多孔質拡散反射器を有するLED

【課題】フォワード電圧に不利に影響を与えることなく、GaP系のLEDの光抽出効率を増加させる技術が必要とされている。
【解決手段】一つの実施例において、AlInGaPのLEDは、底部n型層、活性層、上部p型層、及び上部p型層の上に厚いn型GaP層を含む。この場合、厚いn型GaP層は、電気化学的エッチング処理を受け、これにより、n型GaP層は、多孔質且つ光拡散的になるようにされる。多孔質n型GaP層の下に位置するp型GaP層への電気的接触は、多孔質層を通ずる金属充填ビアを設けることによって行われる、又は、多孔質領域間におけるGaP層の非多孔質領域を通じて電気的接触が行われる。LEDチップは、補助装着具に装着され得、多孔質n型GaP層層は補助装着具の表面に面する。空孔及び金属層は、光を反射及び拡散し、このことは、LEDの光出力を大いに増加させる。LED構造の他の実施例も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、特に、実質的に何のフォワード電圧降下も加えない光拡散層を設けることによって、動作電圧を増加させることなく、LEDの光抽出効率を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
概ね、LEDを形成するのに使用される材料が放射波長を決定する。光生成活性層に関する一つのIII-V族組成は、AlInGaPである。このようなLEDは、通常、赤色から黄色の範囲における光を生成する。活性層は、p型クラッド層及びn型クラッド層間に狭装され、ヘテロ構造を生じさせる。LED層は、通常、GaAs成長基板との格子マッチング及び所望なバンドギャップなどの様々なよく知られる因数に依存して、可変パーセンテージのAl及びInを有するアルミニウム・インジウム・ガリウム・リン化物(AlInGaP)を含む。GaAsは可視光を吸収し、そしてGaAsが成長処理の終わりにおいて除去され、透明GaP(0%Al及びIn)基板で置換されることは一般的である。
【0003】
GaP系の材料は、相対的に高い屈折率(約3.5)を有する。そうであるので、スネル(Snell)の法則に従うと、光線が約17度の法線(臨界角)内でLEDの壁部に入射しない場合は、光線は、LED内において内部的に反射される。光は、放射される又は吸収されるまで、LEDの内部壁から反射する。LEDチップが実質的に直線的であるので、反射光は、多重反射の後でさえも入射角を繰り返す。各内部反射に関して、光は減衰されていく。したがって、活性層によって放射された光を、内部反射を最小にして抽出することが望ましい。封止後におけるGaP系のLEDの効率は、約14%であり、このことは、LEDに入る7つの電子毎に関して、1つの光子のみがLEDから放射されることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォワード電圧に不利に影響を与えることなく、GaP系のLEDの光抽出効率を増加させる技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施例において、従来のAlInGaPのLEDがGaAs基板において形成され、この場合、LED層は底部n型AlInGaPクラッド層、活性層、上部p型AlInGaPクラッド層、及び上部p型GaP層を含む。LEDからの光抽出を増加させるために、厚いn型GaP層が上部p型GaP層に形成される。厚いn型GaP層は、その後、n型GaP層が多孔質、反射的、及び光拡散的になるようにさせる電気化学的エッチング処理を受ける。電気化学的エッチングは、実質的にn型材料にのみ影響を与える。
【0006】
多孔質層は、非多孔質層と比較されて、増加された電気抵抗を有し、このことは、多孔質層が電流経路に使用された場合にLEDのフォワード電圧の増加を生じさせる。多孔質層によるいかなるフォワード電圧の降下をも防ぐために、非多孔質層を露出させるために多孔質層においてビアがエッチングされ、ビアの中に及び多孔質層にわたり、下に位置するp型層への直接電気接触をさせるための金属が堆積される。
【0007】
一つの実施例において、光吸収GaAs成長基板は、全ての層が成長された後に除去され、そして、ウェハ接合されるGaP基板で置換される。
【0008】
「底部」n型AlInGaP層に関する電気コンタクトは、ウェハ接合GaP基板に形成され得(nコンタクト及びpコンタクトは対向する表面にある)、又はLEDチップはp及びn金属コンタクトが同一の表面に形成されるフリップチップであり得る。
【0009】
光が活性層によって生成される場合、多孔質層に入射する光は反射及び散乱され、反射光がLEDから脱出する機会を増加させる。対照的に、通常の従来技術のLEDにおいては、入射角は反射角と等しく、これにより、反射光線がLEDを抜け出るための臨界角内にあることがなくなる。ここで説明される電気的接触スキームは、LEDのフォワード電圧を実質的に増加させることなく多孔質層の使用を可能にする方法である。金属において常に特定の電気抵抗は存在するものの、フォワード電圧におけるいかなる増加もささいなものであり、おおよそ0である。
【0010】
別の実施例において、(p型GaP層を覆っており、多孔質にされる前である)上部n型GaP層は、n型GaP層の上部表面の一部を露出させるためにマスクされる。
【0011】
露出されたn型GaP領域は、その後、それらのn型GaP領域を多孔質に及び光拡散的にするために、電気化学的エッチングを受ける。その後、誘電性/金属層スタックが、多孔質領域のみを覆うように堆積及びパターン化され得、この場合、誘電性/金属層は、多孔質領域を通過する光に関する反射器として作用する。その後、レジストが除去され、上部表面は、p型ドーピング(例えばZn)を受け、この場合、p型ドーパントは、露出された非多孔質n型GaP部分へ拡散し、これらの部分はp型に変換される。その後、金属層がp型部分及び誘電性/金属層の上部表面に形成される。金属及び非多孔質n型部分間において直接接触がされるので、多孔質部分を通じて何の電流も流れず、これにより、フォワード電圧降下の増加は存在しない。したがって、この実施例において、非多孔質n型層と接触するためのビアは必要とされない。
【0012】
別の実施例において、GaAs成長基板は、底部n型AlInGaP層、活性層、上部p型AlInGaP層及び上部p型GaP層を形成した後に除去される。成長基板は、その後、n型AlInGaP層と直接接触するn型GaP基板と置換される。GaP基板は、その後、多孔質層を形成するために、電気化学的エッチングを受ける。その後、金属充填ビアが、n型AlInGaP層と直接接触するために、多孔質層を通じて形成され、これにより、多孔質層にわたりフォワード電圧降下は存在しない。多孔質層における金属層は、カソード電極を形成するためにビアと接触する。
【0013】
別の実施例において、p型AlInGaPクラッド層は、GaAs基板において成長され、その後、活性層、n型AlInGaPクラッド層、及び上部n型GaP層を成長することが続く。n型GaP層は、その後、電気化学的エッチングを用いて多孔質にされる。その後、金属充填ビアが多孔質層を通じるように形成され、これにより、高抵抗多孔質層には電流は流れないようにされる。GaAs基板は、p型層の上部において光が抜け出るのを可能にするために除去される。電気コンタクトがp型層に作製される。
【0014】
光抽出表面において反射防止コーティングが、より優れた抽出を達成するために、多孔質層と組み合わせられ得る。反射防止コーティングは、多孔質層によってもたらされる内部散乱がない場合、長方形チップの性能を向上させるための費用効果的な手段ではない。
【0015】
全ての実施例は、フリップチップであり得る、又はLEDの対向する表面にアノード及びカソードを有し得る。
【0016】
チップは、長方形である、又は、光抽出を更に増加させるために成形され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の一つの実施例におけるGaAs成長基板において成長される様々なAlInGaP半導体層を断面的に例示する。
【図2】図2は、光吸収GaAs基板の除去及び透明GaP基板のウェハ接合を例示する。
【図3】図3は、光拡散的であるように上部n型GaP層を多孔質にする電気化学的処理を例示する。
【図4】図4は、図3の処理の後に生じるLEDチップを例示する。
【図5】図5は、下に位置するp型層に延在するビアを形成するための多孔質n型GaP層の選択的エッチングを例示する。
【図6】図6は、覆っているp型層に延在するビアを形成するための多孔質n型GaP層の選択的エッチングを更に例示する。
【図7】図7は、多孔質n型GaP層を通ずる金属充填ビアの格子配置を示すLEDチップの上面図である。
【図8】図8は、多孔質n型GaP層を通ずる金属充填ビアのドット配置を示すLEDチップの上面図である。
【図9】図9は、p型層に電気的に接触させるためにビアにおいて金属を堆積させるステップを示す。
【図10】図10は、n型金属コンタクトを形成した後であって、LEDダイがウェハから分離されそして補助装着具に装着された後に、生じるチップを例示する。
【図11】図11は、補助装着具に装着されたLEDチップのフリップチップの実施例を例示する。
【図12】図12は、本発明の一つ実施例に従いLED構造を形成するのに使用される全般的な処理のフロー図を示す。
【図13】図13は、多孔質光拡散層及びn型/p型変換処理を用いたLED構造の別の実施例であって、多孔質n型GaP層の下に位置するp型GaP層と接触するために金属充填ビアが使用されない、実施例を例示する。
【図14】図14は、多孔質光拡散層及びn型/p型変換処理を用いたLED構造の別の実施例であって、多孔質n型GaP層の下に位置するp型GaP層と接触するために金属充填ビアが使用されない、実施例を更に例示する。
【図15】図15は、多孔質光拡散層及びn型/p型変換処理を用いたLED構造の別の実施例であって、多孔質n型GaP層の下に位置するp型GaP層と接触するために金属充填ビアが使用されない、実施例を更に例示する。
【図16】図16は、成長基板が除去され、n型GaP基板がn型AlInGaP層へウェハ接合され且つ多孔質にされ、金属充填ビアがn型AlInGaP層に接触させるために多孔質層を通じて形成される、本発明の別の実施例を例示する。
【図17】図17は、p型AlInGaPクラッド層、それに続いて活性層、n型AlInGaPクラッド層及びn型GaP層が成長基板において成長され、上部n型GaP層がその後多孔質にされる、本発明の別の実施例であって、金属充填ビアが、覆っているn型AlInGaP層に接触させるために多孔質層を通じて形成され、成長基板が、p型層表面を通じて光が抜け出るようにするために除去される、実施例を例示する。
【図18】図18は、LEDがフリップチップであること以外は、図17と類似する図である。
【図19】図19は、GaAs成長基板が、LEDダイが補助装着具に装着された後にのみ除去され(例えば、エッチング除去)、これにより、非常に薄いLED構造を生じさせること以外は、図11と類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
同一又は類似の要素は、図において、同一の参照符号が記されている。
【0019】
本発明は、いかなる種類のGaP系のLEDをも論じ得るが、ほんの数例のLEDのみが説明される。LED層は、従来技術を用いて成長され得るが、正確な組成及び厚さは、本発明には関連しない。例示に使用される電気化学的エッチング及び多孔質層の様々な詳細は、John Epler等による、米国特許出願書類第11/423,413号、2006年6月9日出願、題名「Semiconductor Light Emitting Device Including Scattering Layer」に記載されており、本出願人に割り当てられており、参照として完全に組み込まれる。
【0020】
図1において、薄いInGaP停止層12は300ミクロン厚さのGaAs基板14に成長される。停止層12は、光吸収GaAs基板をエッチング除去した後に活用される。
【0021】
1.5ミクロン厚さのn型AlInGaP層16は、停止層12において成長され、その後に、0.5ミクロン厚さのAlInGaP活性層16の成長が続く。活性層の組成は、LEDによって放射される光の波長に影響を与える。活性層18は、よく知られるように、多層を含み得る。1.0ミクロン厚さのp型AlInGaP層19は、その後、活性層18に成長される。2.0ミクロン厚さのp型GaP層20は、層19に成長される。上記の層は、全ての金属有機物化学蒸着(MOCVD)を用いて成長される。層16及び19は、閉じ込め層又はクラッド層と呼ばれる。各層は、応力の低減、バンドギャップの変化、電流拡散、又は他の目的に関する多重の層を含み得る。
【0022】
次に、30ミクロン厚さのp型GaP層22が蒸気層エピタキシ(VPE)によって成長され、その後、20ミクロン厚さのn型GaP層24が続き、同様にVPEによって形成される。層22及び24は、略して、p型GaP層22及びn型GaP層24としても以下において呼ばれる。厚いp型GaP層22の一つの有益な点は、電流拡散に関してである。別の実施例において、n型GaP層24の直接下に位置する層は、p型クラッド層20である。n型GaP層24は、好ましくは、多孔質にされた後に、適切な光拡散に関して、5ミクロンより大きい。
【0023】
図2において、GaAs基板14は、化学的エッチングを用いてエッチング除去され、この場合、InGaP層12が停止層として作用する。その後、例えば、200ミクロン厚さより大きい透明GaP基板26が、InGaP停止層12へウェハ接合される。GaAs基板14の除去及びGaP基板26のウェハ接合は、GaPベースのLEDを形成する場合において慣習的である。GaAs基板14は、ポリッシュ研磨又はイオンエッチング/ミリングを含む他の様々な方法を用いて除去され得る。GaP基板26の接合は、熱及び圧力を用いて達成され得る。GaP基板26の結晶方位は、接合点における電気伝導性を最大化させるために、InGaP層12の結晶方位と一致されるべきである。GaAs基板の除去及びGaP基板のウェハ接合ステップは、LED加工処理においていずれかの他の時点においても実行され得る。GaP材料以外の基板も使用され得る。基板除去及びウェハ接合、並びにAlInGaPのLEDを形成することは、Fred Kish等による米国特許第5,376,580号に記載されており、本文書において参照として組み込まれ得る。
【0024】
後に続く図面において、p型GaP層20及び22は、簡素化のために単一の層22へまとめられる。
【0025】
図3において、1.0E17〜1.0E19/cm3の好ましいドーパント密度を有するn型GaP層24が、電解液を用いた電気化学的エッチング処理により多孔質にされる。一時的電気コンタクト28が、従来の金属沈着処理によってn型GaP層24の表面に形成される。GaP層24に対する電気的コンタクトは、他の方法においても達成され得る。一時的テフロン(登録商標)保護層29は、GaP層24の上部部分のみを電解液へ露出させるために、LEDに設けられる。テフロン(登録商標)保護層29は、ウェハに関して再利用可能な支持構造の一部であり得る。少なくともn型GaP層24は、電解液として5%の硫酸の酸浴槽30に浸される。プラチナ電極32(反対電極)及び飽和カロメル電極(SCE)33(参照電極)も、浴槽に浸される。直流電圧供給源31は、GaP層24と、SCE33に参照がされるプラチナ電極32との間に約10〜15ボルトを印加する。電流は、約50mA/sq.inchである。時間が経過すると、n型GaP層24とプラチナ電極32との間の電流によって引き起こされた電気化学的反応は、n型GaP層24の厚さ全体を通ずる(中空管のような)垂直空孔をエッチングする。各空孔は、GaP層24における表面欠陥においてサブミクロンのピットでエッチングする。エッチングされたGaP材料は、浴槽溶液に流れる。これらの空孔は、約150nmの直径を有し、ほぼ均等に間隔を開けられ(例えば、0.5〜1.0ミクロン離れて)、そして多孔質n型GaP層24の容積の約15%〜75%を含む。別の実施例において、空孔は、n型GaP層24の容積の約10%より多いいずれかの量を含み、かなりの光拡散をなお提供する。空孔は、実質的に、空孔がp型GaP層22に達した後に自己終端する。LEDチップの残りは、電気化学的処理に反応しない。電流密度、ドーパント密度、厚さ、伝導性の種類、エッチャント溶液、及びバイアス電圧は、空孔密度及びサイズに影響を及ぼす。
【0026】
空孔サイズを増加させる任意選択的なステップにおいて、電気化学的エッチングされるウェハは、Xeランプからの50mW/cm2のサブバンドギャップ光を用いて、SCEに参照された2ボルトの印加正電位の下で、H2O:H2SO4:H2O2へ露出される。印加電位は、上述のエッチング処理が生じるのには低過ぎであり、サブバンドギャップ光は、電解液−半導体界面においてのみ吸収され、これにより、一次効果は、第1ステップにおいて規定される層の空孔率を増加させることである。空孔率の程度は、光強度、エッチャント濃度、及び基板パラメータの関数である時間平均電流密度によって決定される。
【0027】
図4は、n型GaP層24を通って延在する垂直空孔34を示す、生じるLEDチップの断面図である。
【0028】
図5において、多孔質n型GaP層24は標準的なフォトリソグラフィック技術を用いてフォトレジスト36で選択的にマスクされ、この場合、マスクにおける開口は、下に位置するp型GaP層22への電気的コンタクトを提供するために伝導性ビアが形成されるべき場所を規定する。反応性イオンエッチング(RIE)は、多孔質n型GaP層24を貫通するビアをエッチングするために実行される。光化学的エッチング方法も、ビアをエッチングするのに使用され得る。一つの実施例において、ビアは、30ミクロン離れて間隔を取られており、各ビアの直径は5ミクロンである。
【0029】
図6は、図5の処理によって形成されるビア38を例示する。ビアは、例えば、図7の上面図によって示されるグリッド40(黒線がn型GaP層24においてトレンチされている)又は図8に示されるドット42の配列など、いかなるパターンであってもよい。
【0030】
図9において、金属(例えば、AuZn)は、ビア38を充填し且つ金属層44をn型GaP層24に形成するために、いずれかの適切な従来技術(例えば、スパッタリング)を用いて、多孔質n型GaP層24の表面に堆積される。AuZn層はスパッタリングを用いてTiWのバリア層で覆われ、その後に、半田又は超音波溶接用の接合金属としてAuの層が続く。ビアによる金属層44におけるいかなる浅いくぼみも簡素化のために示されてない。
【0031】
図10に示されているように、その後、金属コンタクト46が、n型AlInGaP層16への電気的コンタクトを作製するために伝導性GaP基板26に形成される。コンタクト46は、蒸発を用いて形成されるAuキャップ部を含むAuGeであり得る。
【0032】
LEDを含むウェハは、その後、印を付けられ折られる、又は切断され、LEDダイに単体化される。各LEDダイは、その後、補助装着具48に装着される。一つの実施例において、補助装着具48における金パッドは、LEDダイにおける金属層44へ超音波溶接される。補助装着具48の本体は、セラミックなどの電気絶縁体である。補助装着具48における金属パターンは、ダイの下から延在し、ワイヤ52への接続のための接合パッド50において終端する。ワイヤ54も、nコンタクト46へ接合される。n電極金属は、活性層18において拡散する適切な電流を提供するように光が放射されるようにするために、他の形態でもあり得る。ワイヤ50及び52は、LEDダイに関する電源供給源へ結合される。
【0033】
活性層18によって放射される光は、GaP基板26を通じて直接放射される、又は光がダイの内部表面の1つ又は複数から反射された後に放射される。多孔質n型GaP層24に入射するいかなる光も、空孔によって拡散的に反射される。ビアを通ずる金属も光を反射する。実質的に何の光も、n型GaP層24を通ずる反射的金属層44へ達しない。金属層44へ当たるいかなる光も、活性層へ反射され、更に、n型GaP層24により拡散される。光の拡散は、LED構造の光抽出効率を30%ほど増加させるように決定されている。したがって、従来のAlInGaPのLEDの抽出効率が14%である場合、多孔質n型GaP層24の追加は、動作フォワード電圧において何の増加もなしに、効率を約18%へ増加させる。
【0034】
別の実施例において、図11に示されるように、LEDダイは、フリップチップとして形成され、この場合、n及びpコンタクトは、補助装着具48に面する同一の表面に形成される。n型AlInGaP層16への直接的なコンタクトを形成するために、多孔質n型GaP層24、p型GaP層22及び活性層18を通ずるビアがエッチングされる。その後、プラズマ蒸着により形成されるケイ素窒化物などの、絶縁材料62が、ビアの内部壁に形成される。その後、ビアは、補助装着具への取付けに関するn及びpコンタクト60が実質的に平面であるように、蒸発によって金属64で満たされる。コンタクトは、その後、補助装着具60において金パッドへ超音波溶接される。超音波溶接の代わりに、半田又は他の接合材料が使用され得る。補助装着具60における金属パターンは、ワイヤ70及び72に関するn及びpコンタクト66及び68を含む。補助装着具及び電源間の電気接続の他の形態も使用され得、例えば、補助装着具を、補助装着具が回路基板におけるパッドへの直接接合に関して底部表面に金属パッドを有する表面実装構造にするような形態である。
【0035】
図12は、上述の工程を要約するステップ81〜89を含む自己説明的なフロー図である。
【0036】
図13〜15は、多孔質n型GaP層を通ずる金属ビアが除去されている別の実施例を例示する。図13において、非多孔質上部n型GaP層95(図1における層24)は、n型GaP層95の上部表面の一部を露出させるためにフォトレジスト92を用いてマスクされる。その後、露出されたn型GaP領域96は、n型GaP領域96を多孔質及び光拡散的にさせるために、図3の電気化学的エッチング処理を受ける(n型材料にのみ影響を与える)。
【0037】
図14において、その後、誘電層98が、多孔質領域96のみを覆うように、堆積及びパターン化され、この場合、誘電体は、多孔質領域を通過する光に関する反射器として作用する。その後、レジストが除去され、上部表面はp型ブラケットドーピング100を受け、この場合、n型ドーパント(例えばZn)は、露出された非多孔質n型GaP層95をp型に変換するために、この非多孔質n型GaP層95へ拡散する。誘電層98は、任意選択的であるが、光学吸収を増加させ得るような、多孔質部分96へのZn拡散を阻止するという有益な点を有する。n型GaP層95は、層95の厚さ全体にわたりp型変換を達成するために、相対的に薄くあり得る(20ミクロンより小さい)。
【0038】
図15において、その後、金属層102が、p型領域及び誘電層98の上部表面に形成され、非多孔質p型領域へのオーミックコンタクトを形成する。非多孔質領域は、拡散から濃密にドープされ得、低い抵抗値の電流経路を提供する。金属及びp型領域の間に直接接触がなされるので、何の電流も、活性層へ到達するためにいかなる多孔質層をも通じて流れる必要はなく、これにより、フォワード電圧降下において最小の増加が存在するようにされる。10%の非多孔質領域の10マイクロメートル厚さは、通常のフォワード電圧に対して約20meVを加え得る。したがって、何のビアも、この実施例において、n型GaP層22と電気的に接触することを必要とされない。金属は、実質的に全ての光が反射される、又は活性層へ拡散的に反射して戻されるように、反射的である。
【0039】
金属コンタクト104は、n型AlInGaP層16と電気的に接触するためにGaP基板26に形成され得る、又は層16へのフリップチップコンタクトが形成され得る。上述の実施例のように、LEDチップは、補助装着具に装着され得る。
【0040】
多孔質層にわたる反射金属又はいずれかの反射型誘電体の追加は、多孔質層が光の特定の量を通過させ且つLEDへ反射して戻させ得るので、多孔質層の必要な厚さを低減させ得る。多孔質層の厚さを低減させることは、処理時間を減らし、パターニングを達成しやすくするので望ましい。非多孔質半導体電流チャネルが多孔質領域に存在する、図15の実施例において、より薄い多孔質層が特に望ましいが、その理由は、空孔を形成するための電気化学的エッチングが等方性であるからである。多孔質層の最適厚さは、形成される特定のLEDに依存し、経験的に決定され得る。
【0041】
図16は、別の実施例を例示する。n型AlInGaP層108がGaAs成長基板(図示されず)に成長され、その後、活性層110、p型AlInGaP層111、p型AlInGaP層112が続く。その後、成長基板は、ウェハ接合を用いて、n型GaP基板114と置換され、n型GaP層は直接n型AlInGaP層108と接触する。その後、GaP基板114は、特定の厚さのGaP基板114を通ずる空孔を形成するために、図3に類似する電気化学的エッチング処理(電圧がGaP基板114へ印加される)を受ける。GaP基板114は、空孔が基板を完全に通過して延在し得るように、化学的エッチング処理の前に、いずれかの既知の手段(機械的、又は化学的)によって厚さを低減され得る。その後、金属充填ビア116は、空孔層を通って形成され、n型AlInGaP層108に直接接触する(又は非空孔材料に直接接触する)ようにされ、これにより、空孔層にわたり何のフォワード電圧降下も存在しないようにされる。空孔層にわたる金属層118は、カソード電極を形成するためにビアに接触する。金属コンタクト122は、p型GaP層112において形成される。その後、LEDは、補助装着具48に装着される。
【0042】
図17は、別の実施例を例示する。1つ又は複数のp型AlInGaPクラッド層124が、GaAs基板126において成長され、その後、活性層128、n型AlInGaPクラッド層130、及び上部n型GaP層132を成長させるステップが続く。その後、n型GaP層132は、図3の電気化学的エッチング処理を用いて多孔質にされる。その後、金属充填ビア134は、空孔層を通るように形成され、これにより、何の電流も高抵抗値層を通って流れず、金属層136は、ビアと接触し且つ反射器として作用するために、空孔層にわたり形成される。GaAs基板126は、p型AlInGaP層124の上部を通じて光が抜け出るようにさせるために、除去される。金属電気コンタクト138は、p層に作製される。その後、LEDは、補助装着具48に装着される。
【0043】
図18は、LEDがフリップチップであること以外、図17に類似する。フリップチップ電気コンタクト構造及び補助装着具は、図11に関して説明されていた。
【0044】
図19は、LEDダイが補助装着具60に装着された後にGaAs成長基板14がエッチングにより除去され、これにより、非常に薄いLED構造を生じさせること以外は、図11と類似する。
【0045】
LEDダイのアレイが、処理及び取り扱いを簡単化させるために単一の補助装着ウェハに装着され得る。LEDダイが補助装着ウェハに装着される間に、例えば、各ダイに蛍光体コーティングを堆積させる、光抽出を増加させるために各ダイの上部表面を粗化させる、成長基板を除去する、各LEDダイを封止化する、各ダイにレンズをモールド処理する、又は他の処理など、様々な処理が実行され得る。このような処理の後で、補助装着ウェハは、LED構造に単体化させるために切断される。補助装着具が、後に、プリント回路基板に装着され得る。
【0046】
全ての実施例において、材料欠陥を低減する、応力を低減する、電流を拡散させる、他のよく知られる有益な点を提供するために、実際のLEDにおいて使用される追加的な半導体層が存在し得る。このような追加的な層も、本発明のLEDの一部を形成し得る。例えば、第2層を覆っている又は下に位置しているべきと言われる第1層は、第1層及び第2層の間に中間層を実際には有し得る。
【0047】
更に、反射防止コーティングは、大きな有利な点のために、多孔質層と組み合わせられ得る。ミクロ粗化表面を有する一般的な長方形チップに関して、反射防止コーティングは、抽出効率において何の重要な改善点も提供しない。しかし、埋め込まれた空孔層は光子をランダム化させ、内部損失を低減させ、そして平面な表面を保護する。したがって、フレネル反射の低減は、単一経路伝達における向上にほとんど直接的に比例して抽出効率を向上させる。15%初期外部量子効率(EQE)が与えられる場合、70%から100%の透過率の増加は、生じるEQEを30%×15%=4.5%に従い増加させ得、19.5%の最終的なEQEを生じさせる。
【0048】
「リン化ガリウム(GaP)系」としてのLED構造の言及は、本文章では、(0を含む)いずれかの量のアルミニウム及びインジウムを有するGaPを含む1つ以上の層を有するLEDを記すのに使用される。GaP系のLEDが説明されてきたが、ここで説明される技術は、GaP系ではないLEDにおける材料にも適用され得る。
【0049】
本発明を詳細に説明してきたものの、当業者は、本開示が与えられる場合に、ここで説明される精神及び本発明の概念から逸脱することなく、本発明に修正態様がなされ得ることを理解し得る。したがって、本発明の範囲が、例示される及び説明される特定の実施例に制限されることは意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成長基板上に成長される第1クラッド層、活性層及び第2クラッド層を含む複数のLED層であって、前記第1クラッド層が第1伝導性型であり、前記第2クラッド層が反対性質の第2伝導性型である、複数のLED層と、
前記第2クラッド層を覆う多孔質半導体層であって、前記多孔質半導体層が、サブミクロンの最小直径を有する空孔を含み、前記空孔が前記活性層によって生成される光を拡散する特性を有する、多孔質半導体層と、
前記多孔質半導体層を覆う第1金属であって、電流の大半が前記多孔質半導体層の空孔領域を通じて実質的に伝導されることなく前記第1金属及び前記第2クラッド層間において流れるように、前記第2クラッド層と電気的に接触する第1金属とを含む発光ダイオード(LED)構造体であって、
前記多孔質半導体層は、前記多孔質半導体層に渡って分配される、第1のレベルのドーピングを有する、多孔質のGaP系の材料の領域と、前記第1のドーピングよりも高い第2のレベルのドーピングを有する、非多孔質のGaP系の材料の複数の別個の領域とを含み、
多孔質のGaP系の材料及び非多孔質のGaP系の材料の領域の表面は、実質的に共平面であり、
前記第1金属は、前記非多孔質のGaP系の材料に直接的に電気的に接触するとともに、多孔質のGaP系の材料及び非多孔質のGaP系の材料の領域の表面を覆う、発光ダイオード構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−102239(P2013−102239A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−39169(P2013−39169)
【出願日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【分割の表示】特願2010−500416(P2010−500416)の分割
【原出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】