説明

多孔質高分子膜強化複合体

下式75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たし、膜の細孔の少なくとも一部分に樹脂が吸収されている、多孔質高分子膜フィルムを含む複合体、及びその製造方法。複合体は、破壊及び壊損に対する抵抗が非常に高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合体構造を強化するための特定の多孔質高分子膜の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
靱性は、応力に適合する材料の能力及び対応する能力に使用される用語である。材料の靱性が高いほど、破壊前に耐える応力は大きい。靱性は、破壊前の非弾性及びエネルギー吸収プロセスにより特徴付けられる、より延性な性質で且つ非壊損性である破壊を意味することもよくある。靱性についてよく使用されるメトリクスには、破壊エネルギー測定値、衝撃エネルギー測定値、強度、穿刺強度、衝撃強さ及び衝撃後強度などがあるが、これらには限定されない。
【0003】
強化複合体に関連した技術には、ポリマーのゴム強化、及び繊維状材料(細断又は連続ガラス、アラミド繊維、炭素繊維等)による複合体強化などがある。
【0004】
ゴム強化は、高分子マトリックスに第二及びディスクリートゴム相を存在させることにより強化した材料に適用される用語である。これらのゴムドメインは、応力集中材としての役割を果たし、顕微鏡レベルでの応力を減少し、マトリックス靱性を増加するように作用すると思われる。本明細書では靱性を使用して、非壊損法においてエネルギーを吸収する能力を説明するのに使用される。ゴムドメインは、典型的には相分離現象又は個々のゴム粒子の添加により生成する。個々のゴム粒子として添加すると、これらの粒子は、外シェルがゴムコア上に存在するコア−シェルゴムの形態であることがよくある。シェルは、典型的には室温を超えるガラス転移温度の材料から製造される。シェルは、クランピングを防止し、分散しやすくする役割を果たす。ゴム強化は、マトリックスのガラス転移温度の低下、樹脂弾性率の低下又は同時に両方をともなうことがある。ゴム強化は、典型的には高架橋密度及び分子が応力に応答して破壊なしに移動することができない結果として、熱硬化性樹脂のTgが150℃を超えて増加するとその有効性を失う。
【0005】
脆性ニートポリマーに利用できる強度を超える用途を可能なようにゴム強化した熱可塑性樹脂には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アセタールポリマー、例えば、ポリオキシメチレンなどがある。ゴム強化した熱硬化性樹脂には、低ガラス転移温度のエポキシ樹脂などがある。
【0006】
固有靱性についてよりよく知られている他のポリマーは、ゴム強化によっても強化された。ゴム強化ポリカーボネート及びナイロンは、このグループに入る。
【0007】
通常の意味での複合体の強化は、典型的にはマトリックスの総剛さを、複合体がより大きな負荷を担持でき、ニート樹脂マトリックスよりもたわみが小さいように増加することを意味する。また、この強化は、ニート樹脂マトリックスよりも壊損に必要なエネルギーが顕著に大きいように、材料の靱性を増加する役割を果たすことがよくある。強化は、典型的には高弾性率繊維、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維又は炭素繊維を添加することにより達成される。これらの繊維は、典型的には直径が1〜20マイクロメートルの範囲である。繊維強化材の粗度により、用途、例えば、形状が1〜数ミクロンのオーダーであることができるエレクトロニクスにおけるように用途に制限が生じることがある。高分子複合体における剛さ及び靱性を効果的に高めるために、繊維状強化材を典型的には樹脂に接合して樹脂から繊維への応力転移を容易にする。この接合は、カーボン繊維のような粗い表面でのインターロックのように機械的であってもよいし、又は樹脂と繊維表面との間の共有結合的相互作用のように化学的なものでもよい。この接合は、反応性表面処理で高めて機械的性能を改善できることがよくある。
【0008】
また、従来技術は、複合強化材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用することを開示している。
【0009】
例えば、延伸PTFEから繊維を調製し、繊維を使用して織物を生成した後、熱硬化性樹脂を含浸させて印刷回路基板に使用することが知られている。これらの構造は、膜構造ではなく、繊維は巨視的スケールで樹脂を強化する。
【0010】
不連続であるフィブリル化PTFEを、熱可塑性材料や熱硬化性樹脂と混合して使用することも知られている。
【0011】
また、複合体は、耐磨耗性、耐溶媒性及び耐用寿命及び強度を改善するために、モリブデンジスルフィドと熱可塑性エラストマーとのブレンドにフィブリル化PTFEを添加することによっても形成されていた。ここでも、このような複合体では、PTFEは、不連続である。
【0012】
また、従来技術は、フッ素含有エラストマーとフィブリル化PTFEからなる複合体も開示している。このPTFEは、不連続である。
【0013】
米国特許第3,953,566号(Gore)は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)として知られている形態のPTFEの製造を開示している。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、ノードとフィブリルにより形成された相互接続したボイドを有する多孔質膜フィルムである。ePTFE材料におけるボイドスペースは、容積が少なくとも50%、しばしば70%超である。しばしば、ePTFEは、PTFEよりも強度が大きい材料であり、優れた誘電材料でもある。
【0014】
複合体を形成するのにこのようなePTFE多孔質膜フィルムを使用することも、知られている。例えば、米国特許第5,753,358号(Korleski)は、相互に接続したノード及びフィブリルを有するePTFE材料を含む接着性複合材料を開示しており、材料のボイド分の少なくとも一部分に、粒状充填樹脂接着剤が吸収されている。
【0015】
米国特許第4,784,901号(Hatakeyama等)は、ビスマレイミド−トリアジン樹脂を含浸させたシート状多孔質ePTFEを含む可撓性印刷回路基板ベース材料を開示している。この多孔質のePTFEシートは、相互に接続したノード及びフィブリル及びボイドを有している。
【0016】
米国特許第5,547,551号(Bahar等)は、ベース材料とイオン交換樹脂とを含む極薄複合膜を開示する。ベース材料は、厚さ1ミル(0.025mm)未満及びノードとフィブリルとボイドにより特徴付けられる微細構造により定義されるか、又は別の実施態様によれば、ノードが存在せず、フィブリルとボイドにより定義される膜である。イオン交換樹脂は、膜が実質的に非通気性であるように実質的に含浸されている。Baharは、ePTFEなしにイオン交換樹脂上にePTFEを含むイオン交換膜の改善された性能について説明している。説明されている重要な性能基準は、ピンホールの不存在及び非通気性のような均一性及び閉塞性、機械的一体性並びに長期化学安定性である。イオン交換樹脂が非常に膨潤性、軟質及びゴム状である場合、膜は、水膨潤状態で作用する。Baharは、好ましいベース材料は、US3,593,566の教示にしたがって製造した延伸PTFEであることを示している。
【0017】
米国特許第5,476,589号(Bacino)は、クロスオーバー点で溶融した実質的にミクロフィブリルからのみ構成されている微細構造を有する不織ウエブから実質的になる薄多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である不織ウェブを開示している。不織ウエブは、非常に強度が高く、非常に薄く、細孔サイズが非常に小さいが、エアーフロースルーが極めて大きい。細孔径0.05〜0.4マイクロメートル;泡立点10〜60psi;細孔径分布値1.05〜1.20;ボール破裂強度0.9〜17ポンド/力;エアフロー20Frazier〜10Gurley秒;厚さ1.0〜25.4マイクロメートル;及び繊維径5〜200nmである。
【0018】
米国特許第5,288,547号(Elmes等)は、得られた複合体における靱性を高める多孔質膜フィルム成分を用いて複合体を作製する方法を開示している。Elmes等は、熱可塑性膜が複合体に溶解すること、及び熱可塑性膜が複合体に溶解しないことは望ましくないことを教示している。Elmes等は、樹脂−熱可塑性界面が弱いことは、複合体の性能に悪影響を及ぼすので問題であることも述べている。
【0019】
上記米国特許の各々の開示全体は、引用することにより、本明細書の内容とする。
【0020】
さらに、MICROLAM(登録商標)410Dielectric及びMICROLAM(登録商標)610Dielectricは、デラウエア州ニューアークにあるW.L.Gore&Associates社から入手可能な2つの市販の製品である。これらの製品は、熱硬化樹脂とePTFE多孔質膜からなる複合体である。また、MICROLAM(登録商標)410Dielectricも、大きな容積割合の無機フィラーを含み、膜成分は、一般的に最大引張弾性率が133MPaであり、最大引張弾性率の方向から90度での引張弾性率が1MPaである。図5は、この製品に使用される種類の膜のSEM(走査型電子顕微鏡)である。MICROLAM(登録商標)610Dielectricは、一般的に最大引張弾性率が76MPaであり、最大引張弾性率の方向から90度での引張弾性率が16MPaである膜成分を有する。図6は、この製品に使用される種類の膜のSEMである。
【0021】
少なくとも部分的にフッ素化エチレンプロピレン(「FEP」)を吸収した細孔を有する実質的にノードのないePTFE膜を有する材料を製造することも、公知である。FEPの室温曲げ弾性率は約0.5〜0.7GPaである。FEPを吸収したノードのない膜は、典型的にはFEP/FEP膜複合体の室温曲げ弾性率比が約0.6である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、複合体に多孔質高分子膜フィルムを、これらの膜が複合体において破壊及び壊損に対する耐性が実質的に改善されるように使用することに関する。本明細書で使用される「複合体」とは、2種以上の異なる材料を含む物体を意味する。従来のゴム強化とは対照的に、この強化は、使用される樹脂のガラス転移とは無関係である。本明細書で使用される「多孔質高分子膜フィルム」とは、細孔が実質的に相互接続している多孔質高分子フィルムを意味する。多孔質高分子膜フィルムは、不溶解性であり、複合体の処理中、原形を保ち、溶解しないままである。
【0023】
多孔質高分子膜フィルムは、下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす。
【0024】
本発明の一態様によれば、複合体は、膜の細孔の少なくとも一部分に、室温(23℃)曲げ弾性率が約1GPa超である樹脂を吸収して有している。樹脂は、室温での曲げ弾性率が約1GPa超である好適な無機材料若しくは有機材料又はそれらの組み合わせであることができる。好適な無機材料には、例えば、金属、メタロイド及びセラミックなどがある。好適な有機材料には、例えば、高分子材料などがある。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温曲げ弾性率に対する比が、約1より大きいか、又は約1に等しい。
【0026】
このような膜構造による強化は、樹脂のガラス転移温度(Tg)には影響しない。さらに、最終的な複合体のTgは、膜なしでのニート樹脂のTgと同じである。複合体の曲げ弾性率及び引張弾性率への影響は、膜の容積率並びにマトリックス及び膜の曲げ弾性率及び引張弾性率に依存する。膜は、マトリックスとは異なり且つ別個の相であるので、ゴム強化とは異なり、不完全な相分離による曲げ弾性率又は引張弾性率の低下は生じない。
【0027】
予想外にも、複合体構造で使用したときに、本発明による多孔質高分子膜構造は、複合体の破壊靱性に顕著に寄与することが判明した。本発明の一態様によれば、膜構造体は、「ノード」と称される非フィブリル形態で存在する材料が最小である延伸ポリテトラフルオロエチレン膜である。本発明のさらなる態様によれば、膜には、実質的にノード材料が存在しない。応力が複数の方向からロードされるときには、等方的フィブリル配向が好ましい。応力が異方性であるときは、より多くの数のフィブリルが最大応力の方向に平行であることが好ましい。多層構造が意図されるときには、層をクロスプライして性能を最大化することが望ましい。フィブリル配向と密度の一つの尺度は、膜の引張弾性率である。弾性率が高い膜ほど、好ましい。
【0028】
通常の高弾性率繊維強化材(例えば、ガラス、カーボン等)とは異なり、本発明の膜は、実質的に非線形膜様構造を有する。延伸ポリテトラフルオロエチレン膜の特定の場合において、膜は、容易には他の材料に濡れたり又は接着したりしない。従来技術が靱性がより高い材料又は強化材の選択ついて何を教示しているのかとは異なり、本発明の膜は、予想外にも複合体の性能を高める。
【0029】
また、従来の強化材は、ニート樹脂単独に対して複合体における弾性率を実質的に増加している。例えば、カーボン、黒鉛、ガラス、セラミック及びアラミド繊維は、複合体の弾性率を10倍を超えて増加させることがある。
【0030】
本発明の一態様によれば、膜の横方向弾性率及び縦方向弾性率のうちの大きい方の方向において測定した複合体の室温曲げ弾性率は、典型的には樹脂成分単独の室温曲げ弾性率よりも低い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、特定の多孔質高分子膜フィルムを樹脂と組み合わせして使用することによる複合体の強化、それら自体の複合体構造、これらの複合体の製造方法並びにそれらの物品及び商業的用途に関する。
【0032】
上記したように、樹脂は、いずれかの好適な無機材料若しくは有機材料又はそれらの組み合わせであることができる。本発明の一態様によれば、樹脂の室温曲げ弾性率が、約1GPa超である。好適な無機材料には、例えば、金属、メタロイド及びセラミックなどがある。好適な有機材料には、例えば、高分子材料などがある。樹脂が有機材料である場合には、さらに無機材料等の非高分子成分を含んでいてもよい。例えば、高分子材料等の有機材料を使用する場合には、高分子材料は、さらにセラミック及び/又は金属及び/又はメタロイド材料を含むことができる(例えば、組み合わせ、混合又は分散して含む)。樹脂は、無機、有機又はそれらの組み合わせであるかとは無関係に、室温曲げ弾性率が約1GPaを超える。本明細書で使用される用語「樹脂」は、複合体の樹脂成分に存在する材料の全てを含む。したがって、樹脂が二種以上の成分であるときには、樹脂の成分の一つ(例えば、高分子材料)は、室温曲げ弾性率が約1GPa未満でよいが、2つの成分の組み合わせ(例えば、高分子材料とセラミックフィラーの組み合わせ)により材料の室温曲げ弾性率が約1GPa超となる場合には、樹脂は本発明によるものである。
【0033】
予想外にも、室温曲げ弾性率が約1GPaを超える樹脂を高引張弾性率多孔質高分子膜フィルムの細孔の少なくとも一部分に吸収させることにより、所望の性質を有する複合体を製造できることが判明した。
【0034】
本発明のさらなる態様によれば、膜の横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温曲げ弾性率に対する比が、約1より大きいか、又は約1に等しい。本発明のこの態様において、樹脂の室温曲げ弾性率は、約1GPa超でもよいし、約1GPa以下でもよい。
【0035】
多孔質高分子膜フィルムは、下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす。
【0036】
100MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす膜が、より好ましい。150MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす膜が、さらに好ましい。250MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす膜が、さらに好ましい。300MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす膜が、さらに好ましい。400MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす膜が、最も好ましい。全ての方向において、引張弾性率>200MPaである膜が最も好ましい。
【0037】
膜は、有機成分及び無機成分を含んでいてもよい。高分子材料を含む膜が、好ましい。伸張ポリマーを含む膜が好ましい。延伸PTFEを含む膜が、最も好ましい。高分子膜は、実質的にいずれの高分子材料、例えば、ビニルポリマー、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、フルオロポリマー、例えば、PTFE、縮合ポリマー、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリ酸無水物、 ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、セルロース、セルロース誘導体、多糖類、ペクチンポリマー及び誘導体、アルギンポリマー及び誘導体、キチン及び誘導体、フェノール樹脂、アルデヒドポリマー、ポリシロキサン、それらの誘導体、コポリマー及びブレンドを含むことができる。
【0038】
多孔質高分子膜フィルムは、公知の方法により製造できる。好ましいものとして、最小結節材料を有するePTFE膜が挙げられる。最も好ましいものは、ノードのないePTFE膜である。このようなePTFE膜は、例えば、米国特許第5,476,589号(Bacino)の教示により製造できる。このような膜は、PTFEの二軸延伸により高度にフィブリル化され、実質的に粗い結節構造をなくすことにより形成される。その結果、構造体は、フィブリル交差点で交差する微細フィブリルの極めて強度の高いウエブを含む。このような構造体の代表的なものを、図13のSEMに示す。米国特許第3,953,566号(Gore)に記載され且つ示されているような大きなノード構造は、このような膜フィルムには存在しない。米国特許第3,953,566号に教示されているようにして形成された構造体の代表的なものを、図6のSEMに示す。図6に示すように、大きなノード及びフィブリルが、明瞭に見える。
【0039】
米国特許第5,476,589号による延伸PTFE材料は、以下のようにして製造できる。非晶質含量が低く、結晶化度が少なくとも98%であるPTFE微粉末を、原料として使用する。好適なPTFE微粉末として、例えば、ICI Americans社製FLUON(登録商標)CD−123及びFLUON(登録商標)CD−1微粉末、並びにE.I.duPont de Nemours社製TEFLON(登録商標)微粉末が挙げられる。PTFE微粉末を、まず凝固させた後、炭化水素押出し助剤、好ましくは、無臭ミネラルスピリット、例えば、ISOPAR(登録商標)K(Exxon社製)で潤滑する。潤滑した粉末を、圧縮して円筒形にし、ラムエキストルーダーで押出してテープを形成する。テープの2層以上をいっしょに積層し、2つのロールの間で圧縮する。テープ(単一又は複数)を、ロール間で圧縮して適当な厚さ、例えば、0.1〜1mm等とする。湿ったテープを横方向に伸張してその最初の幅の1.5〜5倍とする。加熱して、押出し助剤を除去する。
【0040】
次に、乾燥したテープを、ポリマーの融点(327℃)より低い温度に加熱されたロール列間のスペースで縦方向に延伸する。縦方向の延伸は、ロールの第二列の速度の、ロールの第一列の速度に対する比が、10〜100:1である。縦方向の延伸を、1〜1.5:1の比で反復する。
【0041】
次に、縦方向の延伸後のテープを、327℃未満の温度で、膜が縦方向に収縮しないようにしながら、最初の押出し物の入幅の少なくとも1.5倍、好ましくは6〜15倍に横方向に延伸する。まだ、拘束しながら、膜を、好ましくはポリマーの融点(327℃)より高くまで加熱した後、冷却する。
【0042】
特に好ましい膜は、意図する複合体ボディにおける最大応力の方向において配向した高密度のフィブリルを有するノードのないePTFE膜である。応力が、複数の方向からロードされるときには、等方的フィブリル配向が好ましい。
【0043】
ePTFE膜は、好適なボイド率を有することができる。本発明の一態様によれば、膜のボイド率は、約1〜約99.5容積%である。本発明のさらなる態様によれば、ボイド率は、約50〜約90%であることができる。好ましいボイド率は、約70〜90%である。
【0044】
膜は、必要に応じて樹脂成分への接着を容易にしたり、又は樹脂成分への接着を容易にするために処理してもよい。処理としては、例えば、コロナ、プラズマ、化学酸化などが挙げられる。
【0045】
本発明の複合体を形成するために、樹脂を、膜の細孔の少なくとも一部分に吸収させる。高分子樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂及びそれらの組み合わせ又は混合物などが挙げられる。本発明の一態様によれば、樹脂は、高分子であり、非晶質成分のガラス転移温度が>80℃である。
【0046】
好適な熱可塑性樹脂には、例えば、ビニルポリマー、スチレン、アクリレート、メタクリレート、一定のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、一定のフルオロポリマー及びそれらの組み合わせなどがある。さらに、好適な熱硬化性樹脂としては、例えば、 エポキシ、シアン酸エステル、ビスマレイミド、フェノール樹脂、不飽和樹脂、例えば、不飽和ポリエステル、ヒドロシリル化樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ポリウレタン、ポリスルフィド、アセチレン樹脂、ポリ酸無水物、メラミン、アルキッド、ウレア、イソシアネート及びそれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましい高分子樹脂には、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、シアン酸エステル及びそれらの組み合わせなどがある。
【0047】
また、樹脂は、一種以上の好適なフィラー材料を含んでいてもよい。本発明の一態様によれば、フィラーを、樹脂に均一に分散させる。フィラー材料は、粒状又は繊維状等の好適な形態であることができる。フィラーは、いずれかの好適な無機材料及び/又は有機材料又はそれらの組み合わせであることができる。例えば、金属及び合金、例えば、ニッケル、銅、アルミニウム、シリコン、半田、銀、金、金属メッキ材料、例えば、銀メッキ銅、銀メッキニッケル、銀メッキガラス等が有用であるが、これらには限定されない。さらに、無機物質、例えば、BaTiO3、SrTiO3、SiO2、Al23、BN、ZnO、TiO2、MnO、CuO、Sb23、WC、溶融シリカ、ヒュームドシリカ、非晶質溶融シリカ、ゾルゲルシリカ、ゾルゲルチタネート、混合チタネート、リチウム含有セラミック、微細中空ガラス球状体、炭素系材料、例えば、カーボン、活性炭、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ダイアモンド粉末等も有用である。特に好ましいフィラーには、BaTiO2、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、ニッケル及び半田が挙げられる。
【0048】
任意のフィラー(及びその量)の選択は、最終的な複合物体の所望の性質に依存する。例えば、適切なフィラーを選択することにより、複合体の性質、例えば、導電性、抵抗率、弾性率、強度、衝撃作用、熱膨張、減衰、耐候性、耐磨耗性、重量(複合体の最終重量の増加又は減少)、滑性、摩擦、色、仕上がり、音の反射−吸収−増幅、断熱、靱性等を制御できる。
【0049】
フィラーを、必要に応じて表面処理して複合体の性能を改善できる。好適な表面処理には、シラン、ジルコネート及びチタネートなどあるが、これらには限定されない。これらの薬剤は、湿潤剤、加工助剤、難燃剤、着色剤等としての役割を果たす。
【0050】
一般的に、膜の細孔を樹脂でできるだけ充填することが望ましい。好ましくは、細孔を、樹脂で実質的に充填する。しかしながら、相当量の細孔を含む所望の複合体を、製造してもよい。これに関して、最終的な複合体の好ましいボイド率は、約0〜約70容積%の範囲であることができる。
【0051】
膜に樹脂を吸収させるのに、好適な方法又はプロセスを使用できる。例えば、溶媒含浸、溶融含浸、モノマー浸透及び膜積層の一つ以上を組み合わせることにより、樹脂を膜に吸収できる。吸収は、樹脂が膜に入るのを促進するように設計した、溶媒、温度、圧力及び真空並びにそれらの組み合わせにより吸収しやすくすることができる。
【0052】
複合体の形態及び物品の製造方法は、当該技術分野において公知の形態及び方法のいずれであってもよい。例えば、シート成形、プリプレグレイアップ、圧縮成形、熱成形、テープラップ、押出し及び成形(粒状化膜及び/又は粒状化膜−樹脂複合体から開始)、樹脂又は樹脂モノマーの膜プレフォームへの射出成形、スタンピング、引き抜き成形、機械加工などが挙げられる。一実施態様によれば、複合体の形態はシートであり、続いてシート成形して物品とする。さらに別の実施態様によれば、樹脂−膜複合体プレフォームを、研削、切削、低温研削又は小複合体片を調製するいずれかの他の手段により粒状化後、粉末計量により金型に供給するか、又はエキストルーダーを介して金型に供給して最終的なパーツとする。必要に応じて、熱と圧力を加えて、樹脂を流動させ及び/又は硬化化学反応に必要な熱エネルギーを提供する。さらに別の実施態様によれば、膜粒状物を樹脂と組み合わせて、成形物品を得る。好ましい実施態様によれば、物品を、シート状の樹脂−膜複合体と熱及び圧力と組み合わせて作製する。
【0053】
形成された複合体には、当業者には明らかな数多くの最終用途がある。複合体は、エレクトロニクス用途、例えば、誘電材料に有用である。したがって、複合体を1層以上の金属層(例えば、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛等)に積層又は接合することが望ましいことがある。さらに、1層以上のキャパシタンス層(例えば、セラミック充填ポリマー)に複合体を積層又は接合することが望ましいことがある。
【0054】
また、複合体は、ガラス繊維、カーボン繊維及びセラミック繊維等の材料を含有する高弾性率繊維の1層以上の層と組み合わせることも有用である。これに関して、本発明の複合体を、例えば、高弾性率繊維含有材料の層に積層して、このような材料に靱性を付加することができる。このような積層体は、構造材料としてだけでなく、航空宇宙用途、防衛用途及びスポーツ用品用途において特に有用である。
【0055】
例えば、釣り、狩猟、ゴルフ、テニス、スキー、陸上競技、バスケットボール、フットボール、サッカー、ラクロス及びホッケーに関連したスポーツ用品材料、例えば、釣り竿、弓、矢柄、シャフトクラブ、ラケット、ステッキ、スキー板及びポール、やり投げ用の槍、ヘルメット、棒高跳びのポール、バックネット及びゴールポストを、本発明の複合体を用いて加工できる。したがって、本発明には、本発明の複合体を含むスポーツ用品用具が含まれる。航空宇宙材料用途には、例えば、航空機用内装パネル及び外装パネル、飛行部重大パーツ、非飛行重大パーツ、安全装置、ファンブレード、操縦面、ストラット等があり、これらも、本発明の複合体を用いて加工できる。したがって、本発明には、本発明の複合体を含む航空宇宙パーツが含まれる。防衛材料用途には、構造部材、人的又は車両防護用パネル(例えば、ボディ防護プレートアパレル、例えば、ベスト防護具及びヘルメット防護具、車両防護具、例えば、軍用人員運搬車及び戦車犠牲防護タイル用防護プレーティング)及び軍装備品ハウジングなどがある。
【0056】
さらに、本発明の複合体の2つ以上をいっしょに積層して比較的厚い複合体を形成するのが望ましいことがある。さらに、本発明の一態様によれば、複合体を、複合体構造の内層として使用できる。複合体は、界面接着層としての役割を果して、積層体等の複合体構造において2層を一緒に接着することができる。さらに、複合体は、積層体の外層としての役割を果たすことができる。したがって、本発明は、上記した複合体の少なくとも1層を含む新規な積層体をも提供する。このような実施態様によれば、本発明の複合体は、靱性の面で特に注目すべきものがある。具体的には、積層プロセス中、オペレータは、一般的に例えば、銅基板に積層される複合材料(例えば、誘電材料)を取り扱う。この手順で起きる可能性のある問題は、現在使用されている誘電材料が、応力による化学的、機械的、熱的又はそれらの組み合わせのために、積層前又は積層中及び最終用途中にクラックを生じる傾向があることが知られていることである。このため、生産効率が低下し、材料の廃棄、パーツの破損等を生じることがある。本発明の強化複合体を提供することにより、クラックの問題が大きく減少する。
【0057】
本発明の複合体の最終用途には、例えば、電子用途における使用、電子基板に使用されるプリプレグ、コア、薄コア及び極薄コア、印刷回路基板、チップパッケージ基板、シリコンウエハ、並びに複合構造体上の外層などがある。本発明の一態様によれば、複合体は、当業者に周知の電子チップパッケージを形成するのに使用できる。このような電子チップパッケージは、少なくとも1層の導電層と、導電層に接着させた少なくとも1層の誘電層を有する積層基板を備えている。このようなパッケージは、多数の交互に設けた導電層/誘電層を有することができ、さらにそこに一つ以上のビアを有することができる。
【0058】
複合体のさらなる用途には、例えば、応力ベアリング用途における使用などがある。これらには、土木工学、自動車、船舶、列車、家及び商用電気器具、レードーム、建造物、製造、家具、濾過、玩具、歯科具、例えば歯科インプラント、医療具、例えば医療用インプラント、ワイヤラッピング等の工業における使用などがあるが、これらには限定されない。
【0059】
増強される性質には、強度、靱性、耐衝撃性、耐損傷性、損傷許容性、耐磨耗性、耐穿刺性などがあるが、これらには限定されない。
【0060】
膜は、極めて脆いものから、極めて靱性の大きなものまでの領域にわたって樹脂の靱性を高めるが、本発明の一つの好ましい実施態様によれば、膜を使用して、膜が不存在の場合に脆性破壊を示す樹脂の靱性を高める。脆性破壊は、破壊までの実質的に直線的な応力ひずみ曲線により特徴付けられるか、又は特徴的に平滑且つ実質的に特徴のない断裂面により特徴付けられる断裂破壊として定義される。これらの脆性材料における靱性の増加により、これらの材料を商用物品に適用できる自由度が大きく増加し、より低コスト、より低分子量で、加工の容易な樹脂コンポーネントを使用することが可能となる。
【実施例】
【0061】
実施例1〜9及び比較例1〜7:
延伸PTFE膜に、表1及び表2に示す樹脂A又はBを含浸させた。複合体を、以下のようにして形成した。プリプレグを一方向に積層して、以下に記載するような厚さ1/8”(0.32cm)プラークを作製し、硬化した後、破壊試験片をこれらのプラークから切断し、破壊エネルギーを、改良ASTM D5045に準じて3点曲げ構成で測定した。具体的には、試験片寸法は、2.5”(6.4cm)×0.5”(1.27cm)×0.125”(0.32cm)であり、中央プレクラックは、寸法0.5“の約40〜60%であった。試験前に、新しいかみそりの刃を使用して、スクライビングをおこない試験片に鋭いクラックを生じさせた。Kqを、Kqとして応力ひずみ曲線におけるピーク負荷を用いてASTM D5045における式A1.4.3を用いて計算した。Kqは、亀裂が進行に必要な応力強度の目安である。試験は、3点曲げ構成で、スパン2.0”(5.08cm)及びクロスヘッドスピード0.1mm/秒で実施した。Kqを、プラーク上で縦横方向で測定し、それぞれx及びy方向での亀裂方向により示した。また、膜引張弾性率も、縦横方向で測定した。
【0062】
実施例1〜9(本発明による)で使用した膜は、小さなノード及び/又は実質的にノードのない膜構造を有する特徴を有し、さらに表2に示す膜引張弾性率を有していた。比較例1〜7(本発明ではない)の膜は、ノードを有し、フィブリル膜構造を有する特徴を有し、さらに表1に示す膜引張弾性率を有する。膜の含浸は、膜を、それぞれの樹脂のメチルエチルケトン溶液の中を通過させた後、空気循環オーブン中で乾燥して溶媒を除去することによりおこなった。各プライにおける膜方向を維持した厚さ1/8“フレームモールド内にプリプレグを入れることにより、プラークを調製した。モールドに、PTFE膜を両側に被覆し、硬化するまで200psi(1.378KPa)でプレスした。硬化後、PTFE膜を複合体の両側から取り除いた。樹脂Aについての硬化サイクルは、350°F(177℃)で2時間であった。樹脂Bでの硬化サイクルは、350°F(177℃)で1時間の後、435°F(244℃)で2時間であった。
【0063】
樹脂Aは、以下の成分を有し、Tg130℃、室温曲げ弾性率2.96GPaであった。樹脂Aの室温曲げ弾性率を、Rheometrics Solid Analyzer RSA IIによる3点曲げ試験ジオメトリーを用いて測定した。試料を、0.1〜15Hzの周波数範囲で試験した。報告されている曲げ弾性率を、1Hzでの弾性率とした。試料を、ひずみ0.02%を用いて測定した。全ての試験を、周囲条件でおこなった。
【0064】
【表1】

【0065】
樹脂Bは、以下の成分を有し、Tg215℃、室温曲げ弾性率4.9GPaであった。樹脂Bの室温弾性率を、寸法が厚さ約1/8”、幅約1/2”、長さ約1.25”の試料についてひずみゲージを用いて測定した。測定は、スパンを1“に調整した条件でASTM D790で測定した。
【0066】
【表2】

【0067】
表1及び表2に、使用される膜のSEMを示す対応の図、形成された複合体の各々についての複合体Kq、膜の引張り弾性率データ、複合体を形成するのに使用された樹脂、複合体におけるePTFEの重量%を示す。
【0068】
【表3】

【表4】

【0069】
ePTFE膜を、以下のようにして引張弾性率について特徴付けた。試験片を、ダイカットして15mm×165mmのストリップとした。引張り試験を、Instron引張り強度テスターで実施した。機械パラメータを、以下のようにして設定した。クロスヘッド速度:508mm/分。フルスケールロード範囲:0.1kN。グリップ距離:50mm。試験を、周囲条件でおこなった。ヤング率は、自動確定限界(シリーズIX自動材料試験システムソフトウェア)を用いて計算した。試料厚さを、Kafer FZ1000/30スナップゲージを用いて測定した。各試験片の少なくとも4つの領域において、測定した。
【0070】
図15は、樹脂Aを用いて形成した各複合体について、複合体Kq値と膜弾性率値との関係を示すプロットである。
【0071】
図16は、樹脂Bを用いて形成した各複合体について、複合体Kq値と膜弾性率値との関係を示すプロットである。
【0072】
上記例は、本発明による膜を用いると、驚くべき高い剛さの複合体が得られることを示している。
【0073】
実施例10:
実施例7、8及び9において使用し且つ室温曲げ弾性率4.9GPaである樹脂Bを、横引張弾性率119MPa及び縦引張弾性率56MPaの延伸PTFE膜に吸収させた。図14は、本実施例に使用される膜の走査型電子顕微鏡写真(1000倍)である。樹脂を、実質的に実施例1〜9及び比較例1〜7に記載されたのと同じ膜の細孔に吸収させて、複合体ボディを得た。複合体の室温曲げ弾性率は、4.5GPaであった(膜の横方向に平行に測定)。複合体の室温曲げ弾性率は、上記した樹脂Aの室温曲げ弾性率の測定と同じ方法を用いて測定した。したがって、この実施例では、樹脂室温曲げ弾性率の複合体の室温曲げ弾性率に対する比(膜の横方向に平行に測定)が1超である複合体が形成されていることが明らかである。
【0074】
実施例11及び12:
米国特許第5,476,589号に記載の方法で作製したePTFE膜に、メチルエチルケトン溶液を用いてポリスチレンを含浸させた。各膜は、膜をポリマー溶液を通過させた後、溶媒を乾燥除去することにより含浸させた。ポリスチレン含量は、最終複合体の70+/−10重量%であった。プラークを、厚さ1/8”のフレームモールドの内部にプリプレグを入れることにより作製した。モールドに、両側にPTFE膜を設け、200psi(1.378KPa)でプレスして被覆した。熱サイクルは、実施例11(低分子量ポリスチレン(Mw=200,000とMw=4,000とのブレンド))について200℃で1時間であり、実施例12(高分子量ポリスチレン(Mw280,000))について250℃で1時間であった。本明細書で使用されるMwは、重量平均分子量である。両方のポリスチレンは、ウイスコンシン州ミルウォーキーにあるAldrich Chemical社から入手したものであり、それぞれAldrich Cat#33、165−1及びAldrich Cat#18、242−7として入手できる。
【0075】
各複合体に使用されたePTFE膜は、縦膜引張弾性率241MPa、横引張弾性率65MPaであった。高分子量ポリスチレンの室温曲げ弾性率の測定値は3.8GPaであり、一方、複合体は、膜の横方向に平行な測定値が3.2GPaであり、膜の縦方向に平行な測定値が3.5GPaであった。室温曲げ弾性率は、上記の樹脂Aの室温の曲げ弾性率の測定と同じ方法を用いて測定した。Kq測定値は、上記実施例に記載したのと同じ方法で測定したものである。各実施例についての剛さのデータを、表3に示す。
【0076】
【表5】

【0077】
上記例から、本発明による膜を用いると、驚くべき高さの剛さを有する複合体が得られることが分かる。
【0078】
実施例13及び14並びに比較例8:
厚さ900μmの試験積層体を、メリーランド州エリクトンにあるW.L.Gore and Associates社製の市販品MICROLAM(登録商標)410Dielectricを用いて作製した。この積層体を、325psi(2.24KPa)でプレスし、350°F(177℃)で1時間硬化した後、435°F(224℃)で2時間硬化させたMICROLAM(登録商標)410Dielectricの積層した層から作製した。寸法50mm×12.5mmの試験片を、積層体から切断した。比較例8は、MICROLAM(登録商標)410Dielectricからなる層のみを有するものであった。実施例13及び14は、高弾性率ePTFE膜の単一外層を有し、残りがMICROLAM(登録商標)410Dielectricからなる層であった。実施例13及び14は、積層中、外ePTFE層と内MICROLAM(登録商標)410Dielectric層とをプレスすることにより作製した。積層中、MICROLAM(登録商標)410Dielectricからの樹脂の一部は、外層膜の細孔の少なくとも一部に浸透した。外層膜細孔の一部に浸透したMICROLAM(登録商標)410Dielectricの樹脂成分は、上記樹脂Bと実質的に同じであり、室温曲げ弾性率が約4.9GPaであった。実施例13では、外層膜は、縦引張弾性率が805MPaであり、横引張弾性率82MPaであった。実施例14では、外層膜は、縦引張弾性率が570MPaであり、横引張弾性率が22MPaであった。したがって、実施例13及び実施例14の外層は、本発明による複合体である。
【0079】
次に、比較例8並びに実施例13及び14の各々からの試験片を、クロスヘッド速度0.1mm/分、スパン2.54cmで3点曲げ試験した。曲げ強度を、ピーク負荷を用いて計算した。強度を以下のようにして計算した。データを、表4に示す:
強度=3PL/2bd2
(式中、P=ピーク負荷、L=スパン、b=試験片幅、d=試験片深さである)。
【0080】
【表6】

【0081】
これらの例から、本発明による複合体を、積層体における外層として使用してこのような積層体を強化できることが明らかである。
【0082】
本発明の特定の実施態様を、ここに説明及び記載したが、本発明はこのような説明及び記載には限定されない。変更及び修正が、特許請求の範囲内で本発明の一部分として組み込み且つ具体化できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】比較例1に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図2】比較例2に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図3】比較例3に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図4】比較例4に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図5】比較例5に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図6】比較例6に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図7】比較例7に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図8】実施例1に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図9】実施例2に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図10】実施例3に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図11】実施例4に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図12】実施例5に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2000X)である。
【図13】実施例6に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率2500X)である。
【図14】実施例10に使用した膜の走査電子顕微鏡写真(倍率1000X)である。
【図15】いくつかの本発明の実施例及びいくつかの比較例についての複合体Kq値と膜弾性率とをプロットしたグラフである。
【図16】いくつかの本発明の実施例についての複合体Kq値と膜弾性率とをプロットしたグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質高分子膜を含む複合体であって、前記膜の細孔に、少なくとも部分的に樹脂が充填されており、前記樹脂の室温曲げ弾性率が約1GPa超であり、且つ前記膜が下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす、複合体。
【請求項2】
前記樹脂が、金属、メタロイド、セラミック、高分子材料及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記樹脂が高分子材料を含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項4】
前記高分子材料が熱可塑性ポリマーを含む、請求項3に記載の複合体。
【請求項5】
前記高分子材料が熱硬化性ポリマーを含む、請求項3に記載の複合体。
【請求項6】
横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温曲げ弾性率に対する比が、約1より大きいか、又は約1に等しい、請求項3に記載の複合体。
【請求項7】
少なくとも一種のフィラー材料をさらに含む、請求項3に記載の複合体。
【請求項8】
前記膜が、ビニルポリマー、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリビニルクロリド、フルオロポリマー、縮合ポリマー、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリ酸無水物、 ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、セルロース、セルロース誘導体、多糖類、ペクチンポリマー及び誘導体、アルギンポリマー及び誘導体、キチン及び誘導体、フェノール樹脂、アルデヒドポリマー、ポリシロキサン及び誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載の複合体。
【請求項9】
前記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項8に記載の複合体。
【請求項10】
前記ポリテトラフルオロエチレンが延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項9に記載の複合体。
【請求項11】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンが実質的に結節材料を含まない、請求項10に記載の複合体。
【請求項12】
前記複合体が積層体の形態で1層以上の金属層に接合されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項13】
前記一種以上の金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項12に記載の複合体。
【請求項14】
前記複合体が一種以上のキャパシタンス層材料に接合されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項15】
前記複合体が積層体からなる層である、請求項1に記載の複合体。
【請求項16】
前記複合体が前記積層体における界面接着層である、請求項15に記載の複合体。
【請求項17】
前記複合体が前記積層体上の外層である、請求項15に記載の複合体。
【請求項18】
前記積層体が、金属及びキャパシタンス材料から選択された材料からなる少なくとも1層をさらに有している、請求項15に記載の複合体。
【請求項19】
前記金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項18に記載の複合体。
【請求項20】
請求項1の複合体を備えたプリント回路基板。
【請求項21】
請求項1の複合体を備えた電子基板。
【請求項22】
請求項1の複合体を備えたチップパッケージ基板。
【請求項23】
請求項1の複合体を備えたシリコンウエハ。
【請求項24】
多孔質高分子膜を含む複合体であって、前記膜の細孔に少なくとも部分的に樹脂が充填されており、前記膜が下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たし、 横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温曲げ弾性率に対する比が、約1より大きいか、又は約1に等しい、複合体。
【請求項25】
前記樹脂が、金属、メタロイド、セラミック、高分子材料及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項24に記載の複合体。
【請求項26】
前記樹脂が高分子材料を含む、請求項24に記載の複合体。
【請求項27】
前記高分子材料が熱可塑性ポリマーを含む、請求項26に記載の複合体。
【請求項28】
前記高分子材料が熱硬化性ポリマーを含む、請求項26に記載の複合体。
【請求項29】
少なくとも一種のフィラー材料をさらに含む、請求項24に記載の複合体。
【請求項30】
前記膜が、ビニルポリマー、スチレン、アクリレート、メタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリビニルクロリド、フルオロポリマー、縮合ポリマー、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエステル、ポリ酸無水物、 ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、セルロース、セルロース誘導体、多糖類、ペクチンポリマー及び誘導体、アルギンポリマー及び誘導体、キチン及び誘導体、フェノール樹脂、アルデヒドポリマー、ポリシロキサン及び誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項24に記載の複合体。
【請求項31】
前記フルオロポリマーがポリテトラフルオロエチレンである、請求項30に記載の複合体。
【請求項32】
前記ポリテトラフルオロエチレンが延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項31に記載の複合体。
【請求項33】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンが実質的に結節材料を含まない、請求項32に記載の複合体。
【請求項34】
前記複合体が積層体の形態で1層以上の金属層に接合されている、請求項24に記載の複合体。
【請求項35】
前記一種以上の金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項34に記載の複合体。
【請求項36】
前記複合体が一種以上のキャパシタンス層材料に接合されている、請求項24に記載の複合体。
【請求項37】
前記複合体が積層体からなる層である、請求項24に記載の複合体。
【請求項38】
前記複合体が前記積層体における界面接着層である、請求項37に記載の複合体。
【請求項39】
前記複合体が前記積層体上の外層である、請求項37に記載の複合体。
【請求項40】
前記積層体が、金属及びキャパシタンス材料から選択された材料からなる少なくとも1層をさらに有している、請求項37に記載の複合体。
【請求項41】
前記金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項37に記載の複合体。
【請求項42】
前記金属が銅である、請求項41に記載の複合体。
【請求項43】
請求項24の複合体を備えたプリント回路基板。
【請求項44】
請求項24の複合体を備えた電子基板。
【請求項45】
請求項24の複合体を備えたチップパッケージ基板。
【請求項46】
請求項24の複合体を備えたシリコンウエハ。
【請求項47】
前記樹脂が脆性破壊を示す、請求項1に記載の複合体。
【請求項48】
前記樹脂のガラス転移温度が、前記複合体のガラス転移温度に等しい、請求項1に記載の複合体。
【請求項49】
前記樹脂が脆性破壊を示す、請求項24に記載の複合体。
【請求項50】
多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン膜を含む複合体であって、前記膜の細孔に、少なくとも部分的に樹脂が充填されており、前記樹脂の室温曲げ弾性率が約1GPa超であり、前記膜が下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす、複合体。
【請求項51】
前記樹脂が、金属、メタロイド、セラミック、高分子材料及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項50に記載の複合体。
【請求項52】
前記樹脂が高分子材料を含む、請求項51に記載の複合体。
【請求項53】
前記高分子材料が熱可塑性ポリマーを含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項54】
前記高分子材料が熱硬化性ポリマーを含む、請求項52に記載の複合体。
【請求項55】
横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温弾性率に対する比が、約1より大きいか、又は約1に等しい、請求項50に記載の複合体。
【請求項56】
少なくとも一種のフィラー材料をさらに含む、請求項50に記載の複合体。
【請求項57】
前記膜が実質的に結節材料を含まない、請求項50に記載の複合体。
【請求項58】
前記複合体が積層体の形態で1層以上の金属層に接合されている、請求項50に記載の複合体。
【請求項59】
前記一種以上の金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項58に記載の複合体。
【請求項60】
前記複合体が一種以上のキャパシタンス層材料に接合されている、請求項50に記載の複合体。
【請求項61】
前記複合体が積層体からなる層である、請求項50に記載の複合体。
【請求項62】
前記複合体が前記複合体における界面接着層である、請求項61に記載の複合体。
【請求項63】
前記複合体が前記積層体上の外層である、請求項61に記載の複合体。
【請求項64】
前記積層体が、金属及びキャパシタンス材料から選択された材料からなる少なくとも1層をさらに有している、請求項61に記載の複合体。
【請求項65】
前記金属が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項61に記載の複合体。
【請求項66】
請求項50の複合体を備えたプリント回路基板。
【請求項67】
請求項50の複合体を備えた電子基板。
【請求項68】
請求項50の複合体を備えたチップパッケージ基板。
【請求項69】
請求項50の複合体を備えたシリコンウエハ。
【請求項70】
前記樹脂が脆性破壊を示す、請求項50に記載の複合体。
【請求項71】
前記樹脂のガラス転移温度が、前記複合体のガラス転移温度に等しい、請求項50に記載の複合体。
【請求項72】
前記膜のより高い弾性率の方向に平行な方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率を前記複合体の室温曲げ弾性率により割って求めた比が、約1を超える、請求項50に記載の複合体。
【請求項73】
積層基板を備えた電子チップパッケージであって、前記積層基板が、少なくとも1層の導電層と、前記導電層に結合された少なくとも1層の誘電体層とを有し、前記誘電体層が多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン膜を含み、前記膜の細孔に少なくとも部分的に樹脂が充填されており、前記樹脂の室温曲げ弾性率が約1GPa超であり、前記膜が下式:75MPa<(縦膜引張弾性率+横膜引張弾性率)/2を満たす、電子チップパッケージ。
【請求項74】
前記少なくとも1層の導電層と前記少なくとも1層の誘電体層とを交互に設けた層をさらに備えた、請求項73に記載の電子チップパッケージ。
【請求項75】
中に少なくとも一つのビアをさらに備えている、請求項74に記載の電子チップパッケージ。
【請求項76】
前記樹脂が高分子材料を含む、請求項73に記載の電子チップパッケージ。
【請求項77】
前記高分子材料が熱可塑性ポリマーを含む、請求項76に記載の電子チップパッケージ。
【請求項78】
前記高分子材料が熱硬化性ポリマーを含む、請求項76に記載の電子チップパッケージ。
【請求項79】
前記導電層が、アルミニウム、銅、金、スズ、銀、鉛及びそれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む、請求項76に記載の電子チップパッケージ。
【請求項80】
前記導電層が銅を含む、請求項79に記載の電子チップパッケージ。
【請求項81】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレン膜が、結節材料を実質的に有しない、請求項76に記載の電子チップパッケージ。
【請求項82】
横弾性率と縦弾性率のうちの高いほうの方向において測定した、前記樹脂の室温曲げ弾性率の前記複合体の室温曲げ弾性率に対する比が、1より大きいか、又は1に等しい、請求項76に記載の電子チップパッケージ。
【請求項83】
前記複合体が、高弾性率繊維含有材料からなる少なくとも1層に積層されている、請求項1に記載の複合体。
【請求項84】
前記高弾性率繊維が、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項83に記載の複合体。
【請求項85】
前記複合体が、高弾性率繊維含有材料からなる少なくとも1層に積層されている、請求項24に記載の複合体。
【請求項86】
前記高弾性率繊維が、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項85に記載の複合体。
【請求項87】
前記複合体が、高弾性率繊維含有材料からなる少なくとも1層に積層されている、請求項50に記載の複合体。
【請求項88】
前記高弾性率繊維が、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維及びそれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項87に記載の複合体。
【請求項89】
請求項1の複合体を備えたスポーツ用品。
【請求項90】
請求項24に記載の複合体を備えたスポーツ用品。
【請求項91】
請求項1に記載の複合体を備えた航空宇宙部品。
【請求項92】
請求項24に記載の複合体を備えた航空宇宙部品。
【請求項93】
前記スポーツ用品が、釣り道具、狩猟用具、ゴルフ用品、テニス用具、スキー用具、陸上競技用具、バスケットボール用具、フットボール用具、サッカー用具、ラクロス用具及びホッケー用具からなる群から選択されたものである、請求項89に記載のスポーツ用品。
【請求項94】
前記スポーツ用品が、釣り道具、狩猟用具、ゴルフ用品、テニス用具、スキー用具、陸上競技用具、バスケットボール用具、フットボール用具、サッカー用具、ラクロス用具及びホッケー用具からなる群から選択されたものである、請求項90に記載のスポーツ用品。
【請求項95】
前記航空宇宙部品が、航空機パネル、安全装置、ファンブレード、操縦面及び壁体からなる群から選択されたものである、請求項91に記載の航空宇宙部品。
【請求項96】
前記航空宇宙部品が、航空機パネル、安全装置、ファンブレード、操縦面及び壁体からなる群から選択されたものである、請求項92に記載の航空宇宙部品。
【請求項97】
前記樹脂の室温曲げ弾性率が、約1GPaを超える、請求項24に記載の複合体。
【請求項98】
防弾衣及び車両の外装からなる群から選択されたものである、請求項1に記載の複合体
を備えた外装材料。
【請求項99】
防弾衣及び車両の外装からなる群から選択されたものである、請求項24に記載の複合体を備えた外装材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−504848(P2006−504848A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−550123(P2004−550123)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/033929
【国際公開番号】WO2004/041529
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】