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多層ポリイミドフィルム及びそれを用いたフレキシブル金属箔張積層板
説明

多層ポリイミドフィルム及びそれを用いたフレキシブル金属箔張積層板

【課題】 積極的に吸湿させた状態でも、半田加工時に膨れが発生しないフレキシブル金属箔張積層板を提供する。
【解決手段】 非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも一方に熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムであって、上記熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物が3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分とし、それらのモル比が、5/95〜30/70であり、かつジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とし、上記非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物がピロメリット酸二無水物を必須成分とし、かつジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とすることを特徴とする多層ポリイミドフィルムにより、上記課題を達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板に好適に使用できる多層ポリイミドフィルム及びフレキシブル金属箔張積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレクトロニクス製品の軽量化、小型化、高密度化にともない、各種プリント基板の需要が伸びているが、中でも、フレキシブル積層板(フレキシブルプリント配線板(FPC)等とも称する)の需要が特に伸びている。フレキシブル積層板は、ポリイミドフィルム等の絶縁性フィルム上に金属層からなる回路が形成された構造を有している。
【0003】
上記フレキシブルプリント配線板の元になるフレキシブル金属箔張積層板は、一般に、各種絶縁材料により形成され、柔軟性を有する絶縁性フィルムを基板とし、この基板の表面に、各種接着材料を介して金属箔を加熱・圧着することにより貼り合わせる方法により製造される。上記絶縁性フィルムとしては、ポリイミドフィルム等が好ましく用いられる。上記接着材料としては、エポキシ系、アクリル系等の熱硬化性接着剤が一般的に用いられている。
【0004】
熱硬化性接着剤は、比較的低温での接着が可能であるという利点があるが、耐熱性、屈曲性、電気的信頼性といった要求特性が厳しくなるに従い、熱硬化性接着剤を用いた三層FPCでは対応が困難になると考えられる。このため、絶縁性フィルムに直接金属層を設けたり、接着層に熱可塑性ポリイミドを使用した二層FPCが提案されている。この二層FPCは、三層FPCよりも優れた特性を有し、今後需要が伸びていくと期待される。
【0005】
しかし、ポリイミドは、吸湿率が高いため、半田加工時に、膨れが発生することがあった。これに対し、半田耐熱性300℃をクリアできる金属箔積層体が提案されているが、積極的に吸湿させた状態では、半田加工時に膨れが発生し、問題となることがあった(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0006】
また、積極的に吸湿させた状態で、半田加工時に膨れが発生しないフレキシブル金属箔張積層板が提案されているが、別途製造したポリイミドオリゴマーをポリアミド酸に混合し、加熱処理して接着層を形成しており、生産性が問題となることがあった(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−116254号公報
【特許文献2】特開2001−270037号公報
【特許文献3】国際公開第2008/032669号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、銅箔の引き剥がし強度が良好で、かつ積極的に吸湿させた状態でも半田加工時に膨れが発生せず、生産性の良い多層ポリイミドフィルム及びフレキシブル金属箔張積層板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも一方に熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムであって、上記熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物が3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分とし、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物のモル比が、5/95〜30/70であり、かつ上記熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とし、上記非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物がピロメリット酸二無水物を必須成分とし、かつ上記非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とすることを特徴とする多層ポリイミドフィルムに関する。
【0011】
上記多層ポリイミドフィルムは、上記多層ポリイミドフィルムの少なくとも非熱可塑性ポリイミド層に、イミド化触媒及び化学脱水剤を投入し、イミド化させたものであることが好ましい。
【0012】
また、上記多層ポリイミドフィルムが多層共押出によって製造されていることが好ましい。
【0013】
また、上記多層ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミド層の両面に熱可塑性ポリイミド層を有する構造であることが好ましい。
【0014】
また、上記多層ポリイミドフィルムは、上記多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層のみに、イミド化触媒及び化学脱水剤を投入し、イミド化させたものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記多層ポリイミドフィルムと金属箔を、1対の熱ロールで加熱圧着させることにより得られることを特徴とするフレキシブル金属箔張積層板に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、銅箔の引き剥がし強度が良好で、かつ積極的に吸湿させた状態でも半田加工時に膨れが発生せず、生産性の良いフレキシブル金属箔張積層板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の一形態について、以下に説明する。
【0018】
本発明は、非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも一方に熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムであって、上記熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物が3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分とし、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物のモル比が、5/95〜30/70であり、かつ上記熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とし、非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物がピロメリット酸二無水物を必須成分とし、かつ上記非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とすることを特徴とする多層ポリイミドフィルムに関する。
【0019】
本発明における非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドをいう。本発明では、フィルムの状態で380℃、2分間加熱を行い、シワが入ったり伸びたりせず、形状を保持しているポリイミド、若しくは実質的にガラス転移温度を有しないポリイミドをいう。
【0020】
また、熱可塑性ポリイミドとは、一般的にDSC(示差走査熱量測定)で、ガラス転移温度を有するポリイミドをいう。本発明での熱可塑性ポリイミドは、前記ガラス転移温度が、150℃〜350℃であるものをいう。
【0021】
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層中の非熱可塑性ポリイミド及び熱可塑性ポリイミド層中の熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族酸二無水物はピロメリット酸二無水物を必須成分として用いる。ピロメリット酸二無水物以外の酸二無水物としては、特に限定されないが、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの誘導体を含み、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を好ましく用いることができる。
【0022】
中でも、非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物であって、ピロメリット酸二無水物以外の酸二無水物としては、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸二無水物であることが好ましく、製造時の溶媒溶解性の面で、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。
【0023】
また、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物としては、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分として用いる。混合比は、モル比として、5/95〜30/70を用いる。5/95よりも、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が少ない場合、熱可塑性ポリイミド層の熱可塑性が低くなり、銅箔の引き剥がし強度が低くなる。また、30/70よりも、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が多い場合、吸湿時の半田耐熱性が低くなる。引き剥がし強度は、10N/cm以上が好ましく、吸湿時の半田耐熱性は、280℃以上が好ましい。3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物の混合比は、5/95〜30/70であるが、5/95〜25/75が吸湿時の半田耐熱性の面でさらに好ましく、5/95〜20/80が特に好ましい。
【0024】
熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物としては、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物以外に、前記酸二無水物を併用して用いることができ、酸二無水物の合計モル数の10%を上限に用いることができる。
【0025】
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層中の非熱可塑性ポリイミド及び熱可塑性ポリイミド層中の熱可塑性ポリイミドの原料として用いる芳香族ジアミンは2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分として用いる。2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン以外のジアミンとしては、特に限定されないが、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、p−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4´−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4´−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4´−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、及びそれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を好ましく用いることができる。
【0026】
中でも、非熱可塑性ポリイミドを構成する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン以外のジアミン単量体としては、p−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを用いることは、線膨張係数及び強度の制御の面で好ましい。
【0027】
なお、非熱可塑性ポリイミド中において熱可塑性ブロック成分を含むこと、すなわち、非熱可塑性ポリイミド層になるポリアミド酸が、分子中に熱可塑性ブロック成分を有する非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸であることは、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層との密着性を向上させることができる点で好ましい。
【0028】
また、熱可塑性ポリイミドを構成する2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン以外のジアミン単量体としては、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを用いることが、耐熱性向上の面で好ましい。
【0029】
多層ポリイミドフィルムの製造方法としては、例えば、(1)予め製造しておいた非熱可塑性ポリイミドフィルムに、熱可塑性ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥した後、150℃以上の高温で加熱して多層ポリイミドフィルムを製造する方法、(2)多層共押出により、同時に多層ポリアミド酸をドラム、エンドレスベルト等の支持体に塗布・乾燥した後、ゲルフィルムを支持体から剥がし、150℃以上の高温で加熱して多層ポリイミドフィルムを製造する方法がある。中でも、生産性の面で、多層共押出により、多層ポリイミドフィルムを製造することが好ましい。また、吸湿半田耐熱性の面でも、多層共押出により、多層ポリイミドフィルムを製造することが好ましい。これは、明確では無いが、非熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸と熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸が同時に押出されることで、界面で双方のポリアミド酸が少なからず混合し、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の一体性が向上するためと推定している。
【0030】
非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の一体性を向上させるためには、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体及びジアミン単量体の合計モル数の60%以上が、非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体であることが好ましい。具体的な算出方法について記載する。熱可塑性ポリイミドで用いられる酸二無水物及びジアミンの総モル数を基準にし、非熱可塑性ポリイミドで用いられている酸二無水物及びジアミンと同じものを使用している、熱可塑性ポリイミドで用いられる酸二無水物及びジアミンの割合を算出する。算出する方法は、まず、熱可塑性ポリイミドで用いる酸二無水物及びジアミンの総モル数を算出する(総モル数)。次に、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物及びジアミンであって、非熱可塑性ポリイミドで用いる酸二無水物及びジアミンと同じ種類の酸二無水物及びジアミンの合計モル数を算出する(同種モル数)。最後に、(同種モル数)/(総モル数)で、熱可塑性ポリイミドで用いられる酸二無水物及びジアミンの総モルを基準にし、非熱可塑性ポリイミドで用いられている酸二無水物及びジアミンと同じ種類のものを使用している、熱可塑性ポリイミドで用いられる酸二無水物及びジアミンの割合を算出する。熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体の合計モル数の60%以上が、非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体であるということは、熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体のそれぞれ少なくとも1種の単量体が非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物単量体とジアミン単量体と同じということである。上記比率は、70%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。また、比率の上限は、熱可塑性ポリイミドの熱可塑性を発現させ、高いピール強度を実現させるため、99%以下が好ましく、98%以下がさらに好ましい。
【0031】
特に、多層共押出で多層ポリイミドフィルムを製造する場合、高温加熱すると、非熱可塑性ポリイミド層から発生した溶剤や水等が熱可塑性ポリイミド層を通過する。しかし、非熱可塑性ポリイミド層から溶剤や水等の排出する速度が、溶剤や水等が熱可塑性ポリイミド層を通過する速度よりも極端に速い場合、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の間に、溶剤、水等が溜まり、層の間で剥がれる又は白濁(白色化)することがあった。また、非熱可塑性ポリイミド層のイミド化速度が熱可塑性ポリイミド層よりも極端に速いと、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の密着性が低下し、層の間で剥がれる又は白濁(白色化)することがあった。非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層に用いる酸二無水物とジアミンが、同じものである割合が高いほど、熱可塑性ポリイミド層は、非熱可塑性ポリイミド層から排出された溶剤や水等が同程度に排出されやすく、また、同様の構造であるため、熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層との密着性が向上する面で好ましい。
【0032】
また、多層ポリイミドフィルムの反りを抑制するため、非熱可塑性ポリイミド層の両面が熱可塑性ポリイミド層であることが好ましい。非熱可塑性ポリイミド層の片面のみ熱可塑性ポリイミド層を形成した場合、熱可塑性ポリイミド層のイミド化反応を進行させた場合、非対称構造となるため、フィルムが反ってしまうことがあった。非熱可塑性ポリイミド層の両面の熱可塑性ポリイミド層の厚みは、1〜15μmが好ましく、両面の厚みの差は、厚い熱可塑性ポリイミド層の厚みを基準にし、もう一方の厚みが40%以上、100%以下であれば、フィルム形状として問題は無い。
【0033】
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の厚み比率は、多層ポリイミドフィルムの線膨張係数を制御する面で55/45〜95/5が好ましい。この比率は、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層が複数層になっても、それぞれの総厚みの比率であり、熱可塑性ポリイミド層の層数が多くなっても、非熱可塑性ポリイミド層の厚みを超えないことが好ましい。
【0034】
本発明においてポリアミド酸を合成するための好ましい溶媒は、ポリアミド酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒、すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどを例示することができる。中でも、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを特に好ましく用いることができる。
【0035】
本発明において非熱可塑性ポリアミド酸の重合にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として、次のような方法が挙げられる。すなわち、
1)芳香族ジアミンを有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させて重合する方法、
2)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過小モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
3)芳香族テトラカルボン酸二無水物とこれに対し過剰モル量の芳香族ジアミン化合物とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここに芳香族ジアミン化合物を追加添加後、全工程において芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物が実質的に等モルとなるように芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて重合する方法、
4)芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機極性溶媒中に溶解および/または分散させた後、実質的に等モルとなるように芳香族ジアミン化合物を用いて重合させる方法、
5)実質的に等モルの芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法、
などのような方法である。これらの方法を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
【0036】
中でも、非熱可塑性ポリアミド酸は、下記の工程(a)〜(c):
(a)芳香族酸二無水物と、これに対し過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る、
(b)続いて、ここに芳香族ジアミンを追加添加する、
(c)更に、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンが実質的に等モルとなるように芳香族酸二無水物を添加して重合する、
を経ることによって得られることが好ましい。
【0037】
前記方法で得られたポリアミド酸が、イミド化され、多層ポリイミドフィルムが得られる。
【0038】
熱可塑性ポリイミドの製造に用いる熱可塑性ポリアミド酸溶液の製造方法は、(a)芳香族酸二無水物と、これに対して過剰モル量の芳香族ジアミンとを有機極性中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、(b)続いて、全工程における芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンの比が、決めた比になるように、芳香族酸二無水物を添加して重合することが好ましい。(b)で、芳香族酸二無水物を添加する方法として、粉末を投入する方法、予め酸二無水物を有機極性溶媒に溶解した酸溶液を投入する方法等があるが、反応が均一に進行しやすい面で、酸溶液を投入する方法が好ましい。
【0039】
熱可塑性ポリイミドの製造に用いる熱可塑性ポリアミド酸溶液は、複数のポリアミド酸溶液を混合して製造することができるが、オリゴマー成分を単離して、再度溶液にする工程を含むと、生産性の面で好ましくない。
【0040】
非熱可塑性ポリアミド酸および熱可塑性ポリアミド酸の重合時の固形成分濃度は、10〜30重量%であることが好ましい。固形成分濃度は、重合速度、重合粘度で決めることができる。重合粘度は、熱可塑性ポリイミドのポリアミド酸溶液を、支持体フィルムに塗工する場合、又は非熱可塑性ポリイミドと共押出する場合に合わせて設定することができるが、塗工する場合、例えば、固形成分濃度14重量%において重合粘度は100poise以下であることが好ましい。また、共押出する場合、例えば、固形成分濃度14重量%において重合粘度が100poise〜1200poiseであることが好ましい。前記で説明した芳香族酸二無水物と芳香族ジアミンは、多層ポリイミドフィルムの特性及び生産性を考慮し、順番を変更して用いることができる。
【0041】
また、非熱可塑性ポリアミド酸および熱可塑性ポリアミド酸には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしては特に制限されないが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。ただし、多層ポリイミドフィルムの製造方法として、(1)予め製造しておいた非熱可塑性ポリイミドフィルムに、熱可塑性ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥して多層ポリイミドフィルムを製造する方法を得る場合、非熱可塑性ポリイミドフィルムおよび多層ポリイミドフィルムの諸物性を改善する目的で、非熱可塑性ポリアミド酸および熱可塑性ポリアミド酸にフィラーを添加することが好ましく、(2)多層共押出により、多層ポリイミドフィルムを得る場合、多層ポリイミドフィルムの諸物性を改善する目的で、熱可塑性ポリアミド酸のみにフィラーを添加することが工程を簡便にできる点で好ましい。
【0042】
フィラーの粒子径は改質すべきフィルム特性と添加するフィラーの種類によって決定されるため、特に限定されるものではないが、フィルムの摺動性改善のために添加する場合、粒子径は0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmである。粒子径がこの範囲を下回ると摺動性改善の効果が発現しにくく、この範囲を上回ると高精細な配線パターンを作成し難くなる傾向にある。またさらにこの場合、フィラーの分散状態も重要であり、20μm以上のフィラーの凝集物が50個/m以下、好ましくは40個/m以下にするのが好ましい。20μm以上のフィラー凝集物がこの範囲よりも多いと、高精細配線パターンを作成したときにフレキシブルプリント基板そのものの絶縁信頼性を落とす傾向にある。
【0043】
フィラーの添加は、例えば、
(1)重合前または途中に重合反応液に添加する方法
(2)重合完了後、3本ロールなどを用いてフィラーを混錬する方法
(3)フィラーを含む分散液を用意し、これをポリアミド酸有機溶媒溶液に混合する方法
(4)ビーズミル等により分散する方法
などいかなる方法を用いてもよいが、フィラーを含む分散液をポリアミド酸溶液に混合する方法、特に製膜直前に混合する方法が、製造ラインのフィラーによる汚染が最も少なくてすむため、好ましい。
【0044】
フィラーを含む分散液を用意する場合、ポリアミド酸の重合溶媒と同じ溶媒を用いるのが好ましい。また、フィラーを良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために、分散剤、増粘剤等をフィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いることもできる。
【0045】
ポリイミドは、ポリイミドの前駆体、即ちポリアミド酸からの脱水転化反応により得られ、当該転化反応を行う方法としては、熱によってのみ行う熱キュア法と、化学脱水剤を使用する化学キュア法の2法が最も広く知られている。しかしながら、生産性に優れていることから、化学キュア法の採用がより好ましい。また、熱キュア法と化学キュア法共に、イミド化触媒を用いることがイミド化反応を早く進行させる面で好ましい。
【0046】
化学脱水剤とは、ポリアミド酸に対する脱水閉環剤であり、その主成分として、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N′−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族酸無水物、アリールスルホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物を好ましく用いることができる。その中でも特に、脂肪族酸無水物及び芳香族酸無水物が良好に作用する。また、イミド化触媒とはポリアミド酸に対する脱水閉環作用を促進する効果を有する成分であるが、例えば、脂肪族3級アミン、芳香族3級アミン、複素環式3級アミンを用いることができる。そのうち、イミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、キノリン、またはβ−ピコリンなどの含窒素複素環化合物であることが好ましい。さらに、化学脱水剤及びイミド化触媒からなる溶液中に、有機極性溶媒を導入することも適宜選択されうる。
【0047】
多層ポリイミドフィルムの製造方法として、(1)予め製造しておいた非熱可塑性ポリイミドフィルムに、熱可塑性ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥した後、150℃以上の高温で加熱して多層ポリイミドフィルムを製造する方法がある。非熱可塑性ポリイミドフィルムを製造する際、熱キュア法、化学キュア法どちらを選択して良いが、生産性の面で化学キュア法を選択する方が良い。予め製造した非熱可塑性ポリイミドフィルムの表面に、熱可塑性ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥した後、150℃以上の高温で加熱して多層ポリイミドフィルムを製造する際、熱キュア法、化学キュア法どちらを選択して良いが、生産性の面で化学キュア法を選択する方が良く、設備投資の面で熱キュア法を選択する方が良い。
【0048】
また、多層ポリイミドフィルムの製造方法として、(2)多層共押出により、同時に多層ポリアミド酸をドラム、エンドレスベルト等の支持体に塗布・乾燥した後、ゲルフィルムを支持体から剥がし、150℃以上の高温で加熱して多層ポリイミドフィルムを製造する方法がある。非熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸に、イミド化触媒及び/または化学脱水剤を用いても良いが、生産性の面でイミド化触媒及び化学脱水剤を用いる方が良い。また、熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸に、イミド化触媒及び/または化学脱水剤を用いても良い。ただし、コストの面を考慮すると、非熱可塑性ポリイミド層のみに、イミド化触媒及び化学脱水剤を投入し、イミド化させることが好ましい。
【0049】
前記の通り、イミド化法として、熱キュア法と化学キュア法があるが、本発明では、熱キュア法は化学脱水剤を用いず、化学キュア法は化学脱水剤を用いるイミド化法である。双方、イミド化触媒を用い、イミド化反応を促進することができる。
【0050】
化学脱水剤の含有量は、化学脱水剤及びイミド化触媒を含有せしめる溶液に含まれるポリアミド酸中のアミド酸ユニット1モルに対して、0.5〜4.0モルが好ましく、1.0〜3.0モル、さらには、支持体から剥がす際のゲルフィルムの強度と支持体からの剥れ性のバランスを取れる点で1.2〜2.5モルが特に好ましい。
【0051】
同様の理由で、イミド化触媒の含有量は、化学脱水剤及びイミド化触媒を含有せしめる溶液に含まれるポリアミド酸中のアミド酸ユニット1モルに対して、0.05〜2.0モルが好ましく、0.05〜1.0モル、さらには0.3〜0.8モルが特に好ましい
イミド化時間に関しては、実質的にイミド化および乾燥が完結するに十分な時間を取ればよく、一義的に限定されるものではないが、一般的には、化学キュア法を採用する場合、1〜600秒程度、熱キュア法を採用する場合、60〜1800秒の範囲で適宜設定される。
【0052】
イミド化する際にかける張力としては、1kg/m〜15kg/mの範囲内とすることが好ましく、5kg/m〜10kg/mの範囲内とすることが特に好ましい。張力が上記範囲より小さい場合、フィルム搬送時にたるみや蛇行が生じ、巻取り時にシワが入ったり、均一に巻き取れない等の問題が生じる可能性がある。逆に上記範囲よりも大きい場合、強い張力がかかった状態で高温加熱されるため、金属箔張積層板用基材を用いて作製される金属箔張積層板の寸法特性が悪化することがある。
【0053】
以下に、多層共押出により多層ポリイミドフィルムの製造方法について述べる。多層共押出とは、ポリアミド酸溶液を二層以上の多層ダイへ同時に供給し、前記ダイの吐出口から少なくとも二層以上の薄膜状体として支持体上に押出す工程を含むフィルムの製造方法である。多層ポリイミドフィルムは加熱処理時の反りを軽減させるため、三層構造が好ましい。
【0054】
一般的に用いられる方法について説明すると、二層以上の多層ダイから押出された前記の溶液を、平滑な支持体上に連続的に押し出し、次いで、前記支持体上の多層の薄膜状体の溶媒の少なくとも一部を揮散せしめることで、自己支持性を有する多層膜を得る。支持体上の塗膜を最高温度が100〜200℃で加熱することが好ましい。
【0055】
さらに、当該多層膜を前記支持体上から剥離し、最後に、当該多層膜を高温(250−600℃)で充分に加熱処理することによって、溶媒を実質的に除去すると共にイミド化を進行させることで多層ポリイミドフィルムを得ることができる。支持体から引き剥がした多層膜は、ポリアミド酸からポリイミドへの硬化の中間段階にあり、自己支持性を有し、式(1)
(A−B)×100/B・・・・(1)
式(1)中
A,Bは以下のものを表す。
A:多層膜の重量
B:多層膜を450℃で20分間加熱した後の重量
から算出される揮発分含量は5〜200重量%の範囲、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは30〜80重量%の範囲にある。この範囲のフィルムを用いることが好適であり、この範囲内では、焼成過程でフィルム破断、乾燥ムラによるフィルムの色調ムラ、特性ばらつき等の不具合が起こりにくい。また、接着層の熔融流動性を改善する目的で、意図的にイミド化率を低くする及び/又は溶媒を残留させてもよい。
【0056】
本発明において、支持体とは、多層ダイから押出された多層液膜を、その上に流延するためのもので、当該支持体上で多層液膜を加熱乾燥せしめ、自己支持性を付与するものである。該支持体の形状は特に問わないが、接着フィルムの生産性を考慮すると、ドラム状若しくはベルト状であることが好ましい。また、該支持体の材質も特に問わず、金属、プラスチック、ガラス、磁器などが挙げられ、好ましくは金属であり、更に好ましくは耐腐食性に優れるSUS材である。また、Cr、Ni、Snなどの金属メッキをしても良い。
【0057】
上記の多層ダイとしては各種構造のものが使用できるが、例えば複数層用フィルム作成用のTダイス等が使用できる。また、従来既知のあらゆる構造のものを好適に使用可能であるが、特に好適に使用可能なものとして、フィードブロックTダイやマルチマニホールドTダイが例示される。
【0058】
本発明にかかるフレキシブル金属箔張積層板の製造方法について説明すると、以下の通りであるが、これに限定されるものでない。
【0059】
本発明にかかるフレキシブル金属箔張積層板の製造方法は、上記多層ポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせる工程を含むことが好ましい。フレキシブル金属積層板で用いられる銅箔は、厚みは1〜25μmを用いることができ、圧延銅箔、電解銅箔のどちらを用いても良い。
【0060】
多層ポリイミドフィルムと金属箔の貼り合わせ方法としては、例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置、またはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。中でも、装置構成が単純であり保守コストの面で有利であるという点から、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置を用いることが好ましい。
【0061】
ここでいう「一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置」とは、材料を加熱加圧するための金属ロールを有している装置であればよく、その具体的な装置構成は特に限定されるものではない。
【0062】
なお、多層ポリイミドフィルムと金属箔とを熱ラミネートにより貼り合わせる工程を、以下、「熱ラミネート工程」と称する。
【0063】
上記熱ラミネートを実施する手段(以下、「熱ラミネート手段」ともいう)の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することが好ましい。
【0064】
上記保護材料としては、熱ラミネート工程の加熱温度に耐えうる材料、例えば、非熱可塑性ポリイミドフィルム等の耐熱性プラスチック、銅箔、アルミニウム箔、SUS箔等の金属箔等が挙げられる。中でも、耐熱性、再使用性等のバランスが優れる点から、非熱可塑性ポリイミドフィルム、もしくは、ガラス転移温度(Tg)がラミネート温度よりも50℃以上高い熱可塑性ポリイミドからなるフィルムが好ましく用いられる。熱可塑性ポリイミドを使用する場合、上記の条件を満たすものを選択することによって、熱可塑性ポリイミドのロールへの付着を防ぐことができる。
【0065】
また、保護材料の厚みが薄いと、ラミネート時の緩衝並びに保護の役目を十分に果たさなくなるため、非熱可塑性ポリイミドフィルムの厚みは75μm以上であることが好ましい。
【0066】
また、この保護材料は、必ずしも1層である必要はなく、異なる特性を有する2層以上の多層構造でもよい。
【0067】
また、ラミネート温度が高温の場合、保護材料をそのままラミネートに用いると、急激な熱膨張により、得られるフレキシブル金属箔張積層板の外観や寸法安定性が充分でない場合がある。従って、ラミネート前に、保護材料に予備加熱を施すことが好ましい。このように、保護材料の予備加熱を行った後、ラミネートする場合、保護材料の熱膨張が終了しているため、フレキシブル金属箔張積層板の外観や寸法特性に影響を与えることが抑制される。
【0068】
予備加熱の手段としては、保護材料を加熱ロールに抱かせるなどして接触させる方法が挙げられる。接触時間としては、1秒間以上が好ましく、3秒間以上がさらに好ましい。接触時間が上記よりも短い場合、保護材料の熱膨張が終了しないままラミネートが行われるため、ラミネート時に保護材料の急激な熱膨張が起こり、得られるフレキシブル金属箔張積層板の外観や寸法特性が悪化することがある。保護材料を加熱ロールに抱かせる距離については、特に限定されず、加熱ロールの径と上記接触時間から適宜調整すればよい。
【0069】
上記熱ラミネート手段における被積層材料の加熱方式は、特に限定されるものではなく、例えば、熱循環方式、熱風加熱方式、誘導加熱方式等、所定の温度で加熱しうる従来公知の方式を採用した加熱手段を用いることができる。同様に、上記熱ラミネート手段における被積層材料の加圧方式も、特に限定されるものではなく、例えば、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等、所定の圧力を加えることができる従来公知の方式を採用した加圧手段を用いることができる。
【0070】
上記熱ラミネート工程における加熱温度、すなわちラミネート温度は、多層ポリイミドフィルムの熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度(Tg)+50℃以上の温度であることが好ましく、多層ポリイミドフィルム熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドのTg+100℃以上がより好ましい。Tg+50℃以上の温度であれば、多層ポリイミドフィルムと金属箔とを良好に熱ラミネートすることができる。また、Tg+100℃以上であれば、ラミネート速度を上昇させてその生産性をより向上させることができる。
【0071】
特に、本発明の多層ポリイミドフィルムのコアとして使用しているポリイミドフィルムは、ラミネートを行った場合に、熱応力の緩和が有効に作用するように設計することが好ましく、これにより、寸法安定性に優れたフレキシブル金属箔張積層板が、生産性良く得られる。
【0072】
加熱ロールへの接触時間は、0.1秒間以上が好ましく、より好ましくは0.2秒間以上、0.5秒間以上が特に好ましい。接触時間が上記範囲より短い場合、緩和効果が十分に発生しない場合がある。接触時間の上限は、5秒間以下が好ましい。5秒間よりも長く接触させても緩和効果が、より大きくなるわけではなく、ラミネート速度の低下やラインの取り回しに制約が生じるため好ましくない。
【0073】
また、ラミネート後に加熱ロールに接触させて徐冷を行ったとしても、依然としてフレキシブル金属箔張積層板と室温との差は大きく、また、残留歪みを緩和しきれていない場合もある。そのため、加熱ロールに接触させて徐冷した後のフレキシブル金属箔張積層板は、保護材料を配したままの状態で、後加熱工程を行うことが好ましい。この際の張力は、1〜10N/cmの範囲とすることが好ましい。また、後加熱の雰囲気温度は(徐冷した後のフレキシブル金属箔張積層板の温度−200℃)〜(ラミネート温度+100℃)の範囲とすることが好ましい。
【0074】
ここでいう「雰囲気温度」とは、フレキシブル金属箔張積層板の両面に密着させている保護材料の外表面温度をいう。実際のフレキシブル金属箔張積層板の温度は、保護材料の厚みによって多少変化するが、保護材料表面の温度を上記範囲内にすれば、後加熱の効果を発現させることが可能である。保護材料の外表面温度測定は、熱電対や温度計などを用いて行うことができる。
【0075】
上記熱ラミネート工程におけるラミネート速度は、0.5m/分以上であることが好ましく、1.0m/分以上であることがより好ましい。0.5m/分以上であれば、十分な熱ラミネートが可能になり、さらに、1.0m/分以上であれば、生産性をより一層向上することができる。
【0076】
上記熱ラミネート工程における圧力、すなわちラミネート圧力は、高ければ高いほどラミネート温度を低く、かつラミネート速度を速くすることができる利点があるが、一般に、ラミネート圧力が高すぎると、得られる積層板の寸法変化が悪化する傾向がある。逆に、ラミネート圧力が低すぎると、得られる積層板の金属箔の接着強度が低くなる。そのため、ラミネート圧力は、49〜490N/cm(5〜50kgf/cm)の範囲内であることが好ましく、98〜294N/cm(10〜30kgf/cm)の範囲内であることがより好ましい。この範囲内であれば、ラミネート温度、ラミネート速度、およびラミネート圧力の三条件を良好なものにすることができ、生産性をより一層向上することができる。
【0077】
上記ラミネート工程における接着フィルム張力は、0.01〜4N/cmの範囲内であることが好ましく、0.02〜2.5N/cmの範囲内であることがより好ましく、0.05〜1.5N/cmの範囲内であることが特に好ましい。張力が上記範囲を下回ると、ラミネートの搬送時に、たるみや蛇行が生じ、均一に加熱ロールに送り込まれないために、外観の良好なフレキシブル金属箔張積層板を得ることが困難となることがある。逆に、上記範囲を上回ると、接着層のTgと貯蔵弾性率の制御では緩和できないほど張力の影響が強くなり、寸法安定性が劣ることがある。
【0078】
本発明にかかるフレキシブル金属箔張積層板を得るためには、連続的に被積層材料を加熱しながら圧着する熱ラミネート装置を用いることが好ましい。さらに、この熱ラミネート装置では、熱ラミネート手段の前段に、被積層材料を繰り出す被積層材料繰出手段を設けてもよいし、熱ラミネート手段の後段に、被積層材料を巻き取る被積層材料巻取手段を設けてもよい。これらの手段を設けることで、上記熱ラミネート装置の生産性をより一層向上させることができる。
【0079】
上記被積層材料繰出手段および被積層材料巻取手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、例えば、接着フィルムや金属箔、あるいは得られる積層板を巻き取ることのできる公知のロール状巻取機等を挙げることができる。
【0080】
さらに、保護材料を巻き取ったり繰り出したりする保護材料巻取手段や保護材料繰出手段を設けると、より好ましい。これら保護材料巻取手段・保護材料繰出手段を備えていれば、熱ラミネート工程で、一度使用された保護材料を巻き取って繰り出し側に再度設置することで、保護材料を再使用することができる。
【0081】
また、保護材料を巻き取る際に、保護材料の両端部を揃えるために、端部位置検出手段および巻取位置修正手段を設けてもよい。これによって、精度よく保護材料の端部を揃えて巻き取ることができるので、再使用の効率を高めることができる。なお、これら保護材料巻取手段、保護材料繰出手段、端部位置検出手段および巻取位置修正手段の具体的な構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種装置を用いることができる。
【0082】
本発明にかかるフレキシブル金属箔張積層板は、本発明の多層ポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせて得られるものであればよいが、フレキシブル金属箔張積層板の多層ポリイミドフィルムと金属箔の引き剥がし強度は、FPCで使用する際、銅箔が多層ポリイミドフィルムから剥がれない点で、10N/cm以上が好ましい。
【0083】
本発明にかかるフレキシブル金属箔張積層板の半田耐熱性は、常態測定では320℃以上が好ましく、330℃以上がさらに好ましく、340℃以上が特に好ましい。また、吸湿後測定では、280℃以上が好ましく、290℃以上がさらに好ましく、300℃以上が特に好ましい。
【実施例】
【0084】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、合成例、実施例及び比較例における多層ポリイミドフィルムと金属箔の引き剥がし強度および半田耐熱性の評価法は次の通りである。
【0085】
(金属箔張積層板の作製方法)
多層ポリイミドフィルムの両面に18μmの圧延銅箔(BHY−22B−T;日鉱金属製)、さらにその両側に保護材料(アピカル125NPI;カネカ製)を配して、熱ロールラミネート機を用いて、ラミネート温度380℃、ラミネート圧力294N/cm(30kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で連続的に熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔張積層板を作製した。
【0086】
(金属箔の引き剥がし強度)
JIS C6471の「6.5 引きはがし強さ」に従って、サンプルを作製し、5mm幅の金属箔部分を、180度の剥離角度、50mm/分の条件で剥離し、その荷重を測定した。
【0087】
(半田耐熱性評価)
IPC−TM−650 No.2.4.13に準拠して測定した。常態測定は、試験片を23℃/55%RHで24時間調整した後、250℃〜350℃を10℃刻みに加熱した半田浴を用い、30秒フロートさせて評価した。吸湿後測定は、85℃/85%RHで24時間調整した後、加熱した半田浴を用い、10秒フロートで評価した。いずれも膨れが発生しなかった最高温度を評価値とした。
【0088】
以下に、合成例で用いるモノマーおよび溶剤の略称を示す。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
ODA:4,4´−ジアミノジフェニルエーテル
PDA:p−フェニレンジアミン
BPDA:3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
以下に、ポリアミド酸溶液の合成例を示す。
【0089】
(合成例1:非熱可塑性ポリイミド層のポリアミド酸溶液)
10℃に冷却したDMF(1173.5g)に、BAPP(57.3g:0.140mol)、ODA(18.6g:0.093mol)、を溶解した。ここに、BTDA(30.0g:0.093mol)、PMDA(25.4g:0.116mol)を添加して、30分間均一攪拌し、プレポリマーを得た。
この溶液にPDA(25.2g:0.232mol)を溶解した後、PMDA(46.4g:0.213mol)を溶解し、別途調製してあったPMDAの7.2重量%DMF溶液を注意深く115.1g(PMDA:0.038mol)添加し、粘度が2500poise程度に達したところで添加を止めた。1時間撹拌を行って、23℃での回転粘度が2600ポイズのポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0090】
(合成例A)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、PMDA(58.2g:0.267mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0091】
(合成例B)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(4.12g:0.014molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(55.2g:0.253mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0092】
(合成例C)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(12.7g:0.043molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(48.9g:0.224mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0093】
(合成例D)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(17.1g:0.058molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(45.6g:0.209mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0094】
(合成例E)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(21.5g:0.073molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(42.3g:0.194mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0095】
(合成例F)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(25.6g:0.087molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(39.3g:0.180mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0096】
(合成例G)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。10℃に冷却した後、BPDA(42.4g:0.144molを添加し、溶解させた。その後、PMDA(26.8g:0.123mol)を添加し、プレポリマーを得た。
その後、別途調製してあったPMDAの7重量%DMF溶液62.3g(PMDA:0.020mol)を注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0097】
(合成例H)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)843.4gに、BAPP(118.6g:0.289mol)を溶解した。20℃に冷却した後、BPDA(78.5g:0.267molを添加し、溶解させ、プレポリマーを得た。
その後、BPDA(5.9g:0.020mol)を粉で注意深く添加し、粘度が23℃において800poiseのポリアミド酸溶液を得た。その後、DMFを加え、固形成分濃度14重量%のポリアミド酸溶液を得た。総使用量を表1にまとめた。
【0098】
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミド酸溶液に、ポリアミド酸溶液100gに対して、イソキノリン/無水酢酸/DMF(重量比:7.3g/25.6g/67.1g)からなるイミド化触媒及び化学脱水剤を50g添加して、0℃以下の温度で攪拌、脱泡した。また、合成例Bで得られたポリアミド酸溶液も脱泡し、0℃以下で冷却した。
リップ幅200mmのマルチマニホールド式の3層共押出多層ダイを用い、合成例Bで得られたポリアミド酸溶液/合成例1で得られたポリアミド酸溶液/合成例Bで得られたポリアミド酸溶液の順の3層構造でアルミ箔上に押出し流延した。次いで、この多層膜を150℃×100秒で加熱した後、自己支持性を有するゲルフィルムを引き剥がして、金属枠に固定し、250℃×40秒、300℃×60秒、350℃×60秒、370℃×30秒で乾燥・イミド化し、熱可塑性ポリイミド層/非熱可塑性ポリイミド層/熱可塑性ポリイミド層の厚みが、4μm/17μm/4μmの多層ポリイミドフィルムを得た。
多層ポリイミドフィルムを用い金属箔張積層板を作製した後、金属箔の引き剥がし強度の測定、および半田耐熱性の評価を行った。結果は表2にまとめた。
【0099】
(実施例2)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Cに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0100】
(実施例3)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Dに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0101】
(実施例4)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Eに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0102】
(実施例5)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Fに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0103】
(比較例1)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Aに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0104】
(比較例2)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Gに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0105】
(比較例3)
合成例Bで得られたポリアミド酸溶液を合成例Hに変更する以外は、実施例1と同様に実施した。結果は表2にまとめた。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層の少なくとも一方に熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有する多層ポリイミドフィルムであって、上記熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物が3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分とし、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とピロメリット酸二無水物のモル比が、5/95〜30/70であり、かつ上記熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とし、上記非熱可塑性ポリイミドを構成する酸二無水物がピロメリット酸二無水物を必須成分とし、かつ上記非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミンが2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを必須成分とすることを特徴とする多層ポリイミドフィルム。
【請求項2】
上記多層ポリイミドフィルムの少なくとも非熱可塑性ポリイミド層に、イミド化触媒及び化学脱水剤を投入し、イミド化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項3】
上記多層ポリイミドフィルムが多層共押出によって製造されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項4】
上記多層ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミド層の両面に熱可塑性ポリイミド層を有する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項5】
上記多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層のみに、イミド化触媒及び化学脱水剤を投入し、イミド化させたものであることを特徴とする請求項1〜4記載の多層ポリイミドフィルム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層ポリイミドフィルムと金属箔を、1対の熱ロールで加熱圧着させることにより得られることを特徴とするフレキシブル金属箔張積層板。

【公開番号】特開2012−143992(P2012−143992A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5114(P2011−5114)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】