説明

多孔質構造軽量セラミックス、抗菌多孔質構造軽量セラミックス、止水防水多孔質構造軽量セラミックス、防水多孔質構造軽量セラミックス、融雪多孔質構造軽量セラミックス及びその製造方法。

【課題】 内部の微細な細穴から構成されている多孔質構造が表面に受けた熱を減少させ、また保水透水性を起こし、更に抗菌加工、防水加工及び軽量化で利用範囲を広げ地球環境に順応させる。
【解決手段】 炭素、ペ−パ−スラッジ灰、珪藻土、シャモットを粘土質に加えて高温焼成することで微細な細穴を保持した多孔質構造を造り、不溶銀粉とアルミナ粉を加えることで抗菌加工を行い、釉薬又は樹脂加工で防水をしたセラミックスにする事で利用範囲及び使用応用の幅が広がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質構造軽量セラミックスを省エネルギ−用建材に製造することと、多湿条件場所でもカビ、苔の生えない抗菌加工セラミックス建材、保水、透水性、多孔質構造セラミックス建材の製造方法、下地面に水漏れのしない構造を持つ防水加工セラミックス建材の製造方法、多孔質構造セラミックス建材の底面に電熱板又は繊維状面発熱体を設置した融雪セラミックス建材に関する。
【技術の背景】
【0002】
従来の技術は、水が浸透しない事が必要条件であり、水の浸透しない、機密性の高い、重い重量があり、太陽熱等を集約しやすく、反射熱、輻射熱、照り返し等により高温化するものである。また、耐凍害性が悪く、融雪材としては使用されていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のセラミックスにあっては、水の浸透しない、機密性の高い、重量が重いことから、太陽熱等を集約しやすく、反射熱、輻射熱、照り返し等により高温化し易く、地球温暖化現象の原因や重量の重さから屋上、テラス、ベランダに使用出来なく、また耐凍害性が悪く、融雪材としては使用出来ない問題点があった。
【0004】
本発明の自然の力である空気や水が自由に出入りできる多孔質構造の軽量セラミックス建材は、反射熱、輻射熱、照り返し熱による高温な放射熱を多孔質構造に吸収分散させ、温度の低下を長時間維持できる省エネルギ−機能を持ち、従来より重量が30%から40%も軽く、水を保水しても下地に水が浸透しない、水漏れ現象を起こさない構造を形成している。又、下地がコンクリ−ト関係の場合は、アルカリ成分を毛細管現象で吸い上げて発生させる白華現象やカビ、苔により美観や景観を損なわず、何処でも手軽に使用できる多孔質構造軽量セラミックス建材、防水加工セラミックス建材、抗菌加工セラミックス建材、及び多孔質構造軽量セラミックスの底面及び側面に釉薬による被覆を施し、底面と下地のあいだに発熱板及び繊維状面発熱体を設置した融雪セラミックス建材とその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、従来の粘土質にペ−パ−スラッジ灰と炭素、珪藻土、シャモットを混合、成型プレス後、1100℃から1250℃の高温度で焼成する加工すると、炭素が燃焼消滅した跡には0.5umから100um程度の微細な細穴を形成させ、尚、天然の多孔質を保持する珪藻土は、更に微細な細穴を増加させると共にペ−パ−スラッジ灰の主成分であるカオリンと言う高級粘土質が高温焼却される事で、微細な細穴を内蔵する多孔質構造のセラミックスに変化している。また、一度高温燃成して磁器化した状態を微細な形状になるまで粉砕することで出来たシャモットの2種類は、どちらも一度高温焼成をしているため、硬度と強度を持ち、溶融点が高く、混合した未燃成の粘土が溶解していく中で、これらは微細な細穴を保持したまま支柱となり結合していく結果、強い空隙壁を形成し、空気や水が自由に出入りをすると共に、外気温度の吸収分散、熱交換機能による保温断熱機能の省エネルギ−機能を持つ多孔質構造軽量セラミックス建材となる。
【0006】
また、多孔質構造の場合は、水分が保留し、多湿状態が続き、カビや苔が発生しやすい条件があるために、利用範囲が狭く普及しない難点があるが、上記配合に不溶銀粉、酸化チタン粉、アルミナ粉、酸化鉄粉を0.02%から0.06%を混入し、高温焼成することで内部全体に抗菌性を持たせ、また、炉から出した600℃から800℃の高温時に、不溶銀粉、酸化チタン粉、アルミナ粉、酸化鉄粉を水溶性イオン化液にして噴霧し、高温を利用し表面に吹付け焼き付けをして抗菌性を持たせることで、カビや苔が発生できない抗菌作用を持つ抗菌加工セラミックス建材になる。
【0007】
また、多孔質構造の場合は、水分が保留許容量を越えると下地へ水が浸透することで下地が自然の砂地以外は防水加工費が増大し使用範囲が狭くなるのを、同製品の底面と側面の半分までに箱状に被覆を釉薬で施して同時焼成するか、又は樹脂で箱状の被覆加工をすると、底面は完全な防水加工となる。特に釉薬は剥離現象の発生もなく安定した防水加工であり、水は底面を通過しないので、下地の防水加工経費が軽減し、手軽に何処にでも利用が出来る防水加工セラミックス建材である。特に下地がコンクリ−ト製品の場合は、微細な細穴が毛細管現象を起こし、アルカリ成分を表面に吸い上げ、白華現象を100%発生させる為に、景観、美観を損ない、利用範囲が狭くなるという難問を解決する。
【0008】
また、底面と側面に釉薬による被覆加工をすることで、この被覆加工は高温焼成前に施す為に、高温焼成により製品と一体化しており、剥離することはない為、底面と下地の間に電熱板又は繊維状面発熱体等を設置することで、寒冷地帯の厳寒においても常に下地により暖められ、凍結することが無く、道路、屋根、屋上、瓦、駅のプラットホ−ム等に使用することは融雪対策用の融雪セラミックス建材になる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上説明したように構成されているので、地球環境の温暖化現象を改善する建材として、下記に記載されてるような効果を奏する。
【0010】
保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材は、強い空隙壁と微細な細穴の構造が重量を軽量化させ、空気や水が自由に出入りが出来る省エネルギ−建材である。
【0011】
磁器質を粉砕したシャモットは溶融点が高い材質で、高温焼成しても強度を維持する為に、強い空隙壁の支柱的役目を果たし、多孔質構造を造る土台として、保水、透水性機能を持ちながら強度の強い構造を保持し、現在苦悩している地球温暖化現象の解決に貢献する温度低下維持機能を持つ建材である。
【0012】
本発明は自然の原理を最大限に活用した発明であり、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材は省エネルギ−で最適な自然環境と人間の生活改善を創造する目的のものである。
【0013】
多孔質構造は微細な細穴で構成するために、微細な細穴内に水を保水し、保水許容量を越えた水は透水か表面を流水させて排出し、吸水した水はは表面を流れる。保水した水は、微細な細穴が毛細管現象で水分を蒸発させる時点で、気化熱により表面温度も低下させると共に、外気温が低い場合は水分の蒸発力低下により、内部温度が動かず、保温断熱効果を発揮する。
【0014】
軽量化するには、従来の粘土材料に多孔質構造を持つペ−パ−スラッジ灰、天然多孔質構造体である珪藻土、強い強度を持つ陶磁器粉砕体であるシャモット等これらの原材料を重量比で30%から48%の量に、0.1umから50um程度の超微粒子にした炭素を重量比で0.1%から3%を目的に合わせ混合し、成型プレス後、1050℃から1250℃の高温焼成する。高温焼成する時点で、セラミックス質のシャモットとペ−パ−シラッジ灰は溶融温度が高く、溶融しにくいため、その間に入り込んだ粘土質が溶融し接合していき、磁器質陶器同様の強い強度をもつセラミックスとなる。この焼成中に炭素は消滅し、微細な細穴を構成して消滅した結果、軽量化された多孔質構造セラミックス建材となる。
【0015】
また、不溶銀粉、酸化チタン、酸化鉄粉を重量比で0.03%から0.06%加えて焼成し抗菌加工セラミックス建材にするか、または、不溶銀粉、酸化チタン粉、アルミナ粉、酸化鉄粉を水溶性イオン化液にして、出炉した直後の600℃から800℃に下がってきた時点で噴霧して焼き付け付着させることで、高湿度の場所や日陰などに発生するコケやカビの発生条件を遮断するため抗菌加工セラミックス建材ができる。
【0016】
多孔質構造は、外気温が高温な場所では微細な細穴が熱伝導現象を起し、表面の高温を内部の低い温度の細穴へ熱伝導し温度交換を発生させ、表面温度の上昇を防ぎます。真夏の炎天下でも外気温度のプラス5℃から10℃前後の上昇で表面温度を維持する。また、散水や給水で保水させると、水は蒸発する際に気化熱を奪い、外気温より10℃から15℃位も表面温度を下げる為に、省エネルギ−効果は多大である。直射日光の熱を集約すると輻射熱、反射熱、照り返しの熱となり、高温度を放射する。屋上、屋根、ベランダ、テラス、歩道、庭等の直射日光により高温化を防ぎたい場所の全てに有効であり、快適な環境を低い経費で演出できる。
【0017】
外気温度が低い場合は、外気の冷たい空気が表面より進入しても、冷たい空気と内部の温度と混合し、温度が安定的となり、内部の水分も蒸発しにくく、断熱保温効果を発揮する。これは、屋上、屋根、外壁材等に断熱保温効果となり、内部の温度が放出されにくくなり、室内の暖房用熱量が少なくなり、省エネルギ−建材として有効である。
【0018】
保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の底面に釉薬又は樹脂加工を施し、防水用被覆処理することで、水は底面に通過することがなく、保水許容量を越えた水は表面を流れるが、保水した水は気化熱を奪いながら蒸発をして表面温度を低下せる機能には変化がなく、施工時及び使用後に下地の防水加工を損傷させず、また紫外線による下地材の防水皮膜の劣化現象を減少させ、構造物の延命保護に役立つものである。また、下地に水が浸透しないため、施工費も下地の防水加工経費も軽減されると共に、抗菌加工は保水、透水機能によるカビや苔の発生という弊害の解決で、利用範囲が広がり、施工も安易となり施工経費の軽減にもつながる。
【0019】
底面に釉薬又は樹脂加工により防水用被覆処理行うと、多孔質構造は毛細管現象で下地のコンクリ−トやモルタルのアルカリ分を吸い上げ白華現象を表面に発生させるのを防止し、美観景観等を損わず、利用範囲が広がる。
【0020】
底面に釉薬又は樹脂加工の防水用被覆処理を施すことで、下地に水が浸透しないため、防水用被覆処理と下地との間に電熱板又は繊維状面発熱体等を同時に施工すると、積雪地帯の融雪が簡単になり、建物への負担や除雪経費が軽減され、除雪作業や表面凍結がなく、安全性が高くなる。また、保水透水性軽量多孔質構造セラミックス建材の形状は平板、瓦形状、凹凸の足が付いた形状等にすると、屋根、屋上、壁面、ベランダ、テラス、庭、プラットホ−ム、地下道、階段、歩道橋、歩道等にも広く使用すことが出来る。
【0021】
保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の形状は平板、瓦、凹凸のある足つき形状、煉瓦型、陶器形状など様々な形状に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明品は、粘土に重量比でペ−パ−スラッジ灰を10%から15%と、炭素(炭素の原料は木屑、おが屑、籾殻、古紙等、何でもよい)を水分5%以内の乾燥度で0.5%から3%、珪藻土15%から20%にシャモット15%から20%等に着色顔料等を調合混合し、成形プレスをして、1100℃から1250℃の高温焼成する。炭素とペ−パ−スラッジ灰の灰分は、800℃から1250℃の焼成過程で完全に燃焼消滅した跡が0.5umから100um位の微細な細穴を形成する。尚、天然の多孔質構造である珪藻土も微細な細穴を増加させ、ペ−パ−スラッジ灰の主成分である高級粘土質のカオリンは紙の有機物と微細な形状で完全に混合している為に、高温焼成時点で微細な細穴を形成した多孔質構造のセラミックス建材である。又、一度高温焼成し磁器質にして粉砕したシャモットとこの2種類は、硬度と強度があり、微細な細穴を保持したまま未焼成粘土と混合しており、未焼成粘土の溶融が進行していく中で、この2種類は溶融点が高い為に中心の柱的存在のまま溶融結合して多孔質構造を形成していくものである。
【0023】
本発明は、多孔質構造の特長で、常に水分が多く日陰の湿気場所は、カビや苔が発生する難点があり、美観、景観の関係で利用範囲の拡大が難しかったが、上記の配合に不溶銀粉と酸化チタンを重量比で0.02%から0.06%混入し、高温焼成するか、または不溶銀粉と酸化チタンを水溶性イオン化液にして、出炉し、600℃から800℃に高温化している時点でこの不溶銀粉と酸化チタンの水溶性イオン化液を噴霧することで、表面に焼き付け付着させることが出来る。この作用により、カビや苔の生息に必要なイオンが分解され、カビや苔が生息する環境を作らない抗菌作用の働きをする、抗菌性、多孔質構造のセラッミクス建材はカビや苔の発生を防止する。
【0024】
本発明により、多孔質構造軽量セラミックス建材の底面及び側面に釉薬又は樹脂による被覆加工を施すと、機能性を失わずに水が底面を通過しない製品自体が防水機能を持つものである。これにより、下地の防水加工が安易となり、工事の施工と経費が軽減される。又、省エネルギ−機能を最小限度の低コストで活用できる。尚、釉薬による皮覆加工は完全に本体と一体化しており、剥離現象の心配もなく、保水した水分は蒸発も吸収も自由自在に活動できて、温度の調節機能を持つ建材である。防水機能を持つ多孔質構造軽量セラミックス建材は、下地の防水加工と施工が手軽になるために何処でも利用が出来る。更に、寒冷積雪地方の融雪建材でもあり、歩道、壁、屋上、屋根、駅のプラットホ−ム等の融雪の場合は、下地と多孔質構造軽量セラミックス建材の間に電熱板又は繊維状発熱面体を設置することで、常に底面より保温され、多孔質構造の内部で熱交換が行われ、維持経費も少なく、人手間が不要な融雪が出来るために、瓦材、路面材、外壁材、屋上材としての機能性建材であり、省エネルギ−建材となる。
【0025】
図1は、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の構造図である。高温焼成すると炭素とペ−パ−スラッジ灰は、燃焼消滅した跡が微細な細穴1、多孔質構造を形成するペ−パ−スラッジの高級粘土質カオリンのセラミックス2、シャモットの強いセラミックス構造体に含まれる微細な細穴3、天然多孔質構造体である珪藻土4、0.02%から0.06%の抗菌作用不溶銀粉、酸化チタン、アルミナ粉、酸化鉄粉5と粘土質6を混合し練り上げ、1250℃の高温焼成で溶融接合化した多孔質構造セラミックス建材となる。
【0026】
図2は、熱交換現象の過程で、外気温度7の熱が表面から多孔質構造の内部に進入し、熱伝導を起こす様子である。表面の熱い温度が細穴の中の低温度と混合調整されて次の細穴へと熱伝導8を起こしている。内部全体に伝達するには長時間かかる。これが表面温度を下げる原因であり、暖まった水は上部へ上昇し蒸発9する時に気化熱を奪っていく。また、逆に外気温度が低いときは、細穴内の水分の温度も暖まりにくく、上昇や移動も少なく、外気温と熱交換が出来ない為に、細穴内に進入できない結果となり、従って断熱保温機能を発揮し、省エネルギ−現象の要因となる。
【0027】
図3は、水の保水、透水現象である。表面に雨等の水10は吸収され、セラミックス内部の細穴12の中に保留し、保水許容量を越えた水は地下へ透水13をする。吸水能力を越えた水14は表面を流れ排水される。また、保水された水は外気温の上昇に比例して蒸発11をする。
【0028】
本発明品の保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の表面は、粗面体で滑り止め抵抗係数を100を出すノンスリップ型の為に、下地の防水加工面を損傷する要素が高く、水漏れが懸念され、下地の防水加工には精密性が要求され経費が嵩むことが利用範囲を狭くし、普及を阻害していた。そこで、底面及び側面に釉薬又は樹脂による防水被覆加工で、下地の防水面を損傷する事と防水加工の精密度の要求が緩和され、経費と施工共に安易となる。また、下地の防水皮膜を紫外線による劣化現象を防止して構造物の延命にも役立つ。
【0029】
図4に示される実施例は、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材を瓦15に加工し、セラミックスの厚さの約3分の1から2分の1までの側面17から底面全体に釉薬又は樹脂で被覆16を厚さ0.1mmから0.5mmで行い、表面
【0030】
図8に示される実施例は、下地をコンクリ−トやモルタルなどの場合、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の底面及び側面を釉薬又は樹脂で箱状に被覆加工することで、下地のアルカリ成分を吸い上げる現象により発生する白華現象38を防止する。これは、美観、景観を損なわず、また表面より吸水した水39を保水して、外気温度の上昇に比例して蒸発40し、気化熱で表面温度を下げる機能に変化はない。
【0031】
図9に示される実施例は、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材が乾燥状態の場合に、内部は図2の現象により、表面温度が外気温より約5℃から10℃位プラスした温度で維持する。また、水を散水し、保水させると、外気温より約1.0℃から15℃は表面温度下げたまま長時間維持し続ける。更に、内部の熱42は、低温度の下地と熱交換を行い、表面温度の上昇を妨げる。底面及び側面に被覆を施した場合は同じ作用を起こすが、被覆の無いものとでは上昇温度に若干の差が出る。
【0032】
図10に示される実施例は、外壁等に施工する場合は、モルタル又はコンクリ−トスラブ45の上の下地防水46と、底面及び側面を釉薬又は樹脂で箱状に被覆48した保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材49を接着剤47で固定すると、図6と図8の機能を発揮し、省エネルギ−機能を持つ外壁建材として夏場の直射日光の反射熱、輻射熱、照り返しによる表面温度の高温化を防ぎ、冬場は逆に保温断熱機能を効果を発揮する建材である。
【0033】
図11に示される実施例は、屋上の反射熱、照り返し、輻射熱を防止するもので、屋上の既存の防水加工57の上に目地無し、直置で保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材53を設置し、補給用給水口52を屋上の隅に取り付け、放水55すると、図6の機能を発揮し、毛細管現象で水を吸い上げ移動し、全体で保水をして、次に蒸発56で気化熱を奪い、内部では熱交換を行い、反射熱、照は被覆加工がされていないので、図3の保水、透水機能は変わらず、水を吸水、保水し、蒸発19をしていく。側面の3分の1から2分の1までと底面全体に釉薬又は樹脂で箱状に被覆加工16すると、水は下部に透水しない為に、下地防水加工20を損傷する恐れを解消し、屋上、壁、屋根の施工時の難問を解決したことで、施工費、人件費の軽減となる。
【0034】
図5に示される実施例は、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材の平面21の形状で、側面の3分の1から2分の1と底面全体を釉薬又は樹脂で箱状に被覆加工22をし、被覆の厚さは0.1mmから0.5mmにすると、コンクリ−トスラブ24の上部の施工した防水加工23を損傷せず、また紫外線による劣化も防ぐ。
【0035】
図6に示す実施例は、保水、透水性の現象である。多孔質構造軽量セラミックス建材25の底面及び側面の3分の1から2分の1まで釉薬又は樹脂で箱状に被覆加工26をして、表面からの水29は保水許容量を満たし、底面に到達をした水31は通過しない。保水許容量を越えた水は側面の被覆が接着接合された場合は、被覆に覆われていない部分32を通過して隣へ移動する為に、被覆で底面及び側面を箱状に覆うことでコンクリ−トスラブ28の上部に施工する防水加工27を損傷させない。
【0036】
図7に示される実施例は、図4、図5、図6の底面及び側面の釉薬又は樹脂による被覆加工をせず、下地をサウンドクッション35にし、表面から浸透した水33を保水して、保水許容量を越えた水を透水34する。保水された水は外気温上昇に比例して蒸発37する際に気化熱で表面温度を下げる。また、保水、透水多孔質構造軽量セラミックス建材の内部が乾燥状態となり水が不足すると、サウンドクションを通して、地下の水36を毛細管現象で吸い上げ、保水をし、外気温度の上昇に比例して蒸発37させ、気化熱で表面温度を下げ続けることで長時間の低温度を維持することが出来る。
り返し、輻射熱の軽減化を計る省エネルギ−建材となる。
【0037】
図12に示される実施例は、ベランダ又はテラス等の反射熱、輻射熱、照り返しを防ぎ、涼しく快適なベランダ又はテラス等を狭いマンション空間において可能にする。ベランダ又はテラス等のモルタル又はコンクリ−トスラブ59の上の下地防水60に、底面及び側面を釉薬又は樹脂で箱状に被覆した保水透水性多孔質構造軽量セラミックス62を接着剤61で固定することで、図10同様の効果を発揮する。また、朝、散水することで保水した水が長時間滞留し、蒸発機能を維持し続けるため、手軽に涼しく快適なベランダ又はテラス等の環境がが演出できる。
【0038】
図13の(a)(b)(c)(d)に示される実施例は、底面及び側面を釉薬又は樹脂で箱状に被覆70した保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材69の下に発熱電熱板又は繊維状面発熱体71を施工し、自由に温度調整を行い、豪雪地帯の融雪が出来る。図5と図6と図8と図9の機能で発熱電熱板又は繊維状面発熱体71から出る熱は、保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材69の内部に伝達し、熱交換機能を発揮して少ない熱量で融雪を行う。溶けた水は、図6と図8の機能で余分な水分は排水し、常に保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材69の内部では熱交換が行われ、保温状態を維持し、凍結が無くなる。この機能は、平面、壁材、屋上、ベランダ、テラス庭、階段、歩道、地下道、庭等に広く活用できると共に、積雪地帯のプラットホ−ム、屋根、瓦、歩道橋等の施工経費の軽減と安易な施工方法となる省エネルギ−建材である。プラットホ−ムは寒冷積雪地方の難問であるが、図13の方法で施工すると乗降者の足元の滑り止めで安全となる。夏場は、図5と図6の機能で涼しく快適な環境が演出できる。図13(a)は、瓦に応用した場合、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックスを瓦加工し、融雪用面発熱体64で底面及び側面に釉薬又は樹脂で箱状に被覆し、水が下地に通過しないため、下地の防水加工が安易となり、積雪を常に融解し流出していく。図13(b)は、プラットホ−ムに施工した場合で、下地の既存コンクリ−トスラブを再利用し、その上に保水、透水性、多孔質構造軽量セラミックス建材67、盲人平板66の外側に底面と側面を樹脂又はモルタルで固定接着すると、施工経費が軽減出来ます。図13(c)は、プラットホ−ムの施工状況の拡大である。既存又は新規下地コンクリ−トスラブ72に発熱電熱板及び繊維状面発熱体を設置し、下地コンクリ−トスラブへの水の浸透を防ぎたい場合は、釉薬又は樹脂による底面及び側面に被覆加工70を施すと下地コンクリ−トスラブ72に浸透する心配がない。図13(d)は、寒冷地積雪地方の歩道の融雪図である。既存又は新規コンクリ−トスラブ76の上に、保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材73を設置し、底面及び側面に釉薬又は樹脂加工で箱状に防水加工した底面を接触させても水を浸透させず、また、下側から発熱により融雪し、縁石77で車道への進出を止める施工をすることで、従来にない簡単な施工と経費の軽減を計りながら融雪対策の出来る建材である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材の多孔質構造を示す横断面図である。
【図2】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材と熱伝導経過を示す横断面図である。
【図3】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材の瓦形状と熱伝導、保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す斜投影図である。
【図4】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材の瓦形状と熱伝導、保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す斜投影図である。
【図5】 下地防水加工と防水加工セラミックス建材との関係を示す縦断面図である。
【図6】 下地防水加工と防水加工セラミックス建材との関係及び熱伝導、保水、透水、蒸発、気の発生経過を示す斜投影図である。
【図7】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材の保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す斜投影図である。
【図8】 白華現象と防水加工セラミックス建材との関係及び熱伝導、保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す斜投影図である。
【図9】 保水、透水性多孔質構造軽量セラミックス建材及び抗菌加工セラミックス建材の乾燥状態と熱伝導、保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す斜投影図である。
【図10】 外壁に使用した防水加工セラミックス建材の施工方法及び熱伝導、保水、透水、蒸発、気化熱の発生経過を示す縦断面図である。
【図11】 屋上に使用した防水加工セラミックス建材の施工方法及び反射熱、輻射熱、照り返しの防止効果を示す斜投影図である。
【図12】 防水加工セラミックス建材をベランダに使用した場合の省エネルギ−効果を示す斜投影図である。
【図13(a)】 防水加工セラミックス建材の瓦断面図である。
【図13(b)】 防水加工セラミックス建材の歩道斜投影図
【図13(c)】 防水加工セラミックス建材のプラットホ−ム等縦断面図(融雪利用方法)
【図13(d)】 防水加工セラミックス建材のプラットホ−ム等斜投影図(融雪利用方法)
【符号の説明】
【0040】
1 炭素が消滅した後の微細な細穴
2 ペ−パ−スラッジ灰の微細な細穴
3 シャモットの強い構造体を持つ微細な細穴
4 珪藻土の微細な細穴
5 不溶銀粉、酸化チタン粉、アルミナ粉、酸化鉄粉
6 粘土質
7、8、18、41、43、44 熱
9、11、19、30、37、40、56 蒸発
10、14、29、31、32、33、36、39 水
12 微細な細穴
13、31、34 透水
15、65 瓦形状の保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材
16、22、26、48、63、70、74 底面及び側面の箱状被覆加工
20、23、27、46、57、60 下地防水加工
21、25、42、49、53、62、67、69、73 平面形状の保水透水性多孔質構造軽量セラミックス建材
28、45、54、59、68、72、76 コンクリ−トスラブ
38 白華現象
47、61 接着剤
52 補給用給水口
55 放水
64、71、75 発熱板又は繊維状面発熱体
66 盲人点ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した微細な細穴と強化空隙壁からなる構造からなり、空気や水の出入りが自由にでき、外気温を吸収分散及び熱交換により保温断熱力のある省エネルギ−機能を持つ多孔質構造軽量セラミックス及びその製造方法。
【請求項2】
多孔質構造内に水を長時間保留及び浸水の状態でもカビ及び苔、細菌などの発生を抑制または防止する多孔質構造軽量セラミックス及びその製造方法。
【請求項3】
多孔質構造内に保留した水の蒸散機能を持つ多孔質構造セラミックスに、底面、側面に防水または止水被覆加工をした多孔質構造軽量セラミックス及びその製造方法。
【請求項4】
多孔質構造軽量セラミックスの底面、側面に発熱体を設置した融雪多孔質構造軽量セラミックス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13(a)】
image rotate

【図13(b)】
image rotate

【図13(c)】
image rotate

【図13(d)】
image rotate


【公開番号】特開2006−232650(P2006−232650A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84725(P2005−84725)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(305011075)エンテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】