多ルーメン脳室排出カテーテル
【課題】シャントを提供する。
【解決手段】シャントは、入口、出口、及びハウジング内に配置された流れ制御機構を有するハウジングを備える。脳室カテーテルは、ハウジングの入口に連結される。カテーテルは、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有する。カテーテルの内側ルーメンは、遠位端にて少なくとも2つのルーメンを含み、かつ近位端にて唯1つのルーメンを有する。カテーテルは、カテーテルの遠位端に位置する、少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応するスリット及び孔を1つ有する。
【解決手段】シャントは、入口、出口、及びハウジング内に配置された流れ制御機構を有するハウジングを備える。脳室カテーテルは、ハウジングの入口に連結される。カテーテルは、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有する。カテーテルの内側ルーメンは、遠位端にて少なくとも2つのルーメンを含み、かつ近位端にて唯1つのルーメンを有する。カテーテルは、カテーテルの遠位端に位置する、少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応するスリット及び孔を1つ有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カテーテル孔の遮断又は閉鎖の危険性を低減し、またカテーテルが除去される場合、修正手術の容易性を高めるシステムを有するシャント及びカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
水頭症は、脳の脳室、すなわち空洞内での脳脊髄液(CSF)の異常な蓄積によって引き起こされる神経学的症状である。CSFは、主として脈絡叢により産生され、脳及び脊髄を包囲する無色透明の流体である。CSFは脳の脳室系を絶えず循環し、最終的には血流中に吸収される。CSFは、脳及び脊髄の保護を助ける。CSFは脳及び脊髄の浮力を保つため、保護クッション又は「衝撃吸収材」として機能して中枢神経系への傷害を防止する。
【0003】
子供及び大人を冒す水頭症は、脳内でのCSFの正常な排出がなんらかの形で遮断されるときに起こる。そのような遮断は、例えば、遺伝的素因、脳室内出血又は頭蓋内出血、髄膜炎等の感染、又は頭部の外傷等を含む多数の要因によって起こり得る。CSFの流れの遮断は、結果として脈絡叢によって産生されるCSFの量とCSFが血流中に吸収される速度との間の不均衡を形成し、それにより脳への圧力が上昇し、これが脳室を拡大させる。
【0004】
水頭症は、脳室から、CSFが循環系の一部として吸収され得る身体の他の領域へのCSFの流れを分流するシャントシステムを外科的に挿入することによって、治療することが最も頻繁である。シャントシステムは多様なモデルで提供されており、典型的には、類似した機能的構成要素を共有している。それらの構成要素には、頭蓋骨内の穿頭孔を通して導入され、患者の脳室内に移植される脳室カテーテル、CSFをその最終的な排出部位に通す排出カテーテル、及び場合により、流れ−制御機構、例えば脳室から排出部位へのCSFの一方向の流れを調節して、脳室内の正常な圧力を維持するシャント弁が挙げられる。脳室カテーテルは、典型的には、図6及び7に示されるように、脳室カテーテルの長さに沿って配置された多数の穴又は孔を含んで、CSFがシャントシステム内に入ることを可能にしている。
【0005】
シャント術は、基本的な脳神経外科手技の1つであると考慮されるが、最も高い合併症率を有する。シャント術による最も一般的な合併症は、システムの閉鎖である。閉鎖又は目詰まりは、シャントシステムに沿った任意の地点で生じ得るが、シャントシステムの脳室端部で生じることが最も頻繁である。脳室カテーテルが遮断され又は目詰まりし得るにはいくつかのやり方が存在するが、閉鎖は典型的には、図7に示されるように、カテーテル周囲の及び孔内への脈絡叢等の組織の増殖により生じる。脳室カテーテルの孔はデブリ、細菌、又は凝固血液によっても閉鎖され得る。
【0006】
これらの問題のうちのいくつかは、シャントシステム内に存在するCSFを使用して、閉鎖している物質を除去するプロセスである逆洗い流し(backflushing)により処理することができる。しかしながら、このプロセスは、脳室カテーテルの孔のサイズが小さいこと、及びシャントシステム内で利用可能な洗い流し液体の量が少ないことにより、効果がない場合がある。他のシャントシステムは、シャントシステムを洗い流すための機構を備えるよう設計されている。例えば、いくつかのシャントシステムは、システム内に、システム内の流体を相当な圧力及び速度で流すことによりシステムを洗い流す揚送装置を備える。逆洗い流しのプロセスと同様、ビルトイン機構を使用してシャントシステムを洗い流すこともまた、孔のサイズ、及び孔が目詰まりしている程度及び範囲等の要因により、障害物を除去できない場合がある。
【0007】
閉塞した脳室カテーテルは、カテーテルを焼灼して遮断組織を除去することにより、閉塞されていた存在する孔を再び開けることによっても修復することができる。代替的に、カテーテル内に新しい孔を形成してもよい。しかしながら、これらの修復は、目詰まりした孔の位置によっては障害物を脳室カテーテルから除去することが不可能であり得る。加えて、例えば組織増殖が脳室カテーテルの相当な部分を覆っている状況下では、カテーテル内への及びカテーテル周囲の組織増殖の広がりも追加の孔の形成を阻む場合がある。新しい孔を形成して閉鎖した脳室カテーテルを修復することの他の欠点は、この方法が、反復する閉鎖を予防し、又は反復する閉鎖の危険性を低減できないことである。
【0008】
遮断された脳室カテーテルの洗い流し又は修復における試みが、多くの場合、無益かつ効果がないことにより、閉塞はカテーテルの交換により処理される場合がより多い。これは、閉鎖したカテーテルを脳室から除去することにより達成し得るが、カテーテル周囲の及び孔内への脈絡叢及び他の組織の増殖が、カテーテルの除去及び交換を妨げ得る。例えば、大量出血等の、患者に対する重篤な傷害を引き起こし得る脈絡叢への損傷を避けるよう注意する必要がある。これらの手技は、患者に対する傷害の有意な危険性をもたらすのみでなく、特にシャント閉鎖が繰り返し発生する問題である場合、非常に高価でもあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、カテーテル孔の遮断又は閉鎖の危険性を最小限にし又は排除し、またカテーテルが除去される場合、修正手術の容易性を高め、反復される修復及び/又は交換の必要性を除去及び低減するシャント及び脳室カテーテルが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入口、出口、及びハウジング内に配置された流れ制御機構を有するハウジングを備えるシャントを提供する。脳室カテーテルは、ハウジングの入口に連結される。このカテーテルは、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有する。カテーテルの内側ルーメンは、遠位端にて少なくとも2つのルーメンを含み、かつ近位端にて唯1つのルーメンを有する。カテーテルは、カテーテルの遠位端に位置する、少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を1つ有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるシャント及び脳室カテーテルの上面斜視図。
【図2】部品が切断されている、本発明による脳室カテーテルの内部を示す部分斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図4】図3の線4−4に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図4A】図3の線4A−4Aに沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図5】図3の線5−5に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図6】先行技術による脳室カテーテルの部分平面図。
【図7】図6の線7−7に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図8A】本発明による脳室カテーテルの部分平面図。
【図8B】本発明による脳室カテーテルの部分平面図。
【図9】部品が切断されている、本発明による脳室カテーテルの内部を示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜5、8A、8B及び9を参照すると、本発明によるシャント10及び脳室カテーテル12が示されている。
【0013】
図1に示されるように、シャント10はハウジング14を有し、ハウジング14は、入口16、出口18、及び内部に配置された流れ制御機構を有する。脳室カテーテル12は、ハウジングの入口16に連結されている。カテーテル12は、長手方向の長さ、近位端20、遠位端22、及び内部を延びる内側ルーメン24を有する。内側ルーメン24は、カテーテルの近位端20にて単一ルーメンであり、カテーテル12の遠位端22にて2つ以上のルーメン241、2411、24111、241111等で構成されている。カテーテル12は、好ましくはシリコーンから製造される。加えて、カテーテル12は、Codman & Shurtleff,Inc.(Raynham,MA)により市販されるCODMAN(登録商標)BACTISEAL(登録商標)カテーテルのように、抗菌抗生物質を含浸することができる。
【0014】
カテーテル12はその遠位端22に、ルーメン241、24111、241111等のそれぞれに対応する孔26を唯1つ有する。2〜7個のルーメンが存在することが好ましいが、図面には簡潔さのために3及び4個のルーメンのみ示されている。勿論、当業者は、本開示に基づいて、多ルーメンを備えた本発明の脳室カテーテルの製造方法を容易に理解するであろう。各先細スリット30は、使用時に脳脊髄液(CSF)を受容する。各孔26は、遠位端にて拡大された開口部28と、拡大された開口部から孔の近位端における先細スリット30への遷移部とを有する。本発明のいくつかの実施例では、各孔26に関して、拡大された開口部28と先細スリット30との間の部分32は、一定の厚さのスリット32である。同様に、本発明の別の実施例では、各孔26に関して、拡大された開口部28と先細スリット30との間に部分32は存在しなくてもよい。加えて、図9に示されるように、各孔26に関して、先細スリットが使用されずに、拡大された開口部28と孔の近位端との間に一定の厚さのスリット42が配置されてもよい。孔の全部は、拡大された開口部28から先細スリット30の近位端まで、それらの対応するルーメン241、24111、241111等と流体連通している。各孔の拡大された開口部28は、スプーン形状に類似した滑らかな凹状の内側表面34を有する。
【0015】
本発明による多ルーメン241、24111、241111等の使用は、脳室カテーテル12の完全な閉塞を防止することを助ける。本発明においては、脳室カテーテル12は、全部のルーメンが遮断された場合にのみ完全に閉塞され得る。加えて、多ルーメンから単一ルーメン24への遷移部が脳室カテーテルの遠位端から約0.5〜約3.0センチメートルの箇所に存在するため、脈絡叢又は上衣組織のいかなる内殖もこの連結箇所を越えて延びて完全な閉塞を生じ、また多数の孔からの組織の相互連結を生じる必要があり、これは組織が増殖する必要がある長さにより、起こる可能性が低い。脈絡叢又は上衣組織が完全な閉塞を生じるであろう他の唯一のやり方は、組織がスリット30を越えて多ルーメン24のそれぞれを遮断し、すなわちスリット30及び孔26の全部を閉塞することである。
【0016】
スリットルーメンの形態は好ましくは先細にされ、又は意図的に形づくられて、スリットを通って流れる流体に、スリットにより提供される経路のサイズに一致した抵抗を提供する。スリット開口部のサイズは、従来の脳室カテーテルよりも長い距離及び大きい表面積にわたり圧力勾配を分布させる。圧力勾配の拡散は誘引する流体の力を弱め、流体の流れの多い領域を減少させることにより、組織内殖の傾向を低下させる。
【0017】
ここで本発明の図8A及び8Bを参照すると、組織内殖36が図示されている。理解し得るように、孔26内への組織内殖は、別のルーメンからの組織内殖と相互に連結しないであろう。かくして、脳室カテーテル12を除去する必要がある場合、図8Bに図示されるように、カテーテル12は引き戻され、組織内殖36は先細のより広い末端部、すなわち拡大された開口部28にてルーメンから除去され得る。対照的に、先行技術においては、上述したように、脳室カテーテル12を除去する必要がある場合、組織内殖36は脳室カテーテルから除去(remover)することがやや困難であり得る。
【0018】
以下、図2及び3を参照すると、脳室カテーテル12は丸い遠位端38を有して、カテーテルが脳組織を損傷させることなく脳内に導入されることを可能にする。加えて、内側凹状表面40は、カテーテルの導入に使用されるスタイレットを受容するサイズを有する。
【0019】
上述のものはあくまで本発明の原理を説明するためのものに過ぎず、当業者によれば発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な改変を為し得る点は理解されるであろう。本願明細書に記載の参考文献の全ては、その全文が参照することにより組み込まれる。
【0020】
〔実施の態様〕
(1) 入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を前記遠位端に隣接して有する、シャント。
(2) 各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、実施態様1に記載のシャント。
(3) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様2に記載のシャント。
(4) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様3に記載のシャント。
(5) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様1に記載のシャント。
(6) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様1に記載のシャント。
(7) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様6に記載のシャント。
(8) 前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、実施態様1に記載のシャント。
(9) 入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、シャント。
(10) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様9に記載のシャント。
【0021】
(11) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様9に記載のシャント。
(12) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様9に記載のシャント。
(13) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様9に記載のシャント。
(14) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様13に記載のシャント。
(15) カテーテルが、その前記遠位端に隣接して唯1つの孔を有する、実施態様9に記載のシャント。
(16) カテーテルが、その前記遠位端に隣接して少なくとも2つの孔を有する、実施態様9に記載のシャント。
(17) 脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、脳室カテーテル。
(18) 各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(19) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様18に記載の脳室カテーテル。
(20) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
【0022】
(21) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(22) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(23) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様22に記載の脳室カテーテル。
(24) 脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、脳室カテーテル。
(25) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(26) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(27) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(28) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(29) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カテーテル孔の遮断又は閉鎖の危険性を低減し、またカテーテルが除去される場合、修正手術の容易性を高めるシステムを有するシャント及びカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
水頭症は、脳の脳室、すなわち空洞内での脳脊髄液(CSF)の異常な蓄積によって引き起こされる神経学的症状である。CSFは、主として脈絡叢により産生され、脳及び脊髄を包囲する無色透明の流体である。CSFは脳の脳室系を絶えず循環し、最終的には血流中に吸収される。CSFは、脳及び脊髄の保護を助ける。CSFは脳及び脊髄の浮力を保つため、保護クッション又は「衝撃吸収材」として機能して中枢神経系への傷害を防止する。
【0003】
子供及び大人を冒す水頭症は、脳内でのCSFの正常な排出がなんらかの形で遮断されるときに起こる。そのような遮断は、例えば、遺伝的素因、脳室内出血又は頭蓋内出血、髄膜炎等の感染、又は頭部の外傷等を含む多数の要因によって起こり得る。CSFの流れの遮断は、結果として脈絡叢によって産生されるCSFの量とCSFが血流中に吸収される速度との間の不均衡を形成し、それにより脳への圧力が上昇し、これが脳室を拡大させる。
【0004】
水頭症は、脳室から、CSFが循環系の一部として吸収され得る身体の他の領域へのCSFの流れを分流するシャントシステムを外科的に挿入することによって、治療することが最も頻繁である。シャントシステムは多様なモデルで提供されており、典型的には、類似した機能的構成要素を共有している。それらの構成要素には、頭蓋骨内の穿頭孔を通して導入され、患者の脳室内に移植される脳室カテーテル、CSFをその最終的な排出部位に通す排出カテーテル、及び場合により、流れ−制御機構、例えば脳室から排出部位へのCSFの一方向の流れを調節して、脳室内の正常な圧力を維持するシャント弁が挙げられる。脳室カテーテルは、典型的には、図6及び7に示されるように、脳室カテーテルの長さに沿って配置された多数の穴又は孔を含んで、CSFがシャントシステム内に入ることを可能にしている。
【0005】
シャント術は、基本的な脳神経外科手技の1つであると考慮されるが、最も高い合併症率を有する。シャント術による最も一般的な合併症は、システムの閉鎖である。閉鎖又は目詰まりは、シャントシステムに沿った任意の地点で生じ得るが、シャントシステムの脳室端部で生じることが最も頻繁である。脳室カテーテルが遮断され又は目詰まりし得るにはいくつかのやり方が存在するが、閉鎖は典型的には、図7に示されるように、カテーテル周囲の及び孔内への脈絡叢等の組織の増殖により生じる。脳室カテーテルの孔はデブリ、細菌、又は凝固血液によっても閉鎖され得る。
【0006】
これらの問題のうちのいくつかは、シャントシステム内に存在するCSFを使用して、閉鎖している物質を除去するプロセスである逆洗い流し(backflushing)により処理することができる。しかしながら、このプロセスは、脳室カテーテルの孔のサイズが小さいこと、及びシャントシステム内で利用可能な洗い流し液体の量が少ないことにより、効果がない場合がある。他のシャントシステムは、シャントシステムを洗い流すための機構を備えるよう設計されている。例えば、いくつかのシャントシステムは、システム内に、システム内の流体を相当な圧力及び速度で流すことによりシステムを洗い流す揚送装置を備える。逆洗い流しのプロセスと同様、ビルトイン機構を使用してシャントシステムを洗い流すこともまた、孔のサイズ、及び孔が目詰まりしている程度及び範囲等の要因により、障害物を除去できない場合がある。
【0007】
閉塞した脳室カテーテルは、カテーテルを焼灼して遮断組織を除去することにより、閉塞されていた存在する孔を再び開けることによっても修復することができる。代替的に、カテーテル内に新しい孔を形成してもよい。しかしながら、これらの修復は、目詰まりした孔の位置によっては障害物を脳室カテーテルから除去することが不可能であり得る。加えて、例えば組織増殖が脳室カテーテルの相当な部分を覆っている状況下では、カテーテル内への及びカテーテル周囲の組織増殖の広がりも追加の孔の形成を阻む場合がある。新しい孔を形成して閉鎖した脳室カテーテルを修復することの他の欠点は、この方法が、反復する閉鎖を予防し、又は反復する閉鎖の危険性を低減できないことである。
【0008】
遮断された脳室カテーテルの洗い流し又は修復における試みが、多くの場合、無益かつ効果がないことにより、閉塞はカテーテルの交換により処理される場合がより多い。これは、閉鎖したカテーテルを脳室から除去することにより達成し得るが、カテーテル周囲の及び孔内への脈絡叢及び他の組織の増殖が、カテーテルの除去及び交換を妨げ得る。例えば、大量出血等の、患者に対する重篤な傷害を引き起こし得る脈絡叢への損傷を避けるよう注意する必要がある。これらの手技は、患者に対する傷害の有意な危険性をもたらすのみでなく、特にシャント閉鎖が繰り返し発生する問題である場合、非常に高価でもあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、カテーテル孔の遮断又は閉鎖の危険性を最小限にし又は排除し、またカテーテルが除去される場合、修正手術の容易性を高め、反復される修復及び/又は交換の必要性を除去及び低減するシャント及び脳室カテーテルが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、入口、出口、及びハウジング内に配置された流れ制御機構を有するハウジングを備えるシャントを提供する。脳室カテーテルは、ハウジングの入口に連結される。このカテーテルは、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有する。カテーテルの内側ルーメンは、遠位端にて少なくとも2つのルーメンを含み、かつ近位端にて唯1つのルーメンを有する。カテーテルは、カテーテルの遠位端に位置する、少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を1つ有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるシャント及び脳室カテーテルの上面斜視図。
【図2】部品が切断されている、本発明による脳室カテーテルの内部を示す部分斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図4】図3の線4−4に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図4A】図3の線4A−4Aに沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図5】図3の線5−5に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図6】先行技術による脳室カテーテルの部分平面図。
【図7】図6の線7−7に沿って取り、矢印の方向に見た断面図。
【図8A】本発明による脳室カテーテルの部分平面図。
【図8B】本発明による脳室カテーテルの部分平面図。
【図9】部品が切断されている、本発明による脳室カテーテルの内部を示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜5、8A、8B及び9を参照すると、本発明によるシャント10及び脳室カテーテル12が示されている。
【0013】
図1に示されるように、シャント10はハウジング14を有し、ハウジング14は、入口16、出口18、及び内部に配置された流れ制御機構を有する。脳室カテーテル12は、ハウジングの入口16に連結されている。カテーテル12は、長手方向の長さ、近位端20、遠位端22、及び内部を延びる内側ルーメン24を有する。内側ルーメン24は、カテーテルの近位端20にて単一ルーメンであり、カテーテル12の遠位端22にて2つ以上のルーメン241、2411、24111、241111等で構成されている。カテーテル12は、好ましくはシリコーンから製造される。加えて、カテーテル12は、Codman & Shurtleff,Inc.(Raynham,MA)により市販されるCODMAN(登録商標)BACTISEAL(登録商標)カテーテルのように、抗菌抗生物質を含浸することができる。
【0014】
カテーテル12はその遠位端22に、ルーメン241、24111、241111等のそれぞれに対応する孔26を唯1つ有する。2〜7個のルーメンが存在することが好ましいが、図面には簡潔さのために3及び4個のルーメンのみ示されている。勿論、当業者は、本開示に基づいて、多ルーメンを備えた本発明の脳室カテーテルの製造方法を容易に理解するであろう。各先細スリット30は、使用時に脳脊髄液(CSF)を受容する。各孔26は、遠位端にて拡大された開口部28と、拡大された開口部から孔の近位端における先細スリット30への遷移部とを有する。本発明のいくつかの実施例では、各孔26に関して、拡大された開口部28と先細スリット30との間の部分32は、一定の厚さのスリット32である。同様に、本発明の別の実施例では、各孔26に関して、拡大された開口部28と先細スリット30との間に部分32は存在しなくてもよい。加えて、図9に示されるように、各孔26に関して、先細スリットが使用されずに、拡大された開口部28と孔の近位端との間に一定の厚さのスリット42が配置されてもよい。孔の全部は、拡大された開口部28から先細スリット30の近位端まで、それらの対応するルーメン241、24111、241111等と流体連通している。各孔の拡大された開口部28は、スプーン形状に類似した滑らかな凹状の内側表面34を有する。
【0015】
本発明による多ルーメン241、24111、241111等の使用は、脳室カテーテル12の完全な閉塞を防止することを助ける。本発明においては、脳室カテーテル12は、全部のルーメンが遮断された場合にのみ完全に閉塞され得る。加えて、多ルーメンから単一ルーメン24への遷移部が脳室カテーテルの遠位端から約0.5〜約3.0センチメートルの箇所に存在するため、脈絡叢又は上衣組織のいかなる内殖もこの連結箇所を越えて延びて完全な閉塞を生じ、また多数の孔からの組織の相互連結を生じる必要があり、これは組織が増殖する必要がある長さにより、起こる可能性が低い。脈絡叢又は上衣組織が完全な閉塞を生じるであろう他の唯一のやり方は、組織がスリット30を越えて多ルーメン24のそれぞれを遮断し、すなわちスリット30及び孔26の全部を閉塞することである。
【0016】
スリットルーメンの形態は好ましくは先細にされ、又は意図的に形づくられて、スリットを通って流れる流体に、スリットにより提供される経路のサイズに一致した抵抗を提供する。スリット開口部のサイズは、従来の脳室カテーテルよりも長い距離及び大きい表面積にわたり圧力勾配を分布させる。圧力勾配の拡散は誘引する流体の力を弱め、流体の流れの多い領域を減少させることにより、組織内殖の傾向を低下させる。
【0017】
ここで本発明の図8A及び8Bを参照すると、組織内殖36が図示されている。理解し得るように、孔26内への組織内殖は、別のルーメンからの組織内殖と相互に連結しないであろう。かくして、脳室カテーテル12を除去する必要がある場合、図8Bに図示されるように、カテーテル12は引き戻され、組織内殖36は先細のより広い末端部、すなわち拡大された開口部28にてルーメンから除去され得る。対照的に、先行技術においては、上述したように、脳室カテーテル12を除去する必要がある場合、組織内殖36は脳室カテーテルから除去(remover)することがやや困難であり得る。
【0018】
以下、図2及び3を参照すると、脳室カテーテル12は丸い遠位端38を有して、カテーテルが脳組織を損傷させることなく脳内に導入されることを可能にする。加えて、内側凹状表面40は、カテーテルの導入に使用されるスタイレットを受容するサイズを有する。
【0019】
上述のものはあくまで本発明の原理を説明するためのものに過ぎず、当業者によれば発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な改変を為し得る点は理解されるであろう。本願明細書に記載の参考文献の全ては、その全文が参照することにより組み込まれる。
【0020】
〔実施の態様〕
(1) 入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を前記遠位端に隣接して有する、シャント。
(2) 各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、実施態様1に記載のシャント。
(3) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様2に記載のシャント。
(4) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様3に記載のシャント。
(5) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様1に記載のシャント。
(6) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様1に記載のシャント。
(7) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様6に記載のシャント。
(8) 前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、実施態様1に記載のシャント。
(9) 入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、シャント。
(10) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様9に記載のシャント。
【0021】
(11) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様9に記載のシャント。
(12) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様9に記載のシャント。
(13) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様9に記載のシャント。
(14) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様13に記載のシャント。
(15) カテーテルが、その前記遠位端に隣接して唯1つの孔を有する、実施態様9に記載のシャント。
(16) カテーテルが、その前記遠位端に隣接して少なくとも2つの孔を有する、実施態様9に記載のシャント。
(17) 脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、脳室カテーテル。
(18) 各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(19) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様18に記載の脳室カテーテル。
(20) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
【0022】
(21) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(22) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様17に記載の脳室カテーテル。
(23) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様22に記載の脳室カテーテル。
(24) 脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、脳室カテーテル。
(25) 各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(26) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(27) 各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(28) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
(29) 前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、実施態様24に記載の脳室カテーテル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を前記遠位端に隣接して有する、シャント。
【請求項2】
各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項3】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項2に記載のシャント。
【請求項4】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項3に記載のシャント。
【請求項5】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項6】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項1に記載のシャント。
【請求項7】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項6に記載のシャント。
【請求項8】
前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項9】
入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、シャント。
【請求項10】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項9に記載のシャント。
【請求項11】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項12】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項13】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項9に記載のシャント。
【請求項14】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項13に記載のシャント。
【請求項15】
カテーテルが、その前記遠位端に隣接して唯1つの孔を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項16】
カテーテルが、その前記遠位端に隣接して少なくとも2つの孔を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項17】
脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、脳室カテーテル。
【請求項18】
各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項19】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項18に記載の脳室カテーテル。
【請求項20】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項21】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項22】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項23】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項22に記載の脳室カテーテル。
【請求項24】
脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、脳室カテーテル。
【請求項25】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項26】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項27】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項28】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項29】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項1】
入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を前記遠位端に隣接して有する、シャント。
【請求項2】
各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項3】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項2に記載のシャント。
【請求項4】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項3に記載のシャント。
【請求項5】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項6】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項1に記載のシャント。
【請求項7】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項6に記載のシャント。
【請求項8】
前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、請求項1に記載のシャント。
【請求項9】
入口、出口及び内部に配置された流れ制御機構を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記入口に連結されたカテーテルと、を備え、前記カテーテルが長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、シャント。
【請求項10】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項9に記載のシャント。
【請求項11】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項12】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項13】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項9に記載のシャント。
【請求項14】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項13に記載のシャント。
【請求項15】
カテーテルが、その前記遠位端に隣接して唯1つの孔を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項16】
カテーテルが、その前記遠位端に隣接して少なくとも2つの孔を有する、請求項9に記載のシャント。
【請求項17】
脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも2つのルーメンで構成され、かつ前記近位端にて唯1つのルーメンで構成され、前記カテーテルが、前記遠位端に隣接して、前記少なくとも2つのルーメンのそれぞれに対応する孔を唯1つ有する、脳室カテーテル。
【請求項18】
各孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項19】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項18に記載の脳室カテーテル。
【請求項20】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項21】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項22】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項17に記載の脳室カテーテル。
【請求項23】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項22に記載の脳室カテーテル。
【請求項24】
脳室カテーテルが、長手方向の長さ、近位端、遠位端、及び内部を延びる内側ルーメンを有し、前記カテーテルが、孔を有し、前記孔が、遠位端にて拡大された開口部を有し、かつ前記拡大された開口部から前記孔の近位端における先細スリットへの遷移部を有する、脳室カテーテル。
【請求項25】
各孔の前記拡大された開口部と前記先細スリットとの間の部分が、一定の厚さのスリットである、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項26】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項27】
各孔の前記拡大された開口部が、滑らかな凹状の内側表面を有する、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項28】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも3つのルーメンで構成される、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【請求項29】
前記カテーテルの前記内側ルーメンが、前記遠位端にて少なくとも4つのルーメンで構成される、請求項24に記載の脳室カテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公開番号】特開2012−71135(P2012−71135A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−212506(P2011−212506)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(509266479)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212506(P2011−212506)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(509266479)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【Fターム(参考)】
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