説明

多孔質構築物を形成するための混合物

【課題】整形外科インプラント、触媒の担体、骨成長基質、およびフィルターとして広く使用されている多孔質金属構築物を製造するための、安定な組成物を得る方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の金属粉末を、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物、および抽出可能材料と配合し、それによって、前記金属粉末および前記抽出可能材料がそれぞれの位置をとる組成物を形成する。その組成物を成形し、抽出可能材料を抽出除去した後に焼結する事により多孔質金属構築物。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2008年8月27日に出願された米国仮特許出願第61/092,199号に対して優先権を主張する。これによって、この米国仮特許出願の全内容が、全体として組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、とりわけ、多孔質金属構築物の製造に用いられうる混合物の調製に関連する。
【0003】
〔背景〕
多孔質金属構築物は、とりわけ、整形外科インプラント、触媒の担体、骨成長基質、およびフィルターとして広く使用されている。「スペースホルダー」法は、金属フォーム構造体を作るための周知の工程であり、溶解可能または別様に除去可能なスペースホールド材料(space-holding materials)を利用している。このスペースホールド材料は、金属粉末と配合され、その後、熱蒸発または液体溶解を含む様々な方法によりその配合物から除去されて、金属粉末から形成された多孔質マトリックスを残す。多孔質マトリックス材料は、次に、焼結されて、マトリックス構造をさらに強化する。スペースホルダーの概念に対する多くの変形体が、当技術分野で知られている。例えば、米国特許第3,852,045号;同第6,849,230号;米国特許出願公開第2005/0249625号;同2006/0002810号を参照のこと。
【0004】
好ましくは、スペースホールド材料と金属粉末との配合により生じる混合物は、それぞれの粒子タイプの均等な空間分布を特色とする。スペースホールド材料を位置付けることにより、スペースホルダーを除去するための処理後に細孔がどこに存在するかが決定され、それゆえに、スペースホールド粒子の均質な分布は、均等な細孔分布を有する構築物を生じるであろう。構造的均一性は、多くの利益をもたらすことができる。例えば、均一な多孔度を有する整形外科インプラントは、機械的安定性を有し、また、骨および組織の均質な内成長を可能にする可能性が高く、それにより、生物学的固定が改善される。
【0005】
金属粉末とスペースホルダー材料との十分混合された配合を確実にするために、水または有機溶媒を少ない控えめな量で(in small, controlled quantities)使用することができる。しかしながら、さらなる処理ステップを開始せずに配合物が数日間保管されると、水および有機溶媒は徐々に蒸発することができ、そのような蒸発は、配合物のそれぞれの構成物の分離をもたらしうる。他の方法は、多孔質金属物品の調製に用いられうる混合物を形成するために、アルコール、イソパラフィン溶媒(isoparafinic solvents)、アセトン、またはポリエチレングリコールなどの液体有機物(liquid organics)との、スペースホルダー材料の混合に続いて、金属粉末の添加を伴うと言われている。例えば、米国特許出願公開第2006/0002810号、同第2006/0228247号を参照のこと。しかしながら、有機溶媒は、あいにく有毒で、高価で、可燃性、かつ/または揮発性である場合があり、一方、高粘度のポリエチレングリコールは、混合を困難にするかもしれない。均一または別様に制御可能な多孔度を有する構築物を形成するのに用いられうる混合物を調製するためのさらなる技術に対する必要性を正当化する、そのような方法に対する他の欠点が存在する。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の一態様は、方法であって、少なくとも1種類の金属粉末を、ポリオール、親水性ポリマー、もしくはその両方を含む組成物、および抽出可能材料と配合し、それによって、金属粉末および抽出可能材料がそれぞれの位置をとる混合物を形成することを含む、方法を提供する。本方法は、混合物を、成形された物体に成形することと、未焼結体(green body)を形成するために、その成形された物体を固めること(compacting)と、をさらに含むことができる。抽出可能材料は、未焼結体から除去されてよく、未焼結体は、例えばインプラントとして使用するための多孔質金属構築物を形成するために焼結されることができる。このような方法にしたがって形成される未焼結体およびインプラントも開示される。
【0007】
〔例証的な実施形態の詳細な説明〕
本発明は、本開示の一部を形成する添付の図面および実施例と関連して理解される以下の詳細な説明を参照することにより、さらに容易に理解されることができる。本発明は、本明細書で説明および/または図示される特定の製品、方法、条件またはパラメータに限定されないこと、ならびに、本明細書で使用される用語は、ほんの一例として特定の実施形態を説明するためのものであるにすぎず、特許請求される発明を限定することを意図しているものではないことが、理解される。
【0008】
本開示では、文脈上、別様に明確に示していなければ、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、複数の指示対象(plural reference)を含み、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を含む。ゆえに、例えば、「ポリオール(a polyol)」への言及は、そのようなポリオール類および当業者に知られているその等価物のうちの1つ以上への言及である、などである。先行詞「約(about)」を用いて、値が近似値として示された場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。本明細書で使用されるような、「約X」(ここでXは数値である)は、好ましくは、列挙された値を含め、その値の±10%を指す。例えば、語句「約8」は、好ましくは、7.2〜8.8(7.2および8.8も含めて)の値を指す;別の例として、語句「約8%」は、好ましくは、7.2%〜8.8%(7.2%および8.8%も含めて)の値を指す。存在する場合は、全ての範囲が包括的かつ組み合わせ可能である。例えば、「1〜5」の範囲が列挙された場合、その列挙された範囲は、「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2および4〜5」、「1〜3および5」などの範囲を含むと解釈されるべきである。加えて、代替案のリストが明確に提供された場合、そのようなリストは、代替案のいずれかが、例えば特許請求の範囲における消極的限定(negative limitation)により、排除されうることを意味すると解釈されてよい。例えば、「1〜5」の範囲が列挙された場合、その列挙された範囲は、1、2、3、4、または5のいずれかが消極的に排除される状況を含むと解釈されてよく、ゆえに、「1〜5」という列挙は、「1および3〜5、しかし2ではない」、または単に「2が含まれない」と解釈されてよい。
【0009】
本明細書に列挙または記載された各特許、特許出願、および公報の開示内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0010】
本発明は、とりわけ、抽出可能材料の粒子に対する金属粒子の均一分布を有し、かつ保持しうる混合物を形成する方法、ならびに、そのような方法にしたがって生産される未焼結体および焼結された多孔質金属構築物(インプラントを含む)に関連する。これまでに現存する工程とは対照的に、本発明の方法は、安全で生体適合性である無臭の安価な低揮発性均質化剤を用いることができ、潜在的に有害または非効率的な処理ステップを別に伴うことがない。例えば、米国特許出願公開第2006/0228247号に開示された方法は、アルコール、イソパラフィン溶媒、アセトン、またはポリエチレングリコールなどの液体有機物を均質化剤として使用することを伴う;これらの薬剤は、スペースホルダー材料の粒子をコーティングするのに使用され、その後、金属粉末がこの粒子に添加される。処方された均質化剤は、あいにく有毒で、可燃性で、揮発性、かつ/または高粘度であり、大量の製品製造中に、危険性、または処理上の問題を呈する場合がある。特定の有機薬剤も、粒子混合物から比較的迅速に蒸発する可能性があり、それにより、その後の処理ステップを行う前の長期保管を妨げる。さらに、スペースホルダー材料の、コーティングされた粒子に金属粉末を添加するステップは、安全性の問題を呈しうる。これは、金属粒子が添加ステップ中に風媒性になる可能性が高いためである。また、金属粉末と、コーティングされたスペースホルダー材料との配合は、vブレンダーを使用することにより達成されると考えられており、vブレンダー上で残りの沈着物が形成される可能性がある;そのような沈着物の除去は、困難である場合があり、処理の効率を低下させるであろう。本明細書で説明されるように、本発明は、これらの欠点のいずれも被らないものである。
【0011】
少なくとも1種類の金属粉末を、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物、および抽出可能材料と配合し、それにより、金属粉末および抽出可能材料がそれぞれの位置をとる混合物を形成することを含む、方法を、提供する。本発明の混合物を調製するためにポリオール類および/または親水性ポリマーを使用することは、多くの利点を与える。このような化合物は、典型的には、安全で、生体適合性で、無臭で、安価であり、低揮発性により特徴付けられる。本明細書で実証されるように、本発明の均質化剤は、金属粉末および抽出可能材料が、あらゆる追加の処理ステップの前に、長期間にわたり、混合物内部でそれぞれの位置を維持することを可能にする。さらに、先行技術の方法とは異なり、本発明の方法は、均質化剤を抽出可能材料と最初に配合し、続いて、均質化剤と抽出可能材料との配合物に金属粉末を添加し、それによって、金属微粉末が風媒性になって製造工程中に安全上の問題を呈する可能性を減少させるステップを含む必要がない(しかし、それにもかかわらず、所望であれば含むことができる)。これらの利点および他の利点は、本開示において容易に明らかとなるであろう。
【0012】
本発明の方法の一実施形態では、金属粉末、抽出可能材料、および、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物、のそれぞれが、単一ステップで混ぜ合わせられることができる。別の実施形態では、金属粉末と抽出可能材料との副配合物(subcombination)が、金属粉末および抽出可能材料を組成物と配合する前に形成されうる。この副配合物は、金属粉末および抽出可能材料の実質的に均質なブレンドとして形成されることができる。本明細書で使用される、2つの粒状材料の「実質的に均質な」混合物またはブレンドは、2つの材料の、互いに対する、粒子のほぼ均等な空間分布により特徴付けられる。この副配合物が主要成分(major component)および微量成分(minor component)を含む場合、混合物は、主要成分を含む粒子間に、微量成分を含む粒子が実質的に均一に分散したもの(substantially uniform dispersion)であることができる。粒子の実質的に均質な混合物を形成する様々な方法であって、ブレンドすること、振盪すること、および攪拌することのうちの1つ以上を含む、様々な方法を、当業者は容易に認識することができる。金属粉末と抽出可能材料との混合物を形成する他の技術も、容易に認識されるであろう。例えば、米国特許第3,852,045号、同第6,849,230号;米国特許出願公開第2005/0249625号、同第2006/0002810号を参照のこと。金属粉末と、抽出可能材料と、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物との混合物も、ブレンド、振盪、攪拌、またはあらゆる他の適切な技術を用いて形成されうる。好ましくは、混合物の形成は、それぞれの構成物の実質的に均質なブレンドを結果として生じる。一実施形態では、副配合物、ならびに/または、金属粉末と、抽出可能材料と、組成物との混合物の調製は、従来の振盪機を用いて、閉じた容器中で成分をかき混ぜ合わせることにより達成されうる。vブレンダーを利用する先行技術の方法とは異なり、本発明による振盪機の使用は、便利で安全である:振盪機は、バッチ間で容易に保守および洗浄され、閉じられた容器は、周囲雰囲気中への金属粉末粒子の潜在的に危険な分散を妨げる。
【0013】
副配合物は、約5容量%〜約45容量%、好ましくは約15容量%〜約40容量%の量で金属粉末を含むことができ、副配合物の残り部分が抽出可能材料を含む。本発明の方法の後期の段階で、金属粉末と抽出可能材料と組成物との混合物から形成される未焼結体から、抽出可能材料がいったん取り除かれると、未焼結体の、結果として得られる多孔度は、約55%〜約95%、好ましくは約60%〜約85%であってよい。抽出可能材料の除去は、以下に、より詳細に説明される。
【0014】
金属粉末および抽出可能材料が配合される組成物は、ポリオールを含むことができる。ポリオールは、約5容量%〜約80容量%、約10容量%〜約70容量%、約20容量%〜約60容量%、または約25容量%〜約50容量%を構成する量で、組成物中に存在することができる。組成物の残り部分は、水を含むことができる。組成物が1種類以上のポリオールを含む場合、組成物の溶液粘度は、20℃で約2〜約20センチストークス(約2×10−6〜約20×10−6/s)であってよい。ポリオール類は、当業者の間では周知であり、2つ以上のヒドロキシル基を含むアルコールを構成する。本発明によれば、3つ以上のヒドロキシル基を含むポリオール類が好ましい;例えば、グリセロールは、本発明の組成物を形成するのに使用するための、非常に好ましいポリオールを表している。ポリオール類の、他の非限定的な例には、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール、ポリオールスクロース、ラクチトール、マルチトール、エチレングリコール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,4‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、ブタン‐2,3‐ジオール、ブテン‐1,4‐ジオール、ペンタンジオール異性体、ペンテンジオール(pentenediol)、ペンチンジオール(pentinediol)、ヘキサンジオール異性体、ヘキセンジオール(hexenediol)、ヘキシンジオール(hexinediol)、ヘプタンジオールジオール異性体、ヘプテンジオール(heptenediol)、ヘプチンジオール(heptinediol)、オクタンジオール異性体、オクテンジオール(octenediol)、オクチンジオール(octinediol)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。他の適切なポリオール類は、当業者により容易に識別されうる。
【0015】
金属粉末および抽出可能材料が配合される組成物は、さらに、または代わりに、親水性ポリマーを含むことができる。親水性ポリマーは、その組成物の約5容量%以下、約3容量%以下、または約2容量%以下を構成する量で、組成物中に存在することができる。組成物の残り部分は、水を含むことができる。組成物が1つ以上の親水性ポリマーを含む場合、溶液粘度は、20℃で約5〜約25センチストークス(約5×10−6〜約25×10−6/s)であることができる。親水性ポリマーは、当業者の間では周知である。適切な親水性ポリマーの非限定的な例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸のナトリウム塩、カルボキシルメチルセルロースのナトリウム塩、アルギン酸のナトリウム塩、ヒアルロン酸のナトリウム塩、ポリエーテルポリオール、親水性ビニルモノマーで修飾されたポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンポリオール、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0016】
ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物が、1つ以上のポリオールおよび1つ以上の親水性ポリマーの双方を含む場合、ポリオールの総補体(total complement)および親水性ポリマーの総補体は、好ましくは、前記に列挙したそれぞれの範囲に対応する量で存在する。1つ以上のポリオールおよび1つ以上の親水性ポリマーの双方を含むそのような組成物の残り部分は、水を含んでよい。
【0017】
混合物中における、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物の量は、約0.3容量%〜約1.5容量%であってよい。好ましい実施形態では、混合物中における、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物の量は、約0.6容量%〜約0.75容量%であってよく、混合物の残り部分は、金属粉末、および抽出可能材料を含む。
【0018】
金属粉末は、あらゆる生体適合性金属を含んでよく、生体適合性金属の非限定的な例には、チタン、チタン合金(例えばTi‐6Al‐4V)、コバルトクロム合金、アルミニウム、モリブデン、タンタル、マグネシウム、ニオブ、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル、タングステン、またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。金属粉末を用いて多孔質構築物を形成する既知の方法にしたがって、金属粉末粒子は、実質的に均一であってよく、あるいは、様々な形状および大きさを構成してよい、例えば、3次元構成に関して様々であってよい、かつ/または、それらそれぞれの主要寸法に関して様々であってよいことが、容易に認識されるであろう。所定の粒子の主要寸法に関して測定した場合、粒径は、約20μm〜約100μm、約25μm〜約50μm、また、約50μm〜約80μmであってよい。金属粉末粒子は、回転楕円体であるか、おおよそ円筒形であるか、プラトンの立体であるか、多面体であるか、プレート形もしくはタイル形であるか、不規則な形であるか、またはこれらの任意の組み合わせであってよい。好ましい実施形態では、金属粉末は、実質的に同様に成形され、また、実質的に同様の大きさである粒子を含む。
【0019】
抽出可能材料は、水性溶媒、有機溶媒、またはその両方において可溶性である材料であってよく、塩、糖、固体炭化水素、尿素誘導体、ポリマー、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。非限定的な例として、重炭酸アンモニウム、尿素、ビウレット、メラミン、炭酸アンモニウム、ナフタレン、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、塩化ニッケル、塩化亜鉛、重炭酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム(sodium hydrogen phosphate)、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム(potassium hydrogen phosphate)、亜リン酸水素カリウム(potassium hydrogen phosphite)、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、アルカリ土類金属ハロゲン化物、結晶性炭水化物(crystalline carbohydrates)(スクロースおよびラクトース、または単糖類、二糖類、もしくは三糖類として分類される他の材料を含む)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンワックス(PROPYLTEX(登録商標)の商標で、ニューヨーク州タリタウンのMicro Powders, Inc.から入手可能なものなど)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、あるいはこれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0020】
抽出可能材料を構成する粒子は、実質的に均一であってよく、あるいは、様々な形状および大きさを構成することができ、例えば、その3次元構成に関して様々であってよく、かつ/または、それらそれぞれの主要寸法に関して様々であってよい。
【0021】
抽出可能材料は、所望の細孔径(pore size)および細孔径分布を生じるのに適した、種々の粒径および粒径分布で存在することができる。ある好ましい粒径範囲は、約200μm〜約600μm、約200μm〜約300μm、および、約425μm〜約600μmである。抽出可能材料の粒子は、回転楕円体であるか、おおよそ円筒形であるか、プラトンの立体であるか、多面体であるか、プレート形もしくはタイル形であるか、不規則な形であるか、またはこれらの任意の組み合わせであってよい。好ましい実施形態では、抽出可能材料は、実質的に同様に成形され、かつ実質的に同様の大きさである粒子を含む。金属粉末と、抽出可能材料と、組成物との混合物から産生される多孔質体の細孔の大きさおよび形状が、抽出可能材料の粒子の大きさおよび形状におおよそ対応しているので、当業者は、抽出可能材料の粒子の特性が、結果として得られる多孔質製品の細孔の所望の構成にしたがって選択されうることを容易に認識するであろう。
【0022】
本発明によれば、抽出可能材料が、実質的に同様に成形され、かつ実質的に同様の大きさである粒子を含む場合、このタイプの抽出可能材料を用いて形成される多孔質体の多孔度は、実質的に均一であろう。以下の実施例1および2で実証されるように、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む本発明の組成物を使用すると、組成物、金属粉末、および抽出可能材料の安定した混合物の形成、ならびに、構造のさらなる均質性が可能となる。先行技術は、抽出可能材料が粒径および粒子形状の均一性のため選択された場合でも、本発明の方法にしたがって達成されうる均一度を有する多孔質構築物を産生しなかった。ゆえに、本発明は、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物と、金属粉末および抽出可能材料を配合した後、長時間の保存中に(例えば、少なくとも4日間、少なくとも1週間、少なくとも10日間、または少なくとも2週間)分離しない、金属粉末および抽出可能材料の安定した混合物を提供するだけでなく、本発明は、多孔質体(未焼結体および焼結体の双方を含む)であって、そのような多孔質体が開示された方法にしたがって産生された場合に実質的に均一な多孔度を有する、多孔質体も提供する。「実質的に均一な多孔度」とは、未焼結体、または未焼結体から産生される多孔質体の特性であって、その特性により多孔度がその物体全体にわたって著しく変化しない、特性を指す。例えば、いくつかの実施形態では、物体の多孔度は、多孔度がパーセンテージで測定される場合に、約3以下の標準偏差だけ変化する。さらに他の実施形態では、物体の多孔度は、約2以下の標準偏差だけ変化する。
【0023】
本発明の方法は、成形された物体を形成するために、少なくとも1種類の金属粉末と、抽出可能材料と、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物との混合物を成形すること、ならびに、未焼結体を形成するために、その成形された物体を固めること、をさらに含むことができる。本発明は、本明細書に記載されるあらゆる工程にしたがって産生される未焼結体にも関する。成形工程は、金型を混合物で満たすことを含んでよく、金型は、所望の最終的な多孔質製品の少なくともおおよそ3次元のパラメータを有しており、機械加工などその後の処理ステップを可能にする。他の実施形態では、金型は、ニアネットシェイプ部品(near-net shape parts)、または成型された形態が所望の最終的な焼結部品に似ている部品を製造するように設計される必要はない;金型は、バー、ロッド、プレート、またはブロックなどの一般的な形状を作り出すことができ、その一般的な形状は、その後、未焼結状態で機械加工されて、焼結後に誘導された収縮(after sintering-induced shrinkage)が最終製品の所望形状にほぼ近づく部品を、焼結部品のオプションの機械加工により、産生することができる。このような目的のための金型および金型組立体は、当業者の間では周知であり、例えば、回転楕円体、卵形、半球形、立方形、円筒形、環状体、円錐、凹形の半球形(すなわちカップ型)、プレート形もしくはタイル形、不規則なもの(irregular)であるか、または任意の他の所望の3次元立体構造を採用する、物体の準備を可能にすることができる。先の説明の任意の態様にしたがっていったん混合物から形成されると、結果として生じる、成形された物体は、未焼結体を形成するため固められうる。成形された物体は、金型組立体内部に収容されている間に固められる。固めることは、一軸性、多軸性、またはアイソスタチックであってよい。好ましい実施形態では、冷間静水圧プレスが、成形された物体を固めて未焼結体にするために用いられる。固める処置に続いて、結果として得られる未焼結体は、金型から取り除かれ処理されることができる。処理することは、未焼結体の形状を機械加工または別様に精製することを含みうる。
【0024】
固めた後で機械加工が行われるかどうかにかかわらず、未焼結体は、次に、抽出可能材料が可溶な溶媒に曝されることができる。前述のとおり、抽出可能材料は、水性溶媒、有機溶媒、またはその両方に可溶であることができる。未焼結体を溶媒に曝すことは、例えば、抽出可能材料の少なくとも一部を除去するのに十分な時間にわたって、溶媒を含む槽の中に未焼結体を浸すことによって、未焼結体を溶媒に浸すことを含みうる。抽出可能材料の個性に関して選択された溶媒のタイプ、溶媒の温度、および溶媒に曝す時間など、様々な要因に応じて、未焼結体からの抽出可能材料の除去は、部分的なものから完全なものにまで変動しうる。抽出可能材料が可溶である溶媒に未焼結体を曝すことにより、好ましくは、未焼結体の任意の所定の表面から少なくとも約1mm、少なくとも約3mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7mm、または少なくとも約10mmの深さまで、未焼結体の少なくとも表面から、抽出可能材料が除去される。
【0025】
ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物も、水性溶媒、有機溶媒、またはその両方において可溶であってよい。このような場合、組成物は、抽出可能材料が可溶である溶媒に未焼結体を曝す処理中に、未焼結体から除去されうる。例えば、組成物がグリセロールを含む場合、組成物は、水を使用して未焼結体から除去されることができ、抽出可能材料が水性溶媒に可溶である場合、抽出可能材料および組成物は、単一の処理ステップ中に、未焼結体から除去されることができる。組成物の可溶性は、未焼結体から組成物を効果的に完全に除去することを可能にすることができ、そのような状況下では、組成物による未焼結体(または未焼結体から産生されたあらゆる焼結多孔質体)の汚染は、起こらない。
【0026】
別の実施形態では、抽出可能材料は、水性溶媒または有機溶媒に不溶であり、加熱条件下で除去可能である。そのような場合、固めることによる未焼結体の形成後(固めた後で機械加工が行われるかどうかにかかわらず)、未焼結体は、抽出可能材料の少なくとも一部を蒸発させるが、未焼結体中で金属粉末をその位置に実質的に保持するのに効果的な条件下で、所与の時間、加熱されることができる。抽出可能材料の個性、加熱環境の温度、および加熱時間などの様々な要因に応じて、抽出可能材料を未焼結体から除去することは、部分的なものから完全なものにまで変動することができ、未焼結体の加熱により、好ましくは、未焼結体の全体的な深さの少なくとも約5%まで、未焼結体の少なくとも表面から抽出可能材料が除去される。好ましくは、抽出可能材料の熱的除去は、未焼結体材料が有機スペースホルダーからのC、N、O、またはHで汚染されることを避けるために、焼結温度よりはるかに低い温度で行われる。例えば、抽出可能材料の熱的除去は、約100℃未満で行われてよく、この温度は、重炭酸アンモニウムなど、いくつかの抽出可能材料の分解を引き起こすのに十分である。
【0027】
加熱条件下での、抽出可能材料の除去は、組成物の除去の前、後、もしくは、それと同時発生的に行われてよい。組成物は、抽出可能材料の除去に効果的であるのと同じ加熱条件下で、除去可能であることができる。他の場合、組成物は、水性溶媒、有機溶媒、またはその両方に可溶であり、例えば適切な1つまたは複数の溶媒を含む槽の中に未焼結体を浸すことによる、組成物の除去は、加熱による抽出可能材料の除去の前、または後に行われてよい。
【0028】
前記のとおり、いったん抽出可能材料が未焼結体から除去されると、未焼結体の、結果として得られる多孔度は、約50%〜約95%、好ましくは約60%〜約85%であってよい。
【0029】
未焼結体から組成物および抽出可能材料を除去することに続いて、本発明の方法は、未焼結体を焼結することをさらに含みうる。焼結は、典型的には、真空炉で行われ、当業者は、金属粉末を含む未焼結体を焼結する適切な条件を容易に認識するであろう。焼結の後に、焼結体の形状特性を精製するための機械加工を含む、さらなる処理ステップが続いてよい。本発明は、開示された方法にしたがって作られた多孔質焼結体にも関する。多孔質焼結体は、骨格系の要素の、損傷されるかもしくは別様に欠陥を生じた要素もしくは部分を置換または修復するのに用いられる整形外科インプラントなどの、インプラントを含むことができる。本発明のインプラントは、実質的に均一な多孔度により特徴付けられ、したがって、この特性に関連した、機械的安定性ならびに骨および組織の均質な内成長などの多くの利益を提供し、それによって、生物学的固定を改善する。
【0030】
実施例1 ‐ 本発明の混合物の安定性
チタン金属粉末、NaCl抽出可能材料、およびグリセロール溶液を含む第1の混合物を調製した。チタン金属粉末、NaClおよび逆浸透(RO)水を含む第2の混合物も調製し、両混合物を、別個の開いた容器の中でドラフトの下に置いた。両混合物は、4日間、ドラフトの下にそのままにされた。図1に示されるように、RO水を用いて調製された混合物は、4日後には、十分に混合された状態ではなかった;図1の、丸く囲んだ部分は、NaCl粒子がチタンの粒子から分離したことを明らかに示している。対照的に、グリセロール溶液を用いて調製された混合物は、同じ4日の期間の後、十分に混合された状態のままであり、金属粉末からの塩粒子の目に見える分離はない(図2の、丸く囲んだ部分)。チタン金属粉末、NaCl抽出可能材料、およびグリセロール溶液を含む第3の混合物を調製し、開いた容器の中でドラフトの下に置き、1週間そのままにした。この混合物は、その後、図3に提供された画像を撮影する前に、冷間静水圧プレスを用いて固められた。図3(丸く囲まれた部分)から容易に観察できるように、混合物の塩部分は、Ti粉末と混合された状態のままであった;当業者には容易に認識されるように、固められていない混合物も均質であった場合に、固められた均質な混合物が生じうるにすぎない。
【0031】
したがって、金属粉末と、抽出可能材料と、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物との混合物は、少なくとも7日の間、周囲雰囲気に曝される容器に保管された場合でも、それぞれの成分の配合後、十分に混合された状態のままである。対照的に、金属粉末および抽出可能材料を水と配合するなどの、従来方法を用いて調製された混合物は、十分混合された状態のままではなく、金属粒子と抽出可能材料の粒子との間それぞれの分離を示す。
【0032】
実施例2 ‐ 焼結体の多孔度
3つの別個の混合物を調製した。第1の混合物は、チタン粉末、NaCl、および均質化剤としての25容量%グリセロール溶液の配合物を含んだ。第2の混合物は、同じ成分を含んでいたが、25%溶液の代わりに50%グリセロール溶液を用いていた。第3の混合物も、チタン粉末およびNaClを含んでいたが、グリセロールではなく逆浸透(RO)水を均質化剤として利用した。3つの混合物のそれぞれは、その後、固められ、NaCl粒子を除去するために水性溶媒に曝され、多孔質体を形成するために焼結された。3つのサンプルは、チタン粉末の粒径、塩の粒径、未焼結多孔度(green porosity)、チタン粉末およびNaClと配合された均質化剤の総量、圧縮圧力(compaction pressure)、焼結温度、ならびに焼結時間に関して、他の点では似ていた。
【0033】
3つのサンプルそれぞれの多孔度は、Image-Pro(登録商標)Plusソフトウェア(Media Cybernetics, Inc.、メリーランド州シルバースプリング)を用いた画像化処理により測定された。各サンプルは、4つの小片に分割され、各小片は、コールドマウントされ(cold mounted)、その後、磨かれ研磨されてオリジナルの多孔質構造体が現れる。2つの光学顕微鏡画像(50xの拡大率)が各切片から撮影され、各サンプルから合計8枚の画像がもたらされる。取得した画像では、金属足場材料(metal scaffold material)は黒く見え、細孔は白く見え、このことにより、金属および細孔がそれぞれ占める面積に基づいて、金属フォームの多孔度を測定することができる。以下の表1に示されるように、グリセロール溶液を用いて調製されたサンプルはそれぞれ、RO水を用いて調製されたサンプルの多孔度の標準偏差のわずかに約半分である標準偏差を有する多孔度を特色としている。
【表1】


25%グリセロール溶液を用いて調製されたサンプルは、測定された多孔度について最も狭い範囲を有し、試験したサンプルの中では、多孔質体の形成において25%グリセロール溶液がチタン粉末およびNaCl粒子と配合された場合に最も高い均一度が達成されたことを示している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にしたがって調製された混合物が4日間まで、また4日間を超えて十分に混合されたままである能力と比較して、金属粉末、スペースホルダー材料、および逆浸透(RO)水を含む混合物がその混合物の最初の調製後4日間保管された後で分離する傾向を示すための図である。
【図2】本発明にしたがって調製された混合物が4日間まで、また4日間を超えて十分に混合されたままである能力と比較して、金属粉末、スペースホルダー材料、および逆浸透(RO)水を含む混合物がその混合物の最初の調製後4日間保管された後で分離する傾向を示すための図である。
【図3】本発明にしたがって調製された混合物が4日間まで、また4日間を超えて十分に混合されたままである能力と比較して、金属粉末、スペースホルダー材料、および逆浸透(RO)水を含む混合物がその混合物の最初の調製後4日間保管された後で分離する傾向を示すための図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法において、
少なくとも1種類の金属粉末を、ポリオール、親水性ポリマー、またはその両方を含む組成物、および抽出可能材料と配合し、それによって、前記金属粉末および前記抽出可能材料がそれぞれの位置をとる混合物を形成すること、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記金属粉末および前記抽出可能材料の副配合物が、前記金属粉末および前記抽出可能材料を前記組成物と配合する前に形成される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記副配合物は、前記副配合物の約5容量%〜約45容量%の量で、金属粉末を含む、方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記副配合物は、前記金属粉末および前記抽出可能材料の実質的に均質なブレンドとして形成される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
ブレンドすること、振盪すること、および攪拌することのうちの1つ以上を、前記混合物に受けさせること、
をさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記組成物は、前記組成物の約10容量%〜約70容量%を構成する量で、ポリオールを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イノシトール、ポリオールスクロース、ラクチトール、マルチトール、エチレングリコール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,4‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、ブタン‐2,3‐ジオール、ブテン‐1,4‐ジオール、ブチン‐1,4‐ジオール、ペンタン‐1,5‐ジオール、異性体のペンタンジオール、ペンテンジオール、もしくはペンチンジオール、ヘキサン‐1,6‐ジオールまたは異性体のヘキサンジオール、ヘキセンジオール、もしくはヘキシンジオール、へプタン‐1,7‐ジオール、異性体のヘプタンジオール、ヘプテンジオール、もしくはヘプチンジオール、オクタン‐1,8‐ジオール、異性体のオクタンジオール、オクテンジオール、もしくはオクチンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、あるいはこれらの任意の組み合わせである、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記ポリオールは、グリセロールである、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記組成物は、前記組成物の約5容量%以下を構成する量で、親水性ポリマーを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸のナトリウム塩、カルボキシルメチルセルロースのナトリウム塩、アルギン酸のナトリウム塩、ヒアルロン酸のナトリウム塩、ポリエーテルポリオール、親水性ビニルモノマーで修飾されたポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンポリオール、またはこれらの任意の組み合わせである、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記金属粉末は、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、アルミニウム、モリブデン、タンタル、マグネシウム、ニオブ、ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル、タングステン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記抽出可能材料は、重炭酸アンモニウム、尿素、ビウレット、メラミン、炭酸アンモニウム、ナフタレン、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、塩化ニッケル、塩化亜鉛、重炭酸アンモニウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、亜リン酸水素カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、アルカリ土類金属ハロゲン化物、結晶性炭水化物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンワックス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記混合物を、成形された物体に成形することと、
未焼結体を形成するために前記成形された物体を固めることと、
をさらに含む、方法。
【請求項14】
未焼結体において、
請求項13に記載の方法にしたがって調製される、未焼結体。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記未焼結体を処理すること、
をさらに含む、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、
前記抽出可能材料の少なくとも一部を蒸発させるが、前記未焼結体中で前記金属粉末をその位置に実質的に保持するのに効果的な条件下で、所与の時間、前記未焼結体を加熱すること、
をさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法において、
前記抽出可能材料が可溶である溶媒に前記未焼結体を曝すこと、
をさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記抽出可能材料は、水性溶媒、有機溶媒、またはその両方に可溶である、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、
前記未焼結体は、前記溶媒に浸される、方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、
前記組成物は、前記溶媒に可溶である、方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法において、
前記未焼結体は、約50%〜約95%の総多孔度を有する、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記未焼結体は、実質的に均一な多孔度を有する、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記未焼結体の前記多孔度は、約3未満の標準偏差だけ変化する、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法において、
前記未焼結体の前記多孔度は、約2未満の標準偏差だけ変化する、方法。
【請求項25】
請求項16に記載の方法において、
前記未焼結体を焼結すること、
をさらに含む、方法。
【請求項26】
インプラントにおいて、
請求項25に記載の方法にしたがって作られる、インプラント。
【請求項27】
混合物において、
請求項1に記載の方法にしたがって作られる、混合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−59545(P2010−59545A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−195045(P2009−195045)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】