説明

多層ゴルフボール

【課題】硬く、高圧縮のセンタ、比較的柔らかい中間層、および堅固な外側カバー層を具備する多層ゴルフボールを提供する。
【解決手段】中間層の外側表面硬度はセンタおよび外側カバー層の双方の外側表面硬度よりも小さい。センタはポリブタジエン組成物から構成する。中間層はアイオノマー組成物、ポリ尿素組成物などから構成され、外側表面硬度は例えばショアD硬度45以下にする。また、外側カバーはショアD硬度60以上のアイオノマー組成物より構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的にはゴルフボールに関し、より具体的には、硬く、高圧縮のセンタと、堅固な外側カバー層と、センタおよび外側カバー層の間に配された比較的柔らかい中間層と具備するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,863,167号明細書(Matsuki等。特許文献1)は、リバウンド特性を改善させ、初期速度が大きいスリーピースゴルフボールを開示しており、これは、センタ部分、センタ部分の上に配された外側層、およびこの外側層の上に配されたカバーを有する。このゴルフボールは、外側層上の硬度が内側層より大きいことが好ましい。
【0003】
米国特許第5,048,838号明細書(Chikaraishi等。特許文献2)は、内側層および外側層からなるツーピースソリッドコアとコアを包囲するカバーとを有するスリーピースゴルフボールを開示している。その事例は、内側コア層が外側コア層と同一の硬さであるか、または柔らかく、かつ、カバー組成物が内側および外側コア層の双方より柔らかいゴルフボールを説明している。
【0004】
米国特許第5,184,828号明細書(Kim等。特許文献3)は、内側コアおよび外側層により実現されるコアアッセンブリとカバーとを有し、以下の特徴を有するソリッドスリーピースゴルフボールを開示している。すなわち、この特徴は、a)内側コアの直径が23〜35mmの範囲で、その硬度(ショアD)が30〜62の範囲であり、b)外側層の直径が31〜41mmの範囲で、その硬度(ショアD)が30〜56の範囲であり、c)ゴルフボールは、当該ゴルフボールの内側コアおよび外側層の間のインターフェースに配された内側コアの外側サイトで46〜62の範囲の最大硬度(ショアD)を有し、その硬度は内側および外側の双方に向かって減少することである。内側および外側コア層は、それぞれ35〜50重量部、および25〜40重量部の共架橋剤、例えば亜鉛ジアクリレートおよび亜鉛ジメタクリレートをそれぞれ有するゴム組成物から形成される。
【0005】
米国特許第7,015,300号明細書(Rajagopalan等。特許文献4)は、コアと、このコアの回りに配され、硬度が約30ショアD以上で、曲げ弾性率が約1000psiから約80000psiで、厚さが約0.01インチから約0.100インチで、p−フェニレンジイソシアネートを含む熱可塑性組成物から製造された層と、硬度が約20ショアD以上で、曲げ弾性率が約1000psiから約30000psiで、厚さが約0.01インチから約0.05インチで、熱硬化性材料から製造されたカバーとを含むゴルフボールを開示している。
【0006】
米国特許第6,926,620号明細書(Dalton等。特許文献5)は、1以上の層からなるコアと、1以上の層からなるカバーと、コアおよびカバーの間に配されたマントル層とを有するゴルフボールを開示している。マントル層は、熱可塑性材料、好ましくは、60ショアDを超える硬度、および、34を超えるバショアー弾性(Bashore Resilience)、および350°F(176.7°C)をこえるビカット点(vicat)を有する熱可塑性材料を有する。
【0007】
背景の参考技術は、また、例えば、米国特許第4,714253号明細書および同第5,002,281号明細書(Nakahara等)、並びに、米国特許第5,935,022号明細書(Sugimoto等)、同第4,781,383号明細書(Kamada等)、同第4,625,964号明細書(Yamada)、同第6,838,519号明細書(Rajagopalan等)、同第7,005,479号明細書(Morgan等)、および同第6,905,648号明細書(Sullivan等)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,863,167号明細書
【特許文献2】米国特許第5,048,838号明細書
【特許文献3】米国特許第5,184,828号明細書
【特許文献4】米国特許第7,015,300号明細書
【特許文献5】米国特許第6,926,620号明細書
【発明の開示】
【0009】
1実施例において、この発明は、センタと、外側カバー層と、これらセンタおよび外側カバー層の間に配された中間層とを有し、中間層の外側表面の硬度がセンタおよび外側カバー層の双方の硬度より小さいゴルフボールを実現する。センタはポリブタジエン組成物から製造され、その直径は1.500インチ未満であり、その圧縮は60より大きい。中間層はポリ尿素組成物から製造され、その外側表面の硬度は50ショアD未満である。カバー層は曲げ弾性率が40000psiを超えるアイオノマー組成物から製造される。
【0010】
他の実施例において、この発明は、実質的に、センタと、外側カバー層と、これらセンタおよび外側カバー層の間に配された中間層とからなり、中間層の外側表面の硬度がセンタおよび外側カバー層の双方の硬度より小さいゴルフボールを実現する。センタはポリブタジエン組成物から製造され、その直径は1.500インチ未満であり、その圧縮は60より大きい。中間層はポリ尿素組成物から製造され、その外側表面の硬度は50ショアD未満である。カバー層は曲げ弾性率が40000psiを超えるアイオノマー組成物から製造される。
【0011】
他の実施例において、この発明は、センタと、外側カバー層と、これらセンタおよび外側カバー層の間に配された中間層とを有し、中間層の外側表面の硬度がセンタおよび外側カバー層の双方の硬度より小さいゴルフボールを実現する。センタの直径は1.500インチ未満であり、全体の圧縮は60より大きく、そのセンタは同一または異なる高度に中和されたポリマー組成物から製造された2つの層を有する。中間層の外側表面の硬度は50ショアD未満であり、その中間層はポリ尿素組成物から製造される。カバー層は曲げ弾性率が40000psiを超えるアイオノマー組成物から製造される。
【0012】
他の実施例において、この発明は、実質的に、センタと、外側カバー層と、これらセンタおよび外側カバー層の間に配された中間層とからなり、中間層の外側表面の硬度がセンタおよび外側カバー層の双方の硬度より小さいゴルフボールを実現する。センタの直径は1.500インチ未満であり、全体の圧縮は60より大きく、そのセンタは同一または異なる高度に中和されたポリマー組成物から製造された2つの層からなる。中間層の外側表面の硬度は50ショアD未満であり、その中間層はポリ尿素組成物から製造される。カバー層は曲げ弾性率が40000psiを超えるアイオノマー組成物から製造される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明は、硬く、高圧縮のセンタ、堅固な外側カバー層、ならびに、これらセンタおよび外側カバー層の間に配された比較的柔らかな中間層を具備するゴルフボールに向けられている。硬く、高圧縮のセンタ、または二重コア実施例の全体コア(すなわち中間層に包囲されるべきゴルフボールサブアッセンブリ)の外側直径は、その下限が、0.500または0.750または0.800または1.000または1.200または1.300インチであり、その上限が1.350または1.400または1.450または1.500または1.530または1.550または1.580または1.600または1.630インチの範囲である。
【0014】
センタ、または二重コア実施例の全体コア(すなわち中間層に包囲されるべきゴルフボールサブアッセンブリ)の圧縮は、好ましくは、40以上、または40を超え、または50以上、または50を超え、または60以上、または60を超え、または70以上、または70を超え、または80以上、または80を超え、または90以上、または90を超え、または100以上、または100を超え、または110以上、または110を超え、あるいは、その圧縮は、下限が40または50または60または70または80で、上限が95または105または110または120の範囲であり、かつその反発係数(「COR」)が0.750以上、または0.790以上、または0.800以上、または0.810以上、または0.820以上である。
【0015】
1実施例において、センタと、中間層と、これらセンタおよび中間層の間に配された任意のオプションの層とを有するゴルフボールサブアッセンブリの圧縮は、センタと、センタおよび中間層の間に配された任意のオプションの層を有するが中間層自体は除いたゴルフボールサブアッセンブリの圧縮と同一か小さい。この実施例の具体的な側面では、センタと、中間層と、これらセンタおよび中間層の間に配された任意のオプションの層とを有する第1のゴルフボールサブアッセンブリの圧縮は、センタと、センタおよび中間層の間に配された任意のオプションの層を有するが中間層自体は除いた第2のゴルフボールサブアッセンブリの圧縮より小さく、第1のゴルフボールサブアッセンブリの圧縮および第2のゴルフボールサブアッセンブリの圧縮の間の差は、10圧縮ポイント以上、または10圧縮ポイントを超え、または、15圧縮ポイント以上、または15圧縮ポイントを超え、または、20圧縮ポイント以上、または20圧縮ポイントを超え、または、25圧縮ポイント以上、または25圧縮ポイントを超え、または、30圧縮ポイント以上、または30圧縮ポイントを超える。
【0016】
1実施例において、センタと、中間層と、これらセンタおよび中間層の間に配された任意のオプションの層とを有するゴルフボールサブアッセンブリのCORは、0.740以上、または0.760以上、または0.780以上である。
【0017】
センタ、または二重コア実施例の全体コア(すなわち中間層に包囲されるべきゴルフボールサブアッセンブリ)の外側表面の硬度は、中間層の硬度より大きい。1実施例において、センタ、または二重コア実施例の全体コアの外側表面の硬度は、70ショアC以上、または、75ショアC以上、または、80ショアC以上、または、82ショアC以上、または、85ショアC以上である。他の実施例において、センタ、または二重コア実施例の全体コアの外側表面の硬度は、下限が70または75または80または82または85ショアCで、上限が90または92または93または95ショアCの範囲である。他の実施例において、センタ、または二重コア実施例の全体コアの外側表面の硬度は、下限が50または53または55または58ショアDで、上限が60または62または64または70ショアDの範囲である。
【0018】
比較的柔らかい中間層の厚さは、下限が0.005または0.010または0.020または0.030または0.035または0.040または0.050または0.060または0.070インチであり、上限が0.100または0.110または0.125または0.150または0.200または0.225インチの範囲である。中間層の外側表面の硬度は、センタ(または二重コア実施例の全体コア)および外側カバー層の双方の硬度よりも小さい。1実施例では、中間層の外側表面の硬度は、70ショアC以下、または70ショアC未満、または65ショアC以下、または65ショアC未満、または60ショアC以下、または60ショアC未満、あるいは、下限が25または30または35または40または45または50または55ショアCで、上限が60または65または70または75または80ショアCの範囲である。
【0019】
ゴルフボールの外側表面の硬度は、対向する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボールサブアッセンブリをデュロメータインデンタの真下に中心づけられるようにコアを扱う必要がある。0.1硬度単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータをすべての硬度測定に用い、最大の読みが得られた後1秒後に硬度の読みを取得するように設定した。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし自動スタンドの基部に取り付け、デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。
【0020】
硬度ポイントは任意の幾何学位置において1度だけ測定されるべきである。
【0021】
センタまたは二重コア実施例の全体コア、中間層、およびそれらセンタおよび中間層の任意のオプションの層の各々は、米国特許第7,537,530号明細書および同第7,537,529号明細書に開示されるようにゼロまたは負の硬度勾配を伴って良く、また米国特許出願公開第2008/0161130号、同第2008/0161132号に開示されるようにかなり急峻な勾配を伴って良く、ここで、米国特許第7,544,730号明細書に開示されるようにオプションとしてレソルシノール化合物を使用して製造して良く、また、これらの層は米国特許第7,429,221号明細書および同第7,410429号明細書に開示されるように反対の勾配を伴っても良い。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例では、センタまたは二重コア実施例の全体コアは、負硬度勾配、ゼロ硬度勾配、または45ショアCまでの正硬度勾配を伴う。他の実施例においては、中間層が、負硬度勾配、ゼロ硬度勾配、または15ショアCまでの正硬度勾配を伴う。
【0022】
この発明を開示する目的の範囲において、ゴルフボールの硬度勾配は、層の外側表面および層の内側表面の硬度特定値によって定義される。用語「負」および「正」は、ゴルフボール部品の最も内側の部分の硬度値を、当該部品の外側表面の硬度値から引いた結果を指す。例えば、ソリッドコアの外側表面の硬度値が中心より小さい(すなわち、表面が中心より柔らかい)ならば、硬度勾配は「負」の勾配と見なされる。
【0023】
硬度勾配は、例えば、2007年8月1日出願の米国特許出願第11/832,163号、2007年11月14日出願の米国特許出願第11/939,634号、2007年11月14日出願の米国特許出願第11/939,63号、および2007年11月14日出願の米国特許出願第11/939,637号に十分に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0024】
1実施例において、センタはゴムベースの組成物から生成され、これはベースゴム、開始剤、コエージェント、およびオプションの1または複数の酸化亜鉛、ステアリン酸または亜鉛ステアリン酸塩、酸化防止剤、および柔軟化・高速化剤を有する。適切なベースゴムは、天然ゴム、および合成ゴムを含み、これは、非限定的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、スチレン−ブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム(例えば、SI、SIS、SB、SBS、SIBS、その他、ただし「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエンである)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ尿素エラストマー、メタローセン触媒エラストマー、およびプラストマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、ブタジエンのアクリロニトリルとのコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、およびこれらの2以上の組み合わせを含む。ジエンゴム、とくに、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン、およびポリブタジエンの他のエラストマーとの混合物が好ましく、ここで、ポリブタジエンの量は、混合物の総ポリマー重量をベースに少なくとも40wt%だけ存在する。とくに好ましいポリブタジエンは、高シスのネオジミウム触媒ポリブタジエン、およびコバルト−、ネッケル−、またはリチウム−触媒のポリブタジエンを含む。商業的に入手可能なポリブタジエンの適切な例は、これに限定されないが、LANXESS社から商業的に入手可能な、Buna CB 高シスのネオジミウム触媒ポリブタジエンゴム、例えば、Buna23、およびTaktene(商標)高シスのコバルト触媒ポリブタジエンゴム、例えば、Taktene(商標)220および221;Dow Chemical社から商業的に入手可能なSE BR−1220;Polimeri Europa(商標)社から商業的に入手可能なEuroprene(商標)NEOCIS(商標)BR40およびBR60;UBE Industry社から商業的に入手可能なUBEPOL−BR(商標)ゴム;およびJapan Synthetic Rubber社から商業的に入手可能なBR01;およびKarbochem社から商業的に入手可能なNeodene 高シス・ネオジミウム触媒ポリブタジエンゴム、例えば、Neodene BR 40を含む。
【0025】
適切な過酸化物開始剤は有機ペルオキシド、フリーラジカルを発生可能な高エネルギ放射源、およびこれらの組み合わせを含む。フリーラジカルを発生可能な高エネルギ放射源は、これに限定されないが、電子ビーム、紫外線放射、ガンマ放射、X−線放射、赤外線放射、熱、およびこれらの組み合わせを含む。適切な有機ペルオキシドは、これに限定されないが、ジクミルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;ジ−t−ブチルペルオキシド;ジ−t−アミルペルオキシド;t−ブチルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3;ジ(2−t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン;ジラウロイルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド;ラウリルペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド;およびこれらの混合物を含む。適切な商業的に入手可能なペルオキシドの例は、これに限定されないが、Akzo Nobelから商業的に入手可能なPerkadox(商標)BCジクミルペルオキシド、RT Vanderbilt社から商業的に入手可能なVarox(商標)ペルオキシド、例えば、Varox(商標)ANSベンゾイルペルオキシドおよびVarox(商標)231の1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを含む。ペルオキシド開始剤は一般にゴム組成物中に重量基準でベースゴム100部に対して少なくとも0.05部の量だけ存在し、または、重量基準でベースゴム100部に対して0.05部または0.1部または0.8部または1部または1.25部または1.5部の下限および重量基準でベースゴム100部に対して2.5部または3部または3.5部または5部または6部または10部または15部の上限を有する範囲内の量だけ存在する。
【0026】
コエージェントは一般にペルオキシドとともに使用され硬化状態を増大させる。適切なコエージェントは、これに限定されないが、不飽和カルボン酸の金属塩;不飽和ビニル化合物および多価モノマー(例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート);フェニレンビスマレイミド;およびこれらの混合物を含む。適切な金属塩の具体的な例は、これに限定されないが、アクリレート、ジアクリレート、メタクリレート、およびジメタクリレートの1または複数の金属塩を含む。ただし、金属はマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、ニッケル、およびナトリウムから選択される。具体的な実施例では、コエージェントは、アクリレート、ジアクリレート、メタクリレートおよびジメタクリレートの亜鉛塩およびこれらの組み合わせから選択される。他の具体的な実施例では、コエージェントは亜鉛ジアクリレートである。この発明のゴルフボールのセンタを製造するためのゴム組成物は、好ましくは、重量基準でベースゴム100部に対して35部以上、または35部より多く、または40部以上、または40部より多く、または45部以上、または45部より多く、50部以上、または50部より多く、55部以上、または55部より多く、または60部以上、または60部より多くのコエージェントを有する。1または複数の非活性コエージェント、例えば亜鉛モノメタクリレートおよび種々の液体性アクリレートおよびメタクリレートが使用される場合、使用される非活性のコエージェントの量は、亜鉛ジアクリレートおよび亜鉛ジメタクリレートのコエージェントに対する量と同じまたはより多くてよい。所望の圧縮は架橋剤の量を調整して実現してよく、これは、例えばコエージェントのタイプおよび量を変化させて実現できる。
【0027】
この発明の組成物中にオプションの硬化剤を用いてもよい。適切な硬化剤は、これに限定されないが、硫黄;N−オキシジエチレン2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド;N,N−ジ−オルト−トリルグアニジン;ビスマスジメチルジチオカルバメート;N−シクロヘキシル2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド;N,N−ジフェニルグアニジン;4−モルホリニル−2−ベンゾチアゾールジスルフィド;ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド;チウラムジスルフィド;メルカプトベンゾチアゾール;スルフェンアミド;ジチオカルバメート;チウラムスルフィド;グアニジン;チオ尿素;キサントエート;ジチオホスフェート;アルデヒド−アミン;ジベンゾチアジルジスルフィド;テトラエチルチウラムジスルフィド;テトラブチルチウラムジスルフィド;およびこれらの組み合わせを含む。
【0028】
この発明のゴム組成物はオプションとして1または複数の酸化防止剤を含む。酸化防止剤は、ゴムの酸化破壊を阻止しまたは阻害する化合物であるいくつかの酸化防止剤はフリーラジカル捕捉剤としても働く。そのため、ゴム組成物中に酸化防止剤が含まれると、使用されるフリーラジカルの量はここで開示される量と同等かそれより大きくなる。適切な酸化防止剤は、例えば、ジヒドロキノリンの酸化防止剤、アミン型酸化防止剤、およびフェノール型酸化防止剤を含む。
【0029】
ゴム組成物は、また、コアまたはカバーの密度および/または比重を調整するために1または複数のフィラーを含んでも良い。フィラーの例は、沈降水和シリカ、クレー、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタ珪酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、ケイ酸塩、炭化珪素、珪藻土、ポリ塩化ビニル、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)、金属(例えば、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鉛、銅、ホウ素、コバルト、ベリリウム、亜鉛、錫)、金属合金(例えば、スチール、黄銅、青銅、炭化ホウ素ホイスカー、炭化タングステンウィスカー)、酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム)、粒子炭素質材料(例えば、グラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、天然ビチューメン、セルロースフロック、レザー繊維)、金属ステアリン酸塩、マイクロバルーン(例えば、ガラス、セラミック)、フライアッシュ、リグリンド(すなわち粉砕されて再利用されるコア材料)、ナノフィラーおよびこれらの組み合わせを含む。ゴム組成物中に存在する粒状材料の量は、典型的には、重量基準でベースゴム100部に対して5部または10部の下限および重量基準でベースゴム100部に対して30部または50部または100部の上限の範囲である。フィラー材料は二重の機能を持つフィラー、例えば、酸化亜鉛(フィラー/酸捕捉剤として使用されてよい)および二酸化チタン(フィラー/光沢剤として使用されてよい)であってよい。
【0030】
ゴム組成物はオプションとして処理助剤、処理オイル、可塑剤、着色剤、香料、化学吹き出しまたは発泡剤、脱泡剤、安定剤、軟化剤、衝撃修正剤、フリーラジカル捕捉剤、促進剤、スコーチ遅延剤、その他から選択された1または複数種類の添加剤も含んでよい。ゴム組成物中に典型的に存在する添加剤の量は、典型的には、重量基準でベースゴム100部に対して0部の下限および重量基準でベースゴム100部に対して20部または50部または100部または150部の上限の範囲である。
【0031】
ゴム組成物はオプションの柔軟化・高速化剤を含んでもよい。ここで使用されるように「柔軟化・高速化剤」(soft and fast agent)は、柔軟化・高速化剤なしに準備した場合に較べて、コアを1)一定のCORの下でより柔らかく(より小さな圧縮)し、または2)等しい圧縮でより大きなCORを伴うようにする、任意の化合物またはそれらのブレンド、または任意の組み合わせを意味する。好ましくは、ゴム組成物は約0.05phrから約10.0phrの柔軟化・高速化剤を含有する。1実施例において、柔軟化・高速化剤は0.05または0.1または0.2または0.5phrの下限で、1.0または2.0または3.0または5.0phrの上限の範囲内の量だけ存在する。他の実施例では、柔軟化・高速化剤は2.0phrから5.0pr、または、2.35phrから4.0phr、または2.35phrから3.0phrの範囲で存在する。代替的な高濃度の実施例では、柔軟化・高速化剤は5.0phrから10.0pr、または6.0phrから9.0phr、または7.0phrから8.0phrの範囲で存在する。他の実施例では、柔軟化・高速化剤は2.6phrの量だけ存在する。
【0032】
適切な柔軟化・高速化剤は、これに限定されないが、有機硫黄または金属含有有機硫黄化合物;モノ、ジ、およびポリスルフィド、チオールおよびメルカプト化合物を含む有機硫黄化合物;無機硫黄化合物;有機硫黄化合物と無機硫黄化合物とのブレンド;第VIA族の化合物;硫黄または金属を含有しない置換または非置換の芳香族有機化合物;芳香族有機金属化合物;ヒドロキノン;ベンゾキノン;キンヒドロン;カテコール;レソルシノール;およびこれらの混合物を含む。
【0033】
ここで使用されるように、用語「有機硫黄化合物」は、炭素、水素およびイオウを含有する任意の化合物を称し、ここで、硫黄は少なくとも1個の炭素に直接に結合する。ここで使用されるように、用語「イオウ化合物」は、元素状イオウ、高分子イオウ、またはこれらの組合せである化合物を意味する。さらに、「元素状イオウ」はSの環構造体を称し、「高分子イオウ」は元素状イオウに対して少なくとも1個の追加のイオウを含む構造体であることを理解すべきである。
【0034】
とくに適切な柔軟化・高速化剤は、以下の一般式を有する有機硫黄化合物である。
【化1】

式中、R〜Rはいずれの順番であってもよく、C〜Cアルキル基;ハロゲン基;チオール基(−SH)、カルボキシレート基;スルホネート基;、及び水素であってよく、また、ペンタフルオロチオフェノール;2−フルオロチオフェノール;3−フルオロチオフェノール;4−フルオロチオフェノール;2,3−フルオロチオフェノール;2,4−フルオロチオフェノール;3,4−フルオロチオフェノール;3,5−フルオロチオフェノール;2,3,4−フルオロチオフェノール;3,4,5−フルオロチオフェノール;2,3,4,5−テトラフルオロチオフェノール;2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール;4−クロロテトラフルオロチオフェノール;ペンタクロロチオフェノール;2−クロロチオフェノール;3−クロロチオフェノール;4−クロロチオフェノール;2,3−クロロチオフェノール;2,4−クロロチオフェノール;3,4−クロロチオフェノール;3,5−クロロチオフェノール;2,3,4−クロロチオフェノール;3,4,5−クロロチオフェノール;2,3,4,5−テトラクロロチオフェノール;2,3,5,6−テトラクロロチオフェノール;ペンタブロモチオフェノール;2−ブロモチオフェノール;3−ブロモチオフェノール;4−ブロモチオフェノール;2,3−ブロモチオフェノール;2,4−ブロモチオフェノール;3,4−ブロモチオフェノール;3,5−ブロモチオフェノール;2,3,4−ブロモチオフェノール;3,4,5−ブロモチオフェノール;2,3,4,5−テトラブロモチオフェノール;2,3,5,6−テトラブロモチオフェノール;ペンタヨードチオフェノール;2−ヨードチオフェノール;3−ヨードチオフェノール;4−ヨードチオフェノール;2,3−ヨードチオフェノール;2,4−ヨードチオフェノール;3,4−ヨードチオフェノール;3,5−ヨードチオフェノール;2,3,4−ヨードチオフェノール;3,4,5−ヨードチオフェノール;2,3,4,5−テトラヨードチオフェノール;2,3,5,6−テトラヨードチオフェノール;及びこれらの亜鉛塩であってよい。好ましくはハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールであり、これは純粋な形態で市場から入手可能であり、又はペンタクロロチオフェノールを45パーセント(2.4部のPCTPに相当する)付加した硫黄化合物を含むクレイをベースとするキャリヤであるSTRUKTOL(登録商標)の商標名で入手可能である。STRUKTOL(商標)はオハイオ州ストウのStruktolCompanyofAmericaから商業的に入手可能である。PCTPは商業的にカリフォルニア州サンフランシスコのeChinachemから純粋な形態で入手可能であり、サンフランシスコのeChinachemから塩の形態で入手可能である。最も好ましくは、ハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これはサンフランシスコのeChinachemから商業的に入手可能である。最も好ましくは、ハロゲン化した有機硫黄化合物はペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩であり、これはサンフランシスコのeChinachemから商業的に入手可能である。適切な有機硫黄化合物は、さらに、例えば、米国特許第6,635,716号、同第6,919,393号、同第7,005,479号、および同第7,148,279号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0035】
適切な金属含有有機硫黄化合物は、これに限定されないが、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメート、およびジメチルジチオカルバメートのカドミウム、銅、鉛、およびテルリウム類似体、またはこの混合物である。付加的な例は米国特許第7,005,479号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0036】
適切なジスルフィドは、これに限定されないが、4,4’−ジフェニルジスルフィド;4,4’−ジトリルジスルフィド;2,2’−ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス(2−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(3−アミノフェニル)ジスルフィド;2,2’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(2−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(3−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(4−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(5−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(6−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(7−アミノナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(8−アミノナフチル)ジスルフィド;1,2’−ジアミノ−1,2’−ジチオジナフタレン;2,3’−ジアミノ−1,2’−ジチオジナフタレン;ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−イオドフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(2−シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2’−ジチオ安息香酸エチルエステル;2,2’−ジチオ安息香酸メチルエステル;2,2’−ジチオ安息香酸;4,4’−ジチオ安息香酸エチルエステル;ビス(4−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(2−アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス(4−カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1’−ジナフチルジスルフィド;2,2’−ジナフチルジスルフィド;1,2’−ジナフチルジスルフィド;2,2’−ビス(1−クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1’−ビス(2−クロロナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−シアノナフチル)ジスルフィド;2,2’−ビス(1−アセチルナフチル)ジスルフィド等;またはこれらの混合物がある。
【0037】
適当な無機硫化物成分は、これに限定されないが、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫、およびビスマスの類似の硫化物を包含する。
【0038】
適切な第VIA族化合物は、これに限定されないが、元素硫黄および重合体硫黄、例えばオハイオ州、シャルドンのElastochem社から、市販品として入手できるもの;Elastochem社から各々入手できるPB(RM−S)−80元素硫黄およびPB(CRST)−65重合体硫黄を含む硫黄触媒化合物;テルル触媒、例えばTELLOY(商標)、およびセレン触媒、例えばVANDEX(商標)で、各々RT Vanderbilt社から市販品として入手できるものを含む。
【0039】
硫黄または金属を含まない、適切は置換または無置換の芳香族有機化合物は、4,4’−ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C〜C20なる範囲にあり、またより好ましくはC〜C10なる範囲にある。
【0040】
適切な置換または非置換芳香族有機化合物は、これに限定されないが、式(R−R−M−R−(Rを有する化合物を含み、式中、RおよびRは、各々、水素、または置換または非置換のC〜C20線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、または単環、多環または縮合環のC〜C24芳香族基であり;xおよびyは、各々、0〜5の整数であり;RおよびRは、各々、単環、多環または縮合環のC〜C24芳香族基から選ばれ;Mは、アゾ基または金属成分である。RおよびRは、各々、好ましくはC〜C10芳香族基から選ばれ、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミドおよびベンゾチアジルから選ばれる。RおよびRは、各々、好ましくは、置換または非置換のC〜C10線状、枝分れまたは環状のアルキル、アルコキシまたはアルキルチオ基、またはC〜C10芳香族基から選ばれる。R、R、RまたはRが置換されている場合、その置換基としては、1種以上の以下の置換基があり得る:ヒドロキシおよびその金属塩;メルカプトおよびその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノおよびアミド;エステル類、酸類およびその金属塩を含むカルボキシル;シリル;アクリレート類およびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェート類およびホスファイト類。Mが金属成分である場合、Mは、当業者に入手し得る任意の適切な元素状金属であり得る。典型的には、金属は、遷移金属であるが、好ましくは、テルルまたはセレニウムである。
【0041】
適切なヒドロキノンはさらに例えば米国特許出願公開第2007/0213440号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。適切なベンゾキノンはさらに例えば米国特許出願公開第2007/0213442号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。適切なキンヒドロンはさらに例えば米国特許出願公開第2007/0213441号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。適切なカテコールはさらに例えば米国特許出願公開第2007/0213144号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0042】
具体的な実施例において、センタ組成物は、亜鉛ペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール、ジトリルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジキシリルジスルフィド、2−ニトロレソルシノール、およびこれらの組み合わせから選択された柔軟化・高速化剤を含む。
【0043】
センタを製造するためにとくに適切なゴム組成物は、40から55phrの亜鉛ジアクリレート、5から50phrの酸化亜鉛、0から20phrの亜鉛ステアリン酸塩、および0,05から3.5phrの過酸化物を有する。
【0044】
センタのゴム組成物は1から100phrの剛化剤をオプションで含む。適切な剛化剤は、これに限定されないが、アイオノマー、酸コポリマーおよびターポリマー、ポリアミド、およびポリエステルを含む。剛化剤はさらに例えば米国特許第6,120,390号および同第6,284,840号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。トランスポリイソプレン(例えば、Kuraray社から商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン)またはトランスブタジエンゴムもコア層に剛性を付与するため、および/または常温製造特性を改善するために付加しても良く、これは、ゴルフボール製造プロセスにおいてコア層の外側シェル半体を成型するのを容易にして処理性を改善させて良い。コア層に含ませる場合、剛化剤は好ましくは5から10pphの量だけ存在する。
【0045】
ベースゴム開始剤、コエージェント、硬化剤、フィラー、および添加剤の種類および量については、例えば、米国特許第6,566,483号、同第6,695,718号、および同第6,939,907号、同第7,041,721号、および同第7,138,460号にさらに十分に説明されており、その内容については参照してここに組み入れる。
【0046】
他の実施例において、センタは高度に中和されたポリマー組成物から製造される。適切な高度に中和されたポリマーのコア組成物はさらに例えば米国特許第7,230,045号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0047】
他の実施例において、センタは第1の高度に中和されたポリマー組成物から製造され、ゴルフボールは追加的にセンタおよび中間層の間に配されるコア層を有し、センタおよび中間層の間に配されるコア層は第2の高度に中和されたポリマー組成物から製造される。高度に中和されたポリマー組成物(複数)から製造された2つの層を具備するコアはさらに例えば米国特許第7,211,008号および同第7,207,903号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
【0048】
中間層は、以下に開示するゴム組成物または熱可塑性組成物から製造される。中間層組成物は、好ましくは、40以下、または40未満、または30以下、または30未満、または20以下、または20未満のソリッドのシングルコア圧縮を伴う。この開示の目的では、「ソリッドのシングルコア圧縮」は、組成物から製造された1.550インチのソリッド球の圧縮を指す。1実施例において、中間層のソリッドのシングルコア圧縮はセンタの圧縮より小さく、かつ、実施例の具体的な側面では、少なくとも10圧縮ポイントだけ、または10圧縮ポイントより多い分だけ、または少なくとも20圧縮ポイントだけ、または20圧縮ポイントより多い分だけ、少なくとも25圧縮ポイントだけ、または25圧縮ポイントより多い分だけ、または少なくとも30圧縮ポイントだけ、または30圧縮ポイントより多い分だけ、センタの圧縮より小さい。
【0049】
中間層がゴム組成物から製造される実施例では、中間層組成物は、.0770未満、または0.750のソリッドのシングルコアCORを伴う。この開示の目的の範囲で、「ソリッドのシングルコアCOR」は組成物から製造された1.550インチのソリッド球のCORを指す。
【0050】
中間層を製造するために適切なゴム組成物はセンタを製造するために適切なものとして先に開示したものを含むが、中間層を製造するためのゴム組成物は好ましくはベースゴム100部に対して重量で40部未満のエージェントしか有さない点で異なる。具体的な実施例において、中間層のゴム組成物中に、ベースゴム100部に対して重量で35部以下、または30部未満、または25部以下、または20部以下の量だけ存在し、あるいは、ベースゴム100部に対して重量で、0または1または5または10部の下限で、15または20または25または30または35部の上限の範囲で存在する。
【0051】
中間層を製造するのに適切な熱可塑性組成物は、オプションとして無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマーをブレンドした、部分的または高度に中和されたアイオノマー、アイオノマーおよびポリアミドのグラフト化コポリマー、および以下の非アイオノマー性ポリマーを含み、これはこれらのホモポリマーおよびコポリマー、並びに、少なくとも1つのグラフト化またはコポリマー化された官能基、例えば、無水マレイン酸、アミン、エポキシ、イソシアネート、ヒドロキシル、スルホン酸塩、燐酸塩、その他と適合性がある、それらの誘導体を含む。
(a)ポリエステル、とくに適合化基、例えば、スルホン酸塩または燐酸塩により改質したポリエステル。これは改質ポリ(エチレンテレフタレート)、改質ポリ(ブチレンテレフタレート)、改質ポリ(プロピレンテレフタレート)、改質ポリ(トリメチレンテレフタレート)、改質ポリ(エチレンナフテレート)、および、米国特許第6,353,050号および同第6,001,930号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンドを含む。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。
(b)ポリアミド、ポリアミド−エーテル、およびポリアミド−エステル、および米国特許第6,187,864号、同第6,001,930号、および同第5,981,654号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。
(c)ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド、およびこれらの2以上のブレンド。
(d)フルオロポリマー、例えば米国特許第5,691,066号、同第6,747,110号、および同第7,009,002号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。
(e)非アイオノマー性酸ポリマー、例えばE/Y−およびE/X/Y−タイプのコポリマー、ただし、Eはオレフィン(例えばエチレン)であり、Yはカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸であり、かつ、Xは軟化コモノマー、例えば、酸が2から10個の炭素を具備する脂肪族カルボン酸のビニルエステート、アルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルエーテル、およびアルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルアクリレート;およびこれらの2以上のブレンド。
(f)メタローセン触媒ポリマー、例えば、米国特許第6,274,669号、同第5,919,862号、同第5,981,654号、および同第5,703,166号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンド。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。
(g)ポリスチレン、例えば、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリエチレンスチレン、およびこれらのブレンド。
(h)ポリプロピレンおよびポリエチレン、とくに、無水マレイン酸のような官能基により改質されたグラフト化ポリプロピレンおよびグラフト化ポリエチレン、および、これらの2以上のブレンド。
(i)ポリビニルクロライドおよびグラフト化ポリビニルクロライド、およびこれらの2以上のブレンド。
(j)ポリビニルアセテート、好ましくは、約9重量%未満のビニルアセテートを具備するもの、およびこれらの2以上のブレンド。
(k)ポリカーボネート、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエンスチレンのブレンド、ポリカーボネート/ポリウレタンのブレンド、およびポリカーボネート/ポリエステルのブレンド、およびこれらの2以上のブレンド。
(l)ポリビニルアルコールおよびこれらの2以上のブレンド。
(m)ポリエーテル、例えば、ポリアリーレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、アルケン芳香族炭化水素のビニル芳香族炭化水素およびポリ(アミド酸エステル)とのブロックコポリマー、およびこれらの2以上のブレンド。
(n)ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、およびこれらの2以上のブレンド。
(o)ポリカーボネート/ポリエステルコポリマーおよびブレンド。
(p)上述の熱可塑性ポリマーの2以上の組み合わせ。
【0052】
中間層を製造するのに適したアイオノマー組成物は、各々部分的にまたは高度に中和された1または複数の酸ポリマー、オプションの添加物、フィラー、および/またはメルトフロー修正剤を有する。適切な酸ポリマーは、α,β−エチレン系不飽和モノ−またはジカルボン酸のホモポリマーまたはコポリマーの塩、およびこれらの組み合わせであり、これはオプションとして軟化用モノマーを含み、好ましくは、1wt%から30wt%、より好ましくは5wt%から20wt%の酸含有量(中和される前)を有する。酸ポリマーは、適切なカチオン源、例えば金属カチオンまたはその塩、有機アミン化合物、アンモニア、およびこれらの組み合わせによって、70%以上、100%を含むまで、中和される。好ましいカチオン源は、金属が好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウム、マンガン、ニッケル、クロム、銅、またはこれらの組み合わせとした場合の、金属カチオンおよびその塩である。適切な添加剤およびフィラーは、例えば、化学膨張および発泡剤、光学的明色化剤、着色剤、蛍光剤、白色剤、UV吸収剤、光安定剤、消泡剤、処理助剤、雲母、タルク、ナノフィラー、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃修正剤、酸コポリマーワックス、界面活性剤;無機フィラー、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、雲母、タルク、クレイ、シリカ、鉛シリケート、その他;高比重金属粉末フィラー、例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末、その他;リグランド、すなわち、粉砕してリサイクルしたコア材料;およびナノフィラーを含む。適切なメルトフロー修正剤は、例えば、脂肪酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびそれらの組み合わせを含む。適切なアイオノマー組成物は、例えば、その内容を参照してここに組み入れる、米国特許出願公開第2006/0128904号に開示されているような部分的に中和されたアイオノマーを、高度に中和されたポリマー(すなわち70%以上中和されたもの)にブレンドしたものを含む。適切なアイオノマー組成物は、1または複数の部分的にまたは高度に中和されたポリマーの付加的な熱可塑性および熱硬化性材料とのブレンドも含み、これはそれに限定されないが非アイオノマー性酸コポリマー、エンジニアリング熱可塑性材料、脂肪酸/塩ベースの高度に中和されたポリマー、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート/ポリエステルブレンド、熱可塑性エラストマー、無水マレイン酸グラフト化メタローセン触媒ポリマーおよび他の慣用的なポリマー材料を含む。適切なアイオノマー組成物は、さらに、米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号並びに米国特許出願公開第2006/0106175号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0053】
中間コア層を形成するのに適した商業的に入手可能な熱可塑性材料の例は、これに限定されないが、Arkema Incから商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミド;Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、Hytrel(商標)熱可塑性ポリエステルエラストマー、DuPont(商標) HPF1000およびHPF2000の商標の下で販売されているアイオノマー材料であって、すべてE.I.DuPont社から商業的に入手可能なもの;ExxonMobil Chemical社から商業敵意入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarixアイオノマー樹脂;BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標)ポリウレタンブレンドベースの熱可塑性エラストマー;およびSABIC Innovative Plastics社から商業的に入手可能なXylex(商標)ポリカーボネート/ポリエステルブレンドを含む。
【0054】
具体的な実施例では、中間層はポリ尿素組成物から製造される。この実施例の具体的な側面では、中間層組成物の曲げ弾性率は、外側カバー層よりも小さく、好ましくは、100,000psi以下、または100,000未満、または50,000psi以下、または50,000未満、または30,000psi以下、または30,000未満、または、下限が500psiで、上限が25,000psi、または30,000psi、または50,000psi、または100,000psiの範囲である。この実施例の他の具体的な側面において、中間層の材料硬度は、60ショアD以下、または60ショアD未満、または50ショアD以下、または50ショアD未満、または45ショアD以下、または45ショアD未満、または40ショアD以下、または40ショアD未満、または、下限が15または35ショアDで、上限が35または40または50または60ショアDの範囲である。この実施例のさらに他の具体的な側面では、中間層のポリ尿素組成物は、例えば、2008年5月16日出願の米国特許出願第12/122,406号;2008年5月16日出願の同第12/122,333号;2008年5月16日出願の同第12/122,370号;2008年5月16日出願の同第12/122,384号;および、2008年5月16日出願の同第12/122,3960号に開示された二重硬化ポリ尿素であり、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0055】
他の具体的な実施例において、中間層は、ポリブタジエン、アイオノマー、メタローセン触媒ポリオレフィン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマー、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマーおよびブレンド、およびエチレンプロピレンジエンゴムから選択された組成物から製造される。この実施例の具体的な側面では、中間層はポリブタジエン組成物、好ましくは、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択されたコエージェントを0から20phrだけ有するポリブタジエン組成物から製造される。この実施例の他の具体的な側面では、中間層はポリエーテルエステル組成物から製造される。この実施例の他の具体的な側面では、中間層組成物の曲げ弾性率は、外側カバー層よりも小さく、好ましくは、100,000psi以下、または100,000未満、または50,000psi以下、または50,000未満、または30,000psi以下、または30,000未満、または、下限が500psiで、上限が25,000psi、または30,000psi、または50,000psi、または100,000psiの範囲である。この実施例の他の具体的な側面において、中間層の材料硬度は、60ショアD以下、または60ショアD未満、または50ショアD以下、または50ショアD未満、または40ショアD以下、または40ショアD未満、または、下限が15または35ショアDで、上限が35または40または50または60ショアDの範囲である。
【0056】
中間層組成物は剛化剤を含んでも良い。適切な剛化剤はセンタ組成物に採用すべく先に開示したものを含む。好ましくは、剛化剤が含まれる場合、剛化剤はセンタ中に含まれ、中間層中に含まれない。
【0057】
この発明のゴルフボールは1または複数の層を具備するカバーを含む。適切なカバー材料は、これに限定されないが、アイオノマー樹脂およびそのブレンド(E.I.DuPont社から商業的に入手可能なSurlyn(商標)アイオノマー樹脂、DuPont HPF1000およびHPF2000、ExxonMobil Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarixアイオノマー樹脂);ポリウレタン;ポリ尿素;ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマーおよびブレンド;例えば低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;ゴム強化オレフィンポリマー;アイオノマー性コポリマーの部分を構成しない酸コポリマー;プラストマー;フレクソマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー;動的に加硫したエラストマー;エチレンビニルアセテート;エチレンメチルアクリレート;ポリビニルクロライド樹脂;ポリアミド、アミド−エステルエラストマー、および、例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミドを含むアイオノマーとポリアミドのグラフトコポリマー;架橋トランスポリイソプレンおよびそのブレンド;ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー、例えば、E.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なHytel(商標);ポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えば、BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標);合成または天然の加硫ゴム;およびこれらの組み合わせを含む。
【0058】
アイオノマーまたは2以上のアイオノマーを有する組成物は特にカバー材料に適切である。好ましいアイオノマー組成物は、これに限定されないが、以下を含む。
(a)「高酸アイオノマー」(すなわち酸含量が16wt%より大きいもの)、例えばSurlyn8150(商標)を含む組成物。
(b)高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマー(例えばFusabond(商標)官能化ポリマーを含む組成物。高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化ポリマーのとくに好ましいブレンドはSurlyn8150(商標)およびFusabond(商標)の84wt%/16wt%のブレンドである。高酸アイオノマーの無水マレイン酸グラフト化ポリマーとのブレンドはさらに例えば米国特許第6,992,135号、および同第6,677,401号に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
(c)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Nuclel(商標)960の50/45/5のブレンドを有し、好ましくは80から85ショアCの材料硬度を伴う組成物。
(d)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Surlyn(商標)9910の50/25/25のブレンドを有し、好ましくは約90ショアCの材料硬度を伴う組成物。
(e)Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650の50/50のブレンドを有し、好ましくは約86ショアCの材料硬度を伴う組成物。
(f)Surlyn(商標)7940/Surlyn(商標)8940のブレンドを有し、オプションとしてメルトフロー修正剤を含む組成物。
(g)第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマーのブレンドを有し、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーと異なるカチオンで中和され(例えば、Surlyn(商標)8150/Surlyn(商標)9150も50/50のブレンド)、オプションとして1または複数のメルトフロー修正剤、例えばアイオノマー、エチレン酸コポリマーまたはエステルターポリマーを含む組成物。
(h)第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマーおよび0から10wt%のエチレン/酸/エステルアイオノマーのブレンドを有し、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーと異なるカチオンで中和され、エチレン/酸/エステルアイオノマーは第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーと同一のカチオン、あるいは第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーのいずれとも異なるカチオンで中和される組成物(例えば40−50wt%のSurlyn(商標)8140、40−50wt%のSurlyn(商標)9120、および0−10wt%のSurlyn(商標)6320のブレンド)。
【0059】
Surlyn8150(商標)、Surlyn(商標)8940、およびSurlyn(商標)8140は異なるグレードのE/MAAコポリマーであり、酸基がナトリウムイオンにより部分的に中和されている。Surlyn(商標)9650、Surlyn(商標)9910、Surlyn(商標)9150、およびSurlyn(商標)9120は異なるグレードのE/MAAコポリマーであり、酸基が亜鉛イオンにより部分的に中和されている。Surlyn(商標)7940は酸基がリチウムイオンにより部分的に中和されているE/MAAコポリマーである。Surlyn(商標)6320は中間的な酸含量の非常に低弾性のマグネシウムアイオノマーである。Nucrel(商標)960は名目上15wt%のメタクリル酸で製造されたE/MAAコポリマー樹脂である。Surlyn(商標)アイオノマー、Fusabond(商標)ポリマー、およびNuclel(商標)コポリマーはE.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能である。
【0060】
アイオノマーカバー組成物は、非イオン性熱可塑性樹脂でブレンドしてよい。適切な非イオン性熱可塑性樹脂は、これに限定されないが、ポリウレタン、ポリ−エーテル−エステル、ポリ−アミド−エーテル、ポリ−エーテル−尿素、熱可塑性ポリエーテルブロックアミド(例えば、Arkema Incから商業的に入手可能なPebax(商標)ブロックコポリマー)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン(、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレン−(メタクリレート)アクリレート、ポリエチレン−(メタクリル酸)アクリル酸、無水マレイン酸グラフト化により官能化されたポリマー、E.I.DuPont社から商業的に入手可能なFusabond(商標)官能化ポリマー、エポキシ化により官能化されたポリマー、エラストマー(例えばエチレンプロピレンジエンモノマーゴム、メタローセン触媒ポリオレフィン)、および熱可塑性エラストマーの粉砕粉末を含む。
【0061】
適切なアイオノマーカバー材料は、さらに、例えば、米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0062】
ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン/ポリ尿素のブレンドおよびハイブリッドもカバー層を形成するのにとくに適切である。カバー層材料として採用される場合、ポリウレタンおよびポリ尿素は熱硬化性または熱可塑性であって良い。熱硬化性材料は、慣用的な鋳造または反応性射出成型技術により、ゴルフボール層に、形成できる。熱可塑性材料は、慣用的な圧縮まはた射出成型技術により、ゴルフボール層に形成できる。
【0063】
この発明のポリウレタンカバー組成物は、少なくとも1つのポリイソシアネートおよび少なくとも1つの硬化剤の反応生成物から製造されたものを含む。硬化剤は、例えば、1または複数のジアミン、1または複数のポリオール、またはこれらの組み合わせを含んでよい。この少なくとも1つのポリイソシアネートは、1まてゃ複数のポリオールと組みあわせてプレポリマーを形成して良く、このプレポリマーはつぎに当該少なくとも1つの硬化剤と組みあわされる。ポリオールがここで説明される場合、これらは、ポリウレタン材料の成分、すなわちプレポリマーの部分として、または硬化剤中のものとして、一方または双方に使用されるのに適切である。硬化剤は、ポリオール硬化剤を含み、好ましくは、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;トリメチロールプロパン;およびこれらの混合物からなるグループから選択されたポリオール硬化剤である。
【0064】
この発明の適切なポリウレタンカバー組成物は、少なくとも1つのイソシアネート、および少なくとも1つの硬化剤の反応生成物、または、少なくとも1つのイソシアネート、少なくとも1つのポリオール、および少なくとも1つの硬化剤の反応生成物から製造されたものも含む。好ましいイソシアネートは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド−変性液状4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、;イソホロンジイソシアネート、p−メチルキシレンジイソシアネート、m−メチルキシレンジイソシアネート、o−メチルキシレンジイソシアネート、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択されたものを含む。好ましいポリオールは、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの組み合わせからなるグループから選択されたものを含む。好ましい硬化剤は、ポリアミン硬化剤、ポリオール硬化剤、およびこれらの組み合わせを含む。ポリアミン硬化剤がとくに好ましい。ポリアミン硬化剤は、例えば、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンまたはこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンまたはこのアイソマー;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン);トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン;フェニレンジアミン;4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’−3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン);およびこれらの組み合わせを含む。
【0065】
この発明は、カバー組成物中に特定のポリイソシアネートを使用することにより限定されるものではない。適切なポリイソシアネートは、これに限定されないが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(”MDI”)、ポリマーMDI、カルボジイミド−変性液状MDI、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(”H12MDI”)、p−フェニレンジイソシアネート(”PPDI”)、トルエンジイソシアネート(”TDI”)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(”TODI”)、イソホロンジイソシアネート(”IPDI”)、ヘキサメチレンジイソシアネート(”HDI”)、ナフタレンジイソシアネート(”NDI”)、キシレンジイソシアネート(”XDI”)、パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”p−TMXDI”)、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”m−TMXDI”)、エチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート(”HDI”);ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(”TMDI”);テトラセンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;アントラセンジイソシアネート;及びこれらの組み合わせを含む。ポリイソシアネートは、1以上のイソシアネート基、例えばジ−、トリ−およびテトライソシアネートを有するものとして、当業者には知られている。好ましくは、ポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDI、およびこれらの混合物を含む。より好ましくはポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する用語「MDI」は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマーMDI、カルボジイミド変性液状MDI、及びこれらの組み合わせを意味し、かつさらに使用したジイソシアネートが「低遊離(low free)モノマー」であることができるとは「遊離」モノマーの量が低いイソシアネート基であること、典型的には遊離モノマー基の量が約0.1%より低いことを当業者が理解すると理解すべきである。「低遊離モノマー」ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、低遊離モノマーMDI、低遊離モノマーTDI、及び低遊離モノマーPPDIである。
【0066】
上述の少なくとも一つのポリイソシアネートは14%より少ない未反応のNCO基を有することが必要である。好ましくは該少なくとも一つのポリイソシアネートは8.5%以下のNCO、より好ましくは2.5%から8.0%、さらに好ましくは4.0%から7.2%、最も好ましくは、5.0%から6.5%を有する。
【0067】
この発明は、カバー組成物中に特定のポリオールを使用することにより限定されるものではない。1実施例において、ポリオールの分子量は約200から約6000である。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。とくに好ましいものは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの組み合わせである。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないが、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、オルト−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;、及びこれらの組み合わせを含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの組み合わせを含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネートを含む。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0068】
ポリアミン硬化剤もこの発明のポリウレタン組成物の硬化剤中に使用して好適であり、製品ボールの耐切断性、耐剪断性、および耐衝撃性が改善することがわかっている。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン);ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(”MDA”);m−フェニレンジアミン(”MPDA”);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(”MOCA”);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’−3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン);トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの組み合わせを含む。好ましくはこの発明の硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばETHACURE 300を含む。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含み、好ましくは、その分子量は約64〜約2000の範囲である。
【0069】
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を上述のポリウレタン組成物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は以下を含む:エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの組み合わせである。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤はエチレングリコール;ジエチレングリコール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、及びこれらの組み合わせを含む。好ましくは、ヒドロキシ−末端硬化剤の分子量は約48〜約2000の範囲である。ここで、分子量は、絶対重量平均分子量であり、当業者が理解するとおりのものである。
【0070】
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン組成物を単一の硬化剤で製造することができる。
【0071】
任意の既知の手法を用いて、この発明のポリイソシアネート、ポリオール、および硬化剤を結合できる。1つの適切な手法は、当分野でワンショット法として知られ、ポリイソシアネート、ポリオール、および硬化剤を同時に混合するものである。この方法は、不均一(よりランダム)な混合物をもたらし、製造業者は、製造された組成物の分子構造を制御することがより難しい。混合のこのましい手法は、プレポリマー法として知られている。この方法では、ポリイソシアネートおよびポリオールを、硬化剤の添加に先立って個別に混合する。この方法ではより均一な混合が実現され、この結果、より一様なポリマー組成物が実現される。
【0072】
適切なポリウレタンは、さらに、例えば、米国特許第5,334,673号、同第6,506,851号、同第6,756,436号、同第6,867,279号、同第6,960,630号、および同第7,105,623号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。適切なポリ尿素は、さらに、例えば、米国特許第5,484,870号、および同第6,835,794号、並びに米国特許出願第60/401,047号に開示され、これらの内容は参照してここに組み入れ、また、米国特許出願公開第2009/0286624号、同第2009/0286625号、同第2009/0286626号、同第2009/0286627号、および同第2009/0283932号に開示されている二重硬化ポリ尿素も含まれ、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0073】
ゴルフボールカバー層はフロー修正剤、これに限定されないが、例えば、Nucrel(商標)酸コポリマー樹脂、および具体的にはNucrel(商標)960を含んで良い。Nucrel(商標)酸コポリマー樹脂はE.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能である。
【0074】
カバー組成物は、1または複数のフィラー、例えば、この発明のゴル組成物用に与えられたフィラー(例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム等)、および/または、添加物、例えば、着色剤、蛍光剤、白色剤、酸化防止剤、分散剤、UV吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、相溶化剤、発泡剤、強化剤、離型剤等を含んでも良い。
【0075】
適切なカバー材料及び構造は、これに限定されないが、米国特許出願公開第2005/0164810号、米国特許第5,919,100号、同第6,117,025号、同第6,767,940号、および同第6,960,630号、並びにPCT公開WO00/23519および同WO00/29129に開示されたものも含んで良く、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0076】
具体的な実施例において、カバーは、アイオノマー、メタローセン触媒ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマー(例えばFusabond官能化ポリマー)、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマーおよびブレンド、ポリエーテルアミド、ポリエステル、ポリブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、およびこれらの組み合わせから選択された組成物から製造された外側カバー層からなる。この実施例の具体的な側面では、外側カバー層は、Li/Naアイオノマーブレンド、Li/Mgアイオノマー部エンド、およびLi/Na/Mgアイオノマーブレンドから選択された組成物から製造される。この実施例の他の具体的な側面では、外側カバー層組成物の曲げ弾性率は、40000psi以上、または40000psiより大きい、または50000psi以上、または50000psiより大きい、または60000psi以上、または60000psiより大きい、または、下限が40000または50000または60000psiで、上限が120000psiの範囲である。この実施例の他の具体的な側面では、外側カバー層組成物の材料硬度は、60ショアDより大きく、または下限が60ショアDで上限が66または70または80ショアDの範囲である。
【0077】
ここでの開示の目的の範囲では、材料硬度はASTM D2240に従って測定され、材料から製造された平らな「スラブ」または「ボタン」の硬度を測定することに一般的に関連する。「材料硬度」と「ゴルフボールの表面で直接に測定した硬度」とは、基本的に異なることを理解されたい。ゴルフボール(または他の球面)の表面で直接に測定されるような硬度は、典型的には材料硬度と異なる硬度値をもたらす。硬度値におけるこの相違は、限定するものではないが、ボール構造(即ち、コアのタイプ、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球体)直径、および隣接各層の素材組成のようないくつかの要因に由来する。また、2つの測定方法は直線的には相関せず、従って、一方の硬度値が他方の硬度値と容易に相関し得ないことも理解すべきである。とくにそうでないと断らない限り、カバー材料についてここで与えられる硬度値は、ASTM D2340に従う材料硬度値であり、すべての値は、50%の相対湿度および23°Cで10日経過という条件に従って報告されている。
【0078】
水蒸気バリア層をコアおよびカバーの間にオプションとして採用する。水蒸気バリア層は、さらに、例えば、米国特許第6,632,147号、同第6,838,028号、同第6,932,720号、同第7,004,854号、および同第7,182,702号、並びに、米国特許出願公開第2003/0069082号、同第2003/0069085号、同第2003/0130062号、同第2004/0147344号、同第2004/0185963号、同第2006/0068938号、同第2006/0128505号、および同第2007/0129172号に開示され、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0079】
上述の材料に加えて、コアまたはカバー層のいずれも以下の材料の1つまたは複数を含んで良い。すなわち、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、コポリマー性アイオノマー、ターポリマー性アイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、コポリマー性ポリアミド、ポリエステル、ポリエステル−アミド、ポリエーテル−アミド、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、衝突改質ポリフェニレンエーテル、高衝突ポリスチレン、フタル酸ジアリルポリマー、メタローセン触媒ポリマースチレン−アクリロニトリル(SAN)、オレフィン改質SAN、アクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリル、スチレン−マレイン酸無水物(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、官能性スチレンコポリマー、官能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロプレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、およびポリシロキサンである。ここに開示される組成物中に付加的な材料として用いて好適なポリアミドは、つぎのようにして取得された樹脂を含む。(1)として、(a)ジカルボン酸例えば蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を(b)ジアミン例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミンまたはm−キシリレンジアミンで宿重合する。(2)として、環状ラクタム例えばイプシロンカプロカクタム、またはオメガラウロラクタムを開環重合する。(3)として、アミノカルボン酸例えば6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノカプロン酸または12−アミノカプロン酸を宿重合する。または、(4)として、環状ラクタムをジカルボン酸およびジアミンで共重合する。適切なポリアミドの具体的な例は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、コポリマーナイロン、ナイロンMXD6およびナイロン46である。
【0080】
ここで開示されるゴルフボール組成物中に付加的な材料として用いて適切な他の好ましい材料は、韓国のSK Chemicals社から商業的に入手可能なSkypelポリエステルエラストマー;日本、倉敷のKuraray社から商標名商業的に入手可能なSepton(商標)ジブロックおよびトリブロックコポリマー、およびテキサス州、ヒューストンのKraton Polymers LLC社から商業的に入手可能なKraton(商標)ジブロックまたはトリブロックコポリマーを含む。
【0081】
この発明のゴルフボール層を製造するために用いられるアイオノマー組成物は、とくに製品特性を操作するために、非アイオノマー性の熱可塑性樹脂とブレンドして良い。適切な非アイオノマー性の熱可塑性樹脂の例は、これに限定されないが、ポリウレタン、ポリ−エーテル−エステル、ポリ−アミド−エーテル、ポリエーテル−尿素、Arkema Incから商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミド、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレンコポリマー、エチレン−(メタ)アクリレート、エチレン−(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸グラフティング、エポキシ化等で官能化されたポリマー、エラストマー(例えば、EPDM、メタローセン触媒ポリエチレン)および熱硬化性エラストマーの粉砕粉末を含む。
【0082】
ここに開示される組成物は発泡され、また密度調整材料で充填されて所望のゴルフボール特性を実現してよい。
【0083】
この発明は、ゴルフボール層を製造するいずれの具体的なプロセスにより限定されない。層は任意の適切な手法により製造でき、これは圧縮成型、射出成型、鋳造、および反応性射出成型を含むことに留意されたい。
【0084】
射出成型を採用するときには、組成物は典型的には射出成型機の入り口から容易に供給可能なパレットまたはグラニュー形態であり、ここで、これが、加熱バレル内で150°Fから600°F、好ましくは200°Fから500°Fの温度で、スクリューにより溶かされて搬送される。溶かされた組成物は最終的には閉じた金型キャビティ内に射出され、これが、雰囲気温度または上昇させられた温度で冷却されてよいが、典型的には50°Fから70°Fの温度に冷却される。閉じた金型内に1秒から300秒、好ましくは20秒から120秒、配置した後、コアおよび/またはコアに1以上の付加的なコアまたはカバー層を加えたものを金型から取り外し、雰囲気または下降温度で冷却可能にし、あるいは、冷却流体、たとえば水、アイスウォータ、溶媒中のドライアイス、その他の中に配置する。
【0085】
コアを製造するのに圧縮成型を採用するときには、組成物が初めに材料のプレフォームまたはスラグとされ、これは典型的には円筒またはおよその球形でその重さは成型されるコアの所望の重量より若干重い。このステップに先立って、組成物は、金型を通じて押し出され、あるいは同様に溶融されて押され、その後、円筒形のプレフォームに切断されてよい。このプレフォームが圧縮金型キャビティ内に配されて、150°Fから400°F、好ましくは250°Fから350°F、さらに好ましくは300°Fから400°Fの成型温度で圧縮される。カバー層を圧縮成型するときには、カバー層の半殻がまず射出成型で形成される。つぎにコアが2つの半殻内に包囲され、その後、その後、圧縮成型金型キャビティ内に配置されて圧縮される。
【0086】
反応性射出成型プロセスは、さらに、例えば、米国特許第6,083,119号、同第7,208,562号、同第7,281,997号、同第7,282,169号、同第7,338,391号、および米国特許出願公開第2006/0247073号に開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0087】
ここで、熱可塑性層は、正または負の硬度勾配を形成するような態様で処理されて良い。熱硬化性ゴムが使用される場合、この発明のゴルフボール層では、勾配生成プロセスおよび/または勾配生成ゴム調合を採用できる、勾配生成プロセスおよび調合は、例えば、2008年3月14日出願の米国特許出願第12/048,665号;2007年7月27日出願の同第11/829,461号;2007年7月3日出願の同第11/772,903号;2007年8月1日出願の同第11/832,163号;2007年8月1日出願の同第11/832,197号に充分に開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0088】
この発明のゴルフボールのディンプルのカバー率は典型的には60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上である。
【0089】
合衆国ゴルフ協会仕様は競技用ゴルフボールの最小サイズを1.680インチに制限している。最大径に関する仕様はなく、また、任意のサイズのゴルフボールをリクリエーションプレイに使用できる。この発明のゴルフボールの全体的な直径は任意のサイズであって良い。この発明のゴルフボールの好ましい径は1.68インチから1.800インチである。より好ましくは、この発明のゴルフボールの全体の径は1.680インチから1.760インチであり、さらに好ましくは約1.680インチから1.740インチである。
【0090】
圧縮はゴルフボール設計の重要なファクタである。例えば、コアの圧縮は、ドライバから離れるときのボールのスピンレートやフィーリングに影響を与えることができる。Jeff Dalton、Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceedings of the World Scientific Congress of Golf(Eric Thain ed. Routedge、2002)(以下、「J. Dalton」)に開示されるように、圧縮を測定するのにいくつかの異なる手法を採用でき、この圧縮には、Atti圧縮、Riehle圧縮、種々の固定荷重およびオフセットでの荷重/偏向の測定、および実効弾性係数が含まれる。この発明の目的の範囲で、「圧縮」はAtti圧縮を指し、既知の手順に従って、Atti圧縮試験装置を用いて測定される。ここでは、ピストンを用いてボールをスプリングに押しつける。ピストンの移動が固定され、スプリングの偏位が測定される。スプリングの偏位の測定は、スプリングがボールに接触した時点では開始されない。むしろ、スプリングの偏位の最初の約1.25mm(0.05インチ)のオフセットがある。非常に剛性が小さなコアはスプリングを1.25mmより多く撓まさず、ゼロのAtti圧縮が測定される。Atti圧縮テスタは42.7mm(1.68インチ)の径の物体を測定するように設計されているので、コアの圧縮をこれらテスタで測定するためには、コアは隙間を埋めて42.7mm(1.68インチ)の高さとなるようにしなければならない。Atti圧縮を、Riehle(コア)、Riehle(ボール)、100kg偏向、130−10kg偏向または実効弾性係数に変換するには「J.Dalton」に示された式を用いて行うことができる。
【0091】
ここで使用されるように、CORは、ゴルフボールまたはゴルフボールのサブアッセンブリ(例えばゴルフボールコア)を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、38.1m/s(125ft/s)の速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=Vout/Vin=Tin/Toutとして計算される。
【0092】
曲げ弾性率はASTM D790に従ってフレックスバーを用いて測定される。
【0093】
数値上限および数値下限が示されるときには、それらの値の任意の組み合わせが採用できることに留意されたい。
【0094】
優先権ドキュメントを含む、ここに引用した特許明細書、公開公報、テスト手順、および他の参考文献は、この発明と矛盾が生じない範囲で、またそのような組み入れが法制度上許容されている範囲で、参照によりここに完全に組み入れられる。
【0095】
この発明の事例の実施例が具体的に説明されたが、種々の他の変形は、この発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で、当業者に明らかであり、また当業者が容易に行えることに留意されたい。したがって、特許請求の範囲は、ここで示した例および記述に限定されることを意図するものでなく、むしろ、この発明に内在する特許可能な新規な特徴のすべてを含むように理解されるべきであり、その特徴には当業者が均等物と扱うすべての特徴を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム組成物から製造され、圧縮が90より大きく、径が1.500インチ以下であるセンタと、
材料硬度が60ショアDより大きなアイオノマー組成物から製造された外側カバー層と、
上記センタおよび上記外側カバー層の間に配され、外側表面硬度が70ショアC未満の中間層であって、ソリッドな、単一コア圧縮が40以下の組成物から製造された上記中間層とを有し、
上記中間層の上記外側表面硬度は上記センタおよび上記外側カバー層の双方のそれより小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記センタの径は1.000インチから1.350インチであり、上記センタの圧縮は110以上であり、上記センタのゴム組成物は、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択された、50phrより多くのコエージェントを有するポリブタジエン組成物である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記中間層の組成物は、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択された、0から20phrのコエージェントを有するポリブタジエン組成物である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記中間層の組成物は、ソリッドな、単一コア圧縮が30以下のアイオノマー組成物である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記外側カバー層の上記アイオノマー組成物の材料硬度は60ショアDから70ショアDであり、その曲げ弾性率は40000psiから120000psiである請求項4記載のゴルフボール。
【請求項6】
径が1.500インチ未満で、圧縮が60より大きく、ポリブタジエン組成物から製造されたセンタと、
曲げ弾性率が40000psiより大きなアイオノマー組成物から製造された外側カバー層と、
上記センタおよび上記外側カバー層の間に配され、外側表面硬度が50ショアD未満の中間層であって、ポリ尿素組成物から製造された上記中間層とを有し、
上記中間層の上記外側表面硬度は上記センタおよび上記外側カバー層の双方のそれより小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項7】
上記センタのポリブタジエン組成物は、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択された、50phrより多くのコエージェントを有する請求項1記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記センタの径は1.300インチ以上であり、上記センタの圧縮は80以上である請求項6記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記中間層の外側表面硬度は45ショアDより小さい請求項6記載のゴルフボール。
【請求項10】
上記外側カバー層の上記アイオノマー組成物の曲げ弾性率は60000psiより大きい請求項6記載のゴルフボール。
【請求項11】
径が1.500インチ未満で、全体の圧縮が60より大きく、同一または異なる高度に中和されたポリマー組成物から製造された2つの層を有するコアと、
曲げ弾性率が40000psiより大きなアイオノマー組成物から製造された外側カバー層と、
上記センタおよび上記外側カバー層の間に配され、外側表面硬度が60ショアD未満の中間層であって、ポリ尿素組成物から製造された上記中間層とを有し、
上記中間層の上記外側表面硬度は上記コアおよび上記外側カバー層の双方のそれより小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項12】
上記コアの径は1.300インチ以上である請求項11記載のゴルフボール。
【請求項13】
上記センタの圧縮は80以上である請求項11記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記中間層の外側表面硬度は40ショアDより小さい請求項11記載のゴルフボール。
【請求項15】
上記外側カバー層の上記アイオノマー組成物の曲げ弾性率は60000psiより大きい請求項11記載のゴルフボール。
【請求項16】
径が1.500インチ未満で、圧縮が60より大きく、ポリブタジエン組成物から製造されたセンタと、
曲げ弾性率が40000psiより大きなアイオノマー組成物から製造された外側カバー層と、
上記センタおよび上記外側カバー層の間に配され、外側表面硬度が50ショアD未満の中間層であって、ソリッドな、単一コア圧縮が40以下の組成物から製造された上記中間層とを有し、
上記中間層の上記外側表面硬度は上記センタおよび上記外側カバー層の双方のそれより小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項17】
上記センタの上記ポリブタジエン組成物は、ジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択された、40phr以上のコエージェントを有し、上記中間層はジアクリレート、ジメタクリレート、およびモノメタクリレートの金属塩からなるグループから選択された、0から20phrのコエージェントを有するポリブタジエン組成物から製造される請求項16記載のゴルフボール。
【請求項18】
上記中間層は、アイオノマー、メタローセン触媒ポリオレフィン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマー、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマーおよびブレンド、およりエチレンプロピレンジエンゴムからなるグループから選択された組成物から製造される請求項16記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記中間層はポリエーテルエステルから製造される請求項16記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記中間層の外側表面硬度は40ショアD未満である請求項1記載のゴルフボール。

【公開番号】特開2011−5257(P2011−5257A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−145557(P2010−145557)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY