多層浸透デバイス

【課題】 本発明は外層(2)中の第一の活性剤を一つの使用環境に、そしてコア(5)中の第二の活性剤を別の使用環境に供給することが可能な簡素で改良された多層浸透デバイス(1)を供給する。
【解決手段】 本発明の特定の実施態様は、第一および第二の活性剤が同じかまたは異なっている浸透デバイスを提供する。内部の半透膜(4)と第二の活性剤を含有する外部コーティング(2)との間の浸出可能な重合体コーティング(3)はポリ(ビニルピロリドン)−(ビニルアセテート)共重合体を含有する。この特定の浸出可能な重合体により、当該分野で知られている関連のデバイスを超える利点を有する改良された多層浸透デバイスが得られる。コア(5)中の活性剤は浸出可能なプラグ(7)を含有する細孔(6)を介して供給される。浸透デバイス(1)は最終仕上げコーティング(8)によりコーティングすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用環境に対する活性剤の制御された供給のための浸透デバイス(osmotic device)に関する。より詳しくは、第一の活性剤の即時供給、次いで、第一の活性剤と同じかまたは異なる第二の活性剤のモニタリング下の継続的な制御および/または遅延させられた供給を可能にする多層浸透デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
浸透デバイスは、長時間に渡る制御された状態での使用環境への医薬、栄養、食品、農薬、除草剤、殺菌剤、殺藻剤、化学試薬等のような有用活性剤の供給において有用性が示されている。既知のデバイスには錠剤、パステル剤、丸薬またはカプセル等が含まれ、一般的に浸出作用を受けるか、または使用環境に緩やかに溶解することにより活性剤を徐々に放出する一種以上の物質を含有する層を有する。
【0003】
Theeuwes等への米国特許4,014,334号は、a)薬剤および浸透剤を含有するコア;b)外部半透性薄層および内部半透性薄層を含むコアを包囲する半透性層;およびc)コアをデバイスの外側部と連絡させる通路を包含する薬剤の制御された持続的供給のための浸透デバイスを開示している。二種の半透性薄層は、薬剤と環境からの液体の存在下でその化学的および物理的な一体性を維持している。Theeuwes等の特許の通路は機械的操作により、あるいは使用環境においてゼラチンプラグのような浸出可能な物質を浸出することにより形成された、層を通過する開口部、オリフィスまたは孔部を包含する。Theeuwes等の発明は薬剤を含有する第三の薄層または半透膜を包囲するポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体を含有する重合体コーティングを開示していない。
【0004】
Guittard等の米国特許4,576,604号(Guittard等‘604)は、アルゼンチン特許234.493
号に相当し、コア内の薬剤およびコアを包囲する薄層少なくとも一つを有する浸透デバイスの数種の実施態様を開示している。特に浸透デバイスの一つの実施態様はa)薬剤の制御された放出のための浸透剤を含むことのできる製剤を含有するコア;b)内部半透膜薄層、中間微孔性薄層、および薬剤を含有する外部水溶性薄層から成る半透膜壁部;および、c)コアをデバイス外側部と連絡する通路を有する。Guittard等‘604特許は微孔性薄層または浸出可能な要素に適する材料としてポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体の使用を開示していない。
【0005】
Guittard等の米国特許4,673,405号(Guittard等‘405特許)は、a)有益な薬剤を含有するコアまたはコンパートメント;b)コアを包囲する有益な薬剤を含有する不活性の半透性壁部;およびc)浸透デバイスが使用の液体環境にあり液体が接触する際に形成されることにより壁部中の有益な薬剤を放出する浸透デバイス壁部内の通路少なくとも一つを包含する浸透デバイスを開示しており、ここでは形成された通路は浸透デバイス内のコンパートメントおよびデバイスの外側部と連絡し、これによりデバイスが使用の液体環境にある際にコンパートメントから有益な薬剤を分散させる。Guittard等‘405特許は、通路を形成するための浸出可能な要素の使用を開示しているが、浸出可能な要素に適する材料としてのポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体の使用を開示していない。
【0006】
Chen等への米国特許5,558,879号(Chen等‘879特許)は、使用環境、即ち製剤を投与さ
れるヒトの胃腸管において通路が形成される水溶性薬剤のための制御放出錠剤を開示している。特に制御放出錠剤は本質的にa)薬剤、水溶性浸透剤5〜20重量%、水溶性重合体バインダーおよび製薬担体を含有するコア;およびb)本質的に(1)可塑化水不溶性重合体および水溶性重合体を含有する内部除放性コーティング;および(2)薬剤および水溶性重合体を含有する外部即時放出コーティングよりなるコア周辺の二層膜コーティングよりなる。Chen等‘879特許は浸透錠剤を形成するための使用環境における制御放出錠剤中の
通路の形成を開示しているが、その通路は、予備形成された開口部を被覆するポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体を含有する浸出可能な要素を使用することにより形成されるものではない。
【0007】
Ayer等への米国特許4,810,502号(Ayer等‘502特許)は、a)プソイドエフェドリン(Ps)およびブロムフェニラミン(Br)を含有するコア;b)セルロースアシレートおよびヒドロキシプロピルセルロースを含有するコアを包囲する壁部;c)薬剤供給のための壁部内の通路;およびd)Ps、Br、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの少なくとも一つ、および、壁部の機械的一体性および薬物動態を向上させるためのポリ(エチレンオキシド)を有する壁部外部の薄層を有するPsおよびBrの供給のための浸透剤形を開示している。Ayer等‘502特許は、本発明で必要とされる壁部と薬剤含有薄層との間の重合体コーティングを開示していない。
【0008】
Hamel等への米国特許4,801,461号(Hamel等‘461特許)は、プソイドエフェドリン(Ps
)を供給するための浸透剤形を開示している。特に、浸透剤形はa)種々の量のPsを含有するコア;b)種々の量の酢酸セルロースまたは三酢酸セルロースおよび種々の量のヒドロキシプロピルセルロースを含有するコア周囲の半透性壁部;c)コアからの薬剤の供給のための壁部内の通路;および場合によりd)Psを含有する壁外外部の薄層を有する。コアはまた、塩化ナトリウム、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウムおよびポリ(ビニルピロリドン)の一種以上を含有できる。このデバイスの通路は半透性壁部のみを通過して延びるか、または半透性壁部と外部薄層の双方を通過して延びることができる。通路はまた使用環境において浸出あるいは溶出する材料を含有できる。通路の形成に用いるために適するものとして種々の浸出可能な材料が記載されているが、明細書にはこの使用のためのポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体は開示または示唆されていない。また、Hamel等‘461特許は薬剤含有外部薄層と半透性壁部との間に位置する重合体コーティングを記載していない。
【0009】
Savastano等への米国特許5,681,584号(Savastano等‘584特許)は、a)薬剤、任意の
浸透剤および任意の賦形剤を含有するコア;b)コア周囲のバインダー、浸透剤および潤滑剤の少なくとも一種を含有する遅延放出ジャケット;c)遅延放出ジャケットを包囲し、場合により通路を有する半透膜;d)半透膜外部または半透膜と遅延放出ジャケットとの間の何れかにある薬剤含有層;およびe)薬剤含有層の外部、薬剤含有層と半透膜との間、または、薬剤含有層が遅延放出ジャケットと半透膜との間にある場合は半透膜外部、の何れかにある任意の腸溶性コーティング、を有する制御放出薬剤供給デバイスを開示している。即ち、Savastano等‘584特許のデバイスは遅延放出ジャケットを必要とし、半透膜と薬剤含有層との間の水溶性ポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体の重合体コーティングを含んでいない。
【0010】
その他の活性剤制御供給のための浸透デバイスの例は、米国特許3,845,770号およびア
ルゼンチン特許199,301号に記載されており、これらは薬剤を収納しているコンパートメ
ントを包囲する壁部により形成された浸透デバイスを開示している。壁部はコンパートメントと使用環境を連絡する通路またはオリフィスを有している。壁部は外部の液体に対しては半透性であり、デバイス内部の活性剤に対しては非透過性である半透性材料により製造されている。これらの特許のいずれも半透膜と薬剤含有層との間の水溶性ポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体の重合体コーティングを開示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術は広範な種類の多層浸透デバイスを開示しているが、いずれも一般的な適用性をみとめず、実際、既知デバイスの殆どは使用環境において比較的狭い範囲の条件内で機能するように考案されている。本明細書に記載した改良された多層浸透デバイスは関連従来技術のデバイスに特有の多くの難点を克服することが見い出された。本発明の浸透デバイスはここに開示した特別の改良の結果として、同時または逐次のいずれの場合においても、一種以上の活性剤について広範な独立した放出特性を与えることが可能である。更に、本発明の浸透デバイスはデバイスのコアと比較して各層からの活性剤の放出をより大きく制御できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は外部コーティングに存在する活性物質の使用環境への供給ならびに浸透デバイスのコア中に含まれる活性物質の同じかまたは異なる使用環境への遅延および制御された供給を可能にする改良された多層浸透デバイスを提供することである。
【0013】
本発明は、一種以上の使用環境への一種以上の活性剤の制御された供給のための改良された多層浸透デバイスであって、浸透デバイスが、下記成分:a)第一の活性剤および薬剤の制御された持続性の放出のための浸透剤、および場合によりポリ(ビニルピロリドン
)を含有する圧縮コア;b)壁部が使用環境中の液体に対しては透過性であるが第一の活
性剤に対しては実質的に非透過性である、コアを包囲し、予め形成された通路を内部に有する、好ましくはセルロースエステル、より好ましくは酢酸セルロースエステル、およびポリ(エチレングリコール)より本質的になる半透膜;c)半透膜を部分的または実質的に完全に包囲し、壁内の通路に充填されたポリ(ビニルピロリドン)−(ビニルアセテート)共重合体を含有する不活性水溶性重合体コーティング;および、d)外部コーティングが部分的または完全に溶解または浸出した後に第一の活性剤をコアから放出させる、薬剤の即時放出のための、場合によりポリ(ビニルピロリドン)およびポリ(エチレングリコール)および第二の活性剤を含有する外部コーティング、を含む上記デバイスを提供する。
【0014】
第一および第二の活性剤は同じかまたは異なっていることができる。また活性剤には、生物学的または薬理学的に活性な剤、医薬、栄養、食品、殺虫剤、農薬、除草剤、殺菌剤、殺藻剤、殺カビ剤、化学試薬、生育調節物質、殺寄生虫剤、不妊化剤、繁殖促進剤、殺生物剤、殺鼠剤、消毒薬、抗酸化剤、植物生育促進剤、保存料、醗酵剤、繁殖防止剤、空気清浄剤、微生物抑制剤、触媒、食品、食品添加物、栄養物、化粧品、ビタミンおよび使用環境に有益な他の剤が包含される。本発明はまた第一および第二の活性剤が異なる時間に異なる比率で一つ以上の使用環境に供給されることができる場合も意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好ましい実施態様は第一および第二の活性剤が薬理学的または生物学的に活性な薬剤である場合、または、第一の使用環境が胃または腸の領域であり第二の使用環境が哺乳類胃腸管の更に下部である場合を包含する。
【0016】
他の好ましい実施態様は、a)圧縮コアが第一の活性剤、浸透剤およびポリ(ビニルピロリドン)を含有し;b)半透膜が本質的に酢酸セルロースおよびポリ(エチレングリコール)よりなり;あるいは、c)外部コーティングがポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)および第二の活性剤を含有する場合を包含する。更に別の好ましい実施態様は、第一および第二の活性剤が同じものである場合、およびこれらが異なる場合を包含する。
【0017】
浸透デバイスの使用のための種々の環境には、口腔、眼、鼻、膣、腺、胃腸管、肛門、子宮頸部、子宮内部、動脈、静脈、耳、舌下、皮膚、表皮、皮下、移植物、頬内、生体付着物、粘膜および他の類似の環境のような生物学的環境が包含される。同様に、水族館、産業用倉庫、研究施設、病院、化学反応および他の施設においても使用してよい。
【0018】
本発明の他の特徴、利点および実施態様は以下の記載と実施例および請求項により、当業者が容易に知り得るものである。
【0019】
以下の図面は本明細書の部分であり本発明の特定の特徴を更に説明するために提示する。本発明はこれらの図面の一つ以上を本明細書中の特定の実施態様の詳細な説明と組み合わせて参照することによりより明確に理解される。
【0020】
特定の操作機構に限定されないが、本発明の浸透デバイスは以下の通り使用環境に活性剤一種以上を供給すると考えられる。図2に示す通り、半透膜(4)により包囲される第一の活性剤を含有するコア(5)を有する浸透デバイス(1)は、プラグ(7)が部分的または完全に通路から溶解または浸出された後、そしてコアが使用環境から十分な液体を吸入または吸収した後、通路(6)を通って制御された状態で使用環境に第一の活性剤を供給する。半透膜(4)の少なくとも一部は、通路(6)を完全に被覆するプラグ(7)を形成する水溶性重合体コーティング(3)により包囲される。重合体コーティング(3)の少なくとも1部または全部は、第二の活性剤を含有する外部コーティング(2)が部分的または完全に使用環境に溶解した後に使用環境中に存在する液体中に溶解または浸出する。
【0021】
特定の実施態様において活性剤または浸透剤は半透膜(4)を通ってコア(5)内に侵入する液体中で溶解または膨潤し、これにより半透膜(4)を通して浸透圧勾配が生じ、この勾配が、通路(6)を通ってコアから浸透デバイス(1)の外側部に第一の活性剤を押出すために必要な力を与える。第一の活性剤は、コアと使用環境との間が浸透圧平衡に達するまでコア(5)から放出され続ける。浸透力のこの平衡は一定時間かけて徐々に起こるため、第一の活性剤の放出、そして更には放出特性を制御する働きを有する。第一の活性成分の放出の制御の程度は、半透膜(4)の透過性や浸透圧勾配の大きさのような多くの他の要因により異なることが知られている。
【0022】
薬剤供給デバイスとして使用する場合、本発明の多層浸透デバイスは、材料の正しい組み合わせを用いて浸透デバイスの種々の層およびコアを調製する限り以下の通り機能する。哺乳類への投与の後、酸に対して可溶性、浸出性および/または膨潤性の第二の活性成分を含有する外部コーティング(2)が浸透デバイスから溶解、浸出、膨潤および/または脱離しはじめ、これにより第二の活性剤が胃内に放出される。浸透デバイス(1)が胃腸管を通って移動するにつれ、外部コーティング(2)の一部が部分的または完全に、溶解、浸出または脱離し、これにより、好ましい実施態様においては酸性の胃液中で不溶性である重合体コーティング(3)が露出する。次に重合体コーティング(3)は重合体コーティング(3)を構成する特定の物質に応じて腸内の一つ以上の領域において溶解または浸出する。例えば、pH4〜6の液体中で可溶な物質は小腸で溶解するが、pH7〜8の液体中で溶解する物質は大腸または結腸で溶解する。これらの物質の組み合わせを使用できる。重合体コーティング(3)はまた重合体コーティング(3)の溶解を行わずに浸透デバイス(1)のコア(5)中への水の吸収を可能にする微孔性のものであることもできる。重合体コーティング(3)が溶解または浸出した後、または、重合体コーティング(3)のプラグ(7)が少なくとも溶解または浸出した後に、コア(5)は通路(6)を介して第一の活性剤を腸へ放出し始める。
【0023】
浸透デバイス(1)は制御された様式で一種以上の活性剤を供給し、このような制御された供給のために用いられる機序はpH依存性またはpH非依存性;拡散制御または溶解制御;擬零次、零次、擬一次、一次または二次;または急速、緩慢、遅延、時間指定または持続性の放出またはその他の制御によるものである活性剤放出を包含できる。
【0024】
図1は楕円形の丸薬または錠剤としての形状を有する浸透デバイス(1)の例を示したものであるが、浸透デバイスは現在浸透デバイス分野で知られている何れの形状または形態の浸透デバイスであることもできる。即ち、浸透デバイスは意図する使用環境に対して最適である何れの形状および/または大きさであってもよい。特定の実施態様では浸透デバイスの形状および大きさは動物またはヒトのような哺乳類における使用のために最適なものである。本発明のデバイスは丸薬、球状剤、錠剤、棒状剤、板状剤、顆粒、凝集塊などであることができる。浸透デバイスはまた、装飾、識別および/または他の目的のために、表面のマーク、切り込み、溝、文字および/または数字を有することができる。
【0025】
外部コーティング(2)はコア(5)の第一の活性剤と同じかまたは異なっていてよい第二の活性剤を含有する。第二の活性剤は即時、緩慢、遅延、持続性、擬一次、擬零次、時間指定、制御放出またはこれらの組み合わせのために用いることができる。第二の活性剤は当業者の良く知る同様の浸透デバイスで共通した調製方法に従ってデバイスの表面に適用でき、例えば、溶液または懸濁液中の固体を、それらをコア全体に均一に展延できる噴霧器を用いて表面に適用するか、核形成圧縮を用いるか、または当該分野の他の適当な方法を用いる。外部コーティングはポリ(ビニルピロリドン)(PVP)およびポリ(エチレン
グリコール)(PEC)を含有でき、更に例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、ジメチルアミノエチルメタクリレート−メタクリル酸エステル共重合体、エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(GA-MMA)、C−5または60 SH-50(Shin-Etsu Chemical Corp.)およびこれらの組み合わせも含有できる。活性剤含有外部コーティング(2)はまた溶解補助剤、安定性調節剤および生体吸収性向上剤を含有できる。
【0026】
外部コーティング(2)が物質の組み合わせを含有する場合は、これらの物質の相対的な量および比率は所望に応じて変化できる。例えば、外部コーティング(2)がPVPおよびPEGを含有する場合は、PVP:PEGの比率は一般的に、外部コーティングの重量に基づいて、PVP約3〜60重量%:PEG約0.1〜30重量%の範囲である。
【0027】
外部コーティング(2)はまたコーティングの約0.1〜99重量%の範囲の量で一般的に存
在する第二の活性剤を含有できる。この広範な量は浸透デバイスの設計と適用において広い可能性を与える。当業者の知るとおり、使用する第二の活性剤の特定の量は、とりわけ、第二の活性剤そのもの、およびその物理的特性、浸透デバイスの意図する用途、第二の活性剤が有すると意図される所望の作用、および、治療対象となる生理学的症状がある場合はその症状により変化する。
【0028】
半透性壁部(4)を被覆し、通路(6)をブロックする重合体コーティング(3)は、選択的溶解または浸出を介して通路のブロックを解除し、浸透供給過程を開始させることのできる合成または天然の物質から形成される。この緩慢または急速に溶解する重合体コーティング(3)は第一の外部液体に対しては非透過性であるが、第二の外部液体に対しては可溶性である。この特性は、核内の活性化合物の制御された選択的放出の達成を促進する。
【0029】
重合体コーティング(3)は一般的に、使用環境において、少なくとも部分的に、そして好ましくは実質的に完全に、可溶または浸出可能である不活性および非毒性の物質を含有する。重合体コーティング(3)は使用環境の一種以上に可溶であることができる。例えば、重合体コーティング(3)は外部コーティング(2)が可溶である使用環境と同じ環境に可溶であることができ、あるいは、コア(5)が可溶である使用環境と同じ環境に可溶であることもできる。重合体コーティング(3)に含まれることのできる物質を含有する微孔性層を開示しているが、重合体コーティング(3)中のポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル
)共重合体の存在は、重合体コーティングの独特で好都合な特性をもたらすことが解っている。即ち、重合体コーティング(3)は、ポリ(ビニルピロリドン)−(酢酸ビニル)共重合体を含有し、これはまたこの種のコーティングに有用な他の物質も含むことができる。その例としては米国特許4,576,604号および4,673,405号およびPharmaceutical Dosage Forms:Tablets Vol. I, 2nd Ed., A.Lieberman ed. 1989, Marcel Dekker Inc.のテキストに記載されており、その関連内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
【0030】
好ましい実施態様においては、重合体コーティング(3)は胃液、酸性液、または極性液体のような第一の使用環境の液体中に不溶であり、腸液、実質的にpHが中性または塩基性の液体または非極性液体のような第二の使用環境の液体中に可溶または浸出可能である。広範な種類の別の重合体物質がこのような種々の溶解特性を有することが解っており、重合体コーティング(3)に含まれることができる。このような他の重合体物質には例えば、限定するものではないが、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートトリメレテート(CAT)、ポリ(ビニルアセテート)フタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP)、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート)(1:1)共重合体(MA-EA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)共重合体(MA-MMA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)共重合体、EudragitL-30-DTM(MA-EA,1:1)、Eudragit L-100-55TM(MA-EA,1:1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、CoatericTM(PVAP)、AquatericTM(CAP)、AQOATTM(HPMCAS)、およびこれらの組み合わせが包含される。重合体コーティング(3)はまた溶解補助剤、安定性調節剤および生体吸収性向上剤を含有できる。
【0031】
重合体コーティング(3)が結腸内でコアから溶解、浸出または脱離することを意図する場合は、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース(MCC, AvicelTM, FMC Corp.製)、ポリ(エチレン−酢酸ビニル)(60:40)共重合体(EVAC, Aldrich Chemical Co.製)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、MMA、 N,N′−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルアミノ)−アゾベンゼン存在下に合成されるHEMA:MMA:MA三量体、アゾポリマー、腸溶性コーティング時間指定放出システム(Time Clock(登録商標), Pharmaceutical Profiles, Ltd., UK製)およびペクチン酸カルシウムのような物質を重合体コーティング(3)に含有させることができる。
【0032】
重合体コーティング(3)中で使用するために好ましい重合体物質は、胃液の作用に抵抗して半透性壁部を通る通過が起こらないようにする腸溶性物質を含むが、コア(5)中の物質の一種以上は腸管内で溶解し、これにより浸透ポンプによるコア(5)内の薬剤の供給を開始させる。この基準に容易に適合する物質は、ステアリン酸マグネシウムおよび他の類似の賦形剤と混合した、Kollidon VA64という商標でBASFから販売されている物質のよう
なポリ(ビニルピロリドン)−酢酸ビニル共重合体である。重合体コーティング(3)はまたKollidon K30という商標でBASFから販売されているポビドン、およびMethocel E-15とい
う商標でDowから販売されているヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することが
できる。このような物質は所望の溶液粘度に応じて重合体の種々の濃度を有する溶液として製造できる。例えば、Kollidon K30の10%P/V水溶液は20℃で約5.5〜8.5cpsの粘度
を有し、Methocel E-15の2%P/V水溶液は20℃で約13〜18cpsの粘度を有する。
【0033】
重合体コーティング(3)はまた、胃液に対し実質的に耐性があり腸または結腸での放出を促進する他の適当な物質も含有できる。この目的のためには、重合体コーティング(3)は胃内部で、浸透デバイス(1)が胃内部に留まる時間、溶解したり、崩壊したり、あるいは、その構造を変化させることのない一種以上の物質を含有できる。胃内部でその一体性を維持できる代表的な物質には、(a)ケラチン、ケラチンサンダラック−トルー、サロール(フェニルサリシレート)、サロールベータ−ナフチルベンゾエートおよびアセトタンニン、サロール+ペルーバルサム、サロール+トルー、サロール+マスチック、サロールおよびステアリン酸、および、サロールおよびシェラックよりなる群から選択されるもの;(b)ホルマリン処理した蛋白質、ホルマリン処理したゼラチン、およびホルマリンナ処理した交叉結合ゼラチンおよび交換樹脂よりなる群から選択されるもの;(c)ミリスチン酸水添ヒマシ油−コレステロール、ステアリン酸−羊脂、ステアリン酸トルーバルサムおよびステアリン酸−ヒマシ油よりなる群から選択されるもの;(d)シェラック、アンモニア和シェラック、アンモニア和シェラック−サロール、シェラック−羊毛脂、シェラック−アセチルアルコール、シェラック−ステアリン酸−トルーバルサム、およびシェラックn−ブチルステアレートよりなる群から選択されるもの;(e)アビエチン酸、 メチルアビクテート、ベンゾイン、トルーバルサム、サンダラック、マスチック+トルー、およびマスチック+トルー、およびマスチック+アセチルアルコールよりなる群から選択されるもの;(f)メタクリレート酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン系重合体で表わされるアクリル樹脂、メタクリルおよびメタクリル酸およびメタクリル酸アルキルエステルの共重合体アクリル樹脂、アルカアクリル酸およびアルカアクリル酸アルキルエステルの共重合体、アクリル樹脂、例えば、分子量150,000のジメチルアミノエチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、分子量135,000のメタクリル酸−メチルメタクリレート 50:50共重合体、分子量135,000のメタクリル酸−メチルメタクリレート 30:70共重合体、分子量750,000のメタクリル酸−ジメチルアミノエチル−メタクリレート−エチルアクリレート、分子量1,000,000のメタクリル酸−メチルメタクリレート−エチルアクリレート、および分子量550,000のエチルアクリレート−メチルメタクリレート−エチルアクリレート、および(g)セルロースアセチルフタレート、セルロースジアセチルフタレート、セルローストリアセチルフタレート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ナトリウムセルロースアセテートフタレート、セルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、メチルセルロースフタレート、セルロースエステル−エーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートのアルカリ塩、セルロースアセテートフタレートのアルカリ土類塩、セルロースアセテートフタレートのカルシウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのアンモニウム塩、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ポリビニルアセテートフタレートジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アルキルが直鎖および分枝鎖のアルキル基1〜7個を有するジアルキルフタレート、アリールフタレートよりなる群から選択されるものを含有する腸溶性組成物、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0034】
浸透デバイスのコア(5)をデバイスの外側部と連絡する半透性壁部(4)内の予備形成された通路(6)は、機械的穿孔、レーザー穿孔または当業者の知る類似の他の方法により形成できる。浸透デバイス(1)は一個の通路(6)を有するように図示したが、本発明のデバイスは、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上の通路を含む、少なくとも一つの通路を有することができる。
【0035】
半透膜(4)は使用環境からコアへの液体の通過に対して実質的に透過性であるがコアからの活性剤の通過に対しては実質的に非透過性である物質から形成される。当業者の知る多くの一般的な物質がこの目的のために適している。物質の例としてはセルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル−エーテルが挙げられる。しかしながら、本発明の浸透デバイスにおいて必要とされる他の物質と組み合わせて使用する場合には、本質的にセルロースアセテート(CA)およびポリ(エチレングリコール)(PEG)、
特にPEG 400よりなる半透膜が好ましいことが解っている。このCAとPEGの特定の組み合わせにより、コア中の活性剤の十分制御された放出特性を浸透デバイスに与え、そしてその化学的および物理的一体性を使用環境中で維持することのできる半透膜が得られるのである。CA:PEGの比は一般的にCA約50〜99重量%:PEG約50〜1重量%の範囲、好ましくはCA約95重量%:PEG約5重量%である。この比率は透過性および最終的には浸透デバイスの
放出特性を変化させるために変えることができる。他の好ましい物質には、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテートおよびこれらの組み合わせのようなセルロースアシレート類の一部が含まれる。多くの適当な重合体は、アルゼンチン特許199,301号および本明細書の他の引用文献に記載されたものを包含し、これらの
内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
【0036】
本発明の浸透デバイスのコア(5)は第一の活性剤および浸透剤を含有し、そして更に本明細書で論じる多くの他の物質を含有できる。存在する第一の活性剤の量は外部コーティング(2)に関して上記したとおり変化できる。一般的に、第一の活性剤は未コーティングコア(5)の重量の0.1〜99.9重量%の範囲の量で存在する。好ましい範囲は活性剤の使用および浸透デバイスの意図される用途に応じて変化する。
【0037】
投与する活性剤が使用環境において限られた溶解度を有する場合は、液体中完全にまたは部分的に可溶化されることのできる、浸透上有効な溶質、浸透剤またはオスマジェント(osmagent)を添加する。これらのオスマジェントはコア中の活性剤の懸濁または溶解の何れかを促進する。オスマジェントの例としては、有機および無機の化合物、例えば、塩類、酸類、塩基類、キレート剤、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、亜硫酸ナトリウム、重炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、d−マンニトール、尿素、酒石酸、ラフィノース、スクロース、α−d−ラクトース一水和物、グルコース、これらの組み合わせ、および当該分野で広く知られている他の類似あるいは同等の物質が挙げられる。
【0038】
オスマジェントはまた、浸透デバイスのコアに配合することにより、そこに含有される活性剤の放出を制御することができる。活性剤が使用環境の液体中に部分的のみ、あるいは、不完全に溶解する場合は、これは十分な液体がコアにより吸入または吸収されて懸濁液を形成している場合に限り、懸濁液として放出されることができる。
【0039】
本発明の浸透デバイスはまた、吸着剤、抗酸化剤、緩衝剤、着色料、フレーバー、甘味料、錠剤付着防止剤、錠剤バインダー、錠剤カプセル希釈剤、錠剤直接圧縮賦形剤、錠剤崩壊剤、錠剤滑剤、錠剤潤滑剤、錠剤またはカプセル用不透明化剤および/または錠剤研磨剤を含有できる。
【0040】
本明細書においては、「吸着剤」という用語は、物理的または化学的(化学収着=chemisorption)の手段により、その表面上に別の分子を保持することのできる剤を示すものと
する。このような化合物には、例えば、限定するものではないが、粉末および活性化された木炭、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0041】
本明細書においては、「抗酸化剤」という用語は、酸化を抑制し、このため酸化過程による製剤の劣化を防止するために使用される剤を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートおよびメタ重亜硫酸ナトリウムおよび当業者の知る他の物質が包含される。
【0042】
本明細書においては、「緩衝剤」という用語は、酸またはアルカリの希釈または添加によるpHの変化に抵抗するために使用される化合物を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、一塩基性酢酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム無水物および二水和物および当業者の知る他の物質が包含される。
【0043】
本明細書においては、「甘味料」という用語は、製剤に甘味を付与するために用いる化合物を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、アスパルテーム、デキストロース、グリセリン、マンニトール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびスクロースおよび当業者の知る他の物質が包含される。
【0044】
本明細書においては、「錠剤付着防止剤」という用語は、製造中の錠剤製造機のパンチやダイスへの錠剤製剤成分の付着を防止する剤を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、グリセリルベヘネート、PEG、水添植物油、鉱物油、ステアリン酸および当業
者の知る他の物質が包含される。
【0045】
本明細書においては、「錠剤バインダー」という用語は、錠剤顆粒化において粉末粒子の付着を起こすために用いられる物質を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ(ビニルピロリドン)、圧縮可能な糖(例えばNuTab)、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、ポビドンおよび糊化澱粉および当業者の知る他の物質が包含される。
【0046】
必要に応じて本発明の浸透デバイス中にバインダーを含有させてよい。バインダーの例には、アカシア、トラガカント、ゼラチン、澱粉、セルロース物質、例えばメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸およびその塩、ポリエチレングリコール、グアーガム、多糖類、ベントナイト、砂糖、転化糖、ポロキサマー類(PLURONICF68, PLURONIC F127)、コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、非水性溶媒中のセルロース誘導体、これらの組み合わせ等が包含される。その他のバインダーとしては、例えばポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリエチレンエステル、ポリエチレンソルビタンエステル、ポリエチレンオキシド、これらの組み合わせおよび当業者の知る他の物質が挙げられる。
【0047】
本明細書においては、「錠剤カプセル希釈剤」または「充填剤」という用語は、錠剤およびカプセルの調製において、所望のかさ、流動特性および圧縮特性を得るために充填剤として使用される不活性の物質を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、二塩基性リン酸カルシウム、カオリン、乳糖、スクロース、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、ソルビトールおよび澱粉、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0048】
本明細書においては、「錠剤直接圧縮賦形剤」という用語は、直接圧縮錠剤処方において用いられる化合物を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、二塩基性リン酸カルシウム(例えばDitab)および当業者の知る他の物質が包含
される。
【0049】
本明細書においては、「錠剤滑剤」という用語は、錠剤圧縮の間の摩擦を低減するために錠剤およびカプセル処方で用いられる剤を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、コロイド状シリカ、コーンスターチ、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状ケイ素、シリコンヒドロゲル、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0050】
本明細書においては、「錠剤潤滑剤」という用語は、錠剤圧縮の間の摩擦を低減するために錠剤処方で用いられる物質を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0051】
本明細書においては、「錠剤/カプセル不透明化剤」という用語は、カプセルまたは錠剤のコーティングに不透明性を付与するために用いられる化合物を示すものとする。単独または着色料と共に用いてよい。このような化合物には例えば、限定するものではないが、二酸化チタン、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0052】
本明細書においては、「錠剤研磨剤」という用語は、コーティングされた錠剤に光沢を付与するために用いられる化合物を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、カルナウバワックスおよびホワイトワックス、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0053】
本明細書においては、「錠剤崩壊剤」という用語は、より容易に分散または溶解するより小さい粒子への固体塊の崩壊を促進するために固体剤形中で用いられる化合物を示すものとする。このような崩壊剤には例えば、限定するものではないが、コーンスターチ、ポテトスターチ、その糊化および変性された澱粉のような澱粉類、甘味料、ベントナイトのような粘土類、微結晶セルロース(例えばAvicel)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロースポリアクリリンカリウム(例えばAmberlite)、アルギネート、ナトリウムスターチグリコレート、寒天、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、トラガカントのようなゴム類、および当業者の知る他の物質が包含される。
【0054】
本明細書においては、「着色料」という用語は、固体(例えば錠剤)の医薬製剤に色を付与するために用いられる化合物を示すものとする。このような化合物には例えば、限定するものではないが、FD&C Red No.3、FD&C Red No.20、 FD&C Yellow No.6、 FD&C Blue No.2、 D&C Green No.5、D&C Orange No.5、 D&C Red No.8、 カラメル、および酸化第二鉄、赤、他のFD&C染料およびブドウ表皮抽出物、ビート赤粉末、ベータ
カロチン、アナトー、カーマイン、ターメリック、パプリカのような天然着色剤、および当業者の知る他の物質が包含される。着色料の使用量は所望により変化する。
【0055】
本明細書においては、「フレーバー」という用語は、医薬製剤に好ましいフレーバーおよび多くの場合臭気を付与するために使用される化合物を示すものとする。フレーバー剤またはフレーバーの例には、合成のフレーバー油およびフレーバー芳香剤および/または天然オイル、植物、葉、花、果実等のエキス、およびこれらの組み合わせが包含される。これらにはまた、シナモンオイル、ウインターグリーンオイル、ペパーミントオイル、クローブオイル、ベイオイル、アニスオイル、ユーカリオイル、タイムオイル、シーダーリーフオイル、ナツメグオイル、セージオイル、ビターアーモンドオイルおよびカシアオイルも包含される。他の有用なフレーバーには、バニラ、シトラスオイル、例えばレモン、オレンジ、グレープ、ライムおよびグレープフルーツおよびフルーツエッセンス、例えばアップル、ナシ、ピーチ、ストロベリー、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコット等が包含される。特に有用であることが解っているフレーバーには、市販のオレンジ、グレープ、チェリーおよび風船ガムフレーバーおよびこれらの混合物が包含される。フレーバーの量は所望の官能効果を含む種々の要因に応じたものである。フレーバーは当業者の所望の量で存在する。特に好ましいフレーバーはグレープおよびチェリーフレーバー、およびオレンジのようなシトラスフレーバーである。
【0056】
本発明の浸透デバイスはまた、浸透デバイスのコアまたは層の湿潤性または崩壊性を改良する、一種以上の一般的に知られた界面活性剤または共溶媒を使用できる。
【0057】
可塑剤もまたデバイスのコーティングまたはコア中に用いられる重合体の特性を変化させ本発明の浸透デバイス中に含有させることができる。本明細書においては「可塑剤」という用語は本発明で用いられる重合体またはバインダーを可塑化または軟化することのできる全ての化合物を包含する。可塑剤は重合体またはバインダーの融点またはガラス転移点(軟化点)を低下させられなければならない。低分子量PEGのような可塑剤は一般的にそ
れらが含有されている重合体の平均分子量の範囲を広くし、これによりガラス転移点または軟化点を低下させる。可塑剤はまた一般的に重合体の粘度を低下させる。可塑剤は本発明の浸透デバイスにある特定の好都合な物理的特性を与える。
【0058】
本発明で有用な可塑剤は、例えば、限定するものではないが、低分子量重合体、オリゴマー、共重合体、オイル、小さい有機物分子、脂肪族ヒドロキシル基を有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロック重合体、単一ブロック重合体、低分子量ポリ(エチレングリコール)、シトレートエステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコールおよびグリセリンが挙げられる。このような可塑剤にはまた、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよび他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ソルビトールラクテート、エチルラクテート、ブチルラクテート、エチルグリコレート、ジブチルセバケート、アセチルトリブチルシトレート、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレートおよびアリルグリコレートが包含される。このような可塑剤は全て、AldrichまたはSigma Chemical Co.のような入手元から市販されている。更にまた本発明では可塑剤の組み合わせを本発明の製剤中で用いることも意図する。PEG系可塑剤は市販されているものを用いるか、Poly (ethylene glycol)Chemistry:Biotechnical and Biomedical Applications(J.M. Harris, Ed; Plenum Press)に記載されているような種々の方法により調製でき、その記載内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
【0059】
本発明の浸透デバイスはまた油類、例えば、固定油、例えばピーナツ油、ゴマ油、綿実油、コーン油およびオリーブ油;脂肪酸、例えばオレイン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸;および、脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリドおよびアセチル化脂肪酸グリセリドを含有することができる。これらをアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール、ヘキサデシルアルコール、グリセロールおよびプロピレングリコール;グリセロールケタール類、例えば2,2−ジメ
チル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール;エーテル類、例えばポリ(エチレングリコール)450、石油系炭化水素類、例えば鉱物油およびペトロラタム;水またはこれらの混合
物と、製薬上適当な界面活性剤、懸濁剤または乳化剤を用いるか、または用いることなく、混合することができる。
【0060】
石鹸類および合成洗剤類は洗剤組成物の界面活性剤として、および、ビヒクルとして用いてよい。適当な石鹸類には脂肪酸のアルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が包含される。適当な洗剤には、カチオン系洗剤、例えばジメチルジアルキルアンモニウムハライド、アルキルピリジニウムハライドおよびアルキルアミンアセテート;アニオン系洗剤、例えばアルキル、アリールおよびオレフィンスルホネート、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリドスルフェート、およびスルホスクシネート;非イオン系洗剤、例えば、脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド、およびポリ(オキシエチレン)−ブロック−ポリ(オキシプロピレン)共重合体;および両性洗剤、例えばアルキルβ−アミノプロピオネートおよび2−アルキルイミダゾリン第四アンモニウム塩;およびこれらの混合物が包含される。
【0061】
上記しなかった種々のその他の成分もまた所望の活性剤放出特性を至適化するために本発明の製剤に添加でき、そのような成分の例としては、限定するものではないが、グリセリルモノステアレート、ナイロン、セルロースアセテートブチレート、d,l−ポリ(乳酸
)、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、澱粉類、誘導澱粉類、アセチル化
モノグリセリド、ゼラチンコアセルベート、ポリ(スチレン−マレイン酸)共重合体、グリコワックス、ヒマシ油ワックス、ステアリルアルコール、グリセロールパルミトステアレート、ポリ(エチレン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル)、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコール−ジメタクリレートおよびメタクリレートヒドロゲル類が挙げられる。
【0062】
医薬組成物分野で使用される化合物は一般的に種々の機能または目的を果たすと考えられる。即ち、本明細書で示したある化合物が1回のみ言及されるか、あるいは本明細書中一種より多くの用語を定義するために用いられる場合、その目的または機能は示された目的または機能のみに限定されない。
【0063】
活性剤は動物およびヒトに対して全身作用または局所作用をもたらす生理学的物質または薬理学的活性物質を包含する。活性剤にはまた、農薬、除草剤、殺虫剤、抗酸化剤、植物生育促進剤、不妊化剤、触媒、化学試薬、食品、栄養物、化粧品、ビタミン、不妊化抑制剤、繁殖促進剤、微生物、フレーバー、甘味料、清浄剤、および、医薬、動物薬、園芸、家庭用、食品、料理用、農業、化粧品、産業用、清浄用、菓子およびフレーバー用途のための他の類似の化合物が包含される。活性剤はその中性、イオン性、塩、塩基性、酸性、天然、合成、シアステレオマー、異性体、エナンチオマー純粋、ラセミ体、水和物、キレート、誘導体、類縁体、またはその他の一般的な形態で存在することができる。
【0064】
本発明の浸透デバイスに製剤できる更に別の治療用化合物は、抗菌物質、抗ヒスタミン剤および鬱血除去剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、局所麻酔剤、抗カビ剤、殺アメーバ剤または殺トリコモナス剤、鎮痛剤、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗新生物剤、抗精神病剤、神経弛緩剤、抗高血圧剤、筋弛緩剤、抑制剤、催眠剤、鎮静剤、精神賦活化剤、精神安定剤、抗痙攣剤、抗パーキンソン剤、筋肉収縮剤、抗微生物剤、抗マラリア剤、ホルモン剤、避妊薬、交感神経興奮剤、利尿剤、低血糖剤、眼科用医薬、電解質、診断剤および心臓血管剤を包含する。
【0065】
代表的な抗菌物質は、ベータラクタム抗生物質、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、バシトラシン、スルホンアミド、アミノグリコシド抗生物質、トブラマイシン、ニトロフラゾン、ナリジクス酸、ペニシリン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、エリスロマイシン、セファロスポリンおよび類縁体およびフルダラニン/ペンチジドンの抗微生物複合剤である。他の代表的な抗菌剤には、水溶性の低いピリドン−カルボン酸型、例えば、ベノフロキサシン、ナリジクス酸、エノキサシン、オフロキサシン、アミフロキサシン、フルメキン、トスフロキサシン、ピロミド酸、ピペミド酸、ミロキサシン、オキソリン酸、シノキサシン、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、ペフロキサシン、ロメフロキサシン、エンロフロキサシン、ダノフロキサシン、ビンフロキサシン、サラフロキサシン、イバフロキサシン、ジフロキサシンおよびこれらの塩が包含される。
【0066】
代表的な抗寄生虫化合物はイバメクチン、ベフェニウム、ヒドロキシナフトエート、ジクロロフェンおよびダプソンである。代表的な抗マラリア化合物は4−アミノキノリン類、8−アミノキノリン類およびピリメタミンである。
代表的な抗ウイルス化合物は、アシクロビルおよびインターフェロンである。
【0067】
代表的な抗炎症剤は、コーチゾン、ヒドロコーチゾン、ベータメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、プレドニゾロン、フェニルブタゾン、トリアムシノロン、スリンダックおよびその塩および相当するスルフィド、インドメタシン、サリチルアミド、ナプロキセン、コルヒチン、フェノプロフェン、ジクロフェナック、イソドプロフェン、デキサメタゾン、アロプリノール、オキシフェンブタゾン、プロベネシドおよびナトリウムサリチルアミドである。
【0068】
代表的な鎮痛剤はジフルニサル、アスピリン、イブプロフェン、プロフェン型化合物、モルヒネ、コデイン、メペリジン、ナロルフィンまたはアセトアミノフェンである。
代表的な抗ヒスタミン剤および鬱血除去剤はペリルアミン、クロルフェニラミン、シメチジン、テトラヒドロゾリン、ロラタジンおよびアンタゾリンである。
代表的な抗喘息剤は、テオフィリン、プソイドエフェドリン、エフェドリン、ベクロメタゾンジプロピオネートおよびエピネフリンである。
【0069】
代表的な抗凝固剤はヘパリン、ビスヒドロキシクマリンおよびワーファリンである。
代表的な精神賦活化剤はイソコボキサジド、ニアラミド、フェネルジン、イミプラミン、トラニシプロミンおよびパルグリエンである。
代表的な抗痙攣剤はジフェニルヒダントイン、プリミドン、エニタバス、ジフェニルヒダントイン、エスルチオン、フェネツリド、エトスキシミドおよびジアゼパムである。
【0070】
代表的な抗鬱剤は、アミトリプチリン、クロルジアゼポキシドパーフェナジン、プロトリプチリン、イミプラミンおよびドキセピンである。
代表的な抗糖尿病剤はインシュリン、ソマトスタチンおよびその類縁体、トルブタミド、トラザミド、クロルプロパミド、イソファンインシュリン、プロタミン亜鉛インシュリン懸濁液、グロビン亜鉛インシュリン、拡張インシュリン亜鉛懸濁液およびアセトヘキサミドである。
【0071】
代表的な抗新生物剤はアドリアマイシン、フルオロウラシル、メトトレキセート、ネクロレタミン、ウラシルマスタード、5−フルオロウラシル、6−6−チオグアニンおよびプロカルバジンアスパラギナーゼである。
代表的なステロイド剤はプレドニゾロン、コーチゾン、コルチゾールおよびトリアムシノロン;男性ホルモンステロイド、例えばメチルテステロン、およびフルオキシメステロン;女性ホルモンステロイド、例えば17β−エストラジオール、α−エストラジオール、エストリオール、α−エストラジオール3ベンゾエート、および17−エチニルエストラジオール−3−メチルエーテル;プロゲステロンステロイド、例えばプロゲステロン、19−ノル−プレグン−4−エン−3,20−ジオン、17−ヒドロキシ−19−ノル−17−α−プレグン−5(10)−エン−20−イン−3−オン、17α−エチニル−17−ヒドロキシ−5(10)−エストレン−3−オン、および9β,10α−プレグナ−4,6−ジエン−3,20−ジオンである。
【0072】
代表的な抗精神病剤はプロクロルペラジン、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、チオリダジン、モリンドン、フルフェナジン、トリフルオペラジン、ペルフェナジン、アミトリプチリンおよびトリフルオプロマジンである。
代表的な催眠剤および鎮静剤はペントバルビタールナトリウム、フェノバルビタール、セコバルビタール、チオペニタール、ヘテロ環催眠剤、ジオキソピペリジン類、グルタルイミド類、ジエチルイソバレラミド、α−ブロモイソバレリル尿素、ウレタン類、ジスルファンおよびこれらの混合物である。
【0073】
代表的な抗高血圧剤はスピロノラクトン、メチルドーパ、ヒドララジン、クロニジン、クロロチアジド、デセルピジン、チモロール、プロパノロール、メトプロロール、プラゾシン塩酸塩、メチルドーパ(L−β−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)、α−メチルドーパ塩酸塩二水和物のピバロイルオキシエチルエステルおよびレセルピンである。
代表的な精神安定剤はクロロプロマジン、プロマジン、フルフェナジン、レセルピン、デセルピジン、メプロバメート、およびベンゾジアゼピン類例えばクロルジアゼポキシドである。
【0074】
代表的な抗痙攣剤および筋肉収縮剤はアトロピン、スコポラミン、メトスコポラミン、オキシフェノニウム、パパベリン、およびプロスタグランジン類、例えばPGE1、PGE2、PGF、PGFおよびPGAである。
代表的な局所麻酔剤はベンゾカイン、プロカイン、リドカイン、マエパイン、ピペロカイン、テトラカインおよびジブカインである。
代表的な筋弛緩剤および抗パーキンソン剤はスクシニルコリンクロリド、ダンブロレン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、ジアゼパム、メフェネシン、メトカルボマール、トリヘキシルフェニジルおよびピペリデンである。
【0075】
代表的な交感神経興奮剤はエピネフリン、アンフェタミンエフェドリンおよびノルエピネフリンである。
代表的な心臓血管剤はプロカインアミド、塩酸プロカインアミド、亜硝酸アミル、ニトログリセリン、ジピレダモール、硝酸ナトリウムおよび硝酸マンニトールである。
代表的な利尿剤はクロラチアジド、アセタゾルアミド、メタゾルアミドおよびフルメチアジドである。
【0076】
代表的なβブロッカーはピンドロール、プロプラノロール、プラクトロール、メトプロロール、オキシプレノロール、チモロール、アテノロール、アルプレノロールおよびアセブトロールである。
代表的な栄養剤はアスコルビン酸、ナイアシン、ニコチンアミド、葉酸、コリンビオチン、パントテン酸、およびビタミンB12、必須アミノ酸;必須脂肪である。
代表的な眼科用薬剤は、ピロカルピン、ピロカルピン塩、例えば硝酸ピロカルピン、塩酸ピロカルピン、ジクロフェナミド、アトロピン、硫酸アトロピン、スコポラミンおよびサリチル酸エセリンである。
【0077】
代表的な電解質はグルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、フッ化カリウム、乳酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、鉄フムレートおよび乳酸ナトリウムである。
α−アドレナリン作用性受容体に作用する代表的薬剤は塩酸クロニジンである。
【0078】
本発明の浸透デバイスに含まれる治療用化合物はその製薬上許容しうる塩に製剤できる。本明細書では、「製薬上許容しうる塩」とは治療用化合物が、その酸または塩基の塩を形成することにより修飾されている開示化合物の誘導体を示すものとする。製薬上許容しうる塩の例は、限定するものではないが、アミンのような塩基性残基の無機または有機の酸の塩;カルボン酸のような酸性残基のアルカリまたは有機の塩等が挙げられる。製薬上許容しうる塩には、例えば非毒性の無機または有機の酸から形成した親化合物の従来の非毒性の塩または第四アンモニウム塩が包含される。例えば、このような従来の非毒性の塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等のような無機酸から誘導したもの;および、アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等のような有機酸から製造した塩が包含される。本発明の製薬上許容しうる塩は、従来の化学的方法により塩基性または酸性の部分を有する親治療用化合物から合成できる。適当な塩の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed, Mack PublishingCompany, Easton, PA, 1985, p.1418に記載されており、その内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
【0079】
「製薬上許容しうる」という表現は、本明細書では、健全な医療上の判断の範囲において、過剰な毒性、刺激性、アレルギー応答、または他の問題または合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的な利益/リスクの比率に適合する化合物、物質、組成物および/または剤形を示すものとする。
【0080】
本開示で用いる場合には、ビタミンという用語は食事において必要とされる微量の有機性物質を示すものとする。本発明の目的のためには、ビタミンという用語には、例えば、限定するものではないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビタミンKが包含される。更にビタミンには、その補酵素も含まれる。補酵素は、ビタミンの特異的な化学構造のものであり、チアミンピロホスフェート(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、補酵素A(CoA)、ピリドキサルホスフェート、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B12、リポイリシン、11−シス−レチナールおよび1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロールを包含する。ビタミンという用語はまたコリン、カルニチンおよびアルファ、ベータおよびガンマカロテンを包含する。
【0081】
本開示において、「無機質」という用語にはヒトの食事に必要とされる無機の物質、金属等を示すものとする。即ち、本明細書で用いる場合は「無機質」という用語は例えば、限定するものではないが、カルシウム、鉄、亜鉛、セレン、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロム等およびこれらの混合物を含むものとする。
【0082】
「栄養補助品」とは本明細書では、少量を投与した場合に好ましい栄養作用が得られる物質を意味する。「栄養補助品」には、例えば、限定するものではないが、ハチ花粉、ふすま、小麦胚芽、ケルプ、タラ肝油、薬用人参、および魚油、アミノ酸、蛋白質、植物エキス、植物粉末、ハーブ類、ハーブのエキスおよび粉末、ビタミン類、無機質、これらの組み合わせのような成分が包含される。望ましい限り、本質的には何れの栄養補助品も本発明の浸透デバイスに配合してよい。
【0083】
各浸透デバイスに配合する治療用化合物の量は少なくとも一投与単位以上であり、薬学原理で知られる通り選択できる。治療用化合物の有効量は個々に設定される。「有効量」とは例えば医薬に関しては製薬上有効な量を示すものとする。製薬上有効な量は必要な、または、所望の治療応答を示すために十分な薬剤または製薬上活性な物質の量であり、言い換えれば、患者に投与した場合に好ましい生物学的応答を示すために十分な量である。ビタミンまたは無機質の場合は、「有効量」とは患者に対してその特定の成分のUnited States Recommended Daily Allowance(RDA)の少なくとも約10%を示すものとする。例えば、意図する成分がビタミンCである場合は、ビタミンCの有効量はRDAの10%以上を与えるのに十分なビタミンCの量を包含するものとする。典型的には、錠剤が無機質またはビタミンを含有する場合は、これはより多い量で、好ましくは、該当RDAの約100%以上の量で配合できる。
【0084】
治療用化合物の鼻投与のためには、浸透デバイスは、適当な溶媒(例えば水、水性、非水性、極性、非極性、疎水性、親水性、および/またはこれらの組み合わせ)および、場合により他の化合物(安定化剤、芳香剤、抗微生物剤、抗酸化剤、pH調節剤、界面活性剤および/または生体利用性調節剤)を含有するペースト、クリームまたは軟膏中に含有させてよい。鼻粘膜への医薬処方物からの治療用化合物の浸透を増強するアルコールまたは他の化合物のような生体利用性増強剤が鼻投与に適する製剤を調製するために必要である場合がある。
【0085】
経口、頬内および舌下の投与のためには、浸透デバイスはカプレット、錠剤、懸濁液、凝集塊、顆粒または粉末の形態であってよい。肛門投与のためには、浸透デバイスは、腸、S字結腸および/または肛門への治療用化合物の放出のための、坐薬、軟膏、浣腸剤、錠剤またはクリーム中に含有されることができる。
【0086】
「単位剤形」とは本明細書ではある量の治療用化合物を含有する浸透デバイスを示し、その量は1単位以上の予め決まった単位が単回投与として与えられる場合を示すものとする。
【0087】
本発明の浸透デバイスは本明細書に開示した方法または当業者の良く知る方法に従って製造できる。例えば、1つの製造方法によれば、活性剤およびコアを有する賦形剤を固体、半固体またはゼラチン状の形態に混合し、湿潤させ、特定のスクリーンで篩別し、未コーティングコアを得る。次に未コーティングコアを乾燥機中で乾燥し、例えばパンチ処理により圧縮する。圧縮された未コーティングのコア(5)を次に半透膜(4)を含有する適当な物質の溶液で被覆する。その後、各コアを包囲する半透膜(4)を例えばレーザー装置により穿孔する。コーティングされ穿孔されたコアを次に通路をブロックし重合体コーティング(3)を形成する前記のような重合体懸濁液でコーティングする。最後に、活性剤含有外部コーティング(2)を適用する。
【0088】
所望により、本発明の浸透デバイスは所望の光沢、色、味または他の美的特性を得るために当該分野で一般的に行われているとおり仕上げコーティング(8)(模式図)でコーティングすることができる。仕上げコーティングの製造に適する物質は、当該分野で知られたものであり、参考文献の多くの開示中に記載されており、その内容は参考のために本明細書に組み込まれる。
【0089】
以下の実施例は網羅されたものではなく、本発明の意図する多くの実施態様の僅か数例を説明するものである。明細書中に記載された方法にしたがって本発明の浸透デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の多層浸透デバイスの実施態様の一例の側面図である。
【図2】図1のデバイスの断面図である。
【実施例】
【0091】
実施例1
テオフィリンモノエタノールアミン(2.0kg)、マンニトール(0.173kg)、Kollidon 90TM(0.075kg)、Povidone (0.150kg)およびコロイド状二酸化ケイ素(0.005kg)をボウル中混合する。混合物を40メッシュUSPスクリーンを通して篩別する。その後、Kollidon 90(0.025kg)、ポリエチレングリコール1500(0.1kg)および脱イオン水(0.18L)を含有する溶液を所望のコンシステンシーが得られるまで振とうしながら添加する。得られた湿潤混合物を10メッシュスクリーンで篩別し、得られた顆粒をトレーに入れ、12時間45±2℃のオーブンで加熱乾燥する。次に乾燥した顆粒を20メッシュスクリーンで篩別し、粉末ミキサー中に入れるか、または二重ポリエチレン袋に入れる。コロイド状二酸化ケイ素(0.0075kg)とステアリン酸マグネシウム(0.015kg)の混合物を予め50メッシュスクリーンで篩別し、乾燥顆粒に添加する。次にこの混合物を11mm直径の一組のパンチで圧縮し、浸透デバイス例の部分コアを形成する。
次に、部分コアをイソプロピルアルコール中22%Kollidon VA64TMおよび88%タルクの懸濁液で、20mgのコア重量となるまで被覆し、最終コアを形成し、次にこれを80%塩化メチレンおよび20%メタノール中に95%酢酸セルロース、5%ポリエチレングリコール400
を含有する溶液でコーティングし、約62mgの半透膜コーティングコアを形成する。
次にコーティングされたコアの半透膜を従来のレーザー装置を用いて穿孔し、それぞれの半透膜を通る通路を少なくとも各一つ有するコアを形成する。
次に穿孔されたコアをイソプロピルアルコール中Kollidon VA64(19.56%、ポリ(ビニルピロリドン)共重合体−酢酸ビニル)、二酸化チタン(16.59%)、タルク(62.2%)
およびPunzo′4R Aluminum Lake (1.66%)を含有する懸濁液でコーティングし、本発明の重合体コーティングでコーティングされたコアを形成する。
外部の薬剤含有コーティングを、形成直後のコーティングコアに対して、75%塩化メチレンおよび25%エチルアルコール(水中96%)の溶液中にテオフィリンモノエタノールアミン(73.60%)、コロイド状二酸化ケイ素(3.70%)、CL-M Kollidon (7.40%)、ポリエチレングリコール6000(2.04%)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(10.46%)、ポリエチレングリコール400(1.40%)およびTween 20(1.40%)を含有する懸濁液を適用することによりコーティングする。
薬剤含有外部コーティングを包囲する仕上げコーティングは以下の通り適用する。形成直後の浸透デバイスを50%塩化メチレンおよび50%エチルアルコール(水中96%)の溶液中にヒドロキシプロピルメチルセルロース60(11%)、ポリエチレングリコール6000(17.3%)および二酸化チタン(22.59%)を含有する懸濁液でコーティングする。
上記した溶液および懸濁液は適切な粉末化装置中で適用する。各コーティングが形成された後、デバイスを強制空気循環ヒーター中に12時間入れ、コーティングを乾燥する。
【0092】
実施例2
塩酸D−プソイドエフェドリン(2,400g)、塩化ナトリウム(810g)、微結晶セルロース(360.0g)およびポリ(ビニルピロリドン)(500g)を実験用ミキサー中で混合する。次に混合物を40メッシュスクリーンで篩別し、エチルアルコール(水中96%)中ポリ(エチレングリコール)400(10.7%)を含有する溶液を添加しながら混練する。湿潤した生成物を8メッシュスクリーンで篩別し、45℃で12時間加熱オーブン中乾燥する。予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(25.0g)およびステアリン酸マグネシウム(75.0g)の混合物を乾燥顆粒に添加する。得られた顆粒混合物を10mm直径のパンチを有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコアを形成する。
得られた未コーティングコアを次に塩化メチレン(80%)およびメタノール(20%)の混合物中酢酸セルロース(95%)およびポリエチレングリコール400(5%)を含有する溶液でコーティングして、半透膜コーティングコアを形成する。
次に各コアの半透膜コーティングをレーザー装置で穿孔し、半透性コーティングを通る通路少なくとも一個を形成する。
次に穿孔コアをイソプロピルアルコール中Kollidon VA64(19.56%、ポリ(ビニルピロリドン)共重合体−酢酸ビニル)、二酸化チタン(16.59%)、タルク(62.2%)およびPunzo′4R Aluminum Lake (1.66%)を含有する懸濁液で被覆し、本発明の重合体コーティングでコーティングされたコアを形成する。
密閉した通路を有するコーティングコアを以下の通り顆粒を用いた圧縮コーティング工程に付す。実験用ミキサー混練器中、ロラチジン(80g)、乳糖一水和物(1516.0g)、微結晶セルロース(1600g)、とうもろこし澱粉(400g)を混合する。この湿潤混合物を40メッシュスクリーンで篩別し、その後脱イオン水中Povidone (41.18%)、ポリエチレングリコール4000(47.06%)およびポリエチレングリコール400(11.16%)を含有する溶液とともに混練する。次に湿潤混合物を10メッシュスクリーンで篩別し、12時間45℃でオーブン中加熱乾燥する。乾燥した顆粒を20メッシュスクリーンで篩別し、次にコロイド状二酸化ケイ素(16.0g)およびステアリン酸マグネシウム(48.0g)の予め形成した混合物と混合し、最終混合物を50メッシュスクリーンで篩別し、顆粒を形成する。このようにして得られた顆粒を前述のとおり圧縮によりコーティングコア上に適用する。この特定のデバイスは外径14mmを有し、外形10mmの浸透コアを有している。
最後に、50%塩化メチレンおよび50%エチルアルコール(水中96%)の混合物中にヒドロキシプロピルメチルセルロース(60.27%)、ポリエチレングリコール(17.18%)および二酸化チタン(22.55%)を含有する懸濁液を適用することにより仕上げコーティングをデバイスに適用する。
【0093】
実施例3
実験用ミキサー混練器中、塩酸ラニチジン(2400g)、微結晶セルロース(811.0g)およびコロイド状二酸化ケイ素(4.0g)を混合する。混合物をステンレスの40メッシュスクリーンで篩別し、エチルアルコール中30%Povidone溶液とともに混練する。次にこの湿潤混合物を8メッシュスクリーンで篩別し、12時間40℃でオーブン中加熱乾燥し、得られた顆粒を20メッシュスクリーンで篩別する。この顆粒を予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(10.0g)およびステアリン酸マグネシウム(90.0g)の混合物と混合する。次に最終混合物を直径10mmのパンチを有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコアを形成する。
未コーティングコアを80%塩化メチレンおよび20%メタノールの混合物中の95%酢酸セルロースおよび5%ポリエチレングリコール400の溶液でコーティングする。コーティングされたコアを12時間45℃の加熱器中に入れ、最終的に上記したとおり各半透膜のレーザー穿孔に付す。
次に穿孔コアをイソプロピルアルコール中Kollidon VA64(19.56%、ポリ(ビニルピロリドン)共重合体−酢酸ビニル)、二酸化チタン(16.59%)、タルク(62.2%)およびPunzo′4R Aluminum Lake (1.66%)を含有する懸濁液で被覆し、本発明の重合体コーティングでコーティングされたコアを形成する。
閉塞した通路を有するコーティングコアを以下の通り予め製造した顆粒を用いた圧縮コーティング工程に付す。実験用ミキサー中、塩酸ラニチジン(557.2g)および微結晶セルロース(1993.3g)を混合する。この混合物を40メッシュスクリーンで篩別し、イソプロピルアルコール中12.5%のアンモニウムポリ(メタクリレート)の溶液とともに混練する。湿潤混合物を8メッシュスクリーンで篩別し、12時間40℃で加熱器中で乾燥する。次に乾燥した顆粒を20メッシュスクリーンで篩別する。別の実験用ミキサー中、シサプリド一水和物(207.7g)、Povidone(300g)および微結晶セルロース(1373.3g)を混合する。この混合物をステンレス鋼の40メッシュスクリーンで篩別し、脱イオン水中のポリエチレングリコール6000(34.73%)およびポリエチレングリコール400(6.95%)の溶液とともに混練する。湿潤した塊を8メッシュスクリーンで篩別し、12時間40℃で加熱器中で乾燥する。乾燥後、これを20メッシュスクリーンで篩別する。
形成直後の両顆粒を混合し、次に、実験用粉末ミキサー中で、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(105.4g)、コロイド状二酸化ケイ素(33.7g)およびステアリン酸マグネシウム(75.3g)と混合する。このようにして得られた顆粒混合物を前述のとおり圧縮によりコーティングコア上に適用する。このようにして得られたデバイスは外径14mmを有し、コーティングされ穿孔され閉塞されたコアを有している。
最後に、50%塩化メチレンおよび50%エチルアルコール(水中96%)の混合物中にヒドロキシプロピルメチルセルロース(60.27%)、ポリエチレングリコール(17.18%)および二酸化チタン(22.55%)を含有する懸濁液を適用することにより仕上げコーティングをデバイスに適用する。
【0094】
実施例4
D−プソイドエフェドリン(2,400.0g)、塩化ナトリウム(810.02g)、微結晶セルロース(1335.0g)およびポリ(ビニルピロリドン)(400.0g)を実験用ミキサー中で混合する。次に混合物を40メッシュスクリーンで篩別し、エチルアルコール(水中96%)中ポリ(ビニルピロリドン)(30%)を含有する溶液を添加しながら混練する。湿潤した生成物を8メッシュスクリーンで篩別し、45℃で5時間加熱オーブン中乾燥する。予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(29.97g)およびステアリン酸マグネシウム(75.0g)の混合物を乾燥顆粒に添加する。得られた顆粒混合物を10mm直径のパンチを
有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコアを形成する。
得られた未コーティングコアを次に塩化メチレン(80%)およびメタノール(20%)の混合物中酢酸セルロース(95%)およびポリエチレングリコール400(5%)を含有する溶液でコーティングして、半透膜コーティングコアを形成する。
次に各コアの半透膜コーティングをレーザー装置で穿孔し、半透性コーティングを通る通路少なくとも一個を形成する。
次に穿孔コアをイソプロピルアルコール(25%)中Copolyvidone(19.56%、ポリ(ビニルピロリドン))、二酸化チタン(16.59%)、タルク(62.2%)およびPunzo′4R Aluminum Lacquer (1.66%)を含有する懸濁液で被覆し、本発明の重合体コーティングで密閉された通路を有するコーティングされたコアを形成する。
閉塞した通路を有するコーティングコアをイソプロピルアルコール(4%)中アステミ
ゾール(52.00%);コロイド状二酸化ケイ素(2.65%);Crospovidone(15.63%);PEG 6000(1.63%);Copolyvidon(25.95%);ポリソルベート20(1.06%)およびPEG 400(1.06%)を含有する懸濁液でコーティングする。
次に以下の懸濁液、即ち、50%塩化メチレンおよび50%エチルアルコール(水中96%)の混合物中のヒドロキシプロピルメチルセルロース(60.27%)、ポリエチレングリコール6000(17.18%);二酸化チタン(21.50%);アルミニウムラッカー染料(1.05%)をコア上に噴霧することにより最終コーティングを適用し、その後最終コーティングを乾燥する。
【0095】
実施例5
実験用ミキサー混練器中、マレイン酸ジルチアゼム(364.9g)、無水グルコース(255.93g)およびコロイド状二酸化ケイ素(6.0g)を混合する。混合物を40メッシュスクリーンで篩別し、エチルアルコール(水中96%)中Povidone(34.2%)の溶液およびPEG 400(0.57%)を添加しながら混練する。湿潤した生成物を10メッシュスクリーンで篩別し、40℃で3時間加熱オーブン中乾燥する。予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(9.0g)およびステアリン酸マグネシウム(6.84g)の混合物を乾燥顆粒に添加する。得られた顆粒混合物を9mm直径のパンチを有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコア336mgを形成する。
得られた未コーティングコアを次に塩化メチレン(80%)およびメタノール(20%)の混合物中酢酸セルロース(95%)およびポリエチレングリコール400(5%)を含有する溶液でコーティングし、コア当たりコーティング24.8mgを有する半透膜コーティングコアを形成する。
次に各コアを半透膜コーティングをレーザー装置で穿孔し、半透性コーティングを通る通路少なくとも一個を形成する。
次に穿孔コアを、5.2%で、塩化メチレン(75%)および96°エチルアルコール(25%)の混合物中Copolyvidone (30.00%);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(37.00%);PEG 6000(10.50%);二酸化チタン(18.50%);キノリンアルミニウムラッカーのイエロー(4.00%)を含有する着色懸濁液で被覆し、通路を密閉する。
【0096】
実施例6
本デバイスは穿孔までの工程は実施例5と同様に調製する。次に穿孔したコアを着色懸濁液で被覆するが、その際の懸濁液は4.6%で塩化メチレン(50%)および96°エチルアルコール(50%)の混合物中マレイン酸エナラプリル(40.97%)(5.0mg/錠剤);コロイド状二酸化ケイ素(2.10%);Crospovidone(12.29%);Copolividone(20.45%);ポリソルベート20(0.82%);PEG 6000(17.20%);二酸化チタン(22.56%)を含有するものとする。
【0097】
実施例7
塩化オキシブチニン(154.5g)、マンニトール(2660.5g)、無水グルコース(400.0g)およびPovidone (250.0g)を実験用ミキサー中で混合する。混合物をポリ(エチレングリコール)400(3.04%)およびPEG 6000(13.04%)を含有するアルコール性溶液とともに混練する。湿潤した生成物を10メッシュスクリーンで篩別し、45℃で5時間加熱オーブン中乾燥する。乾燥した顆粒を20メッシュスクリーンで篩別する。予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(80.0g)およびステアリン酸マグネシウム(40.0g)の混合物を乾燥顆粒に添加する。得られた顆粒混合物を9.25mm直径のパンチを有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコア380mgを形成する。
次に得られた未コーティングコアを、5%の濃度で、塩化メチレン(80%)およびメタノール(20%)の混合物中酢酸セルロース(95%)およびPEG 400(5%)を含有する溶液でコーティングし、コア当たりコーティング30mgを有する半透膜コーティングコアを形成する。次に各コアの半透膜を穿孔し、半透性コーティングを通る通路少なくとも一個を形成する。次に穿孔コアを、6%の濃度でイソプロピルアルコール中Copolividone(19.50%);二酸化チタン(17.50%);Ponceau 4Rアルミニウムレーキ(0.50%)およびタルク1(62.50%)を含有する着色懸濁液で被覆し、通路を密閉する。
塩化メチレン(75%)および50%メタノール(25%)の混合物中ヒドロキシプロピルメチルセルロース(60.25%);PEG 6000 (17.2%);および二酸化チタン(22.55%)を含有する懸濁液をコーティングコアに噴霧することにより最終コーティングを適用し、5.13%の固形分濃度を得る。
【0098】
実施例8
実験用ミキサー混練器中、シサプリド一水和物(83.08g)、微結晶セルロース(100.12g)、塩化ナトリウム(150.0g)、PEO(180.0g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(12.40g)、Povidone(63.0g)を混合する。混合物を40メッシュスクリーンで篩別する。混合物をポリソルベート20(3.40%)のアルコール性溶液中で混練する。湿潤した混合物を10メッシュスクリーンで篩別し、40℃で3.5時間加熱オーブン中乾燥する。乾燥した顆粒を20メッシュスクリーンで篩別する。予め50メッシュスクリーンで篩別したコロイド状二酸化ケイ素(3.0g)およびステアリン酸マグネシウム(5.0g)の混合物を乾燥顆粒に添加する。得られた顆粒混合物を9.25mm直径のパンチを有する圧縮器で圧縮し、未コーティングコア300mgを形成する。
得られた未コーティングコアを次に、5%濃度で、塩化メチレン(80%)およびメタノール(20%)の混合物中酢酸セルロース(95%)およびポリエチレングリコール400(5%)を含有する溶液でコーティングし、コア当たりコーティング36mgを有する半透膜コーティングコアを形成する。
次に各コアの半透膜コーティングをレーザー装置で穿孔し、半透性コーティングを通る通路少なくとも一個を形成する。
次に穿孔コアを、5.2%で、塩化メチレン(75%)および96°エチルアルコール(25%)の混合物中Copolyvidone (30.00%);ヒドロキシプロピルメチルセルロース(37.00%);ポリエチレングリコール6000(10.50%);二酸化チタン(18.50%);キノリンアルミニウムラッカーのイエロー(4.00%)を含有する着色懸濁液で被覆し、通路を密閉する。
4.65%濃度で、塩化メチレン(50%)およびメチルアルコール(水中96%)(50%)の混合物中、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(60.27%);PEG 6000 (17.20%);二酸化チタン(22.20%);アルミニウムラッカー染料(0.37%)を含有する懸濁液をコアに噴霧することにより、最終コーティングを適用する。
【0099】
以上の記載は本発明の特定の実施態様を詳細に説明したものである。開示した実施態様からの変更は変発明の範囲内で可能であり、自明な変更は当業者が知るとおりである。本発明の完全な範囲は以下に示す請求項等に示す通りである。従って、請求項および明細書は本発明に付与された完全な保護範囲を不当に狭めるものではない。
【0100】
当業者は本開示を参照することによりここに記載した特定の実施態様において多くの変更が可能であり、本発明の精神および範囲を外れることなく類似の結果を得ることができる。本明細書に記載し、請求項に記載した全ての組成物および方法は本発明の開示を参照して特に実験を行うことなく製造および実施できる。生理学的および化学的に関連した特定の化合物はここに記載した治療用化合物の代替となり、同様の結果が得られることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種以上の使用環境への一種以上の活性剤の制御された送達のための多層浸透デバイスであって、その浸透デバイスが下記成分:
a)第一の活性剤およびその第一の活性剤の制御された持続性放出のための浸透剤を含有する圧縮コア;
b)コアを包囲し、予め形成された通路を内部に有する半透膜;
c)半透膜を部分的または完全に包囲し、壁内の予め形成された通路に充填された完全に浸出性または水溶性の不活性重合体コーティング;および
d)第二の活性剤の放出のための該活性剤含有の外部コーティングであって、そこでは重合体コーティングが部分的または完全に溶解または浸出した後に第一の活性剤をコアから放出させ、そして第一および第二の活性剤を同一または異なる使用環境中に放出させる上記の外部コーティング
を含み、さらに第一の活性剤と第二の活性剤は同じものである上記デバイス。
【請求項2】
外部コーティングが第二の活性剤の即時、急速、緩慢、遅延、持続性、擬一次、擬零次、時間指定、制御またはそれらの組合せの放出を提供する、請求項1記載の浸透デバイス。
【請求項3】
圧縮コアが更にポリ(ビニルピロリドン)を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項4】
半透膜が本質的に酢酸セルロースおよびポリ(エチレングリコール)よりなる請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項5】
外部コーティングがポリ(ビニルピロリドン)およびポリ(エチレングリコール)を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項6】
外部コーティング中の第二の活性剤が治療剤を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項7】
コア中の第一の活性剤が治療剤を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項8】
外部コーティング中の第二の活性剤が治療剤を含有し、コア中の第一の活性剤が治療剤を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項9】
第一および第二の活性剤がテオフィリンである請求項1記載の浸透デバイス。
【請求項10】
第一および第二の活性剤が異なる使用環境中に放出される請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項11】
第一の使用環境が哺乳類の胃腸の領域であり、第二の使用環境が哺乳類の胃腸管の更に下部である請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項12】
第一および第二の活性剤が、同一の使用環境中に放出される請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項13】
一種以上の活性剤の制御された送達がpH依存性、pH非依存性、拡散制御、溶解制御、擬零次、零次、擬一次、一次または二次、急速、緩慢、遅延、時間指定および持続性の送達の一種以上を含む請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項14】
重合体コーティングの少なくとも一部分は、外部コーティングが使用環境中に少なくとも部分的に溶解した後に使用環境中に存在する液体に溶解または浸出する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項15】
重合体コーティングは、外部コーティングが可溶性である同一の使用環境で可溶性であり、かつコアが可溶性である同一の使用環境中で可溶性である請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項16】
半透膜がセルロースエーテル、セルロースエステルおよびセルロース−エステル−エーテルから選択される物質を含む請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項17】
外部コーティングがポリ(ビニルピロリドン)をさらに含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項18】
第一および第二の活性剤が抗菌物質、抗ヒスタミン剤、鬱血除去剤、抗炎症剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、局所麻酔剤、抗カビ剤、殺アメーバ剤、殺トリコモナス剤、鎮痛剤、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗新生物剤、抗精神病剤、神経弛緩剤、抗高血圧剤、筋弛緩剤、抑制剤、催眠剤、鎮静剤、精神賦活化剤、精神安定剤、抗パーキンソン剤、筋収縮剤、抗微生物剤、抗マラリア剤、ホルモン剤、避妊薬、交感神経興奮剤、利尿剤、低血糖剤、眼科用医薬、電解質、診断剤および心臓血管剤からなる群よりそれぞれ選択される請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項19】
第一および第二の活性剤が農薬、除草剤、殺昆虫剤、抗酸化剤、植物生長促進剤、滅菌剤、触媒、化学試薬、食品、栄養物、化粧品、ビタミン、不妊化抑制剤、繁殖促進剤、微生物、フレーバー、甘味料および清浄剤からなる群よりそれぞれ選択される請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項20】
完全に浸出性または水溶性の不活性重合体コーティングが、ポリ(ビニルピロリドン)−(ビニルアセテート)共重合体を含有する請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項21】
コーティングおよび/またはコアの重合体が可塑剤を含む請求項1または2記載の浸透デバイス。
【請求項22】
第一の活性剤の送達を第二の活性剤の送達の割には遅延させる請求項1または2記載の浸透デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−162533(P2012−162533A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56583(P2012−56583)
【出願日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【分割の表示】特願2007−7536(P2007−7536)の分割
【原出願日】平成10年5月29日(1998.5.29)
【出願人】(511079089)
【Fターム(参考)】