説明

多層ミラーおよびリソグラフィ装置

【課題】約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させるように構成された多層ミラーが提供される。
【解決手段】多層ミラーは、第1層および第2層を含む相互層を有する。第1層および第2層は、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびB層、U層またはその化合物や窒化物層およびB層、C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびにTh層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、多層ミラー、およびそのような多層ミラーを含むリソグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0003】
[0003] リソグラフィは、ICならびに他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかし、リソグラフィを使用して作成されるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするための、より重要な要因になりつつある。
【0004】
[0004] リソグラフィ装置は、通常、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与えてパターン形成された放射ビームを形成可能である、レチクルまたはマスクなどのパターニングデバイスを保持するように構成されたサポート構造と、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、を含む。
【0005】
[0005] パターンプリンティングの限界の理論的な推定値は、式(1)に示す分解能のレイリー規準によって与えることができる:
【数1】


ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAPSは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数である。kは、レイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、3つの方法、すなわち露光波長λを短くすること、開口数NAPSを大きくすること、またはkの値を小さくすること、によって達成可能であるということになる。
【0006】
[0006] 露光波長を短くし、ひいては最小印刷可能サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射源を使用することが提案されている。EUV放射源は、およそ13.5nmおよび/または13.5nm未満の放射波長を出力するように構成されている。従って、EUV放射源は、小さなフィーチャの印刷を達成するための重大なステップを構成することができる。そのような放射は、極端紫外線または軟X線と呼ばれ、可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングからのシンクロトロン放射が含まれる。
【0007】
[0007] 望ましくは、照明システムと投影システムはともに、パターニングデバイスおよび基板上のそれぞれの所望の位置に放射を集束させるために、複数の光エレメントを含む。あいにく、一部の低密度のガスを除いて、EUV放射を透過性させる材料は知られていない。従って、EUV放射を用いるリソグラフィ装置は、その照明システム内および投影システム内に透過型レンズを用いない。代わりに、照明システムおよび投影システムは。ミラーを含むことが好ましい。加えて、同様の理由により、パターニングデバイスは、反射デバイス、例えば、吸収材料によって形成されたパターンが上に設けられた反射面を有するミラーであることが望ましい。
【0008】
[0008] 約6.9nmの波長を有するEUV放射を反射させるために、金属、例えば(とりわけ)La、U、またはTh、およびBまたはBCやBCなどのB化合物の交互層を有する多層ミラーが提案されている。そのような多層ミラーは、ブラッグの法則によってEUV放射を反射させる。多層ミラーの良好な光学性能のために、交互層間に急峻な界面(すなわち、遷移)を有することが望ましい。しかし、層間拡散が生じる場合があり、それがこの急峻性を低下させ、従って結果として得られる多層ミラーの光学性能(例えば、反射率)に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0009】
[0009] 層間拡散は、異なる交互層を形成する材料と材料との間の化学反応に起因して生じることがある。例えば、BとLaとの間の界面において、BおよびLaとの間に高い化学反応性が存在することがあり、これはLaBの形成と、B層とLa層との間の界面の急峻性の低下とにつながる。このプロセスは、BがBCに置き換えられる場合にも行われる。別の例では、LaとB(またはBC)との界面において、比較的軽いB(またはBC)層原子の表面に到達する比較的重いLa原子の運動エネルギーが、約2nm以下の深さのLaを有するB(BC)層の注入をもたらす。そのような注入は、La層とB層との間の界面の急峻性の低下を招く場合がある。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 本明細書内またはそれ以外で特定されるか否かにかかわらず、従来技術の少なくとも1つの欠陥を回避または軽減する多層ミラー、または既存の多層ミラーの代替物を提供する多層ミラーなどを提供することが望ましい。
【0011】
[0011] 本発明の一態様によれば、約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させるように構成および配置された多層ミラーであって、相互層を有し、当該相互層は第1層および第2層を含み、当該第1層および当該第2層は、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびB層、U層またはその化合物や窒化物層およびB層、C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびにTh層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択される多層ミラーであって、第1層の少なくとも1つの層は、第1層の少なくとも1つの層と第2層との間に配置された中間層によって第2層から隔てられ、中間層は実質的に固体状態のCsを含む、多層ミラーが提供される。
【0012】
[0012] 複数の第1層の各第1層は、固体状態のCs中間層によって第2層から隔てることができる。
【0013】
[0013] 固体Cs中間層は、1つ以上のCs単一層を含むことができ、または固体Cs中間層は、水酸化セシウムを含むことができる。
【0014】
[0014] 第1層および第2層は、La層またはその化合物や窒化物層およびB層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、ならびにLa層またはその化合物や窒化物層およびBC層、からなる群から選択することができる。
【0015】
[0015] Cs中間層は、ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、酸化セシウム、窒化セシウムなどのCs化合物から形成することができる。
【0016】
[0016] 第1層の厚さおよび第2層の厚さの合計は、約2.2nm〜約3.5nmの範囲内とすることができる。
【0017】
[0017] 相互(第1および第2)層は、第1層または第2層の厚さの約1.7倍から約2.5倍の周期厚さを有することができる。
【0018】
[0018] 多層ミラーは、放射のビームの断面にパターンを与えるように構成および配置されたパターニングデバイスの少なくとも一部を形成することができる。パターニングデバイスは、レチクルまたはマスクとすることができる。レチクルまたはマスクは、パターンを画定するように配置された吸収材料を有する構造を備えることができ、吸収材料はCr、Ta、Ti、Si、Ru、Mo、Al、またはそれらのあらゆる組合せである。
【0019】
[0019] 多層ミラーは、Ru、Rh、Ta、Ti、またはそれらのあらゆる組合せを含むキャッピング層を備える略反射面を有することができる。
【0020】
[0020] 第1層は、UF、UF、UF、UCl、UCl、UCl、Ul、Ul、UO、UO、UO、U、U、U、U、UTe、UTe、UN、U、およびUからなる群からの1つ以上を含むU化合物層とすることができる。その代わりに、または、それに加えて、第1層は、ThF、ThF、ThCl、Thl、Thl、Thl、ThH、ThO、ThSe、およびThNからなる群からの1つ以上を含むTh化合物層とすることができる。一実施形態において、第1層は、LaH、LaH、LaF、LaCl、Lal、La、LaSe、およびLaTeからなる群からの1つ以上を含むLa化合物層とすることができる。
【0021】
[0021] 多層ミラーは、パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムの一部を形成することができる。その代わりに、または、それに加えて、多層ミラーは、放射ビームを調整するように構成された照明システムの一部を形成することができる。
【0022】
[0022] 本発明の一態様によれば、パターニングデバイスからのパターンを基板上に投影するように配置されたリソグラフィ投影装置であって、本明細書記載の少なくとも1つの実施形態に係る多層ミラーを備えるリソグラフィ投影装置が提供される。
【0023】
[0023] リソグラフィ装置は、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与えてパターン形成された放射ビームを形成可能であるパターニングデバイスを支持するように構成されたサポート構造と、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するように構成された投影システムと、を備えることができる。
【0024】
[0024] 本発明の実施形態に係る多層ミラーは、リソグラフィ装置が備える、あるいはリソグラフィ装置とともに使用される、照明システム、パターニングデバイス、投影システム、またはアライメントシステムのいずれか1つ以上の一部を形成することができる。
【0025】
[0025] 本発明の一態様によれば、約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させる(例えば、反射させるように構成および配置される)多層ミラーを形成する方法であって、相互層を設けることであって、当該相互層は第1層および第2層を含み、当該第1層および当該第2層は、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、La層またはその化合物や窒化物層およびB層、U層またはその化合物や窒化物層およびB層、C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびにTh層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択されることと、第1層の少なくとも1つの層を、第1層の少なくとも1つの層と第2層との間に配置された中間層によって第2層から隔てることであって、中間層は実質的に固体状態のCsを含むことと、を含む、方法が提供される。
【0026】
[0026] 複数の第1層の各第1層は、固体状態のCs中間層によって第2層から隔てることができる。
【0027】
[0027] 固体Cs中間層は、1つ以上のCs単一層を含むことができ、または固体Cs中間層は、水酸化セシウムを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
[0028] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同じ参照符号は対応する部分を示す。
【0029】
【図1】[0029] 図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示す。
【図2】[0030] 図2は、図1のリソグラフィ投影装置のEUV照明システムおよび投影システムの概略側面図である。
【図3】[0031] 図3は、本発明の一実施形態に係る、図1のリソグラフィ装置の多層ミラーを概略的に示す。
【図4a】[0032] 図4aは、波長の関数としての、図3の多層ミラーの一実施形態の反射率を概略的に示す。
【図4b】[0032] 図4bは、波長の関数としての、図3の多層ミラーの一実施形態の反射率を概略的に示す。
【図4c】[0032] 図4cは、波長の関数としての、図3の多層ミラーの一実施形態の反射率を概略的に示す。
【図5】[0033] 図5は、図1のリソグラフィ装置の多層ミラーの一実施形態を示す。
【図6】[0034] 図6は、図1のリソグラフィ装置の多層ミラーの一実施形態を示す。
【図7】[0035] 図7は、図1のリソグラフィ装置の多層ミラーの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[0036] 図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示している。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構成され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたパターニングデバイスサポートまたはサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0031】
[0037] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。しかし、放射ビームBを調整するように構成された光コンポーネントは、ビームBを構成する放射の波長に基づいて反射コンポーネントであることが好ましい。
【0032】
[0038] サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0033】
[0039] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付与されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
【0034】
[0040] パターニングデバイスは、透過型であってよいが、EUV放射ビームにパターン形成するために用いられる場合に反射型であることが好ましい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0035】
[0041] 「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは他の要因、特に真空の使用にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含し得る。EUV放射または電子ビーム放射に対して真空を用いることが望ましいことがある。というのは、他のガスは放射または電子を吸収し過ぎる場合があるからである。従って、真空壁および真空ポンプを用いて、真空環境をビーム経路全体に提供することができる。
【0036】
[0042] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)であってもよいが、これはEUVリソグラフィ装置において実用的でないと思われる。
【0037】
[0043] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0038】
[0044] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、望ましい場合、ビームデリバリシステムとともに、放射システムと呼んでもよい。
【0039】
[0045] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータおよびコンデンサといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0040】
[0046] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサIF1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置付けることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0041】
[0047] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
【0042】
[0048] 1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
【0043】
[0049] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
【0044】
[0050] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、望ましい場合に更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0045】
[0051] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0046】
[0052] 図2は、放射システム42、照明光学ユニット44、および投影システムPSを含む図1の装置を、より詳細に示している。放射システム42は、放電プラズマ(DPP放射源)によって形成することができる放射源SOを含む。EUV放射は、非常に高温のプラズマが生成されて電磁スペクトルのEUV範囲の放射を放出するガスまたは蒸気、例えば、Xeガス、Li蒸気またはSn蒸気によって生成することができる。非常に高温のプラズマは、例えば、電気放電によって少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせることによって生成される。放射を効率よく生成するために、Xe、Li、Sn蒸気または他の適切なガスまたは蒸気の例えば10Paの分圧が望まれる場合がある。放射源SOから放出された放射は、放射源チャンバ47から、放射源チャンバ47の開口内または開口の後方に位置決めされたガスバリアまたは汚染トラップ49を介してコレクタチャンバ48内へ送られる。ガスバリア49はチャネル構造を含むことができる。
【0047】
[0053] コレクタチャンバ48は、かすめ入射コレクタによって形成することができる放射コレクタ50を含む。放射コレクタ50は、上流放射コレクタ側50aと下流放射コレクタ側50bとを有する。コレクタ50によって送られる放射を格子スペクトルフィルタ51で反射させて、コレクタチャンバ48の開口にある仮想放射源点52に集束させることができる。コレクタチャンバ48から、放射ビーム56が、照明光学ユニット44内で法線入射リフレクタ53および54を介し、レチクルまたはマスクテーブルMT上に位置決めされたレチクルまたはマスク上で反射される。パターン形成されたビーム57が形成され、投影システムPS内で反射エレメント58および59を介してウェーハステージまたは基板テーブルWT上で結像される。通常、図示するエレメントより数の多いエレメントが照明光学ユニット44および投影システムPS内に存在してよい。格子スペクトルフィルタ51は、リソグラフィ装置のタイプによって任意に存在してよい。さらに、図示するミラーより数の多いミラーが存在してよく、例えば、反射エレメント58および59に加えて1つから4つの反射エレメントを含んでよい。放射コレクタ50は、従来技術より公知である。コレクタ50は、リフレクタ142、143および146を有する入れ子式コレクタとすることができる。空間180が、2つのリフレクタ間、例えば、リフレクタ142とリフレクタ143との間の空間に設けられる。
【0048】
[0054] 別の実施形態(図示せず)において、放射源は、レーザ生成プラズマ放射源(LPP放射源)とすることができる。
【0049】
[0055] 上述のとおり、約6.4nmから7.2nmの波長を有するEUV放射を反射させるために、上記放射を吸収する材料および上記放射を実質的に光学的に透過させる材料の交互層を有する多層ミラーが提案されている。特に、約6.4nmから7.2nmの波長を有するEUV放射を反射させるために、金属、例えば(とりわけ)La、U、またはTh、およびBまたはBCやBCなどのB化合物の交互層から形成される多層ミラーが提案されている。
【0050】
[0056] 図3は、多層ミラー1の実施形態を示している。多層ミラー1は、約6.4nm〜約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させるように構成および配置される。多層ミラーは、基板8によって支持された交互層4および6を有する層構造2を含む。本発明の実施形態において、多層ミラーは、投影システムおよび照明システムなどのリソグラフィ装置のさまざまな部分に配置することができ、リソグラフィ装置のパターニングデバイスの一部を形成することもできる。
【0051】
[0057] 交互層4および6は、La層およびBC層、U層およびBC層、Th層およびBC層、La層およびBC層、U層およびBC層、Th層およびBC層、La層およびB層、U層およびB層、ならびにTh層およびB層からなる群から選択することができる。
【0052】
[0058] 一実施形態において、交互層4および6は、U層およびBC層、Th層およびBC層、U層およびBC層、Th層およびBC層、U層およびB層、Th層およびB層、U化合物層およびBC層、Th化合物層およびBC層、La化合物層およびBC層、La化合物層およびBC層、U化合物層およびBC層、Th化合物層およびBC層、La化合物層およびB層、U化合物層およびB層、ならびにTh化合物層およびB層からなる群から選択することができる。適切なU化合物の例は、UF、UF、UF、UCl、UCl、UCl、Ul、Ul、UO、UO、UO、U、U、U、U、UTe、UTe、UN、U、およびUである。適切なTh化合物の例は、ThF、ThF、ThCl、Thl、Thl、Thl、ThH、ThO、ThSe、およびThNである。適切なLa化合物の例は、LaH、LaH、LaF、LaCl、Lal、La、LaSe、およびLaTeである。材料の複合物は、当該材料の窒化物である。
【0053】
[0059] そのような交互層の潜在的な利点は、角度および波長の両観点から、La層でなくU層またはTh層が広帯域を提供することである。広帯域によってかなりの程度の設計自由度がもたらされ、6.6nmの波長、またはおよそ6.6nmの波長でのEUVリソグラフィにおける光学系に対して多層ミラーが有用となる。また、多層ミラーが含まれる光学システムの瞳を強度の観点から均一に満たすことができ、かつより大きい開口数(NA)をもたらすことができる。
【0054】
[0060] 図3、図5、図6、および図7から、第1層4、例えば、La層と第2層6、例えば、BC層との間に、第1層4と第2層6との間の拡散を防止するように構成された中間層7が設けられることが分かる。そのような中間層は、約0.2nmから約1nmの厚さを有することができる。望ましくは、第1層4の各々はそのような中間層7によって第2層6の各々から隔てられる。
【0055】
[0061] 中間層7は、固体状態のCsを含む。中間層として用いられる固体状態のCsは、有利であり得る。1つの潜在的な利点は、Csが、Bの透過率に匹敵する透過率を有する、EUV放射に対して最も透過性を示す材料の1つである点である。Bが多層ミラーの層として用いられる場合、BへのCsの注入または拡散(例えば、意図的でない、または不可避の注入または拡散)は、ミラーの反射率を低下させることになる。これは、Mo、Cr、またはSnを含む中間層などの既存の(すなわち、従来技術の)多層中間層との際立った対照をなす。別の潜在的な利点は、Csが、La、B、またはBC(これら材料のすべては多層ミラーにおいて一般に使用される)と反応しないことである。反応が起こらないので、Cs中間層はEUV照明のもとで化学的に安定していることになり、これは交互層への拡散を制限または防止することができる。さらに別の潜在的な利点は、Cs原子が重く、Laの質量とほぼ同等の質量を有することである。この同等の質量は、Cs中間層への高エネルギー重La原子の注入の深さを減少させ、中間層界面の急峻性を維持する。
【0056】
[0062] Csは一般に中間層として十分に機能するとみられているが、先行する段落に示した理由の少なくとも一部により、Laまたはその化合物や窒化物とB、BC、またはBC層との間の中間層としてのCsの使用との特定の相乗作用があると考えられている。
【0057】
[0063] 純粋状態のCsは、第1層および/または第2層(例えば、EUV吸収層)もまた純粋状態(例えば、純La、Thなど)である場合に、中間層として使用できることが望ましい。というのは、この構成では、純粋状態のCsは、より強固なバリアを提供できるからである。ヨウ化セシウム、フッ化セシウム、酸化セシウムなどのCs化合物は、第1層および/または第2層(例えば、EUV吸収層)が同種の化合物(例えば、ヨウ化ランタン、フッ化ランタン、酸化ランタンなど、またはヨウ化トリウム、フッ化トリウム、酸化トリウムなど)から形成される場合に、中間層として使用できることが望ましい。というのは、この形態では、Cs化合物は、より強固なバリアを提供できるからである。
【0058】
[0064] 図3、図5、図6、および図7の多層ミラー1の交互層4および6は、マグネトロンスパッタリングや電子ビームスパッタリングなどの堆積技術を介して製造することができる。Cs中間層は、1つ以上のCs単一層の形成、または水酸化セシウム(例えば、バルク形態)の堆積によって固体状態に設けることができる。水酸化物もまたEUV放射を実質的に透過させ、中間層材料の少なくとも一部として用いることができる。
【0059】
[0065] 図4aは、La層とBC層である交互層についての、波長λの関数としての反射率を示すグラフである。図示するピークのいわゆる半値全幅(FWHM)は0.06nmである。図4bは、Th層とBC層(Th/BC層)である交互層についての、波長λの関数としての反射率を示している。ここで、FWHMは0.09nmである。図4cは、U層とBC層(U/BC層)である交互層についての、波長λの関数としての反射率を示している。ここで、FWHMは0.15nmである。
【0060】
[0066] 一実施形態において、Th/BC層およびU/BC層の代わりに、Th/BC層およびU/BC層またはさらにTh/B層およびU/B層を用いることができる。増加したBの純度は、より良好な反射率を可能にすることができ、それによって、場合により放射の吸収に起因するパワーの損失を低減させる。
【0061】
[0067] 一実施形態において、相互層は、C層およびBC層、C層およびBC層、またはC層およびB層とすることができる。CはLaほど活性を有さず、従って、これらの相互層において、La/BC層ほどの層間拡散は起こらない場合がある。
【0062】
[0068] 第1層4の厚さおよび第2層6の厚さならびに2つの拡散防止層(中間層)7の合計であり得る周期は、3〜3.5nmの範囲内とすることができる。相互層は、第1層または第2層の厚さの約1.7倍から約2.5倍の周期厚さを有することができる。
【0063】
[0069] 多層ミラー1の一実施形態を図5に示す。この実施形態は、反射レチクルである。図3の多層ミラーの特徴に加えて、図5の実施形態は、表面上にパターンを画定するように配置された吸収材料を有する構造10を備えることができる。吸収材料として採用される適切な材料は、Cr、Ti、Si、Ru、Mo、Ta、Al、またはそれらのあらゆる組合せとすることができる。
【0064】
[0070] 多層ミラー1の層構造2は、機械的脆弱性を低減させるために基板8によって支持することができる。また、図3および図5の点線は不特定の数の反復する相互層4および6を示すことに留意されたい。通常、多層ミラー1の層構造2は、30から200周期の相互層、すなわち、合計60層から400層によって形成される。さらに、これらの図は説明として概略的に示されているに過ぎず、縮尺図面でないことに留意されたい。
【0065】
[0071] 多層ミラー1のさらなる実施形態を図6および図7に示す。図6の実施形態は図3の実施形態と同様である。しかし、図6の実施形態において、層構造2にキャッピング層12が設けられる。キャッピング層12は、Ru、Ta、Ti、Rh、またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。そのようなキャッピング層は、多層ミラー1の層構造を化学的侵食から保護するために適切に配置することができる。キャッピング層の適切な厚さは、0.5nmから10nmの範囲内とすることができる。
【0066】
[0072] 別の実施形態を図7に示す。図7の実施形態は、図5の実施形態と同様である。しかし、図7の実施形態において、層構造2にキャッピング層12が設けられる。図6を参照して上述したのと同様に、キャッピング層12は、Ru、および/またはRhを含むことができ、多層ミラー1の層構造を化学的侵食から保護するように適切に配置することができる。
【0067】
[0073] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。
【0068】
[0074] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。
【0069】
[0075] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
【0070】
[0076] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、多層ミラーは、約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射の反射が望ましい、または必要とされる用途において(例えば、放射源、アライメントシステムなどにおいて)使用することができる。
【0071】
[0077] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させる多層ミラーであって、相互層を有し、当該相互層は第1層および第2層を含み、当該第1層および当該第2層は、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびB層、
U層またはその化合物や窒化物層およびB層、
C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびに
Th層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択される多層ミラーであって、
前記第1層の少なくとも1つの層は、前記第1層の前記少なくとも1つの層と前記第2層との間に配置された中間層によって前記第2層から隔てられ、前記中間層は実質的に固体状態のCsを含む、多層ミラー。
【請求項2】
複数の第1層の各第1層は、固体状態のCs中間層によって前記第2層から隔てられる、請求項1に記載の多層ミラー。
【請求項3】
前記固体Cs中間層は、1つ以上のCs単一層を含み、または前記固体Cs中間層は、水酸化セシウムを含む、請求項1または2に記載の多層ミラー。
【請求項4】
前記第1層および前記第2層は、
La層またはその化合物や窒化物層およびB層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、ならびに
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層ミラー。
【請求項5】
前記第1層の厚さおよび前記第2層の厚さの合計は、約2.2nm〜約3.5nmの範囲内にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層ミラー。
【請求項6】
前記相互層は、前記第1層または前記第2層の前記厚さの約1.7倍から約2.5倍の周期厚さを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層ミラー。
【請求項7】
前記多層ミラーは、前記放射のビームの断面にパターンを与えるパターニングデバイスの少なくとも一部を形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層ミラー。
【請求項8】
前記パターニングデバイスは、レチクルまたはマスクである、請求項7に記載の多層ミラー。
【請求項9】
前記レチクルまたはマスクは、パターンを画定するように配置された吸収材料を有する構造を備え、前記吸収材料はCr、Ta、Ti、Si、Ru、Mo、Al、またはそれらのあらゆる組合せである、請求項8に記載の多層ミラー。
【請求項10】
前記多層ミラーは、Ru、Rh、Ta、Ti、またはそれらのあらゆる組合せを含むキャッピング層を備える反射面を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層ミラー。
【請求項11】
パターニングデバイスからのパターンを基板上に投影するリソグラフィ投影装置であって、当該リソグラフィ装置は請求項1〜10のいずれか1項に記載の多層ミラーを備える、リソグラフィ投影装置。
【請求項12】
約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させる多層ミラーを形成する方法であって、
相互層を設けることであって、当該相互層は第1層および第2層を含み、当該第1層および当該第2層は、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびB層、
U層またはその化合物や窒化物層およびB層、
C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびに
Th層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択されることと、
前記第1層の少なくとも1つの層を、前記第1層の前記少なくとも1つの層と前記第2層との間に配置された中間層によって前記第2層から隔てることであって、前記中間層は実質的に固体状態のCsを含むことと、を含む、方法。
【請求項13】
複数の第1層の各第1層は、固体状態のCs中間層によって前記第2層から隔てられる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
リソグラフィ装置であって、
放射ビームを調整する照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを与えてパターン形成された放射ビームを形成可能であるパターニングデバイスを保持するサポート構造と、
基板を保持する基板テーブルと、
前記パターン形成された放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、
約6.4nmから約7.2nmの範囲の波長を有する放射を反射させる多層ミラーであって、相互層を有し、当該相互層は第1層および第2層を含み、当該第1層および当該第2層は、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
U層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
Th層またはその化合物や窒化物層およびBC層、
La層またはその化合物や窒化物層およびB層、
U層またはその化合物や窒化物層およびB層、
C層またはその化合物や窒化物層およびB層、ならびに
Th層またはその化合物や窒化物層およびB層、からなる群から選択される多層ミラーであって、
前記第1層の少なくとも1つの層は、前記第1層の前記少なくとも1つの層と前記第2層との間に配置された中間層によって前記第2層から隔てられ、前記中間層は実質的に固体状態のCsを含む、多層ミラーと、を備える、リソグラフィ装置。
【請求項15】
前記多層ミラーは、前記照明システム、前記パターニングデバイス、および/または前記投影システムの一部を形成する、請求項14に記載のリソグラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−222349(P2012−222349A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−76103(P2012−76103)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】