説明

外部機器の資源を使用する装置を有するシステム

【課題】外部機器の資源を使用する装置を有するシステムおよびその方法を提供する。
【解決手段】メディアプレーヤー52は、外部機器56によって提供される1つ又は複数
の資源を使用する。外部機器は、リモート記憶域58と、ソフトウェア59と、ネットワ
ークインタフェース60と、中央処理装置61とを備える。メディアプレーヤー52は外
部機器の資源を使用するため、こうした資源をメディアプレーヤーに重複して設ける必要
はなく、それによりメディアプレーヤー52がより低コストで構築され、それでもなお記
憶域58及びネットワークインタフェース60が可能とする拡張機能を提供することが可
能になる。さらに、メディアプレーヤー52は、こうした拡張機能を利用するように符号
化されたディスクを受け入れることができ、外部機器で利用可能な資源を利用することに
よるにも関らず、こうした拡張機能を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器の資源を使用する装置を有するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メディアプレーヤー等の電子機器の機能及び性能を向上させたいという一般的な要求が
ある。不都合なことに、他の条件がすべて同じであれば、機器の機能が向上するに従い、
機器のコストは通常増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、外部機器の資源を使用する装置を有するシステムおよびその方法を提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明にかかるシステムは、リムーバブルメディアを受け入れるようになっているメデ
ィアプレーヤーであって、表示デバイスに接続するようになっているメディアプレーヤー
と、該メディアプレーヤーの外部にあると共にそれに通信可能に接続された機器であって
、記憶域を備える外部機器とを具備し、前記メディアプレーヤーは、前記外部機器の記憶
域に情報が格納されるようにし、該情報は、前記リムーバブルメディアからのコンテンツ
が再生される時に前記メディアプレーヤーによって使用される。
【0005】
本発明の例示的な実施の形態を詳細に説明するために、ここで添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
表記及び命名法
以下の説明及び特許請求の範囲を通して、特定のシステムコンポーネントを指すために
いくつかの用語を使用する。当業者は理解するように、コンピュータ会社は、1つのコン
ポーネントを異なる名称で呼ぶ場合がある。本明細書は、名称は異なるが機能は異ならな
いコンポーネントを識別することを意図していない。以下の論考において、且つ、特許請
求の範囲において、「含む、有する(including)」及び「具備する、備える、含む(com
prising)」という用語は、限定的でない(open-ended)ように使用されており、そのた
め、「含むが、それに限定されない」を意味するように解釈されなければならない。また
、「接続する(couple)」という用語は、間接的な電気接続又は直接的な電気接続のいず
れをも意味するように意図される。このため、第1の機器が第2の機器に接続する場合、
その接続は、直接的な電気接続によってもよく、又は他の機器及び接続を介して間接的な
電気接続によってもよい。
【0007】
図1を参照すると、装置52を備えたシステム50が示されており、装置52は、装置
の外部の機器56に接続されている。本明細書で論考する例示的な実施形態では、装置5
2はメディアプレーヤーを含むが、一般に装置は、セットトップボックス等、メディアプ
レーヤー以外であってもよい。メディアプレーヤーとして、装置は、リムーバブルメディ
アを受け入れ、そのリムーバブルメディアに格納され、且つ/又は、リムーバブルメディ
アのコンテンツに関連するコンテンツを再生するようになっている。実施形態によっては
、リムーバブルメディアは、光ディスクを含む。一般に、装置52は、動作の少なくとも
いくつかのモードで、外部機器56からの支援無しにスタンドアロン機器として機能する
ことができる任意の装置である。ディスクのコンテンツは、ビデオ、オーディオ、グラフ
ィック又は他のタイプの情報を含んでもよい。ディスクは、たとえば、メディアプレーヤ
ー52が、そのメディアプレーヤー52に接続された表示デバイス54を通して再生する
動画を含んでもよい。表示デバイス54は、テレビ又は他の適当なモニタを含んでもよく
、ビデオ及びオーディオ再生機能を有してもよい。メディアプレーヤー52を、ユーザが
、メディアプレーヤーの一部として提供されるコントロールを介して、又はリモートコン
トロール53を介して操作してもよい。こうしたコントロールにより、ユーザは、再生、
停止、一時停止、巻戻し、早送り等のさまざまな動作を実行することができる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、メディアプレーヤー52は、外部機器56によって提供さ
れる1つ又は複数の資源を使用する。外部機器は、コンピュータ又はスタンドアロン記憶
装置を含んでもよい。いずれの場合も、外部機器は、リモート記憶域58と、ソフトウェ
ア59と、外部機器56がネットワークに接続する際に用いるネットワークインタフェー
ス60と、中央処理装置(CPU)61とを備える。記憶域58がメディアプレーヤー5
2の外部に位置することを意味するように、記憶域58を「リモート」記憶域と呼ぶ。ネ
ットワークは、情報を、外部機器の記憶域58に、又はメディアプレーヤーが内蔵記憶機
能を有する限りメディアプレーヤー52に、格納するためにダウンロードすることができ
る、インターネット又は他のネットワークを含んでもよい。メディアプレーヤー52は外
部機器の資源(すなわちリモート記憶域58及びネットワークインタフェース60)を使
用するため、こうした資源をメディアプレーヤーに重複して設ける必要はなく、それによ
りメディアプレーヤー52がより低コストで構築され、それでもなお記憶域58及びネッ
トワークインタフェース60が可能とする拡張機能(後述する)を提供することが可能に
なる。さらに、メディアプレーヤー52は、こうした拡張機能を利用するように符号化さ
れたディスクを受け入れることができ、外部機器で利用可能な資源を利用することによる
にも関らず、こうした拡張機能を提供することができる。シナリオによっては、ユーザは
、すでに、外部機器56として機能するパーソナルコンピュータを有している場合がある
。本発明の教示によってインプリメントされるメディアプレーヤー52を取得し、メディ
アプレーヤー52をユーザの既存のコンピュータに接続することにより、ユーザが、こう
した拡張機能を提供するために十分な記憶資源及びネットワークインタフェース資源を単
独で含むメディアプレーヤーを購入する必要なく、結果としてのシステム50に拡張機能
が与えられる。
【0009】
図2は、メディアプレーヤー52の例示的なブロック図を示す。図2に示す実施形態で
は、プレーヤーは、再生制御エンジン70、プレゼンテーションエンジン72、仮想ファ
イルシステム(VFS)78、ローカル記憶域80及び外部機器56へのインタフェース
82を備える。ローカル記憶域80は、不揮発性記憶域を含む。一実施形態では、ローカ
ル記憶域80は、フラッシュメモリを含む。
【0010】
実施形態によっては、インタフェース82は、ユニバーサルシリアルバス(USB)接
続を含んでもよい。VFS78は、USBマスストレージクラスプロトコルにより外部機
器のリモート記憶域58と通信する。周辺機器がホストにおける動作を呼び出すのを許可
しないUSB規格の場合、外部機器56は、周期的にUSBエンドポイントをポーリング
することにより、VFS78が外部機器を対象とする要求を有するか否かを判断する。リ
モート記憶域からデータを検索する要求の例では、VFS78が要求を送出すると、外部
機器(たとえばリモート記憶域58)は、その要求を受け取り、復号し、処理して、指定
されたデータをVFS及びUSBエンドポイントに返す。VFS78は、リモート記憶域
58からデータを受け取り、その後、そのデータを復号して処理する。他の実施形態では
、インタフェース82は、電子電気学会(Institute of Electrical and Electronics En
gineers)(IEEE)1394バス又は他のインタフェースを含んでもよい。
【0011】
プレーヤー52は、ディスク74を受け入れる。ディスク74は、プレーヤーで実行さ
れ再生制御エンジン70と対話する1つ又は複数のアプリケーション76(たとえばJa
va(登録商標)アプレット)を含んでもよい。ユーザの、たとえばリモートコントロー
ル53の再生ボタンを押下することに応じて、再生制御エンジン70は、VFS78から
「再生リスト」を受け取る。再生リストは、ユーザが再生したいコンテンツ(たとえば動
画)を含む、ディスク74に格納された1つ又は複数のクリップファイルに対する参照(
たとえばポインタ)を含む。再生制御エンジン70は、仮想ファイルシステムに対して連
続して各クリップファイルを要求し、こうしたクリップの各々をプレゼンテーションエン
ジン72に提供する。プレゼンテーションエンジン72は、各クリップファイルを復号し
、ディスプレイ54に提供される対応するビデオ出力信号及び/又はオーディオ出力信号
を生成する。
【0012】
VFS78は、デバイス(たとえば再生制御エンジン70)によるディスク74、ロー
カル記憶域80及びリモート記憶域58へのアクセスを容易にするアプリケーションプロ
グラミングインタフェース(API)を備える。ディスク74には、ファイルシステムが
格納されていてもよく、このため「仮想ファイルシステム」という用語は、単にプレーヤ
ーのファイルシステムを、ディスクが含んでもよい任意のファイルシステムから識別する
ために使用する。VFS78は、たとえばファイルに対する要求と、ディスク74、メデ
ィアプレーヤーのローカル記憶域80又は外部機器のリモート記憶域58にあってもよい
こうしたファイルの物理的な位置との間のマッピングを提供する。VFS78によって提
供されるマッピングにより、再生制御エンジン70はファイルに対する要求を提出するこ
とができるが、要求されたファイルの位置に関して「気付かない(oblivious)」ことが
可能である。代りに、VFSに対し、さまざまなファイルの位置を追跡する責任が課せら
れる。
【0013】
ディスク74によってはアプリケーション76を含まない場合があり、一方、こうした
アプリケーションを含む場合もある。アプリケーション76は、種々の関数のうちの任意
の1つ又は複数を実行してもよい。たとえば、アプリケーションにより、ユーザは、選択
的にファイルをネットワークから外部機器56に外部機器のネットワークインタフェース
60を介してダウンロードすることができてもよい。少なくとも1つの実施形態では、デ
ィスクをプレーヤー52にロードすると、ディスクに含まれるアプリケーション76がプ
レーヤーにおいて実行を開始する。アプリケーション76は、自動的に(すなわちユーザ
に対する入力要求を必要とすることなく)、外部機器にあるソフトウェア59に対し、事
前に定義されたウェブサイトにアクセスして目下プレーヤーにロードされているディスク
に関連するファイルをダウンロードすることができるか否かを判断させてもよい。こうし
た事前に定義されたウェブサイトを、ユニフォームリソースロケータ(URL)又はイン
ターネットプロトコル(IP)アドレス等の任意の適当な形態でソフトウェア59に符号
化してもよい。アプリケーション76は、VFS78に対し、事前に定義されたウェブサ
イトの識別(たとえばURL、IPアドレス)を、目的のウェブサイトにアクセスするた
めにその識別を使用する外部機器に渡させる。ソフトウェア59は、外部機器のCPU6
1によって実行される。ファイルがすでにダウンロードされている場合、事前に定義され
たウェブサイトにそのファイルのより最近のバージョンがある場合もある。いずれの場合
も、メディアプレーヤー52のユーザに対して、選択する選択肢のメニューをディスプレ
イ54に提供してもよく、ユーザは、ダウンロードする1つ又は複数のファイルを選択し
てもよい。別法として、アプリケーション76が、ユーザ又はディスクの作成者(又は他
の者)の代りに選択を行うように、且つユーザに対して選択肢を提供することなく1つ又
は複数のファイルを自動的にダウンロードするようにプログラムされていてもよい。
【0014】
上述したソフトウェア59は、メディアプレーヤー52からコマンドを受け取り、それ
らコマンドを実施するために外部機器の他のソフトウェア又はハードウェアと対話するア
プリケーションを含んでもよい。コマンドが、たとえばネットワークインタフェース60
を介するウェブサイトへのアクセスを要求する場合、ソフトウェア59は、外部機器への
ネットワーク接続を提供するために存在する他のソフトウェアと対話する。こうした他の
ソフトウェアには、たとえば、ネットワークインタフェースコントローラドライバが含ま
れてもよい。
【0015】
ダウンロードするファイル(複数可)は、いかなる所望のタイプのファイルであっても
よい。たとえば、ファイルは字幕を含んでもよく、それは、こうした字幕が入手可能とな
る前にディスクで発売された映画に関連する。ディスク74のメディアコンテンツに関連
するダウンロード可能なファイルの別の例には、映画の予告編がある。特定のディスク7
4をプレーヤーにロードしてリモートコントロール53のボタンを押下すると、メディア
プレーヤー52はこうしたファイルが外部機器56を介してダウンロードされるようにし
てもよく、それにより外部機器によって提供されるネットワーク資源が使用される。
【0016】
システム50にダウンロードされる各ファイルは、特定のディスクに関連する。こうし
たダウンロードされるファイルは、特定のディスクに関連する再生リスト、索引表、動画
オブジェクト及びクリップファイルと同様に、VFSにより互いに関連付けられる。この
関連付けを「バインディング(binding)」と呼ぶ。すなわち、これらのさまざまなファ
イルは互いにバインド(bind)される。バインディングにより、VFSは、いずれのファ
イルが互いに関連するかを追跡することができる。一実施形態では、特定のディスク74
に関連するダウンロードされバインドされたファイルは、ユーザがそのディスクをプレー
ヤーにロードする時にローカル記憶域80に格納され、それにより、ファイルはメディア
プレーヤーによって利用可能となる。実施形態によっては、メディアプレーヤー52は、
ローカル記憶域80を有しておらず、そのため、ダウンロードされバインドされたファイ
ルに対してメディアプレーヤーのローカル記憶域の代りにリモート記憶域58が使用され
る。さらに他の実施形態では、メディアプレーヤーには限られた量のローカル記憶域80
しかなく、目下ロードされているディスク74に関連するダウンロードされバインドされ
たファイルに対するローカル記憶域の使用を管理するロジックが提供される。
【0017】
メディアプレーヤーがローカル記憶域80を有し、且つローカル記憶域80に新たなフ
ァイルを格納するために十分な容量がある場合、外部機器56を介してダウンロードされ
るファイルは、メディアプレーヤー52によって外部機器からの支援によりネットワーク
インタフェース60を通してダウンロードされ、ローカル記憶域80に転送される。しか
しながら、メディアプレーヤーが、ローカル記憶域80を有しておらず、或いは新たなフ
ァイルを格納するため、又は恐らくは他の理由のために十分な量のローカル記憶域を有し
ていない場合、その新たなファイルは、代りに外部機器56のリモート記憶域58に格納
される。VFS78は、そのマッピング(バインディング)を、ダウンロードされたファ
イルがローカル記憶域80又はリモート記憶域58のいずれかの特定の物理的な位置にあ
ることを反映するように更新する。このため、再生制御エンジン70又はアプリケーショ
ン76が後にその特定の先にダウンロードされたファイルに対し再生するように要求する
時、VFSは、その位置に関りなくファイルにアクセスすることができる。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、VFS78は、デフォルトとして、外部機器56の1
つ又は複数又はすべての資源(たとえばリモート記憶域58、ネットワークインタフェー
ス60)にアクセスを提供することが無効とされる。たとえば、リモート記憶域58はデ
フォルトとして無効とされ、ネットワークインタフェース60はデフォルトとして有効と
される。VFS78は、外部機器56に関するさまざまなAPI呼出しに応答する。アプ
リケーション76は、VFS78に対する「問合せ(query)」API呼出しにアクセス
してもよい。問合せ呼出しに応答して、VFSは、外部機器が実際にメディアプレーヤー
52に接続されているか否かを報告する。問合せAPI又は他のAPI呼出しを使用して
、アプリケーション76はまた、リモート記憶域58の利用可能な空間の量を要求しても
よい。アプリケーション76はまた、VFS78が外部機器の資源にアクセスするのを可
能にするように選択することも可能である。アプリケーション76は、たとえば、VFS
APIの「enable remote storage(リモート記憶域を有効化)」関数を呼び出すこと
により、VFSがリモート記憶域58へアクセスできるようにしてもよい。別法として、
アプリケーション76は、VFSに対しリモート記憶域へのアクセスを無効とされ続ける
ように選択してもよい。実施形態によっては、有効化API関数は、一般に、外部機器の
すべての資源、少なくともメディアプレーヤー52が使用することができるそれら資源の
すべてに適用される。実施形態によっては、複数のAPI関数が提供され、こうした関数
の各々が、外部機器の特定の資源へのアクセスを有効にする。たとえば、リモート記憶域
58へのアクセスを、他の外部機器の資源に関係なく有効にすることができる。他の実施
形態では、外部機器の複数の資源又はすべての資源を有効又は無効とする有効化APIを
提供してもよい。
【0019】
実施形態によっては、外部機器56の資源の有効化又は無効化に関するVFS78のデ
フォルト構成は、プレーヤーに挿入されるディスクのタイプによって決まる。たとえば、
デフォルト構成は、アプリケーションのないディスクに比較してアプリケーション76を
有するディスクに対して異なってもよい。ディスクがアプリケーションを含む場合、リモ
ート記憶域58はデフォルトとして無効とされ、本明細書で説明するように、アプリケー
ションがそれを有効としない限り無効のままである。しかしながら、ディスクがアプリケ
ーションを含まない場合(たとえば高精細動画(HDMV)ディスク)、リモート記憶域
58はデフォルトとして有効とされる。このように、本来デフォルト設定を変更すること
ができないディスクに対し、リモート記憶域を有効とすることができる。
【0020】
アプリケーション76はまた、「無効化(disable)」APIを呼び出すことにより、
VFSが外部機器にアクセスできないようにしてもよい。さらに、複数の無効化API関
数を提供してもよく、こうした無効化関数の各々により、いくつかの外部機器の資源に対
するアクセスが無効となる。
【0021】
アプリケーション76は、1つ又は複数の外部機器の資源が有効であるか無効であるか
を示すブールパラメータを受け入れる「有効化」API関数を呼び出してもよい。ブール
パラメータの値が「真」である場合、ターゲット資源(複数可)は有効であり、「偽」で
ある場合、ターゲット資源(複数可)は無効である。他の実施形態では、ブールパラメー
タの解釈が逆であってもよい。
【0022】
実施形態によっては、メディアプレーヤー52と外部機器56との間の接続は、メディ
アプレーヤー52のバッファに介入することなく、ファイルをリモート記憶域58から再
生制御エンジン70に直接ストリーミングすることができるために十分な性能特性(たと
えば帯域幅、最大レイテンシ等)を有していなくてもよい。
【0023】
実施形態によっては、メディアプレーヤー52には限られた量のローカル記憶域80し
かない。上述した論考では、ユーザが、ローカル記憶域がないか又は新たにダウンロード
されるファイルのために十分なローカル記憶域がないシステム50に新たなファイルをダ
ウンロードしようと望む場合に起こることを説明した。以下の論考は、ディスク74に関
連し且つそれにバインドされた1つ又は複数のファイル(たとえばクリップファイル、再
生リスト等)がシステムにすでにダウンロードされている場合に、ユーザがプレーヤーに
その特定のディスクをロードする場合のシステム50の動作に関連する。この状況でのメ
ディアプレーヤー52の動作は、先にダウンロードされたファイルの位置(ローカル記憶
域80又はリモート記憶域58のいずれかの中)と、メディアプレーヤー52が任意のロ
ーカル記憶域を有するか否かと、メディアプレーヤーがローカル記憶域を有する限り、こ
うしたローカル記憶域の利用可能な使用されていない容量とによって決まる。以下の論考
は、特定のディスクにバインドされ先にダウンロードされたファイルに関する。クリップ
ファイル、再生リスト等、ディスクにすでにバインドされている他のファイルもある。こ
うした他のファイルは、ディスク自体に格納されており、ローカル記憶域80にロードさ
れる必要はない。
【0024】
目下ロードされているディスクにバインドされ先にダウンロードされたファイルがロー
カル記憶域80に位置する場合、こうしたファイルは、ローカル記憶域からアクセスされ
る。しかしながら、先にダウンロードされたファイルがリモート記憶域58に位置する場
合、こうしたファイルを、メディアプレーヤーのローカル記憶域(存在する場合)に転送
してもよい。上述したように、こうした転送は、代りに再生セッション間に発生してもよ
い。メディアプレーヤーがローカル記憶域を有していない場合、又はローカル記憶キャッ
シュポリシによって有効に指示される場合、ファイルは、必要に応じて、単にリモート記
憶域58からアクセスされる。実施形態によっては、メディアプレーヤーは、情報(たと
えばダウンロードされたファイル)を全体としてリモート記憶域58からローカル記憶域
80に転送し、ローカル記憶域からこうした転送された情報を使用する。他の実施形態で
は、メディアプレーヤーは、まず情報が全体としてメディアプレーヤーに転送されるよう
にすることなく、リモート記憶域から直接情報を使用する。ここで、メディアプレーヤー
がローカル記憶域を有するが、関連する先にダウンロードされたファイルがリモート記憶
域58に位置しているシナリオについて説明する。
【0025】
メディアプレーヤーが使用すべきファイルがリモート記憶域58に位置する実施形態で
は、再生制御エンジン70は、再生セッション中に使用される1つ又は複数の物理的なフ
ァイル位置のリストをセッションの初めに作成する。この実施形態では、再生制御エンジ
ン70は、セッションを開始する前にVFSに対し、実際の物理的なファイル位置のリス
トを作成する要求を発行し、その後、再生中に使用されるすべての物理的なファイルに直
接アクセスすることができる。実施形態が、再生制御エンジン70によるリモート記憶域
58に格納されたファイルへの直接アクセスをサポートするインタフェースを提供する場
合、リモートファイルの中間バッファリングは実行されず、メディアプレーヤーは、ファ
イルを、まずローカル記憶域80にコピーすることなく直接リモート記憶域58からアク
セスする。しかしながら、プレーヤー52が再生制御エンジン70によるリモート記憶域
58への直接アクセスを提供しない場合、すでにローカル記憶域80に存在しない、使用
されるこうしたファイルのうちの1つ又は複数は、各再生セッションの開始に先立ってロ
ーカル記憶域80に転送される。
【0026】
メディアプレーヤー52は、ローカル記憶域80を有する場合があるが、ローカル記憶
域に、新たにロードされたディスクに関連する追加のファイルを格納するために十分な容
量がない場合がある。たとえば、特定のディスクに関連する字幕ファイル、予告編等が、
メディアプレーヤーのローカル記憶域80にすでにロードされている場合があるが、ユー
ザが新たなディスクをプレーヤーにロードする場合、ローカル記憶域に、新たにロードさ
れたディスクに関連するファイル(目下リモート記憶域58に格納されている)に対し十
分な容量がない場合もある。このシナリオに、メディアプレーヤー51が、ローカル記憶
域80を、目下ロードされているディスクのダウンロードされ、バインドされたファイル
に対する一時記憶域として使用することができることによって対応する。
【0027】
一実施形態では、各アプリケーション76は、図3に示す以下の機能を有する。図3に
示す動作は、ユーザがディスクをプレーヤー52にロードし、そのディスクに格納されて
いるアプリケーションが、プレーヤーによって実行されるためにロードされる時に実行さ
れる。アプリケーション76の実行時、アプリケーションは、ディスクにバインドされて
いる先にダウンロードされたファイルをメディアプレーヤー52のローカル記憶域80に
格納することができるか否かを確かめる。図3の動作90において、アプリケーション7
6は、VFS78に対し、追加の情報を格納するためにメディアプレーヤーのローカル記
憶域80の利用可能な(すなわち使用されていない)容量を報告するように要求する。V
FSはまた、ある場合は関連するディスクにバインドされた先にダウンロードされたファ
イルとこうしたファイルの各々のサイズとを列挙する。アプリケーション76は、バイン
ドされたファイルの全体的なサイズを確定する。ローカル記憶域80の容量がバインドさ
れたファイルを格納するために十分である場合(判断92)、制御は動作94に渡り、ロ
ーカル記憶域80を使用してリモート記憶域58から取り出され得るファイルを格納する
。しかしながら、ローカル記憶域80に、関連するバインドされたファイルを格納するた
めに利用可能な容量が十分にない場合(恐らくは、ローカル記憶域が他のディスクに関連
するファイルをすでに有しているため)、アプリケーション76は、ローカル記憶域80
の内容がリモート記憶域58の内容に変更されるようにする。内容の変更には、新たなバ
インドされたファイルに対して場所を空けるためにローカル記憶域80の内容の一部又は
すべてを外部機器56のリモート記憶域58にコピーすること、又はローカル記憶域の内
容の一部又はすべてを削除すること等の動作が含まれる。少なくとも1つの実施形態では
、ローカル記憶域80は、単一ディスクのみに関連するダウンロードされバインドされた
ファイルに対してしか、十分な容量を有していない。したがって、各ディスクに格納され
ているアプリケーションには、そのディスクに対するダウンロードされたファイルを収容
するためにプレーヤーのローカル記憶域の使用を管理する責任がある。一実施形態では、
アプリケーションには、他のディスクに関連する(すなわち、現ディスクにバインドされ
ていない)ローカル記憶域のファイルを削除することができるために十分な許可が与えら
れ、それにより、目下実行中のアプリケーションはローカル記憶域を管理することができ
る。別法として、こうした許可が与えられない場合、実施形態は、目下実行中のアプリケ
ーションのローカル記憶要求をサービスするためにローカル記憶域の少なくとも1つのバ
インドされていないファイルを自動的に削除し、アプリケーションのローカル記憶域を管
理する責任を軽減する。
【0028】
図3においてアプリケーションによって実行される動作は、上述したようにメディアプ
レーヤーのVFSがアプリケーションからの問合せに応答することができると想定する。
他の実施形態では、アプリケーション76は、まず、アプリケーションが図3に示すよう
な動作を実行するのをメディアプレーヤーが許可することができるか否かを確かめる。ア
プリケーションがVFS78の性質を確かめることができるようにするために、いかなる
メカニズムを使用してもよい。たとえば、VFS API関数を提供してもよく、又はレ
ジスタ(アプリケーションが読出し可能)の予約ビットを、VFSが上述した機能を有す
るか否かを示す定義された値(たとえば0から1又はその逆)に設定してもよい。利用可
能な機能が確定された時、VFSは動作が実行されるのを可能にするように装備されてい
ないとアプリケーション76が判断した場合に、アプリケーションは、図3に示す1つ又
は複数の動作を実行せずに続行する。この状況では、メディアプレーヤーは、外部機器に
接続されておらず、恐らくはプレーヤー52で再生されたディスクに関連するすべてのフ
ァイルを収容するために十分なローカル記憶域を有する。しかしながら、ビットを読み出
すことにより、VFSは図3に示すもののような実施形態が実行されるのを可能にするよ
うに装備されているとアプリケーション76が判断した場合、上述したようにメディアプ
レーヤーのローカル記憶域が使用される。
【0029】
別の実施形態では、メディアプレーヤーはローカル記憶域80を有しておらず、そのた
め、VFSは、ローカル記憶域がないことをアプリケーションに通信する。このシナリオ
では、アプリケーションは、ローカル記憶域の内容をコピーしようと試みず(ローカル記
憶域がないため)、アプリケーションは、単に、リモート記憶域58からの先にダウンロ
ードされたファイルへのアクセスを調整することに対しVFSに従う。
【0030】
さらに別の実施形態では、VFS78は、一時記憶域としてのローカル記憶域80の使
用に関連する上述した機能を含む。この実施形態では、VFS78は、プレーヤーにロー
ドされているディスクに関連する1つ又は複数の先にダウンロードされバインドされたフ
ァイルに対する要求をアプリケーションから受け取る。その特定のディスクに対する最初
のこうした要求時に、VFSは、ローカル記憶域の利用可能な使用されていない空間を確
定し、その空間の量を、現ディスクに対するダウンロードされバインドされたファイルの
全体的なサイズと比較し、必要な場合はローカル記憶域の内容を外部機器の記憶域に保存
し、その後、現ディスクに関連するファイルのためにローカル記憶域を使用する。内容が
リモート記憶域58にコピーされると、そのコピーされた内容を有していたローカル記憶
域のその部分は、上書きされることが可能であるものとしてマークされる。
【0031】
別の実施形態では、VFSは、新たなファイルに対して場所を空けるためにローカル記
憶域80の現内容を「必要に応じて」コピーする。したがって、新たにインストールされ
たディスクにバインドされている先にダウンロードされたファイルのすべてに対し場所を
空けるために一度にローカル記憶域の内容のすべてをコピーするのではなく、VFS78
は、何らかのタイプのキャッシュメモリの動作と同様に断片的に、現ローカル記憶域の内
容をリモート記憶域にコピーすること、及び、新たなファイル(複数可)を取り出すこと
を実行する。
【0032】
実施形態によっては、VFSは、暗号化/解読ロジック(EDL)84(図2)を備え
る。他の実施形態では、EDL84は、VFSとは別個に提供される。EDL84は、特
定のディスクに関連するダウンロードされた情報を暗号化し、その暗号化された情報を外
部機器56の記憶域58に格納する。逆の動作において、VFSは、たとえばアプリケー
ション76又は再生制御エンジン78からのこうした情報に対する要求に応じて記憶域5
8から暗号化された情報を取り出し、EDL84が暗号化された情報を解読する。そして
、VFSは、解読された情報をこうした情報の要求に対して提供する。暗号化及び解読に
対して適した任意のメカニズムをインプリメントしてもよい。たとえば、種々の公開鍵/
秘密鍵ベースの技法のうちの任意のものを採用することができる。秘密鍵及び公開鍵は、
メディアプレーヤーのVFS78に格納される。情報の暗号化は、無許可のコピー及び使
用から情報を保護するために望まれる場合がある。たとえば、情報は、著作権保護された
内容を含む場合があり、こうした内容を暗号化することによりさらなる保護が提供される

【0033】
上述したように、ディスク74によってはアプリケーション76を有し、ディスクによ
ってはアプリケーション76を有していない場合もある。アプリケーション76を有して
いるディスクは、メディアプレーヤーの、外部機器の資源(記憶域、ネットワーク接続)
へのアクセスを取得する能力を利用することができる。しかしながら、こうしたアプリケ
ーションを有していないディスクは、恐らくは外部機器の資源の利益がなくても、やはり
メディアプレーヤー52において再生することができる。アプリケーションのないディス
クは、上述したように、再生制御エンジン70によるリモートファイルへの直接アクセス
をサポートするメディアプレーヤーで再生される場合に外部機器の資源から利益を得る。
その実施形態では、再生制御エンジンは、リモート記憶域58をそれがローカル記憶域5
8であるかのように使用する。
【0034】
上記論考は、本発明の原理及びさまざまな実施形態を例示するように意図されている。
上記開示が完全に理解された当業者には、多数の変形形態及び変更形態が明らかとなろう
。たとえば、メディアプレーヤー52を複数の外部機器に接続することができる。こうし
た実施形態では、メディアプレーヤーは、複数の外部機器の各々の1つ又は複数の資源(
たとえば記憶域、ネットワーク接続)を使用することができる。さらに、情報を、外部機
器56を使用してダウンロードし、ポータブルUSB記憶装置にロードすることができる
。そして、USB記憶装置を、メディアプレーヤーのUSBポートに接続することができ
(たとえば、インタフェース82は外部からアクセス可能なUSBポートを備える)、メ
ディアプレーヤー52は、USB記憶ユニットから要求された情報を取得する。添付の特
許請求の範囲は、こうした変形形態及び変更形態のすべてを包含すると解釈されることが
意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態によるシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態によるメディアプレーヤーのブロック図である。
【図3】方法の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
50・・・システム
52・・・メディアプレーヤー
53・・・リモート
54・・・ディスプレイ
56・・・外部機器
58・・・リモート記憶域
59・・・ソフトウェア
60・・・ネットワークインタフェース
61・・・CPU
70・・・再生制御エンジン
72・・・プレゼンテーションエンジン
74・・・ディスク
76・・・アプリケーション
78・・・仮想ファイルシステム
80・・・ローカル記憶域
82・・・外部機器へのインタフェース
84・・・暗号化/解読ロジック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(50)であって、
第1のコンテンツが格納されたリムーバブルメディア(74)を受け入れるようになっているメディアプレーヤー(52)であって、ローカル記憶域および仮想ファイルシステムを備え、表示デバイス(54)に接続するようになっているメディアプレーヤー(52)と、
該メディアプレーヤーの外部にあると共にそれに通信可能に接続された機器(56)であって、第2のコンテンツが格納されうる記憶域(58)を備える外部機器(56)と
を具備し、
前記メディアプレーヤーは、前記リムーバブルメディアからの第1のコンテンツとともに再生するために、前記外部機器の前記記憶域からの第2のコンテンツを前記メディアプレーヤーの前記ローカル記憶域へコピーし、
前記仮想ファイルシステムは、再生セッションが開始する前に、前記リムーバブルメディアからの第1のコンテンツと前記ローカル記憶域からの第2のコンテンツとの物理的なファイル位置のリストを作成する
システム。
【請求項2】
前記第2のコンテンツは、前記外部機器の記憶域に格納される前に暗号化され、前記メディアプレーヤーによって使用される前に解読される
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のコンテンツは、前記メディアプレーヤーからの命令に基づいて前記外部機器のネットワーク接続を介してダウンロードされる
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ファイルシステムは、前記メディアプレーヤーは、ファイルへのアクセス要求を前記外部機器の前記記憶域にマッピングする
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記仮想ファイルシステムは、前記ローカル記憶域から前記外部機器の前記記憶域に前記第1のコンテンツをコピーし、それにより前記第2のコンテンツのために前記ローカル記憶域を使用することができるようにする
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のコンテンツは、映画の予告編およびクリップファイルの少なくとも1つを有する
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
リムーバブルメディアのコンテンツを再生する装置であって、
前記装置にロードされたリムーバブルメディアからの第1のコンテンツを再生する再生制御エンジンと、
第2の再生可能コンテンツが格納されうるローカル記憶域と、
前記リムーバブルメディアの第1のコンテンツと前記ローカル記憶域の第2のコンテンツとを関連付けて再生する仮想ファイルシステムと
を備え、
前記仮想ファイルシステムは、再生セッションが開始する前に、前記リムーバブルメディアからの第1のコンテンツと前記ローカル記憶域からの第2のコンテンツとの物理的なファイル位置のリストを作成する
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−244530(P2010−244530A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67462(P2010−67462)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【分割の表示】特願2006−147759(P2006−147759)の分割
【原出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】