説明

多層構造の濾材

【課題】 カーボン粒子などの微細粒子を高効率で捕捉できながら、使用する無機質ウィスカー量を低減でき、且つ、無機質ウィスカーが流出しにくい濾材を提供する。
【解決手段】 パルプなどからなる上流側濾材層(5)及びパルプからなる下流側濾材層(7)の間に、多数の無機質ウィスカーを絡み合わせて構成したウィスカー層(6)を形成する。オイルは、上流側濾材層(5)、ウィスカー層(6)、下流側濾材層(7)の順に通過する。カーボン粒子などの粒径の小さい微細粒子は、ウィスカー層(6)の無機質ウィスカーによって捕捉される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンオイルや汚水や気体などの流体の濾過に用いられる濾材に関するものである。
【0002】
【発明の背景】通常、例えばディーゼルエンジンなどの内燃機関の潤滑経路中には、オイルクリーナを設けてある。そのオイルクリーナには、濾紙などのオイルフィルター(濾材)を内蔵してあり、そのオイルフィルターにオイルを通すことによって、オイル中に混入しているスラッジや金属粉やカーボン粒子などを濾過するようにしてある。
【0003】
【従来の技術】ところで、上記カーボン粒子は、スラッジなどに比べて非常に微細なため、通常の濾紙では確実に濾過することができない。この対策としては、従来、次のものが知られている。即ち、このオイルフィルターは、パルプからなる第1の濾紙と、パルプに無機質ウィスカーを含有させた第2の濾紙とを貼り合わせた2層構造にしてある。
【0004】そして、オイルを第1の濾紙・第2の濾紙の順に通過させることで、第1の濾紙でスラッジや金属粉などの比較的大きな粒子が濾過され、第2の濾紙でカーボン粒子などの微細粒子が濾過される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のオイルフィルターでは、次の課題があった。
■.上記第2の濾紙は、抄紙工程の際に、金網上に無機質ウィスカーを添加したパルプ溶液を流し込んで上記金網で抄くことで製造していたが、20%程度の無機質ウィスカーが抄かれずに残り、その20%程度の無機質ウィスカーが廃液と共に無駄に捨てられていた。
【0006】■.オイルフィルターでの上記微細粒子の捕捉率を十分に高くしようとすると、無機質ウィスカーの含有率をかなり高くしなければならないが、上記第2の濾紙に対して無機質ウィスカーの含有率を40%以上にすると、地合いがくずれ、また、水切れが悪くなって抄くことが非常に困難になる。しかも、無機質ウィスカーは高額であるため、無機質ウィスカーの含有率を高くするほど、オイルフィルターが高コストになってしまう。
【0007】■.上記オイルフィルターでは、無機質ウィスカーは、パルプと絡み合うことによってそのパルプに保持されている。このため、無機質ウィスカーが、オイル流によってパルプから離れてしまい、オイルと共に第2の濾紙から流出してしまうおそれがある。
【0008】本発明は、カーボン粒子などの微細粒子を高効率で捕捉できながら、使用する無機質ウィスカー量を低減でき、且つ、無機質ウィスカーが流出しにくい濾材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、例えば図1に示すように、次のように構成したものである。
[請求項1の発明]繊維状の材料からなる上流側濾材層(5)及び下流側濾材層(7)の間に、多数の無機質ウィスカーを絡み合わせて構成したウィスカー層(6)を形成し、上流側濾材層(5)、ウィスカー層(6)、下流側濾材層(7)の順に流体を通過させるように構成したものである。
【0010】[請求項2の発明]請求項1の発明の構成において、上流側濾材層(5)と下流側濾材層(7)との少なくとも一方に無機質ウィスカーをコーティングすることによって、ウィスカー層(6)を形成したものである。
【0011】[請求項3の発明]請求項2の発明の構成において、ウィスカー層(6)を形成するにあたって、5重量%〜70重量%の接着剤を配合したものである。
【0012】[請求項4の発明]請求項1から3の発明のいずれかの構成において、下流側濾材層(7)をパルプで構成したものである。
【0013】
【作用】本発明は、例えば図1に示すように、次のように作用する。
[請求項1の発明]流体は、上流側濾材層(5)、ウィスカー層(6)、下流側濾材層(7)の順に通過する。そして、上記流体が上流側濾材層(5)を通過する際には、その流体中に含まれているスラッジや金属粉などの比較的大きな粒子が主として濾過される。さらに、上記流体がウィスカー層(6)を通過する際には、その流体中に含まれているカーボン粒子などの微細粒子が主として濾過される。
【0014】即ち、無機質ウィスカーはパルプなどの繊維に比べて非常に細いので、ウィスカー層(6)では無機質ウィスカーが密に絡み合い、これによって流体中の微細粒子が、無機質ウィスカーと接触しやすくなって捕捉されやすくなる。そして、ウィスカー層(6)での無機質ウィスカーの密度が濃い分、ウィスカー層(6)を薄くしても微細粒子が無機質ウィスカーによって高効率で捕捉される。
【0015】一方、無機質ウィスカーが、上記流体の流れによってウィスカー層(6)から離脱しようとしても下流側濾材層(7)によって捕捉され、これによって濾材からの無機質ウィスカーの流出が阻止される。
【0016】[請求項2の発明]請求項2の発明は、上記作用に加え、さらに次のように作用する。上流側濾材層(5)と下流側濾材層(7)との少なくとも一方に無機質ウィスカーをコーティングすることによって、濾材層とウィスカー層(6)とが一体化し、無機質ウィスカーが濾材層に定着して剥がれにくくなる。
【0017】[請求項3の発明]請求項3の発明は、上記請求項2の発明の作用に加え、さらに次のように作用する。ウィスカー層(6)に接着剤を配合することにより、無機質ウィスカー同士が結合されて互いに固定されるとともに、そのウィスカー層(6)を介して上流側濾材層(5)と下流側濾材層(7)とが接着されて、上流側濾材層(5)とウィスカー層(6)と下流側濾材層(7)とが一体化する。しかも、接着剤の配合比率を5重量%〜70重量%にしたことにより、接着剤が5重量%未満のために上流側濾材層(5)や下流側濾材層(7)からウィスカー層(6)が剥がれやすくなることや、接着剤が70重量%を越えたために過剰な接着剤によってウィスカー層(6)が目詰まりして、通気性が悪くなり過ぎることが防止される。なお、上記接着剤の配合比率は、接着剤の種類に応じて選択されようになっており、例えば、接着剤がニトリル−ブタジエン−ラテックスの場合には、12重量%〜30重量%の配合比率が選択される。
【0018】[請求項4の発明]下流側濾材層(7)をパルプによって構成したことにより、そのパルプによって無機質ウィスカーが確実に捕捉される。
【0019】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用することから次の効果を奏する。
[請求項1の発明]■.ウィスカー層は、無機質ウィスカーを下流側濾材層上に降り積もらせ、あるいは塗布することなどで形成することができるため、無機質ウィスカーを無駄なく使うことができる。
【0020】つまり、従来のような、パルプ溶液に無機質ウィスカーを添加して抄くことによって濾材を製造するものでは、全ての無機質ウィスカーを抄くことは技術的に困難であるため、抄かれずに残った無機質ウィスカーが廃液と共に捨てられてしまう。これに対し、上述の無機質ウィスカーを下流側濾材層上に降り積もらせ、あるいは塗布することなどでウィスカー層を形成するのであれば、全ての無機質ウィスカーを無駄なく使うことが可能である。従って、使用する無機質ウィスカー量を低減することができる。
【0021】■.ウィスカー層で無機質ウィスカー同士が密に絡み合うことで、流体中の微細粒子が無機質ウィスカーと接触しやすくなるので、ウィスカー層が薄くても上記微細粒子を十分に捕捉できる。従って、上記微細粒子の捕捉作用を維持できる範囲でウィスカー層を薄くすることで、上記微細粒子を確実に濾過できながら、ウィスカー層が流体の流れの抵抗になることを低減できる。そして、ウィスカー層を薄くできることによっても、使用する無機質ウィスカー量を低減することができる。
【0022】■.ウィスカー層の無機質ウィスカーが、流体の流れによってウィスカー層から離脱しようとしても下流側濾材層によって捕捉され、無機質ウィスカーの濾材からの流出が防止されるので、無機質ウィスカーが濾過後の流体に不純物として混入して、濾過後の流体の純度を低下させることを確実に防止できる。
【0023】[請求項2の発明]請求項2の発明は、上記効果に加えてさらに次の効果を奏する。
■.上流側濾材層と下流側濾材層との少なくとも一方に無機質ウィスカーをコーティングすることにより、濾材層とウィスカー層とが一体化し、無機質ウィスカーが濾材層に定着して剥がれにくくなるので、ウィスカー層での無機質ウィスカーの密度が維持され、ウィスカー層による微細粒子の捕捉作用を長期間維持できる。
【0024】[請求項3の発明]請求項3の発明は、上記請求項2の発明の効果に加えてさらに次の効果を奏する。
■.ウィスカー層に接着剤を配合することにより、無機質ウィスカー同士が結合されて固定されるので、ウィスカー層から無機質ウィスカーが離脱することを確実に防止でき、ウィスカー層での無機質ウィスカーの密度が長期間維持され、ウィスカー層による微細粒子の捕捉作用をより長期間維持できる。また、ウィスカー層によって上流側濾材層と下流側濾材層とが接着されて、上流側濾材層とウィスカー層と下流側濾材層とが一体化するので、無機質ウィスカー同士の固定と、上流側濾材層と下流側濾材層とが同時に行え、その分、濾材の製造効率が向上する。
【0025】しかも、接着剤の配合比率を5重量%〜70重量%にしたので、接着剤の配合比率が少なくなり過ぎて上流側濾材層や下流側濾材層からウィスカー層が剥がれることや、接着剤が過剰になってウィスカー層が接着剤で目詰まりして通気性が悪くなることが防止され、微細粒子の捕捉作用を有する濾材を高品質に保つことができる。
【0026】[請求項4の発明]請求項4の発明は、上記発明の効果に加えてさらに次の効果を奏する。
■.下流側濾材層をパルプによって構成したので、ウィスカー層から離脱しようとする無機質ウィスカーの捕捉効果を最適にでき、無機質ウィスカーの濾材からの流出をより確実に防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる多層構造の濾材の実施の一形態についてオイルフィルターを例に図1R>1〜図3を用いて説明する。図1は上記多層構造の濾材の拡大断面図、図2は上記オイルフィルターの一例を示す斜視図、図3は上記多層構造の濾材の製造状態を示す概略図である。
【0028】上記オイルフィルター(1)は、図2に示すように、濾材(2)を菊花状に折畳成形し、その上下端を端板(3)でシールして構成してある。そして、上記オイルフィルター(1)をオイルクリーナ(4)内に収納し、オイルを上記濾材(2)を通過させることで(図2中の矢印参照)、オイル中に混入しているスラッジや金属粉やカーボン粒子などが濾過される。
【0029】次に、上記濾材(2)の詳細な構成を図1を用いて説明する。上記濾材(2)は、上流側濾材層(5)と下流側濾材層(7)との間にウィスカー層(6)を形成した3層構造になっている。そして、上記オイルは、上流側濾材層(5)、ウィスカー層(6)、下流側濾材層(7)の順に通過するようになっている。
【0030】上記上流側濾材層(5)は、オイル中に混入しているスラッジや金属粉などの比較的粒径の大きな粒子を主として捕捉するものであり、その空隙率が比較的大きくなるようにしてある(図5の表参照)。その上流側濾材層(5)の材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨンなどの合成樹脂製の繊維やガラス繊維やパルプの繊維などが適用される。
【0031】上記ウィスカー層(6)は、オイル中に混入しているカーボン粒子などの粒径の小さい微細粒子を主として捕捉するものであり、チタン酸カリウム、炭酸カルシウムなどの無機質ウィスカーを多数絡み合わせることで構成される。そして、そのウィスカー層(6)は、多数の無機質ウィスカー同士を接着剤によって互いに接着させることで、無機質ウィスカー同士を固定してある。その接着剤としては、スチレン−ブタジエン−ラテックス、ニトリル−ブタジエン−ラテックス、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが適用されるが、これら以外の樹脂であってもよい。また、上流側濾材層(5)と下流側濾材層(7)とは、上記接着剤によってウィスカー層(6)を介して互いに貼着されてある。
【0032】さらに、上記接着剤の配合比率は、5重量%〜70重量%程度の範囲内で選択される。つまり、接着剤が上記5重量%未満の場合には、上流側濾材層(5)や下流側濾材層(7)からウィスカー層(6)が剥がれやすくなり過ぎて好ましくない。一方、接着剤が上記70重量%を越えた場合には、過剰な接着剤によってウィスカー層(6)が目詰まりして通気性が悪くなり過ぎて好ましくない。なお、上記接着剤の配合比率は、接着剤の種類に応じて選択されようになっている。即ち、接着剤の種類によって接着力や粘性などの特性が異なるため、その特性に対応させて配合比率が上述の5重量%〜70重量%程度の範囲内から選択される。例えば、接着剤がニトリル−ブタジエン−ラテックスの場合には、12重量%〜30重量%程度の配合比率が選択される。
【0033】上記下流側濾材層(7)は、オイル流によって無機質ウィスカーがウィスカー層(6)から離脱しないように、その無機質ウィスカーを主として捕捉するものである。その下流側濾材層(7)の材料としては、パルプが最適であるが、パルプ以外の材料であってもよい。
【0034】次いで、上記濾材(2)の製造の一例について図3を用いて説明する。即ち、原反(10)から下流側濾材層(7)用の原紙(11)を繰り出し、その原紙(11)の一面に、無機質ウィスカーと接着剤とを混合させたペースト状液体(12)をコーターローラ(13)でコーティングする。
【0035】一方、原反(15)から上流側濾材層(5)用の原紙(16)を繰り出し、その原紙(16)を上記下流側濾材層(7)用の原紙(11)のコーティング面に重ねたのち、乾燥炉(17)に導入して乾燥させる。これにより、上流側濾材層(5)とウィスカー層(6)と下流側濾材層(7)との多層構造の濾材(2)が製造される。
【0036】なお、上記ペースト状液体(12)は、上流側濾材層(5)用の原紙(16)にコーティングしてもよい。また、下流側濾材層(7)用の原紙(11)と上流側濾材層(5)用の原紙(16)との双方に上記ペースト状液体(12)をコーティングし、それらのコーティング面を互いに貼り合わせてウィスカー層(6)を形成してもよい。
【0037】さらに、上記ペースト状液体(12)をフィルムに塗布したのち、そのペースト状液体(12)の上から下流側濾材層(7)用の原紙(11)を密着させて、上記ペースト状液体(12)を上記原紙(11)に付着させる。その後、上記フィルムを上記原紙(11)から剥がして、上流側濾材層(5)用の原紙(16)を重ねて乾燥させることで濾材(2)を製造してもよい。
【0038】次に、本発明の上記オイルフィルター(1)[以下、実施例という]と、従来のオイルフィルター[以下、従来例1〜3という]との測定結果を図4と図5とにそれぞれ挙げて比較する。図4は、液体(水)に混入させた粒子の粒径を変化させたときの実施例と従来例1〜3との濾過効率の測定結果を示しており、実線Aが実施例の濾過効率、一点鎖線Bが従来例1の濾過効率、二点鎖線Cが従来例2の濾過効率、破線Dが従来例3の濾過効率をそれぞれ示している。
【0039】なお、従来例1〜3のものはいずれも、パルプからなる第1の濾紙と、パルプに無機質ウィスカーを含有させた第2の濾紙とを貼り合わせた2層構造になっており、これらの従来例1〜3では、無機質ウィスカーの含有量がオイルフィルター全体として20重量%程度になっている(図5の表での灰分の欄参照)。
【0040】図5は、従来例1〜3と実施例とにおける、透気度・最大気孔径・空隙率・灰分の各測定結果を示している。なお、灰分は、ほぼ無機質ウィスカーの量を示しており、実施例では、無機質ウィスカーはウィスカー層(6)のみに含まれるため、そのウィスカー層(6)での灰分のみが示されている。また、灰分の欄でのパーセント表示は、濾紙に対する灰分の重量比率を示している。
【0041】そして、図4と図5との測定結果からわかるように、実施例では、従来例1〜3に比べて全体としての透気度が小さくなってオイルが通りやすいにもかかわらず、粒径が小さい粒子であっても従来例1〜3のいずれよりも濾過効率は高くなっている。しかも、図5の灰分の欄に示すように、実施例では、従来例1〜3に比べて無機質ウィスカーの使用量も少ない。
【0042】このように、本発明では、従来のものに比べ、濾過効率を高くできながら、オイルフィルターがオイルの流れの抵抗になることを低減できるとともに、無機質ウィスカーの使用量を少なくできる。
【0043】なお、上記ウィスカー層(6)の無機質ウィスカーは耐油性が高いために、本発明の濾材(2)は、オイルの濾過に適しているが、これに限られるものではなく、汚水や気体などの各種の流体の濾過に用いることもできる。
【0044】また、下流側濾材層(7)はパルプで形成することが好ましいが、無機質ウィスカーを捕捉できるものであれば他の繊維状の材料を用いてもよい。さらに、ウィスカー層(6)は、無機質ウィスカーと接着剤との以外のものを配合してあってもよい。また、上流側濾材層(5)を多層構造にし、層別に濾過可能な粒子の粒径を異ならしてもよい。つまり、上記オイルフィルター(1)は、4層以上に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層構造の濾材の実施の一形態を示すもので、その多層構造の濾材の拡大断面図である。
【図2】上記濾材を適用したオイルフィルターの一例の全体を示す斜視図である。
【図3】上記多層構造の濾材の製造状態を示す概略図である。
【図4】本発明のオイルフィルターと、従来のオイルフィルターとの濾過効率の測定結果を示すグラフである。
【図5】本発明のオイルフィルターと、従来のオイルフィルターとにおける、透気度・最大気孔径・空隙率・灰分の各測定結果を示す表である。
【符号の説明】
5…上流側濾材層、6…ウィスカー層、7…下流側濾材層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維状の材料からなる上流側濾材層(5)及び下流側濾材層(7)の間に、多数の無機質ウィスカーを絡み合わせて構成したウィスカー層(6)を形成し、上記上流側濾材層(5)、上記ウィスカー層(6)、上記下流側濾材層(7)の順に流体を通過させるように構成した、ことを特徴とする多層構造の濾材。
【請求項2】 請求項1に記載の多層構造の濾材において、前記上流側濾材層(5)と前記下流側濾材層(7)との少なくとも一方に前記無機質ウィスカーをコーティングすることによって、前記ウィスカー層(6)を形成した、ことを特徴とする多層構造の濾材。
【請求項3】 請求項2に記載の多層構造の濾材において、前記ウィスカー層(6)を形成するにあたって、5重量%〜70重量%の接着剤を配合した、ことを特徴とする多層構造の濾材。
【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の多層構造の濾材において前記下流側濾材層(7)をパルプで構成した、ことを特徴とする多層構造の濾材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開平11−33319
【公開日】平成11年(1999)2月9日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−195654
【出願日】平成9年(1997)7月22日
【出願人】(594117179)安積濾紙株式会社 (11)
【出願人】(596168199)松林工業株式会社 (1)