売促進上、美的観点から意匠性への悪影響を及ぼし、根本的な解決策がない状態である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来電気供給を店舗設備より外部電源配線を利用することにより、有していた問題点を解決しようとするものであり、外部電源配線自体を無くすことにより、移動設置面での自由度を向上させ、物的移動性への障害のみならず、美的意匠性での障害をも取り払う画期的な電光什器を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために電光器付什器の電気供給源を充電式電池からとしまた、その充電式電池を内臓させる。
【0009】
これにより、充電式電池から電気供給を得る状態においては、外部電源からの電気供給が不要であり、同時に外部電源配線の必要性がなくなり、コードレス化が実現する。
【0010】
上記、充電式電池の特性上、電光器付什器の稼動状態が停止した状態にあるとき、つまり、店舗に設置された電光器付什器を例にとると、営業時間に電気供給をし、閉店時(夜間など)にその充電式電池が失った電気エネルギーの補充を外部電源により行う。
【0011】
これにより、充電式電池を継続的に利用し、上記例などでは、店舗営業開始時に満充電された充電式電池により、コードレス電光什器を再び稼動させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るコードレス電光器付什器であれば、稼動時においての電源供給を内蔵された充電式電池により行うことから、外部電源配線が不要であり、そのことから得られる利点は様々なものがある。
【0013】
まず、外部電源配線が店舗や建物施設に存在しなくなると言うことは、それ自体がもつ物理的距離の制約から逃れられ、電光器付什器の設置場所を決定する際に、稼動時における電源供給体制を考慮することがなくなるのである、つまり自由なレイアウト(配置展開)が可能となる。
【0014】
上記の効果とは別に、本来、平らである通路や壁面に外部電源配線が障害物として常に存在しているということは、それ自体が物理的突起物となり、そこを通過するあらゆる人、あるいは物への影響は計り知れず、つまずきや転倒事故、昨今の高齢化社会へ向けたバリアフリー化への妨げ、商品搬送時での振動及び落下による物品破損、これらの潜在的問題点の根本的な解消も可能とする。
【0015】
また外部電源配線自体が、電気の供給媒体であり、断線等による電気的短絡(ショート)が及ぼす発煙・火災への懸念からも解放され、安全面での向上も図られるものである。
【0016】
そのうえ、電光器付什器を構成する部品点数自体が減少するため、メンテナンス性の高い製品と言えよう。
【0017】
別の視点からの利点は、外部電源配線の無い視覚的印象は、とかく商品展示において意匠性の優位が明らかであり、商品販売を促進されるものとして有効である。
【0018】
本発明による、電光器付什器は、冷極陰極管またはLEDを発光源としている点も特徴としており、消費電力の低減と、発光源自体の長寿命化が従来製品に比べ大幅な省エネルギー製品として国際的な環境問題である、二酸化炭素(CO2)の排出低減に、少なからず寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
本発明に係るコードレス電光什器に関し、以下第1の形態として説明する。
このコードレス電光什器は、従来の電気的デバイスを装備しない什器に、より商品価値あるいは販売の促進を狙い、電光器を付帯させた什器であることから、基礎となる什器本体と、発光源である冷極陰極管及びLED、電気エネルギーの供給源として充電式電池、そして充電式電池を充電するための充電器、という構成を有しているものである。
【0021】
まず、基礎となる什器本体とは、あるゆる商品展示の基礎的部分を担っており、材質を金属や木工、あるいは、樹脂製品など様々な物質から適宜、商品提示に相応しいものが採用されており、部品構成やその構成規模などは、多種多様である。
つまり、本発明であるコードレス電光什器の什器部分は、什器の呈をなすものであれば、なんら規制するものではなく、それに付帯または内臓される電光器をコードレス化することに関するものであることから、基礎となる什器本体の説明を終え次の説明に移る。
【0022】
次に発光源である冷極陰極管またはLEDであるが、什器に展示された商品をアピールする役務を負う電光器の光源として用い、後に説明する充電式電池から直接、直流電流を得て発光し、それは直接間接を問わず、商品あるいは商品PR物を照明させるものである。
そして、その発光体の色彩・明度・発光時間などは、使用する発光源や充電式電池の容量などにより如何様にも変化させることができ得る。
【0023】
また、発光体と充電式電池は、電気配線により結合し、通電させるが、中間部に通電切断のためのスイッチ部を設け、任意に通電遮断を自在とさせる。
【0024】
同じく中間部に、配線接合コネクターを設け、コードレス電光什器の停止時における、充電式電池を充電する際の、充電器との接合に用いる。
【0025】
充電式電池は、店舗設備などの外部電源より交流電流を得た充電器アダプターなどの交流直流変換デバイスを介し、直流電流により充電されるものである。
この充電式電池は、それを供給源とする、発光体の消費電力等により、様々な容量の充電式電池が、採用される。
よって、ここで言う充電式電池とは、蓄電材質を指定するものではなく、今後技術的進歩により様々な充電池が誕生するに異論を挟むものではないことから、その時点でのコードレス電光什器に相応しいものを使用するものである。
【0026】
そして、充電器であるが、上記にもあるように、コードレス電光什器から接合コネクターより切り離された充電式電池に、外部電源より供給される交流電流を直流電流に変換し、充電池に蓄える目的に使用される。
通常、この充電器はコードレス電光什器稼動時には使用されないため、営業中の店舗内にあらゆる障害物として存在せず、閉店後の夜間などのみ使用し、コードレス電光什器の優位性を損なうものではない。
【0027】
以上のように、本実施の形態に係るコードレス電光什器であれば、従来の電光器付什器の電気供給方法と発光源を変更させるものであることから、その容易性は明らかであり。
しかも、それがもつ移動設置の自由度や配置環境に与える物理的制約の低さ、また意匠的にも非常に幅広い優位性をもち、環境面でもアピール度の違いが際立っており、これからの店舗設計のあり方をも完全に覆す、画期的な効果を得られるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源に冷極陰極管またはLEDを使用し、電源には、充電式電池を使用した、電光器を持つ、什器設備。
【請求項2】
請求項1に記載の什器設備であって、電源を内蔵形式とした什器設備。
【請求項3】
請求項2に記載の什器設備であって、外部電源からの配線を不要とするコードレス化とした什器設備。

【公開番号】特開2009−254763(P2009−254763A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127684(P2008−127684)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(307017073)
【Fターム(参考)】