説明

多孔質材料から電極を製造する方法、その方法により得られる電極及び対応する電気化学系

【課題】電気化学系において有用であり、高い電気化学容量、良好なサイクル容量、低い自己放電率及び良好な環境耐性のうちの少なくとも1つを示す電極を製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも部分的に炭素で被覆された多孔質ケイ素を基材とする電気化学系のためのアノードであって、多孔質ケイ素でできている絶縁性支持体上に被覆されたポリマー層を熱分解する工程を含む、多孔質材料から電気化学系のためのアノードを製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明の目的は、多孔質材料から電極を製造する方法、特に、合金の調製を含む電極を製造する方法、及びその方法の実行中に電極を炭素で少なくとも部分的に被覆する方法を提供することにある。
【0002】
また、多孔質材料から得られる電極又は多孔質材料を含む電極、特に、多孔質ケイ素を含むリチウムマイクロバッテリーのための特定の負極を提供することも本発明の目的である。
【0003】
本発明の別の目的は、多孔質材料から得られる少なくとも1つの電極、又は多孔質材料を含む電極から構成される任意の電気化学システム、更に詳しくは、本発明にしたがう少なくとも1つの電極から作られたマイクロバッテリーを含む電気化学システムである。
【背景技術】
【0004】
技術状態の説明
最近開発されたポリマー電解質を基材とする発電機は、アノードシートとして、金属リチウム、時にはナトリウム、又は他のアルカリ金属を使用している。アルカリ金属は、可鍛性であり、特許CA−A−2,099,526及びCA−A−2,099,524で言及されているように、薄膜の形態で用いることができる。
【0005】
しかしながら、金属リチウム又は他のアルカリ金属を使用するとき、特定の極端な使用条件下では、例えば100℃を超える温度では、いくつかのリスク、すなわち、リチウム又はアルカリ金属が溶解するかもしれないリスク及び電気化学セルが破壊されるかもしれないリスクが存在する。更に、電気化学的循環の誘起条件下では、樹枝状結晶、例えばリチウム樹枝状結晶の形成が、あまりにも高い再充電電流の存在下で起こる場合がある。樹枝状結晶の生成は、多くの短所と関係があるが、リチウムアルミニウム対リチウムの場合では、より高いアノード電圧、例えば電圧値が+300〜450ミリボルトで動作するとき、同種の合金では、リチウムの堆積又は樹枝状結晶の成長は起こらない。
【0006】
溶融塩媒体で動作する発電機における、アルカリ金属合金、例えばリチウムの使用は、このようにUS−A−4,489,143で説明されている。
有機媒体では、更に詳しくはポリマー媒体では、電極フィルムの厚さは100マイクロメートル未満であり、合金アノードシート(合金ベースのシートとも呼ばれる)を使用するのは非常に難しくなる。実際に、アノードとして用いることができるリチウムの合金化合物、例えばLiAl、Li21Si、Li21Sn及びLi22Pb等は、硬くて脆く、そしてリチウム又は低合金リチウムの場合と同様に積層できない。一方、カナダ特許第1,222,543号では、それらのアノードが、ポリマー電解質によって結合された合金化合物の粉末から成る組成物を生成させることによって、薄膜の形態で製造できることが記載されており、又は更に、米国特許第4,590,840号では、アノードのホスト金属のシートの表面を化学的に処理することによって、若しくは前記シートの一部分を電気化学的に充電することによって、アノードのホスト金属のシートを前以ってリチウム化しておくことが、特定の条件下では可能であることが記載されている。
【0007】
しかしながら、これらの技術は、特定の条件下では実用的ではあるのだが、反応性材料に依存し、そして、予め挿入される合金はしばしば自燃性である。更に、それらの技術は実行することが容易ではなく、またそれらの性能を最適化することも難しい。アノードが放電状態で製造されるとき、克服しなければならない主たる問題点のうちの1つは、合金の形成から生じる重要な体積変動(構造に関して重要なストレスを引き起す)に起因している。
【0008】
ポリマー電解質発電機の組立て中又は組立て後に、リチウム化されていないホスト金属のシートから合金を製造しようとするとき、前記シートの厚さ方向における構造の体積膨張は、セルを適当に設計することによって、例えば、重畳シート全体の厚さの増加を適合させるだけで補正できると考えられる。なぜならば、厚さ方向における変動は、非常に小さいので、はるかに無視できるからである。
【0009】
電気化学システムにおけるマイクロバッテリーを製造する公知の技術は、the conference, 1th ABA BRNO 2000, Advanced Batteries and Accumulators, June 28.8-1.9, 2000 Brno University of technology, Antoniska 1, Brmno, Czech Republic http://www.aba-brno.cz/aba2000/part_I/13-bludska.pdfで説明されており、また、次の参考文献:すなわち、Bull. Master. Science., Vol.26, No.7, December 2003, pages 673-681 http://www.ias.ac.in/mastersci/bmsdec2003/673.pdfでも説明さており、前記文献では、システム中にマイクロバッテリーを導入することを求めている。
【0010】
このように、電極の構成要素として用いることができ、そして、この用途で従来から用いられている材料の短所のうちの1つ以上を有していない新しい材料に関するニーズが存在する。
【0011】
特に、以下の特性:すなわち、
− mAh/グラム単位での高容量;
− mAh/リットル単位での高容量;
− 良好なサイクル容量;
− 低率自己放電;及び
− 良好な環境耐性
のうちの少なくとも1つを有する新しい電極材料に関するニーズがあった。
【0012】
マイクロバッテリーのようなマイクロ技術で使用するために適合された新しい電極材料に関するニーズもあった。
更に、製造後にクラックがほとんど無い長寿命の電極に関するニーズもあった。
【発明の概要】
【0013】
発明の要旨
物理化学的性能ならびに機械的性能に関して非常に興味深い特性を示す電気化学システムのための電極の製造を可能にする、多孔質材料から電気化学システムのための電極を製造する方法。
【0014】
提案される技術は、電気化学回路中にマイクロバッテリーを直接に製造できる。
図1−4は、LiSi合金の形成を伴う本発明にしたがう方法によってケイ素中へリチウムを挿入するためのメカニズムを示している図である。
【0015】
図2−4は、マイクロバッテリーのためのアノードとして用いられる多孔質ケイ素の、本発明の態様にしたがう電気化学的形成に関するメカニズムを示している図である。
図3−4は、炭素で被覆される多孔質ケイ素を基材とする電極から開始される本発明にしたがうマイクロバッテリーの製造に関する。この炭素の役割は、ケイ素とリチウムとの間に電気化学的架橋(electrochemical bridge)を確立することにある。更に、炭素は、多孔質ケイ素を基材とする負極を確実に導電性にする。また、炭素によって、体積膨張中に、ケイ素粒子との接着が提供される。
【0016】
この製造の様々な工程は、以下の通りである:
1− フォトレジストの薄膜層を堆積させる工程;
2− マスクを配置し、そしてUV光を通過させて所望のゾーンを架橋させる工程;
3− 化学的ストリッピングによって非架橋ゾーンを溶解させる工程;
4− (マイクロバッテリーのアノードを形成する)ストリップされていないフォトレジストを炭化する工程;
5− 電解質を導入し、次いでカソードを導入する工程;
6− ストリップされたゾーンでの作業を中断して、マイクロバッテリーを提供する工程。
【0017】
図4−4は、フォトレジスト層をレーザー熱分解することによって得られた炭素構造の光学画像に関する。グラフの頂部は、得られた炭素のラマンスペクトルを表している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、LixSiy合金の形成を伴う本発明にしたがう方法によってシリコン中へリチウムを挿入するためのメカニズムを示している図である。
【図2】図2は、マイクロバッテリーのためのアノードとして用いられる多孔質ケイ素の、本発明の態様にしたがう電気化学的形成に関するメカニズムを示している図である。
【図3】図3は、炭素で被覆される多孔質ケイ素を基材とする電極から開始される本発明にしたがうマイクロバッテリーの製造手順を示している図である。
【図4】図4は、フォトレジスト層をレーザー熱分解することによって得られた炭素構造の光学画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の一般的な説明
本発明の第一の目的は、多孔質材料から電気化学システムのための電極を製造する方法である。好ましくは、使用される多孔質材料は、以下で言及する水銀法によって測定した場合に、1〜99%の多孔度(両端値を含む)を有する。更に有利には、多孔質材料の多孔度は20〜80%(両端値を含む)である。
【0020】
本発明の有利な態様にしたがって、使用される多孔質材料は、平均気孔が1ナノメートル〜1マイクロメートル(両端値を含む)であるような材料である。更に好ましくは、気孔径は10〜250ナノメートル(両端値を含む)である。
【0021】
別の有利な態様によると、気孔の分布は実質的に均一である。好ましくは、その分布は、d50が100〜150ナノメートルであるように選択される。
気孔は、有利には、多孔質材料の表面に存在し、かつ該多孔質材料全体に広がっている。好ましくは、気孔は1マイクロメートル〜3ミリメートルの深さを有し、また該多孔質材料は2マイクロメートル〜3.5ミリメートルの厚さを有する。多孔質材料で認められる気孔の大部分は、多孔質材料全体に広がっていることが望ましい。
【0022】
別の好ましい態様によると、該多孔質材料は、アルカリ金属と合金を提供することができる材料の中から選択される。多孔質材料は、ケイ素、スズ、アルミニウム、銀、金、白金及びそれらの材料の少なくとも2種の混合物(それらが多孔質状態である場合)から成る群より選択できる。
【0023】
合金の調製は、化学的手段及び/又は電気化学的手段によって行われる。
驚くべきことに、電極製造に使用される材料が、アルカリ金属との合金の生成中に発生する体積膨張を該多孔質材料の空隙が吸収できるような空隙率を有しているとき、特に興味深い結果が得られることが分かった。
【0024】
本発明の特定の態様によると、アノードは多孔質ケイ素から製造される。
このように、本発明によるアノードは、少なくとも1種の多孔質ケイ素供給源と、Li、Na、Ca及びそれらの金属のうちの少なくとも2種の混合物から成る群より選択される少なくとも1種のアルカリ金属とから合金を製造することによって得ることができる。
【0025】
有利には、アノードは、水銀ポロシメータ法で測定される多孔度が5〜95体積%(両端値を含む)である多孔質ケイ素から製造される。更に有利には、使用されるケイ素の多孔度は約75体積%である。
【0026】
多孔質材料として使用される多孔質ケイ素は、シリコンウェーハ、シリコンペレット、シリコンフィルム及びそれらの少なくとも2種の混合物から成る群より選択されるケイ素供給源から得られる。
【0027】
好ましくは、多孔質材料として使用される多孔質ケイ素は、ケイ素単結晶から得られる。
本発明の有利な態様によると、多孔質ケイ素は、少なくとも1種の塩[該塩は好ましくはNH(式中、Xは4又は5であり、Yは1又は2である)から成る群より選択され、更に好ましくは、その選択された塩はNHFである]を含む浴中における電気化学的処理によって、ケイ素供給源から得られる。
【0028】
一例として、ケイ素供給源の処理は、溶液中少なくとも1種の塩を含み、そしてその溶液中少なくとも1種の塩は、好ましくはHSO、NHF及びHOと、好ましくはアルコール又はケトンである少なくとも1種の非水性溶媒との混合物である。前記非水性溶媒(一種又は複数種)は、好ましくは、メタノール、エタノール及びアセトン、及びそれらの溶媒の少なくとも2種の混合物から成る群より選択される。
【0029】
その種の浴は、有利には、体積基準で:
− NHFを10〜60%;
− メタノールを5〜20%;及び
− HOを75%〜20%
含む。
【0030】
好ましくは、合金は、多孔質ケイ素を基材とする合金であり、SixLiy(式中、xは1〜5であり、yは5〜21である)の形態である。更に好ましくは、合金において、xは約4であり、yは約21である。
【0031】
本発明の有利な態様によると、製造される合金は、SiLiタイプであり、また、合金は、40〜100℃の温度で、好ましくは約80℃の温度で、シート又はウェーハの形態で、ケイ素供給源をリチウム及び/又は金属リチウムと接触させることによって電気化学的に得られる。
【0032】
シート又はウェーハの形態におけるケイ素供給源とリチウム及び/又は金属リチウムとの接触時間は、1〜12時間であり、好ましくは約3時間である。
本発明の第二の目的は、本発明の第一の目的で説明した方法のうちのいずれかにしたがう方法を実行することによって得られる電極から成る。
【0033】
本発明によるアノードの有利なサブファミリーは、多孔質材料、好ましくは多孔質ケイ素を、少なくとも60重量%、また好ましくは40重量%含むアノードから成る。
別の特に興味深いサブファミリーは、炭素で少なくとも部分的に被覆されているアノードから成る。
【0034】
本発明によるアノード及びカソードは、クラックが実質的に無いという点で、有利である。
本発明の第三の目的は、本発明の第一の目的で又は本発明の第二の目的で規定された製造法のうちのいずれか一つによって得られる少なくとも1つの電極を含む電気化学システムから成る。
【0035】
特に好ましい電気化学システムの好ましい例としては、電解質が、液体、ゲル又はポリマーのタイプであるバッテリーが挙げられる。
これらのバッテリーでは、カソードは、好ましくはLiCoO、LiFePO、LiNiO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.33Mn0.33のタイプであり、そしてカソードは1〜5ボルトのタイプである。
【0036】
特に重要な性能を提供する再充電可能なタイプのバッテリーは、このようにして得ることができ、好ましくは、前記バッテリーはリチウムイオンのタイプである。
重要な本発明のバッテリーのサブファミリーは、マイクロバッテリーの形態のバッテリーであり、好ましくは、その寸法が1mm〜10cmのバッテリーであり、また、以下の電気化学的性質:すなわち、
− 1μWhを超える電気化学容量;
− 500を超える、好ましくは100を超えるサイクル容量;
− 5%未満、好ましくは4%未満、更に好ましくは3%未満の自己放電率;及び
− 周囲条件下で行われる貯蔵試験によって測定した場合に、3年を超える、好ましくは5年を超える寿命
のうちの少なくとも1つを有するバッテリーから成る。
【0037】
本発明の第四の目的は、電気化学システムにおける電極の使用、好ましくは本発明のアノードの使用に関する。
好ましくは、リチウムマイクロバッテリーのための負極としてアノードが使用される。
【0038】
本発明の第五の目的は、多孔質ケイ素を基材とする電極であって、Siのような多孔質ケイ素から作られた好ましくは絶縁の支持体の上に、好ましくは薄層として堆積されているポリマー層を熱分解することによって得られる炭素で少なくとも部分的に被覆されている電極を製造する方法に関する。ポリマーの熱分解は、有利には、600〜1100℃の温度で、好ましくは30分〜3時間行われる。
【0039】
本発明の別の変形にしたがって、多孔質ケイ素を基材とし、炭素で少なくとも部分的に被覆されている電極を製造する方法を実行すると、ケイ素(絶縁性)支持体上に薄層として好ましく塗布されたポリマー層のレーザー熱分解が提供される。使用されるビームは、好ましくは10〜100のミリワットの強度を有し、好ましくは、ケイ素支持体から0.5マイクロメートル〜1ミリメートルの距離に配置される。フォトレジスト層をレーザーに露光してレーザー熱分解する(C−H−O基が炭素へと転化される)ことによって、フォトレジスト層を炭化する。好ましくは、露光は1秒〜1分間行う。好ましくは、ケイ素支持体は、ケイ素単結晶から成り、100ミクロン〜3ミリメートルの厚さを有する。
【0040】
本発明の第六の目的は、本発明の第四の目的で説明した方法のうちの一つを実行することによって得られる電極から成る。
本発明の第七の目的は、本発明の第五の目的による電極を少なくとも1つ含む電気化学システムから成る。
【0041】
本発明の好ましい態様の説明
本発明は、マイクロバッテリーにおける多孔質材料の使用に関する。更に詳しくは、本発明は、多孔質ホスト金属、例えばケイ素を含有する負極を含む電気化学的発電機に関する。ホストシート金属は、後に負極を構成させることが意図されており、また、前記ホストシート金属は、横方向の膨張を吸収する特性、及びホスト金属とアルカリ金属との間で合金を形成している間に起こる多孔質金属平面でのあらゆる変化を実質的に防止する特性を有する。
【0042】
例えば、リチウムホスト金属合金の形成後、前記合金は、電気化学的活性があるときにクラックする。体積膨張の可能性は、電極の完全性に重大な影響がある。
このように、多孔質ケイ素は、有利には、Liイオンバッテリー用アノードを構成する活性材料として、この技術で使用される。多孔質ケイ素の理論上の静電容量は、1970mAh/グラム及び2280mAh/lである。
【0043】
ケイ素及びリチウムの合金に関する体積膨張は好ましくは30〜40%である。このように、多孔質ケイ素で形成される空隙は、Li及びSiをベースとする合金の体積膨張を補償するために利用される。
【0044】
本発明の態様にしたがって多孔質ケイ素中にリチウムを化学的又は電気化学的に挿入するメカニズムは、図1−4に例示してある。
ケイ素の多孔性によって発生する空間は、SiLi(xは1〜5であり、yは4〜21である)合金の体積膨張によって占有される。好ましくは、合金は式LiSiを有する。
【0045】
多孔質ケイ素の製造
本発明にしたがう多孔質ケイ素を製造する方法の枠組み内では、NHFの混合物を有利に用いて、不純物として存在するSi及びSiOを溶かす。
【0046】
多孔質ケイ素は、NHF(50%)+HO+メタノール(メタノールを添加することによって表面で水素を発生させることができる)(割合2:2:1)をベースとする電解質中における電気化学的方法によって得られる。空隙率は、SiLi合金の体積膨張に比例するリチウムの配合率にしたがって算出される。多孔度は、次の参考文献:すなわち、The Powder Porosity Characterisation La bat NYS College of Ceramics at Alfred university, June 18, 2002, http://nyscc.alfred.edu/external/ppc/ppc.htmlで説明されている水銀法によって測定される。
【0047】
この技術は、Agnes JuangによるEffects OF SURFACE MODIFICATION ON CHARGE CARRIERDYNAMICS AT SEMICONDUCTOR INTERFACES(2003, California Institute of Technologie Pasadena, California)という名称の博士論文の第三章(http://etd.caltech.edu/available/etd-08062002-192958/unrestricted/Chapter3.pdf)に記載されている半導体分野で更に詳細に説明されている。
【0048】
一方、驚くべきことに、炭素を含み、多孔質ケイ素を基材とする微小電極を使用している本発明によるマイクロバッテリーは、以下で詳細に説明している別のオリジナルな技術によって製造できることを見出した。
【0049】
問題の技術は、シリカ表面に存在していて且つ「絶縁体」とも呼ばれる絶縁材料上に薄層として堆積されたN又はOタイプのヘテロ原子の熱分解、すなわちレーザー手段によって得られる熱分解である。
【0050】
その2つの技術は、C−H−O官能基を炭素へと転化させることを含むが、マイクロバッテリーにおいて微小電極を構成するミクロ構造の形成に関する手順は異なる。2つの技術では、出発材料は、好ましくは、ウェーハの形態で利用できる高密度ケイ素と呼ばれている市販のケイ素である。
【0051】
有利なアプローチによると、半導体を製造する技術は、電極構造を「モデリングする」ために用いられ、インターデジタル化電極表面であることができるフォトマスクを含むフォトリソグラフィー法によって炭素を「パターニングする」ことを含む。
【0052】
多孔質ケイ素をベースとする電極を製造する第一の技術
絶縁層を有する従来の「ウェーハ」搬送ケイ素を、微小電極用の支持体として用いることができる。この革新的なアプローチによると、フォトレジストを炭化し、そして、フォトレジストを導電性にする熱処理(通常は、1時間、不活性雰囲気下、600〜1100℃の温度で)によって、炭素電極が、標準的なフォトレジストから形成される。
【0053】
電気化学的に活性な電極材料は、電気化学的方法によって炭素上に選択的に堆積でき、特定の用途のためには、炭素それ自体を電極として用いることができる。
微小電極構造を製造するために用いられる方法は、一連の工程で行う。第一の工程では、化学蒸着(CVD)によってSi(約100ナノメートル)を堆積させ、そしてその層を、炭化構造から導電性シリコンを分離するための絶縁体として用いる。スピンコーティング、「パターニング」及びフォトレジスト熱分解を含む次の工程を用いて、最終炭化構造を形成する。ネガ型ならびにポジ型フォトレジストを使用して、炭化導電性微小電極を形成する。
【0054】
これらの技術は、参考文献:253, IMLB 12 Meeting, 2004 The Electrochemical Society, Journal of Power Sources, Volume:89, Issue: 1, July, 2000及びApplied Physics Letters Vol 84(18) pp.3456-3458. May 3, 2004で説明されている。
【0055】
多孔質ケイ素をベースとする電極を製造するための第二の技術
第二のアプローチは、フォトマスクの使用を必要としない方法である。実際、「経路」を有する狭いレーザービームのみが使用され、経路は、特定の「経路」軌道にしたがって移動するように制御される。コンピューター制御によってフォトレジスト表面上におけるレーザービームの移動を制御することによって、チャネルを含む多種多様な微小電極デバイスを製造できる。レーザー蒸気の出力強度は、フォトレジストを炭素へと転化させずに且つフォトレジストの蒸発を防止するように調整され、また、その調整により、レーザーアブレーションによる炭素の損失も最少化される。次の工程では、レーザー蒸気に曝露されていない特定部分の反応しなかったフォトレジストを溶かし、シリコンウェーハ上に炭化微小電極だけを残す。レーザービームの照射は、フォトレジストポリマーを炭素に転化させることができる。同様に、熱分解によって得られた結果と同じ結果が、ラマンスペクトルを用いることによって得られる。
【0056】
半導体の作製法を記載している文献E. Reiclimanis and O. Nalamasu, Bell Labs, Lucent Technologies, Intersil, 20, 06, 2003, Intersil Corporation Headquarters and Elantec Product Group, 675 Trade Zone Blvd, Milpitas, CA 95035では、本発明の枠内で用いることができるシリコンウェーハ(及びそれらの製造)が説明されている。
【0057】
Martin KeyによるSU-8 Photosensitive Epoxy[CNM, Campus UAB, Bellaterra 08193,Barcelona, Spain(http://www.cnm.es/projects/microdets/index.html)]という名称の文献では、シリコンウェーハ上に炭化ポリマーを堆積させる方法を例示している。
【0058】
Direct Measurement of the Reaction Front in Chemically Amplified Photoresists, E. Reichmanis and O. Nalamasu, Bell Labs, Lucent Technologies, Sciences, 297, 349(2002)では、フォトレジストの選択領域を攻撃するための現在用いられている方法が説明されている。
【0059】
これらの3つの文献の内容は、本出願に引用したものとする。
【実施例】
【0060】
実施例:フォトレジストのレーザー熱分解によって得られた炭素ミクロ構造を、以下で説明する。
フォトレジスト(コネティカット州ノーウォークにあるOlin Corp.から市販されているOir 897−101)を使用して、Si支持体上に有機前駆物質の薄膜を生成させた。ISA Horibaグループによって製造されたLabram Ranian顕微鏡統合システムを、フォトレジストのレーザー熱分解処理のために使用し、また、炭化生成物の構造を分析するためにも使用した。
【0061】
励起波長は、内部HeNe(632ナノメートル)、レーザーmWによって、又は外部Arイオン(514ナノメートル),2/レーザーによって供給した。レーザービームの出力は、様々な可変光学濃度を有する中性フィルターによって所望のレベルに調整した。
【0062】
サンプル表面のレーザービームのサイズは、1.6〜数百ミクロンまで調整することができ;また、光学顕微鏡の特性及びサンプルとレンズとの間の距離によっても調整される。我々の実験に用いられるレーザービームの直径は5ミクロンであった。レーザービームに関するサンプルの位置を調整するために、自動化スキャニング及び0.1ミクロンの解像度を有するXY顕微鏡を用いた。レーザービームに対するフォトレジストの露光時間は、静的実験で用いた、スキャニング速度XYによって又はシャッターデジタルレーザービーム(Newport Corp.から市販されているmodel 845 HP)によって調節した。
【0063】
コンピュータープログラムによってフォトレジスト・Siサンプルの移動を制御すると、列(row)の形態で多種多様な微小電極を設計できる。
レーザービームの出力強度を調整して、フォトレジストを炭素へと転化させずにフォトレジストの蒸発を防止すべきであるか、又はレーザアブレーションによる炭素の損失を最少にすべきである。
【0064】
ポジ型フォトレジストの4つの層を、Siウェーハ上に塗布し、次いで150℃で焼成した。ポジ型フォトレジストから炭素構造を生成させるためのレーザー熱分解によって得られた結果を例示している光学画像を、添付の図4−4に示してある。632ナノメートル、5マイクロメートルのビームサイズ及び8mW容量のレーザーを用いて、モデリング炭素を生成させた。コンピュータープログラムを使用して、サンプルの移動を調整し、そして炭素構造を形成させた。電動化されたサンプルXYの移動速度は、1秒あたり8mmであった。インターデジタル化構造におけるプリント幅は約20マイクロメートルであった。それは、各フィンガーがレーザービームに二度曝露されているので、それらを一緒に結合させている炭素結合に比べて、わずかに広い。フィンガーのうちの1本に配置された炭素のラマンスペクトルは、同じ図4−4に示してある。それは、1000℃における同じフォトレジストの標準的な熱分解によって得られたものと著しく似ている。これらの予備結果は、熱処理によって得られたものに匹敵するラマンスペクトルを有する炭素の微小電極が容易に得られることを示している。
【0065】
而して、レーザーの使用に基づく新規な高性能技術が、そのサイズが小型の電子デバイスに適合するキャパシタンスを製造するために提案される。
レーザー直描型リソグラフィー(DDL)と呼ばれる本発明のこの新規な方法によって、Liイオンバッテリーに適応される有機及び無機の前駆物質から微小電極を製造することができ、また、任意のタイプの支持体から、完全に再充電可能な機能性微小電極を製造できる。
【0066】
DLL技術の多用性を利用して、電子部品に分散することができ、また、電子部品に直接集積することもできる超小型発電装置を要求に基づいて製造することが可能である。
更に、DDL技術では、微小電極に所望の構造を付与するためのフォトマスキングは必要無い。
【0067】
而して、DLLは、従来のフォトリトグラフィーに比べてより迅速にマイクロバッテリーのデザインを作製できる。このようにして製造されたマイクロバッテリーは、それらの重量及びそれらの低減体積に起因して、改良された比エネルギー及び比容量を提供する。その場合、電子支持体はバッテリーの構成要素の一部分になる。
【0068】
カソードは、好ましくはLiCoO,LiMn,LiMn1/3Ni1/3Co1/3,LiMn1/2Ni1/2,LiMPO(式中、M=Fe,Co,Ni,Mn)及びこれらの材料のうちの少なくとも2種の混合物から成る群より選択されるカソード材料のターゲットから製造できる。好ましくは、前記ターゲット材料をプレスし、レーザーを、20mW〜2Wの範囲で変えることができる容量でターゲットに施用して、カソードを構成する多孔質材料を生成させる。その後に、前記多孔質材料を、レーザーでターゲットからスリップし、多孔質Si/炭素/電解質半バッテリー上に堆積させる。
【0069】
レーザーを使用してカソードを製造する第二の技術は、カソード粉末と、トルエン、ヘプタン又はそれらの混合物であるキャリヤー溶液との混合物から調製されるペースト形態の化合物から実行される。ペースト状溶液を、好ましくはガラス製の支持プレート上に塗布し、そして、支持体(シリコン又は他のもの)から100μmのところに配置した。紫外線レーザービームは、支持プレートを通して施用され、カソードは、熱分解によって支持体上に投影される。
【0070】
特定の態様を提示して本発明を説明してきたが、前記態様は多くのバリエーション及び改良と関連させることができ、また、本発明は、一般的に本発明の原則にしたがって本発明の前記の改良、使用又は適応をカバーすることを意図しており、また、本発明は、本発明が属する活動分野において公知であるか又は通常のものであって、且つ上記実質的な構成要素に適用できる本説明のいずれかのバリエーションも含むことが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質材料から電気化学系のための電極を製造する方法。
【請求項2】
水銀法で測定した場合に、多孔質材料の多孔度が1〜99%(両端値を含む)である、請求項1記載の電極を製造する方法。
【請求項3】
多孔質材料の多孔度が20〜80%(両端値を含む)である、請求項2記載の電極を製造する方法。
【請求項4】
多孔質材料における平均気孔径が、1ナノメートル〜1マイクロメートル(両端値を含む)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極を製造する方法。
【請求項5】
気孔径が10〜250ナノメートル(両端値を含む)である、請求項4記載の電極を製造する方法。
【請求項6】
気孔の分散が実質的に均一であり、好ましくは、d50が100〜150ナノメートルであるような分散である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極を製造する方法。
【請求項7】
気孔が多孔質材料の表面に配置され、かつ該多孔質材料全体に広がり;好ましくは、該該気孔は1マイクロメートル〜3ミリメートルの深さを有し、該多孔質材料は2マイクロメートル〜3.5ミリメートルの厚さを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極を製造する方法。
【請求項8】
気孔が多孔質材料の全体に完全には広がっていない、請求項7記載の電極を製造する方法。
【請求項9】
多孔質材料がアルカリ金属と合金を形成できる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極を製造する方法。
【請求項10】
多孔質材料が、多孔質形態であるケイ素、スズ、アルミニウム、銀、金、白金及びそれらの材料の少なくとも2種の混合物から成る群より選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電極を製造する方法。
【請求項11】
合金の製造が、化学的及び/又は電気化学的な手段によって行われる、請求項9又は10記載の電極を製造する方法。
【請求項12】
電極を形成するために使用される材料の空隙率が、アルカリ金属との合金の形成中に発生する体積膨張を多孔質材料の空隙が吸収できるような空隙率である、請求項11記載の電極を製造する方法。
【請求項13】
多孔質材料が多孔質ケイ素である、請求項1〜12のいずれか1項にしたがってアノードである電極を製造する方法。
【請求項14】
アノードが、少なくとも1種の多孔質ケイ素供給源と、Li、Na、Ca及びそれらの金属のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属とから合金を形成させることによって得られる、請求項13記載のアノードを製造する方法。
【請求項15】
アノードが多孔質ケイ素を基材とし、水銀ポロシメータ法にしたがって測定される多孔度が5〜95体積%(両端値を含む)である、請求項14記載のアノードを製造する方法。
【請求項16】
多孔度が約75体積%である、請求項15記載のアノードを製造する方法。
【請求項17】
多孔質材料として使用される多孔質ケイ素が、シリコンウェーハ、シリコンペレット、シリコンフィルム及びそれらの少なくとも2種の混合物から成る群より選択されるケイ素供給源から得られる、請求項14〜16のいずれか1項に記載のアノードを製造する方法。
【請求項18】
多孔質材料として使用される多孔質ケイ素がケイ素単結晶から得られる、請求項14〜17のいずれか1項に記載のアノードを製造する方法。
【請求項19】
多孔質ケイ素が、少なくとも1種の塩を含む浴中における電気化学的処理により、ケイ素供給源から得られ、その際、該塩は、好ましくはNH(式中、Xは4又は5であり、Yは1又は2である)から成る群より選択され、更に好ましくはNHFである、請求項13〜18のいずれか1項に記載のアノードを製造する方法。
【請求項20】
ケイ素供給源を処理するために使用される浴が、少なくとも1種の塩を含む溶液であって、該溶液が、好ましくはHSO、NHF及びHOと、好ましくはアルコール又はケトンである少なくとも1種の非水性溶媒との混合物であり、該非水性溶媒(一種又は複数種)が、好ましくはメタノール、エタノール及びアセトン、及びそれらの溶媒のうちの少なくとも2種の混合物から成る群より選択される、請求項19記載のアノードを製造する方法。
【請求項21】
浴が、体積基準で:
− 10〜60%のNHF;
− 5〜20%のメタノール;及び
− 75〜20%のHSO
を含有する、請求項20記載のアノードを製造する方法。
【請求項22】
多孔質ケイ素を基材とする合金が、SiLi(式中、xは1〜5であり、yは5〜21である)の形態である、請求項14〜21のいずれか1項に記載のアノードを製造する方法。
【請求項23】
xが約4であり、yが約21である、請求項22記載のアノードを製造する方法。
【請求項24】
形成される合金がSiLiタイプであり、また、該合金が、40〜100℃の温度、好ましくは約80℃の温度で、シート又はウェーハの形態でケイ素供給源をリチウム及び/又は金属リチウムと接触させることによる電気化学的手段によって得られる、請求項19〜23のいずれか1項に記載のアノードを製造する方法。
【請求項25】
ケイ素供給源と金属リチウムとの接触時間が1〜12時間であり、好ましくは約3時間である、請求項24記載のアノードを製造する方法。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法を実行することによって得られるアノード。
【請求項27】
多孔質材料、好ましくは多孔質ケイ素を少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも40重量%含有することを特徴とするアノード。
【請求項28】
炭素で少なくとも部分的に被覆されている、請求項27記載のアノード。
【請求項29】
実質的にクラックが無い、請求項27又は28記載のアノード。
【請求項30】
請求項26〜29のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアノード、少なくとも1つのカソード及び少なくとも1つの電解質を含む電気化学系。
【請求項31】
電解質が、液体、ゲル又はポリマーのタイプである、請求項30記載のバッテリー形態の電気化学系。
【請求項32】
カソードが、LiCoO、LiFePO、LiNiO、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.33Mn0.33のタイプであり、また、該カソードが、好ましくは、1〜5ボルトのタイプである、請求項31記載の電気化学系。
【請求項33】
再充電可能なタイプ、好ましくはリチウムイオンタイプである、請求項32記載のバッテリー。
【請求項34】
以下の電気化学的特性:すなわち
1μWhを超える電気化学容量;
500サイクルを超える、好ましくは1000を超えるサイクル容量;
5%未満、好ましくは4%未満、更に好ましくは3%未満の自己放電率;及び
周囲条件下で行われる貯蔵試験によって測定した場合に、3年を超える、好ましくは5年を超える寿命
のうちの少なくとも一つを有し、好ましくは1mm〜10cmの寸法を有する、マイクロバッテリー形態の請求項33記載のバッテリー。
【請求項35】
電気化学系における請求項26〜29のいずれか1項に記載のアノードの使用。
【請求項36】
リチウムマイクロバッテリー用の負極としての請求項33記載の使用。
【請求項37】
多孔質ケイ素を基材とする電極を製造する方法であって、該電極を、ポリマー層の熱分解により炭素で少なくとも部分的に被覆し、該ポリマー層は、好ましくは、Siのような多孔質ケイ素の好ましくは絶縁性である支持体上に薄層として塗布されており、該ポリマーの熱分解を、好ましくは、600〜1100℃の温度で、好ましくは30分〜3時間行う、前記方法。
【請求項38】
多孔質ケイ素を基材とする電極を製造する方法であって、該電極を、ポリマー層のレーザー熱分解により炭素で少なくとも部分的に被覆し、該ポリマー層は、好ましくは、ケイ素(絶縁性)支持体上に薄層として塗布されており、該レーザービームは、好ましくは10〜100ミリワットの強度を有し、また、好ましくは1秒〜1分の間、好ましくは該ケイ素支持体から0.5マイクロメートル〜1ミリメートルの距離に配置される、前記方法。
【請求項39】
ケイ素支持体が、ケイ素単結晶から成り、100ミクロン〜3ミリメートルの厚さを有する、請求項37又は38記載の方法。
【請求項40】
請求項36〜39のいずれか1項に記載の方法を実行することによって得られる電極。
【請求項41】
請求項40記載の電極を少なくとも1つ含む電気化学系。
【請求項42】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極を製造する方法であって、該電極が、カソード材料の1つのターゲットから製造されるカソードであり、該ターゲットは、LiCoO、LiMn、LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn1/2Ni1/2、LiMPO(式中、M=Fe,Co,Ni,Mn)及びそれらの材料のうちの少なくとも2種の混合物から成る群より選択され、該ターゲット材料は好ましくはプレスされ、該ターゲット上にレーザーを20mW〜2Wの範囲で変化できる容量で施用して、該カソードを構成する多孔質材料を生成し、その後に、該多孔質材料をレーザーによりターゲットからスリップし、多孔質Si/炭素/電解質半電池上に堆積させる、前記方法。
【請求項43】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の電極を製造する方法であって、該電極は、カソード粉末と、キャリヤー溶液(好ましくはトルエン、ヘプタン又はそれらの少なくとも2種の混合物である)との混合物から調製されるペースト形態の化合物から製造されるカソードであり;該ペースト状溶液を、支持体(好ましくはケイ素)から100μmのところに配置された支持プレート(好ましくはガラス製)上に塗布し;紫外線レーザービームを支持プレートを介して施用し、そして該カソードを、熱分解により該支持体上に投影する、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−199241(P2012−199241A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−93067(P2012−93067)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2006−515613(P2006−515613)の分割
【原出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(597164909)イドロ−ケベック (30)
【氏名又は名称原語表記】Hydro−Quebec
【Fターム(参考)】