説明

多層ニ軸延伸フィルム及びその用途

【課題】柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので自動製袋機に適した包装用フィルムとして好適に使用しコンポスト処理可能な生分解性フィルムを提供する。
【解決手段】融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)から得られる二軸延伸フィルムの少なくとも片面に、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)70〜20重量%と特定の脂肪族・芳香族ポリエステル(B)30〜80重量%とのポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有してなることを特徴とする多層ニ軸延伸フィルムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性を備え、且つ熱融着性、透明性に優れた包装用フィルムに好適な多層二軸延伸フィルム及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
生分解可能なプラスチックとして、汎用性の高い脂肪族ポリエステルが注目されており、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリカプロラクトン(PCL)などが上市されている。
これら生分解性脂肪族ポリエステルの用途の一つとして包装用、農業用、食品用などのフィルム分野があり、用途に応じた高強度、耐熱性および生分解性が、基本性能として要求されている。
上記脂肪族ポリエステルの中で、PLAは、高いものでは170℃付近に融点を持ち高耐熱性であるが、脆いために成形品の伸度は低く、また土中で分解しにくいためコンポスト化設備が必要である。PBSおよびPESは融点が100℃付近で十分な耐熱性を有するが、生分解速度が小さく、実用的には不充分であり、また機械的性質では柔軟性に欠ける。PCLは柔軟性に優れるものの、融点60℃と耐熱性が低いために用途が限定されているが、生分解速度は非常に速い。
一方、ポリブチレンサクシネート−ポリカプロラクトン共重合体(PBSC)のように、脂肪族ポリエステル共重合体中にカプロラクトンユニットを導入することにより、実用的な柔軟性と適度な生分解性を実現することができ、また、カプロラクトンユニットの含有量を制御することにより、融点を80℃以上として十分な耐熱性を保持することと、生分解性を制御することが可能であることが見出されている(例えば、特許文献1)。
又、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシカルボン酸またはその無水環状化合物(ラクトン類)の3成分からなる混合物の重縮合反応により合成した重量平均分子量40,000以上の高分子量脂肪族ポリエステル共重合体と他の生分解性樹脂を使用することにより、フィルム等の成形時の分子量安定性が良く、成形が良好であることが開示されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、かかる公報等に記載された脂肪族ポリエステル共重合体から得られる二軸延伸フィルムは、熱融着性がないので包装用フィルムに使用するには制限があった。
【0003】
【特許文献1】特許2997756号公報
【特許文献2】WO 02/44249 A1号公報(95頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、生分解性ポリマー本来の特徴である生分解性、透明性を損なわずに熱融着性を有する脂肪族ポリエステル共重合体からなる多層ニ軸延伸フィルムを開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)から得られる二軸延伸フィルム基材の少なくとも片面に、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)70〜20重量%と脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)20〜95モル%及び芳香族ジカルボン酸成分(b2)80〜5モル%からなる酸成分と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)からなる脂肪族・芳香族ポリエステル(B)30〜80重量%との脂肪族ポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有してなることを特徴とする多層ニ軸延伸フィルムに関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の多層二軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので、従来のポリオレフィンフィルムからなる包装用フィルムと同様に包装用フィルムとして好適に使用し得る。それに加え、本発明の多層二軸延伸フィルムは、脂肪族ポリエステル共重合体(A)本来の生分解性も有するので、使用済みの包装材料は、食品等の分解される被包装物が付着していてもコンポストとして、ごみの回収、処理が容易になる。
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を備えており、又、運搬に耐え得る耐衝撃性も有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)は、融点(Tm)が80〜120℃、好ましくは80〜115℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃、好ましくは37〜73℃及び(Tm)−(Tc)が30〜55℃、好ましくは35〜50℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)である。
融点(Tm)が80℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、得られるフィルムを基材層として用いるには融点が低過ぎ、夏期における倉庫内等の熱気雰囲気中で収縮したり、ブロッキングを起こす虞がある。
結晶化温度(Tc)が35℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、結晶化温度が低過ぎ、かかる共重合体からフィルムを得ようとしても、通常の冷却温度(5〜30℃)では完全に固化せず、得られるフィルムにニップロール等の押し跡が転写したり、冷却ロールから容易に剥がれず、外観に劣るフィルムとなる虞がある。
(Tm)−(Tc)が30℃未満の脂肪族ポリエステル共重合体は、得られる延伸フィルムは透明性に劣る虞がある。
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)は、好ましくは2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の含有量が0.1〜25モル%、より好ましくは1〜10モル%〔脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)で、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)のモル数は実質的に等しく、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の合計を100モル%とする。〕の範囲にある。
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、190℃、荷重2160g)は、フィルム形成能がある限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
【0008】
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジカルボン酸成分は2〜10個の炭素原子(カルボキシル基の炭素も含めて)、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する化合物であり、線状であっても枝分れしていてもよい。脂環式ジカルボン酸成分は、通常、7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有するものが好ましい。
また、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a)は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸を主成分とする限り、より大きい炭素原子数、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸成分を含むことができる。
かかる脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a)としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸等のジカルボン酸、かかるジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステル等のエステル形成誘導体を例示できる。
これら、脂肪族または脂環式ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、単独かまたは2種以上からなる混合物として使用することもできる。
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)としては、特に、コハク酸またはそのアルキルエステルまたはそれらの混合物が好ましく、融点(Tm)が低い脂肪族ポリエステル共重合体(A)を得るために、コハク酸を主成分とし、副成分としてアジピン酸を併用してもよい。
【0009】
脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジヒドロキシ化合物成分であれば、2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状のジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物成分であれば、5〜10個の炭素原子を有する環状の化合物が挙げられる。
かかる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、とくには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール類及びジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール並びにポリテトラヒドロフラン等が例示でき、特には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール又はこれらの混合物又は異なる数のエーテル単位を有する化合物が挙げられる。脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分は、異なる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物の混合物も使用することができる。
脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)としては1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0010】
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)
本発明に係わる脂肪族ポリエステル共重合体(A)を構成する成分である2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)は、特に限定はされないが、通常、1〜10個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状の二価脂肪族基を有する化合物が挙げられる。
かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)としては、具体的には、例えば、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸、2−メチル乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシイソカプロン酸、ヒドロキシカプロン酸等、かかる2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、シクロヘキシルエステル等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステル形成誘導体を挙げることができる。
【0011】
本発明に係る脂肪族ポリエステル共重合体(A)は種々公知の方法で製造し得る。具体的な重合方法としては、例えば、特開平8−239461号公報、特開平9−272789号公報に記載されている。又、本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(A)としては、例えば、三菱化学株式会社からGS Pla(商品名)として製造・販売されている。
【0012】
脂肪族・芳香族ポリエステル(B)
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)は、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)20〜95モル%、好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%及び芳香族ジカルボン酸成分(b2)80〜5モル%、好ましくは70〜30モル%、さらに好ましくは60〜40モル%からなる酸成分と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)からなるポリエステルである。脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)は脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)と芳香族ジカルボン酸成分(b2)との合計のモル数と実質的に等しく、得られる脂肪族・芳香族ポリエステルの分子量を上げるためにイソシアネート基に代表される連結基を含んでも良い。
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)は、好ましくは、融点が50〜190℃、さらに好ましくは60〜180℃、より好ましくは70〜170℃の範囲にある。また、脂肪族・芳香族ポリエステル(B)のメルトフローレート(MFR:ASTM D−1238、190℃、荷重2160g)は、フィルム形成能がある限り特に限定はされないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜20g/10分の範囲にある。
【0013】
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジカルボン酸成分は2〜10個の炭素原子(カルボキシル基の炭素も含めて)、特に4〜6個の炭素原子を有する化合物であり、線状であっても枝分れしていてもよい。脂環式ジカルボン酸成分は、通常、7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有するものである。
また、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸を主成分とする限り、より大きい炭素原子数、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸成分を含むことができる。
かかる脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、1,3−シクロペンタジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸等のジカルボン酸、かかるジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステル等のエステル形成誘導体を例示できる。
これら、脂肪族または脂環式ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、単独かまたは2種以上からなる混合物として使用することもできる。
脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)としては、特に、アジピン酸またはそのアルキルエステルまたはそれらの混合物が好ましい。
脂肪族・芳香族ポリエステル(B)の酸成分中の脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)は20〜95モル%、好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%の範囲にある。脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)は、脂肪族・芳香族ポリエステル(B)の加水分解性や生分解性を向上させ、得られるフィルムを柔軟にする。
【0014】
芳香族ジカルボン酸成分(b2)
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)を構成する成分である芳香族ジカルボン酸成分(b2)は、特に限定はされないが、通常、8〜12個の炭素原子を有する化合物、とくに8個の炭素原子を有する化合物が挙げられる。
かかる芳香族ジカルボン酸成分(b2)としては、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフトエ酸および1,5−ナフトエ酸並びにそのエステル形成誘導体を例示できる。芳香族ジカルボン酸のエステル形成誘導体としては、具体的には、芳香族ジカルボン酸のジ−C1〜C6アルキルエステル、例えばジメチルエステル、ジエチルエステル、ジ−n−プロピルエステル、ジ−イソプロピルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−n−ブチルエステル、ジ−イソブチルエステル、ジ−t−ブチルエステル、ジ−n−ペンチルエステル、ジ−イソペンチルエステルまたはジ−n−ヘキシルエステル等を例示できる。
これら芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体は、単独かまたは2種以上からなる混合物として使用することもできる。
芳香族ジカルボン酸成分(b2)としては、特に、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートまたはそれらの混合物が好ましい。
脂肪族・芳香族ポリエステル(B)の酸成分中の芳香族ジカルボン酸成分(b2)は80〜5モル%、好ましくは70〜30モル%、さらに好ましくは60〜40モル%の範囲にある。芳香族ジカルボン酸成分(b2)を共重合することにより、脂肪族・芳香族ポリエステル(B)の耐熱性を保ちながら、柔軟なポリエステルが得られる。
【0015】
脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)を構成する成分である脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)は、特に限定はされないが、通常、脂肪族ジヒドロキシ化合物成分であれば、2〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する枝分かれまたは線状のジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物成分であれば、5〜10個の炭素原子を有する環状の化合物が挙げられる。
かかる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)としては、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、とくには、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール及び2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール類及びジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール並びにポリテトラヒドロフラン等が例示でき、とくには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール又はこれらの混合物又は異なる数のエーテル単位を有する化合物が挙げられる。脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分は、異なる脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物の混合物も使用することができる。
【0016】
本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)は種々公知の方法で製造し得る。具体的な重合方法としては、例えば、特表2002−527644公報、特表2001−501652公報に記載されている。又、本発明に係る脂肪族・芳香族ポリエステル(B)としては、例えば、BASF社からECOFLEX(商品名)として製造・販売されている。
【0017】
ポリエステル組成物(C)
本発明に係わる組成物(C)は、前記脂肪族ポリエステル共重合体(A)70〜20重量%、好ましくは60〜30重量%と前記脂肪族・芳香族ポリエステル(B)30〜80重量%、好ましくは40〜70重量%との組成物である。脂肪族・芳香族ポリエステル(B)の量が30重量%未満の組成物は多層二軸延伸フィルムの被覆層に用いても充分な熱融着性が得られない虞があり、一方、80重量%を越える組成物は多層二軸延伸フィルムの被覆層に用いた場合に、低温でのべたつきが起こる虞がある。
本発明における組成物(C)は、脂肪族ポリエステル共重合体(A)及び脂肪族・芳香族ポリエステル(B)を夫々上記範囲でヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサー等で混合する方法、混合後更に単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法等により得られる。
本発明における組成物(C)には、脂肪族ポリエステル共重合体(A)及び脂肪族・芳香族ポリエステル(B)を夫々別個に、あるいは組成物(C)を製造する際に、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、抗菌剤、核剤、無機化合物あるいは有機化合物充填材等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
【0018】
多層ニ軸延伸フィルム
本発明の多層ニ軸延伸フィルムは、前記脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の片面若しくは両面にポリエステル組成物(C)からなる被覆層を有してなる多層ニ軸延伸フィルムである。本発明の多層ニ軸延伸フィルムは、二軸延伸フィルム基材として、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いてなるので、得られる多層ニ軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、且つ表面には、ポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有することにより熱融着性を有する。
脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材及びポリエステル組成物(C)からなる被覆層の厚さは用途に応じて種々決め得るが、通常、基材となる二軸延伸フィルムの厚さは5〜500μm、好ましくは10〜200μm、被覆層の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.3〜2μmの範囲にあり、多層ニ軸延伸フィルムの厚さは約5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲にある。
【0019】
本発明の多層ニ軸延伸フィルムは、例えば、二軸延伸フィルム基材として脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用い、被覆層としてポリエステル組成物(C)を用いて共押出し成形して得た積層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法等により得られる。
二軸延伸の条件は、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を延伸し得る条件、例えば、逐次二軸延伸法では、縦延伸温度を60〜100℃、延伸倍率を3〜6倍の範囲、横延伸温度を60〜120℃、延伸倍率を4〜10倍の範囲にすればよい。又、同時二軸延伸法では、延伸温度を60〜120℃、延伸倍率を3〜6倍(面倍率で9〜36倍)の範囲にすればよい。
二軸延伸後は多層ニ軸延伸フィルムの用途に応じて種々条件でヒートセット(熱処理)を行うことにより、得られる多層ニ軸延伸フィルムの熱収縮率を任意の範囲、例えば80℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を1〜5%、横方向の熱収縮率を5〜10%の範囲に、また100℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を5〜15%、横方向の熱収縮率を10〜20%の範囲にすることができる。
熱収縮フィルムを得るためにはヒートセットを行わないか、あるいは延伸温度近辺またはそれ以下の温度に置くことで、例えば、80℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を5〜10%、横方向の熱収縮率を10〜15%、また100℃、15分の条件下における縦方向の熱収縮率を20〜70%、横方向の熱収縮率を20〜70%の範囲にすることができる。
多層ニ軸延伸フィルムを製造する方法としては前記共押出し積層シートを延伸せずに、予め前記方法で脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いて二軸延伸フィルムを製造した後、かかる二軸延伸フィルム基材の片面あるいは両面にポリエステル組成物(C)を押出し被覆する方法、あるいは予めポリエステル組成物(C)からなるフィルムを得た後、二軸延伸フィルム基材と貼り合せる方法をとり得るが、共押出し積層シートを延伸する方法が、二軸延伸フィルム基材と被覆層との層間密着性に優れるので好ましい。
又、多層ニ軸延伸フィルムを得た後、熱処理を行わないか、あるいは熱処理の条件を種々選択することにより、熱収縮性を備えた多層ニ軸延伸フィルムあるいは熱収縮性を抑えた多層ニ軸延伸フィルムを得ることができる。
【0020】
オーバーラップ包装用フィルム
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の両側に上記ポリエステル組成物(C)からなる被覆層を有する多層ニ軸延伸フィルムからなる。
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、二軸延伸フィルム基材として、脂肪族ポリエステル共重合体(A)を用いてなるので、得られるオーバーラップ包装用フィルムは柔軟性、透明性に優れ、且つ両表面に、ポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有しているので、オーバーラップ適性に優れている。
【0021】
収縮包装用フィルム
本発明の収縮包装用フィルムは、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)からなる二軸延伸フィルム基材の片側もしくは両側に上記ポリエステル組成物(C)からなる被覆層を有する多層ニ軸延伸フィルムからなる。
本発明の収縮包装用フィルムは、通常、縦方向の熱収縮率が20〜70%、好ましくは30〜60%の範囲、横方向の熱収縮率が20〜70%、好ましくは30〜60%の範囲にある。
【実施例】
【0022】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0023】
本発明の実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
(1)脂肪族ポリエステル共重合体
(i)コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−1);三菱化学社製、商品名 GS Pla AZ91T
MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):108.9℃、結晶化温度(Tc):68.0℃、(Tm)−(Tc):40.9℃、密度:1.25g/cm
(ii)コハク酸・アジピン酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−2);三菱化学社製、商品名 GS Pla AD92W
MFR(190℃、荷重2160g):4.5g/10分、融点(Tm):86.9℃、結晶化温度(Tc):40.4℃、(Tm)−(Tc):46.5℃、密度:1.25g/cm
(iii)コハク酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体(E−1);昭和高分子社製、商品名 ビオノーレ#1001
MFR(190℃、荷重2160g):1.5g/10分、融点(Tm):112.6℃、結晶化温度(Tc):86.8℃、(Tm)−(Tc):17.7℃、密度:1.26g/cm
(2)脂肪族・芳香族ポリエステル(B)
(i)アジピン酸・テレフタル酸・1,4−ブタンジオールポリエステル共重合体(B)
テレフタル酸:46モル%、アジピン酸:54モル%及び1,4−ブタンジオール:100モル%、BASF社製、商品名 ECOFLEX、MFR(190℃、荷重2160g):3g/10分、融点(Tm):112℃、密度:1.26g/cm
【0024】
本発明における各種測定方法は以下のとおりである。
(1)ヘイズ(HZ)及び平行光線透過率(PT)
日本電色工業社製ヘイズメーター300Aを用いて、ヘイズ(HZ:%)及び平行光線透過率(PT:%)を測定した。測定値は5回の平均値である。
(2)引張り試験
試験片として、多層ニ軸延伸フィルムから縦方向(MD)及び横方向(TD)に短冊状フィルム片(長さ:150mm、幅:15mm)を切出し、引張り試験機(オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC-1225)を用い、チャック間距離:100mm、クロスヘッドスピード:300mm/分(但し、ヤング率の測定は5mm/分)の条件で引張試験を行い、降伏点及び破断点における強度(MPa)、伸び(%)、ヤング率(MPa)を求めた。なお、伸び(%)はチャック間距離の変化とした。測定値は5回の平均値である。
(3)ヒートシール強度
多層ニ軸延伸フィルムの被覆層(ヒートシール層)面を重ね合わせた後に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 商品名 ルミラー12μ)で挟み、テスター産業株式会社製TP−701−B HEATSEALTESTERを用いて、所定の温度で。シール面圧1kg/cm、時間1秒の条件下で熱融着した。尚、加熱は上側のみとした。次いで、熱融着した多層ニ軸延伸フィルムをオリエンテック社製テンシロン万能試験機 RTC―1225を用いて幅15mmの熱融着したサンプルを300mm/分の引っ張り速度で剥離し、その最大強度を熱融着強度とした。
【0025】
実施例1〜4
<脂肪族ポリエステル組成物の製造>
脂肪族ポリエステル組成物として、コハク酸・1,4−ブタンジオール・乳酸ポリエステル共重合体(A−1、A−2)及び芳香族・脂肪族ポリエステル共重合体(B)を表1に示す組成比で夫々計量し、40mmφの1軸押出機を用いて200℃で溶融混練して各脂肪族ポリエステル組成物を用意した。
<無延伸シートの製造>
先端にT−ダイを具備した40mmφの二種二層のフィルム・シート成形機を用い、基材層/被覆層を80/20の比率で、成形温度200℃で押出し、厚さ250μmの二層無延伸シートを得た。
<多層二軸延伸フィルムの製造>
得られた二層無延伸シートをパンタグラフ式バッチ2軸延伸装置(東洋精機製作所 ヘビー型)を用いて表1記載の温度で60秒のホットエアーにより予熱した後、5m/分の速度に縦横方向に3.0倍延伸(同時二軸延伸)した。また延伸後、直ちに試料を扇風機で冷却し、厚さ30μmの二層二軸延伸フィルムを得た。
【0026】
比較例1〜4
実施例と同様に脂肪族ポリエステル組成物の製造、無延伸シートの製造、二層二軸延伸フィルムの製造を行った。
測定結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
表1から明らかなように、脂肪族ポリエステル共重合体として(A−1)単体からなる二軸延伸フィルム(比較例1)は全く熱融着性がないのに対し、被覆層として脂肪族ポリエステル共重合体として(A−1)又は(A−2)に、芳香族・脂肪族ポリエステル共重合体(B)を添加した脂肪族ポリエステル組成物を被覆層とした多層ニ軸延伸フィルム(実施例1〜4)は、熱融着性を有している。
また被覆層として芳香族・脂肪族ポリエステル共重合体(B)単体を用いた場合(比較例2、3)は60℃でも0.3〜0.4N/15mm幅程度のヒートシール強度があり、使用時にべたついたり、ブロッキングが起きる虞がある。また、ポリエステル共重合体(A−1、2)に代えて(Tm)−(Tc)=17.7℃であるポリエステル共重合体(E−1)を用いた場合(比較例4)は、ヒートシール性は得られるもののヘイズが30%以上と透明性に劣る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の多層二軸延伸フィルムは柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を有するので、従来のポリオレフィンフィルムからなる包装用フィルムと同様に包装用フィルムとして好適に使用し得る。それに加え、本発明の多層二軸延伸フィルムは、脂肪族ポリエステル共重合体(A)本来の生分解性も有するので、使用済みの包装材料は、食品等の分解される被包装物が付着していてもコンポストとして、ごみの回収、処理が容易になる。
本発明のオーバーラップ包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性を備えており、又、運搬に耐え得る耐衝撃性も有しているので、従来ポリオレフィンフィルムからなるオーバーラップ包装用フィルムが使用されているあらゆる用途、例えばチョコレート、ガム、キャンデー等の菓子類、たばこ、化粧品等の嗜好品、カセットテープ、ビデオテープ、CD、CDR、DVD、ゲームソフト等の記録材料、およびそれらの集積包装材料等の箱物包装の包装用フィルムとして好適に使用できる。
本発明の収縮フィルム包装用フィルムは、柔軟性、透明性に優れ、熱融着性、熱収縮性を備えており、又、運搬に耐え得る耐衝撃性も有しているので、従来ポリオレフィンフィルムからなる熱収縮フィルムが使用されているあらゆる用途、ラーメン、うどん、そば、焼きそばのような即席カップ食品また、ヨーグルト、プリン、ゼリー、複数パックの乳酸菌飲料のような飲料デザート類、さらに菓子、紙パック飲料、冷凍・冷蔵食品等のように食べ残し等と同時にコンポスト処理することができる。また食品用途以外にも、スポーツ・玩具、集成材、エアゾール製品、インテリア製品、CD類、磁気テープ製品の一般シュリンク包装、缶・瓶詰飲料、調味料などの集積シュリンクパックや、プラスチック容器、ガラス瓶などの同張りシュリンクラベル、ワインやウイスキーなどのキャップシール等である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点(Tm)が80〜120℃、結晶化温度(Tc)が35〜75℃及び(Tm)−(Tc)が35〜55℃の範囲にある、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)からなる脂肪族ポリエステル共重合体(A)から得られる二軸延伸フィルム基材の少なくとも片面に、上記脂肪族ポリエステル共重合体(A)70〜20重量%と脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(b1)20〜95モル%及び芳香族ジカルボン酸成分(b2)80〜5モル%からなる酸成分と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(b3)からなる脂肪族・芳香族ポリエステル(B)30〜80重量%とのポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有してなることを特徴とする多層ニ軸延伸フィルム。
【請求項2】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)から得られる二軸延伸フィルム基材の両面にポリエステル組成物(C)から得られる被覆層を有してなる請求項1記載の多層ニ軸延伸フィルム。
【請求項3】
脂肪族ポリエステル共重合体(A)が、2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の含有量が0.1〜25モル%〔脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)で、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)と脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)量は実質的に等しく、脂肪族または脂環式ジカルボン酸成分(a1)、脂肪族または脂環式ジヒドロキシ化合物成分(a2)及び2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)の量の合計は100モル%である。〕の範囲にある請求項1又は2記載の多層ニ軸延伸フィルム。
【請求項4】
2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分(a3)が、乳酸である請求項1〜3の何れか1項に記載の多層ニ軸延伸フィルム。
【請求項5】
ニ軸延伸多層フィルムが、脂肪族ポリエステル共重合体(A)とポリエステル組成物(C)とを共押出し成形して得られる多層シートをニ軸延伸することにより得られる請求項1〜4の何れか1項に記載の多層ニ軸延伸フィルム。
【請求項6】
請求項2記載の多層ニ軸延伸フィルムからなるオーバーラップ包装用フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の多層ニ軸延伸フィルムからなる収縮包装用フィルム。

【公開番号】特開2006−137157(P2006−137157A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330978(P2004−330978)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000220099)東セロ株式会社 (177)
【Fターム(参考)】