説明

多孔質めっき皮膜形成用添加剤及び多孔質めっき皮膜の形成方法

【課題】各種の素材に対して適用可能であって、しかも特殊な装置を用いることなく、安価に実施可能な方法によって、均質で良好な多孔質皮膜を形成できる方法を提供する。
【解決手段】疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物からなる多孔質めっき皮膜形成用の電気めっき浴用添加剤、及び
該添加剤を含む電気めっき浴中において、電気めっき処理を行うことを特徴とする多孔質めっき皮膜の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質めっき皮膜形成用添加剤及び多孔質めっき皮膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属多孔質体は、比表面積の大きさ、優れた物質保持性などから機能性材料として利用価値が高く、その製造法については多くの報告がなされている。
【0003】
例えば、金属多孔質体の製造法としては、微粒金属を焼結させて作製する方法、多孔質樹脂を導電化したのち電解めっきする方法などが一般的な方法である。
【0004】
しかしながら、これらの方法は何れも特殊な設備を必要とし、得られる金属多孔質体の形態も制限される。
【0005】
また、その他の金属多孔質皮膜の形成方法として、イオン移動度の高い陽イオンと陰イオンとを組み合わせた電解質からなる添加剤を添加した電解液を用いて金属を電着させる方法(特許文献1参照)、アセチレン基含有化合物を含む無電解めっき液を用いて、無電解めっき法によって金属銅皮膜を形成する方法(特許文献2参照)等も報告されている。
【特許文献1】特開平6−65779号公報
【特許文献2】特開平10−237664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、各種の素材に対して適用可能であって、しかも特殊な装置を用いることなく、安価に実施可能な方法によって、均質で良好な多孔質皮膜を形成できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、電気めっき法を用いて導電性基材にめっき皮膜を形成する際に、めっき浴中に疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物を添加することによって、均質で良好な多孔質めっき皮膜を容易に形成できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記の多孔質めっき皮膜形成用添加剤及び多孔質めっき皮膜の形成方法を提供するものである。
1. 疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物からなる多孔質めっき皮膜形成用の電気めっき浴用添加剤。
2. 疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物が、下記一般式
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、Xは陰イオンである。また、R〜Rの内の2個又は3個が結合して窒素原子と共に複素環を形成してもよい。但し、R〜Rの少なくとも一個は、炭素数6以上のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)で表される化合物である上記項1に記載の電気めっき浴用添加剤。
3. 上記項1又は2に記載の添加剤を含む電気めっき浴中において、電気めっき処理を行うことを特徴とする多孔質めっき皮膜の形成方法。
4. 上記項3の方法で形成された多孔質めっき皮膜を有する物品。
【0011】
本発明では、めっき液に配合する添加剤として、疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物を用いる。
【0012】
この様な水溶性第4級アンモニウム化合物を添加した電気めっき浴を用いて、電気めっき法によってめっき皮膜を形成することにより、均質な多孔質構造を有するめっき皮膜を容易に形成できる。
【0013】
上記したアンモニウム化合物を添加した電気めっき浴を用いることによって多孔質めっき皮膜を形成できる理由については、必ずしも明確ではないが、次のように推測される。
【0014】
即ち、上記したアンモニウム化合物は、めっき液中では可溶性のアンモニウムカチオンを形成し、電気めっきを行う際に、陰極に引きつけられて陰極界面で還元分解される。この際に、非水溶性の疎水性置換基を遊離し、その遊離物質は、非水溶性であることから、めっき液中にはほとんど拡散せず陰極の被めっき物表面に残留する。残留した遊離物質は一種のめっきレジストのような働きをし、その部分のめっき皮膜成長を妨げる。その結果、微細な孔を多数有するめっき皮膜が形成されるものと考えられる。
【0015】
本発明で用いる疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物については、特に限定的ではなく、窒素原子に結合した置換基の少なくとも一個が疎水性基である水溶性を有する第4級アンモニウム化合物であればよい。水溶性を有するアンモニウム化合物の種類としては、例えば、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。また、水溶性を有するピリジニウム塩等の複素環構造を有する化合物も第4級アンモニウム化合物に含まれる。
【0016】
本発明で用いる疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物の好ましい例として、下記一般式
【0017】
【化2】

【0018】
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、Xは、陰イオンである。また、R〜Rの内の2個又は3個が結合して窒素原子と共に複素環を形成してもよい。但し、R〜Rの少なくとも一個は、炭素数6以上のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)で表される4級アンモニウム化合物を挙げることができる。
【0019】
上記したアンモニウム化合物において、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどの直鎖又は分枝を有するC〜C20アルキル基が挙げられる。これらの内で、炭素数が6以上のアルキル基としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどを例示できる。
【0020】
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が例示される。アリール基には、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル、エチル等のアルキル基;トリフルオロメチル等のハロアルキル基;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;フェニル等のアリール基等の置換基が結合していてもよい。置換基の数及び置換位置については特に限定はなく、本発明の効果が妨げられない範囲であればよい。
【0021】
アラルキル 基としては、例えば、2−フェニルエチル、ベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等のC〜C10アラルキル 基などが挙げられる。アラルキル基にもアリール基と同様の置換基が結合していても良い。
【0022】
〜Rの内の2個又は3個が結合して窒素原子と共に複素環を形成した化合物としては、ビリジニウム環を有する化合物等を例示できる。
【0023】
で表される陰イオンとしては、水溶性のアンモニウム化合物を形成し得るものであればよく、例えば、Cl、Br、(SO2−1/2、OH、NO等を例示できる。
【0024】
上記したアンモニウム化合物では、R〜Rの内の少なくとも一個は、炭素数6以上のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であることが必要である。
【0025】
本発明で使用できるアンモニウム化合物の具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、ベンジルピリジニウムクロライド、これらの臭化物、硫酸塩などを例示できる。これらのアンモニウム化合物は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0026】
本発明では、めっき液中におけるアンモニウム化合物の添加量については、特に限定的ではないが、添加量が少ないと、充分な数の孔が得られないために良好な多孔質皮膜を形成できず、一方、添加量が多すぎる場合には、析出ムラが起こり均一な皮膜を得ることが難しくなる。このため、めっき液中におけるアンモニウム化合物の添加量は、0.001〜0.1mol/L程度とすることが好ましく、0.005〜0.05mol/L程度とすることがより好ましい。
【0027】
本発明で使用できるめっき浴の種類については特に限定はなく、各種の公知の電気めっき浴に対して上記した第4級アンモニウム化合物を添加することによって、均質で良好な多孔質めっき皮膜を形成できる。この様なめっき液としては、ワット浴、ウッド浴、スルファミン酸ニッケル浴、有機酸ニッケル浴などの電気ニッケルめっき浴の他に、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴、硫酸スズ浴、メタンスルホン酸スズ浴、塩化亜鉛浴、硫酸亜鉛浴、各種合金めっき浴などを例示できる。
【0028】
これらの電気めっき浴の組成については、特に限定はなく、公知のめっき浴と同様の組成とすればよい。
【0029】
以下、本発明の多孔質めっき皮膜の形成方法に適用できるニッケルめっき浴の好ましい組成範囲及びめっき条件を記載する。
【0030】
1.ワット浴の組成及びめっき条件
硫酸ニッケル〔NiSO4・6H2O〕 200〜380g/L
塩化ニッケル〔NiCl2・6H2O〕 30〜70g/L
ホウ酸 〔H3BO3〕 30〜45g/L
pH 3.0〜4.8
浴温 40〜70℃
陰極電流密度 0.5〜10A/dm2
2.スルファミン酸浴の組成及びめっき条件
スルファミン酸ニッケル〔Ni(NH2SO3)2・4H2O〕 300〜500g/L
塩化ニッケル〔NiCl2・6H2O〕 0〜30g/L
臭化ニッケル〔NiBr2・3H20〕 10〜12g/L
ホウ酸 〔H3BO3〕 30〜50g/L
pH 3.5〜4.5
浴温 25〜70℃
陰極電流密度 2〜40A/dm2
3.クエン酸浴の組成及びめっき条件
硫酸ニッケル〔NiSO4・6H2O〕 200〜380g/L
塩化ニッケル〔NiCl2・6H2O〕 30〜70g/L
クエン酸 12〜21g/L
または
クエン酸3ナトリウム 24〜30g/L
pH 3.0〜5.0
浴温 40〜70℃
陰極電流密度 0.5〜10A/dm2
4.ウッド浴の組成及びめっき条件
塩化ニッケル〔NiCl2・6H2O〕 200〜300g/L
35%塩酸 50〜150ml/L
浴温 20〜30 ℃
陰極電流密度 5〜10A/dm2
また、銅めっき浴の一例として、ピロリン酸銅浴の好ましい組成範囲及びめっき条件を記載する。
5.ピロリン酸銅浴のめっき条件 範囲
ピロリン酸銅〔Cu2P207・3H2O〕 70〜110g/L
ピロリン酸カリウム〔K4P207〕 260〜400g/L
28%アンモニア水 〔NH4OH〕 2〜4ml/L
P比(P207/Cu) 6.5〜8.0
pH 8.2〜8.9
浴温 50〜60℃
陰極電流密度 0.5〜5A/dm2
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、各種の電気めっき浴を用いて、電気めっき処理という比較的簡単な方法によって、特殊な設備を要することなく、均質で良好な多孔質皮膜を形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0033】
実施例1
硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル45g/L、及びホウ酸40g/Lを含有するpH4.2の水溶液からなるワット浴にドデシルトリメチルアンモニウムクロライドを0.02mol/L添加して、多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴を調製した。
【0034】
被めっき物として、ワット浴を用いて厚さ3μmのストライクニッケル皮膜を形成した鋼板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴に浸漬して、空気撹拌下に、液温50℃、陰極電流密度5A/dm2で1分間めっきを行った。
【0035】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で十分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。図1から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質ニッケルめっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【0036】
実施例2
実施例1と同様のワット浴に、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドを0.03mol/L添加して多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴を調製した。
【0037】
被めっき物としては、実施例1と同様の3μmのストライクニッケル皮膜を形成した鋼板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴に浸漬して、無撹拌で、液温55℃、陰極電流密度2A/dm2で3分間めっきを行った。
【0038】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で十分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。図2から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質ニッケルめっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【0039】
実施例3
スルファミン酸ニッケル450g/L、臭化ニッケル10g/L及びホウ酸30g/Lを含むpH4.0の水溶液からなるスルファミン酸ニッケル浴に、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドを0.05mol/L添加して多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴を調製した。
【0040】
被めっき物としては、実施例1と同様の3μmのストライクニッケル皮膜を形成した鋼板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴に浸漬して、空気撹拌下に、液温45℃、陰極電流密度3A/dm2で2分間めっきを行った。
【0041】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で十分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質ニッケルめっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【0042】
実施例4
硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル45g/L、及びクエン酸21g/Lを含むpH4.0の水溶液からなるクエン酸塩浴に、ベンジルピリジニウムクロライドを0.1mol/L添加して多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴を調製した。
【0043】
被めっき物としては、実施例1と同様の3μmのストライクニッケル皮膜を形成した鋼板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴に浸漬して、無撹拌で、液温50℃、陰極電流密度3A/dm2で5分間めっきを行った。
【0044】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、ベンジルピリジニウムクロライドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で十分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。図4から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質ニッケルめっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【0045】
実施例5
実施例1と同様のワット浴に、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドを0.01mol/L添加して多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴を調製した。
【0046】
被めっき物としては、実施例1と同様の3μmのストライクニッケル皮膜を形成した鋼板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用のニッケルめっき浴に浸漬して、無撹拌で、液温55℃、陰極電流密度5A/dm2で1分間めっきを行った。
【0047】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で十分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。図5から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質ニッケルめっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【0048】
実施例6
ピロリン酸銅94g/L、ピロリン酸カリウム340g/L及び28%アンモニア水3ml/Lを含むpH8.8の水溶液からなるピロリン酸銅浴に、ポリリン酸で中和したベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド0.05mol/Lを添加して多孔質めっき皮膜形成用の銅めっき浴を調整した。被めっき物としては圧延銅板を用い、これを上記した多孔質めっき皮膜形成用の銅めっき浴に浸漬して、無攪拌で、液温55℃、陰極電流密度3A/dm2で1分間めっきを行った。
【0049】
めっき後の試験片には撥水性が認められ、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドより遊離した非水溶性物質の残留が確認できた。試験片を純水で充分に洗浄後、加熱乾燥しためっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。図6から明らかなように、めっき皮膜の表面に多数の微細孔が認められ、多孔質銅めっき皮膜が形成されたことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施例1で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】実施例2で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例3で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。
【図4】実施例4で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。
【図5】実施例5で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】実施例6で得られた多孔質ニッケルめっき皮膜表面の走査型電子顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物からなる多孔質めっき皮膜形成用の電気めっき浴用添加剤。
【請求項2】
疎水性基を有する水溶性第4級アンモニウム化合物が、下記一般式
【化1】

(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、Xは陰イオンである。また、R〜Rの内の2個又は3個が結合して窒素原子と共に複素環を形成してもよい。但し、R〜Rの少なくとも一個は、炭素数6以上のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)で表される化合物である請求項1に記載の電気めっき浴用添加剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の添加剤を含む電気めっき浴中において、電気めっき処理を行うことを特徴とする多孔質めっき皮膜の形成方法。
【請求項4】
請求項3の方法で形成された多孔質めっき皮膜を有する物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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