説明

多人数参加型ゲーム装置

【課題】 メンテナンス箇所の状態を検出する状態検出手段を設け、所定の状態となったことを検出した場合に報知を行うことにより、ゲーム装置における不具合の発生を防止するとともに効率的なメンテナンス作業を行うことが可能となった多人数参加型ゲーム装置を提供する。
【解決手段】 フィルタ検出センサ74の検出結果に基づいて、コンプレッサ71のエアフィルタ72にホコリが一定量以上付着していると判定された場合(S11:YES)、又はドレインボトル81に排水が一定量以上溜まったと判定された場合(S12:YES)には、BET画面41のメンテナンス警告表示部48に検出された箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49を表示させるとともに、スピーカ9から同じくメンテナンスを促す警告音を出力する(S14)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンテナンスを行う必要のあるメンテナンス箇所がメンテナンスを行う時期となったことを報知する報知手段を有する多人数参加型ゲーム装置に関し、特に、メンテナンス箇所の状態を検出する状態検出手段を設け、所定の状態となったことを検出した場合に報知を行うことにより、ゲーム装置における不具合の発生を防止するとともに効率的なメンテナンス作業を行うことが可能となった多人数参加型ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーレットゲーム機、ビンゴゲーム機、競馬ゲーム機等の複数の遊技者が同時に遊技を行うことの可能な多人数参加型ゲーム装置は、遊技者がメダル貸出機で複数のメダルを購入あるいは借用し、このメダルを遊技機に投入することにより開始することができるゲームであり、遊技者がゲームに勝てば、所定の枚数のメダルが払い出されるものである。従って、多数のメダルを獲得することができた遊技者は、新たにメダルを購入あるいは借用することなく、継続してゲームを楽しむことができる。
しかしながら、このような多人数参加型ゲーム装置は遊技店の一店舗当りに設置される台数が少なく、また値段も高価であることから、量産を行わず、遊技店からの受注後に生産を開始するのが一般である。従って、ゲーム装置に使用される各パーツは基本的に高価なものとなり、予備パーツも必要最低限の個数のみしか用意されていない場合が多い。
また、海外に設置されたゲーム装置において不具合が発生し、予備パーツが確保できない場合等には、交換のパーツを生産国から輸送するのに相当の時間が必要となる。特に遊技者がベット操作等を行うステーション側ではなく、メインの制御を行う本体側において不具合が発生した場合には、遊技そのものを長時間行うことができなくなる。
また、多人数参加型ゲーム装置が設置されるゲームセンターやカジノ等の遊技店は24時間営業を行う店も多い。しかしながら、多人数参加型ゲーム装置におけるメンテナンス作業や修理作業は、装置が大型で構成するパーツ数も多いことから通常のゲーム装置より多くの時間が必要となり、遊技店側にとってはその間の売上げが大きく減少することとなってしまう。
【0003】
そこで、従来のゲーム装置では、ゲーム装置内部で何らかの不具合が発生した場合にその旨を迅速に周囲に報知する機能を有することにより、不具合によるゲーム装置の停止期間を減少させ、修理作業を迅速に開始することを可能にしたものがある(例えば特開2004−65334号公報参照)。
【特許文献1】特開2004−65334号公報(第8頁〜第10頁、図5〜図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたゲーム装置においては、不具合が発生した後において、その修理作業を迅速化することは可能であるが、前記したように多人数参加型ゲーム装置における修理作業は交換パーツの補充等の理由から通常のゲーム装置より多くの時間が必要となるので、本来は定期的にメンテナンス作業を行うことにより予め不具合を防止するのが望ましい。しかしながら、多人数参加型ゲーム装置ではメンテナンス作業に関しても、より多くの時間が必要となっていたことから定期的なメンテナンス作業を行うことは遊技店において敬遠されていた。
【0005】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、メンテナンスを必要とする箇所の状態がメンテナンスを行うべき状態となった場合にメンテナンスを促す報知を行うことにより、装置に不具合が発生することを予め防止することが可能となるとともに、そのメンテナンス作業を効率化できる多人数参加型ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る多人数参加型ゲーム装置は、遊技を行う遊技装置(例えば、ルーレット装置2)と、前記遊技装置の遊技結果を予想して貯留された遊技媒体に基づいて行われる遊技者のベット操作を受け付ける複数のベット装置(例えば、ステーション4)と、を有する多人数参加型ゲーム装置(例えば、ルーレットゲーム機1)であって、前記遊技装置及び前記ベット装置においてメンテナンスを行う必要のある所定のメンテナンス箇所(例えば、コンプレッサ71、ドレインボトル81)がメンテナンスを行う時期であることを報知するメンテナンス時期報知手段(例えば、画像表示装置7、スピーカ9)と、前記メンテナンス箇所の状態を検出する状態検出手段(例えば、フィルタ検出センサ74、排水量検出センサ83)を備え、前記メンテナンス時期報知手段は、前記状態検出手段によって前記メンテナンス箇所の状態が所定の状態になったと検出された場合に報知を行うことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る多人数参加型ゲーム装置は、請求項1に記載の多人数参加型ゲーム装置(例えば、ルーレットゲーム機1)において、前記メンテナンス時期報知手段(例えば、画像表示装置7、スピーカ9)は、全ての前記ベット装置(例えば、ステーション4)において遊技媒体が貯留されていないと判定された場合に報知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る多人数参加型ゲーム装置では、メンテナンスを行う必要のある箇所の状態が所定の状態となったことが検出された場合に報知を行うので、メンテナンスを必要とする箇所の状態がメンテナンスを行うべき状態となった場合に、メンテナンス作業を行わせることによってゲーム装置に不具合が発生することを予め防止することが可能となり、メンテナンス作業の効率化が可能となる。従って、メンテナンスに多くの時間が必要で、交換パーツの補充も困難な大型の多人数参加型のゲーム装置であっても、メンテナンスや修理による遊技店側の負担が少なくなる。
【0009】
また、請求項2に係る多人数参加型ゲーム装置では、全てのベット装置において遊技媒体が貯留されていないと判定された場合に報知を行うので、メンテナンス時期の報知を行うことがゲーム装置で遊技中の遊技者にとって遊技の妨げになる虞がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る多人数参加型ゲーム装置を、ルーレット装置を備えたルーレットゲーム機1について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
尚、ルーレットゲーム機1とは、遊技者がルーレット装置2で決定される数字等を予想し、予想した数字等に所持するメダル等の遊技媒体を遊技者のベット操作を受け付けるベット装置であるステーション4においてベットする。そして、ベットした数字等が当選したとき、遊技者が所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる多人数参加型の遊技機である。
【0011】
先ず、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の概略構成について図1に基づき説明する。図1は本実施形態に係るルーレットゲーム機1の概略構成を示す外観斜視図である。
図1に示すように、ルーレットゲーム機1は、本体部分となる筐体3と、筐体3の上面の略中央部に設けられたルーレット装置2と、ルーレット装置2の周囲にルーレット装置2を取り囲むようにして設置された複数個(本実施形態では12個)のステーション4と、筐体3の上方に設けられた電光表示部10と、から基本的に構成されている。
ここでステーション4とは、少なくとも、貨幣や遊技に使用するメダル等の遊技媒体を投入するメダル投入口5と、遊技者により所定の指示が入力される複数のコントロールボタン等からなるコントロール部6と、ゲームに係る画像及び後述のメンテナンスを促す警告文を表示させる画像表示装置7とを有する遊技領域である。そして、遊技者が画像表示装置7に表示される画像を見ながら、コントロール部6等を操作することにより、展開されるゲームを進行させることができる。また、各ステーション4は筐体3に対して取り外し可能に構成されており、ステーション4を取り外すことによって、ルーレット装置2のボールの発射に用いられるコンプレッサ、ウィールを駆動するための駆動モータ及び排水を溜めるドレインボトル等のメンテナンスを行う必要のあるメンテナンス箇所が外側に開放され、各メンテナンス箇所のメンテナンス作業を行うことが可能となる。
【0012】
また、各ステーション4の正面壁部には、メダル払出口8がそれぞれ設けられている。更に、各ステーション4の画像表示装置7の右上には音楽、効果音及び後述のメンテナンスを促す警告音等を流すスピーカ9が設けられている。
【0013】
そして、メダル投入口5の内部にはメダルセンサ(図示せず)が設けられており、メダル投入口5より投入されたメダル等の遊技媒体の識別を行うとともに、投入されたメダルをカウントする。また、メダル払出口8の内部にはホッパー(図示せず)が設けられており、所定枚数のメダルをメダル払出口8から払い出す。
【0014】
また、筐体3の角に位置するコーナー部12の内部には後述のサーバ20が配置されている。ここで、サーバ20は遊技者によって操作されることのないように、通常はコーナー部12の内部に収納されているが、キースイッチを使用してコーナー部12に設けられたコーナー扉13を開放することによって、サーバ20の操作が可能となる。そして、サーバ20を操作することによって、ルーレットゲーム機1の各種設定とともにメンテナンスを促す報知を行う条件(報知を行うか否か、報知の具体的な日時等)の設定変更が可能となる。
【0015】
また、電光表示部10には各ステーション4で遊技を行う遊技者がベットしたクレジットの所定割合(例えば、0.5%)を累積記憶したジャックポット(以下、JPと略記する)の額を表示するJP額表示部11が設けられている。このJP額表示部11は電光表示部10の頂上部に設けられており、ステーション4で遊技する全ての遊技者からその表示内容が視認可能となっている。
【0016】
次に、図2を用いて本実施形態に係るルーレットゲーム機1に設けられたサーバ20について説明する。図2は本実施形態に係るサーバ20を示した斜視図である。
ここで、図2はコーナー部12のコーナー扉13を開放した状態を示した図であり、筐体3の壁面に形成された空間21内にサーバ20が設置されている。
【0017】
ここで、サーバ20は、各ステーション4と接続されており、各ステーション4に命令信号を送信することにより、各ステーション4を主導的に制御し、遊技を進行させるものである。また、ルーレットゲーム機1の遊技に関する制御の他に、メンテナンスを行う必要のある箇所においてメンテナンスを行う時期であることを報知する報知条件(例えば、報知を行う日時)の設定変更等のルーレットゲーム機1に係る各種設定も行う。
【0018】
図2に示すようにサーバ20には、液晶ディスプレイ22及びキーボード23が接続されており、液晶ディスプレイ22には後述のメニュー画面30(図3参照)やメンテナンス画面32(図4参照)が表示される。また、キーボード23は複数のキーが配置された操作手段であり、液晶ディスプレイ22にメニュー画面30やメンテナンス画面32が表示された状態で保守員が操作を行うことにより、ルーレットゲーム機1における各種設定の他、メンテナンスを行う必要のある箇所においてメンテナンスを行う時期であることを報知する報知条件の設定変更が可能となっている。
【0019】
ここで、本実施形態に係るルーレットゲーム機1においてメンテナンスを行う必要のある箇所は、コンプレッサ、ドレインボトル、ウィール、ウィールを回転させる駆動モータの計4箇所であり、各箇所にそれぞれ異なる報知条件の設定が可能となっている。
また、メンテナンスを行う時期であることを報知する報知条件とは、メンテナンスを促す警告文の表示及び警告音の出力による報知を行うか否か、更に、報知を行う場合には次回に当該報知を行う具体的な日時である。
【0020】
尚、保守員は前記メンテナンスの必要のある箇所のメンテナンスを行うに際して、特にコンプレッサに関してはホコリの詰まったフィルタの交換を行う。また、ドレインボトルに関してはボトルに溜まった排水を処分する。また、ウィールに関してはルーレット装置2内で回転するウィールが水平となるように調整する。更に、駆動モータに関してはモーターローラのチェーンやワイヤの張りを調整する。
【0021】
続いて、サーバ20の液晶ディスプレイ22に表示されるメニュー画面30及びメンテナンス画面32について説明する。図3は液晶ディスプレイ22に表示されるメニュー画面30を示した図、図4は液晶ディスプレイ22に表示されるメンテナンス画面32を示した図である。
【0022】
図3に示すようにメニュー画面30には、ルーレットゲーム機1に係る複数(本実施形態では8項目)の設定項目31が表示されており、保守員はキーボード23を用いて希望する設定項目31を選択することによってルーレットゲーム機1に係る各種の設定(例えば、音量の設定、テスト運転等)を行うことが可能となる。そして、設定項目31の内、特に「MAINTENANCE ALARM MENU」が選択された場合には、メンテナンス画面32を表示させ、メンテナンスを行う必要のある箇所においてメンテナンスを行うべき時期であることを報知する報知条件の設定変更を可能とする。
【0023】
図4に示すようにメンテナンス画面32には、本実施形態に係るルーレットゲーム機1においてメンテナンスを行う必要のある箇所であるコンプレッサ、ドレインボトル、ウィール、駆動モータを示す4つのメンテナンス項目33が表示される。
各メンテナンス項目33には予めルーレットゲーム機1が設置される国の気象条件をもとに次回のメンテナンス時期の報知を行う具体的な日時が出荷時に設定されており、更にメンテナンス時期の報知を行う前記日時は保守員によってメンテナンスの終了確認の所定操作がなされた後に予め設定された所定期間後(例えば一ヵ月後)の日時に更新されるようになっている。
【0024】
ここで、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、そのようにしてサーバ側で設定されるメンテナンス時期を報知する為の報知条件を、メンテナンス画面32とキーボード23を用いて任意の条件に変更することが可能となっている。
例えば、メンテナンス項目33の内、特に「1.COMPRESSOR」が選択されると、所定のタイミングでコンプレッサのメンテナンスを行う時期であることを報知する警告文を画像表示装置7に表示すること、及びスピーカ9から警告音を出力することを行うか否かの設定変更が可能となる。また、報知を行うと設定された場合には、更に次回に警告文の表示及び警告音の出力を行う具体的な日時を現在設定されている日時から変更して入力することが可能となる。
また、「2.DRAIN BOTTLE」が選択されると、ドレインボトルのメンテナンス時期の報知に関する同様の設定変更が可能となる。
また、「3.WHEEL」が選択されると、ルーレット装置2のウィールのメンテナンス時期の報知に関する同様の設定変更が可能となる。
更に、「4.MOTOR」が選択されると、ルーレット装置2のウィールを回転駆動させる駆動モータのメンテナンス時期の報知に関する同様の設定変更が可能となる。
【0025】
以下にメンテナンス時期の報知に関する設定変更について具体的に説明すると、図4に示すようにメンテナンス項目33の下段の最も左に位置するメンテナンス可否表示部34に「YES」を入力することによって、該当するメンテナンス項目33のメンテナンス時期を報知する警告文の表示及び警告音の出力が行われるように設定され、「NO」を入力することによって、警告文の表示及び警告音の出力が行われないように設定される。
また、メンテナンス可否表示部34に「YES」が入力された場合には、メンテナンス可否表示部34の右に位置する日付表示部35に所定の日付(例えば、2005年の7月6日では「20050706」)を入力し、また、日付表示部35の右に位置する時刻表示部36に所定の時刻(例えば、午後11時では「23:00」)を入力することによって、日付表示部35に入力された日付で、且つ時刻表示部36に入力された時刻に、該当するメンテナンス項目33のメンテナンス時期を報知する警告文の表示及び警告音の出力が行われるように設定される。
そして、サーバ20は、後述するようにメンテナンス画面32で設定変更された報知条件(設定変更されていない場合には出荷時に設定されている報知条件)に従って、各ステーション4において画像表示装置7に警告文を表示したり、スピーカ9から警告音を出力することを行う(図10参照)。
【0026】
尚、後述するように日付表示部35及び時刻表示部36において設定された日時となった場合であっても、いずれかのステーション4にクレジットが貯留されている場合には、遊技者による遊技が行われているものと判定し、その後に全てのステーション4で貯留されているクレジットが0となる場合までメンテナンス時期の報知は行われない。それによって、メンテナンス時期の報知がルーレットゲーム機1で遊技中の遊技者にとって遊技の妨げになる虞がない。
【0027】
また、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、メンテナンスを促す報知を行うタイミングとしては、メンテナンス画面32等によって予め設定された日時に基づいて定期的に行う以外に、各種センサによってメンテナンスを行う必要のある箇所がメンテナンスを行う必要のある状態となったことが検出された場合にも行われる。
【0028】
以下に、各種センサによるメンテナンスを行う必要のある箇所の状態の検出構造について具体例を挙げて説明する。図5はボールの発射に使用されるコンプレッサ71のエアフィルタ72に詰まったホコリの量を検出する検出構造について示した模式図、図6はルーレット装置2で発生した排水を一時的に溜めるドレインボトルの貯水率を検出する検出構造について示した模式図である。
【0029】
図5に示すように、本実施形態に係るコンプレッサ71は空気取込口73から取り込んだ空気をエアフィルタ72を介して圧縮機構部へと送り、所定圧力に圧縮した空気を吐出するものである。そして、コンプレッサ71により吐出された空気はエアホースを通してルーレット装置2のルーレット盤上に送られ、ルーレット盤上に置かれたボールを転動させる際の動力源に用いられる。ここで、エアフィルタ72は黒色のろ材によって成形されており、コンプレッサ内に空気を取り込む際に空気中のチリやホコリを取り除くために設けられているが、継続して使用することによりエアフィルタ72に対して徐々にチリやホコリが付着すると、エアフィルタ72の空気の通過量が少なくなり、コンプレッサ71の不具合発生の大きな要因となる。
【0030】
そして、本実施形態に係るコンプレッサ71ではエアフィルタ72に対してホコリが一定量以上付着したことを検出するフィルタ検出センサ74を設けている。フィルタ検出センサ74は、図5に示すようにエアフィルタ72の対面に形成された金属製の壁部75の略中央部に固定支持され、円形状のエアフィルタ72の略中央部に対して光を発光する。ここで、フィルタ検出センサ74は、反射型の光センサであり、赤外線を発光する発光素子と受光する受光素子とから構成されている。そして、エアフィルタ72は黒色を有するので、ホコリが付着していない状態及びホコリの付着量が一定以下の状態では発光された赤外線が受光素子で検出されず、一方、ホコリが一定量付着した状態では発光された赤外線がエアフィルタ72の表面で反射して受光素子で検出されることとなる。従って、エアフィルタ72にホコリが一定量付着したことを検知することが可能となる。尚、フィルタ検出センサ74とエアフィルタ72との距離は30cm以内であることが望ましい。
【0031】
そして、サーバ20は、後述するようにフィルタ検出センサ74によってエアフィルタ72にホコリが一定量以上付着したことを検出した場合に、各ステーション4において画像表示装置7に警告文を表示したり、スピーカ9から警告音を出力することを行う(図11参照)。
【0032】
また、図6に示すように、本実施形態に係るドレインボトル81はコンプレッサ71による空気圧縮時に発生した排水がドレインユニット82によって一箇所に運ばれ、溜められるタンクである。ここで、ドレインボトル81は所定容量までの排水を溜めることが可能であるが、溜められた排水がタンクの最大容量を越えるとドレインユニット82によって運ばれた排水がドレインボトル81の周囲に漏れ出し、ルーレットゲーム機1の電気系統のショート等による不具合発生の大きな要因となる。
【0033】
そして、本実施形態に係るドレインボトル81はドレインボトル81内に排水が一定量以上溜まったことを検出する排水量検出センサ83を設けている。排水量検出センサ83は、図6に示すようにドレインボトル81の両側面において約2/3の高さ位置に左右一対に固定支持されている。ここで、排水量検出センサ83は、透過型の光センサであり、赤外線を発光する発光素子と受光する受光素子とから構成されている。そして、ドレインボトル81内に溜まった排水84の水面が排水量検出センサ83が取り付けられた高さの水位まで到達すると、発光素子から発光された赤外線が遮られて受光素子で検出されないこととなる。それによって、ドレインボトル81に排水が最大容量の約2/3の量まで溜まったことを検知することが可能となる。
【0034】
そして、サーバ20は、後述するように排水量検出センサ83によってドレインボトル81に排水が一定量以上溜まったことを検出した場合に、各ステーション4において画像表示装置7に警告文を表示したり、スピーカ9から警告音を出力することを行う(図11参照)。
【0035】
次に、本実施形態に係るステーション4に設けられたコントロール部6及び画像表示装置7の構成について説明する。
コントロール部6は、図1に示すように画像表示装置7の側部に設けられ、遊技者により操作される各ボタンが配置されている。具体的には、ステーション4に対向する位置から見て左側からBET確定ボタン37、払い戻し(CASHOUT)ボタン38、ヘルプ(HELP)ボタン39が配置されている。
【0036】
BET確定ボタン37は、後述する画像表示装置7によるベット操作の後にベットを確定する際に押下されるボタンである。そして、ベットが確定され、且つ、遊技中に前記ルーレット装置2においてボールが納まったボール収納部に対応する番号にベットしていた場合に当選となる。当選した場合には、ベットしたチップの枚数に応じたクレジットが、遊技者の現在所有するクレジットに加算される。尚、ベット操作については後に詳細に説明する。
【0037】
払い戻しボタン38は、通常、ゲーム終了時に押下されるボタンであり、払い戻しボタン38が押下されると、ゲーム等によって獲得した現在遊技者が所有するクレジット(即ち、ステーションに貯留されているクレジット)に応じたメダル(通常は1クレジットに対してメダル1枚)がメダル払出口8から払い戻される。
【0038】
ヘルプボタン39は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押下されるボタンであり、ヘルプボタン39が押下されると、その直後に画像表示装置7上に各種の操作情報を示したヘルプ画面が表示される。
【0039】
一方、画像表示装置7はタッチパネル25が前面に取り付けられた所謂タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、液晶画面上に表示されたアイコンを指等で押圧することによりその選択が可能となっている。図7は遊技中に画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【0040】
図7に示すように、ルーレットゲーム機1の遊技中において画像表示装置7には、テーブル式ベッティングボード40を有するBET画面41が表示される。そして、遊技者はBET画面41を操作することによって、手持ちのクレジットを使用してチップをベットすることができる。
【0041】
以下に、図7に基づいてBET画面41について説明する。BET画面41に表示されるテーブル式ベッティングボード40には、ルーレット装置2に表示された数字「0」、「00」、「1」〜「36」と同じ数字がマス目状に配列表示されている。また、「奇数の数字」、「偶数の数字」、「番号表示板の色の種類(赤又は黒)」、「一定の数字範囲(例えば「1」〜「12」等)」を指定してチップをベットする為の特殊なBETエリアも同様にマス目状に配列されている。
【0042】
そして、テーブル式ベッティングボード40の下方には画面左から順に、結果履歴表示部42、単位BETボタン43、払い戻し結果表示部44、クレジット数表示部45が表示されている。
【0043】
結果履歴表示部42は、前回までのゲームにおける当選番号の結果が一覧に表示される。その際、1ゲームが終了すると、新たな当選番号が上から追加して表示されていき、最大16ゲームの当選番号の履歴を確認することが可能となっている。
【0044】
また、単位BETボタン43は、遊技者が指定したBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)にベットする為のボタンである。単位BETボタンは1BETボタン43A、5BETボタン43B、10BETボタン43C、100BETボタン43Dの四種類からなる。
遊技者は、先ず、ベットするBETエリアを指等で画面を直接押すことにより、後述のカーソル46でBETエリアを指定する。その状態で、1BETボタン43Aを押下すると、遊技者はチップを1枚毎(1BETボタン43Aを指等で押す毎に「1」→「2」→「3」→・・・の順にベット枚数が増加)にベットする。一方、10BETボタン43Cを押下すると、チップを10枚単位(10BETボタン43Cを指等で押す毎に「10」→「20」→「30」→・・・の順にベット枚数が増加)でベットすることが可能である。尚、5BETボタン43B、100BETボタン43Dの操作も同様である。従って、多量のチップをベットする際にも、その操作を簡略化することができる。
【0045】
また、払い戻し結果表示部44は、前回のゲームにおける遊技者のチップのベット枚数、及び払い戻しのクレジット数が表示される。ここで、払い戻しクレジット数よりベット枚数を引いた数が、前回のゲームにより遊技者が新たに獲得したクレジット数である。
【0046】
更に、クレジット数表示部45は、現在の遊技者が所有する(ステーション4に貯留されている)クレジット数が表示される。このクレジット数は、チップをベットした際にはそのベット枚数(チップ一枚につき1クレジット)に応じて減少する。また、ベットした番号が当選し、クレジットの払い戻しがなされた場合には、払い戻し枚数分のクレジット数が増加する。尚、遊技者が所有するクレジット数が0となった場合には、遊技終了となる。
【0047】
また、テーブル式ベッティングボード40上には、現在遊技者が選択しているBETエリアを示すカーソル46が表示される、また、現時点までにおいてベットしたチップの枚数とBETエリアを示すチップマーク47が表示され、チップマーク47上に表示された数字が、チップのベット枚数を示す。
【0048】
前記のように構成されたBET画面41で遊技者がベットする際には、先ず、ベットを行うBETエリア(番号及びのマークのマス目上、若しくはマス目を形成するライン上)を画面上で指定して直接指により押圧する。その結果、カーソル46が指定したBETエリアに移動する。
その後、単位BETボタン43の各単位ボタン(1BETボタン43A、5BETボタン43B、10BETボタン43C、100BETボタン43D)を押下することにより、その単位数分のメダルが指定されたBETエリアにベットされる。例えば、10BETボタン43Cを4回、5BETボタン43Bを1回、1BETボタン43Aを3回押下すれば、合計48枚のメダルをベットすることができる。
【0049】
また、単位BETボタン43の左側にはメンテナンス警告表示部48が設けられており、前記したメンテナンス画面32等で設定された日時になると、保守員に対して該当するメンテナンス箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49が表示される。
更に、本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、フィルタ検出センサ74によってコンプレッサ71のエアフィルタ72に所定量以上のホコリが付着したことが検出された場合、及び排水量検出センサ83によってドレインボトル81に所定量以上の排水が溜まったことが検出された場合にも保守員に対して該当するメンテナンス箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49が表示される。
そして、メンテナンス警告文49には、メンテナンスを促す箇所を特定する内容が表示され、例えば、メンテナンス項目33(図4参照)の内、「1.COMPRESSOR」に設定される日時となった場合、及びエアフィルタ72に所定量以上のホコリが付着したことが検出された場合にはコンプレッサのメンテナンスを促す「MAINTAIN THE COMPRESSOR」の文字が表示される。また、「2.DRAIN BOTTLE」に設定された日時となった場合、及びドレインボトル81に所定量以上の排水が溜まったことが検出された場合にはドレインボトルのメンテナンスを促す「MAINTAIN THE DRAIN BOTTLE」の文字が表示される。そして、このメンテナンス警告文49は、保守員がメンテナンスを行い、その後、サーバ20によって該当する箇所のメンテナンスが終了したことを確認する所定の操作を行うまで基本的に継続して表示される。但し、メンテナンス警告文49が表示された状態で終了確認の操作が行われることなく一週間が経過した場合には、サーバ20によって現在設定されている日時から一ヵ月後の日時が次回のメンテナンス時期を報知する日時に自動的に更新され、メンテナンス警告文49は消去される。それによって、保守員がメンテナンスを終了した際に、確認する所定の操作を行うことを忘れた場合であっても、所定期間のみしかメンテナンス警告文49が表示されず、遊技者の遊技を妨げる虞が無くなる。また、適当と思われる時期に次回のメンテナンス時期の報知を行うことが可能となる。
【0050】
次に、本実施形態に係るルーレットゲーム機1の制御系に係る構成について図8に基づき説明する。図8はルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
図8に示すように、ルーレットゲーム機1は、サーバ20とサーバ20に接続された複数(本実施形態では12台)のステーション4とから構成されており、更にサーバ20には、ルーレット装置2と電光表示部10とフィルタ検出センサ74と排水量検出センサ83が接続されている。尚、ステーション4の制御系に関しては後に詳細に説明する。
【0051】
また、サーバ20は、サーバ20の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのサーバ制御用CPU51、ROM52、及びRAM53と、サーバ制御用CPU51に接続されたタイマー54と、液晶駆動回路55を介して接続された液晶ディスプレイ22と、キーボード23(図2参照)とから基本的に構成されている。
【0052】
サーバ制御用CPU51は、各ステーション4から供給される入力信号等、並びに、ROM52、及びRAM53に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を行い、その結果に基づいてステーション4に命令信号を送信することにより、各ステーション4を主導的に制御し、遊技を進行させる。更に、ルーレット装置2に備えられた駆動モータやコンプレッサ71を駆動させることによりボールの発射やウィールの回転を行うとともに、ボールの落下位置を特定する当選番号判定センサを制御することによりボールが落下した当選番号の判定を行う。そして、得られた当選番号と、各ステーション4から送信されたベット情報とに基づいて、ベットされたチップの当選判定を行い、各ステーション4において払い出されるクレジット数を計算する。
【0053】
ROM52は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ルーレットゲーム機1の基本的な機能を実現させるためのプログラムや、メンテナンス時期の報知及び報知する報知条件の設定、管理を実行するプログラム、ルーレットゲームに対するオッズ(チップ一枚あたりの当選に対するクレジットの払い出し数)、各ステーション4を主導的に制御するためのプログラム等を記憶する。
【0054】
一方、RAM53は、各ステーション4から供給されるチップのベット情報、センサにより判定されたルーレット装置2の当選番号、メンテナンス画面32において設定されたメンテナンスを必要とする箇所毎のメンテナンス時期の報知を行うか否か、報知の具体的な日時、及びサーバ制御用CPU51により実行された処理の結果に関するデータ等を一時的に記憶する。
【0055】
更に、サーバ制御用CPU51には、時間計測を行うカレンダー機能付きのタイマー54が接続されている。タイマー54の時間情報はサーバ制御用CPU51に送信され、サーバ制御用CPU51はタイマー54の時間情報に基づいて後述のようにメンテナンスを促す報知を行う。
【0056】
更に、サーバ制御用CPU51には、フィルタ検出センサ74及び排水量検出センサ83が接続されている。そして、サーバ制御用CPU51はフィルタ検出センサ74の検出結果に基づいてコンプレッサ71のエアフィルタ72に所定量以上のほこりが付着していることを検知し、また排水量検出センサ83の検出結果に基づいてドレインボトル81に所定量以上の排水が溜まったことを検知する。
【0057】
また、サーバ制御用CPU51には、電光表示部10(図1参照)が接続されている。そして、LED等の発光手段の発光を制御することにより電飾による演出を行い、また電光表示部10に対して所定の文字等の表示を行う。更に、電光表示部10の特にJP額表示部11には、現在までに累積されているJPの額を表示させる。
【0058】
次に、本実施形態に係るサーバ20に接続されたステーション4の制御系に係る構成について図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係るステーション4の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、12台設けられたステーション4は基本的に同じ構成を有しており、以下には1台のステーション4を例にして説明する。
【0059】
ステーション4は、図9に示すように、ステーション制御部60、及びいくつかの周辺装置機器により構成されている。ステーション制御部60は、ステーション制御用CPU61と、ROM62と、RAM63とからなっている。ROM62は、例えば、半導体メモリ等により構成され、ステーション4の基本的な機能を実現させるためのプログラム、その他ステーション4の制御上必要な各種のプログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM63は、ステーション制御用CPU61で演算された各種データ、遊技者の現在所有する(ステーション4に貯留された)クレジット数、遊技者によるチップのベット状況等を一時的に記憶しておくメモリである。
【0060】
また、ステーション制御用CPU61には、コントロール部6(図1参照)に設けられたBET確定ボタン37、払い戻しボタン38、ヘルプボタン39がそれぞれ接続されている。そして、ステーション制御用CPU61は各ボタンの押下等により出力される操作信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。具体的には、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、並びに、ROM62、RAM63に記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果を上述したサーバ制御用CPU51に送信する。
一方、ステーション制御用CPU61は、サーバ制御用CPU51からの命令信号を受信し、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ステーション4においてルーレットゲームを進行させる。また、ステーション制御用CPU61は、処理の内容によっては、遊技者の操作が入力されたことを受けてコントロール部6から供給される入力信号、及び、ROM62とRAM63とに記憶されたデータやプログラムに基づいて、各種の処理を実行し、その結果に基づいて、ステーション4を構成する周辺機器を制御し、ステーション4においてルーレットゲームを進行させる。
【0061】
また、ステーション制御用CPU61には、ホッパー64が接続されている。ホッパー64は、ステーション制御用CPU61からの命令信号により、所定枚数のメダルをメダル払出口8(図1参照)から払い出す。
更に、ステーション制御用CPU61には、液晶駆動回路65を介して画像表示装置7が接続されている。この点、液晶駆動回路65は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。そして、プログラムROMには、画像表示装置7での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、画像表示装置7で表示される画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、ステーション制御用CPU61で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から画像表示装置7に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、前記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、画像表示装置7に出力するものである。尚、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0062】
また、画像表示装置7の前面には、前記したようにタッチパネル25が取り付けられており、タッチパネル25の操作情報はステーション制御用CPU61に対して送信される。タッチパネル25では、前記BET画面41において遊技者のチップのベット操作が行われる。具体的には、BETエリアの選択、単位BETボタン43の操作等においてタッチパネル25の操作が行われ、その情報がステーション制御用CPU61に送信される。そして、その情報に基づいてRAM63に現在の遊技者のベット情報(BET画面41において指定したBETエリア、並びにベットしたチップの枚数)が随時記憶される。更に、そのベット情報はサーバ制御用CPU51に対して送信され、RAM53のベット情報記憶エリアに記憶される。
【0063】
更に、音出力回路66及びスピーカ9がステーション制御用CPU61に接続されており、スピーカ9は、音出力回路66からの出力信号に基づき各種演出を行う際に各種の効果音を発生するものである。また、サーバ20のメンテナンス画面32(図3参照)等によって設定されたメンテナンス時期の報知を行う日時となったと判定した場合、又はフィルタ検出センサ74、排水量検出センサ83によってメンテナンスが必要であると判定された場合には、サーバ20からの指示に基づいてメンテナンスを促すメンテナンス警告文49(図7)を画像表示装置7に表示させるとともに、スピーカ9から警告音が出力される。ここで出力される警告音は、単に電子音を所定間隔で出力することとしても良いし、該当するメンテナンス箇所を特定する音声を出力するようにしても良い。
【0064】
また、ステーション制御用CPU61にメダルセンサ67が接続されている。メダルセンサ67はメダル投入口5(図1)から投入されたメダルを検出するとともに、投入されたメダルを演算し、その結果をステーション制御用CPU61に対して送信する。そして、ステーション制御用CPU61は、送信された信号に基づいてRAM63に記憶された遊技者の所有するクレジット数を増加させる。
【0065】
続いて、本実施形態に係るルーレットゲーム機1のサーバ20における第1メンテナンス報知処理プログラムについて図10に基づき説明する。ここで、第1メンテナンス報知処理プログラムは、メンテナンスを必要とする各メンテナンス箇所に予め設定された報知日時となった場合に、メンテナンスを行う時期であることの報知を行うものである。図10は本実施形態に係るサーバ20が実行する第1メンテナンス報知処理プログラムのフローチャートである。尚、以下に図10及び図11にフローチャートで示される各プログラムはサーバ20が備えているROM52やRAM53に記憶されており、サーバ制御用CPU51により実行される。
【0066】
先ず、ステップ(以下、Sと略記する)1において、サーバ制御用CPU51は、出荷時に設定され、またサーバ20を用いて設定変更されたメンテナンス時期であることを報知する報知条件をRAM53から読み出し、報知を行うと設定されたメンテナンス項目33で日付表示部35及び時刻表示部36に入力された設定日時に現在の日時が到達したか否かをタイマー54から取得した情報に基づいて判定する。
【0067】
そして、設定日時に到達したと判定された場合(S1:YES)にはS2へと移行し、設定日時に到達していないと判定された場合(S1:NO)には設定日時となるまで待機される。一方、S2では、各ステーション4において貯留されているクレジット(遊技者の所有するクレジット)があるか否かがステーション4から送信された情報に基づいて判定される。
【0068】
その結果、いずれかのステーション4において貯留されているクレジットがあると判定された場合(S2:NO)には、貯留されたクレジットが無くなるまで待機される。それに対して、全てのステーション4において貯留されているクレジットが無いと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。
【0069】
S3においては、BET画面41のメンテナンス警告表示部48に該当する箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49を表示させるとともに、スピーカ9から同じくメンテナンスを促す警告音を出力する。
【0070】
その後、S4では保守員によってメンテナンスの終了確認の操作がなされたか否かが判定される。ここで、終了確認の操作はメンテナンス作業が終了した後に保守員がキーボード23を用いて所定の操作を行うことによってなされ、終了確認の操作がなされたと判定された場合(S4:YES)には、必要なメンテナンス作業が終了したと判定され、メンテナンス警告文49の表示をBET画面41から消去し、更に警告音の出力を停止する(S5)。
【0071】
一方、終了確認の操作がなされていないと判定された場合(S4:NO)には、S6で警告文の表示及び警告音の出力がなされてから一週間が経過したか否かが判定される。そして、一週間が経過していないと判定された場合(S6:NO)には、再度S4へと戻り終了確認の操作がなされたか否か判定される。
【0072】
それに対し、一週間が経過したと判定された場合(S6:YES)には、サーバ制御用CPU51は、出荷時に設定され、またサーバ20を用いて設定変更されたメンテナンス時期であることを報知する報知条件をRAM53から読み出し、報知を行うと設定されたメンテナンス項目33の設定されている報知日時を一ヶ月経過後の日時に更新する(S7)。例えば、2005年8月10日の午後11時に設定されていた場合には、2005年9月10日の午後11時に次回のメンテナンスに関する報知を行うようにその条件を更新する。
その後、S5ではメンテナンス警告文49の表示をBET画面41から消去し、更に警告音の出力を停止する。
【0073】
続いて、本実施形態に係るルーレットゲーム機1のサーバ20における第2メンテナンス報知処理プログラムについて図11に基づき説明する。ここで、第2メンテナンス報知処理プログラムは、メンテナンスを必要とする各メンテナンス箇所の内、特にコンプレッサ71のエアフィルタ72にホコリが一定量以上(エアフィルタの一面がホコリで覆われる量以上)付着した場合、及びドレインボトル81に排水が一定量以上溜まった場合に、メンテナンスを行う時期であることの報知を行うものである。図11は本実施形態に係るサーバ20が実行する第2メンテナンス報知処理プログラムのフローチャートである。
【0074】
先ず、S11において、サーバ制御用CPU51は、フィルタ検出センサ74の検出結果に基づいて、コンプレッサ71のエアフィルタ72にホコリが一定量以上付着しているか否かを判定する。そして、一定量以上付着していると判定された場合(S11:YES)にはS13へと移行し、一定量以上付着していないと判定された場合(S11:NO)には、S12へと移行する。
【0075】
また、S12では、排水量検出センサ83の検出結果に基づいて、ドレインボトル81に排水が一定量以上(本実施形態ではドレインボトル81の最大容量の2/3)溜まったか否かを判定する。そして、一定量以上溜まったと判定された場合(S12:YES)にはS13へと移行し、一定量以上溜まっていないと判定された場合(S12:NO)には、再度S11の判定処理へと戻る。
【0076】
そして、S13では、各ステーション4において貯留されているクレジット(遊技者の所有するクレジット)があるか否かがステーション4から送信された情報に基づいて判定される。
【0077】
その結果、いずれかのステーション4において貯留されているクレジットがあると判定された場合(S13:NO)には、貯留されたクレジットが無くなるまで待機される。それに対して、全てのステーション4において貯留されているクレジットが無いと判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行する。
【0078】
S14においては、BET画面41のメンテナンス警告表示部48に前記S11又はS12で検出されたメンテナンス箇所(コンプレッサ71又はドレインボトル81)のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49を表示させるとともに、スピーカ9から同じくメンテナンスを促す警告音を出力する。
【0079】
その後、S15では保守員によってメンテナンスの終了確認の操作がなされたか否かが判定される。ここで、終了確認の操作はメンテナンス作業が終了した後に保守員がキーボード23を用いて所定の操作を行うことによってなされ、終了確認の操作がなされたと判定された場合(S15:YES)には、必要なメンテナンス作業が終了したと判定され、メンテナンス警告文49の表示をBET画面41から消去し、更に警告音の出力を停止する(S16)。
【0080】
一方、終了確認の操作がなされていないと判定された場合(S15:NO)には、S17で警告文の表示及び警告音の出力がなされてから一週間が経過したか否かが判定される。そして、一週間が経過していないと判定された場合(S17:NO)には、再度S15へと戻り終了確認の操作がなされたか否か判定される。
【0081】
それに対し、一週間が経過したと判定された場合(S17:YES)には、サーバ制御用CPU51は、出荷時に設定され、またサーバ20を用いて設定変更されたメンテナンス時期であることを報知する報知条件をRAM53から読み出し、前記S11又はS12でメンテナンスが必要であることが検出された日時から一ヶ月経過後の日時に更新する(S18)。例えば、2005年8月10日の午後11時にコンプレッサ71のエアフィルタ72に所定量以上のホコリが付着していることが検出された場合には、2005年9月10日の午後11時に次回のメンテナンスに関する報知を行うように現在の条件を更新する。
その後、S16ではメンテナンス警告文49の表示をBET画面41から消去し、更に警告音の出力を停止する。
【0082】
以上説明した通り本実施形態に係るルーレットゲーム機1では、メンテナンスを行う必要のある箇所のそれぞれについて、メンテナンス作業を促す警告文の表示や警告音の出力を行うか否か、及び行う場合には次回に行う具体的日時についてサーバ20のメンテナンス画面32を用いて設定し、設定した日時に到達したと判定された場合(S1:YES)に、BET画面41のメンテナンス警告表示部48に該当する箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49を表示させるとともに、スピーカ9から同じくメンテナンスを促す警告音を出力する(S3)ので、メンテナンス作業を行わせることによってルーレットゲーム機1に不具合が発生することを予め防止することが可能となるとともに、そのメンテナンス作業を必要なタイミングで行うことによって作業の効率化が可能となる。従って、メンテナンスに多くの時間が必要で、交換パーツの補充も困難な大型の多人数参加型のゲーム装置であっても、メンテナンスや修理による遊技店側の負担が少なくなる。
また、フィルタ検出センサ74の検出結果に基づいて、コンプレッサ71のエアフィルタ72にホコリが一定量以上付着していると判定された場合(S11:YES)、又はドレインボトル81に排水が一定量以上(本実施形態ではドレインボトル81の最大容量の2/3)溜まったと判定された場合(S12:YES)には、BET画面41のメンテナンス警告表示部48に検出された箇所のメンテナンスを促すメンテナンス警告文49を表示させるとともに、スピーカ9から同じくメンテナンスを促す警告音を出力する(S14)ので、メンテナンスを必要とする箇所の状態がメンテナンスを行うべき状態となった場合にメンテナンス作業を行わせることによってルーレットゲーム機1に不具合が発生することを予め防止することが可能となるとともに、メンテナンス作業の効率化が可能となる。
また、設定された日時となった場合又はメンテナンスを行うべき状態となったことを検出した場合であっても、いずれかのステーション4にクレジットが貯留されている場合(S2:YES、S13:YES)には、遊技者による遊技が行われているものと判定し、その後に全てのステーション4で貯留されているクレジットが0となるまでメンテナンス時期の報知は行われない。それによって、警告文の表示や警告音の出力がルーレットゲーム機1で遊技中の遊技者にとって遊技の妨げになる虞がない。
また、警告文の表示や警告音の出力がされた状態で終了確認の操作が行われることなく一週間が経過した場合(S6:YES、S17:YES)には、サーバ20によって現在設定されている日時又はメンテナンスを行うべき状態となったことを検出した日時から一ヵ月後の日時が次回のメンテナンス時期を報知する日時に自動的に更新され、メンテナンス警告文49は消去される。それによって、保守員がメンテナンスを終了した際に、確認する所定の操作を行うことを忘れた場合であっても、所定期間のみしか警告文の表示や警告音の出力が行われず、遊技者の遊技を妨げる虞が無くなる。また、適当と思われる時期に次回のメンテナンス時期の報知を行うことが可能となる。
【0083】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、サーバ20で設定された日時となった場合であっても、いずれかのステーション4にクレジットが貯留されている場合(S2:YES)には、メンテナンス時期の報知は行われないように構成することにより、報知が遊技者の遊技の妨げとならないようにされているが、他に一定期間(例えば1時間)ベット操作が行われていないと判定した場合のみにメンテナンス時期の報知を行うようにしても良い。また、深夜や早朝の遊技者が少ない時間のみにメンテナンス時期の報知を行うようにしても良い。更に、予め報知を行わない時間帯や日付をサーバ20により設定できることとしても良い。
【0084】
また、本実施形態ではコンプレッサ71のエアフィルタ72に対してホコリが一定量以上付着した場合と、ドレインボトル81に一定量以上の排水が溜まった場合にそれを検出してメンテナンスを促す報知を行うように構成されているが、その他に、例えばウィールの傾きを検出する角度センサを設け、ウィールが水平方向に対して所定角度以上傾斜していることを検出した場合にメンテナンスを促す報知を行うようにしても良い。
【0085】
また、本実施形態ではルーレットゲーム機1においてメンテナンス画面32で条件を設定できるメンテナンスを必要とするメンテナンス箇所は、コンプレッサ、ドレインボトル、ウィール、駆動モータの四箇所であるが、対象となるメンテナンス箇所を保守員の手によって追加することが可能なように構成しても良い。
【0086】
また、メンテナンス時期であることを報知する手段としては、警告文の表示や警告音の出力の他に、ランプを点灯させること等によっても可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施形態に係るルーレットゲーム機の概略構成を示す外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係るサーバを示した斜視図である。
【図3】サーバの液晶ディスプレイに表示されるメニュー画面を示した図である。
【図4】サーバの液晶ディスプレイに表示されるメンテナンス画面を示した図である。
【図5】ボールの発射に使用されるコンプレッサのエアフィルタに詰まったホコリの量を検出する検出構造について示した模式図である。
【図6】ルーレット装置で発生した排水を一時的に溜めるドレインボトルの貯水率を検出する検出構造について示した模式図である。
【図7】遊技中に画像表示装置に表示される表示画面の一例を示した図である。
【図8】ルーレットゲーム機の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図9】本実施形態に係るステーションの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図10】本実施形態に係るサーバが実行する第1メンテナンス報知処理プログラムのフローチャートである。
【図11】本実施形態に係るサーバが実行する第2メンテナンス報知処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 ルーレットゲーム機
2 ルーレット装置
4 ステーション
7 画像表示装置
9 スピーカ
20 サーバ
51 サーバ制御用CPU
52 ROM
53 RAM
71 コンプレッサ
72 エアフィルタ
74 フィルタ検出センサ
81 ドレインボトル
83 排水量検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行う遊技装置と、
前記遊技装置の遊技結果を予想して貯留された遊技媒体に基づいて行われる遊技者のベット操作を受け付ける複数のベット装置と、を有する多人数参加型ゲーム装置であって、
前記遊技装置及び前記ベット装置においてメンテナンスを行う必要のある所定のメンテナンス箇所がメンテナンスを行う時期であることを報知するメンテナンス時期報知手段と、
前記メンテナンス箇所の状態を検出する状態検出手段を備え、
前記メンテナンス時期報知手段は、前記状態検出手段によって前記メンテナンス箇所の状態が所定の状態になったと検出された場合に報知を行うことを特徴とする多人数参加型ゲーム装置。
【請求項2】
前記メンテナンス時期報知手段は、全ての前記ベット装置において遊技媒体が貯留されていないと判定された場合に報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の多人数参加型ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−29427(P2007−29427A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217082(P2005−217082)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)