説明

多層プリント配線板用ボンディングシート

【課題】耐熱性を損なうことなく、回路パターンへの埋め込み性や回路を形成している導体及び有機絶縁層との強固な接着性を有し、かつ耐アルカリ性を低下させることなく、長期の貯蔵安定性を有するボンディングシート材料を提供することである。
【解決手段】パターン加工された回路基板上にラミネートするためのボンディングシートであって、特定構造の(A)イミドオリゴマーと、(B)エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物が、支持ベースフィルム上に積層されていることを特徴とする多層ボンディングシートを用いることにより、上記の課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の層間接着材料として用いることができ、回路パターンへの埋め込み性とプリント配線板を構成する材料に対する接着性に優れ、さらには保存安定性と耐デスミア性に優れたボンディングシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、機器内部のプリント配線板は高集積化、多層化が進んでいる。
【0003】
これらのプリント配線板の多層化の手法として、回路板の導体層上に有機絶縁層を交互に積み上げていくビルドアップ方式の多層プリント配線板の製造技術が注目されている。
【0004】
回路板の導体層と有機絶縁層を交互に積み上げるには絶縁接着層が必要となるが、絶縁接着層には回路パターンへの埋め込み性や回路を形成している導体(銅)ならびに有機絶縁層(ポリイミド)との強固な接着性が必須特性であり、また、高密度実装には配線加工幅の微細化が必要なことから、高度なレーザー加工性が求められるようになっている。
【0005】
従来、配線板に用いられる絶縁接着層としてはエポキシ系接着材料が主に用いられており、例えば、特許文献1にはエポキシ樹脂とポリアミド樹脂からなる接着シートが開示されているが、保存条件によっては硬化が進行して、実使用の際の接着強度の低下や回路パターンへの埋め込み性の低下を招くといった問題点、ならびに接着層が脆化して打ち抜き加工性が低下するといった問題点があった。
【0006】
また、特許文献2に示されるようなカルボキシル基又は酸無水物基を有するポリイミド樹脂とエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物を接着層として用いた場合、ポリイミド樹脂の主鎖にウレタン結合を有しており、耐アルカリ性及び耐熱性が低く、その結果としてビルドアップ回路基板を作製する際のレーザー加工後のデスミア時において接着層内部まで分解され、絶縁信頼性が損なわれるといった問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5―29399号公報
【特許文献2】国際出願WO2005/006826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するものであり、回路パターンへの埋め込み性、ならびに回路を形成している導体及び有機絶縁層との強固な接着性を有し、かつ耐アルカリ性を低下させることなく、長期の貯蔵安定性を有するボンディングシート材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、パターン加工された回路基板上にラミネートするためのボンディングシートであって、特定構造の(A)イミドオリゴマーと、(B)エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物が支持ベースフィルム上に積層されていることを特徴とする多層プリント配線板用ボンディングシートにより、耐熱性と回路パターンへの埋め込み性や回路を形成している導体及び有機絶縁層との強固な接着性を両立し、かつ耐アルカリ性を低下させることなく、長期の貯蔵安定性を有するボンディングシート材料を提供可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
また従来はカルボキシル基を含有する硬化剤をエポキシ樹脂と組み合わせて用いた場合、耐熱性ならびにエポキシ樹脂との相溶性に問題があったが、本発明においてはカルボキシル基を末端に有する特定のイミドオリゴマーを熱硬化性樹脂に含有することにより、耐熱性を損なうことなく、また相溶性の問題もなくすことができた。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の構成を有するものである。
【0012】
1)パターン加工された回路基板上にラミネートするためのボンディングシートであって、一般式(1)
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、Xは、それぞれ独立して、−O−、−COO−(CH2p−OCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基、又は直接結合を表し、Yは、それぞれ独立して、−O−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、mは0以上5以下の整数、nは1以上15以下の整数、pは1以上5以下の整数を表す)で表される(A)イミドオリゴマーと、(B)エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が、支持ベースフィルム上に積層されていることを特徴とする多層プリント配線板用ボンディングシート。
【0015】
2)上記(A)イミドオリゴマーの重量平均分子量が800以上10000未満であることを特徴とする1)記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。
【0016】
3)上記(B)エポキシ樹脂の配合割合が、(A)イミドオリゴマー100重量部に対して、1〜100重量部となるように配合されていることを特徴とする1)または2)記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。
【0017】
4)上記熱硬化性樹脂組成物中に、さらに(C)平均粒径が0.1〜10μmの無機充填材を含有することを特徴とする1)〜3)いずれか1項に記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、耐熱性を損なうことなく、回路パターンへの埋め込み性及び回路を形成している導体及び有機絶縁層との強固な接着性を有し、かつ耐アルカリ性ならびに耐デスミア性を低下させることなく、長期の貯蔵安定性を有するボンディングシート材料を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
本発明は、パターン加工された回路基板上にラミネートするためのボンディングシートであって、特定構造の(A)イミドオリゴマーと、(B)エポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂組成物が支持ベースフィルム上に積層されていることを特徴とする多層プリント配線板用ボンディングシートであり、さらに好ましくは、熱硬化性樹脂組成物中に(C)平均粒径が0.1〜10μmの無機充填材を含有する多層配線板用ボンディングシートである。
【0021】
以下、多層配線板用ボンディングシートを構成する上記熱硬化性樹脂組成物に含まれる、(A)イミドオリゴマー、(B)エポキシ樹脂、(C)無機充填材について、詳細に説明する。
【0022】
<(A)イミドオリゴマー>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、一般式(1)
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、Xは、それぞれ独立して、−O−、−COO−(CH2p−OCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基、又は直接結合を表し、Yは、それぞれ独立して、−O−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、mは0以上5以下の整数、nは1以上15以下の整数、pは1以上5以下の整数を表す)で表されるイミドオリゴマーを含有することにより、熱硬化性樹脂組成物の溶剤溶解性ならびに樹脂流動性を付与するとともに、熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂に対して耐熱性を付与する。また、上記によって、熱硬化性樹脂組成物を硬化させる場合に、後述する(B)エポキシ樹脂との相溶性が確保され、効率よく硬化させることが可能となるとともに、熱硬化性樹脂組成物とした場合の室温での貯蔵安定性、ならびに該熱硬化性樹脂組成物からなるボンディングシートとした場合の室温での貯蔵安定性を有することが可能となる。
【0025】
さらに、イミド基の構造を有していることにより該熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂に対して、耐屈曲性、優れた機械特性、耐有機溶剤性を付与するとともに、ウレタン結合を有していないことから耐アルカリ性ならびに耐デスミア性を有し、かつGHz帯域における誘電率及び誘電正接の低い、優れた誘電特性を付与することが可能となる。
【0026】
上記イミドオリゴマー成分の重量平均分子量は、構造の繰り返し単位を表すnが1以上15以下の範囲内であれば特に限定されないが、溶媒溶解性や流動性に優れる点から上限は10000未満であることが好ましく、さらには7500未満であることが好ましい。また、硬化後の耐屈曲性に優れる点から下限は800以上であることが好ましい。
【0027】
上記イミドオリゴマーは、従来公知の方法で製造することができるが、例えば、イミドオリゴマーの前駆体物質である末端酸無水物を有するアミド酸オリゴマーを化学的あるいは熱的にイミド化し、さらに水及び/またはアルコールと反応させることにより上記構造を有するイミドオリゴマーを製造する方法や、末端イソシアネート化合物とテトラカルボン酸二無水物により末端酸無水物を有するイミドオリゴマーを合成し、水及び/またはアルコールと反応させることにより上記構造を有するイミドオリゴマーを製造することが可能である。
【0028】
以下、上記イミドオリゴマーの製造方法の一例として、アミド酸オリゴマーの合成方法、およびアミド酸オリゴマーを脱水閉環してイミド化を行い、さらに水及び/またはアルコールと反応させることにより上記のイミドオリゴマーを得る方法について詳細に説明する。
【0029】
<アミド酸オリゴマーの製造方法>
アミド酸オリゴマーは、少なくとも1種の酸二無水物を含んでなる酸二無水物成分と、少なくとも1種のジアミンを含んでなるアミン成分とを有機溶媒中で、アミンに対して酸無水物がモル数で過剰になるようにして、反応させれば得ることができる。
【0030】
上記反応の代表的な手法としては、酸二無水物成分を有機溶媒に溶解し、その後、アミン成分を添加して、アミド酸オリゴマーが溶解してなる溶液(以下、ポリアミド酸溶液と記載する)を得る方法が挙げられる。なお、ここで「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解した状態、及び、溶質が溶媒中に均一に分散又は拡散して、実質的に溶解している状態と同じ状態となる場合を含むものとする。
【0031】
なお、アミン成分及び酸二無水物成分の添加順序は上記に限定されるものではなく、当業者であれば、その添加方法を適宜変更・修正・改変することができる。すなわち、例えば、上記添加方法は、アミン成分を有機溶媒に溶解又は拡散させ、その後、酸二無水物成分を加えて、ポリアミド酸溶液とする方法であってもよい。
【0032】
酸二無水物とアミンとの反応(アミド酸オリゴマーの合成反応)の温度条件は、該酸二無水物とアミンとを重合させることができれば特に限定されないが、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは0〜50℃の範囲内がよい。また、反応時間は、酸二無水物とアミンとの重合反応を完了させることができれば特に限定されないが、30分〜50時間の範囲内で任意に設定すればよい。
【0033】
上記アミド酸オリゴマーの合成反応に使用する有機溶媒は特に限定されるものではないが、アミド酸オリゴマーやアミド酸オリゴマーを得るための原料が溶解し、またイミドオリゴマーを製造する際に該イミドオリゴマーを乾燥させやすくする等の点から、なるべく沸点の低い有機溶媒を選択することが製造工程上有利である。
【0034】
具体的には、アミド酸オリゴマーの合成反応に使用する有機溶媒として、ジメチルスルホキシドやジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミドやN,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドンやN−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。さらに、必要に応じて、上記有機溶媒と、キシレン又はトルエン等の芳香族炭化水素と組み合わせて用いてもよい。
【0035】
<アミド酸オリゴマーの製造に用いる酸二無水物成分>
上記アミド酸オリゴマーを合成するために用いられる酸二無水物成分に含まれる酸二無水物としては、各種の有機溶媒に対する溶解性、耐熱性、後述する(B)エポキシ樹脂成分との相溶性等を有する点で、上記酸二無水物は、一般式(2)
【0036】
【化3】

【0037】
(式中、Xは、−O−、−COO−(CH2p−OCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基、又は直接結合を表し、pは1以上5以下の整数を表す)で表される構造を有するものが好ましい。
【0038】
このうち、各種の有機溶媒に対する溶解性、耐熱性、後述する(B)エポキシ樹脂との相溶性、回路基板に対する埋め込み性、誘電特性等の諸特性をバランスよく備えたイミドオリゴマーが得られることから、酸二無水物として、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸二無水物(BPADA)を用いることが特に好ましい。
【0039】
イミドオリゴマーを合成する場合には、上記一般式(2)にて表される構造を有する上記各酸二無水物のうちの少なくとも1種の酸二無水物を含んでなる酸二無水物成分を用いればよい。すなわち、酸二無水物成分には、上記にて説明した各酸二無水物のうち、1種のみが含まれていてもよく、あるいは、2種以上が任意の割合で組み合わせて含まれていてもよく、さらに、上記一般式(2)で表される構造以外の構造を有する酸二無水物(以下、その他の酸二無水物)が含まれていてもよい。
【0040】
上記一般式(2)にて表される構造の酸二無水物の、酸二無水物成分中における含有量は、酸二無水物成分中の全酸二無水物のうちの50モル%以上であることが好ましい。含有量が50モル%以上であれば、各種の有機溶媒に対する溶解性、(B)エポキシ樹脂との相溶性、回路基板に対する埋め込み性、誘電特性等に優れたイミドオリゴマーを得ることができる。
【0041】
上記酸二無水物成分に含まれる酸二無水物のうち、上記一般式(2)で表される構造以外の構造を有する、その他の酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、(2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート)3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物) 、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
これら各化合物は、単独で用いてもよいし2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、上述したように、一般式(2)で表される酸二無水物が少なくとも1種用いられることが非常に好ましい。
【0043】
<アミド酸オリゴマーの製造に用いるアミン成分>
また、上記アミド酸オリゴマーを合成するために用いられるアミン成分に含まれるアミンとしては、各種の有機溶媒に対する溶解性、耐熱性、回路基板に対する埋め込み性に優れたイミドオリゴマーが得られるものが好ましく、特に上記アミンとして、一般式(3)
【0044】
【化4】

【0045】
(式中、Yは、−O−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基を表し、mは0以上5以下の整数を表す)で表される構造を有するものが好ましい。
【0046】
上記一般式(3)にて表される構造を有するジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3’−ジアミノジフェニルエーテル等のジアミノジフェニルエーテル類、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]プロパン類、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]フルオロアルカン類、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等のビス(アミノフェノキシ)ベンゼン系化合物類、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン系化合物、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]エーテル系化合物類、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン等の(フェノキシ)フェニルスルホン系化合物類等が挙げられる。
【0047】
イミドオリゴマーを合成する場合には上記一般式(3)にて表される構造を有するジアミンは1種のみ用いても2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよく、さらには、上記一般式(3)で表される構造以外のジアミン(以下、その他のジアミン)が含まれていてもよい。
【0048】
上記一般式(3)にて表される構造のジアミンのアミン成分中における含有量はジアミン成分のうちの50モル%以上であることが好ましい。含有量が50モル%以上であれば、各種の有機溶媒に対する溶解性、後述する(B)エポキシ樹脂との相溶性、回路基板に対する埋め込み性、誘電特性等に優れたイミドオリゴマーを得ることができる。
【0049】
上記ジアミン成分のうち、上記一般式(3)で表される構造以外の構造を有するその他のジアミンとしては、1,4−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン等のフェニレンジアミン類、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]アルカン類、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等のビス(アミノフェノキシ)ケトン系化合物類、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド系化合物類、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン等のビス[(アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン系化合物類、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル等のビス[(アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル系化合物類、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物類、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等のビス[(アミノフェノキシ)ジメチルベンゼン]ベンゼン系化合物類等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
<アミド酸オリゴマーのイミド化>
上記アミド酸オリゴマーを含んでなるアミド酸オリゴマー溶液を用いて、イミドオリゴマーを得るために、上記アミド酸オリゴマーをイミド化する方法について説明する。イミド化は、例えば、熱的手法により、上記ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸を脱水閉環することによって行われる。上記熱的手法とは、アミド酸オリゴマー溶液を熱処理して脱水する方法である。以下、上記手法について説明する。
【0051】
熱的手法による脱水閉環としては、例えば、上記アミド酸オリゴマー溶液の加熱処理によって、イミド化反応を進行させ、同時に溶媒を蒸発させる等の方法を挙げることができる。この熱的手法により、固形のポリイミド樹脂を得ることができる。なお、上記加熱処理の条件は特に限定されないが、副生成物が生じにくいという点から300℃以下の温度で加熱を行うことが好ましい。
【0052】
なお、上記の熱的手法では、溶媒を蒸発させる方法について説明したが、溶媒を蒸発させない方法もある。具体的には、上記熱的手法によって得られるイミドオリゴマー溶液を、貧溶媒中に加え、イミドオリゴマーを析出させるとともに、未反応のモノマー(酸二無水物・アミン)を除去して精製・乾燥することにより、固体のイミドオリゴマーを得る方法である。上記貧溶媒としては、イミドオリゴマー溶液の溶媒とは良好に混合するが、イミドオリゴマーは溶解しにくい性質の溶媒であれば特に限定されず、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、メチルセロソルブ(登録商標)、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
【0053】
さらに、減圧下で加熱処理を行って、アミド酸オリゴマーをイミド化する方法では、加熱条件を80℃〜400℃とすればよいが、効率よくイミド化及び脱水を行うためには、100℃以上とすることがより好ましく、120℃以上とすることがさらに好ましい。なお、加熱処理における最高温度は、イミドオリゴマーの熱分解温度以下とすることが好ましく、通常、イミド化の完結温度である約250℃から350℃の温度範囲内に設定される。また、圧力条件は、低圧であることが好ましく、具体的には、0.001気圧〜0.9気圧の範囲内であることが好ましく、0.001気圧〜0.8気圧であることがより好ましく、0.001気圧〜0.7気圧であることがさらに好ましい。
【0054】
上記減圧下で加熱処理を行ってアミド酸オリゴマーをイミド化する方法によれば、イミド化によって生成する水を積極的に系外に除去することができるので、ポリアミド酸の加水分解を抑制することができる。その結果、所望の分子量を有するイミドオリゴマーを得ることができる。さらに、該方法を用いれば、アミド酸オリゴマーの原料である酸二無水物中に不純物として存在する、片側開環物又は両側開環物を閉環させることができるので、イミドオリゴマーの分子量の制御をより一層向上することができる。
【0055】
上記の方法により得ることができるイミドオリゴマーは末端構造が酸無水物基となっているため、さらに、水及び/又はアルコールを反応させることで本発明の構造を有するイミドオリゴマーを得ることができる。なお、アルコールとしては特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜10の1級アルコールを好適に用いることができる。
【0056】
末端構造が酸無水物基であるイミドオリゴマーと、水及び/又はアルコールとの反応方法としては、上記末端酸無水物イミドオリゴマーに水及び/又はアルコールを酸無水物基のモル量の2.0倍以上300倍以下、より好ましくは、2.0倍以上200倍以下の割合で添加して、本発明の構造を有するイミドオリゴマーとすることが好ましい。この反応は、無溶剤で行うこともできるが、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。尚、必要に応じて低沸点のヘキサン、アセトン、トルエン、キシレン等も併用するこができる。
【0057】
上記反応は、添加した水及び/又はアルコールが反応系外に出ない範囲で加熱することが好ましく、20℃以上150℃以下、上限はより好ましくは120℃以下の温度範囲で加熱することが反応を促進し易いので好ましい。尚、水及び/又はアルコールの添加量は、多い方が好ましいが、多すぎると他の添加樹脂の溶解度が低下するため、反応後に未反応物は取り除くことが好ましい。反応後に未反応物を取り除く際の温度は、添加した水及び/又は1級アルコールの沸点以上であることが好ましい。かかる温度で加熱することで未反応物を系外に除去することができる。
【0058】
<(B)エポキシ樹脂>
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂について説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも1種のエポキシ樹脂を含んでなる(B)エポキシ樹脂成分を含有することにより、熱硬化性樹脂組成物に樹脂流動性を付与するとともに、熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂に対して、耐熱性や絶縁性を付与するとともに、金属箔等の導体や回路基板に対する接着性を付与することができる。
【0059】
本発明における(B)エポキシ樹脂とは、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含む化合物であり、単独又は2種類以上を組み合わせて使用できる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828、jER1001、jER1002、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4100E、アデカレジンEP−4300E、日本化薬株式会社製の商品名RE−310S、RE−410S、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン1050、エピクロン7050、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−115、エポトートYD−127、エポトートYD−128、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER806、jER807、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4901E、アデカレジンEP−4930、アデカレジンEP−4950、日本化薬株式会社製の商品名RE−303S、RE−304S、RE−403S,RE−404S、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロン830、エピクロン835、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンEXA−1514、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER−YX8000、jER−YX8034,jER−YL7170、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4080E、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンEXA−7015、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−3000、エポトートYD−4000D、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER−YX4000、jER−YL6121H、jER−YL6640、jER−YL6677、日本化薬株式会社製の商品名NC−3000、NC−3000H、フェノキシ型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER1256、jER4250、jER4275、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4200、日本化薬株式会社製の商品名NC−7000L、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER152、jER154、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−201−L、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンN−740、エピクロンN−770、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDPN−638、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンN−660、エピクロンN−670、エピクロンN−680、エピクロンN−695、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名XD−1000、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンHP−7200、アミン型エポキシ樹脂としては、東都化成株式会社の商品名エポトートYH−434、エポトートYH−434L、可とう性エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER871、jER872、jER−YL7175、jER−YL7217、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロンEXA−4850、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPU−6、アデカレジンEPU−73、アデカレジンEPU−78−11、ゴム変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPR−4023、アデカレジンEPR−4026、アデカレジンEPR−1309、キレート変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−49−10、アデカレジンEP−49−20等が挙げられる。
【0060】
また、貯蔵安定性の観点からは分子内に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましく、中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828やビフェニル型エポキシ樹脂であるジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER−YX4000等が好ましい。
【0061】
また、ボンディングシートとした場合での打ち抜き加工性の観点からは、室温において液状であるエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER806、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER152等が好ましい。
【0062】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、エポキシ樹脂以外の硬化剤も併用することが可能である。特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、メラミン、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0063】
また、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
【0064】
本発明の熱硬化性樹脂組成物における(B)成分は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは、2〜50重量部、特に好ましくは、5〜50重量部である。
【0065】
上記範囲内に(B)成分の量を調整することにより、ボンディングシートとした場合の表面タックが低減されることや打ち抜き加工性が得られるだけでなく、接着層の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性を向上することができるので好ましい。
【0066】
(B)成分が上記範囲よりも少ない場合には、ボンディングシートとした場合の打ち抜き加工性が低下したり、接着層の耐熱性、電気絶縁信頼性に劣る場合がある。また、(B)成分が上記範囲よりも多い場合には、ボンディングシートとした場合の表面タックが激しくなり貼り合わせ加工時の材料位置合わせがしにくくなることや耐熱性が低下する場合がある。
【0067】
<(C)無機充填材>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は充填材を含有することにより耐熱性を向上させることや線膨張係数を低下させ、絶縁信頼性を向上させることができる。
【0068】
充填材としてはアルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の非金属無機フィラーを挙げることができる。特に、加熱時に水が発生しない点やコストの点から結晶性シリカおよび非晶性シリカが好ましい。
【0069】
無機充填材の平均粒径は0.1〜10μmであることが好ましく、さらには0.1〜5μm以下であることが好ましい。平均粒径が10μmを超えると充填材が沈降しやすくなったり、配線回路パターン深さを超える場合がある。また平均粒径が0.1μm未満になると充填材同士が凝集しやすくなったり、熱硬化性樹脂組成物の溶液粘度が非常に高くなり、ボンディングシート作製時の塗工性が低下する場合がある。
【0070】
無機充填材の含有割合は所望の特性および機能に応じて決められるが、(A)イミドオリゴマーと(B)エポキシ樹脂の合計を100重量部とした場合、1〜600重量部が好ましい。過度に充填材を添加した場合、ボンディングシートとした場合の打ち抜き性が低下したり、接着性が低下する場合がある。
【0071】
<その他の成分>
さらに、上記熱硬化性樹脂組成物には、接着性や耐熱性、加工性等の諸特性を改善するために、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリグルタルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の高耐熱性を有する熱可塑性樹脂を併用することができる。上記熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いればよい。
【0072】
<(A)〜(C)、その他の成分の混合方法>
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記各成分(A)〜(B)成分あるいは、(A)〜(C)成分と、必要に応じてその他の成分とを均一に混合して得られる。均一に混合する方法としては、例えば3本ロール、ビーズミル装置等の一般的な混練装置を用いて混合すればよい。また、溶液の粘度が低い場合には、一般的な攪拌装置を用いて混合してもよい。
【0073】
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物の使用態様について説明するが、以下の説明に限定されるものではない。
【0074】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、適当な溶媒に添加して攪拌することによって、樹脂溶液として用いることができる。あるいは、該樹脂溶液は、熱硬化性樹脂組成物の各成分を適当な溶媒に溶解してなる各成分毎の溶液を混合することによっても得ることができる。
【0075】
樹脂溶液に用いることができる溶媒としては、熱硬化性樹脂組成物又は該熱硬化性樹脂組成物の各成分を溶解し得る溶媒であれば限定されない。具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、トリグライム、メチルトリグライム、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等の鎖状エーテル等のエーテル類が好ましく用いられる。また、上記エーテル類に、トルエン、キシレン類、グリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を混合した混合溶媒も好ましく用いることができる。
【0076】
<ボンディングシートの作製方法>
本発明のボンディングシートは上記(A)及び(B)、さらに好ましくは(C)からなる熱硬化性樹脂組成物を上記の混合方法により樹脂溶液としたものを、直接、又は、さらに溶剤にて希釈して支持ベースフィルム上に塗布し、加熱乾燥して有機溶媒を除去してBステージ化(Bステージ状態にすること)して作製することが可能である。
【0077】
本発明においてボンディングシートとは、被着物と被着物との間に存在させることにより、当該被着物同士を接着する機能を有するシートを言う。
【0078】
支持ベースフィルムとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、さらには離型紙や金属箔等が挙げられる。支持フィルムにはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。基板への塗布はコンマコートやナイフコート、ダイコートやリップコート、刷毛塗り、浸漬塗布、ロールコーター、スプレー塗装、カーテンロール塗装等の従来公知の方法によることができる。塗布膜(好ましくは厚み:5〜100μm、特に10〜100μm)の乾燥は150℃以下、好ましくは40〜120℃で行う。塗布膜の厚みは配線厚み等を考慮して決定されるが、厚みが2〜50μm程度であることが好ましい。
【0079】
本発明のボンディングシートは接着剤層の面に保護フィルムをさらに積層していてもよい。保護フィルムとしては、支持ベースフィルムと同様、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、離型紙などが好適に用いられる。
【0080】
また、本発明のボンディングシートはパターン加工された回路基板上にラミネートしたのち、支持ベースフィルムを剥離して、必要に応じて有機絶縁層や導体、別途作製している回路基板と積層し、最終硬化させて多層プリント配線板を作製するが、その最終硬化温度は配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないことを目的として低温で加熱して硬化させることが望まれている。この時の加熱硬化温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であることが望ましく、特に好ましくは130℃以上190℃以下である。最終加熱温度が高くなると配線の酸化劣化が進む場合がある。
【0081】
上記の他、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ワニスとして、例えば、ガラス布、ガラスマット、芳香族ポリアミド繊維布、芳香族ポリアミド繊維マット等の各種繊維に含浸させることもできる。上記繊維に含浸してなる上記熱硬化性樹脂組成物を半硬化させれば、繊維強化型樹脂シートを得ることができる。
【実施例】
【0082】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0083】
〔合成例1:酸無水物末端イミドオリゴマーの製造〕
容量500mlのガラス製フラスコに、300gのジメチルホルムアミド(以下、DMF)を入れ、更に52.1g(0.1mol)の4、4’−(4、4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物(SABIC社製、以下、BPADA)を入れ、窒素雰囲気下で撹拌して溶解させて、DMF溶液とした。続いて、フラスコ内を窒素雰囲気下で、14.6g(0.05mol)の1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学製、以下、APB−N)を添加し、更に室温にて2時間攪拌し、アミド酸オリゴマー溶液を得た。
【0084】
上記アミド酸オリゴマー溶液をフッ素樹脂でコートしたバットに移し、真空オーブンにて、180℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で、3時間減圧加熱することによって、末端に酸無水物基を有するイミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は、1800であった。
【0085】
〔合成例2:酸無水物末端イミドオリゴマーの製造〕
容量500mlのガラス製フラスコに、300gのDMFを入れ、更に52.1g(0.1mol)のBPADAを入れ、窒素雰囲気下で撹拌して溶解させて、DMF溶液とした。続いて、フラスコ内を窒素雰囲気下で、20.5g(0.05mol)の2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化工業製、BAPP)を添加し、更に室温にて2時間攪拌し、アミド酸オリゴマー溶液を得た。
【0086】
上記アミド酸オリゴマー溶液をフッ素樹脂でコートしたバットに移し、真空オーブンにて、180℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で、3時間減圧加熱することによって、末端に酸無水物基を有するイミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は、1900であった。
【0087】
〔合成例3:カルボキシル末端イミドオリゴマーの製造〕
容量100mlのガラス製フラスコに、15gの1、4−ジオキソランを投入し、そこへ合成例1にて得られた酸無水物末端イミドオリゴマー15gを入れて溶解させた。続いて、2.13g(0.046mol)のエタノールを添加し、70℃にて4時間撹拌した。室温まで冷却後、さらに真空オーブンにて20℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で1時間脱気することにより、カルボキシル末端イミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は1700であった。
【0088】
〔合成例4:カルボキシル末端イミドオリゴマーの製造〕
容量100mlのガラス製フラスコに、15gの1、4−ジオキソランを投入し、そこへ合成例1にて得られた酸無水物末端イミドオリゴマー15gを入れて溶解させた。続いて、2.13g(0.046mol)のエタノールを添加し、70℃にて4時間撹拌した。室温まで冷却後、さらに真空オーブンにて20℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で1時間脱気することにより、カルボキシル末端イミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は1700であった。
【0089】
〔合成例5:カルボキシル末端イミドオリゴマーの製造〕
容量100mlのガラス製フラスコに、15gの1、4−ジオキソランを投入し、そこへ合成例2にて得られた酸無水物末端イミドオリゴマー15gを入れて溶解させた。続いて、1.96g(0.042mol)のエタノールを添加し、70℃にて4時間撹拌した。室温まで冷却後、さらに真空オーブンにて20℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で1時間脱気することにより、カルボキシル末端イミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は1800であった。
【0090】
〔合成例6:アミン末端イミドオリゴマーの製造〕
容量500mlのガラス製フラスコに、300gのDMFを入れ、更に29.2g(0.1mol)のAPB−Nを入れ、窒素雰囲気下で撹拌して溶解させて、DMF溶液とした。続いて、フラスコ内を窒素雰囲気下で、26.1g(0.05mol)のBPADAを添加し、更に室温にて2時間攪拌し、アミド酸オリゴマー溶液を得た。
【0091】
上記アミド酸オリゴマー溶液をフッ素樹脂でコートしたバットに移し、真空オーブンにて、180℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で、3時間減圧加熱することによって、末端に酸無水物基を有するイミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は1300であった。
【0092】
〔合成例7:ウレタン結合を有するイミドオリゴマーの製造〕
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてメチルトリグライム(8g)を仕込み、これに、ノルボルネンジイソシアネートを10.4g(0.05モル)を仕込み80℃に加温して溶解させた。この溶液に、ポリカーボネートジオールを50.0g(0.025モル)(旭化成株式会社製:商品名PCDL T5652、平均分子量が2000)をメチルトリグライム(20.0g)に溶解した溶液を1時間かけて添加した。この溶液を80℃に加温した状態で、5時間反応を継続した。本反応溶液を中間体Aと称する。
【0093】
上記反応に使用した反応装置とは別の反応装置中に、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(以下BPADAと略す)を26.0g(0.05モル)とメチルトリグライム(20.0g)を添加して80℃に加温してメチルトリグライム中に分散した。
【0094】
この溶液中に上記中間体Aを1時間かけて添加して、反応させた。添加後に180℃に加温して3時間反応させ、不揮発分60重量%の末端酸無水物ウレタンイミドオリゴマー溶液を得た。本溶液に純水3.6g(0.2モル)を投入して、110℃で3時間加熱還流して、室温まで冷却後、さらに真空オーブンにて20℃、5mmHg(約0.007気圧、約5.65hPa)の圧力の条件下で1時間脱気することにより、ウレタン結合を有するカルボキシル末端イミドオリゴマーを得た。重量平均分子量は5200であった。
【0095】
〔実施例1〜6〕〔比較例1〜4〕
合成例1〜7で得られたイミドオリゴマー100重量部に対して、表1に記載される配合組成により熱硬化性樹脂組成物溶液を得た。本溶液を支持ベースフィルムである膜厚39μmのポリエステルフィルム(パナック株式会社製:パナピールSG−1)に最終乾燥厚みが15μmになるようにバーコーターを用いて流延・塗布し、80℃で20分乾燥してボンディングシートを得た。このようにして得られたボンディングシートの各種評価を行い、その結果を表1に記載した。
【0096】
<評価>
<保存安定性の評価>
上記で得られたボンディングシートを23℃55RH%の環境下で4週間保管し、保管前後における接着層の溶融粘度の変化を評価した。溶融粘度は動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製:Rheosol G5000)にてサンプルサイズ(25mmφ、0.5mm厚み)、昇温速度(10℃/分)にて50℃から100℃まで昇温し、100℃5分間保持後の動的粘性率η´を測定し、その試料の溶融粘度とした。
【0097】
保存安定性の指標はlog〔溶融粘度(保管後4週間)/溶融粘度(保管前)〕が0以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上を×とした。
【0098】
<回路パターンへの埋め込み性評価>
上記で得られたボンディングシートを12.5μm厚のポリイミドフィルムに真空ラミネーターを用いてラミネートしたのち、支持ベースフィルムのポリエステルフィルムを引き剥がし、ポリイミドフィルム上に接着層が積層されたシートを作製した。本シートを厚み12μm、L/S=100/100(μm)の銅回路パターンが作製されたポリイミドフィルムに真空ラミネーターを用いて設定温度100℃、保持圧0.7MPaにて30秒真空ラミネートし、さらに熱風オーブンにて180℃1時間キュアを行い、ミクロトームにて断面出しをして光学顕微鏡にて断面観察することにより、埋め込み性を評価した。
【0099】
埋め込み性の評価は、回路パターンに隙間がない場合を○、回路パターンに隙間がある場合を×とした。
【0100】
<打ち抜き性の評価>
上記で得られたボンディングシートをペーパーカッター(裁断機)にて押し切りを行い、簡易的に打ち抜き性の評価を行った。押し切り時に接着層に割れがない場合を○、一部に割れが認められる場合を△、全面に渡って割れが認められる場合を×とした。
【0101】
<接着性評価>
上記で得られたボンディングシートを用いて、銅ならびにポリイミドフィルムとのキュア後の接着性を評価した。
i)銅との接着性評価
銅との接着性は、上記で得られたボンディングシートの接着剤層のみを2枚の片面CCLの銅シャイン面で挟み込んだ材料構成としてキュアを行い、180°ピール強度を評価した。片面CCLの構成は銅箔(日本電解製:HLB(厚み12μm))/ポリイミドフィルム(厚み12.5μm)のものを使用した。具体的には、まずボンディングシートの接着剤層を片面CCLの銅シャイン面が接着面となるように真空ラミネーターを用いてラミネートしたのち、支持ベースフィルムのポリエステルフィルムを引き剥がし、CCL上に接着層が積層されたシートを作製し、さらに同じ作業を繰り返して2枚の片面CCLの銅シャイン面で接着層を挟み込んだ構成とした。本材料を熱風オーブンにて180℃1時間キュアを行い、5mm幅となるようにカットし、引張速度100mm/minにて180°ピール強度を評価した。
ii)ポリイミドフィルムとの接着性評価
ポリイミドフィルムとの接着性は、上記で得られたボンディングシートの接着剤層のみを2枚のポリイミドフィルムで挟み込んだ材料構成としてキュアを行い、180°ピール強度を評価した。具体的な手法は上述の片面CCLの代わりにポリイミドフィルム(25μm)を用いた以外は同様の手法で行った。
【0102】
<耐デスミア性評価>
上記で得られたボンディングシートを12.5μm厚のポリイミドフィルムに真空ラミネーターを用いてラミネートしたのち、支持ベースフィルムのポリエステルフィルムを引き剥がし、ポリイミドフィルム上に接着層が積層されたシートを作製した。本シートの接着層側に銅箔(日本電解製:HLB(厚み18μm))と真空ラミネーターを用いてラミネートし、ポリイミドフィルム/接着層/銅の3層からなるシートを作製した。本シートを熱風オーブンにて180℃1時間キュアを行い、評価サンプルを作製した。本評価サンプルを一般的に用いられているデスミア工程、つまり60℃設定の膨潤浴(ロームアンドハース社製サーキュポジットMLB211を20vol%、ロームアンドハース社製キュポジットZを10vol%含む水溶液)に2分間、80℃設定の酸化浴(ロームアンドハース社製サーキュポジットMLB213Aを10vol%、ロームアンドハース社製サーキュポジットMLB213Bを15vol%含む水溶液)に5分間、45℃設定の中和浴(ロームアンドハース社製サーキュポジットMLB216−2を20vol%含む水溶液)に5分間浸漬し、シート端部の接着層の変化を光学顕微鏡にて観察した。接着層の分解が認められない場合を○、接着層の分解が認められる場合を×として評価を行った。
【0103】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン加工された回路基板上にラミネートするためのボンディングシートであって、一般式(1)
【化1】

(式中、Xは、それぞれ独立して、−O−、−COO−(CH2p−OCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基、又は直接結合を表し、Yは、それぞれ独立して、−O−、−C(CH32−、−C(CF32−、−SO2−からなる群より選択される2価の基であり、Rは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表し、mは0以上5以下の整数、nは1以上15以下の整数、pは1以上5以下の整数を表す)で表される(A)イミドオリゴマーと、(B)エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が、支持ベースフィルム上に積層されていることを特徴とする多層プリント配線板用ボンディングシート。
【請求項2】
上記(A)イミドオリゴマーの重量平均分子量が800以上10000未満であることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。
【請求項3】
上記(B)エポキシ樹脂の配合割合が、(A)イミドオリゴマー100重量部に対して、1〜100重量部となるように配合されていることを特徴とする請求項1または2記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。
【請求項4】
上記熱硬化性樹脂組成物中に、さらに(C)平均粒径が0.1〜10μmの無機充填材を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の多層プリント配線板用ボンディングシート。

【公開番号】特開2011−222810(P2011−222810A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91379(P2010−91379)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】