説明

多孔性軽量鉄及びその製造方法

本発明は多孔性軽量鉄及びその製造方法に関し、より詳細には、既存の鉄鋼製品に近い強度を有しながら、内部に形成された気孔によって、重量が減少した多孔性軽量鉄及び望む物性または使おうとする用途により多様な物性を有する多孔性軽量鉄を製造する方法に関する。
本発明によると、製造過程中に焼結温度、ダイヤモンドまたは炭化ケイ素の配合比及び各構成成分の間の配合比を調整することによって製造される軽量鉄の厚さ、重さ及び強度が調節できて、目的とする用途の多孔性軽量鉄を製造できて、製造された多孔性軽量鉄は同一の体積の既存鉄鋼製品比単位体積当たり重量が10〜65%(w/v)程度に過ぎないため、実際産業に適用時に経済的な効果と共に作業上の便利さが図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔性軽量鉄及びその製造方法に関し、より詳細には、既存の鉄鋼製品に近い強度を有しながら、内部に形成された気孔によって、重量が減少した多孔性軽量鉄、及び所望の物性、または用途により多様な物性を有する多孔性軽量鉄の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多孔質材料(porous materials)は気孔が体積量基準に10〜98%含まれた材料を意味するもので、このような気孔により衝撃エネルギー吸収能、気体及び液体透過能、音響遮蔽性、低熱伝導性、電気絶縁性などの特性を有しており、衝撃吸収材、フィルター、遮音材、絶縁材などに使われて、将来的に実用化が期待されている。また、多孔質材料は軽量性により軽量構造体、サンドイッチ構造の芯材等にもその応用が期待されている。現在まで製造された金属及び合金系多孔質材料は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、金(Au)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金及びステンレス鋼などが知られている。
【0003】
具体的には、従来金属及び合金系多孔質材料は、様々な適用分野に使用されており、衝撃吸収材、及び構造材料としてはアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等が使われ、フィルター材料としては銅(Cu)、ステンレス鋼、金(Au)及びニッケル(Ni)等が使われ、遮音材としては銅(Cu)などが使われている。
【0004】
しかし、航空及び宇宙分野、自動車分野、産業機械分野、電機電子分野などの高性能化及び品質向上の要求により多孔質材料の使用環境がより一層厳しくなり、既存の金属及び合金を構成する多孔質材料をこのような分野に適用するには限界がある。
【0005】
金属として気孔を含む代表的な例として、金属多孔質体が最近公開された(WO2003/070401)。前記金属多孔質体は鉄、ニッケル、銅などの金属合金の金属原料を溶融させてから、前記溶融した金属原料にガスを溶解させた後、冷却させて、製造されたもので、軽量化された高強度の鉄材料でありながらも気孔を有しない鉄材料と同程度の引張強度を有するため、鉄の代替材として期待されているが、製造過程、製造過程中の条件設定などが難しく、産業化するのは容易ではない。
【0006】
そこで、本発明者等は既存の重量の鉄鋼の代替品として、金属鉱物、または金属鉱物と非金属鉱物の混合物を利用して、軽量鉄を製造したが、この時、ダイヤモンドまたは炭化ケイ素を添加して、軽量鉄の内部に気孔を形成させることによって、軽量鉄の重量(weight)をより一層軽減させられ、製造過程中に焼結温度、ダイヤモンドまたは炭化ケイ素の添加比などを調節して、所望の機能及び効果を示す軽量鉄を製造できることを確認して本発明の完成に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既存の鉄鋼製品の代替のための多孔性軽量鉄及びその製造方法を提供することである。
【課題を達成するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は(a)金属鉱物を粉砕する段階、(b)前記段階(a)で取得された粉砕物100重量部に対し2〜20重量部のダイヤモンドまたは炭化ケイ素を配合する段階、(c)前記段階(b)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び(d)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階を含む多孔性軽量鉄の製造方法を提供する。
【0009】
本発明はさらに、(a)溶鉱炉の溶銑100重量部に対し炭化ケイ素2〜10重量部を配合する段階、(b)前記段階(a)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び(c)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階を含む、多孔性軽量鉄の製造方法を提供する。
【0010】
本発明はまたさらに、前記方法で製造され、既存鉄鋼製品比単位体積当たり重量が10〜65%(w/v)の多孔性軽量鉄を提供する。
【0011】
本発明の他の特徴及び具現例は次の詳細な説明及び添付された特許請求範囲からより一層明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の多孔性軽量鉄の製造過程を示したフローチャートである。
【図2】本発明の製造方法により製造された多様な形態の多孔性軽量鉄であり、金属鉱物とダイヤモンドまたは炭化ケイ素を原料として、製造された多孔性軽量鉄を示した図である。
【図3】本発明の製造方法により製造された多孔性軽量鉄であり、溶銑と炭化ケイ素を原料として製造された多孔性軽量鉄を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は一観点において、(a)金属鉱物を粉砕する段階、(b)前記段階(a)で取得された粉砕物100重量部に対し2〜20重量部のダイヤモンドまたは炭化ケイ素を配合する段階、(c)前記段階(b)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び(d)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階を含む多孔性軽量鉄の製造方法に関する(図1)。
【0014】
本発明において、前記段階(a)に非金属鉱物をさらに添加して、金属鉱物と共に粉砕することを特徴とし、前記非金属鉱物の添加量は金属鉱物100重量部に対し2〜150重量部であることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記金属鉱物は鉄鉱石、灰重石(scheelite)、チタン鉄(ilmenite)、ロードクロサイト(rhodochrosite)、鉛鉱石(lead ore)、亜鉛鉱石(zinc ore)、ステンレススチール、ニッケル、クロム、鋳物(cast iron)、屑鉄(scrap iron)、モルリブテン鉱石(Molybdenum ore)、タングステン、ジルコニウム鉱石(zirconium ore)及び硫化鉄からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする。
【0016】
本発明において、前記非金属鉱物は沸石、ベントナイト、石灰石、硅砂、苦灰石、ボーキサイト、珪石及び蛍石からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする。
【0017】
一般に、非金属鉱物は熱伝導率が低いため、高温でも長く耐える特性があるため、非金属鉱物を利用して、製造される軽量鉄を建築物などに適用する場合、優秀な耐火性が期待できる。
【0018】
本発明で使用される金属鉱物及び非金属鉱物は、前記挙げられた鉱物中から、最終的に製造しようとする軽量鉄の用途により選択することができる。
【0019】
また、本発明による軽量鉄は既存の鉄鋼製品に代替できるだけの強度を有しながら、重量は低下するように製造しなければならないため、鉱物を利用して製造するが、金属鉱物を原料として製造してもよく、金属鉱物に非金属鉱物を混合して製造してもよい。
【0020】
本発明で使用されるダイヤモンドまたは炭化ケイ素は多孔性軽量鉄に気孔を生成させるために添加する物質として、人体に無害な無機質であり、高温でだけ溶融する特性があり、焼結工程中に気孔を生成させて、最終的に製造される軽量鉄を軽量化させる機能及び効果を示す。
【0021】
一方、前記ダイヤモンドまたは炭化ケイ素の配合比が金属鉱物100重量部に対し、または金属鉱物及び非金属鉱物の混合物100重量部に対して2重量部未満であると、気孔がスムーズに形成されなくて、軽量化に伴う効果を確認できず、前記ダイヤモンドまたは炭化ケイ素の配合比が金属鉱物及び非金属鉱物の混合物100重量部に対して20重量を超えると、気孔生成が多すぎて、製造される軽量鉄の物性が低下する問題がある。従って、望ましくは軽量鉄製造時配合されるダイヤモンドまたは炭化ケイ素の割合は金属鉱物及び非金属鉱物の混合物100重量部に対して2〜20重量部である。
【0022】
本発明による多孔性軽量鉄の製造過程中、焼結工程を経るようになるが、この時、焼結温度が1100℃未満の場合には焼結時間が長くなり、1400℃を超える場合には焼結時間は短縮されるが気孔の大きさが大きすぎて、製造される軽量鉄の強度が低下する問題がある。また、焼結時間が2時間未満の場合には生成される気孔の大きさが小さく、焼結時間が5時間を超える場合には気孔の数が減って、軽量化が正しく行われない問題がある。従って、本発明による焼結工程の焼結温度及び焼結時間は、望ましくは各々1100〜1400℃及び2〜5時間である。
【0023】
一方、焼結工程で生成される気孔によって、焼結工程中に軽量鉄の体積が増加するようになるが、この時体積が増加した軽量鉄は原材料に比べて、1.5〜9倍程度の大きさを有する。しかし、体積が増加しすぎる場合、製造される軽量鉄を目的とする用途に使用できないこともあるため、これを未然に防ぐため、焼結工程中に軽量鉄の増加する体積を調節してもよい。即ち、焼結工程中に軽量鉄が変形されないまま本来の特性を維持できる最大温度を設定した後、この最大温度で20分〜1時間焼結を行うと、焼結工程中に増加する体積を減少させられる。
【0024】
本発明は他の観点において、前記方法で製造された多孔性軽量鉄に関する(図2)。本発明において、前記多孔性軽量鉄は気孔の大きさが0.1〜1cmであることを特徴とし、前記気孔の大きさは焼結工程における温度と密接な関係がある。即ち、焼結炉で温度を徐々に増加させると気孔の大きさが小さくかつ分布が規則的になるが、焼結炉で温度を急激に増加させると気孔の大きさが大きくかつ分布が不規則的になる。
【0025】
本発明において、前記多孔性軽量鉄は単位体積当たり重量が10〜65kg(w/v)であることを特徴とする。これに対して、一般的な鉄鋼の単位体積当たり重量は100kgで、前記多孔性軽量鉄は、同一の体積を有する鉄鋼と比較して10〜65%の重量を有することが分かる。
【0026】
一方、前記多孔性軽量鉄は充填密度が高くてかつ高温の焼結工程を介して、完全焼結されるため圧縮強度に優れ、高温の焼結工程で気孔が形成されるため耐火性が優秀で、内部の気孔を含んでいて、同一の体積の砂に比べて1/20程度の軽量性を示す。また、多孔性軽量鉄は内部に形成された気孔によって、潜熱保温性が優れて熱損失を防ぎ、優秀な断熱性を示し、火災発生時熱伝達が遅延されるため、待避時間に余裕ができて、人命被害を減少させられる効果が期待できる。また、本発明に多孔性軽量鉄は重量が減少して、軽量金属であるため実際産業に適用時に生産コストを低減できて、経済的である。
【0027】
本発明はさらに他の観点において、(a)溶鉱炉の溶銑100重量部に対し炭化ケイ素2〜10重量部を配合する段階、(b)前記段階(a)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び(c)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階を含む、多孔性軽量鉄の製造方法に関する。
【0028】
本発明において、前記溶鉱炉の溶銑の温度は1000〜2000℃であることを特徴とする。前記溶銑の温度が1000℃未満であると、炭化ケイ素との反応が十分に行われなく、2000℃を超えると、温度増加によるメリットがない。
【0029】
本発明において、前記段階(a)は1〜8分の間実施されることを特徴にできる。前記反応時間が1分未満であると、溶銑と炭化ケイ素が十分に反応しなくなり、8分を超えると、時間増加によるメリットがない。
【0030】
本発明において、前記焼結温度が1100℃未満の場合には焼結時間が長くなり、1400℃を超える場合には焼結時間は短縮されるが気孔の大きさが大きすぎて、製造される軽量鉄の強度が落ちる問題がある。また、焼結時間が2時間未満の場合には生成される気孔の大きさが小さく、焼結時間が5時間を超える場合には気孔の数が減って、軽量化が正しく行われない問題がある。従って、本発明による焼結工程の焼結温度及び焼結時間は、望ましくは各々1100〜1400℃及び2〜5時間である。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を通して、本発明をより一層詳細に説明する。この実施例は単に本発明を例示するものであって、本発明の範囲が実施例によって制限されるものと解釈されないのは当業者には自明であろう。
【0032】
[実施例1]鉄鉱石、沸石及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、非金属鉱物である沸石及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石96kg及び沸石2kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド2kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1200℃で5時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0033】
[実施例2]鉄鉱石、ベントナイト及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、非金属鉱物であるベントナイト及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石90kg及びベントナイト5kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド5kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1180℃で5時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0034】
[実施例3]鉄鉱石、沸石及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、非金属鉱物である沸石及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石80kg及び沸石10kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド10kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1250℃で4時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0035】
[実施例4]鉄鉱石、沸石、石灰石及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、非金属鉱物である沸石と石灰石、及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石70kg、沸石20kg及び石灰石5kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド5kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1150℃で3時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0036】
[実施例5]鉄鉱石及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石90kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド10kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1350℃で3時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0037】
[実施例6]鉄鉱石、沸石、SiO及び石灰石を利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である鉄鉱石、非金属鉱物である沸石、SiOと石灰石及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。鉄鉱石65kg、沸石22kg、SiO4kg及び石灰石4kgを80〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド5kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1100℃で3時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0038】
[実施例7]屑鉄、沸石及びダイヤモンドを利用した多孔性軽量鉄の製造
金属鉱物である屑鉄、非金属鉱物である沸石及びダイヤモンドを利用して、多孔性軽量鉄を製造した。屑鉄96kg及び沸石2kgを50〜120meshの大きさに粉砕した後、ダイヤモンド2kgを添加して配合機を利用して配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1200℃で4時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0039】
[実験例1]既存鉄鋼と本発明の多孔性軽量鉄との重量比較
実施例1乃至実施例7で製造された多孔性軽量鉄と既存鉄鋼の重量を比較した。ここで、使用された鉄鋼は100%鉄(iron)で製造された鉄鋼であり、重量計を利用して、多孔性軽量鉄と鉄鋼の単位体積当たり重量を測定した。
その結果、鉄鋼の単位体積当たり重量は100kgであり、実施例1乃至実施例7で各々製造された多孔性軽量鉄の単位体積当たり重量は表1に示したように、38〜56kgとして鉄鋼の単位体積当たり重量の38〜56%に過ぎないため、本発明の多孔性軽量鉄が既存の鉄鋼に比べて、軽量化されたことを確認した。
【0040】
【表1】

【0041】
[実施例8]溶鉱炉の溶銑及び炭化ケイ素を利用した多孔性軽量鉄の製造
溶鉱炉で加熱している溶銑及び炭化ケイ素を利用して、多孔性軽量鉄を製造した。溶鉱炉で加熱している溶銑の温度が1500℃である時、前記溶銑100kgに炭化ケイ素粉末6kgを5分間配合した。前記配合された鉱物を焼結炉に投入して、1250℃で4時間焼結させた後、多孔性軽量鉄を取得した。
【0042】
[実験例2]既存鉄鋼と実施例8の多孔性軽量鉄との重量比較
実施例8で製造された多孔性軽量鉄と既存鉄鋼の重量を比較した。ここで、使用された鉄鋼は100%鉄(iron)で製造された鉄鋼であり、重量計を利用して、多孔性軽量鉄と鉄鋼の単位体積当たり重量を測定した。
その結果、鉄鋼の単位体積当たり重量は100kgであり、実施例8で製造された多孔性軽量鉄の単位体積当たり重量は40〜60kgとして鉄鋼の単位体積当たり重量の40〜60%に過ぎないため、実施例8で製造された多孔性軽量鉄が既存の鉄鋼に比べて、軽量化されたことを確認した(図3)。
【産業上利用の可能性】
【0043】
以上で、詳細に説明した通り、本発明によると、製造過程中に焼結温度、ダイヤモンドまたは炭化ケイ素の配合比及び各構成成分の間の配合比を調整することによって製造される軽量鉄の厚さ、重さ及び強度を調節できて、目的とする用途の多孔性軽量鉄を製造できて、製造された多孔性軽量鉄は同一体積の既存鉄鋼製品比単位体積当たり重量が10〜65%(w/v)程度に過ぎないため、実際産業に適用時に経済的な効果と共に作業上の便利さが図れる。
本発明は、特定の特徴に関連して詳細に記載されてきたが、当業者にとって本明細書は好適な実施態様に過ぎず、そして本発明の範囲を限定するものではないことは、明らかであろう。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその均等物によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の段階を含む、多孔性軽量鉄の製造方法:
(a)金属鉱物を粉砕する段階、
(b)前記段階(a)で取得された粉砕物100重量部に対し2〜20重量部のダイヤモンドまたは炭化ケイ素を配合する段階、
(c)前記段階(b)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び
(d)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階。
【請求項2】
前記段階(a)において、非金属鉱物をさらに添加して、金属鉱物と共に粉砕することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非金属鉱物の添加量は金属鉱物100重量部に対し2〜150重量部であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属鉱物は鉄鉱石、灰重石、チタン鉄鉱石、ロードクロサイト、鉛鉱石、亜鉛鉱石、ステンレススチール、ニッケル、クロム、鋳物、屑鉄、モルリブテン鉱石、タングステン、ジルコニウム鉱石及び硫化鉄からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記非金属鉱物は沸石、ベントナイト、石灰石、硅砂、苦灰石、ボーキサイト、珪石及び蛍石からなる群から選択される一つ以上であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で製造され、単位体積当たり重量が10〜65Kg(w/v)の多孔性軽量鉄。
【請求項7】
気孔の大きさが0.1〜1cmであることを特徴とする請求項6に記載の多孔性軽量鉄。
【請求項8】
次の段階を含む、多孔性軽量鉄の製造方法:
(a)溶鉱炉の溶銑100重量部に対し炭化ケイ素2〜10重量部を配合する段階、
(b)前記段階(a)で取得された配合物を焼結炉に投入して、1100〜1400℃の温度で2〜5時間焼結する段階、及び
(c)焼結後、多孔性軽量鉄を取得する段階。
【請求項9】
前記溶鉱炉の溶銑の温度は1000〜2000℃であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記段階(a)は1〜8分の間実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−505495(P2011−505495A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535889(P2010−535889)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/KR2008/007083
【国際公開番号】WO2009/069985
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(510149378)
【Fターム(参考)】