説明

多層分析要素の製造方法

【課題】 より迅速で再現性が良好な結果が得られるような性能を有する分析素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 水不透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層が、この順に積層一体化された液体試料分析用多層分析要素において、非繊維性多孔膜中に水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている液体試料分析用多層分析要素の製造方法であって、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度が40〜80℃であることを特徴とする製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査、食品検査又は環境分析等に用いられる多層分析要素の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査、食品検査及び環境分析の分野では、迅速・簡便に検体を処理する要求が年々高くなっておりそのニーズに応えた乾式分析素子が汎用されている。乾式分析要素の中で、血液の受容、展開、拡散を行わせる展開層には、特開昭55−164356号公報、特開昭57−66359号公報、特開昭60−222769号公報等に代表されるように、繊維質多孔性材料が用いられてきた。
【0003】
この繊維質多孔性材料は、液体試料点着時の展開が速く、製造時の取り扱い性にも優れている。また、全血のような粘性のある試料に対しても適用性があり、広く使用されている。しかし、この分野では、より高い精度(再現性)での測定が要求されるようになってきており、繊維質多孔性材料(布展開層)では、いくつか不具合がでてきている。その一つが、布自身のロット変動の問題である。通常、布展開層には、織物と編物があるが、その織り方、編み方にロット間差及びロット内差が見つかっている。
【0004】
具体的には、単位面積当たりの編目数、単位面積当たりの重量、厚みなどである。また、中間工程で、材料の洗浄工程があるが、その洗浄の程度により、布の親水性にロット間差、ロット内差がある。さらに、布展開層は、平滑ではないため、積層方式で、十分な接着力を確保して製造しようとすると、下層に展開層を食い込ませざるを得ない。これにより下層は乱れており、より高い精度での測定に対しては、好ましくない。また布は下層に布を接着する際に、その構造上伸びやすく、空隙体積の変化を起こしやすい。そのために液体試料点着時の展開面積が変化しやすく、ロット内差及び高精度測定が達成できない原因となっている。また近年、より少ない試料で測定することが望まれているが、布展開層では、試料液量を少なくしていくと、編目の影響による反射光量のバラツキが顕著になり、さらに展開層を接着する際の下層の不均一な乱れのために高精度の測定ができなくなる問題がある。
【0005】
特許第2514087号公報に代表される、非繊維性の多孔性膜を有する乾式分析素子では、展開層の非繊維質多孔性材料に、親水性高分子を含有させることが記載されているが、含有させる高分子剤やその作製方法によって、性能(特に液量依存性)が悪く、実用的ではない。
【0006】
【特許文献1】特開昭55−164356号公報
【特許文献2】特開昭57−66359号公報
【特許文献3】特開昭60−222769号公報
【特許文献4】特許第2514087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。即ち、本発明の目的は、より迅速で再現性が良好な結果が得られるような性能を有する分析素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、機能層と非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層が積層一体化され、該非繊維性多孔膜中に水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている液体試料分析用多層分析要素の製造方法において、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度を40〜80℃に設定することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、水不透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層が、この順に積層一体化された液体試料分析用多層分析要素において、非繊維性多孔膜中に水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている液体試料分析用多層分析要素の製造方法であって、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度が40〜80℃であることを特徴とする製造方法が提供される。
【0010】
好ましくは、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度は50〜70℃である。
好ましくは、該ゾーンの露点温度は0〜20℃である。
さらに好ましくは、該ゾーンの露点温度は0〜10℃である。
【0011】
好ましくは、非繊維性多孔膜は、6,6−ナイロン、6−ナイロン、アクリレート共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンとポリスルホンの混合物、セルロースアシレート、セルロースアシレートの鹸化物、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフルオロカーボネート、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、またはこれらの混合物である。
さらに好ましくは、非繊維性多孔膜はポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロースアシレート、6,6−ナイロン、又は6−ナイロンである。
【0012】
好ましくは、本発明では、非繊維性多孔膜を機能層の上にラミネートした後に、水溶性ポリマーを非繊維性多孔膜に塗布・乾燥する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法で作成した液体試料分析用多層分析要素は、タイムコースのプラトーになるまでの時間が早くとれ、測定時間を短くすることができる。また、ある時間を過ぎると、ODが一定であるので、同時再現性が良好になる。さらに、測定がレート法の場合、内因性干渉物質の影響を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の液体試料分析用多層分析要素の製造方法は、水不透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層が、この順に積層一体化された液体試料分析用多層分析要素において、非繊維性多孔膜中に水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている液体試料分析用多層分析要素の製造方法であって、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度が40〜80℃であることを特徴とする。
【0015】
本発明の方法で製造される液体試料分析用多層分析要素においては、多孔性液体試料展開層として用いる非繊維性多孔膜中に、水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている。このような構成を採用することにより、非繊維性多孔膜内における検体の拡散速度が実質的に一定になっている。この手段として、本発明では、非繊維性多孔膜を機能層の上にラミネートした後に、下層と相互作用することなく水溶性高分子を非繊維性多孔膜に塗布・乾燥する。
【0016】
本発明においては、水溶性ポリマー水溶液を多孔性膜上に塗布した後、乾燥ゾーン内の温度40〜80℃(好ましくは、50〜70℃)の条件下で乾燥することにより、液体試料分析用多層分析要素を製造することができる。ここで言う乾燥ゾーン内の温度とは、乾燥ゾーン内の空気の温度のことを言う。乾燥ゾーン内の温度を上記範囲内にするための手段は特に限定されないが、通常は、ヒーターなどを使用して温度を制御することができる。また乾燥ゾーンは、1つだけでも構わないが、好ましくは2つ以上である。乾燥ゾーンを2つ以上設ける場合には、全ての乾燥ゾーン内の温度を40〜80℃に設定してもよいし、あるいは少なくとも一つ以上の乾燥ゾーン内の温度を40〜80℃に設定してもよい。
【0017】
また上記の乾燥ゾーンの露点温度は0〜20℃であることが好ましく、0〜10℃であることがさらに好ましい。
【0018】
展開層に分散させるポリマーとしては、水溶性ポリマーであれば、特に限定されない。例えば、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロースなどのセルロースエーテル、アルギン酸及びアルギン酸誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリエチレングリコールやポリエチレンオキシド、水溶性多糖類及びその誘導体、等が挙げられる。また、これらの共重合体でもよいし、混合して用いてもよい。
【0019】
展開層に分散させる水溶性ポリマーの量は、0.1〜10g/m2が好ましく、1.0〜5g/m2がさらに好ましい。
【0020】
水不透過性平面支持体としては、従来公知の乾式分析要素に用いられている水不透過性の支持体を用いることができる。水不透過性支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ビスフェノールAのポリカルボネート、ポリスチレン、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等)等のポリマーからなる厚さ約50μmから約1mm、好ましくは約80μmから約300μmの範囲のフィルムもしくはシート状の支持体を挙げることができる。
【0021】
支持体の表面には必要により下塗層を設けて、支持体の上に設けられる接着層と支持体との接着を強固なものにすることができる。また、下塗層の代りに、支持体の表面を物理的あるいは化学的な活性化処理を施して接着力の向上を図ってもよい。
【0022】
多層分析要素は、少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層を含む。多孔性液体試料展開層は、水性の検体に含有されている成分を実質的に偏在させることなしに平面的に拡げ、単位面積当りほぼ一定量の割合で、機能層に供給する機能を有する層である。
【0023】
多孔性液体試料展開層は、1層だけに限定する必要はなく、2層以上の非繊維性多孔膜を部分的に配置された接着剤により接着された積層物を用いることができる。また、少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層は特開昭57−66359に開示の物理的活性化処理、好ましくはグロー放電処理またはコロナ放電処理を非繊維性多孔膜の少なくとも片面に施すか、あるいは特開昭55−164356、特開昭57−66359等に開示の界面活性剤含浸処理、好ましくはノニオン性界面活性剤含浸処理、または親水性ポリマー含浸処理などの親水化処理、またはこれらの処理工程の二つ以上の組合わせを逐次実施することにより非繊維性多孔膜を親水化し、下側(支持体に近い側)の機能層との接着力の強化、または展開面積のコントロールをすることができる。更に、目的とする検出反応を行うための試薬、該検出反応を促進するための試薬、あるいは干渉・妨害反応を低減又は阻止するための各種試薬、もしくはこれらの試薬の一部を含ませることができる。
【0024】
本発明における多孔性液体試料展開層は、非繊維性多孔膜からなるものである。好ましくは、非繊維性多孔膜は有機高分子からなる多孔膜である。上記した有機高分子からなる多孔膜は、対称性膜又は非対称性膜の何れも使用することができる。非対称性多孔膜の場合、非対称率は好ましくは2.0以上であり、対称性多孔膜の場合、非対称率は好ましくは2.0未満である。本明細書で言う非対称性多孔膜とは、一方の表面の平均孔径が他方の表面の平均孔径よりも大きい多孔膜のことであり、非対称率とは、大きい方の平均孔径を小さい方の平均孔径で割った値のことである。
【0025】
有機高分子からなる多孔膜の好ましい具体例としては、6,6−ナイロン、6−ナイロン、アクリレート共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンとポリスルホンの混合物、セルロースアシレート、セルロースアシレートの鹸化物、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフルオロカーボネート、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0026】
上記の中でも、6,6−ナイロン、6−ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンとポリスルホンの混合物、セルロースアシレート、セルロースアシレートの鹸化物、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、またはこれらの混合物がさらに好ましい。
【0027】
さらに好ましくは、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロースアシレート、6,6−ナイロン、又は6−ナイロンであり、特に好ましくはポリスルホン、又はポリエーテルスルホンであり、最も好ましくはポリスルホンである。
【0028】
非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層の厚さ、孔径、空隙率、透水速度などに特に制限はないが、厚さについては50〜500μm、好ましくは50〜350μm、更に好ましくは80〜200μmであることが望ましい。孔径については好ましくは0.001〜100μm、更に好ましくは0.1〜50μm程度の平均孔径を有するものが望ましい。空隙率については好ましくは50〜95%、更に好ましくは60〜90%が望ましい。また透水速度については25℃で1Kg/cm2の圧力で水を透過させたときの透水量が好ましくは非繊維性多孔膜1cm2当たり1分間に1〜5000ml、更に好ましくは5〜2000mlであることが望ましい。
【0029】
本発明における液体試料分析用多層分析要素の構成例としては、(1)透明支持体上に、1または複数の機能層が設けられ、さらに該機能層の上に多孔性液体試料展開層が設けられている液体試料分析用多層分析要素、並びに、(2)透明支持体上に、1または複数の機能層が設けられ、さらに機能層の上に、試料分析用の試薬を含有する多孔性液体試料展開層が設けられている液体試料分析用多層分析要素、が挙げられる。即ち、本発明における多孔性液体試料展開層は、試料分析用の試薬を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0030】
また、多孔性液体試料展開層が試薬を含有する場合、予め多孔膜を試薬溶液に浸漬後、乾燥させることにより試薬含有膜を作製できる。また、別法として多孔膜上に試薬溶液を塗布後乾燥させることにより試薬含有非繊維性多孔膜を作製できるが、特に手段は限定されない。
【0031】
本発明における多層分析要素は、少なくとも1つの機能層を含む。機能層の数は1以上であれば特に限定されず、1層でもよいし、2層以上の複数の層とすることもできる。
【0032】
機能層の具体例としては、展開層と機能層を接着する接着層、液状試薬を吸水する吸水層、化学反応により生成した色素の拡散を防止する媒染層、ガスを選択的に透過させるガス透過層、層間での物質移動を抑制・促進させる中間層、内因性物質を除去する除去層、反射測光を安定に行うための光遮蔽層、内因性色素の影響を抑制する色遮蔽層、血球と血漿を分離する分離層、分析対象物と反応する試薬を含む試薬層、発色剤を含む発色層などが挙げられる。
【0033】
本発明の一例としては、例えば、支持体の上には、場合によっては下塗層等の他の層を介して、機能層として親水性ポリマー層を設けることができる。親水性ポリマー層としては、例えば、無孔性、吸水性かつ水浸透性の層であり、基本的に親水性ポリマーのみなる吸水層、親水性ポリマーをバインダーとし発色反応に直接関与する発色試薬の一部又は全部を含む試薬層、及び親水性ポリマー中に発色色素を固定し不動にする成分(例:媒染剤)を含有する検出層などを設けることができる。
【0034】
(試薬層)
試薬層は水性液体中の被検成分と反応して光学的に検出可能な変化を生じる試薬組成物の少なくとも一部が親水性ポリマーバインダー中に実質的に一様に分散されている吸水性で水浸透性の層である。この試薬層には指示薬層、発色層なども含まれる。
【0035】
試薬層のバインダーとして用いることができる親水性ポリマーは、一般には水吸収時の膨潤率が30℃で約150%から約2000%、好ましくは約250%から約1500%の範囲の天然または合成親水性ポリマーである。そのような親水性ポリマーの例としては、特開昭60−108753号公報等に開示されているゼラチン(例、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチン誘導体(例、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアクリレートグラフトゼラチン等)、アガロース、プルラン、プルラン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等をあげることができる。
【0036】
試薬層は架橋剤を用いて適宜に架橋硬化された層とすることができる。架橋剤の例として、ゼラチンに対する1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル等の公知のビニルスルホン系架橋剤、アルデヒド等、メタリルアルコールコポリマーに対するアルデヒド、2個のグリシジル基含有エポキシ化合物等がある。
【0037】
試薬層の乾燥時の厚さは約1μmから約100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは約3μmから約30μmの範囲である。また試薬層は実質的に透明であることが好ましい。
【0038】
本発明における多層分析要素の試薬層やその他の層に含める試薬としては、被験物質に応じてその検出に適した試薬を選択することができる。
例えば、アンモニア(被験物質がアンモニア又はアンモニア生成物質である場合)を分析する場合には、呈色性アンモニア指示薬として、ロイコシアニン染料、ニトロ置換ロイコ染料およびロイコフタレイン染料のようなロイコ染料(米国再発行特許第30267号明細書または特公昭58−19062号公報記載):ブロムフェノールブルー、ブロムクレゾールグリーン、ブロムチモールブルー、キノリンブルーおよびロゾール酸のようなpH指示薬(共立出版(株)、化学大辞典、第10巻63〜65頁参照):トリアリールメタン系染料前駆体: ロイコベンジリデン色素(特開昭55−379号および特開昭56−145273号各公報に記載):ジアゾニウム塩とアゾ染料カプラー:塩基漂白可能染料等を用いることができる。バインダーの重量に対する呈色性アンモニア指示薬の配合量は約1〜20重量%の範囲内であることが好ましい。
【0039】
被験物質であるアンモニア生成物質と反応してアンモニアを生成させる試薬は、酵素または酵素を含有する試薬であることが好ましく、被験物質であるアンモニア生成物質の種類に応じて、分析に適した酵素を選択して用いることができる。上記試薬として酵素を用いる場合には、その酵素の特異性からアンモニア生成物質と試薬の組み合わせが決定される。アンモニア生成物質と試薬としての酵素の組合せの具体例としては、尿素:ウレアーゼ、クレアチニン:クレアチニンデイミナーゼ、アミノ酸:アミノ酸デヒドロゲナーゼ、アミノ酸:アミノ酸オキシダーゼ、アミノ酸:アンモニアリアーゼ、アミン:アミンオキシダーゼ、ジアミン:アミンオキシダーゼ、グルコースおよびホスホアミダート:ホスホアミダートヘキソースホスホトランスフェラーゼ、ADP:カルバミン酸塩キナーゼおよび燐酸カルバモル、酸アミド:アミドヒドロラーゼ、ヌクレオ塩基:ヌクレオ塩基デアミナーゼ、ヌクレオシド/ヌクレオシドデアミナーゼ、ヌクレオチド:ヌクレオチドデアミナーゼ、グアニン:グアナーゼ等を挙げることができる。アンモニアを分析する場合の試薬層に用いることができるアルカリ性緩衝剤としては、pHが7.0〜12.0、好ましくは7.5〜11.5の範囲の緩衝剤を用いることができる。
【0040】
アンモニアを分析する場合の試薬層には、アンモニア生成物質と反応してアンモニアを生成させる試薬、アルカリ性緩衝剤およびフィルム形成能を有する親水性ポリマーバインダー以外にも必要に応じて湿潤剤、バインダー架橋剤(硬化剤)、安定剤、重金属イオントラップ剤(錯化剤)等を含有させることができる。重金属イオントラップ剤は、酵素活性を阻害するような重金属イオンをマスキングするために使用されるものである。重金属イオントラップ剤の具体例としては、EDTA・2Na、EDTA・4Na、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸のようなコンプレクサン(complexane)を挙げることができる。
【0041】
グルコース測定試薬組成物の例としては、米国特許3,992,158;特開昭54−26793;特開昭59−20853;特開昭59−46854;特開昭59−54962等に記載のグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン又はその誘導体、1,7−ジヒドロキシナフタレンを含む改良Trinder試薬組成物がある。
【0042】
(光遮蔽層)
前記試薬層の上に必要に応じて光遮蔽層を設けることができる。光遮蔽層は、光吸収性または光反射性(これらを合わせて光遮蔽性という。)を有する微粒子が少量の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散保持されている水透過性または水浸透性の層である。光遮蔽層は試薬層にて発生した検出可能な変化(色変化、発色等)を光透過性を有する支持体側から反射測光する際に、後述する展開層に点着供給された水性液体の色、特に試料が全血である場合のヘモグロビンの赤色等、を遮蔽するとともに光反射層または背景層としても機能する。
【0043】
光反射性を有する微粒子の例としては、二酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ型またはブルカイト型の粒子径が約0.1μmから約1.2μmの微結晶粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微粒子または微小フレーク等を挙げることができ、光吸収性微粒子の例としては、カーボンブラック、ガスブラック、カーボンミクロビーズ等を挙げることができ、これらのうちでは二酸化チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子が好ましい。特に好ましいのは、アナターゼ型二酸化チタン微粒子である。
【0044】
被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーの例としては、前述の試薬層の製造に用いられる親水性ポリマーと同様の親水性ポリマーのほかに、弱親水性の再生セルロース、セルロースアセテート等を挙げることができ、これらのうちではゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が好ましい。なお、ゼラチン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤(架橋剤)を混合して用いることができる。
【0045】
光遮蔽層は、光遮蔽性微粒子と親水性ポリマーとの水性分散液を公知の方法により試薬層の上に塗布し乾燥することにより設けることができる。また光遮蔽層を設ける代りに、前述の展開層中に光遮蔽性微粒子を含有させてもよい。
【0046】
(接着層)
試薬層の上に、場合によっては光遮蔽層等の層を介して、展開層を接着し積層するために接着層を設けてもよい。
【0047】
接着層は水で湿潤しているとき、または水を含んで膨潤しているときに展開層を接着することができ、これにより各層を一体化できるような親水性ポリマーからなることが好ましい。接着層の製造に用いることができる親水性ポリマーの例としては、試薬層の製造に用いられる親水性ポリマーと同様な親水性ポリマーがあげられる。これらのうちではゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が好ましい。接着層の乾燥膜厚は一般に約0.5μmから約20μm、好ましくは約1μmから約10μmの範囲である。
【0048】
なお、接着層は試薬層上以外にも、他の層間の接着力を向上させるため所望の層上に設けてもよい。接着層は親水性ポリマーと、必要によって加えられる界面活性剤等を含む水溶液を公知の方法で、支持体や試薬層等の上に塗布する方法などにより設けることができる。
【0049】
(吸水層)
本発明における多層分析要素には、支持体と試薬層の間に吸水層を設けることができる。吸水層は水を吸収して膨潤する親水性ポリマーを主成分とする層で、吸水層の界面に到達または浸透した水性液体試料の水を吸収できる層であり、全血試料を用いる場合には水性液体成分である血漿の試薬層への浸透を促進する作用を有する。吸水層に用いられる親水性ポリマーは前述の試薬層に使用されるもののなかから選択することができる。吸水層には一般的にはゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、特に前述のゼラチン又は脱イオンゼラチンが好ましく、試薬層と同じ前述のゼラチンが最も好ましい。吸水層の乾燥時の厚さは約3μmから約100μm、好ましくは約5μmから約30μmの範囲、被覆量では約3g/m2から約100g/m2、好ましくは約5g/m2から約30g/m2の範囲である。吸水層には後述するpH緩衝剤、公知の塩基性ポリマー等を含有させて使用時(分析操作実施時)のpHを調節することができる。さらに吸水層には公知の媒染剤、ポリマー媒染剤等を含有させることができる。
【0050】
(検出層)
検出層は、一般に、被検成分の存在下で生成した色素等が拡散し、光透過性支持体を通して光学的に検出され得る層で、親水性ポリマーにより構成することができる。媒染剤、例えばアニオン性色素に対してカチオン性ポリマーを、含んでもよい。吸水層は、一般に、被検成分の存在下で生成する色素が実質的に拡散しないような層を言い、この点で検出層とは区別される。
【0051】
試薬層、吸水層、接着層、展開層等には界面活性剤を含有させることができる。その例としてノニオン性界面活性剤がある。ノニオン性界面活性剤の具体例として、p−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、p−ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、p−ノニルフェノキシポリグリシドール、オクチルグルコシド等がある。ノニオン性界面活性剤を展開層に含有させることにより水性液体試料の展開作用(メータリング作用)がより良好になる。ノニオン性界面活性剤を試薬層又は吸水層に含有させることにより、分析操作時に水性液体試料中の水が試薬層または吸水層に実質的に一様に吸収されやすくなり、また展開層との液体接触が迅速に、かつ実質的に一様になる。
非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層を試薬層、吸水層または接着層等の機能層にラミネートするには特開昭55−164356、特開昭57−66359等に開示の方法に従うことができる。すなわち試薬層、吸水層または接着層等の機能層が塗布後未乾燥のうちに、または乾燥後の機能層に水、界面活性剤を含む水溶液、界面活性剤と親水性ポリマーを含む水溶液、有機溶媒または有機溶媒を含有する水溶液等をワイヤーバー塗布装置及びダイを用いた塗布装置等で実質的に均一に供給し、機能層を膨潤または溶解させ、ついで非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層を膨潤または溶解している機能層の上に実質的に均一に軽く圧力をかけながらラミネートし、一体化する。機能層の膨潤または溶解に際しては、赤外線ヒーター等の輻射熱の照射による加温、支持体にヒーターを接触させ加温する方法等を用いることができる。
【0052】
本発明における多層分析要素が対象とする被検物質は特に限定されず、任意の液体試料(例えば、全血、血漿、血清、リンパ液、尿、唾液、髄液、膣液などの体液;あるいは飲料水、酒類、河川水、工場廃水等)中の特定成分を分析することができる。例えば、アルブミン(ALB)、グルコース、尿素、ピリルビン、コレステロール、タンパク質、酵素(例えば、乳酸脱水素酵素、CPK(クレアチンキナーゼ)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパルテートアミノトランスフェラーゼ)、GGT(γ−グルタミルトランスペプチダーゼ)等の血中酵素)などを分析することができる。
【0053】
本発明における多層分析要素は、公知の方法により調製することができる。溶血試薬は塗布または含浸される試薬水溶液に予め加えておけばよい。他の方法としては、単独又は界面活性剤・展開面積制御のための親水性ポリマーなどを含む水溶液、有機溶媒(エタノール、メタノールなど)溶液又は水−有機溶媒混合液溶液を展開層の上から塗布して含浸させることもできる。これを用いた被験物質の分析も公知の方法に従って行なうことができる。
【0054】
例えば、本発明における多層分析要素は、一辺約5mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公昭57−283331号公報(対応米国特許4,169,751)、実開昭56−142454号公報(対応米国特許4,387,990)、特開昭57−63452号公報、実開昭58−32350号公報、特表昭58−501144号公報(対応国際公:WO083/00391)等に記載のスライド枠に収めて化学分析スライドとして用いることができ、これは製造,包装,輸送,保存,測定操作等の観点で好ましい。使用目的によっては、長いテープ状でカセットまたはマガジンに収めて用いたり、又は小片を開口のある容器内に収めて用いたり、又は小片を開口カードに貼付または収めて用いたり、あるいは裁断した小片をそのまま用いることなどもできる。
【0055】
本発明における多層分析要素は、例えば約2μL〜約30μL、好ましくは4μL〜15μLの範囲の水性液体試料液を、多孔性液体試料展開層に点着する。点着した多層分析要素を約20℃〜約45℃の範囲の一定温度で、好ましくは約30℃〜約40℃の範囲内の一定温度で1〜10分間インキュベーションする。多層分析要素内の発色又は変色を光透過性支持体側から反射測光し、予め作成した検量線を用いて比色測定法の原理により検体中の被験物質の量を求めることができる。
【0056】
測定操作は特開昭60−125543号公報、特開昭60−220862号公報、特開昭61−294367号公報、特開昭58−161867号公報(対応米国特許4,424,191)などに記載の化学分析装置により極めて容易な操作で高精度の定量分析を実施できる。なお、目的や必要精度によっては目視により発色の度合いを判定して、半定量的な測定を行ってもよい。
【0057】
本発明における多層分析要素は、分析を行うまでは乾燥状態で貯蔵・保管されるため、試薬を用時調製する必要がなく、また一般に乾燥状態の方が試薬の安定性が高いことから、試薬溶液を用時調製しなければならないいわゆる湿式法より簡便性、迅速性に優れている。また、微量の液体試料で、精度の高い検査を迅速に行うことができる検査方法としても優れている。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
実施例1(高温で乾燥させた分析要素の作製)
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレ−ト無色透明平滑なフィルムに下記組成の水溶液(pH=7.0)を、乾燥後の厚さが14μmになるように塗布し、乾燥した。
界面活性剤 11.63 g/m2
ゼラチン 16.34 g/m2
【0059】
ここで、界面活性剤は、ポリオキシ(2−ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(Surfactant 10G、 オーリン社製)を 用いた。次に上記フィルム上に約30g/m2の供給量で水を全面に供給して湿潤させた後、ポリスルフォン多孔膜HS200(「富士写真フィルム社」製)をラミネートした。
【0060】
上記の多孔膜上に下記組成の水溶液(pH=9.5)を、塗布・乾燥した。
ヒドロキシプロピルセルロース 3.9 g/m2
界面活性剤 0.62 g/m2
この水溶液を塗布乾燥する際、以下に示すとおり、4つの乾燥ゾーンの温度と露点温度を調整して乾燥させた。
【0061】
【表1】

【0062】
比較例1(比較的低温にて乾燥させた分析要素の作製)
下層は実施例1と全く同一の処方で、塗布した。
オーバーコート水溶液を下記条件にて、乾燥した。
この水溶液を塗布乾燥する際、以下に示すとおり、4つの乾燥ゾーンの温度と露点温度を調整して乾燥させた。
【0063】
【表2】

【0064】
上記の一体型多層分析要素を12mm×13mm四方のチップに切断し、マウント部材に収納して分析要素を作製した。実施例及び、比較例にて作製した分析要素に、下記構造式の赤色色素(富士写真フィルム社)3レベルの異なる濃度(0,0.2,0.4,0.8mg/ml)の7%BSA水溶液10μLを滴下して、540nmODを測定した。
【0065】
【化1】

【0066】
測定は、37℃でインキュベートしながら、前記540nmの波長について、6分間実施した。
その時のタイムコースを図1に示す。
前記タイムコースより、実施例で作成した分析要素及び、比較例で作成した分析要素各々について6分後のOD値及び、3分後のODをもとに検量線を作成し、その結果を図2に示す。
【0067】
実施例1で作成した分析要素の場合、6分後のODを用いて作成した検量線と、3分後のODを用いて作成した検量線は、ほぼ同等のダイナミックレンジを有する検量線となるが、比較例1で作成した分析要素の場合、3分後のODを用いて作成した検量線は、6分後のODを用いた場合に比較して、ODのレンジが狭くなっていることがわかる。
【0068】
次に、前記色素液0.8mg/mlを用いて、N=10の測定を行い、同時再現性を比較した。6分時と3分時の各々の検量線を用いて、換算した結果を表3に示す。表3より、実施例で作成した分析要素が短い時間でも、精度よく測定できることを確認した。
【0069】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、実施例と比較例の分析素子を用いたタイムコースの測定結果を示す。
【図2】図2は、実施例と比較例の分析素子について6分後のOD値及び3分後のODをもとに検量線を作成した結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水不透過性平面支持体の片面上に、少なくとも1つの機能層と少なくとも1つの非繊維性多孔膜からなる多孔性液体試料展開層が、この順に積層一体化された液体試料分析用多層分析要素において、非繊維性多孔膜中に水溶性ポリマーが機能層と相互作用することなく含まれている液体試料分析用多層分析要素の製造方法であって、該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度が40〜80℃であることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
該水溶性ポリマーを乾燥させるゾーンの少なくとも一つの温度が50〜70℃であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
該ゾーンの露点温度が0〜20℃である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
該ゾーンの露点温度が0〜10℃である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
非繊維性多孔膜が、6,6−ナイロン、6−ナイロン、アクリレート共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンとポリスルホンの混合物、セルロースアシレート、セルロースアシレートの鹸化物、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフルオロカーボネート、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、ポリメタクリル酸メチル、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、またはこれらの混合物である、請求項1から4の何れかに記載の製造方法。
【請求項6】
非繊維性多孔膜がポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セルロースアシレート、6,6−ナイロン、又は6−ナイロンである、請求項1から5の何れかに記載の製造方法。
【請求項7】
非繊維性多孔膜を機能層の上にラミネートした後に、水溶性ポリマーを非繊維性多孔膜に塗布・乾燥する、請求項1から6の何れかに記載の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−208063(P2006−208063A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17642(P2005−17642)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】