説明

多孔質バイオガラス及び硫酸カルシウムを主成分とする骨代替物

本発明は、粉末状又は顆粒状の多孔質バイオガラス及び粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物を含む、骨代替物用の組成物に関する。本発明は、また骨代替物を形成するための、注入可能な組成物にも係り、該組成物は、添加された10〜50質量%の水と、粉末状又は顆粒状の多孔質バイオガラス及び粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物で構成される上記の如き組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質バイオガラスと硫酸カルシウムとの混合物を含む、骨代替物としての新規な化学的組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
整形外科及び歯科技術分野において見られる骨の欠損は、長きに渡り骨の移植片によって処置されている。この移植片は、患者自身から採取される(自己-移植片)が、これは追加の外科的処置を必然的に含んでおり、あるいは該移植片は、ヒト組織バンク(同種移植片)から得ているが、これは非常に高い費用を要し、また汚染の危険性を含む。また、長期間に渡り、外科学は、化学的な特性を持つ骨代替物に頼ることを試みている。
一世紀以上もの間、硫酸カルシウム(「パリのプラスタ(platre de Paris)」)が、骨の欠損を補償する目的(骨炎の空洞、骨結核における脊椎カリエス等の補填、補綴)で使用されており、かなりの結果をもたらしている。これは、骨の再生に必要な物質(Ca++)及び網状組織(「足場、骨格」)をもたらすが、それにも拘らず、以下のような2つの欠点がある:即ち、これは極めて迅速に吸収され、また骨の増殖を全く刺激しない。
【0003】
その他の化学的代替物も、現実に利用されており、その例は以下の通りである:
・HAP (ヒドロキシアパタイト);
・二相型HAP;
・HAPの炭酸塩;
・β-TCP(二相型リン酸カルシウム);
・DCTD (リン酸二カルシウム2水和物);
・HAP + 珪素;
・HAP + コラーゲン;
・硫酸カルシウム;
・硫酸カルシウム + PLLA;
・バイオガラス(「バイオグラス(bioglassTM)」);
・多孔質バイオガラス;及び
・可能なこれら製品の組合せ。
【0004】
これら製品及び化学的混合物の幾つかは、生物体により極めて僅かに吸収され、またその結果その存在により骨の再生が阻害されるという欠点を持つ。
(HAP、β-TCP及びDCPD)
上記バイオガラスは再吸収性である。該吸収期間は、接触表面積の逆関数である。従って、該生物体の体液との、大きな接触表面積を持つ、該多孔質バイオガラスは、該バイオガラスの総量に反比例して、迅速に吸収されるであろう。
AAOS [アメリカンアカデミーオブオルトペディックサージャンズ(American Academy of Orthopedic Surgeons), 1月(Janv.), 2008]によって記載され、市販されている47種の骨代替物の中で、理想的な骨代替物に相当するものは一つもない。
この領域における他の参考文献は、以下の通りである:
【0005】
Kelly, C.M.等,「骨移植片代替物としての、外科用グレードの硫酸カルシウムの使用(The use of a surgical Grade Calcium Sulfate as a Bone Graft Substitute)」, Clin. Orthop. Rel. Res. 382, 2001, pp 42-50;Peltier, L. F.,「骨中の欠陥を満たすための、パリのプラスターの使用(The Use of Plaster of Paris to Fill Defects in Bone)」, Clin.Orthop. Rel. Res.21, 1961, pp. 1-31。
Alexander, D.等,「硫酸カルシウム+分解骨の、腰椎及び腰仙脊椎融合術における効力:40名の患者における主な結果(Efficacy of Calcium Sulfate Plus Decompression Bone in Lumbar and Lumbosacral Spinal Fusion:Preliminary Results in 40 patients)」, Can. J. Surg., 44(4), 2001, pp. 262-266。
Schepers等,「限られたサイズの領域における対生物活性ガラス粒子:骨欠損修復のための新たな材料(Bioactive Glass Particles on Narrow Size Range : A New Material for the Repair of Bone Defects)」, Implant Dent. 1993, 2, 151-156。
【0006】
かくして、理想的な代替物の必要とする諸性能が、以下に列挙する様な性能であることが容認される:
1. 骨物質(CA++)をもたらすものであること;
2. 骨の伝達、即ち骨再生用の支持体の生成を可能とする、網状組織(「足場、骨格」)をもたらすものであること;
3. 該代替物の存在が、該骨再生に対して何ら妨害しないように、適切な期間に渡り吸収性であること;
4. 骨生成の誘発をもたらす、即ち骨細胞の発生を助長しつつ、該骨再生を刺激するものであること;
5. 調製段階中に、展性であり、かつ同時に、注射器又はトロカールを用いて注入可能であること;
6. 篩骨の圧迫と同様な、圧迫に対する力学的抵抗性と共に、迅速な力学的凝固性(速乾性)を示すものであること。
【0007】
哺乳動物(例えば、ヒト)の生体内に移植するのに適している、化学的な製品としては、以下に列挙するものを挙げることができる:
1. バイオガラス(SiO2、CaO、Na2O、P2O5)又は「ビオグラス(Bioglass) 45S5TM」:
・骨生成刺激剤;
・骨の材料であるカルシウム及びリンをもたらす;
・しかし、吸収性は低く、しかも非-展性である。
2. 多孔質バイオガラス(文献:INSAによるWO 2006/018531 A2及びUS 2008/0038534 A1等において定義されているようなもの、又は文献:US 2007/0162151 A1、US 5 648 301 A、US 5 676 720 B1、US 6 406 498 A及びUS 6 413 538 B1等において定義されているようなもの):
・該バイオガラスの孔の大きさに応じて、これは、骨細胞の再生のための骨の伝達性を与える;
・これは、強力な骨の誘発源であり;
・該生物体の体液との大きな接触面積は、密なバイオガラスよりも迅速な、吸収性を与える。
【0008】
医学的品位の硫酸カルシウム(CaSO4、「パリのプラスター(platre de Paris)」)は、一世紀以上の期間に渡り、骨の欠損を補綴(補填)するための骨代替物として使用され、かなりの結果をもたらしている。これは、骨の再構築に必要なカルシウムをもたらし、これは骨伝達剤であり、これは展性であり、注入可能であり、迅速な力学的凝固性をもたらし、また迅速に吸収される(4〜8週間で)。
これは、実際に以下のような名称の下に骨代替物として、広範に使用され、また市販されている:
・サージプラスタ(Surgiplaster)(オルトゲン社(Orthogen Corporation));
・カルセオン(Calceon) 6 (シンセス(Synthes) USA);
・セラプラスト(Ceraplast) (セラバー(Ceraver)社);
・サージカルプラスタ(Surgical plaster) (ACE CO);
・オステオセット(Osteoset)(ライトメジカルテクノロジーズ(Wright Medical Technologies)社);
・MIIG 115 (ライトメジカルテクノロジーズ(Wright Medical Technologies)社);
・MIIG x 3 (ライトメジカルテクノロジーズ(Wright Medical Technologies)社);
【0009】
その幾つかは、以下の特許の対象となっている:
・US 5,614,206;
・US 5,807,567;
・US 6,030,636;
・US 6,652,887。
上記2つの化学的製品、即ち該バイオガラス及び硫酸カルシウムは、これらの混合物が、前に定義したような理想的な骨代替物に行きつくためには、先験的に、捕捉を必要とするものと思われる。
しかし、バイオガラス原料の顆粒とプラスタとの混合物並びに調合品は、不適当であることが確認されている。というのは、該バイオガラス原料の存在下で、CaSO4の凝固は実現されないからである。
【0010】
これに対して、文献WO 2006/018531 A2において定義されているような、バイオガラス原料から得た多孔質バイオガラスは、顆粒形状において、幾つかの条件下において、該硫酸カルシウムと共に、注入可能であり、かつ迅速凝固性であって、その際に優れた機械的な抵抗性をもたらす混合物を実現できることが、確認された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、多孔質バイオガラスの顆粒及び硫酸カルシウムを含む、上記の如き組成物に係り、またより詳しくは、粉末状又は顆粒状の多孔質バイオガラス及び粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物を含む、骨代替物用の粉末組成物に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の好ましい一特徴によれば、該組成物は、バイオガラス1質量部に対して、0.25〜5質量部なる範囲の硫酸カルシウムα-半水和物を含む。
本発明のもう一つの好ましい特徴によれば、該多孔質バイオガラスの粒度は、0〜1,000μmなる範囲(より特定的には、1〜1,000μmなる範囲)にある。
第一の材料、即ち該多孔質バイオガラス(例えば、「ノラカー(Noraker)」社により提供された)は、様々なサイズを持つ顆粒形状であり得、以下のものが知られている:
・1〜90μmなる範囲の粒度を持つもの;
・90〜200μmなる範囲の粒度を持つもの;
・200〜300μmなる範囲の粒度を持つもの;
・300〜900μmなる範囲の粒度を持つもの;及び
・望ましいその他の粒度を持つもの。
本発明によれば、該多孔質バイオガラス顆粒のサイズは、極めて大きい。
【0013】
事実、1〜90μmなる範囲の粒度を持つ顆粒は、生成する混合物の極めて低い凝固性を示す。さらに、900μmの該顆粒は、生成する該混合物の良好な凝固性を示すが、その極めて大きなサイズのために、該混合物の注入性が犠牲となる。
本発明の好ましい一特徴によれば、該多孔質バイオガラス顆粒の理想的なサイズは、100〜300μmなる範囲にある。
該組成物の第二の物質、即ち硫酸カルシウムの半水和物は、微細な粉末形状を呈し、これは、水と混合した際に、化学的な反応により、極めて機械的抵抗性の高い硫酸カルシウム2水和物を与える。
該硫酸カルシウムの半水和物は、2つの結晶形状、即ちα-半水和物及びβ-半水和物として存在する。該α-半水和物は、水と混合した後に、該β-半水和物よりも一層堅固な2水和物を与え、またインビボにおいては、一層穏やかな(β-型に対しては30日程度及びα型に対しては50日程度の)吸収性を持つであろう。
【0014】
従って、本発明の組成物にとっては、α-型の半水和物であることが絶対的に必要である。
後者は、特に2水和物を加熱する方法によって、あるいはまた化学的な方法(希硫酸溶液中で加熱することによる、2水和物の脱水)によって得ることができる。
α-半水和物の粉末は、特に、ライフコア(Lifecore)、シャスカ、ミン(Chaska, Minn)から、カプセット(CAPSETTM)なる名称のもとに市販されている。
その強固な凝固を短期間のうちに実現するためには、凝固促進剤を添加することが、極めて好ましいことが明らかとなる。
本発明の好ましい特徴の一つに従えば、本発明の組成物は、従って、以下に列挙するものから選択される、少なくとも一つの凝固促進剤を含む:
【0015】
・NaCl;
・該半水和物の、1〜15質量%なる範囲内で変動する量の、微粉砕された(50μm未満の粒子サイズ)該2水和物。タンパク質を含む環境内で、該混合物の凝固は、何れにしても、2水和物の存在を必要とする。
該硫酸カルシウム2水和物は、好ましくは10〜100μmなる範囲の粒度を持つ。
シャスカ、ミン(Chaska, Minn)のライフコア(Lifecore)社は、ハプセット(HAPSETTM)なる名称のもとに、予め2水和物を充填したα-半水和物を供給している。
本発明による粉末状の組成物は、該硫酸カルシウムα-半水和物に対して、好ましくは1〜15質量%の硫酸カルシウム2水和物を含んでおり、またより詳しくは、
該混合物の、20〜80質量%なる範囲の量の、粉末又は顆粒状の多孔質バイオガラス;
該混合物の、20〜80質量%なる範囲の量の、硫酸カルシウムα-半水和物;
該混合物の、1〜15質量%なる範囲の量の、硫酸カルシウム2水和物;及び
場合により該混合物の、0〜2質量%なる範囲の量のNaClを含む。
【0016】
使用される該多孔質バイオガラスは、100〜1,250μmなる範囲の平均径を持つ巨大孔及び5μmに等しいかあるいはそれ未満の平均径を持つ微小孔を含むと共に、好ましくは50〜80%なる範囲の多孔度(幾何学的な方法で測定された)を有し、また好ましくは40〜55質量%なる範囲のSiO2含有率、15〜25質量%なる範囲のCaO含有率、15〜25質量%なる範囲のNa2O含有率、及び1〜9質量%なる範囲のP2O5含有率を持つ。
本発明において好ましい粉末状の組成物は、以下の成分を含む:
1. 該混合物に対して、20〜80質量%なる範囲の割合の、顆粒状(10〜900μmなる範囲の粒度を持つ)の多孔質バイオガラス;
2. 該混合物に対して、20〜80質量%なる範囲の割合の、粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物;
3. 該混合物に対して、1〜15質量%なる範囲の割合の、(微粉末状の)硫酸カルシウム2水和物;
4. 場合により、該混合物に対して、0〜2質量%なる範囲の割合のNaCl、及び
5. 場合により、該混合物に対して、0〜2質量%なる範囲の割合の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース。
【0017】
該処方物は、以下のような方法によって製造することができる:CaSO4α-半水和物の粉末及びCaSO42水和物及び多孔質バイオガラスの顆粒を、容器内で、室温にて、乾式混合する。場合により、この混合物に、NaCl及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
本発明は、また注入可能な骨代替物用の組成物にも係り、該組成物は、周囲温度にて脱イオン水と混合された、上記のような粉末状の組成物を含む。
この処方物は、好ましくは30秒間に渡り混合される。
本発明による、注入可能な骨代替物にとって好ましい組成物は、以下の成分を含む:
【0018】
1. 該混合物に対して、20〜80質量%なる範囲の割合の、顆粒状(10〜900μmなる範囲の粒度を持つ)の多孔質バイオガラス;
2. 該混合物に対して、20〜80質量%なる範囲の割合の、粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物;
3. 該混合物に対して、1〜15質量%なる範囲の割合の、(微粉末状の)硫酸カルシウム2水和物;
4. 適当な量の脱イオン水(好ましくは、乾燥状態にある該混合物の、10〜50質量%なる範囲の量);
5. 場合により、該混合物に対して、0〜2質量%なる範囲の割合のNaCl、及び
6. 場合により、該混合物に対して、0〜2質量%なる範囲の割合の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース。
【0019】
NaCl及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加した又は添加されていない、CaSO4α-半水和物、CaSO42水和物、多孔質バイオガラスの顆粒及び脱イオン水を含む混合物の凝固は、以下の3段階となる:
・これらの成分を混合した後、該組成物は可塑性かつ注入可能となり、これは数分かかる。
・次いで、「初期凝固の瞬間」が現れる(「初期硬化時間」=IST):
この組成物は、最早展性でも注入可能でもないが、圧縮下では、依然として凝固することはない。
・追加期間(5〜15分間)の経過は、最終的な硬化をもたらし(「最終硬化時間」=FST)、スポンジ状の多孔質の骨の耐性と同様に、圧縮(1MPa程度)に対して抵抗性を示す。1時間後には、該抵抗性は8MPaに達する。
随意のヒドロキシプロピルメチルセルロースの添加は、該混合物の注入性を高めることを可能とする、可塑剤として挙動する。該NaClは、凝固を助ける促進剤として使用することができる。
本発明による骨代替物用のこれら組成物は、注入可能であり、骨伝達体であり、骨誘発体であり、吸収性であり、骨の機械的な抵抗性に近い機械的な抵抗性をもたらす。
【実施例】
【0020】
実施例1
本発明による注入可能な骨代替物用の組成物は、以下の成分を用いて製造することができる:
・10gの、100〜300μmなる粒度を持つ、顆粒状多孔質バイオガラス;
・10gの、硫酸カルシウムα-半水和物;
・1gの、硫酸カルシウム2水和物の微粉末;
・12gの脱イオン水。
初めの3種の材料を、乾式混合し、次いで該水を添加し、30分間混合する。
注入可能性は、4分間維持可能(凝固時間:ISTまで)である。頑強な凝固は、10分で生じる(FST)。
【0021】
実施例2
本発明による骨代替物用の、もう一つの組成物は、以下の成分を用いて製造することができる:
・10gの、100〜300μmなる粒度を持つ顆粒状多孔質バイオガラス;
・20gの、硫酸カルシウムα-半水和物;
・2gの、硫酸カルシウム2水和物;
・0.1gのNaCl。
注入可能性は、4分間維持可能であり、また17分後に頑強な凝固が起る。
【0022】
実施例3
本発明による、注入可能な骨代替物用の組成物は、実施例2におけるようにして製造することができ、その際に、1gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加する。
上記初期凝固(IST)前の製造段階中の、実施例1〜3による混合物の粘度は、注射器による注入を可能とし、あるいは充填用のパテとして扱うことを可能とするような値である。
該混合物の凝固の際の僅かな発熱反応(40℃以下)は、該混合物への薬剤の配合を許容する。例えば、抗生物質(ゲンタマイシン、トブラマイシン、セファロスポリン類、バンコマイシン等);化学療法剤(シスプラチン、メトトレキセート、イソフォスファミド(Isofosfamide)等);鎮痛剤(リドカイン等)を配合できる。
【0023】
該組成物の上記2種の主成分は、哺乳動物(例えば、ヒト)の生物体内に移植した後、様々な吸収速度を持つであろう。
該硫酸カルシウムが、最初に吸収されて、約50日で消失し、またこの吸収は、これが極めて遅いので、徐々に組織と該多孔質バイオガラスとの接触をもたらし、その骨形成の刺激作用を発揮することを可能とする。従って、上記2つの成分の徐々に増大する吸収は、骨の再生速度に対応する速度となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオガラスを主成分とする、骨の代替物としての粉末状の組成物であって、該組成物が、粉末状又は顆粒状の多孔質バイオガラス及び粉末状の硫酸カルシウムα-半水和物を含むことを特徴とする、前記粉末状組成物。
【請求項2】
前記組成物が、前記バイオガラス1部に対して、0.25〜5部なる範囲の量の、前記硫酸カルシウムα-半水和物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記多孔質バイオガラスの粒度が、0〜1,000μmなる範囲内にある、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、微粉末状の硫酸カルシウム2水和物及び塩化ナトリウムから選択される、少なくとも1種の凝固促進剤を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記硫酸カルシウム2水和物が、10〜100μmなる範囲内の粒度を持つ、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、前記硫酸カルシウムα-半水和物に対して、1〜15質量%なる範囲内の量で、前記硫酸カルシウム2水和物を含む、請求項4又は5記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、該混合物の、20〜80質量%なる範囲内の量の、粉末状又は顆粒状の多孔質バイオガラス;
該混合物の、20〜80質量%なる範囲内の量の、硫酸カルシウムα-半水和物;
該混合物の、1〜15質量%なる範囲内の量の、硫酸カルシウム2水和物;及び
場合により、該混合物の、0〜2質量%なる範囲内の量の、NaCl
を含有する、請求項4〜6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記多孔質バイオガラスが、100〜1,250μmなる範囲の平均径を持つ巨大孔及び5μmに等しいかそれ未満の平均径を持つ微小孔を含むと共に、50〜80%なる範囲の、(幾何学的方法により測定した)多孔度を持つ、請求項1〜7の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記多孔質バイオガラスが、40〜55質量%なる範囲のSiO2含有率、15〜25質量%なる範囲のCaO含有率、15〜25質量%なる範囲のNa2O含有率、及び1〜9質量%なる範囲のP2O5含有率を持つ、請求項1〜8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項10】
水及び請求項1〜9の何れか1項に記載の粉末状組成物の混合物を含むことを特徴とする、注入可能な骨代替物としての組成物。
【請求項11】
注入可能な骨代替物としての組成物であって、乾燥物質の量に対して、10〜50質量%なる範囲の量の水を含む、前記組成物。
【請求項12】
前記組成物が、0.1〜2質量%なる範囲内の量のNaClを含む、請求項10又は11記載の組成物。

【公表番号】特表2012−500693(P2012−500693A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524344(P2011−524344)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060874
【国際公開番号】WO2010/023179
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511051731)
【Fターム(参考)】