説明

多層構造樹脂粒子の製造方法

【課題】本発明の課題は、多層構造樹脂粒子を簡便に製造する方法を提供することである。
【解決手段】樹脂で構成され、表面に電荷(q)を有する中心層(L0)を分散させた分散液(D0)又は樹脂層で表面が構成され、表面に電荷(q)を有する多層粒子を分散させた分散液(Dn)に、粒径が中心層(L0)又は多層粒子の粒径の10分の1以下であり、電荷(q)と反対の電荷(r)を有する樹脂粒子(P0)を添加することにより、中心層(L0)又は多層粒子の表面に樹脂粒子(P0)からなる樹脂層を形成させ多層粒子分散液を得た後、上記操作を繰り返して多層構造粒子を得る製造工程を含むことを特徴とする多層構造樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層構造樹脂粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多層構造を有する粒子としては、例えば、水に対する界面張力の差が0.1(mN/m)を超える関係を満たす2種のポリマー層が同心状に交互に4層以上積層した多層高分子微粒子(例えば、特許文献1参照)、架橋メチルメタクリレート層、架橋弾性アルキルアクリレート層及び硬質熱可塑性メチルメタクリレート層からなる多層構造重合体粒子(例えば、特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開2004-35785号公報
【特許文献2】特開2004-352837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の多層高分子微粒子の製造方法は、特殊なブロック共重合体又はグラフト共重合体を使用しなければならず、工業的に有利な方法とは言い難いという問題がある。
本発明の課題は、多層構造樹脂粒子を簡便に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、樹脂で構成され、表面に電荷(q)を有する中心層(L0)を分散させた分散液(D0)又は樹脂層で表面が構成され、表面に電荷(q)を有する多層粒子を分散させた分散液(Dn)に、粒径が中心層(L0)又は多層粒子の粒径の10分の1以下であり、電荷(q)と反対の電荷(r)を有する樹脂粒子(P0)を添加することにより、中心層(L0)又は多層粒子の表面に樹脂粒子(P0)からなる樹脂層を形成させ多層粒子分散液を得た後、上記操作を繰り返して多層構造粒子を得る製造工程を含むことを特徴とする多層構造樹脂粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の製造方法をもちいれば、多層構造樹脂粒子を簡便に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
<多層構造粒子の製造方法>
中心層(L0)が球状樹脂層の場合、中心層(L0)は、一般的な乳化重合法、懸濁重合法、ミニエマルジョン法又は分散重合法等により得られる。
【0007】
中心層(L0)が非球状樹脂層の場合、中心層(L0)は、次の公知の方法{(1)〜(5)の}等で製造される。
(1)乳化重合法及び懸濁重合法等において、連続相に増粘剤{水溶性高分子ポリマー(ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドン等)}を添加して、攪拌下で重合反応させる方法。
【0008】
(2)熱可塑性樹脂を溶媒に分散し、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱して、高シェア下で攪拌・冷却することにより製造する方法。
【0009】
(3)樹脂粒子を溶媒で膨潤させ、高シェア下で溶媒を除去することにより製造する方法。
【0010】
(4)乳化重合法及び懸濁重合法等において、モノマーを架橋剤と共に共重合させて、架橋反応による体積収縮を利用して、製造する方法。
【0011】
(5)樹脂粒子を粉砕して製造する方法。
【0012】
これらのうち、光散乱性及び表面平滑性の観点から、(1)、(2)又は(3)の方法が好ましい。
【0013】
本発明の製造方法で得られる多層構造樹脂粒子は、中心層(L0)をコアとし、コアの中心に対して同心状に2層以上の層(Ln)を積層することにより製造できる。
【0014】
樹脂で構成され、表面に電荷(q)を有する中心層(L0)としては、表面にイオン性基{工程(32)におけるイオン性基と同じ。}を有することが好ましい。
電荷(q)としては、0.1mV以上のζ(ゼータ)電位又は−0.1mV以下のζ(ゼータ)電位が好ましい。
【0015】
分散液の分散溶媒としては、水、炭素数4以下のアルコール等が用いられる。
【0016】
中心層(L0)又は多層粒子の分散溶媒への分散は、均一分散させることが好ましい。
分散方法としては特に限定されないが、公知のホモジナイザーを用いる方法、超音波により分散する方法等が好ましい。
分散液中の中心層(L0)又は多層粒子の含有量(体積%)は、分散液の体積に基づいて、0.01〜50が好ましく、さらに好ましくは0.02〜40である。
【0017】
樹脂粒子(P0)としては、電荷(q)と反対の電荷(r)を有し、粒径が中心層(L0)又は多層粒子の粒径の10分の1であれば特に限定されない。
樹脂粒子(P0)は、一般的な乳化重合、懸濁重合、ミニエマルジョン法又は分散重合等により得られる。これらのうち、粒径制御の観点から、乳化重合が好ましい。
中心層(L0)又は多層粒子の体積平均粒径(μm)は、0.1〜20が好ましい。
樹脂粒子(P0)の体積平均粒径(μm)は、0.01〜2が好ましく、さらに好ましくは0.02〜1である。
【0018】
中心層(L0)又は多層粒子の含有量(体積%)は、分散液の体積に基づいて、0.01〜50が好ましい。
樹脂粒子(P0)の含有量(重量%)は、中心層(L0)又は多層粒子の重量に基づいて、0.1〜100が好ましく、さらに好ましくは5〜100である。
【0019】
樹脂層を形成した多層粒子は、遠心分離、減圧濾過、加圧ろ過又は凍結乾燥等により単離されることが好ましく、この分散液を用いて同様な操作が繰り返され、多層構造粒子が製造される。分散液(Dn)に粒子(P0)を添加することにより、中心層(L0)又は多層粒子の表面に粒子(P0)からなる層を形成させる際の温度(℃)は、5〜40が好ましい。
【0020】
<多層構造樹脂粒子>
本発明の製造方法で得られる多層構造樹脂粒子は、中心層(L0)をコアとし、コアの中心に対して同心状に2層以上の層(Ln)を積層した構造を有し、隣合う層の屈折率差(25℃)のすべてが0.01〜1.5であり、中心層(L0)及び層(Ln)が樹脂層(R)であることを特徴とする多層構造粒子である。
【0021】
中心層(L0)は、コアを構成していれば外形状に制限はないが、平均円形度0.96〜1の球状粒子又は平均円形度0.7以上0.96未満の非球状粒子であることが好ましく、さらに好ましくは平均円形度0.97〜1の球状粒子及び平均円形度0.80〜0.95の非球状粒子、特に好ましくは平均円形度0.98〜1の球状粒子及び平均円形度0.85〜0.93の非球状粒子である。
平均円形度は、粒子の断面積のうち「最大の断面積」を、真円に換算したときの円周距離(r1)を算出し、この円周距離(r1)を最大の断面積の「実測円周距離(r2)」で割った値を、少なくとも1000個の粒子について求め、これらの値の算術平均値である。
「最大の断面積」は、試料の分散液を狭い間隙に流して流れ方向に対し垂直方向から光を照射して、得られる影を画像処理することにより得られる。
「実測円周距離(r2)」は、「最大の断面積」を得る際に得た画像処理データを細分割し、円周上の分割点をカウントすることにより得られる。
【0022】
すべての層(Ln)は、コアの中心に対して同心状に積層されている。また、層(Ln)は2層以上であり、広範囲の特定波長の光の選択的な透過又は反射の観点等から、3層以上が好ましく、さらに好ましくは4層以上、特に好ましくは5層以上、最も好ましくは6層以上である。一方、製造の観点等から、30層以下が好ましい。
【0023】
層(Ln)のnは、各層に対応し、1以上の整数であって、中心層(L0)に隣接する層のnは1であり、外側に向かいnは増加する。すなわち、中心層(L0)の表面に層(L1)が積層され、層(L1)の表面に層(L2)が積層され、順に外側に層(L3)、(L4)・・・が積層される。
【0024】
中心層(L0)及び層(Ln)のすべての層において、隣合う層の屈折率差(25℃)のすべては、0.01〜1.5が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5である。この範囲であると、広範囲の特定波長の光の選択的な透過又は反射がさらに良好となる。
【0025】
屈折率(25℃)は、a1の屈折率を持つベースフィルム(厚みv1)に、膜厚v2の層(Ln)を形成し、積層フィルムを得た後、積層フィルムの屈折率(W)を測定し、次式から層(Ln)の屈折率(a2)を求める。
a2=[W−(a1・v1/(v1+v2))]×[(v1+v2)/v2]
【0026】
層(Ln)のそれぞれの厚さ(μm)は、0.01〜3が好ましい。広範囲の特定波長の光の選択的な透過の観点等から、さらに好ましくは0.01〜0.2、特に好ましくは0.02〜0.1である。一方、広範囲の特定波長の光の選択的な反射(拡散)の観点等から、さらに好ましくは0.1〜3、特に好ましくは0.5〜2である。
【0027】
中心層(L0)の厚さ(μm)は、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.5である。
中心層(L0)の厚さは、中心層(L0)を形成するコアの中心から中心層表面までの平均距離を意味する。
【0028】
中心層(L0)及び層(Ln)の厚さは、多層構造粒子を樹脂で固め、ダイヤモンドカッター等で切断し、多層構造粒子の断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いて測定することができる。
【0029】
層(Ln)のうち少なくとも1層の厚さの標準偏差は、光の均一干渉の観点から、30%以下が好ましく、さらに好ましくは25%以下である。
【0030】
本発明の製造方法で得られる多層構造樹脂粒子の体積平均粒子径(μm)は、色純度又は光の散乱性の観点から、0.1〜20が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15、特に好ましくは1〜10である。
体積平均粒子径は、測定試料を水に分散させ、光散乱方式の粒度分布測定器{たとえば、堀場製作所社製LA−950}を用いて測定できる。
【0031】
中心層(L0)の体積(体積%)は、光の透過性の観点から、多層構造粒子の体積に基づいて、5〜98が好ましく、さらに好ましくは10〜90である。
中心層(L0)の体積は、多層構造粒子を樹脂で固め、ダイヤモンドカッター等で切断し、多層構造粒子の断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いて測定することができる。
【0032】
中心層(L0)及び層(Ln)は、樹脂層(R)である。
樹脂層(R)を構成できる樹脂としては、着色がなく、造膜性のあるものが含まれ、透明性及び屈折率の観点から、ポリウレタン、ポリエステル、ビニル樹脂、フッ素樹脂及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、さらに好ましくはビニル樹脂、フッ素樹脂及びポリアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0033】
樹脂層(R)には架橋樹脂を含有することが好ましい。
架橋樹脂としては、1分子内にビニル基を2つ以上有するモノマーを共重合した架橋ビニル樹脂、1分子内に3つ以上のイソシアナト基を有するモノマー又はプレポリマーを共重合した架橋ウレタン樹脂、グリシジル基、アミノ基若しくはカルボキシ基を1分子中に3つ以上有するモノマー又はプレポリマーを共重合した架橋エポキシ樹脂、アミノ基、カルボキシ基若しくは無水カルボキシ基{1,3−オキソ−2−オキサプロピレン基}を1分子中に3つ以上有するモノマー又はプレポリマーを共重合した架橋ポリアミド等が挙げられる。
架橋樹脂を含む場合、架橋樹脂の含有量(重量%)は、樹脂層(R)の重量に基づいて、30〜100が好ましく、さらに好ましくは50〜100である。
【0034】
本発明の製造方法で得られる多層構造樹脂粒子は外形状に制限はないが、平均円形度0.96〜1の球状粒子又は平均円形度0.7以上0.96未満の非球状粒子であることが好ましく、さらに好ましくは平均円形度0.97〜1の球状粒子及び平均円形度0.80〜0.95の非球状粒子、特に好ましくは平均円形度0.98〜1の球状粒子及び平均円形度0.85〜0.93の非球状粒子である。本発明の多層構造粒子の外形状は、中心層(L0)の外形状に大きく左右される。
【0035】
層の厚さが0.01〜0.2μmの多層構造では、ある層で反射する光と、その内側の層又は外側の層で反射する光とが干渉するため、層の厚さ及び屈折率に対応した波長光が色づいて見える(構造色を呈する。)。そして、構造色は見る角度によって様々な色彩が見られるが、多層構造粒子が球状粒子である場合、見る角度が一定となり、一つの色彩(単一光)が見られることとなる。また、隣り合う層の屈折率差が大きくなる程、また、層の数が多くなる程、反射効率が大きくなり{入射光に対して反射光の量が多くなり}、強い構造色が得られる。
【0036】
一方、層の厚さが0.1〜3μmの多層構造では、光の干渉は起こらず、各層において反射が生じる。そして、層の数が多くなる程、効率的な光散乱を生じる。また、球状粒子に比較して、非球状粒子の方が光拡散が効率的に生じる。
【0037】
中心層(L0)及び層(Ln)のうち、少なくとも1層に、着色剤(D)を含有することが好ましい。着色剤(D)としては、発色光の純度及び色再現性の観点から、染料、顔料及び蛍光体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0038】
染料としては、acid alizarin violet N、acid black、acid blue、acid chrome violet K、acid Fuchsin、acid green、acid orange、acid red、acid violet 6B、Direct yellow、Direct Orenge、Direct Violet、Direct Blue、Direct Green、Mordant Yellow、Mordant Orange、Mordant Violet、Mordant Green、Food Yellow 3及びこれらの染料の誘導体が挙げられる。また、これら以外の染料{アゾ系、キサンテン系又はフタロシアニン系の酸性染料}も使用でき、C.I.Solvent Blue 44,38、C.I.Solvent Orenge 45、Rhodamine B、Rhodamine 110、2,7-Naphthalenedisulfonic acid及びこれらの染料の誘導体も使用できる。
【0039】
顔料としては、赤色着色剤{C.I.ピグメントレッド 254と、C.I.ピグメントレッド 177の混合物等}、緑色着色剤{C.I.ピグメントグリーン36と、C.I.ピグメントイエロー150又はC.I.ピグメントイエロー138との混合物等}及び青色着色剤{C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60及びC.I.ピグメントブルー64等}等が挙げられる。
【0040】
蛍光体としては、無機蛍光体{希土類元素(亜鉛、カドミニウム、マグネシウム、シリコン及びイットリウム等)等の酸化物、硫化物、珪酸塩、バナジン酸塩等}及び有機蛍光体{フルオレセイン、エオシン及び油類(鉱物油)等}等から選択される。付活体は、銀、銅、マンガン、クロム、ユウロピウム、亜鉛、アルミニウム、鉛、リン、砒素及び金等から選択される。溶剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸マグネシウム及び塩化バリウム等から選択される。
【0041】
着色剤(D)を含有する場合、着色剤(D)の含有量(重量%)は、多層構造粒子の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5である。
【0042】
本発明の製造方法で得られる多層構造粒子は、ディスプレー用カラーフィルター、樹脂フィルム、コーティング材料{着色塗料、艶消し塗料、反射板・反射フィルム用塗料等}及び光拡散フィルム等に適用できる。この他に、顔料や染料としても使用できる。
【0043】
本発明の製造方法で得られる多層構造粒子が、球状の場合、ディスプレー用カラーフィルターに適しており、非球状の場合、光拡散フィルムに適している。樹脂フィルムやコーティング材料には、球状粒子及び非球状粒子のいずれの場合も適している。
カラーフィルターは、たとえば、球状の多層構造粒子{5〜20重量%}及びバインダー等を分散した分散液をインクジェットノズルでガラス基板上に吐出し、配置させた後、乾燥することにより製造できる。
【0044】
光拡散フィルム及び樹脂フィルムは、(1)フィルム用樹脂及び多層構造粒子を溶融混練し、押し出し延伸成形する方法、(2)多層構造粒子を樹脂溶液に分散して、これをキャストして製膜する方法、及び(3)多層構造粒子をモノマーに分散した後、重合する方法等により製造できる。
多層構造粒子の含有量(重量%)は、フィルム用樹脂及び多層構造粒子の合計重量に基づいて、1〜80が好ましく、さらに好ましくは5〜50である。
フィルム用樹脂としては、光学用樹脂{たとえば、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリカーボネート及びポリエステル}、及びバインダー樹脂{たとえば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びポリエステル}等が挙げられる。
【0045】
コーティング材料は、公知の塗料やインクに使用される原材料{バインダー及び溶剤等}と、本発明の多層構造粒子とを混合することにより得られる{多層構造粒子が混合による剪断応力によって破壊されないように注意が必要である。}。
【実施例】
【0046】
実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、部は重量部、%は重量%を示すものとする。
【0047】
<製造例1>
アセトン550部、ジエタノールアミン132部、ヘキサメチレンジイソシアネート268部及びジブチル錫ジラウレート10部を均一混合しながら、80℃12時間反応させた後、ジメチル硫酸40部を加えさらに50℃で8時間反応させ、カチオン性樹脂溶液を得た。
ついで、ローター−ステーター型分散機[TKホモミキサー:特殊機化工業社製]を用いて、イオン交換水500部を8000rpmの攪拌しながら、この中にカチオン性樹脂溶液500部を入れ、1分間攪拌した後、アセトンを減圧留去{35℃、12時間}して、カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液{体積平均粒径0.03μm}を得た。
【0048】
<製造例2>
イオン交換水700部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム20部及び過硫酸アンモニウム5部を均一混合して水相とした。一方、スチレン80部、メタクリル酸60部及びメタクリル酸メチル60部を均一混合して油相を得た。ついで、水相を80℃まで加熱し、これに油相を2時間かけて滴下し、4時間反応させた後、過硫酸アンモニウム2部を加え、さらに4時間反応させて、アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液{体積平均粒径0.04μm}を得た。
【0049】
<製造例3>
イオン交換水800部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を均一混合して水相を得た。一方、スチレン80部、メタクリル酸60部、メタクリル酸メチル60部、ジビニルベンゼン20部、アゾビスブチロニトリル5部及びアニオン性の反応性界面活性剤[エレミノールJS−2:三洋化成工業社製]15部を均一混合して油層を得た。ついで、水相に、油層を全量加え、ローター−ステーター型分散機[TKホモミキサー:特殊機化工業社製]を用いて4000rpm、1分間攪拌した後、攪拌装置を有する耐圧容器に移し、85℃、12時間反応させ、非球状樹脂粒子(LB−1)を含む分散液を得た。非球状樹脂粒子(LB−1)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径4.1μm、平均円形度0.91}。
【0050】
<製造例4>
イオン交換水700部、非球状樹脂粒子(LB−1)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部、塩酸1部を均一混合した後、これにカチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液50部を加え、1時間攪拌して、2層構造非球状樹脂粒子(LB−2)を含む分散液を得た。2層構造非球状樹脂粒子(LB−2)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径4.2μm、平均円形度0.91}。
【0051】
<実施例1>
イオン交換水700部、2層構造非球状粒子(LB−2)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部を均一混合した後、これにアニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液50部を加え、1時間攪拌して、3層構造非球状樹脂粒子(LB−3)を含む分散液を得た。3層構造非球状樹脂粒子(LB−3)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径4.3μm、平均円形度0.92}。
【0052】
<実施例2>
「非球状樹脂粒子(LB−1)」を「3層構造非球状樹脂粒子(LB−3)」に変更したこと以外、製造例4と同様にして、4層構造非球状樹脂粒子を得た後、「非球状樹脂粒子(LB−1)」を「4層構造非球状樹脂粒子」に変更したこと、及び「カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液」を「アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液」に変更したこと以外、製造例4と同様にして、5層構造非球状樹脂粒子を得た。引き続いて、「多層構造球状粒子」を変更したこと、及び「カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液」と「アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液」とを交互に変更したこと以外、製造例4と同様の操作を繰り返すことにより、10層構造非球状粒子(LB−4)を得た{体積平均粒径5.1μm、平均円形度0.93}。
【0053】
実施例1〜2で得た多層構造粒子について、層の数(n)、体積平均粒子径、平均円形度、各層の屈折率、中心層(L0)の体積を表1にまとめた。なお、層の数(n)、体積平均粒径、平均円形度及び各層の屈折率は下記の方法で測定した。
【0054】
(1)体積平均粒径及び平均円形度の評価
多層構造球状粒子1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部及びイオン交換水98部を混合し、超音波を30分間照射して分散液を調製した。この分散液の体積平均粒子径及び平均円形度を、フロー式粒子画像解析装置[シスメックス社製:FPIA−3000]で測定した。
【0055】
(2)平均層厚さ、層の数(n)の測定
多層構造球状粒子をエポキシ樹脂{エピコート828、ジャパンエポキシレジン株式会社、「エピコート」は、リソリューション リサーチ ネーデルランド ベスローテン フエンノートシャップの登録商標である。}に均一分散し、加熱硬化した後、硬化体をマイクロカッターで切断し、その断面を透過電子顕微鏡(TEM)で観察し、一層につき10点の厚みを測定し、この平均値を算出した。
層の数(n)は断面を観察することにより確認した。
【0056】
(3)各層の屈折率の測定
樹脂層の場合、樹脂溶液をアプリケーターで、塗布して測定試料を調製した。一方、金属酸化物層の場合、ゾル−ゲル法で、測定試料を調製した。
屈折率は、この薄膜をアッベ屈折計[株式会社アタゴ社製:NAR−4T]を用いて、25℃で測定した。
【0057】
【表1】

【0058】
注)1.すべてのカチオン性樹脂層について、平均厚さ、標準偏差は同じであった。
2.すべてのアニオン性樹脂層について、平均厚さ、標準偏差は同じであった。
3.平均層厚さ;全ての層の平均値である。
【0059】
実施例1及び2、製造例3で得た多層構造非球状粒子について、全光線透過率及びヘイズを以下の方法で評価し、この結果を表2に示した。
【0060】
<全光線透過率及びヘイズ>
メタクリル酸メチル189部、光重合開始剤[IRGNOX1010:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製]1部、評価試料{多層構造非球状粒子又は非球状粒子}10部を混合し、超音波を5分間照射して、分散液を得た。この分散液を50mm×50mmのガラス基板上に、液膜厚さが200μmになるようアプリケーターで塗布し、紫外線ランプから紫外線を10秒間照射することにより樹脂フィルム(A)を形成した。
【0061】
メタクリル酸メチルを「189部」から「169部」に変更したこと、及び評価試料を「10部」から「30部」に変更したこと以外、上記と同様にして、樹脂フィルム(B)を形成した。
【0062】
ヘイズメーターNDH2000(日本電色社製)を使用し、樹脂フィルム(A)又は(B){ガラス基板を含む}の全光線透過率及びヘイズを測定した。
なお、ヘイズが高いほど、光の拡散性が高く、全光線透過率が高いほど、光の損失が小さいことを示す。
【0063】
【表2】

【0064】
実施例1〜2で得た多層構造非球状粒子を用いた樹脂フィルムは、本来、相反関係にあるヘイズと全光線透過率との両方に優れていた。一方、製造例3で得た非球状粒子は、ヘイズ及び全光線透過率の両方に劣った。
【0065】
<製造例5>
イオン交換水800部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を均一混合して水相を得た。一方、スチレン100部、メタクリル酸60部、メタクリル酸メチル60部、アゾビスブチロニトリル5部及びアニオン性の反応性界面活性剤[エレミノールJS−2:三洋化成工業社製]15部を均一混合して油層を得た。ついで、水相に、油層を全量加え、ローター−ステーター型分散機[TKホモミキサー:特殊機化工業社製]を用いて8000rpm、1分間攪拌した後、攪拌装置を有する耐圧容器に移し、85℃、12時間反応させ、球状樹脂粒子(LB−5)を含む分散液を得た。球状樹脂粒子(LB−5)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径2.2μm、平均円形度0.99}。
【0066】
<製造例6>
イオン交換水740部、球状樹脂粒子(LB−5)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部、塩酸1部を均一混合した後、これにカチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液10部を加え、1時間攪拌して、2層構造球状樹脂粒子(LB−6)を含む分散液を得た。2層構造球状樹脂粒子(LB−6)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径2.4μm、平均円形度0.99}。
【0067】
<実施例3>
イオン交換水740部、2層構造球状粒子(LB−6)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部を均一混合した後、これにアニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液10部を加え、1時間攪拌して、3層構造球状樹脂粒子(LB−7)を含む分散液を得た。3層構造球状樹脂粒子(LB−7)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径2.8μm、平均円形度0.99}。
【0068】
<実施例4>
「球状樹脂粒子(LB−5)」を「3層構造球状樹脂粒子(LB−7)」に変更したこと以外、製造例6と同様にして、4層構造球状樹脂粒子を得た後、「2層構造球状樹脂粒子(LB−6)」を「4層構造球状樹脂粒子」に変更したこと以外、実施例3と同様にして、5層構造球状樹脂粒子を得た。引き続いて、「多層構造球状粒子」を変更したこと、及び「カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液」と「アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液」とを交互に変更したこと以外、製造例6、実施例3と同様の操作を繰り返すことにより、30層構造球状粒子(LB−8)を得た{体積平均粒径8.2μm、平均円形度0.99}。
【0069】
<製造例7>
イオン交換水740部、球状樹脂粒子(LB−5)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部、塩酸1部を均一混合した後、これにカチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液17部を加え、1時間攪拌して、2層構造球状樹脂粒子(LB−9)を含む分散液を得た。2層構造球状樹脂粒子(LB−9)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径2.6μm、平均円形度0.99}。
【0070】
<実施例5>
イオン交換水740部、2層構造球状粒子(LB−9)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部を均一混合した後、これにアニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液17部を加え、1時間攪拌して、3層構造球状樹脂粒子(LB−10)を含む分散液を得た。3層構造球状樹脂粒子(LB−10)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径3.25μm、平均円形度0.99}。
【0071】
<実施例6>
「球状樹脂粒子(LB−5)」を「3層構造球状樹脂粒子(LB−10)」に変更したこと以外、製造例7と同様にして、4層構造球状樹脂粒子を得た後、「2層構造球状樹脂粒子(LB−10)」を「4層構造球状樹脂粒子」に変更したこと以外、実施例5と同様にして、5層構造球状樹脂粒子を得た。引き続いて、「多層構造球状粒子」を変更したこと、及び「カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液」と「アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液」とを交互に変更したこと以外、製造例7、実施例5と同様の操作を繰り返すことにより、30層構造球状粒子(LB−11)を得た{体積平均粒径12.7μm、平均円形度0.99}。
【0072】
<製造例8>
イオン交換水740部、球状樹脂粒子(LB−5)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部、塩酸1部を均一混合した後、これにカチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液21部を加え、1時間攪拌して、2層構造球状樹脂粒子(LB−12)を含む分散液を得た。2層構造球状樹脂粒子(LB−12)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径2.6μm、平均円形度0.99}。
【0073】
<実施例7>
イオン交換水740部、2層構造球状粒子(LB−12)50部、ナローアクティーN40(アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物:三洋化成工業社製)5部を均一混合した後、これにアニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液21部を加え、1時間攪拌して、3層構造球状樹脂粒子(LB−13)を含む分散液を得た。3層構造球状樹脂粒子(LB−13)は、この分散液を遠心分離し、水洗浄した後、乾燥させることにより得た{体積平均粒径3.46μm、平均円形度0.99}。
【0074】
<実施例8>
「球状樹脂粒子(LB−5)」を「3層構造球状樹脂粒子(LB−12)」に変更したこと以外、製造例8と同様にして、4層構造球状樹脂粒子を得た後、「2層構造球状樹脂粒子(LB−12)」を「4層構造球状樹脂粒子」に変更したこと以外、実施例7と同様にして、5層構造球状樹脂粒子を得た。引き続いて、「多層構造球状粒子」を変更したこと、及び「カチオン性樹脂粒子(EB−1)を含む分散液」と「アニオン性樹脂粒子(EB−2)を含む分散液」とを交互に変更したこと以外、製造例8、実施例7と同様の操作を繰り返すことにより、30層構造球状粒子(LB−14)を得た{体積平均粒径14.8μm、平均円形度0.99}。
【0075】
<比較例1〜6>
以下の顔料<1〜3>又は染料<4〜6>を比較用の粒子1〜6とした。
<1>C.I.ピグメントブルー15
<2>C.I.ピグメントグリーン36の12部と、C.I.ピグメントイエロー150の3部とを均一混合した混合顔料
<3>C.I.ピグメントレッド254の10部と、C.I.ピグメントレッド177の5部とを均一混合した混合顔料
<4>染料{acid blue}
<5>染料{Mordant Green}
<6>染料{acid red}
【0076】
実施例3〜8の多層構造粒子について、層の数(n)、体積平均粒子径、平均円形度、各層の屈折率、中心層(L0)の体積を表3にまとめた。
【0077】
【表3】

【0078】
注)1.すべてのカチオン性樹脂層について、平均厚さ、標準偏差は同じであった。
2.すべてのアニオン性樹脂層について、平均厚さ、標準偏差は同じであった。
3.平均層厚さ;全ての層の平均値である。
【0079】
実施例3〜8で得た多層構造球状粒子について、発色性及び透過光の波長を以下の方法で評価し、この結果を表4に示した。また、製造例5〜8で得た球状粒子について、同様に評価したところ、すべて、発色せず、ピークトップがなかった。
【0080】
<発色性>
ポリビニルアルコール[PVA205:クラレ社製]13部、ポリビニルピロリドン[PVP−K30:五協産業社製]6部、メタノール173部、水211.4部、評価試料{多層構造球状樹脂粒子又は比較用の粒子}15部{染料は5部とした}を混合し、超音波を1時間照射して、分散液を調製した。この分散液を、50mm×50mmのガラス基板上に、液膜厚さが20μmになるようアプリケーターで塗布し、80℃で4時間乾燥させて、処理基板を得た。
処理基板の背面から、白色LEDからの光を照射し、処理基板を透過してくる光を目視により確認した。
【0081】
<透過光の波長>
紫外可視分光光度計[島津製作所社製:UV−2400PC]用いて、処理基板を透過する波長を測定し、そのうち、ピークトップを有する波長を透過光の波長とした。
実施例4(CF−4)、6(CF−6)、8(CF−8)で得た多層球状粒子及び比較例1〜6(RF−1〜RF−6)の粒子を用いて調製した処理基板について、処理基板を透過する波長と透過率とのグラフを図1〜3に示した。
【0082】
【表4】

【0083】
<耐光性>
実施例4(CF−4)、6(CF−6)、8(CF−8)で得た多層球状粒子及び比較例1〜6(RF−1〜RF−6)の粒子を用いて調製した処理基板に、紫外線ランプから紫外線を1000時間照射した後、上記と同様に透過光を測定し、処理基板を透過する波長と透過率とのグラフを図4〜6に示した。
【0084】
図1と図2を比較すると、本発明の多層構造粒子を用いた場合(図1)、透過する波長範囲が狭く、色純度が高いことが分かる。
図1と図3を比較すると、本発明の多層構造粒子を用いた場合(図1)、透過する波長範囲が少し狭く、色純度が高いことがわかる。
【0085】
図4と図5を比較すると、耐光性に差は認められなかった。
図4と図6を比較すると、本発明の多層構造粒子を用いた場合(図4)、耐光性に優れていることがわかる。
以上の通り、本発明の多層構造球状粒子は、従来の着色材(顔料、染料)に比較して、色純度及び耐光性に著しく優れている。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の多層構造粒子は、ディスプレー用カラーフィルターに用いる着色剤やディスプレー用の光拡散フィルム、光拡散板、導光板又はアンチグレアフィルムとして、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例2(CF−4)、4(CF−6)、6(CF−8)で得た多層構造球状粒子を用いた処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。
【図2】比較用の粒子1(RF−1)、2(RF−2)、3(RF−3)を用いた処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。
【図3】比較用の粒子4(RF−4)、5(RF−5)、6(RF−6)を用いた処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。
【図4】実施例2(CF−4)、4(CF−6)、6(CF−8)で得た多層構造球状粒子を用いた処理基板に紫外線を1000時間照射した後の処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。
【図5】比較用の粒子1(RF−1)、2(RF−2)、3(RF−3)を用いた処理基板に紫外線を1000時間照射した後の処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。
【図6】比較用の粒子4(RF−4)、5(RF−5)、6(RF−6)を用いた処理基板に紫外線を1000時間照射した後の処理基板について、透過波長と透過率との関係を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂で構成され、表面に電荷(q)を有する中心層(L0)を分散させた分散液(D0)又は樹脂層で表面が構成され、表面に電荷(q)を有する多層粒子を分散させた分散液(Dn)に、粒径が中心層(L0)又は多層粒子の粒径の10分の1以下であり、電荷(q)と反対の電荷(r)を有する樹脂粒子(P0)を添加することにより、中心層(L0)又は多層粒子の表面に樹脂粒子(P0)からなる樹脂層を形成させ多層粒子分散液を得た後、
上記操作を繰り返して多層構造粒子を得る製造工程を含むことを特徴とする多層構造樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
中心層(L0)及び形成された樹脂層の隣合う層間の屈折率差(25℃)のすべてが0.01〜0.5である請求項1に記載の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−255318(P2008−255318A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222115(P2007−222115)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】