説明

外部記憶装置を用いたメディアデータ再生方法、プログラム及びその外部記憶装置

【課題】外販される外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを、コンテンツ販売事業者の認証に基づいてその再生を制御するメディアデータ再生方法等を提供する。
【解決手段】外部記憶装置は、固有識別番号及び再生用メディアデータを記憶している。最初に、パーソナルコンピュータ(PC)が、外部記憶装置から固有識別番号を取得し、管理サーバへ、固有識別番号を含む認証要求を送信する。管理サーバが、固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、認証許可と判定した際に、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを、PCへ送信する。PCは、ページデータに対する利用者の再生操作に応じて、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを取得しつつ再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部記憶装置を用いたメディアデータ再生方法、プログラム(端末側の再生プログラム、サーバ側の管理プログラム)及びその外部記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術におけるメディアデータを再生するシステム構成図である。
【0003】
再生用メディアデータは、視聴利用者に対して再生可能なマルチメディアコンテンツであって、メディア種別としては、音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータである。視聴利用者は、パーソナルコンピュータ2に対して、所望の再生用メディアデータに対する再生操作を実行する。パーソナルコンピュータ2は、画像データ(テキストデータも含む)をディスプレイに表示すると共に、音声データをスピーカから発声する。これによって、利用者は、その再生用メディアデータを視聴することができる。
【0004】
図1によれば、メディアデータを再生する2つの実施形態が表されている。
【0005】
第1の実施形態は、外部記憶装置1に、再生用メディアデータが蓄積されている場合である。外部記憶装置1は、ハードディスクであってもよいし、メモリデバイスであってもよい。その外部記憶装置1は、例えばUSB(Universal Serial Bus)のような高速なインタフェースケーブルを介して、パーソナルコンピュータ2に接続される。パーソナルコンピュータ2は、外部記憶装置1から再生用メディアデータを取得し、メディアプレーヤプログラムを用いて再生する。
【0006】
第2の実施形態は、Webサーバのようなコンテンツサーバ5に、再生用メディアデータが蓄積されている場合である。パーソナルコンピュータ2は、例えばインターネットのようなネットワーク4を介して、コンテンツサーバ5に接続される。パーソナルコンピュータ2は、コンテンツサーバ5から、再生用メディアデータをダウンロードし、そのメディアプレーヤプログラムを用いて再生する。
【0007】
現在のところ、前述したいずれかの実施形態に基づいて、様々なビジネスサービスが提供されている。例えば、再生用メディアデータが、学生向けの教育用コンテンツである場合がある。利用者は、塾や学校のような教育施設に通うことなく、自宅に居ながら、オンデマンドで、多様な教育用コンテンツを視聴することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−260122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第1の実施形態の場合、外部記憶装置1に記憶された再生用メディアデータの著作権を十分に保護できないという問題がある。一般に、外部記憶装置1自体が、利用者に直接的に販売又はレンタルされるので、その再生用メディアデータはスクランブル(暗号化)されている。しかしながら、デッドコピーの悪意のある利用者が、再生用メディアデータが蓄積された外部記憶装置1を購入した場合、様々な方法によってそのスクランブルを解除しようとする。
【0010】
また、第1の実施形態の場合、外部記憶装置1で再生された再生履歴情報を、そのコンテンツ販売元の事業者では管理することができない。コンテンツ販売元の事業者としては、その再生履歴情報を取得することによって、視聴利用者に対して様々なサービスを提供したいと考える。
【0011】
第2の実施形態の場合、コンテンツ販売元事業者が備えるコンテンツサーバ5に、再生用メディアデータが蓄積されているので、悪意のある利用者に対して安易にデッドコピーを許さないようにすることができる。また、視聴利用者がメディアデータを再生する毎に、再生履歴情報を蓄積することもできる。しかしながら、ネットワークを利用しているために、メディアデータの再生が、ネットワークの通信帯域に影響するという問題がある。即ち、メディアデータを高品質で常に再生させるためには、ネットワークの影響を排除したいと考える。
【0012】
従って、本発明は、外販される外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを、サービス提供事業者の認証に基づいてその再生可否を制御することができるメディアデータ再生方法、プログラム及びその外部記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、外部記憶装置と、該外部記憶装置が接続されたパーソナルコンピュータと、該パーソナルコンピュータとネットワークを介して接続される管理サーバとを有するシステムにおけるメディアデータの再生方法であって、
外部記憶装置は、固有識別番号及び再生用メディアデータを記憶しており、
パーソナルコンピュータが、外部記憶装置から固有識別番号を取得する第1のステップと、
パーソナルコンピュータが、管理サーバへ、固有識別番号を含む認証要求を送信する第2のステップと、
管理サーバが、固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、認証許可と判定した際に、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを、パーソナルコンピュータへ送信する第3のステップと、
パーソナルコンピュータが、ページデータに対する利用者の再生操作に応じて、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを取得しつつ再生する第4のステップと
を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のメディアデータの再生方法における他の実施形態によれば、
外部記憶装置は、ハードディスク又はメモリデバイスであり、
固有識別番号は、外部記憶装置における出荷時設定のシリアル番号であり、
ページデータは、マークアップ言語に基づくWebページであり、
再生用メディアデータは、音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータであることも好ましい。
【0015】
本発明のメディアデータの再生方法における他の実施形態によれば、
外部記憶装置は、パーソナルコンピュータが第1、第2及び第4のステップを実行するための再生プログラムを更に記憶しており、
パーソナルコンピュータは、外部記憶装置から再生プログラムを取得することによって動作することも好ましい。
【0016】
本発明のメディアデータの再生方法における他の実施形態によれば、
外部記憶装置に記憶される再生用メディアデータは、エンコードされたストリーミング形式のものであり、
第4のステップについて、パーソナルコンピュータは、再生用メディアデータを取得しつつ、デコードしながら、再生することも好ましい。
【0017】
本発明のメディアデータの再生方法における他の実施形態によれば、第4のステップについて、
ページデータに対して再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、パーソナルコンピュータが、管理サーバへ、固有識別番号を含む認証要求を更に送信するステップと、
管理サーバが、固有識別番号に基づいて認証処理を実行するステップと、
管理サーバが、認証許可と判定した際に、再生用メディアデータの再生許可情報を、パーソナルコンピュータへ送信するステップと、
パーソナルコンピュータが、外部記憶装置に記憶された当該再生用メディアデータを再生するステップと
を有することも好ましい。
【0018】
本発明によれば、外部記憶装置に接続され、且つ、ネットワークを介して管理サーバに接続されるパーソナルコンピュータについて、メディアデータを再生するように機能させる再生プログラムであって、
外部記憶装置には、固有識別番号及び再生用メディアデータが記憶されており、
外部記憶装置から固有識別番号を取得する第1のステップと、
管理サーバへ、固有識別番号を含む認証要求を送信する第2のステップと、
認証許可と判定された際に、管理サーバから、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを受信する第3のステップと、
ページデータに対する利用者の再生操作に応じて、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを取得しつつ再生する第4のステップと
してパーソナルコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0019】
本発明の再生プログラムにおける他の実施形態によれば、
外部記憶装置は、ハードディスク又はメモリデバイスであり、
固有識別番号は、外部記憶装置における出荷時設定のシリアル番号であり、
ページデータは、マークアップ言語に基づくWebページであり、
再生用メディアデータは、音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータである
ようにパーソナルコンピュータを実行させることも好ましい。
【0020】
本発明の再生プログラムにおける他の実施形態によれば、
外部記憶装置に記憶される再生用メディアデータは、エンコードされたストリーミング形式のものであり、
第4のステップについて、再生用メディアデータを取得しつつ、デコードしながら、再生するようにパーソナルコンピュータを実行させることも好ましい。
【0021】
本発明の再生プログラムにおける他の実施形態によれば、第4のステップについて、
ページデータに対して再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、管理サーバへ、固有識別番号を含む認証要求を更に送信するステップと、
管理サーバから、認証許可/認証拒否を受信するステップと、
認証許可が受信された際に、外部記憶装置に記憶された当該再生用メディアデータを取得しつつ再生するステップと
してパーソナルコンピュータを実行させることも好ましい。
【0022】
本発明によれば、前述した再生プログラムと、固有識別番号と、再生用メディアデータとを記憶している外部記憶装置であってもよい。
【0023】
本発明によれば、外部記憶装置が接続されたパーソナルコンピュータと、ネットワークを介して接続されるサーバに搭載されたコンピュータを機能させる管理プログラムであって、
パーソナルコンピュータから、外部記憶装置の固有識別番号を含む認証要求を受信する第1のステップと、
固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、認証許可と判定した際に、外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを、パーソナルコンピュータへ送信する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0024】
本発明のサーバ用の管理プログラムにおける他の実施形態によれば、第2のステップについて、
ページデータに対して再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、パーソナルコンピュータから、固有識別番号を含む認証要求を更に受信するステップと、
固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、パーソナルコンピュータへ、認証許可/認証拒否を送信するステップと
してコンピュータを実行させることも好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明のメディアデータ再生方法、プログラム及びその外部記憶装置によれば、外販される外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを、サービス提供事業者の認証に基づいてその再生可否を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0027】
図2は、パーソナルコンピュータによって実行されるプログラムの機能構成図である。
【0028】
図2によれば、パーソナルコンピュータ2には、外部記憶装置1が接続されている。外部記憶装置1は、例えばUSBで接続されるハードディスク又はメモリデバイスである。勿論、接続媒体がUSBに限られることなく、無線LANであってもよいし、赤外線であってもよい。また、パーソナルコンピュータ2は、インターネットのようなネットワーク4を介して、管理サーバ3と通信可能である。
【0029】
外部記憶装置1には、再生用メディアデータと、再生プログラムと、出荷時設定のシリアル番号(固有識別番号)とが予め蓄積されている。
【0030】
再生用メディアデータは、視聴利用者に対して再生可能なマルチメディアコンテンツ(音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータを含む)であって、エンコード(暗号化)されたストリーミング形式のものである。従って、エンコードされたままの再生用メディアデータは、既存のメディアプレーヤでは再生できない。
【0031】
再生プログラムは、パーソナルコンピュータ2に対して、外部記憶装置1から取得したメディアデータを再生させると共に、管理サーバ3に対して、認証を要求し且つその結果に応じて再生用メディアデータの再生可否を制御する。本発明のシーケンスは、パーソナルコンピュータ2に搭載されたプロセッサを機能させる再生プログラムを実行することによって実現される。
【0032】
パーソナルコンピュータ2は、OS(Operating System)としてMicrosoft社製のWindows(登録商標)が実行されており、外部記憶装置1をドライブとして認識することできる。また、そのOSには、メディアプレーヤプログラムとして、例えばWindows Media Player(登録商標)が組み込まれている。
【0033】
パーソナルコンピュータ2は、外部記憶装置1に蓄積されている再生プログラムをインストールすることによって、専用常駐プログラムとして機能させる。その再生プログラムは、エンコードされたメディアデータをデコードするコード変換機能も備えている。
【0034】
パーソナルコンピュータ2で起動された再生プログラムは、外部記憶装置1に蓄積された再生用メディアデータに対して、ネットワーク的に接続する。従って、インターネットを介して、外部のサーバからメディアストリームをダウンロードしつつ再生する既存の方式と全く同様である。また、パーソナルコンピュータ2で起動された再生プログラムは、外部記憶装置1から再生用メディアデータをダウンロードしつつデコードし、そのメディアデータをメディアプレーヤへネットワーク的に転送する。
【0035】
本発明によれば、再生用メディアデータは、外部記憶装置1からパーソナルコンピュータ2へ転送される際でも、直接的に再生可能なデータとして存在していないので、セキュリティ効果を高めることができる。仮に再生途中で強制終了や電源断等が発生しても、デコードされた再生用メディアデータが残存することもない。
【0036】
本発明は、一実施形態として、例えば「可搬型動画教材クライアントシステム」に適用される。動画教材のサービス提供事業者は、視聴利用者に対して、外付けハードディスク装置(外部記憶装置1)のみを販売する。外付けハードディスク装置は、USBケーブルを介して、利用者が所持するパーソナルコンピュータに接続される。
【0037】
図3は、本発明における基本シーケンス図である。
【0038】
(S00)パーソナルコンピュータ2は、セットアッププログラムの起動によって、外部記憶装置1(認識されたドライブ)から再生プログラムを取得する。セットアッププログラムは、クライアントシステムとしてセットアップするために必要なインストーラ等が組み込まれたものである。インストール時には、パーソナルコンピュータ2のディスプレイには、以下のようなURL(Uniform Resource Locator)のショートカットアイコンが作成される。
[http://localhost:ポート番号/start]
【0039】
(S10)利用者が、表示されたそのアイコンをクリックした際に、パーソナルコンピュータ2は、外部記憶装置1へシリアル番号(固有識別番号)を要求する。これに対し、外部記憶装置1は、そのシリアル番号を、パーソナルコンピュータ2へ送信する。
【0040】
(S20)次に、パーソナルコンピュータ2で起動されている再生プログラムは、管理サーバ3へ、シリアル番号を含む認証要求を送信する。例えば、以下のようなURLへ遷移する。
[http://WebServer/login.html?user=会員番号 &snum=シリアル番号]
「WebServer」は、管理サーバ3を指し、「login.html」は、ログインページを指す。更に、「user=会員番号」及び「&snum=シリアル番号」が特定される。尚、会員番号及びシリアル番号は、特定の規則で暗号化されていることが好ましい。
【0041】
(S30)管理サーバ3は、そのシリアル番号に基づいて認証処理を実行する。サービス提供事業者がその外部記憶装置1を販売した際に、管理サーバ3には、そのシリアル番号が管理テーブルに記憶される。管理サーバ3は、パーソナルコンピュータ2から受信したシリアル番号が、管理テーブルに予め記憶されたシリアル番号と一致するか否かを判定する。両シリアル番号が一致した際に、管理サーバ3は、認証許可と判定する。
【0042】
管理サーバ3は、認証許可と判定した際に、外部記憶装置1に記憶された再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを生成する。ページデータは、例えばマークアップ言語に基づくWebページである。シリアル番号に応じて、その利用者が購入しているコンテンツ(例えば小学6年生用のコンテンツの受講料のみが納められている場合、そのコンテンツ)のみについて、再生操作可能なページデータを生成する。生成されたページデータは、パーソナルコンピュータ2へ送信される。
【0043】
(S40)パーソナルコンピュータ2は、そのページデータをディスプレイに表示し、利用者の再生操作を待つ。そのページデータには、例えば以下のようなURLのアイコンが含まれる。
[http://localhost:ポート番号/区分/ファイル名]
具体的に区分及びファイル名を挿入した場合、以下のようなURLとなる。
[http://localhost:ポート番号/hi/12345.wmv]
【0044】
利用者が、そのアイコンに対して再生操作を実行すると、パーソナルコンピュータ2は、外部記憶装置1に記憶されたその再生用メディアデータを取得する。再生用メディアデータは、エンコードされたメディアストリームであるので、パーソナルコンピュータ2は、その再生用メディアデータを取得しつつ、デコードしながら、メディアプレーヤによって再生する。
【0045】
図3に表された基本シーケンスを、現実のサービスに適用した場合、1つの検討事項がある。サービス提供事業者としては、管理サーバ3によって認証許可を与えた際に、利用者によって視聴されることを想定している。しかしながら、管理サーバ3から送信した再生操作用のページデータが、パーソナルコンピュータ2内で蓄積される場合がある。即ち、パーソナルコンピュータ2内にページデータが蓄積されたまま、利用者の認証有効期間が経過した場合、利用者におけるその後のページデータの操作によって、その再生用メディアデータの再生を許すこととなる。従って、以下の図4では、利用者の再生操作後であってメディアデータを再生する前に、再度、管理サーバ3における認証処理を実行するシーケンスが表されている。
【0046】
図4は、視聴利用者がコンテンツを再生する毎に認証処理を実行する更なるシーケンス図である。
【0047】
(S41)パーソナルコンピュータ2は、そのページデータをディスプレイに表示し、利用者の再生操作を待つ。このとき、ページデータには、再生可能なコンテンツが複数、アイコン表示されており、利用者は、いずれか1つのアイコンをクリックすることによってそのコンテンツを再生しようとする。
【0048】
(S42)1つのアイコンがクリックされた際に、即ち、利用者による再生操作が実行された際に、パーソナルコンピュータ2は、管理サーバ3へ、シリアル番号を含む認証要求を更に送信する。例えば、以下のようなURLへ遷移する。
[http://WebServer/check.html?user=会員番号 &snum=HDDシリアル番号 &file=区分/ファイル名]
具体的に区分及びファイル名を挿入した場合、以下のようなURLとなる。
[http://WebServer/check.html?user=1005&snum=30F4AC6D&file=hi/12345.wmv]
【0049】
(S43)管理サーバ3は、そのシリアル番号に基づいて認証処理を実行する。管理サーバ3は、パーソナルコンピュータ2から受信したシリアル番号が、管理テーブルに予め記憶されたシリアル番号と一致するか否かを判定する。両シリアル番号が一致した際に、管理サーバ3は、認証許可と判定する。
【0050】
管理サーバ3は、「認証許可」/「認証不可」の判定結果を、パーソナルコンピュータ2へ送信する。具体的には、以下のような文字列が、管理サーバ3からパーソナルコンピュータ2へ返信される。
「認証許可」: OK \n
「認証不可」: ERROR \n
【0051】
(S44)パーソナルコンピュータ2は、管理サーバ3から「認証許可」を受信した場合、外部記憶装置1に記憶されたその再生用メディアデータを取得し、再生する。
【0052】
図5は、メディアデータの追加/更新を可能とするシーケンス図である。
【0053】
図5によれば、外部記憶装置1には、シリアル番号に加えて、バージョン番号も記憶されている。このバージョン番号は、認証要求に含められ、パーソナルコンピュータ2から管理サーバ3へ送信される。例えば、S20では、以下のようなURLへ遷移する。
[http://WebServer/login.html?user=会員番号 &snum=シリアル番号
&ver=バージョン番号]
これによって、管理サーバ3は、外部記憶装置1に記憶されているモジュール(再生プログラム及び再生用メディアデータ)のバージョン番号も知ることができる。
【0054】
図3によって前述したS40のシーケンスについて、パーソナルコンピュータ2が、外部記憶装置1から再生用メディアデータを取得している際に、管理サーバ3は、追加/更新メディアデータをパーソナルコンピュータ2へ送信することができる。これによって、パーソナルコンピュータ2は、外部記憶装置1に蓄積された再生用メディアデータを更新して再生することができる。
【0055】
図3に表されたS50のシーケンスについて説明する。管理サーバ3は、利用者の外部記憶装置1に記憶されたモジュールが古いバージョンのものであると判断した場合、追加/更新通知をパーソナルコンピュータ2へ送信する。これに対して、パーソナルコンピュータ2は、モジュールの追加/更新が可能である場合、追加/更新要求を管理サーバ3へ送信する。これによって、管理サーバ3は、追加/更新されたモジュールを、パーソナルコンピュータ2へ送信する。パーソナルコンピュータ2は、受信したモジュールを外部記憶装置1へ転送し、記憶させる。これによって、外部記憶装置1に記憶されたモジュール(再生プログラム及び再生用メディアデータ)を更新することができる。
【0056】
以上、詳細に説明したように、本発明におけるメディアデータ再生方法、プログラム及びその外部記憶装置によれば、外販される外部記憶装置に記憶された再生用メディアデータを、コンテンツ販売事業者の認証に基づいてその再生を制御することができる。
【0057】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来技術におけるメディアデータを再生するシステム構成図である。
【図2】パーソナルコンピュータによって実行されるプログラムの機能構成図である。
【図3】本発明における基本シーケンス図である。
【図4】視聴利用者がコンテンツを再生する毎に認証処理を実行する更なるシーケンス図である。
【図5】メディアデータの追加/更新を可能とするシーケンス図である。
【符号の説明】
【0059】
1 外部記憶装置
2 パーソナルコンピュータ
3 管理サーバ
4 ネットワーク
5 コンテンツサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶装置と、該外部記憶装置が接続されたパーソナルコンピュータと、該パーソナルコンピュータとネットワークを介して接続される管理サーバとを有するシステムにおけるメディアデータの再生方法であって、
前記外部記憶装置は、固有識別番号及び再生用メディアデータを記憶しており、
前記パーソナルコンピュータが、前記外部記憶装置から前記固有識別番号を取得する第1のステップと、
前記パーソナルコンピュータが、前記管理サーバへ、前記固有識別番号を含む認証要求を送信する第2のステップと、
前記管理サーバが、前記固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、認証許可と判定した際に、前記外部記憶装置に記憶された前記再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを、前記パーソナルコンピュータへ送信する第3のステップと、
前記パーソナルコンピュータが、前記ページデータに対する利用者の再生操作に応じて、前記外部記憶装置に記憶された前記再生用メディアデータを取得しつつ再生する第4のステップと
を有することを特徴とするメディアデータの再生方法。
【請求項2】
前記外部記憶装置は、ハードディスク又はメモリデバイスであり、
前記固有識別番号は、前記外部記憶装置における出荷時設定のシリアル番号であり、
前記ページデータは、マークアップ言語に基づくWebページであり、
前記再生用メディアデータは、音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータである
ことを特徴とする請求項1に記載のメディアデータの再生方法。
【請求項3】
前記外部記憶装置は、前記パーソナルコンピュータが第1、第2及び第4のステップを実行するための再生プログラムを更に記憶しており、
前記パーソナルコンピュータは、前記外部記憶装置から前記再生プログラムを取得することによって動作する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のメディアデータの再生方法。
【請求項4】
前記外部記憶装置に記憶される前記再生用メディアデータは、エンコードされたストリーミング形式のものであり、
第4のステップについて、前記パーソナルコンピュータは、前記再生用メディアデータを取得しつつ、デコードしながら、再生することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のメディアデータの再生方法。
【請求項5】
第4のステップについて、
前記ページデータに対して前記再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、前記パーソナルコンピュータが、前記管理サーバへ、前記固有識別番号を含む認証要求を更に送信するステップと、
前記管理サーバが、前記固有識別番号に基づいて認証処理を実行するステップと、
前記管理サーバが、認証許可と判定した際に、前記再生用メディアデータの再生許可情報を、前記パーソナルコンピュータへ送信するステップと、
前記パーソナルコンピュータが、前記外部記憶装置に記憶された当該再生用メディアデータを再生するステップと
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のメディアデータの再生方法。
【請求項6】
外部記憶装置に接続され、且つ、ネットワークを介して管理サーバに接続されるパーソナルコンピュータについて、メディアデータを再生するように機能させる再生プログラムであって、
前記外部記憶装置には、固有識別番号及び再生用メディアデータが記憶されており、
前記外部記憶装置から前記固有識別番号を取得する第1のステップと、
前記管理サーバへ、前記固有識別番号を含む認証要求を送信する第2のステップと、
認証許可と判定された際に、前記管理サーバから、前記外部記憶装置に記憶された前記再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを受信する第3のステップと、
前記ページデータに対する利用者の再生操作に応じて、前記外部記憶装置に記憶された前記再生用メディアデータを取得しつつ再生する第4のステップと
してパーソナルコンピュータを実行させることを特徴とする再生プログラム。
【請求項7】
前記外部記憶装置は、ハードディスク又はメモリデバイスであり、
前記固有識別番号は、前記外部記憶装置における出荷時設定のシリアル番号であり、
前記ページデータは、マークアップ言語に基づくWebページであり、
前記再生用メディアデータは、音声データ、静止画像データ、動画像データ及び/又はテキストデータである
ようにパーソナルコンピュータを実行させることを特徴とする請求項6に記載の再生プログラム。
【請求項8】
前記外部記憶装置に記憶される前記再生用メディアデータは、エンコードされたストリーミング形式のものであり、
第4のステップについて、前記再生用メディアデータを取得しつつ、デコードしながら、再生するようにパーソナルコンピュータを実行させることを特徴とする請求項6又は7に記載の再生プログラム。
【請求項9】
第4のステップについて、
前記ページデータに対して前記再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、前記管理サーバへ、前記固有識別番号を含む認証要求を更に送信するステップと、
前記管理サーバから、認証許可/認証拒否を受信するステップと、
前記認証許可が受信された際に、前記外部記憶装置に記憶された当該再生用メディアデータを取得しつつ再生するステップと
してパーソナルコンピュータを実行させることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の再生プログラム。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載の再生プログラムと、固有識別番号と、再生用メディアデータとを記憶していることを特徴とする外部記憶装置。
【請求項11】
外部記憶装置が接続されたパーソナルコンピュータと、ネットワークを介して接続されるサーバに搭載されたコンピュータを機能させる管理プログラムであって、
前記パーソナルコンピュータから、前記外部記憶装置の前記固有識別番号を含む認証要求を受信する第1のステップと、
前記固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、認証許可と判定した際に、前記外部記憶装置に記憶された前記再生用メディアデータの再生操作のためのページデータを、前記パーソナルコンピュータへ送信する第2のステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とするサーバ用の管理プログラム。
【請求項12】
第2のステップについて、
前記ページデータに対して前記再生用メディアデータの再生操作が実行された際に、前記パーソナルコンピュータから、前記固有識別番号を含む認証要求を更に受信するステップと、
前記固有識別番号に基づいて認証処理を実行し、前記パーソナルコンピュータへ、認証許可/認証拒否を送信するステップと
してコンピュータを実行させることを特徴とする請求項11に記載のサーバ用の管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−277159(P2009−277159A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130224(P2008−130224)
【出願日】平成20年5月17日(2008.5.17)
【出願人】(502002946)株式会社ウインベック (1)
【Fターム(参考)】