説明

多孔性基材に対する接着性が高められた組成物

【課題】本発明は、本発明は、多孔性基材、より特に、多孔性鉱物質基材の、接着結合、シーリング、およびコーティングに好適なシラン官能性ポリマーに関する。
【解決手段】本発明の組成物は、シラン官能性ポリマーをベースとする組成物であって、a) 少なくとも1種のシラン官能性ポリマーP、b) 少なくとも1個の硫黄原子を含む少なくとも1種のオルガノシラン、およびc) 少なくとも1種のオルガノチタネートを含む。この組成物は、水中に貯蔵した後でさえ、組成物の基材への効果的な接着性が確保される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラン官能性ポリマーをベースとする弾性接着剤、シーリング材、およびコーティング剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
湿気硬化性組成物は、弾性接着剤、シーリング材、およびコーティング剤として長い間利用されてきた。
【0003】
多孔性基材、より特に多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)(これらの基材については、弾性接着剤、シーリング材、およびコーティング剤で満足できる接着を達成することが困難であることが知られている)の接着、シーリング、およびコーティングは、イソシアネートをベースとする湿気硬化性組成物を用いて広く行われている。しかし、このような組成物は、環境的観点および毒性学的観点から、あらゆる用途に適しているわけではない。
【0004】
このため、および、特にコンクリートを接着するために、シラン官能性ポリマーをベースとする湿気硬化性組成物も採用されているが、このような組成物の水中で貯蔵した後の接着性には特に問題がある。この原因の一つは、多孔性材料の毛管現象に起因して、基材表面と接着剤もしくはシーリング材との間に水が入り込み、これによって接着が弱められる場合があることである。
【0005】
多孔性基材、より特に多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)上では、シラン官能性ポリマーをベースとする弾性接着剤、シーリング材、およびコーティング剤の満足できる接着は、プライマーと呼ばれる接着促進組成物との組合せでのみ確保される。例えば、この種の湿気硬化性組成物の好適な例が、特開平04-076084号に記載されている。
【0006】
さまざまな理由で、接着結合、シーリング、およびコーティングを行う際のアンダーコートの形態の接着促進組成物は、回避することが必要とされるか、あるいは回避することが非常に有利である。例えば、プライマーなしの接着結合は、接着促進組成物の適用および換気をすることなく実施することができるため、コスト的利点のみならず時間的利点をももたらす。さらに、プライマーなしの接着結合は、プライマーがVOC(揮発性有機化合物)と呼ばれる揮発性有機溶媒を大量に含有することが非常に多いため、環境的利点も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平04-076084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、したがって、シラン官能性ポリマーをベースとする組成物であって、多孔性基材、より特に多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)のプライマーなしの結合、シーリング、およびコーティングに好適な組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、請求項1に記載の組成物によってこの目的が達成されることが明らかになった。
【0010】
本発明の組成物は、接着促進組成物を使用することなく、多孔性基材、より特に多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)への耐久性に富む、効果的な接着をもたらすことを特徴とする。驚くべきことに、かつ、当業者にとって自明ではない態様で、本発明の組成物は、水中で長期間貯蔵した後での良好な接着特性をも特徴とする。
【0011】
さらに、従来の系と比較して、本発明の組成物は、硬化した状態において、大幅に向上した温度安定性を示す。
【0012】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の主題となっている。本発明の特に好ましい実施態様は、従属請求項の主題となっている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、
a) 少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPと、
b) 少なくとも1個の硫黄原子を含む少なくとも1種のオルガノシランと、
c) 少なくとも1種のオルガノチタネートと
を含む組成物を提供する。
【0014】
「ポリ」で始まる物質の名称、例えば、ポリオールまたはポリイソシアネートは、本明細書において、1分子内に形式的にその名称に現れる官能基を2つ以上有する物質を指す。
【0015】
本明細書において用語「ポリマー」は、第一に、重合反応(重合反応、重付加反応、重縮合反応)によって調製される、重合の程度、分子量、および鎖の長さの点で異なるが、化学的に均一な高分子の集合体を包含する。第二に、この用語「ポリマー」は、このような重合反応からの高分子の集合体の誘導体、すなわち、高分子上に存在する官能基の反応(例えば、付加反応、置換反応等)によって得られる化合物群であって、化学的に均一であっても化学的に不均一であってもよい化合物群も包含する。この用語「ポリマー」はさらに、プレポリマーとして知られているもの、すなわち、その官能基が高分子の構築に関与する反応性のオリゴマー性プレ付加体(preadduct)をも包含する。
【0016】
用語「ポリウレタンポリマー」は、ジイソシアネート重付加法として知られる方法によって調製されるあらゆるポリマーを包含する。この語はさらに、実質的にまたは完全にウレタン基を含まないポリマーをも包含する。ポリウレタンポリマーの例は、ポリエーテル-ポリウレタン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレア、ポリウレア、ポリエステル-ポリウレア、ポリイソシアヌレート、およびポリカルボジイミドである。
【0017】
本明細書において、用語「シラン」および「オルガノシラン」は、一方では、少なくとも1個、典型的には2個または3個の、ケイ素原子に直接(Si-O結合を介して)結合したアシルオキシ基またはアルコキシ基を有する化合物、ならびに、他方では、少なくとも1個の、ケイ素原子に直接(Si-C結合を介して)結合した有機基を有する化合物を意味する。この種のシランは、当業者に、それぞれ、オルガノアルコキシシランおよびオルガノアシルオキシシランとしても知られている。この結果、この定義によれば、「テトラアルコキシシラン」は、オルガノシランではない。
【0018】
したがって、用語「シラン基」は、シランの有機基にSi-C結合を介して結合したケイ素含有基を意味する。このシラン、またはこれらのシラン基は、湿気と接触すると加水分解する性質を有する。この加水分解は、オルガノシラノール〔すなわち、1個以上のシラノール基(Si-OH基)を有する有機ケイ素化合物〕の形成を伴い、かつ、その後の縮合反応の結果として、オルガノシロキサン〔すなわち、1個以上のシロキサン基(Si-O-Si基)を有する有機ケイ素化合物〕の形成を伴う。
【0019】
用語「シラン官能性」は、シラン基を有する化合物を意味する。したがって、「シラン官能性ポリマー」は、少なくとも1個のシラン基を有するポリマーを意味する。
【0020】
「アミノシラン」または「メルカプトシラン」と呼ばれるオルガノシランは、その有機基が、アミノ基またはメルカプト基をそれぞれ有するオルガノシランである。「一級アミノシラン」は、一級アミノ基(言い換えると、1つの有機基に結合したNH2基)を有するアミノシランを意味する。「二級アミノシラン」は、二級アミノ基(言い換えると、2つの有機基に結合したNH基)を有するアミノシランを意味する。
【0021】
本明細書において、用語「オルガノチタネート」は、酸素原子を介してチタニウム原子に結合した少なくとも1個の配位子を有する化合物を意味する。
【0022】
用語「多座配位子」すなわちキレート配位子は、本明細書において、少なくとも2個の自由電子対を有し、中心原子上の配位部位を少なくとも2個占めることができる配位子であると理解される。したがって、二座配位子は、中心原子上の配位部位を2個占める能力を有する。
【0023】
用語「プライマー」は、当業者に非常によく知られており、本明細書において、薄層、典型的には1 mmより薄い、より特に1〜200μm、好ましくは1〜100μmの、接着促進組成物の薄層であって、接着アンダーコートとして基材の表面に適用され、適切な場合には通気後に、接着組成物と接触して、組成物の基材への接着の向上をもたらす組成物である。用語「プライマーなしの」は、したがって、プライマーを用いる前処理なしの基材の結合、シーリング、またはコーティングのために用いる。
【0024】
「分子量」は、本明細書において、常に平均分子量Mn(数平均)を意味する。
【0025】
本発明の組成物は、特に、式(I):
【化1】

の末端基を有する少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPを含む。
この式中、R1基は、炭素原子1個〜8個を有するアルキル基、より特にメチル基またはエチル基を表表す。
R2基は、炭素原子1個〜5個を有するアシル基またはアルキル基、より特にメチル基、エチル基、またはイソプロピル基を表す。
R3基は、直鎖状または分枝状の、場合により環状の、炭素原子を1個〜12個有するアルキレン基(場合により芳香族部分を有していてよく、場合により1個以上のヘテロ原子、より特に、窒素原子を有していてよいもの)を表す。
aは、0、1、または2の値を表し、より特に0の値を表す。
【0026】
式(I)の1つのシラン基の中で、R1およびR2は、それぞれ互いに独立に、記述した基を表す。したがって、例えば、可能な式(I)の化合物には、式(I)がエトキシジメトキシアルキルシラン(R2=メチル、R2=メチル、R2=エチル)を表す化合物が含まれる。
【0027】
第一の実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、イソシアネート基に対して反応性を有する少なくとも1個の基を有するシランと、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとの反応によって得ることができる、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1である。この反応は、イソシアネート基に対して反応性を有する基とイソシアネート基と1:1の化学量論的な比率で、またはイソシアネート基に対して反応性を有する基がわずかに過剰な比率で行い、得られるシラン官能性ポリウレタンポリマーP1がイソシアネート基を全く含まないようすることが好ましい。
【0028】
イソシアネート基に対して反応性を有する少なくとも1個の基を有するシランは、例えば、メルカプトシランまたはアミノシラン、より特にアミノシランである。
【0029】
アミノシランは、式(Ia) のアミノシランASであることが好ましい:
【化2】

式中、R1、R2およびR3は、上で既に定義したとおりであり、R11は、水素原子、炭素原子1個〜20個を有する炭化水素基(場合により、環状部分を有していてよいもの)、または式(IV)の基である:
【0030】
【化3】

【0031】
式中、R12基およびR13基は、互いに独立に、水素原子、または、-R15、-CN、および-COOR15からなる群から選択される基である。
R14基は、水素原子、または、-CH2-COOR15、-COOR15、-CONHR15、-CON(R15)2、-CN、-NO2、-PO(OR15)2、-SO2R15および-SO2OR15からなる群から選択される基である。
R15基は、炭素原子1個〜20個を有する炭化水素基(場合により、少なくとも1個のヘテロ原子を有していてよいもの)を表す。
【0032】
適切なアミノシランASの例は、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシラン;N-ブチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどの第二級アミノシラン;3-アミノプロピルトリメトキシシランまたは3-アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシランと、アクリロニトリル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、アクリルアミドまたはメタクリルアミド、マレイン酸ジエステルおよびフマル酸ジエステル、クエン酸ジエステル、ならびにイタコン酸ジエステルなどのマイケル受容体との、マイケル様付加反応の生成物〔例えば、ジメチルおよびジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネート〕;および、前記アミノシランのケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有する類似体である。特に適切なアミノシランASは、第二級アミノシラン、より特に、式(Ia)中のR11がH以外のものであるアミノシランASである。マイケル様付加物、より特に、ジエチルN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシネートが好ましい。
【0033】
本明細書において「マイケル受容体」という用語は、それらが有する、電子受容体基によって活性化されている二重結合に基づいて、第一級アミノ基(NH2基)と共に、マイケル付加と類似の様式の求核付加反応(ヘテロマイケル付加反応)に参加し得る化合物を意味する。
【0034】
シラン官能性ポリウレタンポリマーP1を調製するためのイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーとして好適な例は、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネート(より特に、ジイソシアネート)との反応によって得ることができるポリマーである。この反応は、ポリオールとポリイソシアネートとを、典型的な製造方法、例えば50℃〜100℃の温度で、適切な場合には適切な触媒を併用し、ポリイソシアネートの量をポリオールのヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰になるように選択する方法で反応させることによって達成することができる。
【0035】
より詳細には、ポリイソシアネートの過剰度は、ポリオールのヒドロキシル基全てが反応した後に得られるポリウレタンポリマーが、ポリマー全体を基準にして0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜2.5重量%、さらに好ましくは0.2重量%〜1重量%の遊離のイソシアネート基含有量を有するように選択する。
【0036】
適切な場合には、ポリウレタンポリマーを、可塑剤を併用して調製することができ、巣使用するこの可塑剤は、イソシアネート反応性基を全く含まない。
【0037】
好ましいポリウレタンポリマーは、上述した遊離のイソシアネート基含有量を有し、ジイソシアネートと高分子量ジオールとの1.5:1〜2:1 のNCO:OH比での反応で得られるポリウレタンポリマーである。
【0038】
ポリウレタンポリマーを調製するための好適なポリオールは、特に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカーボネートポリオール、ならびにこれらのポリオールの混合物である。
【0039】
好適なポリエーテルポリオール(ポリオキシアルキレンポリオールまたはオリゴエーテロールとも呼ばれる)は、とりわけ、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-もしくは2,3-ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフランまたはこれらの混合物の重合生成物であり、場合により、2つ以上の活性水素原子を有する開始剤分子(例えば、水、アンモニアまたは2つ以上のOHもしくはNH基を有する化合物、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールの全異性体、ブタンジオールの全異性体、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセリン、アニリン、ならびに前述の化合物の混合物など)の助けを借りて重合される。使用することができるポリオキシアルキレンポリオールには、例えばいわゆる二重金属シアニド錯体触媒(DMC触媒)の助けを借りて調製される、低不飽和度〔ASTM D-2849-69に従って測定され、ポリオール1グラム当たりの不飽和のミリ当量(meq/g)で報告される〕を有するポリオキシアルキレンポリオールと、例えば、NaOH、KOH、CsOH、またはアルカリ金属アルコキシドなどのアニオン性触媒の助けを借りて調製される、高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオールとの両方が含まれる。
【0040】
ポリオキシエチレンポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオールが特に好適であり、とりわけ、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、およびポリオキシプロピレントリオールが好適である。
【0041】
とりわけ好適なものは、0.02 meq/g未満の不飽和度を有し、且つ1000〜30000 g/モルの範囲の分子量を有するポリオキシアルキレントリオール、ならびに、400〜20000 g/モルの分子量を有するポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオールおよび、ポリオキシプロピレントリオールである。
【0042】
エチレンオキシドで末端キャップされた(「EO末端キャップされた」)ポリオキシプロピレンポリオールは、同様に特に好適である。後者は、特定のポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリオールであって、これは例えば、ポリプロポキシル化反応終了後に、純粋なポリオキシプロピレンポリオール(より特に、ポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール)を、エチレンオキシドを用いてさらにアルコキシル化する方法によって得られ、したがって、結果として一級ヒドロキシ基を有している。この場合、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンジオールおよびポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレントリオールが好ましい。
【0043】
さらに、ヒドロキシで末端化されたポリブタジエンポリオール、例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールとの重合によって、あるいはポリブタジエンの酸化によって製造されるポリオール、およびこれらの水素化生成物が好ましい。
【0044】
スチレン-アクリロニトリルでグラフト化されたポリエーテルポリオール、例えば、Lupranol(登録商標)の商標名でElastogron GmbH社(独国)から商業的に入手可能な種類のものも好ましい。
【0045】
とりわけ好適なポリエステルポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、公知の方法、より詳細には、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、または、脂肪族および/または芳香族ポリカルボン酸と、2以上のヒドロキシ価を有するアルコールとの重縮合によって製造されるポリエステルである。
【0046】
とりわけ好適なポリエステルポリオールは、二価〜三価アルコール〔例えば、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン、または前記アルコール類の混合物〕から、有機ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル〔例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、脂肪酸二量体、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、および無水トリメリット酸、または前記酸の混合物〕を用いて製造されるポリエステルポリオール類、並びに、ラクトン類(例えば、ε-カプロラクトンなど)から得られるポリエステルポリオールである。
【0047】
ポリエステルジオールは特に好適であり、とりわけ、ジカルボン酸としてのアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、脂肪酸二量体、フタル酸、イソフタル酸、およびテレフタル酸、またはラクトン(例えば、ε-カプロラクトン)と、二価アルコールとしてのエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、脂肪酸二量体ジオール、および1,4-シクロヘキサンジメタノールとから製造されるポリエステルジオールが好ましい。
【0048】
ポリカーボネートポリオールとして特に好適なものは、例えば、ポリエステルポリオールの合成に用いる上述したアルコール類を、ジアルキルカーボネート(例えば、ジメチルカーボネートなど)およびジアリールカーボネート(例えば、ジフェニルカーボネートなど)またはホスゲンと反応させることによって得られる種類のものである。ポリカーボネートジオールが特に好ましく、とりわけアモルファスポリカーボネートジオールが好ましい。
【0049】
さらなる好適なポリオールは、ポリ(メタ)アクリレートポリオールである。
【0050】
さらに、ポリ炭化水素ポリオール(オリゴヒドロカルボノールとも呼ばれる)も同様に好ましい。例えば、ポリヒドロキシ官能性のエチレン-プロピレン、エチレン-ブチレン、もしくはエチレン-プロピレン-ジエンコポリマー(例えば、Kraton Polymers社(米国)によって製造されている種類のものなど)、または、ジエン(例えば、1,3-ブタジエンまたはジエン混合物など)とビニルモノマー(例えば、スチレン、アクリロニトリル、もしくはイソブチレンなど)とのポリヒドロキシ官能性コポリマー、または、ポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオール(例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールとを共重合させることによって調製される種類のものであって、水素化されていてもよいものなど)である。
【0051】
加えて好ましいものは、ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーであり、例えば、エポキシドまたはアミノアルコールと、カルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー〔Emerald Performance Materials, LLC(米国)からHypro(登録商標)CTBN(以前はHycar(登録商標)CTBN)の名称で商業的に入手可能〕とから調製することができる種類のものである。
【0052】
上述したポリオールは、好ましくは、250〜30000 g/モル、より特に1000〜30000 g/モルの平均分子量、および1.6〜3の範囲内の平均OH官能性を有する。
【0053】
特に好適なポリオールは、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオール、とりわけ、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、およびポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンポリオール、好ましくは、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンジオール、およびポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレントリオールである。
【0054】
上述したポリオールに加えて、これらと共に、少量の、低分子量の二価または多価アルコール〔例えば、1,2-エタンジオール、1,2-および1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールの全異性体、ブタンジオールの全異性体、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-および1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、脂肪アルコール二量体、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、キシリトール、ソルビトールまたはマンニトールなど)、蔗糖などの糖類、他の多価アルコール、前述の二価または多価アルコールの低分子量アルコキシル化反応生成物、および前述のアルコールの混合物〕を、末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを調製する際に用いることができる。
【0055】
ポリウレタンポリマーを調製するためのポリイソシアネートとしては、商業的に入手可能な、脂肪族、環式脂肪族、または芳香族ポリイソシアネート、とりわけジイソシアネートを用いることができる。
【0056】
例えば、ポリイソシアネートは、そのイソシアネート基が、各場合において、脂肪族、環式脂肪族、またはアリール脂肪族の炭素原子に結合した、「脂肪族ジイソシアネート」とも呼ばれるジイソシアネート、例えば、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン-1,5-ジイソシアネート、2,2,4-および2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートおよびリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(すなわち、イソホロンジイソシネートすなわちIPDI)、ペルヒドロ-2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびペルヒドロ-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-およびp-キシレンジイソシアネート(m-およびp-XDI)、m-およびp-テトラメチル-1,3-キシレンジイソシアネートおよびm-およびp-テトラメチル-1,4-キシレンジイソシアネート、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレンなど;および、各場合において、芳香族炭素原子に結合したイソシアネート基を有する「芳香族ジイソシアネート」とも呼ばれるジイソシアネート、例えば、2,4-および2,6-トリレンジイソシアネート (TDI)、4,4'-、2,4'-、および2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート (MDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトビフェニル(TODI)など;前述のイソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述のイソシアネートの任意の所望の混合物である。
【0057】
好適なシラン官能性ポリマーP1は、例えば、商標名Polymer ST50の下でHanse Chemie AG社(独国)から、および、商標名Desmoseal(登録商標)の下でBayer Material Science AG社(独国)から商業的に入手可能である。
【0058】
第二の実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、イソシアナトシランISと、イソシアネート基に対して反応性を有する官能性末端基、とりわけヒドロキシル基、メルカプト基、および/またはアミノ基を有するポリマーとの反応によって得ることができるシラン官能性ポリウレタンポリマーP2である。この反応は、イソシアネート基と、イソシアネート基に対して反応性を有する官能性末端基との1:1の化学量論比において、あるいはイソシアネート基に対して反応性を有する官能性末端基がわずかに過剰な量で、例えば20℃〜100℃の温度で、適切な場合には触媒を併用して行う。
【0059】
イソシアナトシランISとして好適な化合物は、式(Ib)の化合物である。
【0060】
【化4】

式中、R1、R2、R3、およびaは、既に上で定義した通りである。
【0061】
好適な式(Ib)のイソシアナトシランISの例は、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルジメトキシメチルシラン、およびケイ素上のメトキシ基の代わりにエトキシ基またはイソプロポキシ基を有するこれらの類似体である。
【0062】
ポリマーは、イソシアネート基に対して反応性の官能性末端基としてヒドロキシル基を有することが好ましい。
【0063】
ヒドロキシル基を有する好適なポリマーは、一方では、上述した高分子量ポリアルキレンポリオール、好ましくは0.02 meq/g未満の不飽和度を有し、かつ4000〜30000 g/molの範囲内の分子量、とりわけ8000〜30000 g/molの範囲内の分子量を有するポリオキシプロピレンジオールである。
【0064】
他方では、ヒドロキシル基を有するポリウレタンポリマー、より詳細には、式(Ib)のイソシアナトシランISとの反応のために、ヒドロキシル基で末端化されたポリウレタンポリマーも好ましい。このようなポリウレタンポリマーは、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールとの反応によって得ることができる。この反応は、ポリオールとポリイソシアネートとを、50℃〜100℃の温度で、適切な場合には適切な触媒を併用して、ポリオールをそのヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に対して化学量論的に過剰に存在するような量で、典型的な方法で反応させることによって行うことができる。ヒドロキシル基のイソシアネート基に対する比は、1.3:1〜4:1、特に1.8:1〜3:1であることが好ましい。適切な場合には、ポリウレタンポリマーは、可塑剤を併用して調製することができ、この場合、使用する可塑剤は、イソシアネートに対して反応性の基を全く有さない。この反応には、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1の調製のために使用する、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを調製するために好ましいとして上述したものと同じポリオールおよびポリイソシアネートが好ましい。
【0065】
例えば、好適なシラン官能性ポリマーP2は、SPUR+(登録商標)1010LM、1015LM、および1050MMの商標名の下で、Momentive Performance Materials Inc.社(米国)から、および、Geniosil(登録商標)STP-E15、STP-10、およびSTP-E35の商標名の下で、Wacker Chemie AG社(独国)から商業的に入手可能である。
【0066】
第三の実施態様では、シラン官能性ポリマーPは、末端二重結合を有するポリマーのヒドロシリル化反応によって得ることができるシラン官能性ポリマーP3、例えば、ポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはポリエーテルポリマー、より特に、アリル末端ポリオキシアルキレンポリマー〔例えば、米国特許第3,971,751号および同第6,207,766号(これらの開示内容を、参照により本明細書に組み込む)に記載されているもの〕である。
【0067】
例えば、好適なシラン官能性ポリマーP3は、商標名MS-Polymer(登録商標)S203(H)、S303(H)、S227、S810、MA903およびS943、Silyl(登録商標)SAX220、SAX350、SAX400およびSAX725、Silyl(登録商標)SAT350およびSAT400、ならびにXMAP(登録商標)SA100SおよびSA310Sの下でカネカ社(日本)から;ならびに商標名Excestar(登録商標)S2410、S2420、S3430、S3630、W2450およびMSX931の下で旭硝子社(日本)から商業的に入手可能である。
【0068】
典型的には、シラン官能性ポリマーPは、全組成物に基づいて、10重量%〜80重量%の量、好ましくは15重量%〜60重量%の量で存在する。
【0069】
本発明の組成物は、少なくとも1個の硫黄原子を含む少なくとも1種のオルガノシランをさらに含む。この種のオルガノシランは、式(II)、式(III)、および式(IV)のオルガノシランからなる群から特に選択される。
【0070】
【化5】

【0071】
これらの式において、R4基は、炭素原子1個〜8個を有するアルキル基、より特にメチル基を表す。
R5基は、炭素原子1個〜5個を有するアルキル基、より特にメチル基、エチル基、もしくはイソプロピル基、または、アシル基、より特にアセチル基を表す。
R6基は、直鎖状または分枝状の、場合により環状の、炭素原子を1個〜20個有するアルキレン基(場合により芳香族部分を有していてよく、場合により1個以上のヘテロ原子、より特に、窒素原子を有していてよいもの)を表す。
Xは、S、S2、またはS4を表し、bは、0、1、または2の値を表す。
【0072】
少なくとも1個の硫黄原子を含む少なくとも1種のオルガノシランは、特に、式(II)のオルガノシラン(式中、R5基は、メチル基またはエチル基を表し、R6基は、炭素原子を1個〜10個、より特に3個有する直鎖状アルキレン基を表し、bは0の値を表す)である。
【0073】
好ましい式(II)のオルガノシランの例は、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、および3-アシルチオプロピルトリメトキシシランからなる群から選択されるオルガノシランである。
【0074】
好ましい式(III)のオルガノシランの例は、ビス(トリアルコキシシリルプロピル)ポリスルフィド、例えば、4,4,15,15-テトラエトキシ-3,16-ジオキサ-8,9,10,11-テトラチア-4,15-ジシラオクタデカン、またはビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどである。例えば、このようなオルガノシランの1つは、商標名Si 69(登録商標)の下でEvonik Degussa GmbH(独国)から商業的に入手可能である。
【0075】
特に好適な式(IV)のオルガノシランは、式(II)のオルガノシラン(例えば、3-メルカプトプロプロピルトリメトキシシランなど)と、グリシジルオキシアルキルトリアルコキシシラン(例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランなど)との反応生成物である。
【0076】
好ましい式(II)のオルガノシランは、商標名Dynasylan(登録商標)MTMOの下でEvonik Degussa GmbH(独国)から、または、商標名Silquest(登録商標)A-189の下でFirma Momentive Performance Materials Inc.(米国)から商業的に入手可能である。
【0077】
オルガノシランの割合は、全組成物の好ましくは0.1重量%〜7重量%、より特に0.2重量%〜4重量%、好ましくは0.4重量%〜2重量%である。
【0078】
本発明の組成物は、少なくとも1種のオルガノチタネートをさらに含む。このチタン原子に酸素-チタン結合を介して結合する好適な配位子は、アルコキシ基、スルホネート基、カルボキシレート基、ジアルキルホスフェート基、ジアルキルピロホスフェート基、およびアセチルアセトネート基からなる群から選択される配位子である。
【0079】
とりわけ好適なオルガノチタネートは、少なくとも1個の多座配位子(キレート配位子とも呼ばれる)を有する。多座配位子は、より特に、二座配位子である。
【0080】
特に好適なオルガノチタネートは、式(V)のオルガノチタネートである。
【0081】
【化6】

【0082】
この式中、R7基は、水素原子、または炭素原子を1個〜8個有する直鎖状または分枝状のアルキル基、より特にメチル基を表す。
R8基は、水素原子、または炭素原子を1個〜8個有する直鎖状または分枝状のアルキル基(場合によりヘテロ原子、より特に、水素原子を有していてよいもの)を表す。
R9基は、水素原子、炭素原子を1個〜8個、より特に1個〜3個有するアルキル基、または炭素原子を1個〜8個、より特に1個〜3個有する直鎖状または分枝状のアルコキシ基を表す。
R10基は、炭素原子を1個〜20個有する直鎖状または分枝状のアルキル基、より特にイソブチル基またはイソプロピル基を表す。
nは、1または2の値を表し、より特に2を表す。
【0083】
好ましいオルガノチタネートは、式(V)のオルガノチタネート(式中、R7基はメチル基を表し、R8基は水素原子を表し、R9基は、メチル基、またはメトキシ基もしくはエトキシ基を表し、R10基は、イソブチル基またはイソプロピル基を表す)である。
異なるオルガノチタネートの混合物を用いることが可能であり、あるいは特定の場合には好ましい。
【0084】
好適なオルガノチタネートは、例えば、商標名Tyzor(登録商標)AA、GBA、GBO、AA-75、AA-65、AA-105、DC、BEAT、IBAYの下でDuPone社(米国)から商業的に入手可能である。
【0085】
オルガノチタネートの割合は、全組成物の好ましくは0.1重量%〜10重量%、より特に0.1重量%〜4重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%である。
【0086】
好ましくは、組成物は、フィラーをさらに含む。フィラーは、未硬化の組成物のレオロジー特性と、硬化した組成物の機械的特性および表面の性質との両方に影響を及ぼす。好ましいフィラーは、無機および有機フィラー、例えば、天然の炭酸カルシウム、粉砕炭酸カルシウム、または沈降炭酸カルシウム(適切な場合には、脂肪酸、とりわけステアリン酸でコーティングされたもの)、および硫酸バリウム(BaSO4、バライトまたは重晶石とも呼ばれる)、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ(とりわけ、熱分解法からの高分散シリカ)、カーボンブラック(特に、工業的に製造されたカーボンブラック)、PVCの粉末、または中空ビーズである。好ましいフィラーは、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カーボンブラック、高分散シリカ、ならびに、難燃性フィラー、例えば、ヒドロキシドもしくは水和物、とりわけアルミニウムのヒドロキシドもしくは水和物、好ましくはアルミニウムヒドロキシドである。
【0087】
異なるフィラーの混合物を使用することも全く可能であり、有利である場合もある。
【0088】
フィラーの好適な量は、例えば、組成物全体に基づいて、10重量%〜70重量%、より特に15重量%〜60重量%、好ましくは25重量%〜60重量%の範囲である。
【0089】
加えて、本発明の組成物は、さらなる成分をさらに含むことができる。この様な成分は、例えば、可塑剤、例えば、有機カルボン酸のエステルまたは有機カルボン酸の無水物、例えば、フタレート(例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、またはジイソデシルフタレートなど)、アジペート(例えば、ジオクチルアジペート、アゼレートおよびセバケートなど)、ポリオール(例えば、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリエステルポリオールなど)、有機リン酸エステルおよびスルホン酸エステルまたはポリブテン;溶媒;ファイバー、例えばポリエチレンのファイバー;染料;顔料;レオロジー改質剤、例えば、増粘剤またはチキソ性付与剤など(例えば、尿素化合物、ポリアミドワックス、ベントナイト、またはヒュームドシリカなど);接着促進剤(例えば、エポキシしラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシラン、または前述のシランと一級アミノシランとの付加体、およびウレアしランなど);架橋剤〔例えば、シラン官能性オリゴマーおよびポリマー);乾燥剤、例えば、ビニルトリメトキシシラン、α-官能性シラン(例えば、N-(シリルメチル)-O-メチルカルバメート、とりわけN-(メチルジメトキシシリルメチル)-O-メチルカルバメート、(メタクリロイルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウム、またはモレキュラーシーブなど〕;熱、光照射およびUV照射などに対する安定化剤;難燃剤;表面活性物質(例えば、湿潤剤、流動性制御剤、脱気剤、または消泡剤など);殺生物剤(例えば、殺藻剤、殺菌剤、または真菌増殖抑制剤など);および湿気硬化性組成物において典型的に使用されるさらなる物質である。
【0090】
原理的には、本発明の組成物において、さらなる触媒を使用する必要はない。それでもなお触媒を採用する場合は、好適な例には、例えば、有機錫化合物の形態の金属触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレートおよびジブチル錫ジアセチルアセトネートなど)、有機ビスマス化合物またはビスマス錯体、チタン系触媒、アミノ含有化合物(例えば、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンおよび2,2'-ジモルホリノジエチルエーテルなど)、およびアミノシラン、および前述の触媒の混合物である。
【0091】
適切な場合には組成物中に存在する前述の成分、より特にフィラーおよび触媒はいずれも、このような成分の存在によって組成物の貯蔵安定性が悪影響を受けないように選択することが有利である。すなわち、貯蔵の間に、組成物が、その性質、より特に適用特性および硬化特性の変化をほとんど受けないかまたは全く受けないように選択する。このことは、上述した組成物の化学的な硬化を引き起こす反応、とりわけシラン基の反応を、貯蔵中にいかなる有意な程度も開始させることがないことを意味する。したがって、前述した成分が、水を全く含有しないかあるいは水を貯蔵中に全く放出しないか、最大でも痕跡量の水しか含有しないかあるいは最大でも痕跡量の水しか貯蔵中に放出しないことを意味する。したがって、特定の成分を、組成物中に混入する前に、化学的にまたは物理的に乾燥することが賢明であり得る。
【0092】
上述した組成物は、湿分を含まない条件下に保つ。組成物は、貯蔵に安定である。すなわち、湿分のない条件下、適切な包材または施設、例えばドラム、小袋、またはカートリッジ中で、例えば、数ヵ月から1年以上にわたる期間中、使用に関連するいかなる程度においても、その適用特性または硬化後の性質にいかなる変化をも受けることなく保存することができる。典型的には、貯蔵安定性は、粘度または押出し力の測定によって測定する。
【0093】
記述した組成物を、少なくとも1つの固体または物品に適用すると、ポリマーおよびシランのシラン基は湿分と接触する。シラン基は、湿分と接触すると、加水分解する性質を有する。この加水分解は、オルガノシラノールの形成および、続く縮合反応の結果として、オルガノシロキサンの形成を伴う。これらの、触媒の使用によって加速されうる反応の結果として、組成物は最終的に硬化する。この過程は架橋とも呼ばれる。
【0094】
別法では、硬化反応のために必要とされる水は、空気(大気中の湿分)から来てもよいが、あるいは上述した組成物を、例えば平滑剤と共に塗り広げてコーティングすることによって、またはスプレーすることによって、水含有成分と接触させることができる。あるいは、適用時の組成物に、例えばスタティックミキサーによって混入された、例えば含水ペーストの形態で、水含有成分を添加することもできる。大気中の湿気による硬化の場合、組成物は外側から内側に硬化する。硬化速度は、さまざまな因子、例えば、水の拡散速度、温度、周囲の湿度、および例えば結合形状などによって決まり、一般に、硬化の進行に従って遅くなる。
【0095】
本発明はさらに、上述した組成物の、接着剤、シーリング材としての使用、あるいはコーティングを製造するための組成物としての使用を包含する。
【0096】
より詳細には、本発明の組成物は、多孔性基剤、より特に多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)のプライマーなしの結合および/またはシーリングおよび/またはコーティングのための、接着剤および/またはシーリング材として好適である。本発明の組成物は、特に、水中での貯蔵後の接着性の向上をもたらすことが判明した。多孔性基剤の接着結合またはシーリングにおいて、水中の貯蔵は、近年常に問題となってきた。この原因は、多孔性材料の毛管現象の結果、水が基剤表面と接着剤またはシーリング材との間に進入可能であり、このため、接着に悪影響を及ぼし得ることである。加えて、本発明の組成物を用いると、硬化した状態における温度安定性の向上がもたらされる。
【0097】
本発明は、2つの基材(S1およびS2)の接着結合方法をさらに含む。この方法は、
i) 基材S1および/または基材S2に上述した組成物を適用する工程と、
ii) 前記組成物の可使時間内に、基材S1と基材S2とを前記適用した組成物を介して接触させる工程と、
iii) 前記組成物を、水、より特に大気中の湿気の形態の水によって硬化させる工程と
を含み、前記基材S1およびS2は、互いに類似しているかまたは互いに異なる。
【0098】
本発明は、加えて、シーリングまたはコーティング方法を提供する。この方法は、
i') 基材S1に、かつ/あるいは2つの基材(S1およびS2)の間に、上述した組成物を適用する工程と、
ii’) 前記組成物を、水、より特に大気中の湿気の形態の水によって硬化させる工程と
を含み、前記基材S1およびS2は、互いに類似しているかまたは互いに異なる。
【0099】
特に好適な基材S1および/またはS2は、コンクリート、モルタル、煉瓦、タイル、石こう、天然鉱物(例えば、グラナイトまたは大理石)、ガラス、ガラス-セラミック、金属または金属アロイ、木材、プラスチック、およびラッカーからなる群から選択される基材である。
【0100】
本発明の組成物は、ペースト様のコンシステンシーを有し、構造粘性の性質を有することが好ましい。この種の組成物を、適切な器具を用いてビードの形態で基材に適用する。前記ビードは、有利には、実質的に円形または三角形の断面領域を有する。組成物の適切な適用方法は、例えば、手動でもしくは圧縮空気によって操作する商業的に入手可能なカートリッジからの適用、あるいは、ドラムもしくはホボック(hobbock)からの、移送ポンプまたはエクストルーダーによる、適切な場合には適用ロボットによる適用である。本発明の良好な適用特性を有する組成物は、高いコンシステンシーおよび短い糸引きを示す。言い換えると、適用後に適用された形態を保ち、これによって、流れ出さず、適用装置が下に置かれた後に、組成物が全く糸引きしないかまたは非常に短い糸引きをするのみであり、したがって基材が汚染されない。
【0101】
本発明の組成物は、基材、特に多孔性基剤、好ましくは多孔性鉱物質基材(例えば、コンクリートなど)への良好な接着性を、接着促進組成物(プライマーとも呼ばれる)を使用しなくても、有する。
【0102】
本発明はさらに、記載した組成物で結合、シーリング、および/またはコーティングされた、記載した方法の1つによって得られる物品を含む。
【0103】
これらの物品は、好ましくは、建造物、より特に、建築または土木工学の建造物を含む。
【実施例】
【0104】
[試験方法]
接着性は、以下のように測定した。
接着性は、Rocholl GmbH(独国)から商業的に入手可能なDINコンクリートを用いて測定した。表面をスチールブラシできれいにした後、圧縮空気で埃を除去した。次いで、各組成物の2つのビードを、カートリッジから、各基材に適用した。次いで、このビードでコーティングされた基材を、標準条件(23℃±1℃、相対湿度50±5%)下で7日間貯蔵した後、第1回目の試験を行った。その後、基材を、適用された組成物と共に、水の中に十分に浸漬させ、室温で貯蔵した。その後毎日、ビードの一部について、接着性を試験した。
【0105】
接着性を試験するために、クランプを使用して基材をベンチ上に固定した。硬化したビードの一方の端に、基材の表面(接着面)の直ぐ上まで切り込みを下方に入れた。切り込みを入れたビードの末端部を手で持ち上げた後、注意深くゆっくりと表面から剥がすようにビードの他端方向に引っ張った。この剥がす工程において、引っ張られた時にビードの末端部が引きちぎれるおそれがあるほど接着性が高い場合には、鋭い刃(カッター)を用いてビードの引張り方向に対して垂直方向に基材の表面に向かって下方に切断してビードの一部を切り離した。必要であれば、引張りを継続する過程において、2〜3 mmの間隔でこの種の切断を繰り返した。このようにして、ビードを全て引っ張りかつ/あるいは切断して基材から除いた。接着性は、ビードを取り除いた後で基材表面に残っている硬化した接着剤(凝集破壊)に基づいて評価した。この評価は、接着面の凝集破壊の割合を見積ることによって、次の尺度に従って行った。
1=凝集破壊95%超
2=凝集破壊75%〜95%
3=凝集破壊25%〜75%
4=凝集破壊25%未満
【0106】
75%未満の凝集破壊値、すなわち3および4の値の試験結果では、不十分と考えられる。接着性の評価が4の値である試料は、言い換えると、接着領域の25%未満が凝集剥離を受けた試料は、不十分であると認定し、表に「測定せず(not determined)」を表す「n.d.」を記載する。
【0107】
引張強さ、破断伸び、および0%〜100%伸長時の弾性率を、23℃および50%の相対湿度で14日硬化させた2mmの厚さのフィルムについて、DIN EN 53504(引張り速度:200 mm/分)に準拠して測定した。
【0108】
ショアA硬度は、DIN 53505に準拠して測定した。
【0109】
〔シラン官能性ポリウレタンポリマー(P1-1)の調製〕
窒素雰囲気下、1000 gのAcclaim(登録商標)Polyol 12200〔Bayer Material Science AG(独国);低モノオールポリオキシプロピレンジオール;OH価11.0 mg KOH/g、水分含有量約0.02重量%〕、38.4 gのイソホロンジイソシアネート〔IPDI;Vestanat(登録商標)IPDI、Evonik Degussa GmbH(独国)〕、270.1 gのジイソデシルフタレート〔DIDP;Palatinol(登録商標)Z、BASF SE(独国)〕、および0.12 gのジ-n-ブチルスズジラウレート〔Metatin(登録商標)K 712、Acima AG(スイス)〕を継続的に撹拌しながら90℃に加熱し、この温度で遊離のイソシアネート基含有量が滴定により測定して0.40重量%の値になるまで置いた。その後、39.5 gのN-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチルを混合し、この混合物を、90℃で4時間、遊離のイソシアネート基含有量がIR分光法でもはや検出できなくなるまで撹拌した。生成物を室温に冷却し、湿気のない状態で貯蔵した(理論的なポリマー含有量=80%)。
【0110】
N-(3-トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチルは、以下のように調製した。51.0 gの3-アミノプロピルトリメトキシシラン〔Silquest(登録商標)A-1110、Momentive Performance Materials Inc.(米国)〕を、最初のチャージとして導入した。十分に攪拌しながら、49.0 gのマレイン酸ジエチル〔Fuluka Chemie GmbH(スイス)〕を室温でゆっくりと添加し、この混合物を、室温で2時間攪拌した。
【0111】
〔MSプレポリマー(P3-1)〕
プレポリマーS203Hは、Kaneka Corporation(日本)から入手可能である。
【0112】
〔尿素増粘剤ペーストの調製〕
真空攪拌機に、1000 gのジイソデシルフタレート〔Palationl(登録商標)Z〕、および160 gの4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート〔Desmodur(登録商標)44 MC L、Bayer Material Science AG(独国)〕を入れ、この最初のチャージを穏やかに加熱した。その後、90 gのモノブチルアミンを、激しく攪拌しながらゆっくりと滴下により添加した。形成された白色ペーストを、さらに1時間、真空下、冷却しながら攪拌した。この尿素増粘剤ペーストは、20重量%の尿素増粘剤を、80重量%のジイソデシルフタレート中に含有する。
【0113】
〔接着剤の調製〕
〔ベース配合物の調製〕
真空攪拌機内で、表1に報告した重量割合にしたがって、ポリマー、ビニルトリメトキシシラン〔Dynasylan(登録商標)VTMO、Evonik Degussa GmbH(独国)〕、酸化チタン〔Kronos(登録商標)2430、Kronos Titan GmbH(独国)〕、尿素増粘剤ペースト、微紛化チョーク〔Omya(登録商標)5GU、Omya GmbH(独国)〕、場合によりN-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン〔Dynasylan(登録商標)DAMO-T、Evonik Degussa GmbH(独国)〕またはメルカプトシラン〔Dynasylan(登録商標)MTMO、Evonik Degussa GmbH(独国)〕、および場合によりDBTDL Metatin(登録商標)K712およびDIDP(Palatinal(登録商標)Z)またはオルガノチタネート〔Tyzor (登録商標)IBAY、Dupont(米国)〕を、均一なペーストに加工し、湿気のない状態で貯蔵した。
【0114】
〔結果〕
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 少なくとも1種のシラン官能性ポリマーPと、
b) 少なくとも1個の硫黄原子を含む少なくとも1種のオルガノシランと、
c) 少なくとも1種のオルガノチタネートと
を含む、組成物。
【請求項2】
前記シラン官能性ポリマーPが、下記式(I):
【化1】

〔式中、
R1は、炭素原子1個〜8個を有するアルキル基、より特にメチル基またはエチル基を表し;
R2は、炭素原子1個〜5個を有するアシル基またはアルキル基、より特にメチル基、エチル基、またはイソプロピル基を表し;
R3は、直鎖状または分枝状の、場合により環状の、炭素原子を1個〜12個有するアルキレン基(場合により芳香族部分を有していてよく、場合により1個以上のヘテロ原子、より特に、窒素原子を有していてよいもの)を表し;かつ、
aは、0、1、または2の値を表し、より特に0を表す〕
の末端基を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1個の硫黄原子を含む前記オルガノシランが、下記式(II)のオルガノシラン、下記式(III)のオルガノシラン、および下記式(IV)のオルガノシラン:
【化2】

〔式中、
R4は、炭素原子1個〜8個を有するアルキル基、より特にメチル基を表し;
R5は、炭素原子1個〜5個を有するアルキル基、より特にメチル基、エチル基、もしくはイソプロピル基、または、アシル基、より特にアセチル基を表し;
R6は、直鎖状または分枝状の、場合により環状の、炭素原子を1個〜20個有するアルキレン基(場合により芳香族部分を有していてよく、場合により1個以上のヘテロ原子、より特に、窒素原子を有していてよいもの)を表し;
Xは、S、S2、またはS4を表し;かつ、
bは、0、1、または2の値を表す〕
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1個の硫黄原子を含む前記オルガノシランが、式(II)のオルガノシラン
(式中、R5は、メチル基またはエチル基を表し;
R6は、炭素原子を1個〜10個、より特に3個有する直鎖状アルキレン基を表し;
bは、0の値を表す)
であることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記オルガノチタネートが、少なくとも1個の多座配位子を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記オルガノチタネートが、下記式(V):
【化3】

〔式中、
R7は、水素原子、または炭素原子を1個〜8個有する直鎖状または分枝状のアルキル基、より特にメチル基を表し;
R8は、水素原子、または炭素原子を1個〜8個有する直鎖状または分枝状のアルキル基(場合によりヘテロ原子、より特に、水素原子を有していてよいもの)を表し;
R9は、水素原子、炭素原子を1個〜8個、より特に1個〜3個有するアルキル基、または炭素原子を1個〜8個、より特に1個〜3個有する直鎖状または分枝状のアルコキシ基を表し;
R10は、炭素原子を1個〜20個有する直鎖状または分枝状のアルキル基、より特にイソブチル基またはイソプロピル基を表し;かつ、
nは、1または2の値を表し、より特に2を表す〕
ことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記オルガノシランの割合が、組成物全体の0.1重量%〜7重量%、より特に0.2重量%〜4重量%、好ましくは0.4重量%〜2重量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記オルガノチタネートの割合が、組成物全体の0.1重量%〜10重量%、より特に0.1重量%〜4重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、少なくとも1種のフィラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記フィラーの割合が、組成物全体の10重量%〜70重量%、より特に15重量%〜60重量%、好ましくは25重量%〜60重量%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
接着剤、シーリング材、またはコーティング用組成物としての、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項12】
多孔性基材、より特に多孔性鉱物質基材を、プライマーを使用しないで結合またはシーリングするための接着剤またはシーリング材としての、請求11に記載の使用。
【請求項13】
2つの基材(S1およびS2)の接着結合方法であって、
i) 基材S1および/または基材S2に請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程と、
ii) 前記組成物の可使時間内に、基材S1と基材S2とを前記適用した組成物を介して接触させる工程と、
iii) 前記組成物を、水、より特に大気中の湿気の形態の水によって硬化させる工程と
を含み、
前記基材S1およびS2が互いに類似しているかまたは互いに異なる、方法。
【請求項14】
i') 基材S1に、かつ/あるいは2つの基材(S1およびS2)の間に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程と、
ii’) 前記組成物を、水、より特に大気中の湿気の形態の水によって硬化させる工程と
を含み、
前記基材S1およびS2が互いに類似しているかまたは互いに異なる、シーリング方法。
【請求項15】
少なくとも1つの前記基材(S1またはS2)が、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、石こう、天然石(例えば、花コウ岩または大理石など)、ガラス、ガラスセラミック、金属もしくは金属アロイ、木材、プラスチック、およびラッカーからなる群から選択されることを特徴とする、請求項13または14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法によって、結合、シーリング、またはコーティングされた、物品。
【請求項17】
前記物品が、建造物、より特に、建築または土木工学の建造物であることを特徴とする、請求項16に記載の物品。

【公開番号】特開2009−209371(P2009−209371A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−51177(P2009−51177)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】