説明

多区画パウチ

本発明は、水溶性フィルムを含み、かつ少なくとも第1の及び第2の区画を有する洗濯用途で使用するのに好適な多区画パウチに関し、ここで各区画が組成物を含み、第2の区画は少なくとも5の色相効率と約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値とを示す増白剤を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1の区画と第2の区画とを含む多区画パウチに関し、第2の区画は洗濯用途で使用するのに好適な増白剤を含む。増白剤が少なくとも5の色相効率と約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値を呈する。好ましくは増白剤が、少なくとも2つの構成成分を含む。構成成分は少なくとも1つの発色団成分と、少なくとも1つのポリマー成分とを含み、特にセルロース基材に有効である。
【背景技術】
【0002】
光学的光沢剤又は青味付け剤のいずれかの増白剤の、布地用途での使用が先行技術で周知である。経年により、布地基材は、光、空気、汚れ、及び基材に含まれる繊維の自然劣化により、色落ち又は黄変する傾向がある。したがって、増白剤の目的は一般に、これらの布地基材を視覚的に明るくして、基材の色落ち及び黄変の影響を弱めることである。典型的には、増白剤が洗濯洗剤、柔軟仕上げ剤又はすすぎ補助剤に見い出すことができ、したがって洗濯プロセスの間に布地基材に適用される。しかしながら、増白剤が、望ましくないシミを生じずに、処理される布地基材を明るくするように機能することが重要である。
【0003】
特にセルロース基材は、光、空気及び/又は汚れに曝された後で、黄色相を示す傾向を有する。この黄変を通常の洗濯手順により元に戻すことは多くの場合難しい。その結果、布地基材、特にセルロース基材の経年劣化により呈される黄変を取り除くことができる、改良された増白剤に対する必要性が存在する。このような改良された増白剤を使用することにより、衣料品、食卓用リネンなどのような布地基材の耐用期間が引き伸ばされる場合もある。
【0004】
本発明の増白剤が、少なくとも5の色相効率と、約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値とを有する化合物の利点を用いるものとして、米国特許第4 137 243号、米国特許第5 039 782号及び米国特許第2005/0288206号を含む先行技術を上回る利益をもたらす。このような化合物は、セルロース基材の黄変を中和するために紫外線へと曝露することで、青、赤、スミレ色、紫又はこれらの組み合わせの範囲の波長を備える光を除去することができる(すなわち、化合物は光を吸収してこれらと同一の色調を生成する)。これらの化合物は、セルロース基材用の増白剤として理想的に作用し、洗濯プロセスの間に消費者が使用するための洗濯洗剤配合物に組み込むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら好ましい増白剤が、優れた増白を示す一方で、自身が配合された組成物を、魅力的でない暗い色にする。したがって、この魅力的でない副作用を回避しつつ高性能増白剤を液体洗剤製品に組み込む方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水溶性フィルムを含み、かつ少なくとも第1の及び第2の区画を有する洗濯用途で使用するのに好適な多区画パウチに関し、ここで各区画が組成物を含み、かつ第2の区画は少なくとも5の色相効率と約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値とを示す増白剤を含む。
【0007】
特に好ましい実施形態では、増白剤が、
(a)チオフェン着色剤を含む、少なくとも1つの発色団成分と、
(b)少なくとも1つのポリマー成分と、を含み、
ここで、増白剤が下記の構造、
【化1】

により特徴付けられ、式中、R及びRは、
a)[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
b)R=アルキル、アリール又はアリールアルキル、かつR=[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
c)R=[CHCH(OR)CHOR]、かつR=[CHCH(OR)CHOR
式中、RはH、(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
は(C〜C16)アルキル基、アリール基及びこれらの混合物からなる群から選択され
d)R1及びR2がスチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びグリシジルヘキサデシルエーテルのアミノ付加生成物から独立して選択することができ、更に1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加するもの、から独立して選択することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、重量でセルロースが少なくとも大部分を占めて含まれる、あらゆる基材を包含することが意図される。セルロースは、木材、綿、リネン、黄麻及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維及びパルプの形態並びに、粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってもよい。セルロース繊維には、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維から形成される物品には、織物などの布地物品が挙げられる。パルプから形成される物品には、紙が挙げられる。
【0009】
多区画パウチ
本発明の洗剤製品は多区画パウチである。パウチは、水溶性フィルムと、少なくとも第1の及び第2の区画とから構成される。組成物が各区画の内部に含まれる。第2の区画は、増白剤を自身の中に含む組成物を含む。
【0010】
好ましくは、多区画パウチの区画は、異なる審美的外観を有する。審美的外観の違いは、任意の好適な方法により達成することができる。パウチの一区画は、半透明(translucent)の、透明の、半透明(semi-transparent)の、不透明の、又は半不透明のフィルムを用いて作製することができ、パウチの第2の区画は、区画の外観が異なるような、半透明の(translucent)、透明の、半透明の(semi-transparent)、不透明の又は半不透明のフィルムから選択される、異なるフィルムを用いて作製することができる。パウチの区画は同じ大きさ及び容量であってもよい。別の方法としては、パウチの区画は異なる内部容積を有する異なる大きさであってもよい。区画は、材質又は色に関して互いに異なっていても良い。それゆえ、1つの区画には光沢がある一方で他方はマットであってもよい。これは、多くの場合、水溶性フィルムの片面は光沢がある一方で、他方の面はマット仕上げを有するなどのように、容易に達成することができる。あるいは、区画を作製するために使用されるフィルムは、フィルムにエンボス加工する、彫り込み加工する又は印刷加工するなどの方法で処理することもできる。エンボス加工は、当該技術分野において記載される任意の好適な手段を用いて物質をフィルムに付着させることで達成することができる。彫り込み加工は、当該技術分野において利用可能な好適な技術を用いて圧力をフィルムに印加することで達成することができる。印刷加工は、当該技術分野において利用可能な任意の好適なプリンタ及びプロセスを用いることで達成することができる。別の方法としては、フィルム自体を着色して、製造者に各区画について異なった着色をされたフィルムを選択させるようにすることもできる。別の方法としては、フィルムは透明であっても半透明(translucent)であってもよく、内部に含まれる組成物が着色されていてもよい。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、第1の区画は白、緑、青、オレンジ、赤、黄、ピンク又は紫からなる群から選択される色を有し、第2の区画は白、黄、オレンジ、青又は緑からなる群から選択される異なった色を有する。
【0011】
本発明の多区画パウチの区画は、別個であることができるが、好ましくは任意の好適な様式で結合される。最も好ましくは、第2の及び所望により第3の又はそれに続く区画は、第1の区画上に重ね合わせられる。一実施形態では、第3の区画を第2の区画上に重ね合わせ、次に、これを第1の区画上に挟み込む配置で重ね合わせることができる。別の方法としては、第2の及び第3の、並びに所望によりそれに続く区画を、全て第1の区画上に重ね合わせることもできる。しかしながら、第1の、第2の、所望により第3の、並びにそれに続く区画を、隣り合わせたもの同士で互いに接着できることも同様に予想される。好ましい実施形態においては、本発明のパウチは1つの大きい区画と2つのより小さな区画とから構成される、3つの区画を含む。第2の及び第3のより小さな区画は、第1のより大きな区画上に重ねて置かれる。区画の大きさ及び形状は、この構成を達成できるように選択される。区画を一続きにパックして、ミシン目線により各区画をそれぞれ分離できるようにしてもよい。それゆえ例えば、区画からの組成物で布地を前処理又は後処理するために、各区画がエンドユーザにより一続きの残りの部分からそれぞれ切り離されてもよい。
【0012】
区画の形状は同じでも異なっていても良い。好ましい実施形態においては、第2の及び所望により第3の、又はそれに続く区画は、第1の区画に対して異なる形状及び外形を有する。この実施形態において、第2の及び所望により第3の区画は第1の区画上のデザイン中に配置される。例えばこのデザインは、コンセプト又は取扱の説明に役立つように装飾的、教育的、例証的であることができ、あるいは製品の供給元を示すために使用することもできる。好ましい実施形態においては、第1の区画は、周囲が封止された2つの大きな面を有する最も大きな区画である。第2の区画は、第1の区画の1つの面の表面積の75%未満、より好ましくは50%未満をより小さく覆う。第3の区画が存在する実施形態においては、上記の構成は同様であるが、第2の及び第3の区画は、第1の区画の1つの面の表面積の60%未満、より好ましくは50未満%、更により好ましくは45未満%を覆う。
【0013】
多区画パウチは、好ましくは水に可溶性であるか又は分散性であるフィルム材から作製され、20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルターの使用後に、本明細書で提示された方法により測定されたときに、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶解度を有する。
【0014】
50グラム±0.1グラムのパウチ材料が、予め秤量された400mLビーカー中に添加され、245mL±1mLの蒸留水が加えられる。これは、600rpmに設定された磁性攪拌器上で、30分間激しく攪拌される。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20ミクロン)の折り重ねた定性的な焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液からいずれかの従来法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度%又は分散度%を計算することができる。
【0015】
好ましいパウチ材料は、ポリマー材料、好ましくはフィルム又はシートに成形されるポリマーである。パウチ材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又はインフレーションにより得ることができる。
【0016】
パウチ材料として使用するために好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類から選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、いずれの重量平均分子量を有することもできるが、好ましくは約1000〜1,000,000、より好ましくは約10,000〜300,000、更により好ましくは約20,000〜150,000である。
【0017】
ポリマーの混合物もまた、パウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的性質及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。同様に好適なものは、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物である。同様に本明細書で好適なものは、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと約65重%〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールのような、加水分解によって分解可能な及び水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物である。本明細書で使用するために好ましいものは、材料の溶解プロファイルを改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0018】
当然のことながら、異なるフィルム材及び/又は異なる厚さのフィルムもまた、本発明の区画を作製するために選択できる。異なるフィルムを選択することにおける利益は、得られる区画が、異なる溶解度特性、すなわち放出特性を呈することができるということである。
【0019】
最も好ましいパウチ材料は、Gary、Indiana、USのChris−Craft Industrial Productsより販売されている、商品照会名Monosol M8630として既知のPVAフィルム、並びに相当する溶解度プロファイル及び変形プロファイルのPVAフィルムである。本明細書で使用するのに好適な他のフィルムには、Aicello社により供給される商品照会名PTフィルム若しくはK−シリーズとして知られるフィルム、又は株式会社Kurarayにより供給されるVF−HPフィルムとして知られるフィルムが挙げられる。
【0020】
また、本明細書のパウチ材料は、1つ以上の添加剤成分を含むことができる。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤には、洗浄水に送達されることになる機能的洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0021】
変形性のために、パウチ又はパウチ区画は、好ましくは区画の容積空間の約50%まで、好ましくは約40%まで、より好ましくは約30%まで、より好ましくは約20%まで、より好ましくは約10%までの容積を有する気泡を含有するであろう液体である、構成成分を含む。
【0022】
水溶性パウチを製造する方法
本発明のプロセスは任意の好適な装置及び方法を用いてなすことができる。しかしながら、好ましくは多区画パウチは水平的な形成充填プロセスを用いて作製される。好ましくはフィルムを濡らし、より好ましくは加熱して、展延性を上昇させる。更により好ましくは、方法はまた、好適な型にフィルムを引き入れるための真空の使用を含む。型の中にフィルムを引き入れる真空は、フィルムが表面の水平部分の上に置かれるとすぐに、0.2秒〜5秒間、好ましくは0.3秒〜3秒間、又は更により好ましくは0.5秒〜1.5秒間適用され得る。この真空は、好ましくは、−10kPa〜−100kPa(−100ミリバール〜−1000ミリバール)の間、又は更には−20kPa〜−60kPa(−200ミリバール〜−600ミリバール)の間の負圧を提供するようなものであるのが好ましい場合がある。
【0023】
パウチを作製する型は、必要とされるパウチ寸法に応じる任意の外形、長さ、幅及び深さであってよい。型はまた、所望するならば大きさ及び外形が互いに異なっていてもよい。例えば、最終パウチの容積が、5mL〜300mL、又は更には10mL〜150mL、又は更には20mL〜100mLであり、型の寸法がそれに応じて調節されることが好ましい場合がある。
【0024】
熱成形として一般的に既知であるプロセスで、任意の方法により、フィルムに熱を適用できる。例えば、フィルムは、表面上に供給する前に、又は表面上に供給してすぐに加熱要素の下あるいは熱風の中を通過させることで直接加熱できる。別の方法としては、例えば、表面を加熱するか、あるいはフィルム上に熱い物を適用することにより、フィルムを間接的に加熱することもできる。最も好ましくは、フィルムは赤外線光を用いて加熱される。好ましくは、フィルムは50℃〜120℃、又は更には60℃〜90℃の温度に加熱される。別の方法としては、フィルムはいずれかの手段により濡らすことができ、例えば、フィルムを表面上に供給する前に又は表面上においてすぐに、湿潤剤(水、フィルム材溶液、若しくはフィルム材のための可塑剤が挙げられる)をフィルム上に噴霧することにより直接的に、又は表面を濡らすことにより若しくは濡れた物をフィルム上に適用することにより間接的に濡らすことができる。
【0025】
粉末を含むパウチについて言えば、フィルムをピンで刺すことは様々な理由から有利であり、第1には、パウチ形成時のフィルム不良の可能性を減じることになる。例えば、フィルムがあまりにも早く引き伸ばされた場合には、フィルムの破裂を生じさせるフィルム不良が生じ得る。第2には、パウチに封入された製品に由来する任意のガス(例えば漂白剤を含有する粉末の場合には酸素形成など)を、放出できるようにすることになる。第3には、芳香を持続的に放出させることになる。加えて、熱及び/又は濡らしが使用される場合には、ピンで刺すことは、真空の使用前、使用中、又は使用後に、好ましくは真空の適用中又は適用前に使用され得る。したがって、本明細書においてより詳細に記載されるように、各型がシステムに接続された1つ以上の孔を含み、このシステムはこれらの孔を通じて孔の上のフィルム上に真空を提供できることが好ましい。
【0026】
フィルムは、加熱され/濡らされるとすぐに、適切な型の中に好ましくは真空を用いて引き入れられる。成形フィルムの充填は、物を充填(移動)するための任意の既知の方法により実行できる。最も好ましい方法は、製品形態及び必要とされる充填速度によって決まる。好ましくは、成形フィルムはインライン充填技術により充填される。充填された開いたパウチは、次に任意の好適な方法により第2のフィルムを用いて閉じられる。好ましくは、この工程はまた、水平位置で、連続的に、一定の動作で実行される。好ましくは閉鎖は、開放パウチのウェブを覆って及びその上に第2の材料又はフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給し、次いで好ましくは第1のフィルムと第2のフィルムを共に、典型的には鋳型の間、したがってパウチの間の領域で封止することにより行われることが好ましい。
【0027】
好ましい封止方法としては、熱封止、溶媒溶接、及び溶媒封止又は湿潤封止が挙げられる。封止を形成することになる領域のみが熱又は溶剤により処理されるのが好ましい。熱又は溶剤は、いずれかの方法により、好ましくは閉鎖材料の上に、好ましくは封止を形成することになる区域の上のみに適用されることができる。溶剤若しくは湿式シーリング又は溶着が使用される場合、熱もまた適用されることが好ましい場合がある。好ましい湿式又は溶剤密封/溶着方法には、溶剤を鋳型間、又は閉鎖材料上に、例えばこれをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用すること、次いで圧力をこれらの領域に適用して封止を形成することが挙げられる。例えば上記のようなシーリングロール及びベルト(任意にまた熱を提供する)が使用され得る。
【0028】
形成されたパウチは次いで切り出し装置により切り出すことができ、装置はパウチを続く部分からから切り出す。切り出しは任意の既知の方法により行うことができる。切り出しはまた、連続方式で、並びに好ましくは一定速度で及び好ましくは水平位置にある間に行われることが好ましい場合がある。切り出し装置は、例えば鋭利な物又は熱い物であることができ、それによって後者の場合には、それはフィルム/シーリング区域を「焼き」落とす。
【0029】
本発明のパウチの異なる区画は、別個に作製することができる。別の方法としては、それらは隣合わせ様式で一緒に作製することもできる。この実施形態においては、連続的なパウチは切り出されない。最も好ましくは、第2の及び所望により第3の区画は、第1の区画の上に重ね合わせられる。したがって、この後者と好ましい構成とに従い、パウチは以下の工程、
a)第1の区画を形成する工程(上記したように)と、
b)かかる第1の区画を第1の組成物で充填する工程と、
c)第1の区画を覆って第2のフィルムを配置して、閉じた第1の区画を形成する工程と、
d)工程(c)で形成された閉じた区画の一部又は全ての内部にくぼみを形成して、上記の第1の区画上に重ねて置かれる第2の成形区画を生成する工程と、
e)第2の区画を、第3のフィルムの手段により充填し、閉じる工程と、
f)かかる第1の、第2の及び第3のフィルムを封止する工程と、
g)フィルムを切り出して多区画パウチを製造する工程と、を含むプロセスに従って製造される。
【0030】
工程dで形成されるくぼみは、好ましくは、工程a)及びc)で準備された区画に真空を適用することによって達成される。
【0031】
別の方法としては、本明細書に参照として組み込まれる、我々の同時係属出願欧州特許第08101442.5号に記載されるように、第2の及び所望により第3の区画を別個の工程で作製し、次いで第1の区画と組み合わせることもできる。特に好ましいプロセスは、
a)第1の形成機械上の第1のフィルムを用いて、所望により熱及び/又は真空を使用して第1の区画を形成する工程と、
b)かかる第1の区画を第1の組成物で充填する工程と、
c)第2の形成機械上で第2のフィルムを変形させて、所望により熱及び真空を使用して第2の及び所望により第3の成形区画を製造する工程と、
d)第2の及び所望により第3の区画を充填する工程と、
e)第3のフィルムを用いて第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
f)封止した第2の及び所望により第3の区画を、第1の区画上に配置する工程と、
g)第1の、第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
h)フィルムを切り出して多区画パウチを製造する工程と、を含む。
【0032】
第1の及び第2の形成機械は、上記のプロセスを実施するための適合性に基づいて選択される。好ましくは第1の形成機械は水平的な形成機である。好ましくは第2の形成機械は回転ドラム式形成機械であり、好ましくは第1の形成機械上に配置される。
【0033】
適切な供給ステーションの使用により、様々な異なる若しくは独特の組成物、及び/又は異なる若しくは独特の液体、ゲル又はペースト組成物を組み込む、多区画パウチが製造可能であることは更に理解されるであろう。これは新規の、視覚的及び/又は他の感覚的効果を示す、1回用量形態を製造するのにあたり特に役立つものであり得る。
【0034】
洗剤組成物
本発明のパウチの区画内に含まれる組成物は、液体又は固体及びその間の何らかの、任意の形態であってよい。それゆえ組成物はルースパウダー、圧縮粉末、錠剤、液体、ゲル又はペーストである場合がある。より好ましくは第1の区画内の組成物、第1の組成物は、上記のいずれかの形態である。より好ましくは第2の区画内の組成物、第2の組成物は、液体、ペースト、ワックス状のもの又は半透明(translucent)ゲルである。より好ましくは第3の区画内の組成物、第3の組成物は、液体、ペースト、ワックス状のもの又は半透明(translucent)ゲルである。任意の液体、ペースト又はゲル組成物、特に第2の又は第3の組成物はまた、別個のパックされた粉末(例えば、マイクロビーズ、ヌードル又は1つ以上の真珠光沢化ボールの形態)を含有することができる。このような別個のパックされた粉末要素は、前処理、又は遅延型若しくは持続型放出効果などの技術的な利益ももたらし得る。あるいはパックされた粉末は、審美的な効果も提供し得る。
【0035】
第1の区画が錠剤を含む場合、この錠剤は第2の区画の収容部の部分的な若しくは全体的な大きさ及び形状(例えば正方形、円形又は楕円形)のくぼみを有し得る。第1の区画に粉末を含むパウチにおいて、粉末は層を形成してもよく、あるいは少なくとも部分的に第2の組成物を含むのに好適なくぼみを形成するために成形されてもよい。粉末を含有する組成物には、互いに視覚的に区別される多数の粉末層も含有することができ、粉末層は例えば異なった色で着色されてもよく、あるいは異なった色で着色された小さな粒子若しくはビーズを含有してもよい。好ましい多区画パウチは、単層若しくは多相の液体、ペースト又はワックス状のもの又は半透明(translucent)なゲル洗剤を含む。より好ましくは第1の、第2の及び所望により第3の区画は、単層若しくは多相の液体、ペースト又はワックス状のもの又は半透明(translucent)なゲルを含む。単層若しくは多相の液体、ペースト又はワックス状のもの又は半透明(translucent)なゲルを含むどちらの区画も、それぞれの組成物が色、粘度、透明性、真珠光沢、固体粒子若しくはビーズの存在、又はこれらの混合により、互いに視覚的に異なっていることは好ましい。更に、これらの区画のどちらかあるいはどちらもが、別個の圧縮粉末層(遅延型の又は制御型の放出を可能にする)を、例えば、マイクロビーズ、ヌードル又は1つ以上の真珠光沢化ボールの形態で含み得る。
【0036】
本発明の多区画パウチの特に好ましい実施形態は、第1の液体組成物を含む第1の区画、第2の液体組成物を含む第2の区画、及び第3の液体組成物を含む第3の区画を含む。好ましくは第1の区画が最も大きく、主要な洗浄洗剤組成物を含む。好ましくはかかる主要な洗浄洗剤は、界面活性剤と、他の成分と一緒になった溶媒とを含む。特定の実施形態においては、好ましくはかかる第1の組成物は漂白系を含む。第2の組成物は増白剤を含む。増白剤に加えて、好ましくは第2の区画は界面活性剤を含み、最も好ましくはアニオン性界面活性剤及び/又は溶媒を含む。存在する場合には、第3の組成物は好ましくは以下に記載のような他の適合性のない成分を含む。あるいは第3の組成物は界面活性剤並びに/又は水及び非基材、洗剤着色剤、染料を含む。
【0037】
第1の及び第2の液体組成物の重量比は、好ましくは1:1〜20:1、より好ましくは1:1〜10:1である。第2の組成物対第3の組成物の重量比は、1:5〜5:1、より好ましくは1:2〜2である。最も好ましくは、第2の組成物対第3の組成物の重量比は1:1である。
【0038】
本発明による多区画パウチ構成は、審美的な魅力という点で利益を提供する。しかしながら、このような構成の主要な利益は、他の適合性のない成分を別に分ける能力にある。本明細書に記載の増白剤が高性能であるが、着色剤は組成物の外観が非常に暗くなるような範囲で液体中に配合される。このことは消費者にとって魅力的でなく、また誤った判断ではあるが、洗浄される布に組成物がしみを生じさせるかもしれないと思わせる場合さえある。それゆえ、増白剤を上記のような主要洗剤組成物から別に分けることが本発明の目的である。本発明の好ましい態様において、第1の及び第2の組成物は、互いに視覚的に異なる。より好ましくは、第2の組成物が暗い色である場合、第1の組成物がより明るい色相であることが好ましい。したがって第1の組成物はより明るい色をもたらす着色剤を含むことができ、及び/又は半透明(translucent)であることができる。本発明の特に好ましい態様においては、第1の組成物に真珠光沢効果をもたらすだけでなく、第2の区画が第1の区画の上に重ねておかれたときに第2の組成物をより明るくする効果も有する、真珠光沢剤を第1の組成物は含む。
【0039】
好ましくは別に分けることができる他の成分としては、組成物の他の構成成分に対して感受性のある増白剤が挙げられる。例えばトリフェニルメタン増白剤がpH感受性があり、pHが9を超えると組成物中で不安定になり、チアゾリウム増白剤が香料の存在下では安定でない。したがって増白剤を含有する組成物のpHは、より高いpHと香料を含む主要洗剤成分とは異なるものであり得る。
【0040】
同様にしてカチオン性種は明らかにアニオン性組成物とは不適合性である。したがって、例えば組成物が高濃度のアニオン性界面活性剤を含む場合、改善された洗浄性をもたらすカチオン性界面活性剤は、又は付着助剤などのポリマーは、異なる区画に別に分けられる場合がある。漂白剤系又は漂白剤系の構成要素は、主要洗剤組成物から良好に別に分けることができる他の成分であり得る。漂白剤が不安定になり及び/又は分解するので、漂白剤系は液体環境中に配合するのが難しい。
【0041】
増白剤
増白剤が第2の区画に存在する。本発明の増白剤が、少なくとも5の色相効率と約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値を示す。そのような染料は、洗濯洗浄サイクル中好ましい着色効率を示し、洗濯後過度の望ましくない蓄積を示さないことがわかった。
【0042】
色相効率及び洗浄除去性の測定方法
染料の色相効率は染料を含有しない溶液中で洗浄された布地サンプルを染料を含有する溶液中で洗浄された布地サンプルと比較することにより測定され、色相染料が望ましい着色を付与するのに有効な場合、例えば白くなることを示す。具体的には、25cm×25cmの織物片が採用され、その例には、0.45kg(16オンス)白色綿両面編みメリヤス生地(270g/平方メートル、Uvitex BNB蛍光増白剤で漂白され、Test Fabrics(P.O.Box 26,Weston,PA,18643)から得られる)が含まれてよい。白色のコットン材料が使用されるのが好ましいが、他の布地サンプルが使用されてよい。サンプルは表1に示されるような1.55gのAATCC標準検査用洗剤を含有する1リットルの蒸留水中で30分間室温で洗浄され、すすがれる。代表的なサンプルが、染料(コントロール)を含有しない洗剤を使用して、及び1 AUの水溶液吸光度をもたらすのに必要とされる試験される染料を洗浄濃度で含有している洗剤を使用して、準備される。各布地サンプルをすすいで乾燥させた後、洗濯物の色相効率、DEeff、が以下の式により評価される。
【0043】
DEeff=((L−L+(a−a+(b−b1/2
(式中、添字c及びsは各々、コントロール、すなわち染料のない洗剤中で洗浄された布地サンプルについて、及び染料を含有する洗剤中で洗浄された布地サンプルについて測定されたL、a及びb値を参照し、審査される)。L、a及びb値の測定は、D65照度、10度観測器及び遮断UVフィルターを有する、Hunter Colorquest又はLabscan XE反射分光光度計を使用し行われる。本発明での使用に好適な色相染料は少なくとも5の色相効率(Eeff)を示す。洗浄除去値(DEres)は、布地への色相染料の蓄積に対する耐性の表示であり、したがって色付けには色相染料が有効であるが、繰返し洗浄した後に、布地の望ましくない青味づけは引き起こさないことを示している。洗浄除去値は、以下のように決定される。上記の色相効率試験で得られた15cm×5cmの大きさの織物サンプル片を、ランダロメーター(Launderometer)中で45分間49℃で表1に示された洗剤溶液150mLでAATCC試験法61−2003、試験2Aに従って洗浄する。洗剤濃度は1.55g/リットルの蒸留水のAATCC HDL処方である。すすぎをして暗所で風乾後、残留着色の量を、以下の式で与えられるDEresを測定することにより評価する。
【0044】
DEres=((L−L+(a−a+(b−b1/2
(式中、添字c及びsは各々、コントロール、すなわち最初に染料のない洗剤中で洗浄された布地サンプル、及び染料を含有する洗剤中で最初に洗浄された布地サンプルについて測定されたL、a及びb値を参照し、審査される。)次に、染料の洗浄除去値を以下の式にしたがって計算する。除去%=100×(1−DEres/DE*eff)。
【表1】

処方pHを8.5に調整
ジエチレントリアミン五酢酸、五ナトリウム塩
以下の組成は、本発明に従う増白剤の一般的な例である。色相効率及び洗浄除去性のデータが表2で入手できる。
【化2】

【表2】

【0045】
本洗剤組成物において使用するのに適した増白剤が、約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値を示す。より具体的な実施形態においては、増白剤が、約40%〜約85%、あるいは約45%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す。
【0046】
増白剤が、洗剤を含有する溶液中で洗浄される布地に対する着色効果をもたらすのに十分な量で、総洗濯用洗剤組成物中に含まれる。一実施形態では、多区画パウチは、組成物の約0.0001重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.0001重量%〜約0.5重量%、及び更により好ましくは組成物の約0.0001重量%〜0.3重量%を構成する。
【0047】
より好ましくは、本発明の増白剤が発色団成分とポリマー性成分を含む。発色団成分は、光に曝露すると、青、赤、スミレ色、紫又はこれらの組み合わせの範囲の波長を放出あるいは吸収することにより特徴付けられる。発色団成分は、好ましくは水中で約520ナノメートル〜約640ナノメートル、より好ましくは水中で約570ナノメートル〜約610ナノメートルの吸光スペクトル値を示す。発色団成分は、好ましくは、約400ナノメートル〜約480ナノメートルの発光スペクトル値を示す。
【0048】
好適なポリマー性成分の例は、複数の繰返し単位を有するポリオキシアルキレン鎖を包含する。ポリマー性成分は、好ましくは2個〜約20個の繰返し単位、より好ましくは2個〜約10個、更には約4個〜約6個の繰返し単位を有するポリオキシアルキレン鎖を包含する。ポリオキシアルキレン鎖の非限定例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシドールオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0049】
本発明に従う好ましい市販の増白剤の例は、トリアリールメタンブルー塩基性染料;トリアリールメタンバイオレット塩基性染料;メチンブルー塩基性染料;メタンバイオレット塩基性染料;アントラキノンブルー塩基性染料;アントラキノン;バイオレット塩基性染料、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、若しくは塩基性バイオレット48;オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、若しくはナイルブルーA;キサンテン染料塩基性バイオレット10;アルコキシル化アントラキノン高分子着色剤;アルコキシル化チオフェン;トリフェニルメタン;アントラキノン;又はこれらの混合物からなる群から選択される。
【0050】
好ましくは、増白剤がメチン系青色染料又はメチン系紫色染料である。好ましくは、増白剤がアルコキシル化アントラキノンポリマー性着色剤である。好ましくは、増白剤がアルコキシル化トリフェニルメタンポリマー性着色剤である。好ましくは、増白剤がアルコキシル化チオフェンポリマー性着色剤である。
【0051】
本発明の特に好ましい増白剤が下記の構造により特徴付けられ、
【化3】

式中、R及びR
a)[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5であリ、
b)R=アルキル、アリール又はアリールアルキル、かつR=[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5であリ、
c)R=[CHCH(OR)CHOR]、及びR=[CHCH(OR)CHOR
式中、RはH、(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
は(C〜C16)アルキル、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)R1及びR2がスチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びグリシジルヘキサデシルエーテルのアミノ付加生成物から独立して選択することができ、更に1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加するもの、から独立して選択することができる。
【0052】
本発明の更により好ましい増白剤が下記の構造に特徴づけられる:
【化4】

式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5である。
【0053】
本発明の液体組成物は以下に示す任意成分の列記から選択されるその他の成分を含んでよい。本明細書の以下において、特に指定のない限り、特定の洗濯補助剤の「有効量」は、好ましくは洗剤組成物の0.01重量%であり、より好ましくは0.1重量%、更により好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは40重量%まで、更により好ましくは5重量%までである。
【0054】
補助洗剤組成物成分
本発明の組成物は、下記のものなどの1つ以上の成分を含んでよい。
【0055】
界面活性剤又は洗浄界面活性剤
好ましくは、本発明の組成物は、約1重量%〜80重量%の界面活性剤を含み得る。好ましくは、このような組成物は、約5重量%〜50重量%の界面活性剤を含む。より好ましくは、第1の組成物は界面活性剤を含む。好ましくは、第2の組成物は界面活性剤を含まない。
【0056】
使用される洗浄性界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、双極性、両性、若しくは陽イオン性の種類のものにすることができ、又はこれらの種類の界面活性剤の相容性の混合物を含むことができる。より好ましくは、界面活性剤は陰イオン性、非イオン性、陽イオン性の界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは組成物はベタイン界面活性剤を実質的に含まない。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(Norris、1972年5月23日発行)、米国特許第3,919,678号(Laughlin et al、1975年12月30日発行)、米国特許第4,222,905号(Cockrell、1980年9月16日発行)、及び米国特許第4,239,659号(Murphy、1980年12月16日発行)に記載されている。陰イオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0057】
有用な陰イオン性界面活性剤は、それら自体が、幾つか異なる種類の界面活性剤になることができる。例えば、高級脂肪酸類の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これには、約8〜約24の炭素原子、及び好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸、が挙げられる。石鹸類は、脂肪類及び油類の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸類の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸類の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。
【0058】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外の更なる陰イオン性界面活性剤としては、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩類、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」にはアシル基のアルキル部分が含まれる)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるもののような高級アルコール(C〜C18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの、並びに、c)アルキル基が直鎖又は分枝鎖構造中に約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載の種類のものである。とりわけ価値があるのは、アルキル基の平均炭素原子数が約11〜13個のC11〜C13 LASと略される、直鎖アルキルベンゼンスルホネートである。
【0059】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのものであり、式中、Rは、C10〜C16アルキル基若しくはC〜C12アルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、C12〜C15アルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であり、例えば、C12〜C13アルコールをアルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したものである。
【0060】
布地ケア有益剤
組成物は布地ケア有益剤も含み得る。本明細書で用いる場合、「布地ケア有益剤」は、その材料が適切な量で衣服/布地の上にあるときに、布地ケアに効果を与えるあらゆる材料を指し、例えば、布地柔軟化、着色保護、毛玉/毛羽削減、磨耗防止、皺防止、などの効果を衣服及び布地、特に綿及び綿が多い衣服並びに布地に対して与える。布地ケア有益剤の非限定的な例として、陽イオン性界面活性剤類、シリコーン類、ポリオレフィンワックス類、ラテックス類、油性糖誘導体類、陽イオン性多糖類、ポリウレタン類、脂肪酸類、及びこれらの混合物が挙げられる。布地ケア有益剤は、組成物において存在する場合、好適には、組成物の約30重量%、より一般的には約1重量%〜約20重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%の濃度である。
【0061】
洗浄用酵素
本明細書で用いる好適な洗浄用酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素類は、その技術分野で教示される濃度、例えば、Novo及びGenencorのような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中の典型的な濃度は約0.0001%〜約5%である。酵素がある場合、それらは特定の実施形態では、非常に低濃度、例えば0.0001%又はそれ以下で使用でき、あるいは本発明に従った高濃度、例えば約0.1%及びそれ以上の濃度の、より強力型洗浄剤処方に使用できる。「非生物学的」洗剤を好む消費者もいるため、本発明は酵素含有の実施形態と、酵素フリーの実施形態の両方を包含する。
【0062】
付着助剤
本明細書で使用する場合、「付着補助剤」は、洗濯中に布地ケア有益剤の布地への付着を顕著に高める、あらゆるカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。
【0063】
好ましくは、付着補助剤は陽イオン性又は両性ポリマーである。本発明の両性ポリマー類は、やはり陽イオン性の正味電荷を有し、すなわち、これらのポリマー上にある陽イオン性電荷の合計が、陰イオン性電荷の合計を上回る。付着増強剤の非限定的例は、陽イオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びに陽イオン性合成ポリマーである。好ましいカチオン性多糖類としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。
【0064】
レオロジー変性剤
本発明の好適な実施形態では、組成物はレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤からなる群から選択され、組成物の水性液体マトリックスに減粘特性を付与する。結晶性、ヒドロキシ官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはその場でのマトリックス中の結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。具体的な、好適な結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としてはひまし油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加キャスター蝋などの硬化ヒマシ油誘導体である。購入可能なひまし油系の結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox(現Elementis)からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。高分子レオロジー変性剤は好ましくはポリアクリレート、高分子ゴム、その他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組み合わせから選択される。好ましい高分子ゴム材料としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
ビルダー
本発明の組成物は任意でビルダーを含んでもよい。
【0066】
好適なビルダーとしては、環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号及び同第4,102,903号に記載されるもののような脂環式化合物が挙げられる、ポリカルボキシレートが挙げられる。特に好ましいのはクエン酸塩ビルダー、例えばクエン酸及びその可溶性の塩(特にナトリウム塩)である。
【0067】
他の好ましいビルダーとしては、エチレンジアミンジコハク酸及びその塩(エチレンジアミンジコハク酸、EDDS)、エチレンジアミンテトラ酢酸及びその塩(エチレンジアミンテトラ酢酸、EDTA)、並びにジエチレントリアミンペンタ酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)、ゼオライトA、B又はMAPなどのアルミノケイ酸塩;脂肪酸又は塩、好ましくはそれらのナトリウム塩、好ましくはC12〜C18飽和及び/又は不飽和脂肪酸;並びにアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸塩(好ましくは炭酸ナトリウム)が挙げられる。
【0068】
漂白剤系
本明細書に好適な漂白剤には、塩素漂白剤及び酸素漂白剤が挙げられ、特に無機過水和物塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに制御された放出速度を提供するために任意にコーティングされた過炭酸ナトリウム(例えば、硫酸塩/炭酸塩コーティングについてはGB−A−1466799を参照のこと)、予備形成有機ペルオキシ酸及び有機ペルオキシ酸漂白剤前駆体とのこれらの混合物、並びに/又は遷移金属含有漂白触媒(特にマンガン又はコバルト)が挙げられる。無機過水和物塩は、典型的には、組成物の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約2重量%〜約30重量%、及びより好ましくは約5重量%〜約25重量%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書に使用するために好ましいペルオキシ酸漂白剤前駆体には、過安息香酸及び置換型過安息香酸の前駆体;陽イオン性ペルオキシ酸前駆体;過酢酸前駆体、例えばTAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びペンタアセチルグルコース;過ノナン酸(pernonanoic acid)前駆体、例えば、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS);アミド置換型アルキルペルオキシ酸前駆体(EP−A−0170386);並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(EP−A−0332294及びEP−A−0482807)が挙げられる。漂白剤前駆体は、典型的には、組成物の約0.5重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で組み込まれ、一方予備形成有機ペルオキシ酸自体は、典型的には、組成物の0.5重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書に用いるのに好ましい漂白触媒には、トリアザシクロノナンマンガン及び関連錯体(米国特許第4246612号、第5227084号);ビスピリジルアミンコバルト、ビスピリジルアミン銅、ビスピリジルアミンマンガン、及びビスピリジルアミン鉄、及び関連錯体(米国特許第5114611号);並びにペンタミンアセテートコバルト(III)及び関連錯体(米国特許第4810410号)が挙げられる。
【0069】
香料
香料が好ましくは、本発明の洗剤組成物に組み込まれる。香料は、プレミックス液体として調製することができ、シクロデキストリンのようなキャリア材料と連結させてもよく、あるいはカプセル封入してもよい。
【0070】
溶媒系
本発明の組成物における溶媒系は水だけを含有する溶媒系であるか、又は有機溶媒と水の混合物を含有する溶媒系であることができる。好適な有機溶媒には1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレンジグリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール類、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンのようなC〜Cアルカノールアミン類も使用することができる。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態の実施例のように、無くてもよいが、より典型的には約0.1%〜98%の範囲にある濃度で存在でき、好ましくは少なくとも約1%〜約50%、より通常的には約5%〜約25%で存在する。
【0071】
真珠光沢剤
本発明の組成物は、真珠光沢剤も含んでよい。かかる真珠光沢剤は有機又は無機であり得るが、好ましくは無機である。最も好ましくは、真珠光沢剤は、雲母、TiO2被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、又はこれらの混合物から選択される。
【0072】
その他の補助剤
他の好適な洗浄補助剤の例としては、限定するものではないが、アルコキシル化安息香酸又はその塩(例えばトリメトキシ安息香酸又はその塩(TMBA)など);酵素安定化系;アニオン性染料のための色固定剤、アニオン性界面活性剤のための錯化剤、及びこれらの混合物が挙げられるスカベンジング剤;光学的光沢剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;抑泡剤;染料;着色剤;例えばトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸などの向水性物質;色スペックル;着色ビーズ、スフェア又は押出品;粘土柔軟化剤及びこれらの混合物、が挙げられる。
【0073】
組成物の調製
本明細書の組成物は一般的に配合成分を共に混合することにより調製できる。真珠光沢材料を使用する場合、混合の後の方の段階で添加するべきである。レオロジー変性剤を使用する場合、プレミックスを最初に形成することが好ましく、レオロジー変性剤は、組成物を構成するために最終的に用いられる、水及び所望により他の配合成分の一部に分散される。プレミックスは、構造化された液体を形成するこのような方法で形成される。次に、この構造化したプレミックスを、プレミックスを攪拌しながら添加することができ、水及びあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤及び必須の洗剤補助剤材料を使用できる。
【0074】
二次パッケージング
好ましくは、本発明の多区画パウチは更に、外側パッケージ中にパッケージングされる。かかる外側パッケージは、例えば透明又は半透明(translucent)の袋、タブ、カートン又はボトルなどの容器を透過して、あるいは部分的に透過して見ることができる。このパックは、輸送の間にパウチを保護するのに十分な強度を有する材料であるならば、プラスチック又は任意の他の好適な材料から作製できる。この種類のパックは更に、ユーザーがパックを開けて、どの程度の数のパウチが残っているのか確認する必要がなくなることから、非常に有用である。あるいは、パックは透視できない外側パッケージ、恐らくパックの視覚的に典型的な内容物を表すしるし又は図柄を備える外側パッケージを有することもできる。
【0075】
洗浄プロセス
本発明のパウチは、洗濯洗浄用途に好適である。パウチは、手洗い条件又は機械洗い条件に好適である。機械洗いの場合、パウチは分与装置から送達することができ、あるいは洗濯機ドラムの中に直接投入することもできる。
【実施例】
【0076】
本実施例は、本発明の実施形態を記載することを意図される。本明細書で使用するとき「複数回サイクル増白度試験」は、複数種類の布地に対する、洗剤組成物の増白性能の測定法である。増白剤を含有している組成物は、1〜4サイクルにわたる多様な布地試験後にも有意な利益をもたらすと考えることができる。試験プロトコルは信頼性があり、再現性のあるものであり、一般的に、洗剤製造業者による産業及び消費者協会などで使用される。この試験は、消費者による実際の洗浄条件を再現することを目的としている。
【0077】
複数回サイクルの増白度試験法
このプロトコルは、視覚的な増白等級づけを介して2つの洗剤の独立した及び比較的な増白評価を提供する。試験条件は以下の通りである。
【0078】
Miele Softronic W467洗濯機を、「耐しわ(Crease Resistant)洗浄サイクル(全体で1時間の洗浄サイクル)を用いて40℃で使用する。洗浄サイクルあたりの水の量の同一性を確実にするために、「ファジィ論理」機能はMiele engineerにより無効化させる。水質硬度は、水道水に、必要量のCa2+/Mg2+を3/1比で追加することにより、ガロン当たり21グレイン(4mmol Ca)に調整する。
【0079】
以下の布地増白度トレーサーを増白度試験で使用した。テリー織りタオル、ニット織りコットン、平織りのコットン、ポリエステル綿混紡及びポリエステル(本実施例の結果のように)。全てのサンプルの寸法は16cm×16cmである。それぞれの洗濯機中には、単回サイクルの増白度試験のためのテリー織りタオル及びTシャツの3つの複製と、複数回サイクルの増白度試験のためのテリー織りタオル、Tシャツ及びポリエステルの12つの複製がある(複数回サイクルは4回の連続したサイクルである)。
【0080】
次に25gの人工的な汚れ(AS1)を全ての洗濯機サイクルに加え、清潔な100%白色コットン(テリー織りタオル、ニットのコットンTシャツ及び平織りのコットンシートの混合)でなされるバラスト負荷を乗せる。各洗濯機負荷は、総乾燥重量が2.5Kgに調節されるように、上記の18の増白度トレーサー(6回の単回サイクル、及び12回の複数回サイクル)とバラスト負荷とを含むことになる。複数回サイクル時の増白度を評価するために、洗濯機は連続して4回使用する。
【0081】
試験を開始する前に、任意の製造所沈着物、保護フィルム又は柔軟仕上げ剤などを除去するために、Miele Softronic W467洗濯機中で、以下のような白色のための通常サイクル:漂白剤含量が低く、酵素含量が低い50gの軽質洗剤での30C洗浄(通常はデリケートな衣類を洗浄するために使用される)、を用いて、バラスト負荷を前処理する。本明細書における試験で、我々はドレフトレギュラーパウダー(Dreft regular powder)(ベルギーで販売されるもの)を使用し、50gのドレフトレギュラーパウダー(又は他の上記の物のような軽質洗剤洗剤)を用いて90℃で3回洗浄し、洗剤抜きで90℃で3回洗浄した。次いでバラスト洗濯物をMiele T490中で更なる乾燥サイクルを用いて乾燥する。
【0082】
第1のサイクルの開始前、負荷と増白度トレーサーとを水質硬度0.36g/L(21gpg)で濡らすために、乾燥バラスト負荷を濯ぎサイクルを介して実施した。このバラスト負荷物を、途中で乾燥させずに次のサイクルに再使用して濡らす。
【0083】
洗濯機に負荷するために、投入する全ての複数回サイクルの束(bundles)と単回サイクルトレーサーとを負荷物と混合した。25g AS1を、負荷物の上の投入ボウル中に配置する。各製品の1リキタブ(One Liquitab)(推奨投与量)をバラスト下のドラムに投入する。
【0084】
布地のトレーサー束は、独立布地供給元Warwick EQUEST Limitedに発注する:−Unit 55、Consett Business Park、Consett、County Durham、DH8 6BN UK
電話番号:+44(0)1207 584 040 Fax:+44(0)1207 584 041
人工的な汚れAS1は:wfk Cleaning Technology Research Institute、Campus Fichtenhain 11、D−47807 Krefeld、Germanyから発注する。
【0085】
独立布地供給元Warwick EQUEST Limited:Unit 55、Consett Business Park、Consett、County Durham、DH8 6BN UK
電話番号:+44(0)1207 584 040 Fax:+44(0)1207 584 041
全ての布地は、最後の洗浄サイクルが終了してから48時間以内に視覚的に等級づけする。等級づけは、2人の異なる認定判定員により同時になされるべきである。等級づけは、0〜4の等級づけスケールを用いての、同種かつ同一サイクルの2つの布地間の一対比較である:
【表3】

【0086】
等級づけ手順
トレーサーを陳列し、対の等級づけを開始した。すなわち洗浄したストリップを同じ機械でかつ同じ複製で、2つの製品について比較することが保証される。
【0087】
各判定員が増白度についてのそれら製品の性能を判定する。結果は表にまとめ、統計的に評価する。95%信頼水準での優位差は、2つの記載された%数値の間に「s」として記載してある。
【表4】

米国特許第7169744号に記載のもののような硫酸モノ−[2−(3,4−ジヒドロ−イソキノリン−2−イル)−1−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−エチル]エステル
PAP=フタロイル−アミノ−ペルオキシカプロン酸、70%活性湿潤ケーキとして。
エトキシ化チオフェン、EO(R+R)=5
RA=アルカリ保存性(g NaOH/投与量)
A=汚したサンプルを、処方Aで洗浄した後の白色度、B=汚したサンプルを、処方Bで洗浄した後の白色度
【表5】

【0088】
処方Aは45.0gの洗剤Aを1区画パウチに含む。処方Bは41.0gの洗剤Bを3区画パウチに含む。詳細には表1に要点を説明する。洗剤処方Bは界面活性剤及びビルダーが低含量である処方Aの圧縮版であり、本発明で記載される色相剤を上に積む。1サイクル後に明白により白いものを、及び4サイクル後にさえもより白いものをもたらすという上記のデータに見ることができるように、組成物Bは処方Aよりも良好に機能する。
【0089】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルムを含み、かつ少なくとも第1の及び第2の区画を有する洗濯用途で使用するのに好適な多区画パウチであって、各区画が組成物を含み、前記第2の区画が少なくとも5の色相効率と約30%〜約95%の範囲の洗浄除去値とを示す増白剤を含むことを特徴とする、多区画パウチ。
【請求項2】
前記増白剤が、少なくとも15の色相効率、及び約40%〜約85%の範囲の洗浄除去値を示す、請求項1に記載の多区画パウチ。
【請求項3】
(a)約5重量%〜約90重量%の界面活性剤と、(b)約0.0001重量%〜約1重量%の前記増白剤と、を含む、請求項1又は2に記載の多区画パウチ。
【請求項4】
前記増白剤が、トリアリールメタンブルー塩基性染料;トリアリールメタンバイオレット塩基性染料;メチンブルー塩基性染料;メタンバイオレット塩基性染料;アントラキノンブルー塩基性染料;アントラキノンバイオレット塩基性染料;アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、若しくは塩基性バイオレット48;オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、若しくはナイルブルーA;キサンテン染料塩基性バイオレット10;アルコキシル化アントラキノンポリマー性着色剤;アルコキシル化チオフェン;トリフェニルメタン;アントラキノン;又はこれらの混合物である、請求項1〜3に記載の多区画パウチ。
【請求項5】
前記増白剤が、
(a)チオフェン着色剤を含む、少なくとも1つの発色団成分と、
(b)少なくとも1つのポリマー成分と、を含み、
前記増白剤が、下記の構造により特徴づけられ、
【化1】

式中、R及びRが、
a)[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’が、H、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
b)R=アルキル、アリール又はアリールアルキル、かつR=[(CHCR’HO)(CHCR”HO)H]
式中、R’はH、CH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CHO(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
c)R=[CHCH(OR)CHOR]、及びR=[CHCH(OR)CHOR
式中、RはH、(CHCHO)H、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつz=0〜10であり、
式中、Rは(C〜C16)アルキル、アリール基及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)R1及びR2はスチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びグリシジルヘキサデシルエーテルのアミノ付加生成物から独立して選択することができ、更に1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加するもの、から独立して選択することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多区画パウチ。
【請求項6】
前記第1の区画に含まれる前記組成物が、界面活性剤を含む洗濯洗剤組成物である、請求項1〜5に記載の多区画パウチ。
【請求項7】
前記第1の区画に含まれる前記組成物が、界面活性剤、ビルダー、溶媒、キレート剤、ポリマー、真珠光沢剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される成分を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多区画パウチ。
【請求項8】
前記第2の構成要素が前記第1の区画上に重ねて置かれる、多区画パウチ。
【請求項9】
前記第2の区画が前記第1の区画よりも小さい、多区画パウチ。
【請求項10】
前記第1の組成物が透明又は半透明であるか、あるいは前記第2の組成物よりもより明るい色相又は色調である、多区画パウチ。

【公表番号】特表2011−523975(P2011−523975A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513585(P2011−513585)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/046265
【国際公開番号】WO2009/152031
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】