多位置式サンプリングバルブ
本発明は、試薬を用いた複数の分析を実施するために、共通の収集容器から流体のサンプリングを行なうサンプリングバルブに関する。本発明のサンプリングバルブは二つの部材(1,2)を備え、該部材は相対的に移動可能であり、前記部材はサンプリングループを有するサンプリング部材(2)と、前記サンプリング部材に対して少なくとも三つの機能的位置を占めることが可能な接続部材(1)とを備え、前記各サンプリングループは流体のアリコートを受取る。これらの三つの位置は、サンプリング回路に充填し、かつサンプリング回路を構成するサンプリングループに試薬を投入するために、二つの分離したサンプリング回路に遅れてアクセスすることを可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体分析の一般分野に関する。本発明は、より具体的には、体液やその他の流体を自動的に分析することに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の応用例において、流体は人間または動物に由来するものである。本発明は、特に、血液を分析する分野に応用可能である。該分野において、自動的にこのような分析を行なうシステムや方法を設計することは特に有用である。
【0003】
血液分析を実施する周知のシステム及び方法において、全血試料は一般的に、患者から直接採取され、その後、抗凝固剤と混合される。初めに採取された血液試料は、次に収集容器、通常はチューブ、に収容され、場合によっては栓で閉じられる。これらは慣例的に、全血試料又は完全血液試料と呼ばれる。
【0004】
流体分析、特に血液分析は一般に、利用可能な全血試料の複数の分画を必要とする。これにより、同一の初期試料に対する複数の分析または測定が実施可能となる。
血液を分析する分野において、周知の血液分析器は、異なるパラメータを測定したり、血液を構成する様々な要素を計数したりして、患者の健康状態についての情報を明らかにすることを可能にする。これらのパラメータは特に、赤血球,白血球,ヘモグロビン,又は血小板を含む。
【0005】
初期試料は複数のアリコートと呼ばれる分画に分割される必要がある。これらのアリコートは、所望する分析に応じて、様々な試薬に混合され、所望の分析に応じて、異なる処理が施される。
【0006】
収集チューブから血液を一度に取り入れるための様々なシステム及び方法が発展してきた。これにより、収集チューブに収容される血液を汚染する危険を冒しながら何度もチューブを手で操作する必要がなくなる。また、これにより、収集チューブをより早く解放することで、分析器が占有される時間が短縮され、分析を実施可能な速度が増大する。
【0007】
さらに、周知のシステム及び方法では、一般に、血液試料を連続的に何回か取り入れる場合の全容量よりも、一度に取り入れる全容量を減少させることを可能とする。
従って、周知のシステム及び方法は、血液を様々な試薬に混合し、かつ様々な回収手段及び/又は分析手段に分配する前に、血液がアリコートに分けられる。異なる試薬で処理されたアリコートは、例えば、光学測定システムによって、試料のパラメータの値を測定するために役立てられ、それによって、血液を構成する全要素の分析結果が得られる。
【0008】
血液試料を多数のアリコートに分画する周知のシステム及び方法は一般に、異なるアリコートを一度に取り入れることを可能とし、かつ該アリコートを複数回、給送することを可能とするサンプリングバルブを備え、可能な限り速くチューブを解放する。バルブ内に存在するアリコートは次々に同一の回収手段、及び/又は分析手段に分配され、あるいは、場合に応じて同時に異なる回収手段、及び/又は分析手段に分配される。
【0009】
本発明は、より具体的には、様々な試薬を用いて複数の分析を実施するために、流体をサンプリング可能とするサンプリングバルブの分野に関する。
本願出願人名義の特許文献1は、中央の移動部材が二つの固定部材の間に挟持された、いわゆる「線形」サンプリングバルブを開示している。互いに摩擦接触している部材の面を調整する必要がある。つまり、特許文献1に基づいてバルブを製造するためには、四つの面を調整する必要があり、このようなバルブは高価である。このバルブにおいて、移動部の移動によって、移動部に接続された固定部内に存在する通路内の部分が画定される。この部分は、続いて移動部を移動することによって遮断され、この部分は用いられるアリコートの量に対応する。
【0010】
部材が二つの固定部材の間において回転方向に移動可能である回転型の他のサンプリングバルブも存在する。
例えば、Fisher Scientific社名義の特許文献2に、このようなバルブが開示されている。これもまた、四つの能動面を非常に精密に調整する必要があり、高価になる。第一位置において取り入れられたアリコートは、次に第二位置において測定システムに投入される。その後、全システムは第三位置において洗浄される。第二位置において、血液のアリコートの少なくとも一部を試薬から分離することは不可能であり、特に、特定の分析が実施されない時、液体の移動によって汚染が生じる。「汚染」という用語は、アリコート及び試薬の反応が始まり、また、二つの異なる試料のアリコートが混ざることを意味するものとして用いられる。これによって、次に分析が実施されない場合においても、ループが分析用の流体と接触するとすぐに、新たな試薬を各ループに投入する必要が生じる。この事実は当然、非経済的で、またしばしば生態学的にも有害な試薬の浪費を引き起こす。
【0011】
Abbott名義の特許文献3は、四部材型サンプリングバルブを開示している。このようなバルブを製造することは、良好な動作を実現するために六個のセラミック製面を加工する必要があり、非常に高価である。さらに、このバルブは、一つ以上の回収手段、及び/又は、分析手段に対して順に分配することができない。また、血液アリコートは試薬から物理的に遮断されず、取り入れられた試料は汚染される可能性がある。
【0012】
TOA Medical Electronics社名義の特許文献4は、三つの部材から構成されたバルブを開示しており、そのうちの二つの部材は固定式で、一つの部材は移動可能である。そのバルブは上述のバルブと同じ欠点を有する。さらに、そのバルブは単一の測定装置に、時期を合わせて給送することをもくろむものではない。
【0013】
Coulter社名義の特許文献5は、三つの部材を備えたバルブを開示しており、そのうちの二つの部材は固定式で、かつ中央の三つ目の部材が移動可能である。これもまた、良好な結果を得るために、四つの面を非常に精密に加工する必要がある。アリコートの時期を合わせた給送も不可能である。最後に、特許文献5において、バルブは二つの位置のみを占めることができ、第一位置は、アリコートを吸引し、かつループを洗浄することに対応し、第二位置は試薬を投入することに対応する。また、血液のアリコート及び試薬は物理的に分離不可能であり、血液及び試薬の移動によって汚染が起こる。
【0014】
これらのバルブの全ては、部品を洗浄するために部品の内部にアクセスすることが制限されているという欠点も有する。オリフィスを洗浄する必要がある際に、取外しは容易ではない。さらに、バルブを再組立する際には、可動部及び固定部の間の移動は非常に精密に調節される必要がある。ひいては、これらのバルブを構成する多くの部材は欠点となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許第2622692号明細書
【特許文献2】米国特許第4948565号明細書
【特許文献3】米国特許第6662826号明細書
【特許文献4】米国特許第5390552号明細書
【特許文献5】米国特許第5255568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の主要な目的は、従来のサンプリングバルブによって示された全ての欠点を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、試薬を用いる複数の分析用流体を、一つの収集容器からサンプリング可能とするサンプリングバルブを提案することによって実現される。該サンプリングバルブは、接触面を介して互いに接触する二つの部材を備え、前記二つの部材は相対的に移動可能であり、前記各部材は流体流動の通路ネットワークを備え、該通路ネットワークの少なくとも一部は前記接触面内に開口するサンプリングバルブにおいて、
前記二つの部材のうちの一方をサンプリング部材と称し、そのサンプリング部材の通路ネットワークは少なくとも三つの独立したサンプリングループを備え、前記各サンプリングループは前記流体のアリコートを収容するために適切であり、前記サンプリングバルブは少なくとも前記サンプリングループと同数の試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備え、前記二つの部材のうち他方を接続部材と称し、その接続部材は前記サンプリング部材に対して少なくとも三つの異なる機能的位置を占めることが可能であり、
第一位置において、前記サンプリングバルブへの流体入口が第一サンプリング回路に接続可能となり、前記第一サンプリング回路は複数のサンプリングループを備え、該サンプリングループは前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して互いに接続され、前記通路は前記サンプリングループの各々に整合し、前記第一位置は、前記接続部材の通路ネットワークの一つ以上の通路を介して、第二サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループを試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続するようにも作用し、
第二位置において、前記流体入口が前記第二サンプリング回路に接続可能となり、
第三位置において、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループが前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続されることを特徴とする。
【0018】
ハードウェア要素は、一つ以上のサンプリングループを備えることができるため、「サンプリング回路」という用語で参照され、回路が少なくとも二つのサンプリングループを備える場合、前記流体入口が前記サンプリング回路に接続される時に、前記サンプリングループを前記接続部材の通路ネットワークに整合することによって、前記サンプリングループが共に接続される。
【0019】
提案するサンプリングバルブによって、異なるアリコートが取り入れられ、かつ異なる回数だけ分配されることが可能となり、それによって、前記収集チューブを可能な限り速く解放することが可能となる。さらに、該サンプリングバルブは前記血液アリコート及び前記試薬が遮断され、汚染を防止可能であるという利点を有する。
【0020】
本発明のサンプリングバルブによると、該サンプリングバルブに存在する前記アリコートは、共通の測定通路に給送され、または、順次複数の測定通路に給送されることができる。本発明のサンプリングバルブを使用することによって、初期に取得された試料を複数の所定量のアリコートに分画し、その後、該アリコートを分析システムの容器内に同時に、又は連続して給送することが可能となり、非常に実用的である。本発明のサンプリングバルブは投入を遅らせることを可能とし、それにより、分析される最初のアリコートの分析結果に応じた投入を可能とする。
【0021】
複数の異なる分析を実施する場合にも、非常に高い処理率を実現可能である。特に、各サンプリング回路が複数のサンプリングループを備える二つのサンプリング回路を用いることにより、特定の作用を前記サンプリング回路の一つで実施し、一方で、他の作用を第二サンプリング回路で実施することが可能となる。従って、従来の解決法は二つの位置を提案していたが、本発明は少なくとも三つの位置を提案し、各位置は有用かつ独創的な機能を備える。
【0022】
これら三つの位置は、サンプリング回路に充填するため、かつサンプリング回路を構成するサンプリングループ内に試薬を投入するために、二つの分離したサンプリング回路に遅れて接近することを可能とする。
【0023】
従って、本発明は、前記第一サンプリング回路を洗浄すると同時に、前記第二サンプリング回路に試薬を投入することを可能とする。本発明は、前記第一サンプリング回路及び前記第二サンプリング回路のどちらか一方のみを用いることによって、使用しないサンプリング回路のサンプリングループを試薬から遮断し続けることを可能とする。この事実により、前記サンプリング回路の一方のみを用いて分析を実施することが望まれる場合、試薬を節約することが可能となる。ひいては、該装置は、実施される分析に厳密に必要な試薬の量のみを消費することを可能とする。
【0024】
前記第一サンプリング回路および前記第二サンプリング回路の二つの異なる機能用の共通の位置を用いることにより、分析工程の時間を節約可能である。
前記サンプリングループは同一の大きさでも、異なる大きさであっても良い。要求に応じて長さを変更するサンプリングループを備えるサンプリングバルブを用いることによって、希釈を変更することが可能である。試薬量を修正することによって、希釈を修正することも可能である。
【0025】
本発明の第一実施形態では、前記第三位置において、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループがそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される。
【0026】
この実施形態は、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループに試薬を並列で投入し、それによって、分析時間を大幅に短縮することに貢献する。しかし、この実施形態は、一つの特定のサンプリングループの分析が実施されない場合にも、試薬をアリコートに接触させるという欠点を有する。この実施形態は、前記第一サンプリング回路の全ての分析が、どんな場合にも実施されることが確実な場合に特に適切である。毎回実施されない分析は、選択的に複数のサンプリングループから製造可能な前記第二サンプリング回路を用いて実施され、前記サンプリングループの少なくとも一つ、即ち前記サンプリングループの分割部、又は前記サンプリングループの全ては、前記サンプリングバルブが前記第一位置にある間、試薬を投入される。
【0027】
第二実施形態において、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの分割部のみがそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される第三位置を占め、かつ、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の異なる分割部がそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される少なくとも一つの他の機能的位置を占めるように、前記接続部材が設計される。
【0028】
前記サンプリングループの分割部の少なくとも一つが複数のサンプリングループを備える場合、この実施形態は、複数の分析を同時に実施することができる能力を備えながら、前記第一サンプリング回路の複数のサンプリングループに試薬を投入する際に、試薬が汚れるのを防ぐように作用する。
【0029】
前記サンプリングループの分割部の各々は一対のサンプリングループから構成されることができる。前記サンプリングループの分割部の各々は単一のサンプリングループから構成されることもできる。
【0030】
単一のサンプリングループを用いる場合、前記第一サンプリング回路の複数のサンプリングループに同時に試薬を投入することができるという利点は失われるが、試薬の投入が完全に分離される。しかし、この実施形態において、本発明は依然として、前記第一サンプリング回路に充填する一方で、同時に前記第二サンプリング回路のサンプリングループに試薬を投入することを可能とする。従って、依然として時間が節約される。
【0031】
第一の特に有利な好適な実施形態において、前記接続部材は、前記試薬投入通路を備える投薬部材と、前記サンプリングバルブのアリコート出口通路とでもある。第二の好適な実施形態において、前記サンプリング部材は、前記試薬投入通路を備える投薬部材と、前記サンプリングバルブのアリコート出口通路とでもある。
【0032】
多位置式サンプリングバルブは、二つのハードウェア部材のみを用いる機能の全てを統合する。該多位置式サンプリングバルブは、より多くの機能を実施可能としながら、従来のサンプリングバルブより少ない部材を備える。整備のために分解することもより容易であり、全体的に磨耗しにくく、また、安価で加工可能である。最後に、前記サンプリングバルブはより加工しやすいため、部品の間の漏洩の危険が減少する。
【0033】
最後に、これらの好適な実施形態において、前記サンプリングバルブの構成は、前記接続部材(又は前記サンプリング部材)が前記接続通路(又は、前記サンプリングループ)と、前記試薬投入通路との両方を備えるため、非常に簡略化される。
【0034】
有利な実施形態において、前記部材は相対的に回転方向に移動可能なディスクである。このような実施形態は、様々な部材に設けられた通路を整合させるために特に適切な回転移動を伴って、非常に小型なサンプリングバルブを構成可能とする。
【0035】
望ましくは、前記接続部材は、前記サンプリングバルブへの前記流体入口を構成する通路を備える。
この特性は、本発明のサンプリングバルブの製造を特に簡単にすることを可能とし、かつ、組立体を小型にすることを保証するとともに、前記サンプリングバルブが、二つの部材で非常に簡単に製造されることも保証する。これにより、前記サンプリングバルブの入口への良好なアクセス性も保証される。
【0036】
しかし、前記入口は前記サンプリング部材に設けられ、かつ要求に応じて前記接続部材を介して前記サンプリング回路に接続される通路でもあり得る。
本発明の有利な応用例において、前記流体は体液であり、前記第一サンプリング回路は体系的な分析に用いられ、前記第二サンプリング回路は体系的でない分析に用いられる。
【0037】
従来のサンプリングバルブは、同一のサンプリングバルブによって実施する体系的分析および非体系的分析の数だけサンプリングループを必要とし、前記サンプリングループの全てに前記サンプリングバルブの同一の位置において試薬を投入されていた。それに対し、本発明は二つのサンプリング回路の各々に独立して試薬を投入することを可能にする。有利には、前記第一サンプリング回路は体系的なルーチン分析を実施するためのサンプリングループを備え、前記第二サンプリング回路は非体系的なルーチン分析を実施するためのサンプリングループを備える。
【0038】
本発明はこれら二つのサンプリング回路に試薬を遅れて投入することを可能にするため、全てのルーチン分析が実施される場合にも、特定の分析用の試薬の汚染が防止される。
試薬による起こり得る汚染のために前記サンプリングループを洗浄する必要なく、一つ以上のサンプリングループに試薬を投入しないことが可能であるため、非常に高い処理率が可能となる。この利点は、前記サンプリングバルブが単一の位置にある間に、前記第一サンプリング回路及び前記第二サンプリング回路において、二つの異なる動作を実施可能であるという事実に追加される。
【0039】
本発明は、前記サンプリングバルブを用いる分析装置、及び本発明のサンプリングバルブを用いる本発明の分析装置で実施される流体をサンプリングする方法も提供する。
このような方法は、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を、前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって、前記第一サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を、前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって、前記第二サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第三位置に配置する工程と、
一つ以上の分析手段に向かって、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
一つ以上のサンプリング手段へ、少なくとも前記第二サンプリング回路のサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第一サンプリング回路を洗浄する工程であって、上述の工程の前、後、または同時に実施可能である工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第二サンプリング回路を洗浄する工程とを備える。
【0040】
図面を参照して、以下の限定するものではない説明を読むことによって、本発明の他の特徴や利点が、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明の好適な実施形態におけるサンプリングバルブの斜視図。
【図1B】本発明の好適な実施形態におけるサンプリングバルブの斜視図。
【図2A】本発明の多位置式サンプリングバルブの動作の説明に適切な概略図。
【図2B】図2Aに概略的に示す接続部材の拡大図。
【図3A】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3B】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3C】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3D】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3E】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4A】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4B】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4C】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4D】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4E】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5A】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5B】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5C】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5D】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5E】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5F】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5G】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5H】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図6】図1A及び1Bに示すサンプリングバルブの分解斜視図。
【図7A】本発明の変形例の斜視図。
【図7B】本発明の変形例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1A及び1Bは本発明のサンプリングバルブの好適な実施形態の斜視図である。サンプリングバルブは、接続部材1と、サンプリング部材2とを備える。これら二つの部材1及び2は、二つの面10及び20を介して相互に接触するディスクである。接続部材1はサンプリング部材2に対して回転するように取付けられ、このような回転は双方向矢印によって概略的に示される。
【0043】
図1の好適な実施形態において、接続部材1は分析用の流体の入口100を備える。サンプリングバルブの作動中、サンプリングバルブのこの入口100は、適切な手段によって収集チューブに接続される。入口100は、有利には、チューブに接続されず、自身の挿入モードを有し、かつスパイクとして知られる針に接続される。スパイクは、入口100を収集チューブに接続することを可能にする。この実施形態において、接続部材1はまた、試薬を投入し、かつ除去するために、通路31a及び31bと、32a及び32bと、33a及び33bと、34a及び34bと、35a及び35bとを備える。
【0044】
サンプリング部材2は、所定数のサンプリングループ21,22,23,24,及び25と、図1A及び1Bには図示していない流体の出口200とを備える。
図1A及び1Bの好適な実施形態におけるサンプリングバルブが図2A及び2Bにも概略的に示されている。この概略的な表記はサンプリングバルブの動作をより理解しやすくする。
【0045】
この表記において、接続部材1及びサンプリング部材2の通路が共通の面に示されている。接続部材1は中央ディスクの形式で示され、サンプリング部材2は中央ディスク即ち接続部材1を包囲するリングの形式で示され、中央ディスクはリング即ちサンプリング部材2に対して回転方向に移動可能である。接続部材1はサンプリング部材2の所定の通路を相互に接続する。図示する相互接続は本発明の好適な実装の接続である。
【0046】
図2Bは図2Aと同一の概略的表記において、接続部材1を示している。該接続部材1は、サンプリング部材の所定の通路の間の流体流動連通を設けるための入口100と、通路121,122,123,124,及び125とを備える。
【0047】
リング即ちサンプリング部材2は、サンプリングループ21,22,23,24,及び25を備える。表記を簡単にするために、試薬を投入し、かつ除去するための通路31a及び31b,32a及び32b、33a及び33b,34a及び34b,35a及び35bは、二つの部材1及び2の間に図示的に共有されているが、図1の好適な実施形態において、接続部材1のみに設けられる。
【0048】
Xを1から5の数字とすると、各通路3Xa又は3Xbは、図2A及び2Bにおいて、接続部材1及びサンプリング部材2にそれぞれ設けられた二組の通路13Xa及び23Xbで示される。これら二組の通路13Xa及び23Xbは、以下で説明するように、バルブが一つ以上のサンプリングループにおいて投薬位置にある時、相互に整合し、かつサンプリングループ2Xに整合する。
【0049】
本発明の別の実施形態において、図1で接続部材1に設けられたこれらの投薬用及び除去用の通路は、有利には、サンプリング部材2に同様に設けられる。このような実施形態は、相対的に移動可能な二つの部材のみを有するという利点を、依然として保持する。
【0050】
図2に概略的に示す図1の好適な実施形態において、サンプリングバルブは二つの分離したサンプリング回路を備える。第一サンプリング回路は、サンプリングループ21,22,23,及び24によって構成され、第二サンプリング回路はサンプリングループ25のみを備える。
【0051】
図3Aから3Eは、サンプリングバルブの動作を示している。サンプリングバルブは、図3Aにおいて、図2に示す位置に対応する第一位置にある。
この第一位置において、サンプリングループ24はサンプリングバルブの入口100に接続され、サンプリングループ24はサンプリングループ23に接続され、サンプリングループ23はサンプリングループ22に接続され、サンプリングループ22はサンプリングループ21に接続され、サンプリングループ21はサンプリング部材2に設けられた出口200に接続される。より具体的には、この第一位置において、サンプリングループ24及びサンプリングループ23は接続部材1の通路124を介して共に接続される。サンプリングループ23は接続部材1の通路123を介してサンプリングループ22に接続される。サンプリングループ22は接続部材1の通路122を介して、サンプリングループ21に接続される。最後に、サンプリングループ21は接続部材のサンプリングループ121によってサンプリングバルブの出口200に接続される。
【0052】
同時に、サンプリングループ25は、一つは投薬用、もう一つはアリコートを除去するための二つの通路に接続され、該通路は図2A及び2Bの通路135a及び135bと、235a及び235bとによって構成される。
【0053】
接続部材1上の通路の構成によって、第二サンプリング回路が、試薬を投入する要素と、アリコートを除去する要素とに接続されると同時に、第一サンプリング回路が流体入口に接続されることが可能であるという本発明の機能が実現される。
【0054】
図3Aにおいて、第一サンプリング回路は、入口100を介してバルブ内に取り入れられ、かつ吸引された分析用流体で満たされている。この血液を点で示す。図3Aにおける他の通路は別の流体、例えば、洗浄用流体で満たされており、斜線で示されている。
【0055】
図3Bは第二位置におけるサンプリングバルブを示しており、サンプリングバルブの入口100は、図1の好適な実施形態において、第二サンプリング回路を構成するサンプリングループ25に整合している。サンプリングループ25は接続部材1の通路125を介して出口200にも接続されている。この第二位置は、第二サンプリング回路を、入口100を介して吸引された血液で満たすことを可能とする。
【0056】
第二サンプリング回路は複数のサンプリングループを備え、サンプリング部材2上にサンプリングループをよりコンパクトに配置し、第一サンプリング回路の四つのサンプリングループを共に接続するのと同様に、様々なループを接続するために適切な通路を接続部材に備えることも可能である。
【0057】
この間、第一サンプリング回路の各サンプリングループに存在するアリコートは互いに遮断され、かつ試薬の存在するアリコート投薬通路及び除去通路から遮断される。
図3Cにおいて、接続部材は第三位置を占め、入口100はサンプリングバルブの全てのサンプリングループから遮断される。この時、収集チューブは解放され得る。以下で説明するように、異なる実施形態において、収集チューブはより早く解放されることもできる。
【0058】
第三位置において、第二サンプリング回路のサンプリングループ25は、全ての通路から遮断されている。従って、汚染の危険なく実行される。
対照的に、図3に示す好適な実施形態において、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24の各々は、特定の試薬投入回路及びアリコート除去回路に接続される。
【0059】
従って、サンプリングループ21の一端は、接続部材1の通路131a及びサンプリング部材2の通路231aによって構成される試薬投入通路に接続され、サンプリングループ21の他端は、接続部材1に設けられた通路131b及びサンプリング部材2に設けられた通路231bで構成されるアリコート除去通路に接続される。
【0060】
同様に、サンプリングループ22は一端において、接続部材1の通路132a及びサンプリング部材2の通路232aによって構成される試薬投入通路に接続され、サンプリングループ22の他端は、接続部材1に設けられた通路132b及びサンプリング部材2に設けられた通路232bで構成されるアリコート除去通路に接続される。
【0061】
反応ループ23及び24に対してもそれぞれ同様に、それぞれ通路133a,233a及び134a,234aによって構成される試薬投入通路と、通路133b,233b及び134b,234bによって構成されるアリコート除去通路とに連通する。
【0062】
この第三位置において、試薬はサンプリングループ21,22,23,24の各々に投入される。各試薬と混合された血液アリコートは、通常、一つ以上の分析装置(図示せず)において回収される。この、又は、これらの装置は、同時に、もしくは順次、同一の分析、又は部分的に異なる分析、又は完全に異なる分析を実施するように作用する。
【0063】
従って、実施に適した一つ以上の分析装置において、特定の流体に対して、四種類までの分析が同時に実施される。
アリコートが同一の分析装置に連続して送られ、各サンプリングループに異なる試薬を投入し、同一の分析手段によって測定されるために適切な特定のパラメータを求めようとすることも可能である。
【0064】
一般的には、試薬が投入されると、アリコート中の反応動態を可能にするために、数秒、例えば30秒の一定時間、停止する必要がある。この第三位置において、有利には、サンプリングループ25で試薬及び任意の血液アリコートとの間の汚染は起こらない。
【0065】
図3Dにおいて示すように、有利には、停止中、接続部材1は第一位置に戻るように移動可能である。サンプリングループ21から24は互いに接続されているため、洗浄用液体を放出することによって、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24を洗浄可能となる。
【0066】
同時に、サンプリングループ25は投薬通路及び除去通路に接続されているため、第一位置は、サンプリングループ25に含まれる最後のアリコートを、適切な回収手段、及び/又は、分析手段に向かって投入することを可能とし、該回収手段、及び/又は、分析手段は、場合に応じて第一サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループに用いられる分析手段と異なっていてもよい。
【0067】
従って、サンプリングループ21から24の洗浄と、サンプリングループ25からの投入は同時に実行され、それによって、相当な時間の節約が可能となる。より一般的には、本発明によると、特定の異なる機能が第一サンプリング回路及び第二サンプリング回路で同時に実行されるため、この種の並列作業は、分析を実施する際に非常に多くの時間を節約することを可能とする。
【0068】
本明細書に記載される本発明の実施形態において、第二サンプリング回路はただ一つのサンプリングループを備え、現段階では、血液分析の応用例にとって最も適切である。しかしながら、第二サンプリング回路は複数のサンプリングループを備えることもできる。このような状況下において、サンプリングループの少なくとも一つは、本発明の意味における第一位置において、即ち、第一サンプリング回路が流体入口に接続されると同時に、試薬を投入される。第二サンプリング回路の他のサンプリングループは、同一の第一位置において、あるいは第一位置とは異なる位置において、試薬を投入されることができる。
【0069】
本発明の特定の実施形態において、第二サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループが、試薬を投入されることを可能とする接続部材及びサンプリング部材のこれらの他の相対的位置は、第一サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループに同時に試薬を投入することも選択的に可能にすることができる。
【0070】
最後に、図3Eにおいて、接続部材1を回転させるモータによって、接続部材は第二位置に再び移動し、それによって、四つの第一サンプリングループと同一の洗浄用液体、あるいは異なる洗浄用液体を用いて、第五サンプリングループ25を洗浄可能とする。
【0071】
本発明は、二つのサンプリング回路に異なる洗浄用液体を用いることを可能とする。この事実は特に、特定の試薬、例えば、サンプリングループ25に用いられる試薬の性質が、四つの第一サンプリングループ21から24に用いられる洗浄用液体とは異なる洗浄用液体で洗浄することを必要とする時に有利である。
【0072】
従って、図3Aから3Eに示す五段階サイクルの最後には、チューブから一度で取り入れられた同一の初期血液試料から五つの異なる分析を実施することが可能である。いくつかを同時に、また他を遅らせて実施するように、二つの段階において、分析を実施することが可能である。従って、収集チューブが機械で用いられる時間を短縮可能であり、ひいては処理量の割合を向上させると同時に、遮断されるアリコートを有することによって性能を改善することが可能である。遅れた分析を実施可能とする場合、先に実施された特定の分析の結果に応じて特定の分析の性能を調整することも可能である。
【0073】
さらに、本発明のサンプリングバルブシステムは、サンプリング回路の一回の分画を用いることによって、サンプリングバルブを用いて行なわれる分析の一回分の分画だけ実行することを可能とする。本発明は二つのサンプリング回路の一つのみに試料を取り入れ、一回分の分画だけの分析を実施し、ひいては血液を厳密な必要量だけ採取することを可能とする。
【0074】
例えば、第五サンプリングループ25の分析の結果のみを要求することが可能である。サンプリングバルブを第二位置に配置することによって、サンプリングバルブの他の部分、特に第一サンプリング回路から完全に分離したサンプリングループ25のみに充填することが可能である。サンプリングバルブを第一位置に戻すことによって、試薬はサンプリングループ25に投入される。その後、単に第二位置に戻すことによって、サンプリングループ25は洗浄される。
【0075】
これは、サンプリングバルブ、又はサンプリングバルブが占める位置を修正することなく実行可能である。単一の分析のみを実施するために、第一位置を介することなく、直接第二位置において一つの試料のみ取り入れることに適合している。
【0076】
従って、第一サンプリング回路は血液試料にも、任意の試薬にも接触せず、洗浄する必要がない。このことは、単一の分析を実施するために取り入れられる試薬及び血液の量を大幅に減少させることを可能とする。本発明は、血液試料が多くない場合にも、少なくとも一つの分析を実施することを可能とする。
【0077】
同様に、四つの第一サンプリングループの分析の結果のみが必要な場合には、第五サンプリングループに充填する必要がない。
四つの第一サンプリングループの分析を実施することが望まれる時、まずサンプリングバルブは第一位置に配置され、必要とされる四つのアリコートを取り入れ、次に、これらのアリコートの各々を適切な回収手段、及び/又は、分析手段に投入可能とする第三位置に移動される。その後、第一位置に戻されることにより、サンプリングループ21,22,23,24が洗浄可能となる。
【0078】
この実施形態において、サンプリングループ25は血液試料にも、任意の試薬にも接触しない。従って、このサンプリングループを洗浄する必要はなく、ひいては、上述のように、試薬の量及び取り入れられる血液の量を減少させることが可能となる。
【0079】
本発明によると、試薬を投入する可能性に関して異なる状態で、第一サンプリング回路のサンプリングループの数を分割することもできる。
図4は、第一サンプリング回路のサンプリングループが二つ一組で同時に試薬を投入するために適切な実施形態を示す図である。試薬投入位置の一つは、第二サンプリング回路に充填することも可能であるため、本発明の第二位置である。
【0080】
図4Aにおいて、サンプリングバルブは第一位置にあり、該第一位置において、サンプリングループ21,22,23,24によって構成される第一サンプリング回路に充填することができ、サンプリングループ25は、試薬投入通路及びアリコート出口通路に接続されるため、試薬を投入することができる。
【0081】
図4Bにおいて、サンプリングバルブは、本発明の意味における第三位置にあり、二つのサンプリングループ23及び24は各試薬投入通路及び各アリコート出口通路にそれぞれ接続される。
【0082】
図4Cにおいて、サンプリングループ25によって構成される第二サンプリング回路に充填することができるため、サンプリングバルブは本発明の意味における第二位置にあり、同時に、サンプリングループ21及び22は各試薬投入通路及び各アリコート出口通路にそれぞれ接続されるため、本発明の意味における第三位置にある。
【0083】
この位置は別の機能的な位置であり、具体的には、本発明の第二位置及び第三位置の機能を結合した第四の機能的位置である。結果として生じるサンプリングバルブは、請求項1の範囲内にあり、より具体的には請求項4によって保護される。
【0084】
図4Dにおいて、サンプリングループ25によって構成される第二サンプリング回路が試薬を投入される間、第一サンプリング回路は洗浄される。図4Eにおいて、サンプリングループ25が洗浄される。この位置において、サンプリングループ21及び22は各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とにそれぞれ接続されるが、サンプリングループ21及び22が洗浄されている限り、問題はない。
【0085】
図5は、試薬を投入される可能性に関して、第一サンプリング回路のサンプリングループの数のさらに別の種類の分割を行なう別の実施形態を示す。
この実施形態において、第二サンプリング回路のサンプリングループ25が試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続される、図5Aに示す同一の位置において、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24は充填される。この位置は本発明の意味における第一位置である。
【0086】
その後、図5B,5C,5D,及び5Eにそれぞれ示す接続部材及びサンプリング部材の異なる相対的位置は、サンプリングループ24,23,22,21がそれぞれ各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続することを可能とする。
【0087】
この実施形態における異なる位置は各サンプリングループ用に用いられる。従って、第一サンプリング回路のサンプリングループと同数の本発明の意味における「第三」位置が存在する。第二サンプリング回路が複数のサンプリングループからなる場合、これらの位置のいくつかは、第二サンプリング回路のサンプリングループの一つを試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続するようにも作用する。
【0088】
図5Fは、サンプリングループ25が充填される本発明の意味における第二位置を示している。図5Gにおいて、サンプリングバルブは、図5Aと同一の位置にある。第一サンプリング回路は洗浄され、一方、第二サンプリング回路は試薬を投入される。最終的に、図5Hにおいて、第二サンプリング回路は、サンプリングバルブの入口を第二サンプリング回路に接続可能にする図5Fに示す同一の位置において、洗浄される。
【0089】
図6は図1A及び1Bのサンプリングバルブの分解斜視図である。五つのサンプリングループ21から25が示されている。この好適な実施形態における接続部材1は、面10において空洞化された通路の形式で、接続通路121から125を備える。通路の端部は、サンプリングバルブが第一位置に配置される時、サンプリング部材2の面20においてサンプリングループ21から25のうちの二つのオリフィスに整合するように設計される。通路121及び125は、この図において見られる出口200に接続されるために適切であり、入口100はサンプリングループ24又はサンプリングループ25のどちらかに直接接続されるために適切である。
【0090】
この実施形態において、接続部材はサンプリングループ21から25の各々のための投薬通路3Xa及び3Xbを備える。これらの通路3Xa及び3Xbは接続部材1を通過し、外側において流体出口、特に試薬の出口に接続可能な管の形式で、サンプリングバルブの内側の面10において、サンプリングバルブが第三位置に配置される時に面20においてサンプリングループ2Xのオリフィスに整合するオリフィスの形式で出現する。
【0091】
図7は、前述の図面のサンプリングバルブに、各回路のサンプリングループの容積を修正可能な付加的部材3を加えた本発明の変形例を示している。図7の変形例において、各サンプリングループ2Xは複製2X’を有する。これらの複製はアリコートの容積を修正するように作用する。各対のサンプリングループは、サンプリング部材2の内部の回路を介して、又は接続部材1の内部の回路を介して、又は特に付加的部材3に設けられた回路によって共に接続される。
【0092】
異なる容積を有するサンプリングループを備えたこの変形例は、入口100を標準のサンプリングループ、又は異なる容積のサンプリングループに接続するように作用する少なくとも一つの付加的な位置を有するように作られる。従って、分析の要求に応じて、各サンプリングループの容積は変更可能である。
【0093】
より正確には、付加的部材3は、異なる位置をとることによって、サンプリングループの容積を倍にすることを可能にする。図7に示す実施形態において、接続部材1が、接続部材1の周りのリング状の付加的部材3により包囲されていることが図7Bにより分かる。
【0094】
これにより、バルブには三つの部材を設けるが、ただ三つの調整された面を設けることが可能となり、一つはサンプリング部材2上に、もう一つはサンプリング部材2の調整された面に接触する接続部材1上に、三つ目は付加的部材3上にあり、付加的部材3は、図7に示すように、サンプリング部材2の調整された面に接触する。
【0095】
付加的部材3の存在は、具体的には、収集チューブがアクセス可能である(「チューブ開放」)位置と、収集チューブへのアクセスが閉じられている(「チューブ閉鎖」)位置とに切換えることを可能にする。
【0096】
異なる実施形態において、実際には本発明と独立して、血液収集チューブをさらに速く収集ゾーンに解放することが可能である。
一回の動作で、全ての分析に必要な血液の量のみ収集チューブ内に取り入れられる血液は、収集針の直後に配置されることができる。収集チューブは収集ゾーンから除去されることができる。
【0097】
その後、サンプリングバルブは第一サンプリングループに充填するために第一位置に切換えられ、その後、第二サンプリング回路に充填するために、サンプリングバルブは第二位置に切換えられる。
【0098】
この実施形態は容器を用い、該容器は、分析用流体の経路上のただのチューブにすぎないが、収集針とサンプリングバルブとの間に配置され、かつ五つのサンプリングループに充填するために必要な血液の全量に対応する容積を有する。
【0099】
この実施形態は、ごく短時間だけ収集チューブを占有し、かつ、それによって、他のサンプリングバルブを用いて実施される任意の他の分析のために収集チューブを非常に迅速に解放し、かつ、装置の処理率をさらに向上させることを可能とするという利点を有する。
【0100】
最後に、特許請求の範囲で定義される本発明の原理に基づいて、様々な実施形態が実施可能となることが分かるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は流体分析の一般分野に関する。本発明は、より具体的には、体液やその他の流体を自動的に分析することに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の応用例において、流体は人間または動物に由来するものである。本発明は、特に、血液を分析する分野に応用可能である。該分野において、自動的にこのような分析を行なうシステムや方法を設計することは特に有用である。
【0003】
血液分析を実施する周知のシステム及び方法において、全血試料は一般的に、患者から直接採取され、その後、抗凝固剤と混合される。初めに採取された血液試料は、次に収集容器、通常はチューブ、に収容され、場合によっては栓で閉じられる。これらは慣例的に、全血試料又は完全血液試料と呼ばれる。
【0004】
流体分析、特に血液分析は一般に、利用可能な全血試料の複数の分画を必要とする。これにより、同一の初期試料に対する複数の分析または測定が実施可能となる。
血液を分析する分野において、周知の血液分析器は、異なるパラメータを測定したり、血液を構成する様々な要素を計数したりして、患者の健康状態についての情報を明らかにすることを可能にする。これらのパラメータは特に、赤血球,白血球,ヘモグロビン,又は血小板を含む。
【0005】
初期試料は複数のアリコートと呼ばれる分画に分割される必要がある。これらのアリコートは、所望する分析に応じて、様々な試薬に混合され、所望の分析に応じて、異なる処理が施される。
【0006】
収集チューブから血液を一度に取り入れるための様々なシステム及び方法が発展してきた。これにより、収集チューブに収容される血液を汚染する危険を冒しながら何度もチューブを手で操作する必要がなくなる。また、これにより、収集チューブをより早く解放することで、分析器が占有される時間が短縮され、分析を実施可能な速度が増大する。
【0007】
さらに、周知のシステム及び方法では、一般に、血液試料を連続的に何回か取り入れる場合の全容量よりも、一度に取り入れる全容量を減少させることを可能とする。
従って、周知のシステム及び方法は、血液を様々な試薬に混合し、かつ様々な回収手段及び/又は分析手段に分配する前に、血液がアリコートに分けられる。異なる試薬で処理されたアリコートは、例えば、光学測定システムによって、試料のパラメータの値を測定するために役立てられ、それによって、血液を構成する全要素の分析結果が得られる。
【0008】
血液試料を多数のアリコートに分画する周知のシステム及び方法は一般に、異なるアリコートを一度に取り入れることを可能とし、かつ該アリコートを複数回、給送することを可能とするサンプリングバルブを備え、可能な限り速くチューブを解放する。バルブ内に存在するアリコートは次々に同一の回収手段、及び/又は分析手段に分配され、あるいは、場合に応じて同時に異なる回収手段、及び/又は分析手段に分配される。
【0009】
本発明は、より具体的には、様々な試薬を用いて複数の分析を実施するために、流体をサンプリング可能とするサンプリングバルブの分野に関する。
本願出願人名義の特許文献1は、中央の移動部材が二つの固定部材の間に挟持された、いわゆる「線形」サンプリングバルブを開示している。互いに摩擦接触している部材の面を調整する必要がある。つまり、特許文献1に基づいてバルブを製造するためには、四つの面を調整する必要があり、このようなバルブは高価である。このバルブにおいて、移動部の移動によって、移動部に接続された固定部内に存在する通路内の部分が画定される。この部分は、続いて移動部を移動することによって遮断され、この部分は用いられるアリコートの量に対応する。
【0010】
部材が二つの固定部材の間において回転方向に移動可能である回転型の他のサンプリングバルブも存在する。
例えば、Fisher Scientific社名義の特許文献2に、このようなバルブが開示されている。これもまた、四つの能動面を非常に精密に調整する必要があり、高価になる。第一位置において取り入れられたアリコートは、次に第二位置において測定システムに投入される。その後、全システムは第三位置において洗浄される。第二位置において、血液のアリコートの少なくとも一部を試薬から分離することは不可能であり、特に、特定の分析が実施されない時、液体の移動によって汚染が生じる。「汚染」という用語は、アリコート及び試薬の反応が始まり、また、二つの異なる試料のアリコートが混ざることを意味するものとして用いられる。これによって、次に分析が実施されない場合においても、ループが分析用の流体と接触するとすぐに、新たな試薬を各ループに投入する必要が生じる。この事実は当然、非経済的で、またしばしば生態学的にも有害な試薬の浪費を引き起こす。
【0011】
Abbott名義の特許文献3は、四部材型サンプリングバルブを開示している。このようなバルブを製造することは、良好な動作を実現するために六個のセラミック製面を加工する必要があり、非常に高価である。さらに、このバルブは、一つ以上の回収手段、及び/又は、分析手段に対して順に分配することができない。また、血液アリコートは試薬から物理的に遮断されず、取り入れられた試料は汚染される可能性がある。
【0012】
TOA Medical Electronics社名義の特許文献4は、三つの部材から構成されたバルブを開示しており、そのうちの二つの部材は固定式で、一つの部材は移動可能である。そのバルブは上述のバルブと同じ欠点を有する。さらに、そのバルブは単一の測定装置に、時期を合わせて給送することをもくろむものではない。
【0013】
Coulter社名義の特許文献5は、三つの部材を備えたバルブを開示しており、そのうちの二つの部材は固定式で、かつ中央の三つ目の部材が移動可能である。これもまた、良好な結果を得るために、四つの面を非常に精密に加工する必要がある。アリコートの時期を合わせた給送も不可能である。最後に、特許文献5において、バルブは二つの位置のみを占めることができ、第一位置は、アリコートを吸引し、かつループを洗浄することに対応し、第二位置は試薬を投入することに対応する。また、血液のアリコート及び試薬は物理的に分離不可能であり、血液及び試薬の移動によって汚染が起こる。
【0014】
これらのバルブの全ては、部品を洗浄するために部品の内部にアクセスすることが制限されているという欠点も有する。オリフィスを洗浄する必要がある際に、取外しは容易ではない。さらに、バルブを再組立する際には、可動部及び固定部の間の移動は非常に精密に調節される必要がある。ひいては、これらのバルブを構成する多くの部材は欠点となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】仏国特許第2622692号明細書
【特許文献2】米国特許第4948565号明細書
【特許文献3】米国特許第6662826号明細書
【特許文献4】米国特許第5390552号明細書
【特許文献5】米国特許第5255568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の主要な目的は、従来のサンプリングバルブによって示された全ての欠点を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、試薬を用いる複数の分析用流体を、一つの収集容器からサンプリング可能とするサンプリングバルブを提案することによって実現される。該サンプリングバルブは、接触面を介して互いに接触する二つの部材を備え、前記二つの部材は相対的に移動可能であり、前記各部材は流体流動の通路ネットワークを備え、該通路ネットワークの少なくとも一部は前記接触面内に開口するサンプリングバルブにおいて、
前記二つの部材のうちの一方をサンプリング部材と称し、そのサンプリング部材の通路ネットワークは少なくとも三つの独立したサンプリングループを備え、前記各サンプリングループは前記流体のアリコートを収容するために適切であり、前記サンプリングバルブは少なくとも前記サンプリングループと同数の試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備え、前記二つの部材のうち他方を接続部材と称し、その接続部材は前記サンプリング部材に対して少なくとも三つの異なる機能的位置を占めることが可能であり、
第一位置において、前記サンプリングバルブへの流体入口が第一サンプリング回路に接続可能となり、前記第一サンプリング回路は複数のサンプリングループを備え、該サンプリングループは前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して互いに接続され、前記通路は前記サンプリングループの各々に整合し、前記第一位置は、前記接続部材の通路ネットワークの一つ以上の通路を介して、第二サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループを試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続するようにも作用し、
第二位置において、前記流体入口が前記第二サンプリング回路に接続可能となり、
第三位置において、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループが前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続されることを特徴とする。
【0018】
ハードウェア要素は、一つ以上のサンプリングループを備えることができるため、「サンプリング回路」という用語で参照され、回路が少なくとも二つのサンプリングループを備える場合、前記流体入口が前記サンプリング回路に接続される時に、前記サンプリングループを前記接続部材の通路ネットワークに整合することによって、前記サンプリングループが共に接続される。
【0019】
提案するサンプリングバルブによって、異なるアリコートが取り入れられ、かつ異なる回数だけ分配されることが可能となり、それによって、前記収集チューブを可能な限り速く解放することが可能となる。さらに、該サンプリングバルブは前記血液アリコート及び前記試薬が遮断され、汚染を防止可能であるという利点を有する。
【0020】
本発明のサンプリングバルブによると、該サンプリングバルブに存在する前記アリコートは、共通の測定通路に給送され、または、順次複数の測定通路に給送されることができる。本発明のサンプリングバルブを使用することによって、初期に取得された試料を複数の所定量のアリコートに分画し、その後、該アリコートを分析システムの容器内に同時に、又は連続して給送することが可能となり、非常に実用的である。本発明のサンプリングバルブは投入を遅らせることを可能とし、それにより、分析される最初のアリコートの分析結果に応じた投入を可能とする。
【0021】
複数の異なる分析を実施する場合にも、非常に高い処理率を実現可能である。特に、各サンプリング回路が複数のサンプリングループを備える二つのサンプリング回路を用いることにより、特定の作用を前記サンプリング回路の一つで実施し、一方で、他の作用を第二サンプリング回路で実施することが可能となる。従って、従来の解決法は二つの位置を提案していたが、本発明は少なくとも三つの位置を提案し、各位置は有用かつ独創的な機能を備える。
【0022】
これら三つの位置は、サンプリング回路に充填するため、かつサンプリング回路を構成するサンプリングループ内に試薬を投入するために、二つの分離したサンプリング回路に遅れて接近することを可能とする。
【0023】
従って、本発明は、前記第一サンプリング回路を洗浄すると同時に、前記第二サンプリング回路に試薬を投入することを可能とする。本発明は、前記第一サンプリング回路及び前記第二サンプリング回路のどちらか一方のみを用いることによって、使用しないサンプリング回路のサンプリングループを試薬から遮断し続けることを可能とする。この事実により、前記サンプリング回路の一方のみを用いて分析を実施することが望まれる場合、試薬を節約することが可能となる。ひいては、該装置は、実施される分析に厳密に必要な試薬の量のみを消費することを可能とする。
【0024】
前記第一サンプリング回路および前記第二サンプリング回路の二つの異なる機能用の共通の位置を用いることにより、分析工程の時間を節約可能である。
前記サンプリングループは同一の大きさでも、異なる大きさであっても良い。要求に応じて長さを変更するサンプリングループを備えるサンプリングバルブを用いることによって、希釈を変更することが可能である。試薬量を修正することによって、希釈を修正することも可能である。
【0025】
本発明の第一実施形態では、前記第三位置において、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループがそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される。
【0026】
この実施形態は、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループに試薬を並列で投入し、それによって、分析時間を大幅に短縮することに貢献する。しかし、この実施形態は、一つの特定のサンプリングループの分析が実施されない場合にも、試薬をアリコートに接触させるという欠点を有する。この実施形態は、前記第一サンプリング回路の全ての分析が、どんな場合にも実施されることが確実な場合に特に適切である。毎回実施されない分析は、選択的に複数のサンプリングループから製造可能な前記第二サンプリング回路を用いて実施され、前記サンプリングループの少なくとも一つ、即ち前記サンプリングループの分割部、又は前記サンプリングループの全ては、前記サンプリングバルブが前記第一位置にある間、試薬を投入される。
【0027】
第二実施形態において、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの分割部のみがそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される第三位置を占め、かつ、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の異なる分割部がそれぞれ、前記接続部材の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される少なくとも一つの他の機能的位置を占めるように、前記接続部材が設計される。
【0028】
前記サンプリングループの分割部の少なくとも一つが複数のサンプリングループを備える場合、この実施形態は、複数の分析を同時に実施することができる能力を備えながら、前記第一サンプリング回路の複数のサンプリングループに試薬を投入する際に、試薬が汚れるのを防ぐように作用する。
【0029】
前記サンプリングループの分割部の各々は一対のサンプリングループから構成されることができる。前記サンプリングループの分割部の各々は単一のサンプリングループから構成されることもできる。
【0030】
単一のサンプリングループを用いる場合、前記第一サンプリング回路の複数のサンプリングループに同時に試薬を投入することができるという利点は失われるが、試薬の投入が完全に分離される。しかし、この実施形態において、本発明は依然として、前記第一サンプリング回路に充填する一方で、同時に前記第二サンプリング回路のサンプリングループに試薬を投入することを可能とする。従って、依然として時間が節約される。
【0031】
第一の特に有利な好適な実施形態において、前記接続部材は、前記試薬投入通路を備える投薬部材と、前記サンプリングバルブのアリコート出口通路とでもある。第二の好適な実施形態において、前記サンプリング部材は、前記試薬投入通路を備える投薬部材と、前記サンプリングバルブのアリコート出口通路とでもある。
【0032】
多位置式サンプリングバルブは、二つのハードウェア部材のみを用いる機能の全てを統合する。該多位置式サンプリングバルブは、より多くの機能を実施可能としながら、従来のサンプリングバルブより少ない部材を備える。整備のために分解することもより容易であり、全体的に磨耗しにくく、また、安価で加工可能である。最後に、前記サンプリングバルブはより加工しやすいため、部品の間の漏洩の危険が減少する。
【0033】
最後に、これらの好適な実施形態において、前記サンプリングバルブの構成は、前記接続部材(又は前記サンプリング部材)が前記接続通路(又は、前記サンプリングループ)と、前記試薬投入通路との両方を備えるため、非常に簡略化される。
【0034】
有利な実施形態において、前記部材は相対的に回転方向に移動可能なディスクである。このような実施形態は、様々な部材に設けられた通路を整合させるために特に適切な回転移動を伴って、非常に小型なサンプリングバルブを構成可能とする。
【0035】
望ましくは、前記接続部材は、前記サンプリングバルブへの前記流体入口を構成する通路を備える。
この特性は、本発明のサンプリングバルブの製造を特に簡単にすることを可能とし、かつ、組立体を小型にすることを保証するとともに、前記サンプリングバルブが、二つの部材で非常に簡単に製造されることも保証する。これにより、前記サンプリングバルブの入口への良好なアクセス性も保証される。
【0036】
しかし、前記入口は前記サンプリング部材に設けられ、かつ要求に応じて前記接続部材を介して前記サンプリング回路に接続される通路でもあり得る。
本発明の有利な応用例において、前記流体は体液であり、前記第一サンプリング回路は体系的な分析に用いられ、前記第二サンプリング回路は体系的でない分析に用いられる。
【0037】
従来のサンプリングバルブは、同一のサンプリングバルブによって実施する体系的分析および非体系的分析の数だけサンプリングループを必要とし、前記サンプリングループの全てに前記サンプリングバルブの同一の位置において試薬を投入されていた。それに対し、本発明は二つのサンプリング回路の各々に独立して試薬を投入することを可能にする。有利には、前記第一サンプリング回路は体系的なルーチン分析を実施するためのサンプリングループを備え、前記第二サンプリング回路は非体系的なルーチン分析を実施するためのサンプリングループを備える。
【0038】
本発明はこれら二つのサンプリング回路に試薬を遅れて投入することを可能にするため、全てのルーチン分析が実施される場合にも、特定の分析用の試薬の汚染が防止される。
試薬による起こり得る汚染のために前記サンプリングループを洗浄する必要なく、一つ以上のサンプリングループに試薬を投入しないことが可能であるため、非常に高い処理率が可能となる。この利点は、前記サンプリングバルブが単一の位置にある間に、前記第一サンプリング回路及び前記第二サンプリング回路において、二つの異なる動作を実施可能であるという事実に追加される。
【0039】
本発明は、前記サンプリングバルブを用いる分析装置、及び本発明のサンプリングバルブを用いる本発明の分析装置で実施される流体をサンプリングする方法も提供する。
このような方法は、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を、前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって、前記第一サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を、前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって、前記第二サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第三位置に配置する工程と、
一つ以上の分析手段に向かって、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
一つ以上のサンプリング手段へ、少なくとも前記第二サンプリング回路のサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第一サンプリング回路を洗浄する工程であって、上述の工程の前、後、または同時に実施可能である工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第二サンプリング回路を洗浄する工程とを備える。
【0040】
図面を参照して、以下の限定するものではない説明を読むことによって、本発明の他の特徴や利点が、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明の好適な実施形態におけるサンプリングバルブの斜視図。
【図1B】本発明の好適な実施形態におけるサンプリングバルブの斜視図。
【図2A】本発明の多位置式サンプリングバルブの動作の説明に適切な概略図。
【図2B】図2Aに概略的に示す接続部材の拡大図。
【図3A】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3B】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3C】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3D】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図3E】本発明の好適な実施形態における多位置式サンプリングバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4A】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4B】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4C】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4D】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図4E】本発明の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5A】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5B】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5C】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5D】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5E】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5F】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5G】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図5H】本発明の別の特定の実施形態におけるバルブの動作を、図2A及び2Bの概略的表記を用いて示す図。
【図6】図1A及び1Bに示すサンプリングバルブの分解斜視図。
【図7A】本発明の変形例の斜視図。
【図7B】本発明の変形例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1A及び1Bは本発明のサンプリングバルブの好適な実施形態の斜視図である。サンプリングバルブは、接続部材1と、サンプリング部材2とを備える。これら二つの部材1及び2は、二つの面10及び20を介して相互に接触するディスクである。接続部材1はサンプリング部材2に対して回転するように取付けられ、このような回転は双方向矢印によって概略的に示される。
【0043】
図1の好適な実施形態において、接続部材1は分析用の流体の入口100を備える。サンプリングバルブの作動中、サンプリングバルブのこの入口100は、適切な手段によって収集チューブに接続される。入口100は、有利には、チューブに接続されず、自身の挿入モードを有し、かつスパイクとして知られる針に接続される。スパイクは、入口100を収集チューブに接続することを可能にする。この実施形態において、接続部材1はまた、試薬を投入し、かつ除去するために、通路31a及び31bと、32a及び32bと、33a及び33bと、34a及び34bと、35a及び35bとを備える。
【0044】
サンプリング部材2は、所定数のサンプリングループ21,22,23,24,及び25と、図1A及び1Bには図示していない流体の出口200とを備える。
図1A及び1Bの好適な実施形態におけるサンプリングバルブが図2A及び2Bにも概略的に示されている。この概略的な表記はサンプリングバルブの動作をより理解しやすくする。
【0045】
この表記において、接続部材1及びサンプリング部材2の通路が共通の面に示されている。接続部材1は中央ディスクの形式で示され、サンプリング部材2は中央ディスク即ち接続部材1を包囲するリングの形式で示され、中央ディスクはリング即ちサンプリング部材2に対して回転方向に移動可能である。接続部材1はサンプリング部材2の所定の通路を相互に接続する。図示する相互接続は本発明の好適な実装の接続である。
【0046】
図2Bは図2Aと同一の概略的表記において、接続部材1を示している。該接続部材1は、サンプリング部材の所定の通路の間の流体流動連通を設けるための入口100と、通路121,122,123,124,及び125とを備える。
【0047】
リング即ちサンプリング部材2は、サンプリングループ21,22,23,24,及び25を備える。表記を簡単にするために、試薬を投入し、かつ除去するための通路31a及び31b,32a及び32b、33a及び33b,34a及び34b,35a及び35bは、二つの部材1及び2の間に図示的に共有されているが、図1の好適な実施形態において、接続部材1のみに設けられる。
【0048】
Xを1から5の数字とすると、各通路3Xa又は3Xbは、図2A及び2Bにおいて、接続部材1及びサンプリング部材2にそれぞれ設けられた二組の通路13Xa及び23Xbで示される。これら二組の通路13Xa及び23Xbは、以下で説明するように、バルブが一つ以上のサンプリングループにおいて投薬位置にある時、相互に整合し、かつサンプリングループ2Xに整合する。
【0049】
本発明の別の実施形態において、図1で接続部材1に設けられたこれらの投薬用及び除去用の通路は、有利には、サンプリング部材2に同様に設けられる。このような実施形態は、相対的に移動可能な二つの部材のみを有するという利点を、依然として保持する。
【0050】
図2に概略的に示す図1の好適な実施形態において、サンプリングバルブは二つの分離したサンプリング回路を備える。第一サンプリング回路は、サンプリングループ21,22,23,及び24によって構成され、第二サンプリング回路はサンプリングループ25のみを備える。
【0051】
図3Aから3Eは、サンプリングバルブの動作を示している。サンプリングバルブは、図3Aにおいて、図2に示す位置に対応する第一位置にある。
この第一位置において、サンプリングループ24はサンプリングバルブの入口100に接続され、サンプリングループ24はサンプリングループ23に接続され、サンプリングループ23はサンプリングループ22に接続され、サンプリングループ22はサンプリングループ21に接続され、サンプリングループ21はサンプリング部材2に設けられた出口200に接続される。より具体的には、この第一位置において、サンプリングループ24及びサンプリングループ23は接続部材1の通路124を介して共に接続される。サンプリングループ23は接続部材1の通路123を介してサンプリングループ22に接続される。サンプリングループ22は接続部材1の通路122を介して、サンプリングループ21に接続される。最後に、サンプリングループ21は接続部材のサンプリングループ121によってサンプリングバルブの出口200に接続される。
【0052】
同時に、サンプリングループ25は、一つは投薬用、もう一つはアリコートを除去するための二つの通路に接続され、該通路は図2A及び2Bの通路135a及び135bと、235a及び235bとによって構成される。
【0053】
接続部材1上の通路の構成によって、第二サンプリング回路が、試薬を投入する要素と、アリコートを除去する要素とに接続されると同時に、第一サンプリング回路が流体入口に接続されることが可能であるという本発明の機能が実現される。
【0054】
図3Aにおいて、第一サンプリング回路は、入口100を介してバルブ内に取り入れられ、かつ吸引された分析用流体で満たされている。この血液を点で示す。図3Aにおける他の通路は別の流体、例えば、洗浄用流体で満たされており、斜線で示されている。
【0055】
図3Bは第二位置におけるサンプリングバルブを示しており、サンプリングバルブの入口100は、図1の好適な実施形態において、第二サンプリング回路を構成するサンプリングループ25に整合している。サンプリングループ25は接続部材1の通路125を介して出口200にも接続されている。この第二位置は、第二サンプリング回路を、入口100を介して吸引された血液で満たすことを可能とする。
【0056】
第二サンプリング回路は複数のサンプリングループを備え、サンプリング部材2上にサンプリングループをよりコンパクトに配置し、第一サンプリング回路の四つのサンプリングループを共に接続するのと同様に、様々なループを接続するために適切な通路を接続部材に備えることも可能である。
【0057】
この間、第一サンプリング回路の各サンプリングループに存在するアリコートは互いに遮断され、かつ試薬の存在するアリコート投薬通路及び除去通路から遮断される。
図3Cにおいて、接続部材は第三位置を占め、入口100はサンプリングバルブの全てのサンプリングループから遮断される。この時、収集チューブは解放され得る。以下で説明するように、異なる実施形態において、収集チューブはより早く解放されることもできる。
【0058】
第三位置において、第二サンプリング回路のサンプリングループ25は、全ての通路から遮断されている。従って、汚染の危険なく実行される。
対照的に、図3に示す好適な実施形態において、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24の各々は、特定の試薬投入回路及びアリコート除去回路に接続される。
【0059】
従って、サンプリングループ21の一端は、接続部材1の通路131a及びサンプリング部材2の通路231aによって構成される試薬投入通路に接続され、サンプリングループ21の他端は、接続部材1に設けられた通路131b及びサンプリング部材2に設けられた通路231bで構成されるアリコート除去通路に接続される。
【0060】
同様に、サンプリングループ22は一端において、接続部材1の通路132a及びサンプリング部材2の通路232aによって構成される試薬投入通路に接続され、サンプリングループ22の他端は、接続部材1に設けられた通路132b及びサンプリング部材2に設けられた通路232bで構成されるアリコート除去通路に接続される。
【0061】
反応ループ23及び24に対してもそれぞれ同様に、それぞれ通路133a,233a及び134a,234aによって構成される試薬投入通路と、通路133b,233b及び134b,234bによって構成されるアリコート除去通路とに連通する。
【0062】
この第三位置において、試薬はサンプリングループ21,22,23,24の各々に投入される。各試薬と混合された血液アリコートは、通常、一つ以上の分析装置(図示せず)において回収される。この、又は、これらの装置は、同時に、もしくは順次、同一の分析、又は部分的に異なる分析、又は完全に異なる分析を実施するように作用する。
【0063】
従って、実施に適した一つ以上の分析装置において、特定の流体に対して、四種類までの分析が同時に実施される。
アリコートが同一の分析装置に連続して送られ、各サンプリングループに異なる試薬を投入し、同一の分析手段によって測定されるために適切な特定のパラメータを求めようとすることも可能である。
【0064】
一般的には、試薬が投入されると、アリコート中の反応動態を可能にするために、数秒、例えば30秒の一定時間、停止する必要がある。この第三位置において、有利には、サンプリングループ25で試薬及び任意の血液アリコートとの間の汚染は起こらない。
【0065】
図3Dにおいて示すように、有利には、停止中、接続部材1は第一位置に戻るように移動可能である。サンプリングループ21から24は互いに接続されているため、洗浄用液体を放出することによって、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24を洗浄可能となる。
【0066】
同時に、サンプリングループ25は投薬通路及び除去通路に接続されているため、第一位置は、サンプリングループ25に含まれる最後のアリコートを、適切な回収手段、及び/又は、分析手段に向かって投入することを可能とし、該回収手段、及び/又は、分析手段は、場合に応じて第一サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループに用いられる分析手段と異なっていてもよい。
【0067】
従って、サンプリングループ21から24の洗浄と、サンプリングループ25からの投入は同時に実行され、それによって、相当な時間の節約が可能となる。より一般的には、本発明によると、特定の異なる機能が第一サンプリング回路及び第二サンプリング回路で同時に実行されるため、この種の並列作業は、分析を実施する際に非常に多くの時間を節約することを可能とする。
【0068】
本明細書に記載される本発明の実施形態において、第二サンプリング回路はただ一つのサンプリングループを備え、現段階では、血液分析の応用例にとって最も適切である。しかしながら、第二サンプリング回路は複数のサンプリングループを備えることもできる。このような状況下において、サンプリングループの少なくとも一つは、本発明の意味における第一位置において、即ち、第一サンプリング回路が流体入口に接続されると同時に、試薬を投入される。第二サンプリング回路の他のサンプリングループは、同一の第一位置において、あるいは第一位置とは異なる位置において、試薬を投入されることができる。
【0069】
本発明の特定の実施形態において、第二サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループが、試薬を投入されることを可能とする接続部材及びサンプリング部材のこれらの他の相対的位置は、第一サンプリング回路の一つ以上のサンプリングループに同時に試薬を投入することも選択的に可能にすることができる。
【0070】
最後に、図3Eにおいて、接続部材1を回転させるモータによって、接続部材は第二位置に再び移動し、それによって、四つの第一サンプリングループと同一の洗浄用液体、あるいは異なる洗浄用液体を用いて、第五サンプリングループ25を洗浄可能とする。
【0071】
本発明は、二つのサンプリング回路に異なる洗浄用液体を用いることを可能とする。この事実は特に、特定の試薬、例えば、サンプリングループ25に用いられる試薬の性質が、四つの第一サンプリングループ21から24に用いられる洗浄用液体とは異なる洗浄用液体で洗浄することを必要とする時に有利である。
【0072】
従って、図3Aから3Eに示す五段階サイクルの最後には、チューブから一度で取り入れられた同一の初期血液試料から五つの異なる分析を実施することが可能である。いくつかを同時に、また他を遅らせて実施するように、二つの段階において、分析を実施することが可能である。従って、収集チューブが機械で用いられる時間を短縮可能であり、ひいては処理量の割合を向上させると同時に、遮断されるアリコートを有することによって性能を改善することが可能である。遅れた分析を実施可能とする場合、先に実施された特定の分析の結果に応じて特定の分析の性能を調整することも可能である。
【0073】
さらに、本発明のサンプリングバルブシステムは、サンプリング回路の一回の分画を用いることによって、サンプリングバルブを用いて行なわれる分析の一回分の分画だけ実行することを可能とする。本発明は二つのサンプリング回路の一つのみに試料を取り入れ、一回分の分画だけの分析を実施し、ひいては血液を厳密な必要量だけ採取することを可能とする。
【0074】
例えば、第五サンプリングループ25の分析の結果のみを要求することが可能である。サンプリングバルブを第二位置に配置することによって、サンプリングバルブの他の部分、特に第一サンプリング回路から完全に分離したサンプリングループ25のみに充填することが可能である。サンプリングバルブを第一位置に戻すことによって、試薬はサンプリングループ25に投入される。その後、単に第二位置に戻すことによって、サンプリングループ25は洗浄される。
【0075】
これは、サンプリングバルブ、又はサンプリングバルブが占める位置を修正することなく実行可能である。単一の分析のみを実施するために、第一位置を介することなく、直接第二位置において一つの試料のみ取り入れることに適合している。
【0076】
従って、第一サンプリング回路は血液試料にも、任意の試薬にも接触せず、洗浄する必要がない。このことは、単一の分析を実施するために取り入れられる試薬及び血液の量を大幅に減少させることを可能とする。本発明は、血液試料が多くない場合にも、少なくとも一つの分析を実施することを可能とする。
【0077】
同様に、四つの第一サンプリングループの分析の結果のみが必要な場合には、第五サンプリングループに充填する必要がない。
四つの第一サンプリングループの分析を実施することが望まれる時、まずサンプリングバルブは第一位置に配置され、必要とされる四つのアリコートを取り入れ、次に、これらのアリコートの各々を適切な回収手段、及び/又は、分析手段に投入可能とする第三位置に移動される。その後、第一位置に戻されることにより、サンプリングループ21,22,23,24が洗浄可能となる。
【0078】
この実施形態において、サンプリングループ25は血液試料にも、任意の試薬にも接触しない。従って、このサンプリングループを洗浄する必要はなく、ひいては、上述のように、試薬の量及び取り入れられる血液の量を減少させることが可能となる。
【0079】
本発明によると、試薬を投入する可能性に関して異なる状態で、第一サンプリング回路のサンプリングループの数を分割することもできる。
図4は、第一サンプリング回路のサンプリングループが二つ一組で同時に試薬を投入するために適切な実施形態を示す図である。試薬投入位置の一つは、第二サンプリング回路に充填することも可能であるため、本発明の第二位置である。
【0080】
図4Aにおいて、サンプリングバルブは第一位置にあり、該第一位置において、サンプリングループ21,22,23,24によって構成される第一サンプリング回路に充填することができ、サンプリングループ25は、試薬投入通路及びアリコート出口通路に接続されるため、試薬を投入することができる。
【0081】
図4Bにおいて、サンプリングバルブは、本発明の意味における第三位置にあり、二つのサンプリングループ23及び24は各試薬投入通路及び各アリコート出口通路にそれぞれ接続される。
【0082】
図4Cにおいて、サンプリングループ25によって構成される第二サンプリング回路に充填することができるため、サンプリングバルブは本発明の意味における第二位置にあり、同時に、サンプリングループ21及び22は各試薬投入通路及び各アリコート出口通路にそれぞれ接続されるため、本発明の意味における第三位置にある。
【0083】
この位置は別の機能的な位置であり、具体的には、本発明の第二位置及び第三位置の機能を結合した第四の機能的位置である。結果として生じるサンプリングバルブは、請求項1の範囲内にあり、より具体的には請求項4によって保護される。
【0084】
図4Dにおいて、サンプリングループ25によって構成される第二サンプリング回路が試薬を投入される間、第一サンプリング回路は洗浄される。図4Eにおいて、サンプリングループ25が洗浄される。この位置において、サンプリングループ21及び22は各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とにそれぞれ接続されるが、サンプリングループ21及び22が洗浄されている限り、問題はない。
【0085】
図5は、試薬を投入される可能性に関して、第一サンプリング回路のサンプリングループの数のさらに別の種類の分割を行なう別の実施形態を示す。
この実施形態において、第二サンプリング回路のサンプリングループ25が試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続される、図5Aに示す同一の位置において、第一サンプリング回路のサンプリングループ21,22,23,24は充填される。この位置は本発明の意味における第一位置である。
【0086】
その後、図5B,5C,5D,及び5Eにそれぞれ示す接続部材及びサンプリング部材の異なる相対的位置は、サンプリングループ24,23,22,21がそれぞれ各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続することを可能とする。
【0087】
この実施形態における異なる位置は各サンプリングループ用に用いられる。従って、第一サンプリング回路のサンプリングループと同数の本発明の意味における「第三」位置が存在する。第二サンプリング回路が複数のサンプリングループからなる場合、これらの位置のいくつかは、第二サンプリング回路のサンプリングループの一つを試薬投入通路と、アリコート出口通路とに接続するようにも作用する。
【0088】
図5Fは、サンプリングループ25が充填される本発明の意味における第二位置を示している。図5Gにおいて、サンプリングバルブは、図5Aと同一の位置にある。第一サンプリング回路は洗浄され、一方、第二サンプリング回路は試薬を投入される。最終的に、図5Hにおいて、第二サンプリング回路は、サンプリングバルブの入口を第二サンプリング回路に接続可能にする図5Fに示す同一の位置において、洗浄される。
【0089】
図6は図1A及び1Bのサンプリングバルブの分解斜視図である。五つのサンプリングループ21から25が示されている。この好適な実施形態における接続部材1は、面10において空洞化された通路の形式で、接続通路121から125を備える。通路の端部は、サンプリングバルブが第一位置に配置される時、サンプリング部材2の面20においてサンプリングループ21から25のうちの二つのオリフィスに整合するように設計される。通路121及び125は、この図において見られる出口200に接続されるために適切であり、入口100はサンプリングループ24又はサンプリングループ25のどちらかに直接接続されるために適切である。
【0090】
この実施形態において、接続部材はサンプリングループ21から25の各々のための投薬通路3Xa及び3Xbを備える。これらの通路3Xa及び3Xbは接続部材1を通過し、外側において流体出口、特に試薬の出口に接続可能な管の形式で、サンプリングバルブの内側の面10において、サンプリングバルブが第三位置に配置される時に面20においてサンプリングループ2Xのオリフィスに整合するオリフィスの形式で出現する。
【0091】
図7は、前述の図面のサンプリングバルブに、各回路のサンプリングループの容積を修正可能な付加的部材3を加えた本発明の変形例を示している。図7の変形例において、各サンプリングループ2Xは複製2X’を有する。これらの複製はアリコートの容積を修正するように作用する。各対のサンプリングループは、サンプリング部材2の内部の回路を介して、又は接続部材1の内部の回路を介して、又は特に付加的部材3に設けられた回路によって共に接続される。
【0092】
異なる容積を有するサンプリングループを備えたこの変形例は、入口100を標準のサンプリングループ、又は異なる容積のサンプリングループに接続するように作用する少なくとも一つの付加的な位置を有するように作られる。従って、分析の要求に応じて、各サンプリングループの容積は変更可能である。
【0093】
より正確には、付加的部材3は、異なる位置をとることによって、サンプリングループの容積を倍にすることを可能にする。図7に示す実施形態において、接続部材1が、接続部材1の周りのリング状の付加的部材3により包囲されていることが図7Bにより分かる。
【0094】
これにより、バルブには三つの部材を設けるが、ただ三つの調整された面を設けることが可能となり、一つはサンプリング部材2上に、もう一つはサンプリング部材2の調整された面に接触する接続部材1上に、三つ目は付加的部材3上にあり、付加的部材3は、図7に示すように、サンプリング部材2の調整された面に接触する。
【0095】
付加的部材3の存在は、具体的には、収集チューブがアクセス可能である(「チューブ開放」)位置と、収集チューブへのアクセスが閉じられている(「チューブ閉鎖」)位置とに切換えることを可能にする。
【0096】
異なる実施形態において、実際には本発明と独立して、血液収集チューブをさらに速く収集ゾーンに解放することが可能である。
一回の動作で、全ての分析に必要な血液の量のみ収集チューブ内に取り入れられる血液は、収集針の直後に配置されることができる。収集チューブは収集ゾーンから除去されることができる。
【0097】
その後、サンプリングバルブは第一サンプリングループに充填するために第一位置に切換えられ、その後、第二サンプリング回路に充填するために、サンプリングバルブは第二位置に切換えられる。
【0098】
この実施形態は容器を用い、該容器は、分析用流体の経路上のただのチューブにすぎないが、収集針とサンプリングバルブとの間に配置され、かつ五つのサンプリングループに充填するために必要な血液の全量に対応する容積を有する。
【0099】
この実施形態は、ごく短時間だけ収集チューブを占有し、かつ、それによって、他のサンプリングバルブを用いて実施される任意の他の分析のために収集チューブを非常に迅速に解放し、かつ、装置の処理率をさらに向上させることを可能とするという利点を有する。
【0100】
最後に、特許請求の範囲で定義される本発明の原理に基づいて、様々な実施形態が実施可能となることが分かるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の収集容器から、試薬を用いる複数の分析用の流体を取り入れるためのサンプリングバルブであって、
接触面を介して互いに接触する二つの部材であって、相対的に移動可能であり、流体流動の通路ネットワークをそれぞれ備え、該通路ネットワークの少なくとも一部は前記接触面内に開口する前記二つの部材を備えるサンプリングバルブにおいて、
前記二つの部材のうちの一方をサンプリング部材(2)と称し、そのサンプリング部材(2)の通路ネットワークは少なくとも三つの独立したサンプリングループ(21,22,23,24,25)を備え、前記各サンプリングループは前記流体のアリコートを収容するために適切であり、前記サンプリングバルブは、少なくとも前記サンプリングループと同数の試薬投入通路(31a,32a,33a,34a,35a)と、アリコート出口通路(31b,32b,33b,34b,35b)とを備え、前記二つの部材のうちの他方を接続部材(1)と称し、その接続部材(1)は前記サンプリング部材(2)に対して少なくとも三つの異なる機能的位置を占めることが可能であり、
第一位置において、前記サンプリングバルブ内への流体入口(100)が第一サンプリング回路に接続可能となり、前記第一サンプリング回路は複数のサンプリングループ(21,22,23,24)を備え、該サンプリングループ(21,22,23,24)は前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(121,122,123,124)を介して互いに接続され、前記通路(121,122,123,124)は前記サンプリングループ(21,22,23,又は24)の各々に整合し、前記第一位置は前記接続部材(1)の通路ネットワークの一つ以上の通路(135a,135b)を介して、第二サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ(25)を試薬投入通路(235a)と、アリコート出口通路(235b)とに接続するようにも作用し、
第二位置において、前記流体入口(100)が前記第二サンプリング回路(25)に接続可能となり、
第三位置において、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ(21,22,23,又は24)が前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(131a及び131b,132a及び132b,133a及び133b,又は134a及び134b)を介して、試薬投入通路(231a,232a,233a,又は234a)と、アリコート出口通路(231b,232b,233b,又は234b)とに接続されることを特徴とするサンプリングバルブ。
【請求項2】
前記第三位置において、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループ(21,22,23,24)はそれぞれ、前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(131a,131b,132a,132b,133a,133b,134a,134b)を介して、各試薬投入通路(231a,232a,233a,又は234a)と、各アリコート出口通路(231b,232b,233b,又は234b)とに接続されることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項3】
前記第一サンプリング回路のサンプリングループの分割部(23,24)のみがそれぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される第三位置を備え、かつ前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の異なる分割部(21,22)がそれぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続されるような少なくとも他の機能的位置を備えるように、前記接続部材(1)が設計されることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項4】
前記流体入口(100)を前記第二サンプリング回路に接続するための前記第二位置は別の機能的位置でもあり、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の分割部(21,22)は、それぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続されることを特徴とする、請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項5】
前記サンプリングループの分割部の各々は一対のサンプリングループ(21及び22,23及び24)から構成されることを特徴とする請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項6】
前記サンプリングループの分割部の各々は単一のサンプリングループから構成されることを特徴とする請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項7】
前記接続部材(1)は、前記サンプリングバルブの試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備える投薬部材でもあることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項8】
前記サンプリング部材(2)は、前記サンプリングバルブの試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備える投薬部材でもあることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項9】
前記部材(1,2)は、相対的に回転方向に移動可能なディスクであることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項10】
前記接続部材(1)は、前記サンプリングバルブへの流体入口を構成する通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項11】
前記サンプリング部材 (2)は、前記サンプリングバルブ内への流体入口を構成する通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項12】
前記流体は体液であり、前記第一サンプリング回路はルーチン分析に用いられ、前記第二サンプリング回路は特定の分析に用いられることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のサンプリングバルブを実装する流体分析装置。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載され、かつ請求項13に記載の分析装置に実装されるサンプリングバルブを用いて流体をサンプリングする方法であって、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって前記第一サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって前記第二サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第三位置に配置する工程と、
一つ以上の分析手段に向かって、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
一つ以上のサンプリング手段へ、少なくとも前記第二サンプリング回路のサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第一サンプリング回路を洗浄する工程であって、上述の工程の前、後、または同時に実施可能である工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって前記第二サンプリング回路を洗浄する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
単一の収集容器から、試薬を用いる複数の分析用の流体を取り入れるためのサンプリングバルブであって、
接触面を介して互いに接触する二つの部材であって、相対的に移動可能であり、流体流動の通路ネットワークをそれぞれ備え、該通路ネットワークの少なくとも一部は前記接触面内に開口する前記二つの部材を備えるサンプリングバルブにおいて、
前記二つの部材のうちの一方をサンプリング部材(2)と称し、そのサンプリング部材(2)の通路ネットワークは少なくとも三つの独立したサンプリングループ(21,22,23,24,25)を備え、前記各サンプリングループは前記流体のアリコートを収容するために適切であり、前記サンプリングバルブは、少なくとも前記サンプリングループと同数の試薬投入通路(31a,32a,33a,34a,35a)と、アリコート出口通路(31b,32b,33b,34b,35b)とを備え、前記二つの部材のうちの他方を接続部材(1)と称し、その接続部材(1)は前記サンプリング部材(2)に対して少なくとも三つの異なる機能的位置を占めることが可能であり、
第一位置において、前記サンプリングバルブ内への流体入口(100)が第一サンプリング回路に接続可能となり、前記第一サンプリング回路は複数のサンプリングループ(21,22,23,24)を備え、該サンプリングループ(21,22,23,24)は前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(121,122,123,124)を介して互いに接続され、前記通路(121,122,123,124)は前記サンプリングループ(21,22,23,又は24)の各々に整合し、前記第一位置は前記接続部材(1)の通路ネットワークの一つ以上の通路(135a,135b)を介して、第二サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ(25)を試薬投入通路(235a)と、アリコート出口通路(235b)とに接続するようにも作用し、
第二位置において、前記流体入口(100)が前記第二サンプリング回路(25)に接続可能となり、
第三位置において、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ(21,22,23,又は24)が前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(131a及び131b,132a及び132b,133a及び133b,又は134a及び134b)を介して、試薬投入通路(231a,232a,233a,又は234a)と、アリコート出口通路(231b,232b,233b,又は234b)とに接続されることを特徴とするサンプリングバルブ。
【請求項2】
前記第三位置において、前記第一サンプリング回路の全てのサンプリングループ(21,22,23,24)はそれぞれ、前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路(131a,131b,132a,132b,133a,133b,134a,134b)を介して、各試薬投入通路(231a,232a,233a,又は234a)と、各アリコート出口通路(231b,232b,233b,又は234b)とに接続されることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項3】
前記第一サンプリング回路のサンプリングループの分割部(23,24)のみがそれぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続される第三位置を備え、かつ前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の異なる分割部(21,22)がそれぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続されるような少なくとも他の機能的位置を備えるように、前記接続部材(1)が設計されることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項4】
前記流体入口(100)を前記第二サンプリング回路に接続するための前記第二位置は別の機能的位置でもあり、前記第一サンプリング回路のサンプリングループの少なくとも一つの他の分割部(21,22)は、それぞれ前記接続部材(1)の通路ネットワークの通路を介して、各試薬投入通路と、各アリコート出口通路とに接続されることを特徴とする、請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項5】
前記サンプリングループの分割部の各々は一対のサンプリングループ(21及び22,23及び24)から構成されることを特徴とする請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項6】
前記サンプリングループの分割部の各々は単一のサンプリングループから構成されることを特徴とする請求項3に記載のサンプリングバルブ。
【請求項7】
前記接続部材(1)は、前記サンプリングバルブの試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備える投薬部材でもあることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項8】
前記サンプリング部材(2)は、前記サンプリングバルブの試薬投入通路と、アリコート出口通路とを備える投薬部材でもあることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項9】
前記部材(1,2)は、相対的に回転方向に移動可能なディスクであることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項10】
前記接続部材(1)は、前記サンプリングバルブへの流体入口を構成する通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項11】
前記サンプリング部材 (2)は、前記サンプリングバルブ内への流体入口を構成する通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項12】
前記流体は体液であり、前記第一サンプリング回路はルーチン分析に用いられ、前記第二サンプリング回路は特定の分析に用いられることを特徴とする請求項1に記載のサンプリングバルブ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のサンプリングバルブを実装する流体分析装置。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載され、かつ請求項13に記載の分析装置に実装されるサンプリングバルブを用いて流体をサンプリングする方法であって、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって前記第一サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
前記収集容器に収納された流体を前記サンプリングバルブの入口に向かって吸引することによって前記第二サンプリング回路に充填する工程と、
前記接続部材を前記第三位置に配置する工程と、
一つ以上の分析手段に向かって、前記第一サンプリング回路の少なくとも一つのサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
前記接続部材を前記第一位置に配置する工程と、
一つ以上のサンプリング手段へ、少なくとも前記第二サンプリング回路のサンプリングループ全体に試薬を投入する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって、前記第一サンプリング回路を洗浄する工程であって、上述の工程の前、後、または同時に実施可能である工程と、
前記接続部材を前記第二位置に配置する工程と、
洗浄容器に収納された洗浄用流体を吸引することによって前記第二サンプリング回路を洗浄する工程とを備えることを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2011−506921(P2011−506921A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536508(P2010−536508)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/FR2008/052174
【国際公開番号】WO2009/077696
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508000537)
【氏名又は名称原語表記】HORIBA ABX SAS
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/FR2008/052174
【国際公開番号】WO2009/077696
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508000537)
【氏名又は名称原語表記】HORIBA ABX SAS
【Fターム(参考)】
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