説明

多ピース基板の製造方法及び多ピース基板

【課題】ピース基板を切り取る際に生じる加工誤差を低減する。
【解決手段】第1の多ピース基板を構成するフレームとピース基板との接続部に、U字状の導体パターンを形成する。そして、第2の多ピース基板を構成するフレームとピース基板との接続部に、U字状の導体パターンを形成する。第1の多ピース基板の接続部に形成された導体パターンの内側の輪郭と、第2多ピース基板の接続部に形成された導体パターンの外側の輪郭は、一致している。これにより、第1の多ピース基板を構成するピース基板と、第2の多ピース基板を構成するピース基板の交換の際に、それぞれのピース基板を加工誤差なく切り取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多ピース基板の製造方法及び多ピース基板に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板の製造工程では、一体化されたピース基板からなるユニットに対して、エッチングや露光等の処理が行われる。
【0003】
例えば特許文献1には、ピース基板を収容するスペースを有するフレームと、当該フレームとは別のフレームから切り出された複数のピース基板とからなる多ピース基板が開示されている。この多ピース基板を構成するピース基板は、所定の品質検査をクリアした健全なピース基板である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−23657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された多ピース基板では、すべてのピース基板が健全(良品質なもの)である。このため、多ピース基板の製造工程では、当該多ピース基板を構成するピース基板に対して、同時にエッジングや露光等の処理を行うことで、製品の歩留まりが向上する。
【0006】
しかしながら、この種の多ピース基板を構成するピース基板は、機械加工によって他のフレームや基材等から切り離される。このため、別々に切り取った複数のピース基板を、再度共通のフレームに接続すると、機械加工誤差によって、ピース基板相互間の実際の位置関係と、設計上の位置関係とに差が生じることがある。この場合、多ピース基板を構成するピース基板それぞれに、設計上の位置関係を考慮して電子部品を実装したり、ビルドアップ層を形成すると、電子部品の実装不良等が生じることが考えられる。
【0007】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ピース基板を切り取る際に生じる加工誤差を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る多ピース基板の製造方法は、
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第1フレームを準備することと、
前記第1フレームとは別の第2フレームに接続された前記第1ピース基板に、前記第2フレームとの接続箇所での輪郭が、前記第1フレームの前記接続部の外縁と一致する導体パターンを形成することと、
前記第2フレームと、前記第1ピース基板の前記導体パターンとの境界にレーザ光を照射して、前記第2フレームから前記第1ピース基板を切り離すことと、
前記第2フレームから切り離されることによって、前記第1ピース基板に形成された嵌合部を、前記第1フレームの前記接続部に嵌合することと、
を含む。
【0009】
本発明の第2の観点に係る多ピース基板の製造方法は、
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第2ピース基板を準備することと、
前記第1ピース基板同士を連結する第1連結部に、輪郭が前記接続部の外縁と一致する第1導体パターンを形成することと、
前記第1導体パターンと前記第1連結部との境界にレーザ光を照射して、前記第1ピース基板同士を切り離すことと、
前記第1ピース基板が切り離されることによって、前記第1ピース基板に形成された嵌合部を、前記第2ピース基板の接続部に嵌合することと、
を含む。
【0010】
本発明の第3の観点に係る多ピース基板は、
接続部が形成された第1フレームと、
前記第1フレーム以外の第2フレームから切り離された第1ピース基板と、
を有する多ピース基板であって、
前記第1ピース基板は、前記第1フレームに形成された前記接続部に嵌合する嵌合部の外縁に、前記第1フレームに形成された前記接続部の外縁と輪郭が一致する導体パターンが形成されている。
【0011】
本発明の第4の観点に係る多ピース基板は、
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第2ピース基板と、
嵌合部が前記接続部に嵌合した第1ピース基板と
を有する多ピース基板であって、
前記嵌合部は、第1連結部によって連結された第1ピース基板同士を、前記第1連結部に形成され、輪郭が前記接続部の外縁と一致する第1導体パターンの境界に沿って切り離すことによって形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ピース基板がフレームや他のピース基板から切り放される際に、導体パターンの外縁に沿って接続箇所が切り離される。これにより、ピース基板を切り取る際に生じる加工誤差が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多ピース基板の平面図である。
【図2】ワークに形成された多ピース基板を示す図である。
【図3】多ピース基板を示す平面図である。
【図4】多ピース基板を構成するピース基板を示す図である。
【図5】ワークに形成された多ピース基板を示す図である。
【図6】多ピース基板を示す平面図である。
【図7】多ピース基板を構成するピース基板を示す図である。
【図8】多ピース基板に対する一連の処理を示す図である。
【図9】ピース基板をフレームから切り取るための処理を説明するための図である。
【図10】フレームから切り取られたピース基板の嵌合部を示す図である。
【図11】多ピース基板に対する一連の処理を示す図である。
【図12】ピース基板をフレームから切り取るための処理を説明するための図である。
【図13】フレームに形成された凹部を示す図である。
【図14】多ピース基板にピース基板を嵌め込むための処理を説明するための図である。
【図15】多ピース基板にピース基板を嵌め込むための処理を説明するための図である。
【図16】ピース基板が嵌め込まれた多ピース基板についてのプレス処理を説明するための図である。
【図17】ピース基板が嵌め込まれた多ピース基板についての平坦度検査を説明するための図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る多ピース基板を示す図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る多ピース基板を示す図である。
【図20】多ピース基板からピース基板を取り外すための処理を説明するための図である。
【図21】多ピース基板からピース基板を取り外すための処理を説明するための図である。
【図22】多ピース基板にピース基板を嵌め込むための処理を説明するための図である。
【図23】導体パターンの変形例を示す図である。
【図24】導体パターンの変形例を示す図である。
【図25】ワークに形成された多ピース基板を示す図である。
【図26】フレームの変形例を示す図である。
【図27】フレームの変形例を示す図である。
【図28】ピース基板に形成される導体パターンの変形例を示す図である。
【図29】フレームに形成される導体パターンの変形例を示す図である。
【図30】導体パターンの変形例を示す図である。
【図31】フレームとピース基板との接着要領を説明するための図である。
【図32】多ピース基板に形成される凹部を示す図である。
【図33】多ピース基板に形成される凹部を示す図である。
【図34】ピース基板に形成される導体パターンを示す図である。
【図35】導体パターンの形成方法を説明するための図である。
【図36】導体パターンの形成方法を説明するための図である。
【図37】導体パターンの形成方法を説明するための図である。
【図38】導体パターンの形成方法を説明するための図である。
【図39】多ピース基板の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1には、本実施形態に係る多ピース基板10が示されている。この多ピース基板10は、フレーム31a,31bと、ピース基板22a,32a,32b,32dを有している。3つのピース基板32a,32b,32dは、フレーム31a,31bと一体になっている。そして、ピース基板22aは、フレーム31a,31bとは別に製造された後、フレーム31a,31bに取り付けられたものである。
【0015】
以下、本実施形態に係る多ピース基板10の製造方法について説明する。まず、図2に示されるように、ワーク100に、複数(例えば8枚)の多ピース基板20を形成する。多ピース基板20は、図3に示されるように、フレーム21a,21bと、4つのピース基板22a,22b,22c,22dと、を有する。
【0016】
フレーム21a,21bは、4つのピース基板22a〜22dを挟む2本の細長い棒状の部分である。フレーム21a,21bは、例えばピース基板22a〜22dと同質の材料からなり、これらのピース基板22a〜22dと一体化している。フレーム21a,21bは、例えば周知のフォトリソグラフィ技術を用いて製造される。
【0017】
ピース基板22a〜22dそれぞれは、矩形状のリジット配線基板である。ピース基板22a〜22dそれぞれは、例えば電子機器の回路を含む。ピース基板22a〜22dは、積層配線基板の一般的な製造方法により、例えばガラス布、アラミド繊維の不織布、又は紙等の基材に、未硬化のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、又はフェノール系樹脂等を含浸させたプリプレグを積層させることで、製造することができる。
【0018】
フレーム21aとピース基板22a〜22dそれぞれとは、1組の支持部23aを介して接続されている。また、フレーム21bとピース基板22a〜22dそれぞれとは、1組の支持部23bを介して接続されている。
【0019】
図4は、ピース基板22aを拡大して示す図である。図4に示されるように、ピース基板22aとフレーム21aとを接続する支持部23aには、U字状にパターニングされた導体パターン25が形成されている。また、ピース基板22aとフレーム21bとを接続する支持部23bには、U字状にパターニングされた導体パターン26が形成されている。
【0020】
同様に、ピース基板22b〜22dとフレーム21aとを接続する支持部23aには、U字状にパターニングされた導体パターン25が形成されている。また、ピース基板22b〜22dとフレーム21bとを接続する支持部23bには、U字状にパターニングされた導体パターン26が形成されている。
【0021】
導体パターン25,26は、支持部23a,23bの表面に、無電解めっき処理、及び電界めっき処理を行うことにより、めっき膜を形成し、このめっき膜をパターニングすることにより、形成することができる。
【0022】
上述した多ピース基板20は、単一のワーク100に形成される。そして、ワーク100に形成された複数の多ピース基板20は、それぞれアライメントルータ等によって切り出される。
【0023】
次に、図5に示されるように、ワーク100に、複数(例えば8枚)の多ピース基板30を形成する。多ピース基板30は、図6に示されるように、フレーム31a,31bと、4つのピース基板32a,32b,32c,32dと、を有する。
【0024】
フレーム31a,31bは、4つのピース基板32a〜32dを挟む2本の細長い棒状の部分である。フレーム31a,31bは、例えばピース基板32a〜32dと同質の材料からなり、これらのピース基板32a〜32dと一体化している。フレーム31a,31bは、例えば周知のフォトリソグラフィ技術を用いて製造される。
【0025】
ピース基板32a〜32dそれぞれは、上述したピース基板22a〜22dと同様に、矩形状のリジット配線基板である。
【0026】
フレーム31aとピース基板32a〜32dそれぞれとは、1組の支持部33aを介して接続されている。また、フレーム31bとピース基板32a〜32dそれぞれとは、1組の支持部23bを介して接続されている。
【0027】
図7は、ピース基板32aを拡大して示す図である。図7に示されるように、ピース基板32aとフレーム31aとを接続する支持部33aには、U字状にパターニングされた導体パターン35が形成されている。また、ピース基板32aとフレーム31bとを接続する支持部33bには、U字状にパターニングされた導体パターン36が形成されている。
【0028】
同様に、ピース基板32b〜32dとフレーム31aとを接続する支持部33aには、U字状にパターニングされた導体パターン35が形成されている。また、ピース基板32b〜32dとフレーム31bとを接続する支持部33bには、U字状にパターニングされた導体パターン36が形成されている。
【0029】
導体パターン35,36は、支持部23a,23bの表面に、無電解めっき処理、及び電界めっき処理を行うことにより、めっき膜を形成し、このめっき膜をパターニングすることにより、形成することができる。この導体パターン35の内側の輪郭は、例えば図4に示される導体パターン25の外側の輪郭と一致する。また、導体パターン36の内側の輪郭は、導体パターン26の外側の輪郭と一致する。
【0030】
上述した多ピース基板30は、単一のワーク100に形成される。そして、ワーク100に形成された複数の多ピース基板30は、それぞれアライメントルータ等によって切り出される。
【0031】
次に、多ピース基板20について、図8に示される一連の処理を実行する。
【0032】
まず、ステップS101では、多ピース基板20を構成するピース基板22a、22b、22c、22dについて、それぞれ通電検査を実施する。そして、ステップS102で、ピース基板22a〜22dの中に、異常のあるピース基板があったか否かを判断する。通電検査で、全てのピース基板に異常がなく、健全であると判断された場合には(ステップS102:No)、図8の処理を終了する。一方、いずれかのピース基板に異常があると判断された場合は(ステップS102:Yes)、ステップS103へ進む。ここでは、ピース基板22bに異常があると判断されたものとする。
【0033】
ステップS103では、多ピース基板20から、異常が見つかったピース基板以外の健全なピース基板を切り取る。具体的には、異常が見つかったピース基板22b以外の健全なピース基板22a,22c,22dを、レーザを用いて切り取る。このレーザとしては、例えばCOレーザを用いることが考えられる。
【0034】
図9に、ピース基板22aをフレーム21aから切り取る様子を示す。図9に示されるように、ピース基板22aをフレーム21aから切り取る際には、レーザ光LBを、導体パターン25の外側とフレーム21aとの境界に照射する。この状態のときには、レーザ光LBのビームスポットは、導体パターン25とフレーム21aに渡って形成される。そして、レーザ光LBのビームスポットが、導体パターン25とフレーム21aとの境界上を矢印に沿って移動するように、レーザ光LBを多ピース基板20に対して相対的に移動させる。これにより、導体パターン25によって被覆されていない支持部23aを構成する部分が溶解し、ピース基板22aが、フレーム21aから切り離される。
【0035】
ピース基板22aを多ピース基板20から切り取る場合には、上述の処理を、フレーム21aとピース基板22aとを接続している一対の支持部23aと、フレーム21bとピース基板22aとを接続している一対の支持部23bとに行う。これにより、ピース基板22aが、多ピース基板20から切り取られる。
【0036】
図10に、多ピース基板20から切り取られたピース基板22aを示す。この図10及び図1を参照するとわかるように、切り離されたピース基板22aに残る、導体パターン25に縁取られた一対の支持部23aは、図1に示されるフレーム31aに形成された凹部37aに嵌合される嵌合部27aとなる。また、切り離されたピース基板22aに残る、導体パターン26に縁取られた一対の支持部23bは、図1に示されるフレーム31bに形成された凹部37bに嵌合される嵌合部27bとなる。
【0037】
図10に示されるように、ピース基板22aに形成された嵌合部27aの輪郭は、導体パターン25の外側の輪郭とほぼ一致する。嵌合部27aの側面は平坦度が比較的高い平面となる。同様に、ピース基板22aに形成された嵌合部27bの輪郭は、導体パターン26の外側の輪郭とほぼ一致する。支持部23bの側面は平坦度が比較的高い平面となる。
【0038】
多ピース基板20からピース基板22aを切り取ったときに行った処理と同様の処理を繰り返し行うことによって、多ピース基板20から、ピース基板22b以外のピース基板22c,22dを順次切り取る。異常が見つかったピース基板以外の健全なピース基板の切り取りが終わったら、多ピース基板20への処理を終了する。そして、多ピース基板30について、図11に示す一連の処理を実行する。
【0039】
まず、ステップS201では、多ピース基板30を構成するピース基板32a、32b、32c、32dについて、それぞれ通電検査を実施する。そして、ステップS202で、ピース基板32a〜32dの中に、異常のあるピース基板があったか否かを判断する。通電検査で、全てのピース基板に異常がなく、健全であると判断された場合には(ステップS202:No)、図11の処理を終了する。一方、いずれかのピース基板に異常があると判断された場合は(ステップS202:Yes)、ステップS203へ進む。ここでは、ピース基板32cに異常があると判断されたものとする。
【0040】
ステップS203では、多ピース基板30から、異常が見つかったピース基板を切り取る。具体的には、異常が見つかったピース基板32cを、レーザを用いて切り取る。
【0041】
図12に、ピース基板32cをフレーム31aから切り取る様子を示す。図12に示されるように、ピース基板32cをフレーム31aから切り取る際には、レーザ光LBを、導体パターン35の内側とフレーム31aとの境界に照射する。この状態のときには、レーザ光LBのビームスポットは、導体パターン35とフレーム31aに渡って形成される。そして、レーザ光LBのビームスポットが、導体パターン35とフレーム31aとの境界上を矢印に沿って移動するように、レーザ光LBを多ピース基板30に対して相対的に移動させる。これにより、導体パターン35によって被覆されていない支持部33aを構成する部分が溶解し、ピース基板32cが、フレーム31aから切り離される。
【0042】
ピース基板32cを多ピース基板30から切り取る場合には、上述の処理を、フレーム31aとピース基板32cとを接続している一対の支持部33aと、フレーム31bとピース基板32cとを接続している一対の支持部33bとに行う。これにより、ピース基板32cが、多ピース基板20から切り取られる。
【0043】
図13に、ピース基板32cが切り取られた後のフレーム31aを示す。この図13及び図1を参照するとわかるように、フレーム31aには、ピース基板32cが切り取られることによって、1対の凹部37aと一対の凹部37bが形成される。これらの凹部37a,37bの輪郭は、導体パターン35,36の内側の輪郭とほぼ一致する。また、凹部37a,37bの内壁面は平坦度が比較的高い平面となる。そして、この凹部37a,37bは、ピース基板の嵌合部27a,27bが接続される接続部となる。
【0044】
異常が見つかったピース基板の切り取りが終わったら、次のステップS204で、多ピース基板20から取り外した任意の健全なピース基板を、多ピース基板30へ嵌め込む。例えば図14を参照するとわかるように、多ピース基板30からピース基板32cを切り取った場合には、ピース基板32cがあった位置に、ピース基板22aを嵌め込む。
【0045】
図14及び図15を参照するとわかるように、ピース基板22aに形成された一対の嵌合部27aを、多ピース基板30を構成するフレーム31aの凹部37aにそれぞれはめ込む。そして、ピース基板22aに形成された一対の嵌合部27bを、多ピース基板30を構成するフレーム31bに形成された凹部37bにそれぞれ嵌め込む。これにより、図1に示されるように、フレーム31a,31bと、ピース基板22aが一体化する。
【0046】
次に、ステップS205で、図16に示されるように、プレス機305により、多ピース基板10をプレスして、多ピース基板10を構成するフレーム31a,31bと、ピース基板22aに形成された嵌合部27a,27bとの接続箇所を押さえて表面を平坦化する。
【0047】
次に、ステップS206で、図17に示されるように、レーザ変位計306を用いて、多ピース基板10の平坦度を検査する。そして、ステップS207で、平坦度が良好であるか否かを判断する。ステップS207で平坦度が良好でないと判断された場合には(ステップS207:No)、ステップS205に戻り、以降、ステップS205〜ステップS207の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップS207で平坦度が良好であると判断された場合には(ステップS207:Yes)、ステップS208で、多ピース基板10を構成するフレーム31a,31bに形成された凹部37a,37bと、ピース基板22aに形成された嵌合部27a,27bとの境界に、紫外線硬化性を有する接着材を塗布する。この接着材は、多ピース基板10を構成するフレーム31a,31bに形成された凹部37a,37bの内壁面と、ピース基板22aに形成された嵌合部27a,27bの側面との間に進入する。
【0049】
次に、ステップS209で、フレーム31a,31bと、ピース基板22aに形成された嵌合部27a,27bに紫外線を照射する。これにより、塗布された接着材が硬化し、フレーム31a,31bとピース基板22aが強固に接着され、図1に示される多ピース基板10が完成する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、図3に示されるように、多ピース基板20を構成するフレーム21a,21bとピース基板22a〜22dとを接続する支持部23a,23bに、U字状の導体パターン25,26が形成されている。また、図6に示されるように、多ピース基板30を構成するフレーム31a,31bとピース基板32a〜32dとを接続する支持部33a,33bに、U字状の導体パターン35,36が形成されている。そして、多ピース基板20の支持部23a,23bに形成された導体パターン25,26の外側の輪郭と、多ピース基板30の支持部33a,33bに形成された導体パターン35,36の内側の輪郭とが一致している。
【0051】
このため、多ピース基板20からピース基板22a〜22dを切り離すことによる切り取り誤差と、多ピース基板30からピース基板32a〜32dを切り離すことによる切り取り誤差の発生が抑制される。つまり、多ピース基板20からピース基板22a〜22dを切り離すことによってピース基板22a〜22dに形成される嵌合部27aの輪郭と、多ピース基板30からピース基板32a〜32dを切り離すことによって多ピース基板30を構成するフレーム31a,31bに形成される凹部37a,37bの輪郭とがほぼ一致した形状になる。
【0052】
これにより、例えば多ピース基板30を構成するピース基板32a〜32dから異常のあるピース基板32cを切り取り、代わりに多ピース基板20から切り取った健全なピース基板22aを多ピース基板30に取り付ける際に、多ピース基板30のフレーム31a,31bに形成された凹部37a,37bに、多ピース基板20から切り取ったピース基板22aの嵌合部27a,27bが、隙間なく嵌合する。したがって、異常の見つかったピース基板32cが配置されていた位置に、健全なピース基板22aを正確に配置することができる。その結果、ピース基板の交換が行われた多ピース基板ついて、各ピース基板に精度良く、導体パターンをビルドアップしたり、電子部品を実装することが可能となる。
【0053】
本実施形態では、多ピース基板20からピース基板22a〜22dを切り離すことによってピース基板22a〜22dに形成される嵌合部27aの輪郭と、多ピース基板30からピース基板32a〜32dを切り離すことによって多ピース基板30を構成するフレーム31a,31bに形成される凹部37a,37bの輪郭とがほぼ一致した形状になる。このため、ピース基板を交換する際に、多ピース基板30のフレーム31a,31bに形成された凹部37a,37bに、多ピース基板20から切り取ったピース基板22aの嵌合部27a,27bが、隙間なく嵌合する。したがって、接着材を用いない場合であっても、フレーム31a,31bにピース基板を、かしめによって、ある程度強固に取り付けることができる。なお、接着材を用いることで、ピース基板22aとフレーム31a,31bとの接続がより強固になる。
【0054】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いる。なお、説明にあたっては、適宜、相互に直交するX軸及びY軸からなる座標系を用いる。
【0055】
図18は、第2の実施形態に係る多ピース基板20Aを示す図である。多ピース基板20Aは、当該多ピース基板を構成するピース基板22a〜22dが、連結部23cによって、X軸方向に連結されている点で、第1の実施形態に係る多ピース基板20と異なっている。
【0056】
図18に示されるように、多ピース基板20Aのピース基板22a〜22dそれぞれは、隣接するピース基板と、連結部23cによって接続された状態で、ワーク100から切り出される。この多ピース基板20Aのピース基板22a〜22dそれぞれを連結する連結部23cの表面には、連結部23cの中心を挟んで平行に配置された1組の導体パターン40が形成されている。これら1組の導体パターン40それぞれは、相互に形状及び大きさが同じで、当該導体パターン40の幅と等しい距離離間している。
【0057】
導体パターン40は、連結部23cの表面に、無電解めっき処理、及び電界めっき処理を行うことにより、めっき膜を形成し、このめっき膜を、Y軸方向を長手方向とする長方形にパターニングすることにより、形成することができる。この導体パターン40は、連結部23cをY軸方向に横切るように形成されている。
【0058】
図19は、第2の実施形態に係る多ピース基板30Aを示す図である。多ピース基板30Aは、当該多ピース基板を構成するピース基板32a〜32dが、連結部33cによって、X軸方向に連結されている点で、第1の実施形態に係る多ピース基板30と異なっている。
【0059】
図19に示されるように、多ピース基板30Aのピース基板32a〜32dそれぞれは、隣接するピース基板と、連結部33cによって接続された状態で、ワーク100から切り出される。この多ピース基板30Aのピース基板32a〜32dそれぞれを連結する連結部33cの表面には、導体パターン41が形成されている。導体パターン41は、導体パターン40と形状及び大きさが等しい。そして、この導体パターン41は、連結部33cの中心に、連結部33cを2分するように配置されている。
【0060】
導体パターン41は、連結部33cの表面に、無電解めっき処理、及び電界めっき処理を行うことにより、めっき膜を形成し、このめっき膜を、Y軸方向を長手方向とする長方形にパターニングすることにより、形成することができる。この導体パターン41は、連結部33cをY軸方向に横切るように形成されている。
【0061】
上述のように構成された多ピース基板20A、及び多ピース基板30Aは、ワークから切り出された後、通電検査に付される。通電検査の結果、多ピース基板30Aを構成するピース基板32a〜32dのうちのいずれかから異常が見つかった場合は、異常のあるピース基板と、多ピース基板20Aを構成する健全なピース基板とを交換する。
【0062】
例えば、図18に示されるように、多ピース基板20Aでは、ピース基板22c,22dに異常が見つかり、図19に示されるように、多ピース基板30Aでは、ピース基板32bに異常が見つかった場合は、多ピース基板30Aから、異常のあるピース基板32bを取り外し、代わりに、多ピース基板20Aから取り外した健全なピース基板22bを、多ピース基板30Aに嵌め込む。以下、ピース基板を交換する手順について説明する。
【0063】
まず、多ピース基板20Aからピース基板22bを取り外す。ピース基板22bの取り外しの際は、図20に示されるように、1組の導体パターン40のうち、ピース基板22bに近いほうの導体パターン40が、ピース基板22bから切り離されないように、ピース基板22bを両側のピース基板22a,22cから切り離す。
【0064】
具体的には、図18の矢印に示されるように、1組の導体パターン40のうち、ピース基板22bに近い方の導体パターン40の外側の縁に沿って、レーザ光のビームスポットが移動するように、レーザ光を多ピース基板20Aに対して相対移動させる。これにより、レーザ光のビームスポットは、図18の矢印に沿って移動し、ピース基板22bが、両側のピース基板22a,22cから切り離される。
【0065】
図20に示されるように、多ピース基板20Aからピース基板22bが取り外されることで、当該ピース基板22bの両側に、導体パターン40が残る突出部40aがそれぞれ形成される。
【0066】
次に、多ピース基板30Aからピース基板32bを取り外す。ピース基板32bの取り外しの際は、図21に示されるように、導体パターン41が、ピース基板32bの両側に位置していたピース基板32a,32cに残るように、ピース基板32bをピース基板32a,32cから分離する。
【0067】
具体的には、図19の矢印に示されるように、導体パターン40の縁のうち、ピース基板32bに近い方の導体パターン40の縁に沿って、レーザ光のビームスポットが移動するように、レーザ光を多ピース基板30Aに対して相対移動させる。これにより、レーザ光のビームスポットは、図19の矢印に沿って移動し、ピース基板32bが、両側のピース基板32a,32cから切り離される。
【0068】
図21に示されるように、多ピース基板30Aからピース基板32bが取り外されることで、当該ピース基板32bの両側に位置していたピース基板32a,32cに、導体パターン41が残る突出部41aがそれぞれ形成される。
【0069】
次に、図22に示されるように、多ピース基板20Aから取り外したピース基板22bを、多ピース基板30Aに嵌め込む。具体的には、ピース基板22bを、2つのピース基板32a,32bの間に押し込んで、フレーム31a,31bに形成された凹部37a,37bそれぞれに、ピース基板22bの嵌合部27a,27bを嵌め込む。そして、ピース基板22bの一対の突出部40aが、ピース基板32a,32cそれぞれの突出部41aに接した状態にする。
【0070】
次に、ピース基板22bの嵌合部27a,27bそれぞれと、フレーム31a,31bとを接着するとともに、ピース基板22bの突出部40aと、ピース基板32a,32cの突出部41aとを接着する。これにより、健全なピース基板だけで形成される多ピース基板が完成する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では、突出部40a,41aが接続されることで、健全なピース基板同士が連結される。したがって、ピース基板同士を精度よく位置決めすることができる。
【0072】
本実施形態では、多ピース基板20Aの連結部23cに形成された導体パターン40と、多ピース基板30Aの連結部33cに形成された導体パターン41が、長方形である場合について説明した。これに限らず、導体パターン40,41の形状は、例えば、図23及び図24に示されるように、長方形以外の形状であってもよい。このような形状とすることで、突出部40a,41a同士を嵌合させることが可能である。
【0073】
本実施形態では、多ピース基板20Aから取り外した健全なピース基板22bを、多ピース基板30Aのピース基板32bと交換した場合について説明した。これに限らず、例えば図25に示されるように、ピース基板22bに相当するピース基板22xを、ワーク100に形成してもよい。多ピース基板30Aのピース基板32a〜32dのいずれかに異常が見つかった場合は、これらのピース基板22xをそれぞれ切り出して、多ピース基板30Aのピース基板と交換することで、健全なピース基板のみからなる多ピース基板を製造することができる。
【0074】
本実施形態では、図18、及び図19に示されるように、多ピース基板20Aでは、ピース基板22a〜22dが、フレーム21a,21bにそれぞれ接続され、多ピース基板30Aでは、ピース基板32a〜32dが、フレーム31a,31bにそれぞれ接続されている場合について説明した。これに限らず、相互に連結されたピース基板22a〜22dから多ピース基板が構成されていてもよい。また、相互に連結されたピース基板32a〜32dのみから多ピース基板が構成されていてもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0076】
例えば上記実施形態では、多ピース基板20から切り離した健全なピース基板22bを、多ピース基板30に取り付けることにより、すべてのピース基板が健全な多ピース基板10を製造する場合について説明した。これに限らず、切り離したピース基板を、別途製造したフレームに取り付けることとしてもよい。
【0077】
例えば図26に示されるように、多ピース基板20から切り離された健全なピース基板22xを、別途製造された一対のフレーム51a,51bに取り付けて、1枚の多ピース基板を製造してもよい。また、図27に示されるように、多ピース基板20から切り離された健全なピース基板22xを、別途製造された単一のフレーム53に取り付けて、1枚の多ピース基板を製造してもよい。
【0078】
上記実施形態では、多ピース基板20を構成するピース基板22a〜22dの嵌合部27a,27bを縁取る導体パターン25,26が、U字状である場合について説明した。これに限らず、導体パターン25,26の形状は任意に決定することができる。例えば、図28に示されるように、導体パターン25,26は、フレーム21a,21bと、ピース基板22aとの支持部23a,23bの全てを覆うような形状であってもよい。
【0079】
上記実施形態では、多ピース基板30のフレーム31a,31bに形成される凹部37a,37bを縁取る導体パターン35,36が、U字状である場合について説明した。これに限らず、導体パターン35,36の形状は任意に決定することができる。例えば、図29に示されるように、導体パターン35,36は、フレーム31a,31bのほぼ全体を覆うような形状であってもよい。
【0080】
上記実施形態では、例えば図15に示されるように、ピース基板22aに形成された嵌合部27aの外縁全部に沿う導体パターン25が形成され、フレーム31aに形成された凹部37aの外縁全部に沿う導体パターン35が形成されている場合について説明した。これに限らず、例えば図30に示されるように、ピース基板22aの嵌合部27aの外縁に沿って、複数の部分パターンからなる導体パターン35を形成してもよい。また、フレーム31aの凹部37aの外縁に沿って、複数の部分パターンからなる導体パターン35を形成してもよい。
【0081】
図30に示されるように、嵌合部27aに形成される部分パターンの位置と、フレーム31aに形成される部分パターンの位置は対応している。これにより、ピース基板22aの嵌合部27aと、フレーム31aに形成された凹部37aとの位置関係が正確に規定され、結果的にフレーム31aとピース基板22aとが正確に位置決めされる。
【0082】
上記実施形態では、ピース基板22a〜22dに形成された嵌合部27a,27bの内壁面と、フレーム31a、31bに形成された凹部37a,37bの内壁面との間に充填された接着材によって、ピース基板22a〜22dとフレーム31a、31bとが接着される場合について説明した。これに限らず、例えば図31に示されるように、ピース基板22aの嵌合部27aとフレーム31aに渡る凹部60を形成し、この凹部60に充填される接着材によって、ピース基板22aとフレーム31aを接着することとしてもよい。
【0083】
この凹部60は、図31に示されるように、ピース基板22aをフレーム31aに嵌め込んだあとに、例えばドリル等で形成することが考えられる。また、図32に示されるように、多ピース基板20のフレーム21a,21bからピース基板22a〜22dを切り離す前に、予め凹部60aを形成しておく。同様に、図33に示されるように、多ピース基板30のフレーム31a,31bからピース基板32a〜32dを切り離す前に、予め凹部60bを形成しておく。そして、フレーム31a,31bにピース基板22a〜22dを嵌め込むことによって、ピース基板22a〜22dに形成された凹部60aの一部と、フレーム31a,31bに形成された凹部61bの一部とで、図31に示される凹部60が形成されるようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態では、ピース基板の上面に嵌合部或いは凹部を縁取る導体パターン25,26,35,36が形成されている場合について説明した。これに限らず、ピース基板には、一例として図34に示されるように、上記導体パターン25,26,35,36以外の導体パターン50が形成されていてもよい。この導体パターン50は、ピース基板22aに実装される電子部品と電気的に接続されるパッドを含んでいる。これらの導体パターン25,26,35,36,50は、例えば多ピース基板20及び多ピース基板30の表面に同時に形成される。以下、図面を参照しつつ説明する。
【0085】
まず、表面に導体パターンが形成される前の多ピース基板20の表面に、Pd等を主成分とする触媒を塗布する。これにより、多ピース基板20の表面に触媒が付着する。次に、多ピース基板20を、無電解銅めっき液に浸漬する。これにより、図35に示されるように、多ピース基板20の表面に、無電解めっき膜205が形成される。
【0086】
次に、無電解めっき膜205の表面それぞれに、感光性ドライフィルム301をラミネートする。そして、感光性ドライフィルム301に、それぞれ所定のパターンが形成されたマスクフィルムを密着させた後に、感光性ドライフィルム301を紫外線で露光する。続いて、感光性ドライフィルム301に対して、アルカリ水溶液を用いた現像を行う。これにより、図36に示されるように、多ピース基板20の表面にパターニングされた感光性ドライフィルム301が形成される。
【0087】
次に、感光性ドライフィルム301を水洗いし、乾燥させる。そして、感光性ドライフィルム301から露出する無電解めっき膜205に、電解銅めっきを施す。これにより、図37に示されるように、感光性ドライフィルム301それぞれから露出した無電解めっき膜に、めっき膜207が形成される。
【0088】
次に、感光性ドライフィルム301を除去し、多ピース基板20、及びめっき膜207の表面を水洗いし、乾燥させる。そして、感光性ドライフィルム301に覆われていた無電解めっき膜205を、エッチングすることにより除去する。これにより、図38に示されるように、多ピース基板20の表面に導体パターン25,26,50が形成される。
【0089】
上述のように、導体パターン25,26,50を同一面に同時に形成することで、導体パターン25,26と、電子部品と接続される回路の一部を構成する導体パターン50との間で生じる相対的な位置ずれが小さくなる。その結果、導体パターン25,26に沿ってピース基板22a〜22dが切り取られることにより形成される嵌合部27a,27bと、導体パターン50との位置ずれが小さくなる。これにより、ピース基板22a〜22dを、例えば図1に示されるように、フレーム31a,31bに嵌め込んだときに、ピース基板22a〜22dに実装される電子部品と、ピース基板32a〜32dに実装される電子部品との位置ずれが小さくなる。したがって、多ピース基板10に対して、エッチングや露光等の処理を精度よく行うことが可能となる。
【0090】
なお、導体パターン25,26,50については、上述した手順に限らず、例えば、サブトラクティブ法に準じて、多ピース基板20及び多ピース基板30の表面にパネルめっき処理を施すことによりめっき膜を形成し、このめっき膜をエッチングすることにより導体パターンを形成してもよい。
【0091】
上記実施形態では、ピース基板22a〜22dが、4つの嵌合部27a,27bによって、フレーム31a,31bに接続される場合について説明した。これに限らず、ピース基板22a〜22dには、3つ以下、或いは5つ以上の嵌合部が形成されていてもよい。
【0092】
上記実施形態では、フレーム31a,31bと、ピース基板22aとの接着に紫外線硬化性を有する接着剤を用いた。これに限らず、フレーム31a,31bと、ピース基板22aとの接着に熱効硬化性の接着剤を用いてもよい。また、2種類以上の接着剤を使用してもよい。例えば光硬化型接着剤又はアクリル系接着剤で接着(仮止め)した後、熱硬化型接着剤で補強するようにしてもよい。
【0093】
上記実施形態では、多ピース基板30を構成するフレーム31a,31bに、凹部37a,37bが形成され、ピース基板22aに嵌合部27aを形成する場合について説明した。これに限らず、多ピース基板30に取り付けられるピース基板22aに凹部を形成し、多ピース基板30のフレーム31a,31bにピース基板22aに形成された凹部に嵌合する嵌合部を形成することとしてもよい。
【0094】
上記実施形態の工程は、フローチャートに示した順序に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に順序を変更することができる。また、用途等に応じて、工程を省略してもよい。
【0095】
上記実施形態では、多ピース基板20、及び多ピース基板30は、長方形の2本のフレームを有している。フレームの形状はこれに限られるものではなく、ピース基板を包囲する形状であってもよい。また、円形、或いは楕円形であってもよい。
【0096】
上記実施形態では、多ピース基板20のフレーム21a,21bと、ピース基板22a〜22dは、共通の材料から構成されていることとした。また、多ピース基板30のフレーム31a,31bと、ピース基板32a〜32dは、共通の材料から構成されていることとした。これに限らず、多ピース基板を構成するフレームとピース基板とは、それぞれ別々の材料から構成されていてもよい。例えば、フレームを絶縁材料のみで製造してもよい。
【0097】
上記実施形態では、例えば図38に示されるように、フレーム21a,21bの絶縁層の数と、ピース基板22aの絶縁層の数とが等しい。これに限らず、フレーム21a,21bの絶縁層の数と、ピース基板22aの絶縁層の数とが異なっていてもよい。同様に、フレーム21a,21bの導体層の数と、ピース基板22aの導体層の数とは等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、導体パターン25,26,35,36,50は、ピース基板或いはフレームの最も外側の層(最外層)の表面に形成される。これに限らず、例えば図39に示されるように、導体パターン25,26,35,36,50等は、最外層に形成されていなくてもよく、例えば、導体パターンの表面に絶縁層20fが形成されていてもよい。
【0099】
また、導体パターン25,26,35,36,50は、ベース基板20aの表面に形成されていてもよく、ベース基板20aに積層された絶縁層20b〜20eの表面に形成されていてもよい。
【0100】
上記実施形態では、ピース基板22a〜22d,32a〜32dは絶縁層と導体層からなるリジット配線基板であるものとした。ピース基板の構造はこれに限られるものではなく、セラミック基板に、配線層及び絶縁層を交互に積層した配線基板であってもよい。ピース基板22a〜22d,32a〜32dは、リジッド配線基板に限定されるものではなく、フレキシブル配線基板又はフレックスリジッド配線基板等であってもよい。また、ピース基板22a〜22d,32a〜32dの形状は任意であり、例えば平行四辺形、円形、楕円形等であってもよい。
【0101】
上記実施形態では、ピース基板22a〜22d,32a〜32dが、層間絶縁層と導体パターンにより形成されている場合について説明した。これに限らず、ピース基板22a〜22d,32a〜32dは、ベース基板に部品が内蔵される部品内蔵基板であってもよい。
【0102】
上記実施形態では、例えば図16に示されるように、プレス機305により、多ピース基板10のプレスを行った。これに限らず、ローラプレス機等を用いて、多ピース基板のプレスを行ってもよい。
【0103】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0104】
10,20,20A,30,30A 多ピース基板
20a ベース基板
20b〜20f 絶縁層
21a,21b,31a,31b,51a,51b,53 フレーム
22a〜22d,32a〜32d ピース基板
25,26,35,36,40,41,50 導体パターン
23a,23b,33a,33b 支持部
23c,33c 連結部
27a,27b 嵌合部
37a,37b,60,60a,60b 凹部
40a,41a 突出部
100 ワーク
205 無電解めっき膜
207 めっき膜
301 感光性ドライフィルム
305 プレス機
306 レーザ変位計
LB レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第1フレームを準備することと、
前記第1フレームとは別の第2フレームに接続された前記第1ピース基板に、前記第2フレームとの接続箇所での輪郭が、前記第1フレームの前記接続部の外縁と一致する導体パターンを形成することと、
前記第2フレームと、前記第1ピース基板の前記導体パターンとの境界にレーザ光を照射して、前記第2フレームから前記第1ピース基板を切り離すことと、
前記第2フレームから切り離されることによって、前記第1ピース基板に形成された嵌合部を、前記第1フレームの前記接続部に嵌合することと、
を含む多ピース基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1フレームの前記接続部の外縁と輪郭が一致する複数の部分パターンを形成することにより、前記導体パターンを形成する。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1ピース基板とは別の第2ピース基板が接続された前記第1フレームに、前記第2ピース基板との接続箇所での輪郭が、前記第1ピース基板に形成された前記嵌合部の外縁と一致する導体パターンを形成することと、
前記第1フレームの前記導体パターンと、前記第2ピース基板との境界にレーザ光を照射して、前記第1フレームから前記第2ピース基板を切り離すことと、
を含む。
【請求項4】
請求項3に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1フレームから前記第2ピース基板を切り離すことによって形成された前記接続部に、前記第1ピース基板の前記嵌合部を嵌合すること、
を含む。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1ピース基板に、前記導体パターンと、前記導体パターンとは異なり、電子部品と接続されるパッドを含む導体パターンとを同時に形成すること、
を含む。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記導体パターンは、前記第1ピース基板の表面に形成される。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1フレームと前記第1ピース基板とを、接触した状態で一体化する。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1フレームと前記第1ピース基板とを、接着材で接着する。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第1フレームに接続され、第1方向へ配列された複数の第2ピース基板同士を連結する第1連結部に、前記第1連結部の中心を挟み、前記第1方向に直交する第2方向へ、前記第1連結部を横切る1組の第1導体パターンを形成することと、
前記第2フレームに接続され、前記第1方向へ配列された複数の第1ピース基板同士を連結する第2連結部の中心に、前記第1方向の幅が、前記第1導体パターン同士の間隔に等しく前記第2連結部を前記第2方向へ横切る第2導体パターンを形成することと、
前記第1導体パターンの縁に沿ってレーザ光を照射して、連結された前記第2ピース基板同士を切り離すことと、
前記第2導体パターンの縁に沿ってレーザ光を照射して、連結された前記第1ピース基板同士を切り離すことと、
を含む。
【請求項10】
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第2ピース基板を準備することと、
前記第1ピース基板同士を連結する第1連結部に、輪郭が前記接続部の外縁と一致する第1導体パターンを形成することと、
前記第1導体パターンと前記第1連結部との境界にレーザ光を照射して、前記第1ピース基板同士を切り離すことと、
前記第1ピース基板が切り離されることによって、前記第1ピース基板に形成された嵌合部を、前記第2ピース基板の接続部に嵌合することと、
を含む多ピース基板の製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の多ピース基板の製造方法において、
前記第2ピース基板同士を連結する第2連結部に、輪郭が前記第1導体パターンの外縁と一致する第2導体パターンを形成することと、
前記第2導体パターンと前記第2連結部との境界にレーザ光を照射して、前記第2ピース基板同士を切り離すことと、
を含む。
【請求項12】
接続部が形成された第1フレームと、
前記第1フレーム以外の第2フレームから切り離された第1ピース基板と、
を有する多ピース基板であって、
前記第1ピース基板は、前記第1フレームに形成された前記接続部に嵌合する嵌合部の外縁に、前記第1フレームに形成された前記接続部の外縁と輪郭が一致する導体パターンが形成されている。
【請求項13】
請求項12に記載の多ピース基板において、
前記導体パターンは、前記第1フレームの前記接続部の外縁と輪郭が一致する複数の部分パターンからなる。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の多ピース基板において、
前記第1フレームは、前記第1ピース基板以外の第2ピース基板が切り離されることにより形成された接続部の外縁に、前記第1ピース基板の嵌合部の外縁と輪郭が一致する導体パターンが形成されている。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1ピース基板には第1突出部が形成され、
前記第1ピース基板とは異なる前記第2ピース基板には、前記第1突出部に当接する第2突出部が形成され、
前記第1突出部と前記第2突出部それぞれには、前記第1突出部と前記第2突出部との境界に沿った導体パターンが形成されている。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1ピース基板には、前記導体パターンとは異なり、電子部品と接続されるパッドを含む導体パターンが形成されている。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1ピース基板に形成された前記導体パターンは、前記第1ピース基板の表面に形成されている。
【請求項18】
請求項12乃至17のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1ピース基板に形成された嵌合部は、該第1ピース基板の側方に突出する。
【請求項19】
請求項12乃至18のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記導体パターンは、レーザ光を遮蔽する。
【請求項20】
請求項12乃至19のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1フレームと前記第1ピース基板とは、接触した状態で一体化されている。
【請求項21】
請求項12乃至20のいずれか一項に記載の多ピース基板において、
前記第1フレームと、前記第1ピース基板とは、接着材によって接着されている。
【請求項22】
第1ピース基板が接続される接続部が形成された第2ピース基板と、
嵌合部が前記接続部に嵌合した第1ピース基板と、
を有する多ピース基板であって、
前記嵌合部は、第1連結部によって連結された第1ピース基板同士を、前記第1連結部に形成され、輪郭が前記接続部の外縁と一致する第1導体パターンの境界に沿って切り離すことによって形成される。
【請求項23】
請求項22に記載の多ピース基板において、
前記接続部は、第2連結部によって連結された第2ピース基板同士を、前記第2連結部に形成され、輪郭が前記第1導体パターンの外縁と一致する第2導体パターンの境界に沿って切り離すことによって形成される。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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