説明

多層レジンコーテッドサンド

【課題】ポリマーで被覆した粒状材料を低コストで製造する方法を提供する。
【解決手段】第一熱可塑性ポリマーを該第一熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で粒状基材と混合して混合物を形成する段階、前記混合物を前記第一熱可塑性ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階、冷却した混合物を冷却温度より低い融点を有する第二熱可塑性ポリマーと混合する段階、さらにこの混合物を前記第二ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階、を含む多層被覆粒状材料の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年9月11日出願の米国特許仮出願第60/843,597号の優先権を主張するものであり、該仮出願の開示は、本明細書に参照として取り入れられている。
【0002】
発明の背景
技術分野
本明細書に開示する実施形態は、一般にはポリマーコーテッド粒状材料に関する。もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料を製造するためのプロセスに関する。より具体的な態様において、本明細書に開示する実施形態は、ポリマーコーテッドサンドなどの粒状材料に関し、前記サンドまたは他の粒状材料は、ポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層でコートされたものである場合もあり、またはポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層と組み合わされたものである場合もある。
【0003】
背景
人工芝は、シート基材から上に伸びる人工の草のふさから成る。人工の草のふさの間に分散される充填用材料が、それらの人工の草のふさを直立状態で維持して、それらが倒伏するまたは別の望ましくない様子になることを防ぐ。
【0004】
特許文献1に記載されているような、弾性材料でコートされたシリカサンドを含め、幾つかの異なる材料が、充填材として使用されている。特許文献1では、シリカサンドと合成ゴムの水性エマルジョンとを混合することによって充填用粒体を形成する。そのサンドを140℃に予熱し、その混合物を100℃を超える温度に維持して水を蒸発させ、サンドのそれぞれの粒上でドライコーティングに戻す。
【0005】
充填材として使用される材料のもう1つの例として、特許文献2には、弾性材料または熱可塑性ポリマーのいずれかでシリカサンドをコートすることによって形成される充填材が記載されている。これらの充填用粒体は、先ず、シリカの一部分を200℃と300℃の間の温度に加熱し、そのサンドをミキサーに入れ、混合しながらエラストマーまたは熱可塑性ポリマーペレットを添加することによって形成される。その時、その熱可塑性ポリマーを溶融して、そのサンドをコートする。その後、そのミキサーに散水し、空気を流すことによって、その混合物の内容を冷却する。この散水の正確な量およびタイミングは、凝集塊の有意な形成を伴わずに易流動性材料を得るために、非常に重要である。
【0006】
充填材として使用される材料の第三の例として、特許文献3には、リサイクルタイヤ材料の芯をプラスチックでコートすることによって形成された充填用粒体が記載されている。これらの充填用粒体は、プラスチックとリサイクルタイヤ粒体を混合し、そのプラスチックを溶融し、その混合物を圧延してシートを形成することによって形成される。それらのシートを冷却してプラスチックを凝固させ、その後、それらのシートを造粒に付し、結果として、充填材として使用するためのプラスチックでコートされたリサイクルタイヤ粒体が得られる。
【0007】
充填用材料、芯およびコーティングの選択は、人工芝の全ての特徴に大きな影響を及ぼし得る。良好な外観と良好な耐摩耗性の両方をもたらす結果となる、均一で完全なコーティングを有する充填材を有することが望ましい。充填用材料が、長い使用期間にわたって、および充填材の圧密の発生を防止するために、良好なすべり抵抗性および耐熱性を有することも望ましい。充填材は、望ましい触感(感触)、美しさ、およびプレーヤー安全性をもたらす柔軟なコーティングを有するべきであり、ならびに容易に施用できるように易流動性である必要がある。
【0008】
上で参照した特許および公開公報に記載されているように製造した充填用材料は、所望の特性の良好なバランスを示さない充填材を生じさせる結果となることが多い。加えて、用いられるプロセスが非効率的であり、その結果、粒状材料の不完全なコーティングが生じることまたは過剰な凝集塊が生成されることがある。
【0009】
従って、充填材を製造するために用いるプロセスには改善が必要である。無駄を減らしてより低いコストをもたらすプロセスを有することが望まれる。優れた耐摩耗性、良好な触感および美しさならびに卓越したプレーヤー安全性をもたらす結果となる均質で均一なコーティングを生じさせるレジンを有することも望まれる。結果として得られる充填材特性および特性の全体的なバランスの改善も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,043,320号
【特許文献2】米国特許出願公開第20060100342号
【特許文献3】米国特許出願公開第20050003193号
【発明の概要】
【0011】
1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、コーテッド粒状材料の形成方法に関し、この方法は、熱可塑性ポリマーを該熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で粒状基材と混合して混合物を形成する段階;その混合物を前記熱可塑性ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階を含み、この場合、混合段階は、199℃未満の温度でである。
【0012】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、多層コーテッド粒状材料の形成方法に関し、この方法は、第一熱可塑性ポリマーを該第一熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で粒状基材と混合して混合物を形成する段階;その混合物を前記第一熱可塑性ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階;その冷却した混合物を第二熱可塑性ポリマーと併せる段階(この場合、第二熱可塑性ポリマーの融点は、冷却した混合物の温度より低い);およびその併せた混合物を前記第二ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階を含む。
【0013】
もう1つの態様において、本明細書に開示する実施形態は、第一熱可塑性ポリマーを含む第一層と第二熱可塑性ポリマーを含む第二層とでコートされた粒状基材を有する粒状材料に関し、この場合、第一熱可塑性ポリマーの融点は、第二熱可塑性ポリマーの融点より高い。
【0014】
本発明の他の態様および利点は、後続の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0015】
詳細な説明
1つの態様において、本明細書に記載する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料に関する。もう1つの態様において、本明細書に記載する実施形態は、ポリマーコーテッド粒状材料を製造するためのプロセスに関する。より具体的な態様において、本明細書に記載する実施形態は、粒状材料、例えばポリマーコーテッドサンドに関し、この場合、前記サンドまたは他の粒状材料は、ポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層でコートされたものである場合もあり、またはポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層と組み合わされたものである場合もある。
【0016】
粒状材料
【0017】
一部の実施形態において、ポリマー外皮でコートされる粒状材料としては、鉱物粒およびサンドを挙げることができる。他の実施形態において、前記粒状材料としては、シリカ系サンド、例えば石英サンド、ホワイトサンド、例えば石灰石系サンド、アルコーズ、および磁鉄鉱、緑泥石、緑海石または石膏を含有するサンドを挙げることができる。他の実施形態において、前記鉱物粒としては、様々なフィラー、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、ポリマー繊維(ナイロン、レーヨン、綿、ポリエステルおよびポリアミドを含む)および金属繊維を挙げることができる。他の実施形態において、コートされる粒状材料としては、リサイクルタイヤをはじめとするゴム粒子を挙げることができる。
【0018】
一部の実施形態において、前記鉱物粒およびサンドのサイズは、0.1から3mmの範囲であり得る。他の実施形態において、前記鉱物粒およびサンドのサイズは、0.2から2.5mm、他の実施形態において0.3から2.0mm;およびさらに他の実施形態において0.4から1.2mmの範囲であり得る。
【0019】
ポリマー
【0020】
前記粒状材料をコートするために使用されるポリマーレジンは、特定の用途および所望される結果に依存して変わり得る。一部の実施形態において、例えば、前記ポリマーレジンは、オレフィンポリマーである。本明細書において用いる場合、一般に、オレフィンポリマーは、一般式C2nを有する炭化水素モノマーから形成されるポリマーの1類を指す。オレフィンポリマーは、コポリマー、例えば、共重合体、ブロックコポリマー、またはマルチブロック共重合体もしくはコポリマーとして存在し得る。
【0021】
1つの特定の実施形態において、例えば、前記オレフィンポリマーは、C−C20直鎖状、分岐もしくは環状ジエン、またはエチレンビニル化合物、例えばビニルアセテート、および式HC=CHR(式中、Rは、C−C20直鎖状、分岐もしくは環状アルキル基またはC−C20アリール基である)によって表される化合物から成る群より選択される少なくとも1つのコモノマーとエチレンのアルファ−オレフィン共重合体を含むことができる。コモノマーの例としては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンが挙げられる。
【0022】
他の実施形態において、前記熱可塑性レジンは、エチレン、C−C20直鎖状、分岐もしくは環状ジエン、および式HC=CHR(式中、Rは、C−C20直鎖状、分岐もしくは環状アルキル基またはC−C20アリール基である)によって表される化合物から成る群より選択される少なくとも1つのコモノマーとプロピレンのアルファ−オレフィン共重合体であり得る。コモノマーの例としては、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンが挙げられる。一部の実施形態において、前記コモノマーは、その共重合体の約5重量%から約25重量%で存在する。1つの実施形態では、プロピレン−エチレン共重合体を使用する。
【0023】
本開示において使用することができる熱可塑性レジンの他の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−3−メチル−1−ペンテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−1−ブテンコポリマーおよびプロピレン−1−ブテンコポリマーによって典型的に代表されるような、オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセン、のホモポリマーおよびコポリマー(エラストマーを含む);エチレン−ブタジエンコポリマーおよびエチレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって典型的に代表されるような、アルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマー(エラストマーを含む);ならびにポリオレフィン(ポリオレフィン)、例えば、エチレン−プロピレン−ブタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンコポリマー、エチレン−プロピレン−1,5−ヘキサジエンコポリマーおよびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネンコポリマーによって典型的に代表されるような、2つまたはそれ以上のアルファ−オレフィンと共役または非共役ジエンのコポリマー;エチレン−ビニル化合物コポリマー、例えば、N−メチロイル官能性コモノマーを有するエチレン−ビニルアセテートコポリマー、N−メチロイル官能性コモノマーを有するエチレン−ビニルアルコールコポリマー、エチレン−ビニルクロライドコポリマー、エチレンアクリル酸またはエチレン−(メタ)アクリル酸コポリマー、およびエチレン−(メタ)アクリレートコポリマー;スチレン系コポリマー(エラストマーを含む)、例えば、ポリスチレン、ABS、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、メチルスチレン−スチレンコポリマー;ならびにスチレンブロックコポリマー(エラストマーを含む)、例えば、スチレン−ブタジンコポリマーおよびその水和物、ならびにスチレン−イソプレン−スチレントリブロックコポリマー;ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ビニルクロライド−ビニリデンクロライドコポリマー、ポリメチルアクリレート、およびポリメチルメタクリレート;ポリアミド、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、およびナイロン12;熱可塑性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート;ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドなどが挙げられる。これらのレジンは、単独で使用することができ、または2つまたはそれ以上の組み合わせで使用することができる。
【0024】
特定の実施形態では、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ならびにそれらのコポリマーおよびそれらのブレンド、ならびにエチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを使用することができる。一部の実施形態において、オレフィン系ポリマーとしては、Elstonにより米国特許第3,645,992号に記載された均一ポリマー;Andersonの米国特許第4,076,698号に記載されているような高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分岐した線状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分岐した線状超低密度(ULDPE);均一に分岐した、線状エチレン/アルファ−オレフィンコポリマー;例えば米国特許第5,272,236号および米国特許第5,278,272号に記載されているプロセス(これらのプロセスの開示は、本明細書に参照として取り入れられている)によって作製することができる、均一に分岐した、実質的に線状のエチレン/アルファ−オレフィンポリマー;不均一に分岐した線状エチレン/アルファ−オレフィンポリマー;ならびに高圧、フリーラジカル重合エチレンポリマーおよびコポリマー、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。
【0025】
もう1つの実施形態において、前記熱可塑性レジンとしては、エチレン−カルボン酸コポリマー、例えば、エチレン−ビニルアセテート(EVA)コポリマー、エチレン−アクリル酸(EAA)およびエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、Dow Chemical Companyから商用名PRIMACOR(登録商標)、DuPontからNUCREL(登録商標)、およびExxon MobilからESCOR(登録商標)で入手できるもの、ならびに米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号、および同第5,384,373号(これらのそれぞれは、その全体が本明細書に参照として取り入れられている)に記載されているものなどを挙げることができる。例示的ポリマーとしては、ポリプロピレン(耐衝撃性改質ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンばかりでなく、ランダムエチレン/プロピレンコポリマーも)、様々なタイプのポリエチレン、例えば、高圧、フリーラジカルLDPE、チーグラー・ナッタLLDPE、メタロセンPE(チーグラー・ナッタPEとメタロセンPEの多反応器PE(「反応器内」)ブレンド、例えば米国特許第6,545,088号、同第6,538,070号、同第6,566,446号、同第5,844,045号、同第5,869,575号および同第6,448,341号に開示されている生成物を含む)など、が挙げられる。均一ポリマー、例えば、オレフィンプラストマーおよびエラストマー、エチレンおよびプロピレン系コポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手できる商品名VERSIFY(登録商標)で入手できるポリマー、およびExxonMobileから入手できるVISTAMAXX(登録商標))も一部の実施形態において有用であり得る。勿論、ポリマーのブレンドも使用することができる。一部の実施形態において、前記ブレンドは、2つの異なるチーグラー・ナッタポリマーを含む。他の実施形態において、前記ブレンドとしては、チーグラー・ナッタとメタロセンポリマーのブレンドを挙げることができる。さらに他の実施形態において、ここで使用する熱可塑性レジンは、2つの異なるメタロセンポリマーのブレンドであり得る。
【0026】
1つの特定の実施形態において、前記熱可塑性レジンは、エチレンとアルケン、例えば1−オクテンを含むコモノマーとのアルファ−オレフィン共重合体を含むことができる。前記エチレンとオクテンのコポリマーは、単独で存在する場合もあり、または別の熱可塑性レジン、例えばエチレン−アクリル酸コポリマーとの組み合わせで存在する場合もある。一緒に存在する場合、エチレンとオクテンのコポリマーと、エチレン−アクリル酸コポリマーとの重量比は、約1:10から約10:1、例えば、約3:2から約2:3であり得る。ポリマーレジン、例えばエチレン−オクテンコポリマーは、約50%未満、例えば約25%未満、の結晶度を有し得る。一部の実施形態において、前記ポリマーの結晶度は、5から35パーセントであり得る。他の実施形態において、前記結晶度は、7から20パーセントの範囲であり得る。
【0027】
本明細書に開示する実施形態は、少なくとも1つのマルチブロックオレフィン共重合体を含み得るポリマー成分も含むことができる。適するマルチブロックオレフィン共重合体としては、例えば、米国特許仮出願第60/818,911号に記載されているものを挙げることができる。用語「マルチブロックコポリマー」は、好ましくは直線的に連結された2つまたはそれ以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)を含むポリマー、すなわち、ペンダント様式またはグラフト様式ではなく、重合エチレン官能基についての末端と末端が連結されている化学的に区別されるユニットを含むポリマーを指す。一定の実施形態において、前記ブロックは、それらの中に組み込まれているコモノマーの量もしくはタイプ、密度、結晶度の量、そうした組成のポリマーに起因するクリスタリットサイズ、タクチシティーのタイプ(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)もしくは程度、立体規則性もしくは立体不規則性、分岐(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)の量、均一性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性の点で異なる。マルチブロックコポリマーは、それらのコポリマーを製造する固有のプロセスに起因する多分散指数(PDIもしくはM/M)、ブロック長分布および/またはブロック数分布によって特徴づけられる。より具体的には、連続プロセスで製造した場合、それらのポリマーの実施形態は、約1.7から約8;他の実施形態では約1.7から約3.5;他の実施形態では約1.7から約2.5;およびさらに他の実施形態では約1.8から約2.5または約1.8から約2.1の範囲のPDIを有し得る。バッチまたはセミバッチプロセスで製造した場合、それらのポリマーの実施形態は、約1.0から約2.9;他の実施形態では約1.3から約2.5;他の実施形態では約1.4から約2.0;およびさらに他の実施形態では約1.4から約1.8の範囲のPDIを有し得る。
【0028】
マルチブロック共重合体の1つの例は、エチレン/α−オレフィンブロック共重合体である。マルチブロック共重合体のもう1つの例は、プロピレン/α−オレフィン共重合体である。以下の説明は、主モノマーとしてエチレンを有するような共重合体に焦点を当てているが、一般的なポリマー特性に関してはプロピレン系マルチブロック共重合体にも同様に当てはまる。
【0029】
エチレン/α−オレフィンマルチブロック共重合体は、化学的または物理的特性が異なる2つまたはそれ以上の重合モノマーユニットの多数の(すなわち、2つまたはそれ以上の)ブロックまたはセグメント(ブロック共重合体)、好ましくはマルチブロック共重合体によって特徴付けられる、重合した形態でのエチレンと1つまたはそれ以上の共重合性α−オレフィンコモノマーを含むことができる。一部の実施形態において、前記マルチブロック共重合体は、次に式:
(AB)
によって表すことができ、この式中、nは、少なくとも1、好ましくは1より大きい整数、例えば2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し;ならびに「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AおよびBは、分岐様式またはスター様式でではなく、線状様式で連結される。「ハード」セグメントは、一部の実施形態において95重量パーセントより多い、および他の実施形態において98重量パーセントより多い量でエチレンが存在する、重合ユニットのブロックを指す。言い換えると、ハードセグメントのコモノマー含有量は、一部の実施形態においてそれらのハードセグメントの総重量の5重量パーセント未満、および他の実施形態において2重量パーセント未満である。一部の実施形態において、ハードセグメントは、すべてまたは実質的にすべてエチレンで構成されている。一方、「ソフト」セグメントは、一部の実施形態においてコモノマー含量がそれらのソフトセグメントの総重量の5重量パーセントより多い、様々な他の実施形態において8重量パーセントより多い、10重量パーセントより多いまたは15重量パーセントより多い、重合ユニットのブロックを指す。一部の実施形態において、ソフトセグメントのコモノマー含有量は、20重量パーセントより多い、様々な他の実施形態において、25重量パーセントより多い、30重量パーセントより多い、35重量パーセントより多い、40重量パーセントより多い、45重量パーセントより多い、50重量パーセントより多い、または60重量パーセントより多いことがある。
【0030】
一部の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。言い換えると、ブロックコポリマーは、
AAA――AA−BBB――BB
のような構造を有さない。
【0031】
他の実施形態において、ブロックコポリマーは、第三のブロックを有さない。さらに他の実施形態では、ブロックAも、ブロックBも、2つまたはそれ以上のセグメント(またはサブブロック)、例えば先端セグメント(tip segument)を含まない。
【0032】
マルチブロック共重合体は、ゼロより大きい値から約1.0の範囲の平均ブロック指数、ABI、および約1.3より大きい分子量分布、M/M、によって特徴付けることができる。平均ブロック指数、ABI、は、5℃の増分での20℃から110℃の分取TREFで得られるポリマー画分のそれぞれについてのブロック指数(「BI」)の重量平均である:
ABI=Σ(wBI
(式中、BIは、分取TREFで得られるマルチブロック共重合体のi番目の画分についてのブロック指数であり、およびwは、i番目の画分の重量百分率である)。
【0033】
同様に、その平均値についての二次モーメントの平方根(以後、二次モーメント重量平均ブロック指数と呼ぶ)は、次のように定義することができる:
【数1】

【0034】
それぞれのポリマー画分についてのBIは、次の2つの方程式(これらの両方が同じBI値を与える):
【数2】


の一方によって定義され、式中、Tは、i番目の画分についての解析的昇温溶離分別(ATREF)溶離温度(好ましくは、ケルビンで表される)であり、Pは、下で説明するようにNMRまたはIRによって測定することができる、i番目の画分についてのエチレンモル分率である。PABは、(分別前の)全エチレン/α−オレフィン共重合体のエチレンモル分率であり、これもNMRまたはIRによって測定することができる。TおよびPは、純粋な「ハードセグメント」(これは、共重合体の結晶セグメントを指す)についてのATREF溶離温度およびエチレンモル分率である。近似として、または「ハードセグメント」組成が不明であるポリマーについては、TおよびP値を高密度ポリエチレンホモポリマーについての値とする。
【0035】
ABは、マルチブロック共重合体と同じ組成(PABのエチレンモル分率を有する)および分子量のランダムコポリマーについてのATREF溶離温度である。TABは、次の方程式:
Ln PAB=α/TAB+β
を用いて、(NMRによって測定される)エチレンのモル分率から計算することができ、この式中のαおよびβは、広い組成のランダムコポリマーの十分に特性付けされている多数の分取TREF画分および/または狭い組成を有する十分に特性付けされている多数のランダムエチレンコポリマーを用いる検量線の作成によって決定することができる2つの定数である。αおよびβは計器によって変わり得ることに注意しなければならない。さらに、その検量線を作成するために用いた分取TREF画分および/またはランダムコポリマーについての適切な分子量範囲およびコモノマータイプを用いて、対象となるポリマー組成で適切な検量線を作成する必要があるだろう。わずかな分子量効果が生じる。同様の分子量範囲から検量線が得られたら、上述の影響は、本質的に無視してもよいだろう。一部の実施形態において、ランダムエチレンコポリマーおよび/またはランダムコポリマーの分取TREF画分は、次の関係を満たす:
Ln P=−237.83/TATREF+0.639
【0036】
上記の検量方程式は、エチレンのモル分率、Pを、狭い組成のランダムコポリマーについてのおよび/または広い組成のランダムコポリマーの分取TREF画分についての解析的TREF溶離温度、TATREFと関係付けるものである。TXOは、同じ組成のものであり、Pのエチレンモル分率を有する、ランダムコポリマーについてのATREF温度である。TXOは、Ln P=α/TXO+βから計算することができる。逆に言えば、PXOは、同じ組成のものであり、TのATREF温度を有する、ランダムコポリマーについてのエチレンモル分率であり、Ln PXO=α/T+βから計算することができる。
【0037】
それぞれの分取TREF画分についてのブロック指数(BI)が得られたら、全ポリマーについての重量平均ブロック指数、ABIを計算することができる。一部の実施形態において、ABIは、ゼロより大きいが、約0.4より小さく、または約0.1から約0.3である。他の実施形態において、ABIは、約0.4より大きく、且つ約1.0以下である。好ましくは、ABIは、約0.4から約0.7、約0.5から約0.7、または約0.6から約0.9の範囲内であろう。一部の実施形態において、ABIは、約0.3から約0.9、約0.3から約0.8、または約0.3から約0.7、約0.3から約0.6、約0.3から約0.5、または約0.3から約0.4の範囲内である。他の実施形態において、ABIは、約0.4から約1.0、約0.5から約1.0、または約0.6から約1.0、約0.7から約1.0、約0.8から約1.0、または約0.9から約1.0の範囲内である。
【0038】
マルチブロック共重合体のもう1つの特徴は、その共重合体が、分取TREFによって得ることができる少なくとも1つのポリマー画分を含むことができることであり、この場合、前記画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0以下のブロック指数を有し、前記ポリマーは、約1.3より大きい分子量分布、M/Mを有する。一部の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.6より大きく、且つ約1.0以下、約0.7より大きく、且つ約1.0以下、約0.8より大きく、且つ約1.0以下、または約0.9より大きく、且つ約1.0以下のブロック指数を有する。他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約1.0以下、約0.2より大きく、且つ約1.0以下、約0.3より大きく、且つ約1.0以下、約0.4より大きく、且つ約1.0以下、または約0.4より大きく、且つ約1.0以下のブロック指数を有する。さらに他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.1より大きく、且つ約0.5以下、約0.2より大きく、且つ約0.5以下、約0.3より大きく、且つ約0.5以下、または約0.4より大きく、且つ約0.5以下のブロック指数を有する。さらに他の実施形態において、前記ポリマー画分は、約0.2より大きく、且つ約0.9以下、約0.3より大きく、且つ約0.8以下、約0.4より大きく、且つ約0.7以下、または約0.5より大きく、且つ約0.6以下のブロック指数を有する。
【0039】
本発明の実施形態において使用するエチレンα−オレフィンマルチブロック共重合体は、エチレンと少なくとも1つのC−C20 α−オレフィンとの共重合体であり得る。前記共重合体は、C−C18ジオレフィンおよび/またはアルケニルベンゼンをさらに含むことができる。エチレンとの重合に有用な適する不飽和コモノマーとしては、例えば、エチレン不飽和モノマー、共役または非共役ジエン、ポリエン、アルケニルベンゼンなどが挙げられる。そのようなコモノマーの例としては、C−C20 α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。1−ブテンおよび1−オクテンが特に好ましい。他の適するモノマーとしては、スチレン、ハロ置換またはアルキル置換スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、およびナフテン酸(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、およびシクロオクテンなど)が挙げられる。
【0040】
本明細書に開示するマルチブロック共重合体は、従来の、ランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、および逐次的モノマー付加、可動性触媒およびアニオンまたはカチオンリビング重合技術によって作製されたブロックコポリマーとは区別することができる。特に、等価の結晶度またはモジュラスで同じモノマーおよびモノマー含有量のランダムコポリマーと比較して、本共重合体は、より良好な(高い)耐熱性(例えば、融点によって測られる)、より高いTMA針侵入温度、より高い高温引張強度、および/またはより高い高温捩り貯蔵弾性率(high-temperature torsion storage modulus)(例えば、動的機械分析によって決定される)を有する。同じモノマーおよびモノマー含有量を含有するランダムコポリマーと比較して、本マルチブロック共重合体は、より低い圧縮永久ひずみ(特に、高温で)、より低い応力緩和、より高い耐クリープ性、より高い引裂強度、より高い耐ブロッキング性、より高い結晶化(凝固)温度に起因するより早い硬化、より高い回復率(特に、高温で)、より良好な耐摩損性、より高い収縮率、ならびにより良好な油およびフィラー受容性を有するので、充填材の特性は、本マルチブロック共重合体の実施形態の使用の恩恵を受けことができる。
【0041】
他のオレフィン共重合体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンなどをはじめとするモノビニリデン芳香族モノマーを含むポリマーが挙げられる。特に、エチレンとスチレンを含む共重合体を使用することができる。他の実施形態において、エチレンとスチレンとC−C20 αオレフィンを含む、場合によってはC−C20ジエンを含む、コポリマーを使用することができる。
【0042】
適する非共役ジエンモノマーとしては、6から15個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式炭化水素ジエンを挙げることができる。適する非共役ジエンの例としては、直鎖非環式ジエン、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン;分岐鎖非環式ジエン、例えば、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、およびジヒドロミリセン(dihydromyricene)とジヒドロオシネン(dihydroocinene)の混合異性体;単環脂環式ジエン、例えば、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,5−シクロドデカジエン;ならびに多環脂環式縮合および架橋環ジエン、例えば、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニルおよびシクロアルキリデンノルボルネン、例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンチル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、およびノルボルナジエンが挙げられるが、これらに限定されない。EPDMを作製するために一般に使用されるジエンのうち、特に好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、およびジシクロペンタジエン(DCPD)である。
【0043】
本明細書に開示する実施形態に従って使用することができる望ましいポリマーの1類は、エチレンと、C−C20 α−オレフィン、特にプロピレンと、場合によっては1つまたはそれ以上のジエンモノマーとの弾性共重合体を含む。この実施形態において使用するために好ましいα−オレフィンは、式CH=CHRによって表され、この式中、Rは、1から12個の炭素原子の直鎖状または分岐アルキル基である。適するα−オレフィンの例としては、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテンが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいα−オレフィンは、プロピレンである。これらのプロピレン系ポリマーは、当分野において、一般に、EPまたはEPDMポリマーと呼ばれる。そのようなポリマー、特にマルチブロックEPDMタイプのポリマーを作製する際に使用するために適するジエンとしては、4から20個の炭素原子を含む、共役または非共役、直鎖または分岐鎖、環式または多環式ジエンが挙げられる。好ましいジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、および5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
【0044】
本明細書に記載するポリマー(ホモポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体)は、一部の実施形態において0.01から2000g/10分、他の実施形態において0.01から1000g/10分、他の実施形態において0.01から500g/10分、およびさらに他の実施形態において0.01から100g/10分のメルトインデックス、Iを有し得る。一定の実施形態において、前記ポリマーは、0.01から10g/10分、0.5から50g/10分、1から30g/10分、1から6g/10分、または0.3から10g/10分のメルトインデックス、Iを有し得る。一定の実施形態において、前記ポリマーのメルトインデックスは、約1g/10分、3g/10分、または5g/10分であり得る。他の実施形態において、前記ポリマーは、20dg/分より大きい、他の実施形態において40dg/分より大きい、およびさらに他の実施形態において60dg/分より大きいメルトインデックスを有し得る。
【0045】
本明細書に記載するポリマーは、一部の実施形態において1,000g/molから5,000,000g/mol、他の実施形態において1,000g/molから1,000,000g/mol、他の実施形態において10,000g/molから500,000g/mol、およびさらに他の実施形態において10,000g/molから300,000g/molの分子量、Mを有し得る。本明細書に記載するポリマーの密度は、一部の実施形態において0.80から0.99g/cm;エチレン含有ポリマーについては0.85g/cmから0.97g/cmであり得る。一定の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィンポリマーの密度は、0.860から0.925g/cmまたは0.867から0.910g/cmの範囲であり得る。
【0046】
一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、10MPaより大きい引張強度、他の実施形態において11MPa以上の引張強度、およびさらに他の実施形態において13MPa以上の引張強度を有し得る。一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、11cm/分のクロスヘッド分離速度で少なくとも600パーセント、他の実施形態において少なくとも700パーセント、他の実施形態において少なくとも800パーセント、およびさらに他の実施形態において少なくとも900パーセントの破断点伸び率を有し得る。
【0047】
一部の実施形態において、本明細書に記載するポリマーは、1から50、他の実施形態において1から20、およびさらに他の実施形態において1から10の貯蔵弾性率比、G’(25℃)/G’(100℃)を有し得る。一部の実施形態において、前記ポリマーは、80パーセント未満の70℃圧縮永久ひずみ、他の実施形態において70パーセント未満、他の実施形態において60パーセント未満、およびさらに他の実施形態において50パーセント未満、40パーセント未満、下は0パーセントに至るまでの圧縮永久ひずみを有し得る。
【0048】
一部の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィン共重合体は、85J/g未満の融解熱を有し得る。他の実施形態において、前記エチレン/α−オレフィン共重合体は、100ポンド/フィート(4800Pa)であるまたはそれ以下の、他の実施形態において50lbs/ft(2400Pa)であるまたはそれ以下の、さらに他の実施形態において5lbs/ft(240Pa)であるまたはそれ以下の、および0lbs/ft(0Pa)ほどもの低さのペレットブロッキング強度を有し得る。
【0049】
一部の実施形態において、異なる量のコモノマーを組み込む2つの触媒を用いて製造されたブロックポリマーは、95:5から5:95の範囲の、それによって形成されたブロックの重量比を有し得る。一部の実施形態において、前記弾性共重合体は、そのポリマーの総重量に基づき、20から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量、および10から80パーセントのα−オレフィン含有量を有する。他の実施形態において、前記マルチブロック弾性ポリマーは、そのポリマーの総重量に基づき、60から90パーセントのエチレン含有量、0.1から10パーセントのジエン含有量、および10から40パーセントのα−オレフィン含有量を有する。他の実施形態において、前記共重合体は、1から250の範囲のムーニー粘度(ML(1+4)125℃)を有し得る。他の実施形態において、そのようなポリマーは、65から75パーセントのエチレン含有量、0から6パーセントのジエン含有量、および20から35パーセントのα−オレフィン含有量を有し得る。
【0050】
一定の実施形態において、前記ポリマーは、5重量%と20重量%の間のエチレン含有量および0.5から300g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有する、プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体であり得る。他の実施形態において、前記プロピレン−エチレンコポリマーまたは共重合体は、9重量%と12重量%の間のエチレン含有量および1から100g/10分のメルトフローレート(2.16kg重量で230℃)を有し得る。
【0051】
一部の実施形態において、前記ポリマーは、プロピレン系コポリマーまたは共重合体である。一部の実施形態において、プロピレン/エチレンコポリマーまたは共重合体は、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するという特徴がある。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」および類似の用語は、その配列が、13CNMRによって測定して約0.85より大きい、好ましくは約0.90より大きい、さらに好ましくは約0.92より大きい、および最も好ましくは約0.93より大きいアイソタクチックトリアッド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアッドは、当分野では周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号およびWO 00/01745に記載されており、これは、13CNMRスペクトルによって決定されるコポリマー分子鎖内のトリアッドユニットに関してのアイソタクチックな配列を指す。他の特定の実施形態において、前記エチレン−αオレフィンコポリマーは、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン、またはエチレン−オクテンコポリマーまたは共重合体であり得る。他の特定の実施形態において、前記プロピレン−αオレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレンまたはプロピレン−エチレン−ブテンコポリマーまたは共重合体であり得る。
【0052】
本明細書に記載するポリマー(ホモポリマー、コポリマー、共重合体、マルチブロック共重合体)は、シングルサイト触媒を使用して製造することができ、ならびに約15,000から約5,000,000、例えば、約20,000から約1,000,000の重量平均分子量を有し得る。前記ポリマーの分子量分布は、約1.01から約80、例えば、約1.5から約40、例えば約1.8から約20であり得る。
【0053】
前記レジンは、一部の実施形態において、比較的低い融点を有することもある。例えば、本明細書に記載するポリマーの融点は、約160℃未満、例えば、約130℃未満、例えば120℃未満であり得る。例えば、1つの実施形態において、前記融点は、約100℃未満であり得、もう1つの実施形態において、前記融点は、約90℃未満、他の実施形態において80℃未満、およびさらに他の実施形態において70℃未満であり得る。前記ポリマーレジンのガラス転移温度も比較的低いことがある。例えば、前記ガラス転移温度は、約50℃未満、例えば、約40℃未満であり得る。
【0054】
一部の実施形態において、前記ポリマーは、30から100のショアA硬度を有し得る。他の実施形態において、前記ポリマーは、40から90、他の実施形態において30から80、およびさらに他の実施形態において40から75のショアA硬度を有し得る。
【0055】
前記オレフィンポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体を、そのポリマー構造に少なくとも1つの官能基を組み込むことによって、官能化することができる。例示的官能基としては、例えば、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸、エチレン不飽和一および二官能性カルボン酸無水物、それらの塩ならびにそれらのエステルを挙げることができる。そのような官能基をオレフィンポリマーにグラフトさせることができ、またはそれをエチレンおよび任意の追加のコモノマーと共重合させて、エチレンと官能性コモノマーと任意の他のコモノマー(単数または複数)の共重合体を形成することができる。ポリエチレンに官能基をグラフトさせるための手段は、例えば、米国特許第4,762,890号、同第4,927,888号および同第4,950,541号に記載されており、これらの開示は、それら全体が本明細書に参照として取り入れられている。1つの特に有用な官能基は、無水マレイン酸である。
【0056】
官能性ポリマー中に存在する官能基の量は、様々であり得る。前記官能基は、一部の実施形態において少なくとも約1.0重量パーセント、他の実施形態において少なくとも約5重量パーセント、およびさらに他の実施形態において少なくとも約7重量パーセントの量で存在し得る。前記官能基は、一部の実施形態において約40重量パーセント未満、他の実施形態において約30重量パーセント未満、およびさらに他の実施形態において約25重量パーセント未満の量で存在し得る。
【0057】
添加剤
【0058】
上記のポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体を含む任意の配合物に添加剤およびアジュバントを含めることができる。適する添加剤としては、フィラー、例えば、有機または無機粒子(クレー、タルク、二酸化チタン、ゼオライト、粉末金属を含む)、有機または無機繊維(炭素繊維、窒化ケイ素繊維、鋼線または網、およびナイロンまたはポリエステルロープ類を含む)、ナノサイズの粒子、粘土、およびその他;増粘剤、エキステンダー油(パラフィン系またはナフテレン系(napthelenic)油);ならびに他の天然および合成ポリマー(本発明の実施形態による他のポリマーを含む)が挙げられる。本発明の他の実施形態による熱可塑性組成物は、有機もしくは無機フィラーまたは他の添加剤、例えば、デンプン、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ポリマー繊維(ナイロン、レーヨン、綿、ポリエステル、およびポリアラミドを含む)、金属繊維、フレークまたは粒子、発泡性層状シリケート、ホスホレートまたはカーボネート、例えばクレー、マイカ、シリカ、アルミナ、アルミノシリケートまたはアルミノホスフェート、カーボンウイスカー、炭素繊維、ナノ粒子(ナノチューブを含む)、ケイ灰石、グラファイト、ゼオライト、およびセラミックス、例えば炭化窒素、窒化ケイ素またはチアニアも含有し得る。より良好なフィラー結合のために、シラン系または他のカップリング剤も利用することができる。
【0059】
上記のポリマーとのブレンドに適するポリマーとしては、天然および合成ポリマーを含む、熱可塑性および非熱可塑性ポリマーが挙げられる。ブレンドするための例示的ポリマーとしては、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリスチレン、耐衝撃性改質ポリスチレン、ABS、スチレン/ブタジンブロックコポリマーおよびそれらの水素化誘導体(SBSおよびSEBS)、ならびに熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0060】
本明細書に開示するポリマーとブレンドすることができる、適する従来のブロックコポリマーは、一部の実施形態において10から135、他の実施形態において25から100、およびさらに他の実施形態において30から80の範囲内のムーニー粘度(100℃でML 1+4)を有し得る。適するポリオレフィンとしては、線状または低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(そのアタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチックおよび耐衝撃性改質バージョンを含む)およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)が特に挙げられる。適するスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、ゴム改質ポリスチレン(HIPS)、スチレン/アクリロニトリルコポリマー(SAN)、ゴム改質SAN(ABSまたはAES)およびスチレン無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0061】
前記ブレンドは、それぞれの成分をそれらの成分の一方または両方の融点温度付近のまたは該融点温度より上の温度で混合または混練することによって作製することができる。大部分のマルチブロックコポリマーについて、この温度は、130℃より上、最も一般的には145℃より上、および最も好ましくは150℃より上であり得る。所望の温度に達することができ、その混合物を溶融可塑化することができる、一般的なポリマー混合または混練装置を利用することができる。これらとしては、ミル、混練機および押出機(一軸スクリューと二軸スクリューの両方)、BANBURY(登録商標)ミキサー、カレンダーなどが挙げられる。混合する順序および方法は、最終組成物に依存し得る。BANBURY(登録商標)ミキサー、続いてミルミキサー、続いて押出機など、BANBURY(登録商標)バッチミキサーと連続ミキサーを併用することもできる。典型的に、TPEまたはTPV組成物は、TPO組成物と比較して高い架橋性ポリマー(典型的には、不飽和を含む従来のブロックコポリマー)負荷量を有するであろう。一般に、TPEおよびTPV組成物について、ブロックコポリマーのマルチブロックコポリマーに対する重量比は、約90:10から10:90、さらに好ましくは80:20から20:80、および最も好ましくは75:25から25:75の範囲であり得る。TPO用途のための、マルチブロックコポリマーのポリオレフィンに対する重量比は、約49:51から約5:95、さらに好ましくは35:65から約10:90であり得る。改質スチレン系ポリマー用途のための、マルチブロックコポリマーのポリオレフィンに対する重量比も、約49:51から約5:95、さらに好ましくは35:65から約10:90であり得る。これらの比率は、様々な成分の粘度比を変えることによって変えることができる。ブレンドの成分の粘度比を変えることによって相の連続性を変える技術を例証している文献は多数あり、この分野の技術者は、必要に応じて調べることができる。
【0062】
前記ブレンド組成物は、プロセス油、可塑剤、および加工助剤を含有し得る。一定のASTM呼称を有するゴムプロセス油、およびナフテン系または芳香族プロセス油は、すべて、使用に適する。一般に、100部の全ポリマー当たり0から150部、さらに好ましくは0から100部、および最も好ましくは0から50部のプロセス油、可塑剤、および/または加工助剤を利用することができる。より高い油量は、結果として得られる生成物の、一部の物理的特性を犠牲にして、加工を改善する傾向があり得る。追加の加工助剤としては、従来のワックス、脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、(多価)アルコール、例えばグリコールなど、(多価)アルコールエーテル、例えばグリコールエーテルなど、(ポリ)エステル、例えば(ポリ)グリコールエステルなど、およびそれらの金属、特に第1もしくは2族金属または亜鉛塩誘導体が挙げられる。
【0063】
従来のTPO、TPVおよびTPE用途のために、カーボンブラックは、UV吸収および安定化特性に有用な1つの添加剤である。カーボンブラックの代表的な例としては、ASTM N110、N121、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990およびN991が挙げられる。これらのカーボンブラックは、9から145g/kgの範囲のヨウ素吸着量および10から150cm/100gの範囲の平均孔隙容積を有する。一般に、コストの問題が許す限り、より小さな粒径のカーボンブラックを利用する。多くのそうした用途について、本発明のポリマーおよびそれらのブレンドは、カーボンブラックを殆どまたは全く必要とせず、その結果、代替顔料を含むまたは顔料を全く含まない相当な設計の自由度が可能となる。
【0064】
本発明の実施形態による熱可塑性ブレンドをはじめとする組成物は、通常技能のゴム化学者には公知である、オゾン分解防止剤または酸化防止剤も含有し得る。前記オゾン分解防止剤は、表面に出てきて酸素もしくはオゾンからその部品を保護する蝋様材料のような物理的保護剤であってもよいし、または酸素もしくはオゾンと反応する化学的保護剤であってもよい。適する化学的保護剤としては、スチレン化フェノール、ブチル化オクチル化フェノール、ブチル化ジ(ジメチルベンジル)フェノール、p−フェニレンジアミン、p−クレゾールとジシクロペンタジエン(DCPD)のブチル化反応生成物、ポリフェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン誘導体、キノリン、ジフェニレン系酸化防止剤、チオエステル系酸化防止剤、およびそれらのブレンドが挙げられる。そのような製品の一部の代表的な商用名は、WINGSTAY(登録商標)S酸化防止剤、POLYSTAY(登録商標)100酸化防止剤、POLYSTAY(登録商標)100 AZ酸化防止剤、POLYSTAY(登録商標)200酸化防止剤、WINGSTAY(登録商標)L酸化防止剤、WINGSTAY(登録商標)LHLS酸化防止剤、WINGSTAY(登録商標)K酸化防止剤、WINGSTAY(登録商標)29酸化防止剤、WINGSTAY(登録商標)SN−1酸化防止剤、およびIRGANOX(登録商標)酸化防止剤である。一部の用途において、前記酸化防止剤およびオゾン分解防止剤は、好ましくは、非汚染性および非移行性であろう。
【0065】
UV線に対するさらなる安定性をもたらすために、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)およびUV吸収剤も使用することができる。適する例としては、Ciba Specialty Chemicalsから入手できるTINUVIN(登録商標)123、TINUVIN(登録商標)144、TINUVIN(登録商標)622、TINUVIN(登録商標)765、TINUVIN(登録商標)770およびTINUVIN(登録商標)780、ならびに米国、テキサス州、ヒューストンのCytex Plasticsから入手できるCHEMISORB(登録商標)T944が挙げられる。米国特許第6,051,681号に開示されているように、優れた表面品質を獲得するためにHALS化合物と共にルイス酸を追加として含めることもできる。他の実施形態は、熱安定剤、例えば、IRGANOX(登録商標)PS 802 FLなどを含むことがある。
【0066】
一部の組成物については、追加の混合プロセスを利用して、熱安定剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、カーボンブラック、UV吸収剤、および/または光安定剤を予備分散させてマスターバッチを形成し、その後、そこからポリマーブレンドを形成することができる。
【0067】
ここでの使用に適する架橋剤(硬化剤または加硫剤とも呼ばれる)としては、硫黄系、過酸化物系、またはフェノール系化合物が挙げられる。前述の材料の例は、米国特許第3,758,643号、同第3,806,558号、同第5,051,478号、同第4,104,210号、同第4,130,535号、同第4,202,801号、同第4,271,049号、同第4,340,684号、同第4,250,273号、同第4,927,882号、同第4,311,628号、および同第5,248,729号中を含めて、当分野において見つけることができる。
【0068】
硫黄系硬化剤を利用するとき、促進剤および硬化活性化剤も使用することがある。促進剤は、動的加硫に必要な時間および/または温度を制御するためならびに結果として得られる架橋品の特性を改善するために使用される。1つの実施形態では、単一促進剤または一次加速剤を使用する。前記一次加速剤(単数または複数)は、総組成物重量に基づき、約0.5から約4、好ましくは約0.8から約1.5phrの範囲の総量で使用することができる。もう1つの実施形態では、活性化するためおよび硬化品の特性を改善するために、一次促進剤と二次促進剤を、二次促進剤のほうが少ない量、例えば約0.05から約3phrで併用することがある。一般に、促進剤の併用は、単一の促進剤の使用によって生成されるものより多少良好な特性を有する物品を生じさせる。加えて、標準的な加工温度による影響は受けないが通常の加硫温度で申し分のない硬化を生じさせる遅効性促進剤を、使用することができる。加硫遅延剤を使用することもできる。本発明において使用することができる促進剤の適するタイプは、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメートおよびザンテートである。好ましくは、前記一次促進剤は、スルフェンアミドである。二次促進剤を使用する場合、その二次促進剤は、好ましくは、グアニジン、ジチオカルバメート(dithiocarbarnate)またはチウラム化合物である。一定の加工助剤および硬化活性化剤、例えばステアリン酸およびZnOも使用することができる。過酸化物系硬化剤を使用する場合、共活性化剤または助剤をそれらと併用してもよい。適する助剤としては、数ある中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が挙げられる。部分または完全動的加硫に使用される過酸化物架橋剤および任意の助剤の使用は、当分野において公知であり、例えば、出版物、「Peroxide Vulcanization of Elastomer」, Vol. 74, No. 3, July-August 2001に開示されている。
【0069】
ポリマー組成物が少なくとも部分的に架橋されるとき、その架橋度は、指定された期間その組成物を溶媒に溶解し、ゲルまたは非抽出成分のパーセントを計算することによって測定することができる。ゲルのパーセントは、通常、架橋レベルが増すと共に増す。本発明の実施形態による硬化品についてのゲル含有量パーセントは、望ましくは5から100パーセントの範囲である。
【0070】
一部の実施形態において、添加剤としては、香料、藻類抑制剤、抗微生物および抗真菌剤、難燃剤およびハロゲンフリー難燃剤、ならびにスリップおよび粘着防止剤も挙げることができる。他の実施形態は、ポリマーの耐摩損性を低下させるためにPDMSを含むことがある。接着促進剤の使用、またはポリマーをオルガノシラン、ポリクロロプレン(ネオプレン)もしくは他のグラフト化剤で官能化するもしくはそれらとカップリングさせることによって、サンドへのポリマーの接着を改善することもできる。
【0071】
ポリマーコーテッド粒子
【0072】
上で説明したように、サンドまたは他の粒状材料は、ポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層でコートされたものである場合もあり、またはポリマーもしくはポリマー混合物の1つまたはそれ以上の層と組み合わされたものである場合もある。1つの実施形態において、前記ポリマーと粒状材料を、熱可塑性ポリマーと粒状基材をその熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で混合して混合物を形成することにより、組み合わせることができる。
【0073】
1つの実施形態において、前記ポリマーおよび粒状材料は、先ず、コートすべき粒状材料を高温に予熱することによって、一体化することができる。その後、その粒状材料をミキサーに供給することができ、それを継続的に攪拌し、そのミキサーの内容物を分散させることができる。
【0074】
その後、上記のようなポリマーまたはポリマー混合物をそのミキサーに添加することができる。ミキサーに添加するポリマーの量は、コートすべき粒状材料の量に基づく場合もあり、それらの粒子に対する所望のコーティングレベルに基づく場合もある。攪拌は、ポリマーを全体にわたって均一に分散させて、そのポリマーで粒子を均一にコートするために十分なものでなければならない。
【0075】
予熱する粒子の温度は、そのポリマーの少なくとも一部分を溶融するために十分なものであり得る。一部の実施形態では、前記粒状材料を約60℃と350℃の間の温度に予熱することができ、この温度は、添加するポリマーの量およびそのポリマーの融点に基づき得る。他の実施形態では、前記サンドまたは他の粒状材料を約140℃と350℃の間、他の実施形態では約80℃と270℃の間、およびさらに他の実施形態では約150℃と250℃の間の温度に予熱することができる。一部の実施形態では、前記粒状材料を199℃未満、他の実施形態では195℃未満、他の実施形態では190℃未満、他の実施形態では180℃未満、他の実施形態では170℃未満、およびさらに他の実施形態では160℃未満の温度に加熱することができる。他の実施形態では、前記粒状基材とポリマー(単数または複数)の混合物を、上記の温度に加熱することができる。
【0076】
その後、それらのコーテッド粒子を、間接熱交換により、または直接熱交換により、例えば、その混合物への水および/もしくは空気の注入により、そのポリマーの融点より低い温度に冷却し、その後、充填材としてまたは他の適する用途で使用するために、それらのコーテッド粒子を回収する。コーティングプロセス中に形成された一切の凝集塊は、それらの粒子を篩いにかけることによって易流動性材料と分離することができ、ならびにそれらの凝集塊は、廃棄してもよいし、または充填材として使用するために解凝集してもよい。
【0077】
一部の実施形態において、前記ポリマーまたはポリマー混合物は、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせをはじめとする、上記の1つまたはそれ以上のポリマーを含むことができる。一部の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーコーティングは、100℃またはそれ以下の融点を有するポリオレフィンを含有し得る。他の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーコーティングは、70℃またはそれ以下の融点を有するポリオレフィンを含有し得る。
【0078】
一部の実施形態において、前記コーテッド粒子は、1重量パーセントから15重量パーセントの範囲の乾燥ポリマー含有量を有し得る。他の実施形態において、前記コーテッド粒子は、2重量パーセントから13重量パーセント、他の実施形態において3重量パーセントから10重量パーセント、他の実施形態において4重量パーセントから8重量パーセント、およびさらに他の実施形態において5重量パーセントから7重量パーセントの範囲の乾燥ポリマー含有量を有し得る。他の実施形態において、前記コーテッド粒子は、5重量パーセントより多い、他の実施形態において7重量パーセントより多い、他の実施形態において8重量パーセントより多い、およびさらに他の実施形態において10重量パーセントより多い乾燥ポリマー含有量を有し得る。上記の重量分率のそれぞれは、粒状基材(鉱物粒、サンドなど)とポリマーの総合重量に基づく。
【0079】
上記にあるように、一定の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーは、2つまたはそれ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドであり得る。一部の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも5℃異なる融点を有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。他の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも10℃、他の実施形態において少なくとも15℃、およびさらに他の実施形態において少なくとも20℃異なる融点を有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。他の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも3dg/分、他の実施形態において少なくとも5dg/分、他の実施形態において少なくとも10dg/分、さらに他の実施形態において少なくとも20dg/分異なるメルトインデックス、Iを有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。
【0080】
多層コーティングが望まれる実施形態において、第一ポリマーまたはポリマーブレンドコーティングは、上で説明したように、例えば、第一ポリマーと粒状基材をそのポリマーの融点より高い温度で混合することによって、塗布することができる。さらに、その基材を所望の温度に予熱してもよいし、またはその基材−ポリマー混合物をその第一ポリマーの融点より高い温度に加熱してもよい。その後、ポリマーを攪拌によって分散させ、粒状基材を均一にコートすることができる。その後、それらのコーテッド粒子を、水および/または空気を使用して、第一ポリマーの融点より下の温度に冷却することができる。その後、それらのコーテッド粒子を第二ポリマーまたはポリマーブレンドでコートすることができ、この場合の第二ポリマーは、第一ポリマーコーティング層の融点より低い融点を有する。
【0081】
一部の実施形態では、それらのコーテッド粒子を第一ポリマーの融点より低いが、第二ポリマーの融点より高い温度に冷却する。他の実施形態では、第一コーティングから得たコーテッド粒子を、第二ポリマーの融点より高いが第一ポリマーの融点より低い温度に再加熱することができる。その後、それらのコーテッド粒子を第二熱可塑性ポリマーと混合し、その第二ポリマーの少なくとも一部分を溶融することができる。その後、ミキサーによって第二ポリマーを分散させて、それらの粒子上に均一なコーティングを形成することができる。その後、その混合物を第一ポリマーの融点より低い温度に冷却して、易流動性粒状材料に戻すことができる。さらに、所望される場合には、形成された一切の凝集塊を篩い分けによって除去することができる。
【0082】
多層実施形態において、第一ポリマーは、第二ポリマーより高い融点を有する。例えば、一部の実施形態において、第一ポリマーは、約95℃より高い融点を有し得り、第二ポリマーは、その第一ポリマーの融点より低い融点を有し得る。他の実施形態において、第一ポリマーは、約90℃より高い融点を有し得り、第二ポリマーは、約50℃と90℃の間の融点を有し得る。他の実施形態において、第一ポリマーは、約120℃より高い融点を有し得り、第二ポリマーは、約60℃と110℃の間の融点を有し得る。
【0083】
一部の実施形態において、第一ポリマーは、第二ポリマーの融点より少なくとも5℃高い融点を有し得る。他の実施形態において、第一ポリマーは、第二ポリマーの融点より少なくとも10℃高い、他の実施形態において少なくとも15℃高い、およびさらに他の実施形態において少なくとも20℃高い融点を有し得る。
【0084】
ポリマーと融点の具体的な組み合わせによって、多層コーテッド粒子を形成するための上で概説した段階に適する温度が決まるであろう。例えば、第一ポリマーが約100℃の融点を有し、第二ポリマーが約70℃の融解温度を有する場合、粒状基材を少なくとも120℃の温度に加熱して、その粒状基材を第一ポリマーでコートすることができる。その後、その混合物を冷却し、再び加熱し、70℃と100℃の間の温度で維持して、その粒状基材を第二ポリマーでコートすることができる。
【0085】
多層実施形態において、コーテッド粒子は、1重量パーセントから30重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を有し得る。他の実施形態において、前記コーテッド粒子は、1重量パーセントから20重量パーセント、他の実施形態において2重量パーセントから15重量パーセント、さらに他の実施形態において3重量パーセントから12重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を有し得る。上の重量分率のそれぞれは、粒状基材(鉱物粒、サンドなど)とそれぞれのポリマー層(第一ポリマー、第二ポリマー、第三のポリマー層など)の総合重量に基づく。
【0086】
多層実施形態において、コーテッド粒子は、1重量パーセントから15重量パーセントの範囲の第一ポリマーの乾燥内層を有し得る。他の実施形態において、前記コーテッド粒子は、2重量パーセントから9重量パーセント、他の実施形態において3重量パーセントから8重量パーセント、さらに他の実施形態において4重量パーセントから7重量パーセントの範囲の乾燥内層を有し得る。前記コーテッド粒子は、1重量パーセントから15重量パーセントの範囲の第二ポリマーの乾燥外層を有し得る。他の実施形態において、前記コーテッド粒子は、2重量パーセントから8重量パーセント、さらに他の実施形態において3重量パーセントから5重量パーセントの範囲の乾燥外層を有し得る。上の重量分率のそれぞれは、粒状基材(鉱物粒、サンドなど)と第一ポリマーと第二ポリマーの総合重量に基づく。
【0087】
上で説明したように、一定の実施形態において、前記第一熱可塑性ポリマーまたは第二熱可塑性ポリマーは、2つまたはそれ以上のポリマーのブレンドであり得る。一部の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも5℃異なる融点を有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。他の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも10℃、他の実施形態において少なくとも15℃、およびさらに他の実施形態において少なくとも20℃異なる融点を有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。他の実施形態において、前記熱可塑性ポリマーブレンドは、少なくとも3dg/分、他の実施形態において少なくとも5dg/分、他の実施形態において少なくとも10dg/分、さらに他の実施形態において少なくとも20dg/分異なるメルトインデックス、Iを有する、少なくとも2つの熱可塑性ポリマーを含有し得る。
【0088】
一部の実施形態では、上で説明したようにポリマーコーティングを塗布することができる。その後、そのポリマーコーティングを発泡させ、その結果、改善された柔軟性を有する粒子を得ることができる。様々な実施形態において、第一ポリマー層、第二ポリマー層、または両方のポリマー層を発泡させることができる。例えば、第二ポリマーコーティングを第一発泡層の上に塗布することができ、この場合の第二ポリマーは、その発泡ポリマーのものより低い融点を有する。
【0089】
さらに他の実施形態では、前記粒状基材を3つまたはそれ以上のポリマー層でコートすることができる。連続するそれぞれの層において使用されるポリマーの融点は、コートされるポリマー層の融点より低くなければならない。
【0090】
一部の実施形態では、前記第一ポリマー層、前記第二ポリマー層、または両方のポリマー層を架橋させることができる。例えば、一定の実施形態では、粒状基材を第二ポリマーでコートする前に、第一ポリマー層を架橋させることができる。他の実施形態では、粒状基材上に第二層のコーティングを形成した後、その第二ポリマーを架橋することができる。
【0091】
攪拌は、ポリマーを全体にわたって均一に分散させて、そのポリマーで粒子を均一にコートするために十分なものでなければならない。一部の実施形態において、前記ポリマー(単数または複数)(第一ポリマー層、第二ポリマー層、または両方)は、前記粒状基材の表面の少なくとも50パーセントをコートすることができる。他の実施形態において、前記ポリマー(単数または複数)は、前記粒状基材の表面の少なくとも60パーセント、他の実施形態において少なくとも70パーセント、他の実施形態において少なくとも80パーセント、およびさらに他の実施形態において少なくとも90パーセントをコートすることができる。一部の実施形態において、前記コーティングの程度は、顕微鏡での目視検査によって、その粒状基材の全体の色の変化によって、または重量増加/減少および/もしくは粒子充填密度を測定することによって、観察することができる。例えば、ポリマーコーティングがある色であり、粒状基材が別の色である場合、それらの粒子の目視検査は、コート率を予測する手段となり得る。
【0092】
一部の実施形態では、上記の粒子を合成芝の充填材として使用することができる。長期使用後の合成芝システムの変形は、パイルの高さ、ふさの密度、および糸強度に依存し得る。充填用材料のタイプおよび体積も前記芝の最終的な耐変形性に有意な影響を及ぼす。リスポート試験は、摩耗性能を分析するために用いることができ、有効な芝システムを設計するために有用である。加えて、温度性能および老化、ならびに結果として得られる芝のバウンスおよび回転特性を分析するための試験を行うことができる。これらの特性のそれぞれに関して、上で説明したような充填用材料を含有する芝は、サッカーフィールドにおける芝として使用するためのFIFA規格を満たすことができる(例えば、the 「February 2005 FIFA Quality Concept Requirements for Artificial Turf Surfaces」, the FIFA handbook of test methods and requirements for artificial football turf(これは、全面的に本明細書に参照として取り入れられている)を参照のこと)。
【0093】
本明細書に記載するポリマーコーテッド基材の実施形態は、試験法EN ISO 20105−A02に従って、グレースケール3より高いまたは3である色変化を有し得る。本ポリマーコーテッド基材の他の実施形態は、試験法EN 933−パート1、prEN 14955、およびEN 13041をそれぞれ用いて試験して、粒径、粒子の形、およびかさ密度についてのFIFA要求事項を満たすことができる。本ポリマーコーテッド基材は、環境適合性についてのDIN V 18035−7−2002−06要求事項にも準拠し得る。
【0094】
実施例
【0095】
実施例1
【0096】
0.3から0.7mmの範囲の粒径を有するサンドを、上で説明したようなUV安定化ポリエチレンの2つの層でコートした。このコーテッドサンドの総ポリマー含有量は、乾燥サンドの重量に基づき、6.5重量パーセントであった。UV安定剤は、そのポリマーの0.5重量パーセントの量で使用した。
【0097】
実施例1のコーテッドサンドを充填材として使用する人工芝に関するリスポート試験を行った。この人工芝は、16mm発泡ポリエチレン弾性層を含むものであった。試験結果は、このサンドの卓越した耐摩耗性を示し、圧密を示さなかった。リスポート試験後、この充填材は、束縛のない自由な動きを維持していた。この充填材は、摩耗後に良好な衝撃吸収、垂直変形、ボールのリバウンド、および回転抵抗を維持する、FIFAの2つ星の試験等級も満たした。この充填材は、良好な水はけも維持した。
【0098】
5年にわたって摩耗をシミュレートするリスポート試験の閉鎖された環境で、多少のほこりが生じた。しかし、この摩耗試験中の多少のほこりの発生は、通常使用の間のそのカーペットの日常的なクリーニングまたは洗浄により、芝および充填材の美的性質に影響しない。
【0099】
本明細書に記載するように製造したポリマーコーテッドサンドは、数ある用途の中でも人工サッカーおよび競技面のための充填用材料として有用であり得る。有利なことに、本明細書に開示する実施形態は、均一で均質なコーティング、良好な耐熱性およびすべり抵抗性、ならびに良好な触感および美しさを有するポリマーコーテッドサンドを提供することができる。特に、本明細書に記載する実施形態は、先行技術の充填材と比較して、改善された保色性、良好な跳ね返りおよび耐摩耗性、良好な耐熱性、より低い充填レベルでのより良好な芝安定性、改善された可撓性および柔軟性、ならびにより低いコストを含めて、これらの特性の優れたバランスを備えるものであり得る。
【0100】
1つまたはそれ以上の層において低融点ポリマー、例えばAFFINITY(登録商標)GAを単独でまたは他のポリマーと併用で用いる実施形態は、非常に均質で均一なコーティングを生じさせることができ、その結果、充填材上により柔軟な面が生じ、その結果、優れた耐摩耗性、良好な触感および美しさ、ならびに卓越したプレーヤー安全性が得られる。有利なことに、低融点ポリマーの使用により、加熱および冷却の必要の減少も見込むことができ、これは、プロセスのエネルギー必要量を減少させ、およびバッチ当たりのサイクル時間をより速くする結果となる。
【0101】
本明細書に記載するポリマーコーテッド基材の実施形態は、数ある中でも、回転成形された柔軟な物品、プロパント、他の人工芝生用途、例えばゴルフコースおよび造園、のための充填材、ならびに騒音および防振用の重質層での使用をはじめとする用途にも有用であり得る。
【0102】
本明細書に開示する他の実施形態は、より大きいコーティング重量、ならびに組成および分子量の点でのポリマー材料のより幅広い選択に備えており、これは、より柔軟な材料の使用を可能にし、その結果、改善された緩衝特性が得られる。例えば、本明細書に記載するポリオレフィンのメルトフローは、限定されない。生成される材料が柔軟なほど、表面のあらさが低減されるため、結果として長期の耐摩損性を得ることができる。
【0103】
限られた数の実施形態に関して本発明を説明したが、本明細書に開示する本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を案出できることは、本開示の恩恵に与る当業者には理解されるであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることとなる。
【0104】
すべての先行文献は、こうして取り入れることが許されるすべての権限について、参照により全面的に本明細書に取り入れられている。さらに、試験手順を含めて、本明細書に引用したすべての文献は、こうして取り入れることが許されるすべての権限について、そうした開示が本発明の記載に矛盾しない程度に、参照により全面的に本明細書に取り入れられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを該熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で粒状基材と混合して混合物を形成する段階;
前記混合物を前記熱可塑性ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階
(この場合、混合段階は、199℃より低い温度でである)
を含む、コーテッド粒状材料の形成方法。
【請求項2】
前記粒状基材を前記熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒状基材および前記熱可塑性ポリマーを、前記熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記混合段階が180℃またはそれ以下でである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記混合段階が160℃またはそれ以下でである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーが、100℃またはそれ以下の融点を有するポリオレフィンである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーが、70℃またはそれ以下の融点を有するポリオレフィンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コーテッド粒状材料が、前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを、前記粒状基材と前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、8重量パーセントより多い量で含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーが、40g/10分より大きいメルトインデックスを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーが、少なくとも5℃の融点温度の差を有する2つまたはそれ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーが、前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第一熱可塑性ポリマーを該第一熱可塑性ポリマーの融点より高い温度で粒状基材と混合して混合物を形成する段階;
前記混合物を前記第一熱可塑性ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階;
前記冷却した混合物を第二熱可塑性ポリマーと併せる段階(この場合、第二熱可塑性ポリマーの融点は、冷却した混合物の温度より低い);および
前記併せた混合物を前記第二ポリマーの融点より低い温度に冷却する段階
を含む、多層コーテッド粒状材料の形成方法。
【請求項13】
前記粒状基材を前記第一熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第一熱可塑性ポリマーおよび前記粒状基材を、前記熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱する段階を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記混合段階が、140℃から350℃の温度でである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記併せる段階が、前記第一熱可塑性ポリマーの融点より低い温度でである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第一熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第一熱可塑性ポリマーが、プロピレン系マルチブロック共重合体、エチレン系マルチブロック共重合体およびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記粒状基材が、鉱物粒、サンドおよびゴム粒子から成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記粒状基材が、シリカ系サンドである、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記第二熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記第二熱可塑性ポリマーの融点が、100℃またはそれ以下である、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
前記第二熱可塑性ポリマーの融点が、70℃またはそれ以下である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記冷却段階の少なくとも一方が、間接熱交換を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
前記冷却された混合物を前記第二熱可塑性ポリマーの融点より高い温度に加熱する段階をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項26】
前記第一熱可塑性ポリマーおよび前記第二熱可塑性ポリマーのうちの少なくとも一方を発泡させる段階をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項27】
接着促進剤と前記粒状基材を併せる段階をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項28】
前記多層コーテッド粒状材料が、前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、前記第一ポリマーを1から15重量パーセントの範囲の量でおよび前記第二ポリマーを1から15重量パーセントの範囲の量で含む、請求項12に記載の方法。
【請求項29】
前記粒状材料が、前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、1から20重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項30】
前記粒状材料が、前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、2から15重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項31】
前記粒状材料が、前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、3から12重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項32】
前記第一熱可塑性ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも5℃高い融点を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項33】
前記第一ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも10℃高い融点を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項34】
前記第一ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも15℃高い融点を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項35】
前記第一熱可塑性ポリマー、前記第二熱可塑性ポリマー、または両方が、40g/10分より大きいメルトインデックスを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項36】
前記第一熱可塑性ポリマーが、前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートする、請求項12に記載の方法。
【請求項37】
第一熱可塑性ポリマーを含む第一層と第二熱可塑性ポリマーを含む第二層とでコートされた粒状基材(この場合、第一熱可塑性ポリマーの融点は、第二熱可塑性ポリマーの融点より高い)を含む、粒状材料。
【請求項38】
前記第一熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項39】
前記第一熱可塑性ポリマーが、プロピレン系マルチブロック共重合体、エチレン系マルチブロック共重合体およびこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項40】
前記粒状基材が、鉱物粒、サンドおよびゴム粒子から成る群より選択される、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項41】
前記粒状基材が、シリカ系サンドである、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項42】
前記第二熱可塑性ポリマーが、プロピレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;エチレン系ホモポリマー、コポリマー、共重合体、およびマルチブロック共重合体;ならびにこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項43】
前記第二熱可塑性ポリマーの融点が、100℃またはそれ以下である、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項44】
前記第二熱可塑性ポリマーの融点が、70℃またはそれ以下である、請求項43に記載の粒状材料。
【請求項45】
前記第一熱可塑性ポリマー、前記第二熱可塑性ポリマー、または両方が、発泡されている、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項46】
接着促進剤をさらに含む、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項47】
前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、前記第一ポリマーを1から15重量パーセントの範囲の量で、および前記第二ポリマーを1から15重量パーセントの範囲の量で含む、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項48】
前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、1から20重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項49】
前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、2から15重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項50】
前記粒状基材と前記第一熱可塑性ポリマーと前記第二熱可塑性ポリマーの総合重量に基づき、3から12重量パーセントの範囲の総ポリマー含有量を含む、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項51】
前記第一熱可塑性ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも5℃高い融点を有する、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項52】
前記第一ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも10℃高い融点を有する、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項53】
前記第一ポリマーが、前記第二ポリマーの融点より少なくとも15℃高い融点を有する、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項54】
前記第一熱可塑性ポリマー、前記第二熱可塑性ポリマー、または両方が、40g/10分より大きいメルトインデックスを有する、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項55】
前記第一熱可塑性ポリマーが、前記粒状基材の表面の少なくとも50%をコートする、請求項37に記載の粒状材料。
【請求項56】
請求項37に記載の粒状材料を含む人工芝。

【公開番号】特開2013−56337(P2013−56337A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−235964(P2012−235964)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2009−527459(P2009−527459)の分割
【原出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】