説明

外食デリバリコールセンタシステム

【課題】 注文のFAXが届いている事に店舗では気がつかず、調理タイミングが遅れてしまう、また、厨房への調理指示の為にハンディーターミナルでオーダー入力を行うので業務を煩雑にしていた。
【解決手段】 コールセンタ1は、顧客20からのデリバリをクライアントPC2で受付け、その受注情報をDB3に出力する。DB3に蓄積されているデータに基づきデータサーバ4は注文データを特定の店舗10に送信する。なお、DB3は、顧客の基本情報を蓄積する顧客基本情報DB3aと店舗の情報を蓄積する店舗情報DB3bと、商品の情報を蓄積する商品情報DB3cから成っている。店舗10では、POS11で注文データを受信し、OESコントローラ13を介してこの注文データをOES18に送る。OES18では、キッチンプリンタ15から勘定伝票16が打ち出され、料理と共に顧客20に納入され、入金により完了となる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外食産業のデリバリ業態でのコールセンタシステムと店舗システム(POS、OES)を連動させた外食デリバリコールセンタシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】今やファミリーレストランや居酒屋等の飲食店では、店内での注文から会計までのスムーズなサービスを提供するためにOES(オーダーエントリーシステム)は欠かせない位置づけにまで発展している。OESは全国規模の大手ファミリーレストランチェーン店から小規模の飲食店まで採用されている。すなわち、外食産業の店舗では、お客様の注文から会計までをシステム化したOESを導入して営業しているのが一般的になっている。一方、“中食”と呼ばれる、調理加工された料理を家庭内で楽しむ市場が成長しており、外食各社は店舗の設備を有効利用して家庭に料理を届ける“デリバリ”の業態を実験的に開始しはじめている。
【0003】図4は、従来例における外食デリバリコールセンタシステムにおけるシステム構成図である。コールセンタ1は、顧客からのデリバリを受付けその受注情報を顧客DB6に出力するクライアントPC2と、顧客DB6に蓄積されているデータに基づき受注情報をISDN30を介して店舗10に送信するデータサーバ4等から構成されている。店舗10は、POS11、OES18、FAX12、POS11とFAX12とを切り替えるルータ19等から構成されている。なお、OES18は、OESコントローラ13,キッチンプリンタ,HT,無線通信用CS,有線転送ステーション等から構成されている。
【0004】図5は、従来例における業務の流れを示す説明図である。コールセンタ1での入電は、既に蓄積されている顧客データにヒットしたかどうかがチェックされる。続いて、お客様電話番号確認が行われる。電話番号が顧客DB6に登録されていない新規顧客に対しては、住所を確認し、配達エリアの確認を行い、エリア外であれば、受付を完了する。エリア内であれば、顧客情報が入力される。
【0005】電話番号が顧客DB6に登録されている既顧客、登録されていないが複数回線を使用している事業所などの既顧客及び顧客情報を入力した新規顧客に対して、メニュー、数量、金額確認等の注文受付けを開始する。受付けが完了するとFAXサーバへ領収書明細書(注文受付書)を送付する。
【0006】店舗10では、領収書明細書(注文受付書)をFAX受信する。料理を作成し、住所を地図で確認して配達する。料理と領収明細書の引き換えに現金を受領する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の外食デリバリコールセンタシステムでは、コールセンタ1で受注した際、店舗10への注文データはFAXにて行ない、店舗10ではFAX内容をOES18のHTによる再入力を行ない、調理指示を行なっていた。注文データのFAXが届いている事に店舗10では気がつかず、調理タイミングが遅れてしまうという問題があった。また、店舗10では厨房への調理指示の為にFAXでの注文をHTで入力し直す必要があり、業務を煩雑にしているという問題もあった。
【0008】本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、デリバリ受付のコールセンタ1と店舗10のPOS11、OES18を連動させ、FAXでの注文データをOES18のHTにより再入力する必要のない外食デリバリコールセンタシステムを提供することを目的とする。また、店舗10の繁忙状況をコールセンタ1で把握できる外食デリバリコールセンタシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】デリバリ受付のコールセンタ1は、顧客基本情報、店舗情報、商品情報をDB(データベース)3に蓄積し、距離、注文内容等によつて予め設定されている店舗10に注文データを送信する。店舗10は、POS11とOESコントローラ13を介してOES18のキッチンプリンタ15から勘定伝票16を印字する。注文品の納品の時に勘定伝票16も一緒に顧客20に渡される。代金の入金データはPOS11に入力される。従って、コールセンタ1で受注後、自動的に店舗10の厨房で勘定伝票16が印字され、情報伝達の迅速性・正確性・省力化に寄与することができる。一方、コールセンタ1では店舗10からの繁忙情報により、店舗10の繁忙状況を把握する事ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するために本発明の外食デリバリコールセンタシステムは、外食産業のデリバリ業態での、顧客20からの電話注文に対応するクライアントPC2と注文データに関する情報を蓄積するDB3とDB3からの情報に基づき自動的に注文情報を店舗10に送信するデータサーバ4等から構成されているコールセンタ1と、注文を総合的に管理するPOS11と注文から会計までをシステム化したOES18等から構成されている店舗10とを連動させた外食デリバリコールセンタシステムにおいて、前記DB3は、顧客の基本情報を蓄積する顧客基本情報DB3aと店舗の情報を蓄積する店舗情報DB3bと、商品の情報を蓄積する商品情報DB3cから構成されており、コールセンタ1からの注文データはHTを介することなくキッチンプリンタ15から印字されることに特徴を有している。
【0011】また、本発明の外食デリバリコールセンタシステムは、店舗10のPOS11とOES18は、調理中で未収である注文データの数を調べ、予め設定されている基準と前記未収注文データ数を照合して繁忙判定処理を行い、前記繁忙判定処理による繁忙情報をコールセンタ1に通報し、コールセンタ1はこの繁忙情報をステータス表示8に表示するように構成したことに特徴を有している。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例における業務全体の流れを示す説明図である。コールセンタ1は、顧客20からのデリバリをクライアントPC2で受付け、その受注情報をDB3に出力する。DB3に蓄積されているデータに基づきデータサーバ4は注文データを特定の店舗10に送信する。なお、DB3は、顧客の基本情報(例えば、電話番号,氏名,フリガナ,住所,建物種別,郵便番号,FAX番号,対象店舗,守衛室での行先記入等の特記事項)を蓄積する顧客基本情報DB3aと店舗の情報(例えば、店舗名,配達対象住所,電話番号,FAX番号,マネジャー名,特記事項)を蓄積する店舗情報DB3bと、商品の情報(例えば、メニューID,特選メニューなどの区分,メニュー,単価,オプション)を蓄積する商品情報DB3cから成っている。店舗10では、POS11で注文データを受信し、OESコントローラ13を介してこの注文データをOES18に送る。OES18では、キッチンプリンタ15により勘定伝票16が印字され、料理と共に顧客20に納入される。入金により完了となる。
【0013】図2は、本発明の実施例における第1の業務の流れを示す説明図である。1)コールセンタ1では、注文データを入力して注文データファイル5を作成する。注文データファイル5の内容は、注文データヘッダ部,メニュー部,単価部,サブメニュー部,住所等のメッセージ部である。ファイル転送の正常終了判断のためにダミーデータを別ファイルとして先の注文データファイル5と共に店舗10に送信する。通常、一つのコールセンタ1に10〜15ぐらいの店舗10が提携している。
【0014】2)店舗10でのPOS11は、注文データファイル5の監視処理を行う。すなわち、複数のデータファイル(1〜3)5はOES用送信電文作成処理が施され、OES用送信処理され、履歴データ12として保存される。3)店舗10でのOES18は、OESコントローラ13を介して、先のOES用送信処理された注文データファイル5に基づいて勘定伝票16を印字し、料理の手配を進める。勘定伝票16には伝票No,注文品名,個数,合計金額,得意先名,住所,電話番号等の必要事項が記載されている。すなわち、店舗10ではOES18により調理指示伝票が印字される。OES18のHTからの注文データと、コールセンタ1からの注文データは判断がつくようにデータ区分が変更されている。従って、コールセンタ1で受注後、自動的に店舗10の厨房で勘定伝票16が印字され、情報伝達の迅速性・正確性・省力化に寄与することができる。
【0015】図3は、本発明の実施例における第2の業務の流れを示す説明図である。
1)店舗10でのPOS11は、未収問合せ監視処理を行う。すなわち、未収問合せ処理がOESコントローラ13を介してOES18に対して行われる。
2)OES18では、注文ファイル14に基づき未収データNo送信データを作成処理し、未収データNo送信処理をPOS11に対して行う。
3)POS11は、予め設定されている基準と未収Noデータを照合して繁忙判定処理を行う。店舗ステータス送信処理により、店舗ステータスデータがコールセンタ1にファイル形式で転送される。なお、予め設定される基準は、数段階のステータスに分類するための未収伝票の数や監視期間であり、状況に応じて変更される。
【0016】4)転送された店舗ステータスデータは店舗ステータスファイル7に記憶され、ステータス表示8に繁忙状況が表示される。店舗10によつて、伝票が10枚とか、12枚で繁忙状況という指標がある。ステータス表示8におけるイメージとしては通常は緑になっているものが、例えば8伝票以上になったら黄色にし、例えば12伝票を超えたら赤にし、8伝票以下になるとまた緑にすることができる。従って、コールセンタ1では繁忙状況に基づき、顧客20からの注文に対して「忙しいので少々お時間を頂くことが有ります」というアナウンスが可能となる。また、自動的に他の店舗10に振り替えることも可能となる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の外食デリバリコールセンタシステムは、外食産業のデリバリ業態での、顧客20からの電話注文に対応するクライアントPC2と注文データに関する情報を蓄積するDB3とDB3からの情報に基づき自動的に注文情報を店舗10に送信するデータサーバ4等から構成されているコールセンタ1と、注文を総合的に管理するPOS11と注文から会計までをシステム化したOES18等から構成されている店舗10とを連動させた外食デリバリコールセンタシステムにおいて、前記DB3は、顧客の基本情報を蓄積する顧客基本情報DB3aと店舗の情報を蓄積する店舗情報DB3bと、商品の情報を蓄積する商品情報DB3cから構成されており、コールセンタ1からの注文データはHTを介することなくキッチンプリンタ15から印字されるので、また、本発明の外食デリバリコールセンタシステムは、店舗10のPOS11とOES18は、調理中で未収である注文データの数を調べ、予め設定されている基準と前記未収注文データ数を照合して繁忙判定処理を行い、前記繁忙判定処理による繁忙情報をコールセンタ1に通報し、コールセンタ1はこの繁忙情報をステータス表示8に表示するように構成したので次のような効果がある。すなわち、コールセンタで受注後、自動的に店舗の厨房で指示伝票が印字され、情報伝達の迅速性・正確性・省力化に寄与するシステムである。
・FAXによる調理指示がなくなり、業務を簡便にしている。
・このシステムを導入すると約10店舗あたりに1個所のコールセンターを構築すれば充分処理が可能で、“中食”市場への投資が効率的に行える。
・店舗厨房では通常店舗内での注文と同じオペレーションでデリバリの対応ができる。
・既に導入済みの店舗システム設備で、デリバリが実現できる。
・会計まで連動したシステムであり、現金管理も正しく行える。
・繁忙状況がコールセンタで把握できるので顧客への対応が適切に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における業務全体の流れを示す説明図である。
【図2】本発明の実施例における第1の業務の流れを示す説明図である。
【図3】本発明の実施例における第2の業務の流れを示す説明図である。
【図4】従来例における外食デリバリコールセンタシステムにおけるシステム構成図である。
【図5】従来例における業務の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
1 コールセンタ
2 クライアントPC
3 DB
3a 顧客基本情報DB
3b 店舗情報DB
3c 商品情報DB
4 データサーバ
5 注文データファイル
6 顧客DB
7 店舗ステータスファイル
8 ステータス表示
10 店舗
11 POS
12 履歴データ
13 OESコントローラ
14 注文ファイル
15 キッチンプリンタ
16 勘定伝票
17 FAX
18 OES
19 ルータ
20 顧客
30 ISDN

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外食産業のデリバリ業態(出前)での、顧客(20)からの電話注文に対応するクライアントPC(2)と注文データに関する情報を蓄積するDB(3)とDB(3)からの情報に基づき自動的に注文情報を店舗(10)に送信するデータサーバ(4)等から構成されているコールセンタ(1)と、注文を総合的に管理するPOS(11)と注文から会計までをシステム化したOES(18)等から構成されている店舗(10)とを連動させた外食デリバリコールセンタシステムにおいて、前記DB(3)は、顧客の基本情報を蓄積する顧客基本情報DB(3a)と店舗の情報を蓄積する店舗情報DB(3b)と、商品の情報を蓄積する商品情報DB(3c)から構成されており、コールセンタ(1)からの注文データはハンディターミナル(HT)を介することなくキッチンプリンタ(15)から印字されることを特徴とする外食デリバリコールセンタシステム。
【請求項2】 店舗(10)のPOS(11)とOES(18)は、調理中で未収である注文データの数を調べ、予め設定されている基準と前記未収注文データ数を照合して繁忙判定処理を行い、前記繁忙判定処理による繁忙情報をコールセンタ(1)に通報し、コールセンタ(1)はこの繁忙情報をステータス表示(8)に表示するように構成したことを特徴とする請求項1記載の外食デリバリコールセンタシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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