説明

多層管

本開示は熱収縮性フルオロポリマー裏当てを供給し、エラストマー被覆を熱収縮性ポリマー裏当ての上に押出すことを含む多層管を形成する方法に向けられる。この開示はさらに非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当てを供給し、エラストマー被覆を非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ての上に押出すことを含む多層管を形成する方法に向けられる。この開示はさらに前記の多層管に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は多層式管及びそのような管を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蠕動ポンプは連続転子及び固定圧出器外被を含む。蠕動ポンプは物質を典型的に液体形態で蠕動ポンプ管に圧力をかけることにより作動する。いよいよ蠕動ポンプは高純度用途または強度化学薬品の輸送に使用されている。しかるべく管は一般に耐化学的損傷性でもあり、蠕動ポンプの物理要求に耐えることもできるポリマーから製造される。
【0003】
フルオロポリマーのような低表面エネルギーポリマーは化学薬品暴露によりもたらされる耐損傷性を示し、耐汚染性を有し、環境条件暴露によりもたらされる耐損傷性を証明し、典型的に解離面を形成する。そのような低表面エネルギーポリマーは需要があるところが一方で、ポリマーは高価になりがちであり、蠕動ポンプ用途に望まれる曲げを有しない傾向がある。この故にフルオロポリマーは通常は繰返及び長期使用に耐えることができない。加えてそのようなポリマーは低湿潤性ならびに解離面を形成し、ほかの高分子支持体と接着不良になる所定の傾向を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の蠕動ポンプ用途としては製造業者は多層式フルオロポリマー管を生産することに関心を向けた。例えば、ズムブラム(Zumbrum)(米国特許出願公開第2006/00187771号明細書)は弗素樹脂複合材裏打ちエラストマー系管を記述する。具体的に言うと内張りは膨張ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と弗素樹脂ポリマーの複合材料である。ズムブラムで述べられるように発泡PTFEは多孔節点及びフィブリル構造を有する。管を生産するため複合材料の薄フィルムは繰り返して心棒に巻付けられる。巻付けられるとフィルム層は加熱され、裏当てを形成する。続いて裏当ては腐蝕され、裏当てはある長さのエラストマー系管材料を表装される。エラストマー系管材料は次にナイロン樹脂硬化包みで巻かれ、心棒は加熱される。残念ながら管状材料を生産するこの製法は冗長でも費用のかかるものでもあり、典型的にそのような製法により経済的に形成されることが可能である管の長さは限定される。
【0005】
この故に改良された多層管およびそのような多層管を製造する方法を提供することは望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の実施形態で多層管を形成する方法は熱収縮性フルオロポリマー裏当てを供給し、エラストマー被覆を熱収縮性フルオロポリマー裏当ての上に押出すことを含む。
【0007】
別の例示的実施形態で管は熱収縮性ポリテトラフルオロエチレンを含む第一層及び第一層に隣接した第二層を含む。第二層はエラストマーを含む。
【0008】
さらなる例示的実施形態で管はペースト押出ポリテトラフルオロエチレン層を含む裏当て及び裏当ての上に重なる被覆を含む。裏当てはエラストマーを含む。
【0009】
例示的実施形態で多層管を形成する方法は非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当てを供給し、エラストマー被覆を非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ての上に押出すことを含む。
【0010】
さらなる例示的実施形態で管は非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーを含む第一層及び第一層に隣接した第二層を含む。第二層はエラストマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的多層管の例解を含む図である。
【図2】例示的多層管の例解を含む図である。
【図3】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図4】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図5】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図6】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図7】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図8】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図9】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図10】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図11】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図12】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図13】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【図14】例示的多層管の性能を示すデータの線図例解を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は良好に理解されることが可能であり、非常に多くの特徴及び利点は当業者に添付図面を参照することにより明らかにされる。
【0013】
特定の実施形態で多層管は裏当てと被覆を含む。裏当ては低表面エネルギーポリマーを含む。例えば、低表面エネルギーポリマーはフルオロポリマーを含む。被覆はエラストマーを含み、裏当てに直接に接する。例示的実施形態で多層管はまた裏当て及び被覆の間にはさまれる中間層を含むことが可能である。中間層は例えば、接着剤層を含むことが可能である。
【0014】
一例で裏当てはフルオロポリマーのような低表面エネルギーポリマーを含む。例示的フルオロポリマーはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、弗化ビニリデン、弗化ビニル、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテルのような単量体、またはそれらの任意の組合せから形成される単独重合体、共重合体、三元共重合体、またはポリマーブレンドからなることが可能である。例えば、フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。一つの実施形態でPTFEは非フィブリル化される。「非フィブリル化」とはここで使用されるときはフィブリルを含有しない構造をいう。例示的実施形態でフルオロポリマーは熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。この開示の熱収縮性PTFEは延伸寸法と未延伸寸法の比として定義される、約3:1以下、約2.5:1以下、もしくは約2:1のように約4:1以下の延伸比を有する。一例で熱収縮PTFEは一軸延伸されることが可能である。代替的に熱収縮PTFEは二軸延伸されることが可能である。特に延伸比は約1.5:1〜約2.5:1であることが可能である。例示的実施形態で熱収縮PTFEは節点ならびにフィブリル構造に延伸されない。対照的に膨張PTFEは一般に約4:1の比で二軸延伸され、節点ならびにフィブリル構造を形成する。この故にこの開示の熱収縮性PTFEは柔軟度を達成するばかりでなく耐薬品性を維持する。一つの実施形態で熱収縮性PTFEは100%伸びで約2500 psi未満、もしくは約2000 psi未満のような約3000 psi未満の引張弾性率を有する。
【0015】
一つの実施形態でフルオロポリマーは高軟質を有する。ゼウス(Zeus')高柔軟PTFE製品のような高柔軟PTFEは耐薬品性を維持するばかりでなく曲がりを維持する。さらにまた高柔軟PTFEは節点ならびにフィブリル構造に延伸されない。M.I.T.耐折/屈曲強さを用いて高柔軟PTFEは典型的に4.5 lbsの荷重で試験されるときに屈曲循環を4.0百万サイクル超過のような、5.0百万サイクル超過のような、6.0百万サイクル超過のような、もしくは6.5百万サイクル超でも3.0百万サイクル超過有する。熱収縮PTFEは4.5 lbsの荷重で試験されるときに屈曲循環を4.0百万サイクル超過のような、5.0百万サイクル超過のような、もしくは5.5百万サイクル超でも3.0百万サイクル超過有する。対比してゼウス標準PTFE製品のような標準PTFEは4.0 lbsの荷重で試験されるときに約2.5百万サイクル未満の屈曲循環を有する。さらに約4:1の延伸比の熱収縮PTFEは4.5 lbsの荷重で試験されるときに約2.0百万サイクル未満の屈曲循環を有する。
【0016】
さらにまた例示的フルオロポリマーは弗素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)のコポリマー、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)のコポリマー、エチレン及びクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)のコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及び弗化ビニリデン(THV)を含むターポリマー、もしくはそれらの任意ブレンドまたはアロイを包含する。例えば、フルオロポリマーはFEPを含むことが可能である。さらなる例でフルオロポリマーはPVDFを含むことが可能である。例示的実施形態でフルオロポリマーは電子ビームのような放射線によって架橋できるポリマーであることが可能である。例示的架橋性フルオロポリマーはETFE、THV、PVDF、もしくはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。THV樹脂はダイネオン・3M社(Dyneon 3M Corporation, Minneapolis)から利用可能である。ECTFEポリマーはオーシモント社(Ausimont Corporation)(伊)から商品名Halarのもとで利用可能である。ここで使用される他のフルオロポリマーはダイキン(Daikin)(日本)及びデュポン(DuPont)(米)から入手されることが可能である。特にFEPフルオロポリマーはダイキンから、NP-12Xのように商業的に利用可能である。
【0017】
一つの実施形態でフルオロポリマー裏当ては巻き付けられる心棒に向かい合わされたままでペースト押し出しされる。ペースト押出は典型的に滑剤とフルオロポリマー粉末の練り物を押し出すことを含む製法である。一例でフルオロポリマーは剪断力でフィブリル化される細PTFE粉末である。このペーストは低温で(例えば、75℃を越えない)押し出される。一つの実施形態でペーストは管の形態で押し出され、付け裏を形成する。一度ペーストが押し出されたらPTFEは約4:1未満の比に延伸されることが可能であり、熱収縮性PTFEを形成する。特に熱収縮PTFEはペースト押出管を膨らませることで一軸延伸されることが可能である。
【0018】
対照的に膨張PTFEは典型的に心棒で形成される。典型的にPTFEのシートは二軸延伸するように膨張され、次に心棒の周囲に巻かれる。膨張PTFEの節点ならびにフィブリル構造のために弗素樹脂シートは膨張PTFEのシートと交替して巻かれることが可能である。続いて心棒は多重層を相結合して膨張PTFE裏当てを形成するために十分温度に加熱される。
【0019】
一例で熱収縮PTFE裏当ては好ましい破断点伸びのような有利な物理的性質を有する。裏当ての破断点伸びは裏当てが欠ける(すなわち、破断する)までの伸びの尺度である。例示的実施形態で裏地は変法ASTM D638型式5試験片試験法に基づく少なくとも約300%、または少なくとも400%のように少なくとも約250%の破断点伸びを示すことが可能である。
【0020】
例示的実施形態で被覆はエラストマー材料から形成されることが可能である。例示的エラストマーは天然または合成起源の架橋性弾性ポリマーを含むことが可能である。例えば、例示的エラストマー材料はシリコーン、天然ゴム、ウレタン、オレフィン系エラストマー、ジエンエラストマー、オレフィン系及びジエンエラストマーのブレンド、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0021】
例示的実施形態でエラストマー材料はシリコーン配合物である。シリコーン配合物は例えば、無極性シリコーンポリマーを用いて形成されることが可能である。一例でシリコーンポリマーはジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジプロピルシロキサン、メチルエチルシロキサン、メチルプロピルシロキサン、またはそれらの組合せのような先駆物質からなるシリコーン重合体のようなポリアルキルシロキサンを含むことが可能である。特定の実施形態でポリアルキルシロキサンはポリジメチルシロキサン(PDMS)のようなポリジアルキシロキサンを含む。大抵シリコーンポリマーは無極性であり、塩素及び弗素のようなハリド官能基、及びフェニル官能基がない。選択的にシリコーンポリマーはハリド官能基またはフェニル官能基を含むことが可能である。例えば、シリコーンポリマーはフルオロシリコーンまたはフェニルシリコーンを含むことが可能である。
【0022】
一つの実施形態でシリコーンポリマーは白金触媒シリコーン配合物である。選択的にシリコーンポリマーは過酸化物触媒シリコーン配合物であることが可能である。シリコーンポリマーは液体シリコーンゴム(LSR)または高稠度ゴム状物質(HCR)であることが可能である。特定の実施形態でシリコーンポリマーは白金触媒LSRである。さらなる実施形態でシリコーンポリマーは二液反応系から形成されるLSRである。LSRの特定実施形態はワッカー・シリコーン(Wacker Silicone of Adrian, MI)によるWacker 3003及びロジア・シリコーン(Rhodia Silicones of Ventura, CA)によるRhodia 4360を含む。別例でシリコーンポリマーはジー・イー・プラスチックス(GE Plastics)から利用可能なGE 94506 HCRのようなHCRである。
【0023】
一つの実施形態で粘着性シリコーンポリマーは使用可能である。粘着性シリコーンポリマーは典型的に通常シリコーンに比較して支持体への改良接着性を有する。粘着性シリコーンポリマーの特定実施形態はジー・イー・プラスチックスから利用可能なGE LIMS 8040及びシンエツ(Shin-Etsu)から利用可能なKE2090-40を含む。
【0024】
被覆がシリコーン配合物であればシリコーンポリマー被覆のショアーA押込硬度計(ショアーA)は約20〜約50のように、約30〜約50のように、もしくは約40〜約50のように約75未満であることが可能である。
【0025】
別実施形態でエラストマー材料は架橋性弾性ポリマーを含む。例えば、エラストマー被覆はジエンエラストマーを含むことが可能である。特定の例でエラストマー材料はジエンエラストマー及びポリオレフィンの配合物を含む。ジエンエラストマーは少なくとも一のジエン単量体から形成されるコポリマーであることが可能である。例えば、ジエンエラストマーはエチレン、プロピレンおよびジエン単量体のコポリマー(EPDM)であることが可能である。例示的ジエン単量体はブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のような共役ジエン:1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、2,5-ジメチル-1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン等のような5〜約25個炭素原子を含む非共役ジエン;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン等のような環状ジエン;1-ビニル-1-シクロペンテン、1-ビニル-1-シクロヘキセン等のようなビニル環状エン;3-メチルビシクロ-(4,2,1)-ノナ-3,7-ジエン、等のようなアルキルビシクロノナジエン;メチルテトラヒドロインデン、等のようなインデン;5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ブチリデン-2-ノルボルネン、2-メタリル-5-ノルボルネン、2-イソプロペニル-5-ノルボルネン、5-(1,5-ヘキサジエニル)-2-ノルボルネン、5-(3,7-オクタデニル)-2-ノルボルネン等のようなアルケニルノルボルネン;3-メチルトリシクロ(5,2,1,02,6)-デカ-3,8-ジエン、等のようなトリシクロジエン;またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。特定の実施形態でジエンは非共役ジエンを含む。別の実施形態でジエンエラストマーはアルケニルノルボルネンを含む。ジエンエラストマーはジエンエラストマーの全重量に基づいて例えば、エチレンをポリマーのうち約63.0 wt%〜約95.0 wt%、プロピレン約5.0 wt%〜約37.0 wt%、およびジエンモノマー約0.2 wt%〜約31.0 wt%含むことが可能である。特定の例でエチレン含有率はジエンエラストマーの約70.0 wt%〜約90.0 wt%であり、プロピレンは約17.0 wt%〜約31.0 wt%、およびジエンモノマーは約2.0 wt%〜約10.0 wt%である。架橋以前にジエンエラストマーは約900 psi〜約1600 psiのように、約800 psi〜約1800 psiの未処理引張強さを有することが可能である。未架橋ジエンエラストマーは少なくとも約600パーセントの破断点伸びを有することが可能である。大抵ジエンエラストマーはジシクロペンタジエン、エチルノルボルネン、メチルノルボルネン、非共役ヘキサジエン、等のような少量のジエンモノマーを含み、典型的に約50000〜約100000の数平均分子量を有する。例示的ジエンエラストマーは商用名Nordelのもとでダウ・デュポン(Dow DuPont)から商業的に利用可能である。
【0026】
配合ポリオレフィンはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、オクテン、またはそれらの任意の組合せのような単量体から形成される単独重合体、共重合体、三元共重合体、アロイ、もしくはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。例示的ポリオレフィンは高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンオクテン共重合体、またはそれらの任意の組合せを含む。特定の例でポリオレフィンは高密度ポリエチレンを含む。別例でポリオレフィンはポリプロピレンを含む。さらなる例でポリオレフィンはエチレンオクテン共重合体を含む。特定の実施形態でポリオレフィンはカルボキシル官能基変性ポリオレフィンのような変性ポリオレフィンではなく、特にエチレン酢酸ビニルではない。さらにポリオレフィンはジエンモノマーから形成されない。特定の例でポリオレフィンはある程度の結晶度を有する。例えば、ポリオレフィンは少なくとも約35%結晶度を有することが可能である。特定の例でポリオレフィンは少なくとも約60%もしくは少なくとも約70%結晶度のように少なくとも約50%の結晶度を有することが可能である。特定の例でポリオレフィンは高結晶度ポリオレフィンであることが可能である。代替的にポリオレフィンは結晶度35%以下を有する低結晶度ポリオレフィンであることが可能である。低結晶度ポリオレフィンは透明度を特別に応用されて改良することが可能である。例示的な商業的利用可能ポリオレフィンはEquistar 8540、エチレンオクテンコポリマー;Equistar GA-502-024、LLDPE;Dow DMDA-8904NT 7、HDPE;Basell Pro-Fax SR275M、ランダムポリプロピレンコポリマー;Dow 7C50、ブロックPPコポリマー;または先に商用名Engageのもとにデュポン・ダウ(DuPont Dow)により販売される製品を含む。
【0027】
一例で配合物は約30.0 wt%以下のポリオレフィンのように約40.0 wt%以下のポリオレフィンを含む。例えば、配合は10.0 wt%以下のように約20.0 wt%以下のポリオレフィンを含むことが可能である。特定の例で配合物は約10.0 wt%〜約30.0 wt%、約10.0 wt%〜約25.0 wt%、もしくは約10.0 wt%〜約20.0 wt%のように約5.0 wt%〜約30.0 wt%含むことが可能である。例示的な商用EPDM/ポリオレフィン配合物はアドバンスド・エラストマー・システムズ(Advanced Elastomer Systems)から入手可能なSantoprene 8291を含む。
【0028】
一般に配合物は重合体成分間の適合性を示す。DMA分析は適合性の形跡を提供することが可能である。DMA分析は配合物の主成分のガラス転移温度間で適合性を示す単正接デルタピークを提示することが可能である。代替的に非適合性配合物は一以上の正接デルタピークを示すことが可能である。一例で配合物は単正接デルタピークを示すことが可能である。特に単正接デルタピークはポリオレフィンのガラス転移温度とジエンエラストマーのガラス転移温度の間にあることが可能である。
【0029】
例示的実施形態で配合物は架橋によって硬化されることが可能である。特定の例でジエンエラストマーはX線放射線、ガンマ線、紫外電磁線、可視光線、電子ビーム(e-ビーム)線、またはそれらの任意の組合せを用いるような放射線によって架橋性であることが可能である。紫外(UV)線は170 nm〜220 nmの範囲のような170 nm〜400 nmの範囲の波長または複数の波長で放射線を含むことが可能である。電離線はイオンを発生できる高エネルギー放射線を含み、電子ビーム(e-ビーム)線、ガンマ線、及びx-線放射線を含む。特定の例でe-ビーム電離線はファンデグラフ起電機、電子加速器、またはx-線により発生される電子ビームを含む。代替的実施形態でジエンエラストマーは熱的方法によって架橋性であることが可能である。さらなる例でジエンエラストマーはシラン架橋剤及び水間の反応のような化学反応を通して架橋性であることが可能である。
【0030】
例示的実施形態で配合物はさらに架橋剤、光開始剤、充填剤、可塑剤またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。選択的に配合物は架橋剤、光開始剤、充填剤、または可塑剤がないことが可能である。特に配合物は光開始剤または架橋剤がないことが可能である。
【0031】
架橋を促進するために配合物は光開始剤または増感剤組成物を含むことが可能である。例えば、紫外線が照射の形態として考慮されるときまたはe-ビーム線が照射の形態として考慮されるときに物質は架橋効率、すなわち単位放射線量当たりの架橋度を増加するために光開始剤を含むことが可能である。
【0032】
例示的光開始剤はベンゾフェノン、オルト-及びパラ-メトキシベンゾフェノン、ジメチルベンゾフェノン、ジメトキシベンゾフェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o-メトキシアセトフェノン、アセナフテン-キノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、アルファフェニル-ブチロフェノン、p-モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4-モルホリノベンゾ-フェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、3-o-モルホリノデオキシベンゾイン、p-ジアセチル-ベンゼン、4-アミノベンゾフェノン、4'-メトキシアセトフェノン、アルファ-テトラロン、9-アセチルフェナントレン、2-アセチル-フェナントレン、10-チオキサンテノン、3-アセチル-フェナントレン、3-アセチルインドール、9-フルオレノン、1-インダノン、1,3,5-トリアセチルベンゼン、チオキサンテン-9-オン、キサンテン-9-オン、7-H-ベンズ[de]アントラセン-7-オン、ベンゾインテトラヒドロフラニルエーテル、4,4'-ビス(ジメチルアミノ)-ベンゾフェノン、1'-アセトナフトン、2'アセトナフトン、アセト-ナフトンおよび2,3-ブタンジオン、ベンズ[a]アントラセン-7,12-ジオン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセト-フェノン、アルファジエトキシ-アセトフェノン、アルファジブトキシ-アセトフェノン、アントラキノン、イソプロピルチオキサントン、またはそれらの任意の組合せを含む。例示的重合開始剤はポリ(エチレン/一酸化炭素)、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)-フェニル]プロパノン]、ポリメチルビニルケトン、ポリビニルアリールケトン、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0033】
別の例示的光開始剤はベンゾフェノン;アントロン;キサントン;2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(Irgacure(登録商標)651)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure(登録商標)184)、または2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン(Irgacure(登録商標)907)を含むチバ・ガイギー社(Ciba-Geigy Corp.)からIrgacure(登録商標)列の光開始剤;またはそれらの任意の組合せを含む。通常は光開始剤はエラストマー被覆の物質から低移行性を示す。加えて光開始剤は典型的に押出温度で低蒸気圧およびエラストマー被覆のポリマーまたはポリマー配合物において有効架橋を生ずるために十分な溶解性を有する。例示的実施形態で光開始剤の蒸気圧ならびに溶解性、またはポリマー相溶性は光開始剤を誘導することにより改良されることが可能である。例示的誘導光開始剤は例えば、4-フェニルベンゾフェノン、4-アリルオキシベンゾフェノン、4-ドデシルオキシベンゾフェノン、またはそれらの任意の組合せのようなベンゾフェノンの高分子量誘導体を含む。一例で光開始剤はエラストマー被覆物質のポリマーに共有結合されることが可能である。
【0034】
例示的実施形態で配合物は約0.1 wt%〜約2.0 wt%のようなおよそ0.0 wt%〜約3.0 wt%の光開始剤を含む。
【0035】
配合物の架橋はまた過酸化物、アミン、シラン、またはそれらの任意の組合せのような化学架橋剤によっても促進されることが可能である。例示的実施形態で配合物は固相形態のポリマー及び架橋剤をドライブレンディングにより、すなわち粉末形態で調製されることが可能である。代替的に物質は液体形態で調製されるか不活性粉末支持材に収着されるか塗被ペレット剤等を調製されることが可能である。
【0036】
例示的な熱活性化可能架橋剤は化学物質を発生する遊離基を含み、熱に暴露されれば分解して少なくとも一つの、及び典型的には二以上の遊離基を形成し、架橋を果たす。例示的実施形態で架橋剤は有機過酸化物、アミン、シラン、またはそれらの任意の組合せを含む有機架橋剤である。
【0037】
例示的な有機過酸化物は2,7-ジメチル-2,7-ジ(t-ブチルペルオキシ)オクタジイン-3,5;2,7-ジメチル-2,7-ジ(炭酸ペルオキシエチル)オクタジイン-3,5;3,6-ジメチル-3,6-ジ(炭酸ペルオキシエチル)オクチン-4;3,6-ジメチル-3,6-(t-ブチルペルオキシ)オクチン-4;2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシ安息香酸)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(炭酸ペルオキシ-n-プロピル)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(炭酸ペルオキシイソブチル)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(炭酸ペルオキシエチル)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(アルファク-ミルペルオキシ)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(炭酸ペルオキシベータ-クロロエチル)ヘキシン-3;2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3;またはそれらの任意の組合せを含む。特別の架橋剤はエルフ・アトケム(Elf Atochem)から商業名称Lupersol 130のもとで入手可能な2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3である。別の例示的架橋剤はエルフ・アトケム(Elf Atochem)から商業名称Luperox 500Rとして入手可能な過酸化ジクミルである。特定の実施形態で架橋剤は物質重量に基づいて物質中に約0.5 wt%〜約2.0 wt%のような約0.1 wt%〜約5.0 wt%の間の量で存在する。
【0038】
別の例示的実施形態でアミン架橋剤はモノアルキル、ジュアリルまたはトリアルキルモノアミン、ただし、アルキル基は約2〜約14個の炭素原子を含有する;化学式N(R2)3Nのトリアルキレンジアミン;化学式HN(R2)2NHのジアルキレンジアミン;アルキレンジアミン、H2NR2NH2;ジアルキレントリアミン、H2NR2NHR2NH2;4個〜6個炭素原子の環状鎖を有する脂肪族アミン;またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。アルキレン基は上の化学式で約2〜約14個の炭素原子を含むことが可能である。例示的環状アミンは酸素のようなヘテロ原子を有することが可能であり、例としてはN-アルキルモルホリンである。別の例示的環状アミンはピリジン、N,N-ジアルキルシクロヘキシルアミン、またはそれらの任意の組合せを含む。例示的アミンはトリエチルアミン;ジ-n-プロピルアミン;トリ-n-プロピルアミン;n-ブチルアミン;シクロヘキシルアミン;トリエチレンジアミン;エチレンジアミン;プロピレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;N,N-ジエチルシクロヘキシルアミン;ピリジン;安息香酸エチル-p-ジメチルアミン(EDAB);アミノ安息香酸オクチル-p-ジメチル(ODAB);またはそれらの任意の組合せである。例示的実施形態で物質は約0.5 wt%〜約10.0 wt%のアミンを含む。
【0039】
例示的なシラン架橋剤は一般式:
【0040】
【化1】

【0041】
を有する。式中、R1は水素原子またはメチル基であり;xが1であればyは1であるという条件でxおよびyは0か1かであり;nは整数1〜12、好ましくは1〜4であり、各Rは独立して3つのR基の一以下はアルキルであるという条件で、1〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラルオキシ基(例えば、ベンゾイルオキシ)、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミル、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノまたは置換アミノ基(例えば、アルキルアミノ、アリールアミノ)、または1〜6個の炭素原子を有する低アルキル基のような加水分解性有機基である。そのようなシランは有機過酸化物の使用によってポリマーにグラフト可能である。熱及び光安定剤、顔料、またはそれらの任意の組合せのような追加成分はまた物質に含まれることも可能である。一般に架橋反応はグラフトされたシラン基と水の間の反応から生ずる。水は雰囲気からか水浴または「蒸し浴場」から塊状ポリマーに浸透することが可能である。例示的シランはビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはガンマ-(メト)アクリルオキシアリル基のようなエチレン性不飽和ヒドロカルビル基、および例えば、ヒドロカルビオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基のような加水分解基を含む不飽和シランを含む。加水分解基の例はメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキル基、アリールアミノ基、またはそれらの任意の組合せを包含する。特別のシランはポリマー上にグラフトできる不飽和アルコキシシランである。特にシランはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ガンマ-(メト)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。
【0042】
シラン架橋剤量は配合物の性質、シラン、加工条件、グラフト効率、極限適用、および同様因子に依存して広範に変化することが可能である。典型的に少なくとも約0.7 phrのように100重量樹脂につき少なくとも0.5部(phr)が使用される。概略はシラン架橋剤量は約2 phr以下のように5 phrを越えない。
【0043】
特定の例で配合物の硬化はアルベマール社(Albemarle, Inc)から入手可能なFirstCure ITXを用いて増進される。FirstCure ITXは安息香酸エチル-p-ジメチルアミン(EDAB)またはアミノ安息香酸オクチル-p-ジメチル(ODAB)のようなアミン相乗剤と共に使用されることも可能である。
【0044】
図1に例解されるように多層管100は中空中心口径を有する伸長環状構造である。多層管100は被覆102及び裏当て104を含む。被覆102は直接接触していることが可能であり、裏当て104の外面108に沿って裏当て104に直接結合することが可能である。例えば、被覆102は裏当て104に接着剤層を介在することなく直接結合することが可能である。例示的実施形態で多層管100は被覆102と裏当て104のような二層を含む。
【0045】
選択的に多層管200は三層のように二以上の層を含むことが可能である。例えば、図2は裏地204及び被覆202間にはさまれる第三層206を図解する。裏当て204は管の中心内腔を規定する内面212を含む。例示的実施形態で第三層206は直接接触していることが可能であり、裏当て204の外面208に直接結合されることが可能である。そのような例で第三層206は直接に接することが可能であり、第三層206の外面210に沿って被覆202に直接結合されることが可能である。
【0046】
図1に戻って多層管100はエラストマー被覆102が裏当て104の上に押し出される方法によって形成されることが可能である。一つの実施形態でエラストマー被覆102は少なくとも約25フィートの長さに連続的に押し出される。例示的実施形態でエラストマー被覆102は約25フィート〜約500フィートの長さに連続的に押し出される。一つの実施形態でエラストマー被覆102は心棒の使用なしに押し出される。裏当ては管の中心内腔を規定する内面112を含む。例示的実施形態で裏当てはペースト押出フルオロポリマーであることが可能である。
【0047】
被覆102の押出より前に裏当て104及び被覆102間の接着は裏当て104の外面108についての表面処理を使用することによって改良されることが可能である。表面処理は化学腐蝕、物理−機械的腐蝕、プラズマ腐蝕、コロナ放電処理、化学蒸着、またはそれらの任意の組合せを含むことが可能である。一つの実施形態で化学腐蝕はナトリウムアンモニア及びナトリウムナフタレンを含む。物理−機械的腐蝕はサンドブラスチングおよび空気摩滅を含むことが可能である。別の実施形態でプラズマ腐蝕法は水素、酸素、アセチレン、メタン、及びそれらの窒素、アルゴン、及びヘリウムとの混合物のような反応性プラズマを含む。コロナ放電処理はアセトンのような反応性炭化水素蒸気を含むことが可能である。一つの実施形態で化学蒸着はアクリレート、塩化ビニリデン、またはアセトンの使用を含む。一つの実施形態で裏当て104と被覆104の間の接着は粘着性エラストマー材料を被覆102に使用することによって改良されることが可能である。選択的に裏当て104と被覆102の間の接着は接着剤層の使用によって改良されることが可能である。
【0048】
一度多層管が形成されると多層管は熱処理にかけられることが可能である。熱処理は典型的には約125℃〜約200℃の温度で起こる。一つの実施形態で熱処理は約150℃〜約180℃の温度においてである。典型的に熱処理は約10分〜約30分のような約5分〜約10時間、選択的に約1時間〜約4時間の期間に起こる。
【0049】
一般に被覆102は裏当て104より大の厚さを有する。多層管100の全管肉厚は約3ミル〜約20ミル、もしくは約3ミル〜約10ミルのように少なくとも約3ミル〜約50ミルであることが可能である。一つの実施形態で裏当て104は約3ミル〜約10ミル、もしくは約1ミル〜約2ミルのような約1ミル〜約20ミルの厚さを有する。
【0050】
一つの実施形態で放射線架橋は多層管が形成されたら実施されることが可能である。放射線は被覆のエラストマーを架橋するのに効果的であることが可能である。被覆内のポリマー分子の層内架橋は硬化組成物を提供し、構造強度を多層管の被覆に分与する。加えて放射線は中間層架橋によるような被覆及び裏当て間の結合に影響を及ぼすことが可能である。特定の実施形態で裏当て及び被覆間の中間層架橋結合の組合せは高度に耐離層性であり、高品質の耐接着性及び保護面を有し、最小量の耐接着性物質を組込み、しかも便利取扱いならびに多層管の配備に物理的に重要である集積複合材料を呈する。
【0051】
特定の実施形態で放射線は約170 nm〜約220 nmのような170 nm〜400 nmの波長を有する紫外電磁線であることが可能である。架橋は少なくとも約120 J/cm2放射線を用いて遂げられることが可能である。
【0052】
一度形成され、硬化されれば前に開示される多層管の特定実施形態は有利に化学安定性、流動安定性、及び増加される耐用年数のような望ましい特性を示す。例えば、多層管は約200時間超過のポンプ有効期間を有することが可能である。一つの実施形態でシリコンゴムからなる被覆を含む多層管は特別に有利であり、好ましい耐用年数及び耐薬品性を提供する。別実施形態でEPDMとポリオレフィンの配合物からなる被覆を含む多層管は特別に有利であり、また好ましい耐用年数を提供する。さらにまた熱収縮性フルオロポリマーからなる裏当てを含む多層管は特別に有利であり、ほかのフルオロポリマーを越える耐用年数及び低透過性質を提供する。さらなる実施形態でナトリウム-アンモニア腐蝕熱収縮フルオロポリマーからなる裏当ては好ましく、または選択的にナトリウム-ナフタレン腐蝕熱収縮フルオロポリマーからなる裏当ては好ましい耐用年数を提供することが可能である。
【0053】
例示的実施形態で多層管は標準「T形」-剥離構成で室温で試験されるときに幅について少なくとも約0.4 N/mmの剥離強さを示すことが可能である。特に多層管は少なくとも約0.9 N/mmのような少なくとも約0.5 N/mmの剥離強さを有することが可能である。別の例で多層管の剥離強さは少なくとも約1.2 N/mm、もしくは少なくとも約1.5 N/mmまでものように少なくとも約1.0 N/mmであることが可能である。多層管の被覆がシリコーンゴムであれば剥離強さは少なくとも約0.3 N/mmのように少なくとも約0.1 N/mmであることが可能である。多層管の被覆がEPDMとポリオレフィンの配合物であれば剥離強さは少なくとも約0.6 N/mmのように少なくとも約0.4 N/mmであることが可能である。
【0054】
例示的実施形態で多層管は流動安定性を試験されるときに約40%未満送出量損失を有することが可能である。特に多層管は約30%未満送出量損失を有することが可能である。多層管の被覆がシリコーンゴムであれば送出量損失は600 rpmで標準ポンプ頭部で検査されるときに約40%未満、もしくは約30%未満までものように約60%未満であることが可能である。多層管の被覆がEPDMとポリオレフィンの配合物であれば送出量損失は400 rpmでMasterflex Easy-load IIポンプ頭部で検査されるときに約20%未満のような約30%未満であることが可能である。
【実施例】
【0055】
実施例1
4つの管は性能検討に選択される。具体的に言うとシリコーンLSR管は管の寿命を測定するためにライナー付またはそれなしで試験される。シリコーンLSRはワッカー(Wacker)製品であり、3つのPTFEライナーは標準ライナー(Zeus製品、テフロン(登録商標)管材料)、高柔軟ライナー(高柔軟寿命PTFE樹脂を用いるZeus管材料)、及び加熱収縮ライナー(2:1 H/S比;Teleflexから入手される)である。3つのライナーはナトリウム-ナフタレンで化学的腐蝕され、続いてシリコーンゴム被覆はライナーの上に押し出される。ライナーは0.008”〜0.012”の概算厚さを有するところが一方で外被は0.052”〜0.056”の概算厚さを有する。
【0056】
シリコーンゴム管材料の寿命は標準ポンプ頭部かEasy-load IIポンプ(コール・パーマー(Cole Parmer's) Masterflex Easy-load IIポンプ頭部)いずれかで600 rpmで検査される。移送液体として水を用いて0 psiの背圧で検査される。図3は3つの異なるライナーのシリコーンゴム管材料に関する影響を例解する。加熱収縮PTFEライナーは約5倍超過だけ標準ならびに高柔軟ライナーより性能がすぐれている。さらにまた加熱収縮ライナーの寿命は未裏付きシリコーンゴム管材料に比較して約3倍超過だけシリコーンゴム管材料の寿命を向上する。追加として加熱収縮ライナーは珪素樹脂ゴム被覆の破損後であっても流体封じ込めを可能にする。
【0057】
実施例2
2つの管は性能検討に選択される。具体的に言うとシリコーンLSR管は異なる加熱収縮PTFEライナーで試験され、管の寿命を測定する。シリコーンゴム被覆はShincore 2090-40であり、2つの加熱収縮ライナーはTeleflexから個々に2:1比及び4:1比のライナーに商業的に入手可能である。2つのライナーはナトリウム-ナフタレンで化学的腐蝕され、続いてシリコーンゴム被覆はライナーの上に押し出される。ライナーは0.008”〜0.012”の概算厚さを有するところが一方で外被は0.052”〜約0.056”の概算厚さを有する。管の寿命は実施例1で記述されるように検査される。
【0058】
図4は2つの異なるライナーのシリコーンゴム管材料に関する影響を例解する。2:1延伸比を有する加熱収縮PTFEライナーは約350時間の平均寿命を有し、ところが4:1延伸比を有する加熱収縮PTFEライナーは約10時間未満の平均寿命を有する。この故にポンプ性能データはM.I.T.耐折強さデータにより示される高延伸比ライナーの低柔軟耐疲労性と一致している。試験はティニウス・オルセン試験機(Tinius Olsen Testing Machine Co.)により製造されるM.I.T.耐折試験機を使用する。試験機は試料をいずれかの方向に135度の角度に1分につき175双折畳速度で4.5 lb荷重の下で試験体が折り目で切断されるまで折曲げる。2:1延伸比を有する加熱収縮PTFEライナーはMIT屈曲試験につき平均して5.99百万サイクル(0.83の標準偏差)であり、ところが4:1延伸比を有する加熱収縮PTFEライナーはMIT屈曲試験につき平均して1.734百万サイクル(0.572の標準偏差)である。高柔軟寿命PTFEはMIT屈曲試験につき平均して6.891百万サイクル(0.968の標準偏差)である。標準PTFE管材料はMIT屈曲試験(4.0 lb荷重の下で)につき2.182百万サイクル(0.275の標準偏差)である。
【0059】
実施例3
2つの管は標準PTFEライナーの性能検討に選択される。具体的に言うとシリコーンゴム被覆(Wacker製品3003-50)とサントプレン(Santoprene)被覆(製品8291-65)は標準PTFEライナー(Zeus製品、テフロン(登録商標)管材料)の上に使用され、管の寿命を測定する。シリコーンゴム被覆はナトリウム-ナフタレン溶蝕10ミル標準PTFEライナーの上に押し出される。性能試験はEasy-load IIポンプで150 rpm及び600 rpmで実施される。
【0060】
図5は標準PTFEライナーの性能を例解する。どちらの管も約8時間を超過する寿命を有しない。具体的に言うとライナーは割れ及び離層の両方で弱る。
【0061】
実施例4
2つの管は熱収縮PTFEの性能検討に選択される。具体的に言うとワッカー(Wacker)(製品3003-50)及びシンエツ(Shin Etsu)(製品2090-40)から得られるシリコーンゴム被覆はナトリウム-ナフタレン溶蝕熱収縮PTFE(2:1 H/S比;Teleflexから入手される)の上に押し出される。管は次にMasterflex Easy-load IIポンプで400 rpmで性能を検査され、管の寿命を測定する。シリコーンゴム被覆としては300時間超過の寿命は達成される。300時間後に検査はライナー破損は検出されないので停止される。外被のライナーからの離層は観測されるけれども製品はかなりの送出量を維持する。
【0062】
400 rpmで商業的に利用可能なShin Etsu 2090-40を用いて熱収縮ナトリウム-ナフタレン溶蝕PTFEに関して4つの検査試験は実施される。図6は熱収縮PTFEライナーの性能を例解する。345時間の平均寿命が達成される。剥離試験はまた実施される。Wacker 3003-50被覆の管は0.41 N/mmの剥離強さを有し、Shin Etsu 2090-40被覆の管は0.26 N/mmの剥離強さを有する。剥離試験は定置水平締付基盤を装備されるInstron 4465試験機を使用する。水平基盤はライナーを水平位置に締め付けるために使用される。外被材料は次にインストロン(Instron)掴み具に締め付けられる。掴み具は次に垂直方向に2 in/minの速度で移動し、外被材料をライナー表面から90°引張る。試料は1インチの幅、0.008”〜0.012”の概算ライナー厚さおよび0.052”〜0.056”の概算外被厚さを有する。
【0063】
実施例5
4つのライナーは曲げ弾性率及び伸びの検討に選択される。具体的に言うとライナーはゼウス(Zeus)(テフロン(登録商標)管材料)、高柔軟寿命PTFE(高柔軟寿命樹脂を用いるZeus管材料)、加熱収縮PTFE(2:1 H/S比;Teleflexから入手される)およびTeleflex加熱収縮PTFE(約10分の時間で約660 °Fに加熱される)のような商業的に利用可能なPTFEを含む。ライナーは約0.010”の厚さを有する。
【0064】
試料の機械的性質は同様に引張弾性率及びパーセント破断点伸びを試験される。手順は5型形状試験片を使用する改良ASTM D638手順である。実験は5 kNロードセルならびに伸び計構成を装備されるInstron 4465試験機を使用する。試験は10 mmの伸び計掴み具間ゲージ長で実行し、100 mm/minの速度で実行した。
【0065】
【表1】

【0066】
標準PTFEライナーを含む比較試料は約5000 psiの引張弾性率を有する。表1は前述試料の引張弾性率を含む。2:1加熱収縮PTFEは標準PTFE及び高柔軟寿命PTFEより大の柔軟性がある。特に2:1熱収縮性ライナーは標準銘柄PTFEより約2倍も柔軟である。
【0067】
【表2】

【0068】
標準PTFEライナーを含む比較試料は約240%の破断点伸びを有する。表2は前述試料のパーセント破断点伸びを含む。2:1加熱収縮PTFEは標準PTFE及び高柔軟寿命PTFEを越える改良された破断点伸びを有する。特に2:1熱収縮性ライナーは標準銘柄PTFEよりも約200%超過破断点伸びを有する。
【0069】
実施例6
3つの管はシリコーンゴムの硬度測定計性能検討に選択される。3つの異なる粘着性LSR配合物はナトリウム-ナフタレン溶蝕加熱収縮PTFE(2:1 H/S比;Teleflexから入手される)の上に被覆として使用される。3つのLSR配合物は40、50、及び80(ショアーA)の押込硬度計があり、各々は定着剤として使用されるビニル含有シルセスキオキサンを含有する。ビニル含有シルセスキオキサンはゲレスト(Gelest)から入手されるVEE-005である。管の寿命は実施例3に記述されるように試験される。
【0070】
図7は被覆硬度測定計の多層管の寿命に関する影響を例解する。40-硬度計及び50-硬度計シリコーン配合物の寿命は高寿命を示す50-硬度計試料と比較できる。多層管の寿命は80-硬度計被覆で強烈に下がる。
【0071】
実施例7
2つの管は腐蝕ライナーに関する処理時間及び温度の性能検討に選択される。具体的に言うとサントプレン(Santoprene)被覆(製品8291-65)はPTFEライナー(Zeus高柔軟寿命)の上に使用され、管は変動時間ならびに変動温度で加熱され、最適接着性を測定し、管の寿命を増加する。Santoprene被覆はナトリウム-アンモニアかナトリウム-ナフタレンいずれかで溶蝕されるPTFEライナーの上に連続的に押し出される。性能試験はMasterflex Easy-Load IIポンプで200 rpmで実施される。
【0072】
図8は各温度において10分の加熱時間に変動する加工温度で管の性能を例解する。175℃のナトリウム-アンモニア溶蝕および加工温度は最適である。Santoprene被覆の軟化は154℃である。200℃超温度でSantoprene被覆は溶融し始める。
【0073】
図9は175℃の加熱温度において変動する加工時間で管の性能を例解する。60分のナトリウム-アンモニア溶蝕および加工時間は最適である。60分を超過する作業時間でSantoprene被覆は分解および変色し始める。
【0074】
実施例8
2つの管はマンドレル上またはそれをはずれて管の性能検討に選択される。具体的に言うとサントプレン(Santoprene)被覆(製品8291-65)はPTFEライナー(Zeus高柔軟寿命)の上に使用され、管はマンドレル上またはそれをはずれて175℃の温度で30分間加熱され、管の寿命を測定する。Santoprene被覆はナトリウム-アンモニアかナトリウム-ナフタレンいずれかで溶蝕されるPTFEライナーの上に連続的に押し出される。この実施例で150フィートの不断製品長さが産出される。連続長の管材料を製造してマンドレルの使用を避けるために空気圧はID外形を維持し、押出包被の間に支持を提供するのに使用される。性能試験はMasterflex Easy-Load IIポンプで400 rpmで実施される。
【0075】
図10はマンドレル上またはそれをはずれて管の性能を例解する。マンドレル上で加熱される管はマンドレルをはずれて加熱される管より低寿命を有した。一つの実施形態で多層管の心棒上熱処理は管の寿命を減少する。この故に多層管の性能は心棒の使用で悪影響されることがある。それ自体ではマンドレルの使用は概して多層管を生産するために好ましくなく、特にマンドレルは加熱収縮PTFEライナーを生産するために好ましくない。
【0076】
実施例9
6つの多層管は異なるシリコーン配合物被覆の寿命の性能検討に使用される。具体的に言うと異なったシリコーン配合物はナトリウム-ナフタレン溶蝕熱収縮PTFEライナー(2:1 H/S比;Teleflexから入手される)の上に被覆として試験される。シリコーンゴム被覆はWacker(製品3003/50)、GE(粘着製品LIMS 8040)及びShin Etsu(粘着製品Shincore 2090)から得られる。3003-50+VEE-005はWacker LSR及びゲレスト(Gelest)から入手されるビニル含有シルセスキオキサンであり、0.75 wt%のLSRで添加され、粘着配合物を生ずる。さらにまた第一のシリコーン管はWacker製品3003/50から製造される裏当てのない管である。
【0077】
シリコーンゴム管材料の寿命は標準ポンプ頭部かEasy-Load II頭部いずれかで600 rpmおよび無背圧で試験される。
【0078】
図11は3つの異なるライナーのシリコーンゴム管材料の寿命に関する影響を例解する。シルセスキオキサンを含有する配合物の両方は常用LSRばかりでなく商業的に入手可能なGE粘着性LSRより性能がすぐれている。Gelest VPE-005を用いる多層管は約275時間超過の寿命を有する。Gelest VEE-005を用いる多層管は約350時間超過の寿命を有し、商業的に入手可能なShin-Etsu粘着性LSRより性能がすぐれている。
【0079】
実施例10
2つの管は腐蝕ライナーの剥離強さに関する処理時間および温度の検討に選択される。具体的に言うとサントプレン(Santoprene)被覆(製品8291-65)は溶蝕PTFEライナー(Zeus高柔軟寿命)の上に使用され、50フィート輪状長さで変動時間および変動温度において加熱され、管の寿命を向上するために最適接着性を決定する。Santoprene被覆はナトリウム-アンモニアかナトリウム-ナフタレンいずれかで溶蝕されるPTFEライナーの上に押し出される。剥離試験は定置水平締付基盤を装備されるインストロン(Instron) 4465試験機を使用する。水平基盤はライナーを水平位置に取付けるために使用される。外被材料は次にインストロン(Instron)掴み具に締付けられる。掴み具は次に垂直方向に2 in/minの速度で移動し、外被材料をライナー表面から90°に引張る。試料は1インチの幅、0.008”〜0.012”の概算ライナー厚さおよび0.052”〜0.056”の概算外被厚さを有する。
【0080】
図12は管の性能を各温度において10分の加熱時間に変動する加工温度で例解する。175℃のナトリウム-アンモニア溶蝕ならびに加工温度は最適度である。200℃超温度でSantoprene被覆は溶融し始める。
【0081】
図13は管の性能を175℃の温度において変動する加工時間で例解する。ナトリウム-アンモニアは最適である。最適接着性は20分後処理時間の後に達成される。
【0082】
実施例11
3つのライナーは素材の結晶度の検討に選択される。具体的に言うとライナーはゼウス(Zeus)からの標準PTFE(テフロン(登録商標)管材料)、高柔軟寿命PTFE(高柔軟寿命樹脂を用いるZeus管材料)、及び加熱収縮PTFE(2:1 H/S分配;Teleflexから入手される)のような商業的に入手可能PTFEを含む。材料はDSC TA Q100を使用して試験される。試料はアルミニウム受皿に密閉され、DSC小室に挿入される。熱流は25℃〜400℃に20℃/minで傾斜をなすとして窒素下に加熱/冷却/加熱周期の間に測定される。
【0083】
結晶度が高分子物質の柔軟性に影響を及ぼすことはよく知られている。結晶度が増加するにつれて物質は軟質ほどでなくなる。DSCは同様物質の結晶度を比較する知識手法であり;エンタルピー値の変化が結晶化ピークで大きければ結晶度もまた高い。この値はまた融解熱とも称される。
【0084】
【表3】

【0085】
表3は結晶化ピークのエンタルピー変化をジュール/グラムの単位で含む。エンタルピー値の変化はライナー各自について第一及び第二加熱周期の間に記録され、ΔH1及びΔH2として表わされる。ΔH1はライナー材料の結晶度を最初に示し、ΔH2は400℃の一加熱ならびに冷却周期後の材料の結晶度を示す。
【0086】
加熱収縮PTFEは高柔軟及び標準PTFEどちらよりも低結晶度を有する。特に熱収縮PTFEは標準PTFEより約30%少ない結晶性であり、高柔軟PTFEより約15%少ない結晶性である。高柔軟PTFEは標準PTFEより約20%少ない結晶性である。
【0087】
実施例12
4つの管はライナー品種の性能検討に選択される。具体的に言うと二管はサントプレン(Santoprene)被覆(製品8291-65)を2つの異なる溶蝕PTFEライナー(Zeus高柔軟及びTeleflex 2:1加熱収縮)の上に含む。管は150℃で60分間後処理される。Santoprene被覆はナトリウム-アンモニアで溶蝕されるPTFEライナーの上に押し出される。第二の二管は2つの異なる溶蝕PTFEライナー(Zeus高柔軟及びTeleflex 2:1加熱収縮)の上にシリコーンLSR被覆を含む。シリコーンLSRは50硬度計材料であり、定着剤として使用されるビニル含有シルセスキオキサンを含む。ビニル含有シルセスキオキサンはゲレスト(Gelest)から入手されるVEE-005である。ライナーはナトリウム-ナフタレンで化学的腐蝕され、続いてシリコーンゴム被覆はライナーの上に押し出される。全ライナーは0.008”〜0.012”の概数厚さを有するところが一方で全外被は0.052”〜0.056”の概数厚さを有する。性能試験はMasterflex Easy-Load IIポンプで400 rpmで実施される。
【0088】
図14は管の性能を変化する外被およびライナー材料で例解する。高柔軟ライナー及びサントプレン(Santoprene)外被を有する管はすべての管の中から最高寿命を有する。シリコーン外被としては最高ポンプ寿命は加熱収縮ライナーを含む管である。一つの実施形態で加熱収縮PTFEのような高度柔軟ライナーはSantoprene被覆管の寿命を減少するがシリコーン被覆管の寿命を増加する。この故にSantopreneのような柔軟ほどでない外被材料を有する管の性能は加熱収縮PTFEのような低結晶度ならびに高度軟質PTFEライナーの使用で悪影響されることがある。それ自体では外被材料の柔軟性はライナーの柔軟性に釣合わされなければならない。
【0089】
上に開示される主題は例証となるもので限定するものではないと考えられ、添付の特許請求の範囲は本発明の真の範囲の中に含まれるそのような改良、向上、およびほかの実施形態におよぶことを意味する。従って法により許容される最大程度に本発明の範囲は次に続く特許請求の範囲及び均等物の最も広い許される解釈で決定されることになり、前述の詳細な説明により制限または限定されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層管を形成する方法であって、
熱収縮性フルオロポリマー裏当てを供給し;および
エラストマー被覆を該熱収縮性フルオロポリマー裏当ての上に押出すことを含む、方法。
【請求項2】
該裏当ては外面を含み、該方法はさらに該エラストマー被覆を押出す工程より前に該外面を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該外面を処理することは化学腐蝕、物理-機械的腐蝕、プラズマ腐蝕、コロナ放電処理、化学蒸着、またはそれらの組合せを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該外面を処理することは化学腐蝕を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
化学腐蝕はナトリウムナフタレン溶蝕を適用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該熱収縮性フルオロポリマー裏当ては該エラストマー被覆を押出す前にペースト押出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該熱収縮性フルオロポリマー裏当てはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、弗素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンおよびペルフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンおよびペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ならびにテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン弗化ビニリデンターポリマー(THV)からなる群から選択されるフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該熱収縮性フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレンは3000 psi未満の引張弾性率を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該熱収縮性フルオロポリマーは示差走査熱量法により示される約25ジュール/グラム以下の結晶度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
エラストマーはシリコーンエラストマー、ジエンエラストマー、およびポリオレフィンとジエンエラストマーのブレンドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該ジエンエラストマーはエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ポリオレフィンとジエンエラストマーの該ブレンドはポリプロピレン(PP)ならびにエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーのブレンドである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに該多層管を約125℃〜約200℃の温度に加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
加熱は約5分〜約10時間の時間に加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
加熱は該管をマンドレルに据付けることなく実施される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
押出することは少なくとも約25フィートまでの長さに連続的に押出すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
熱収縮性ポリテトラフルオロエチレンを含む第一層;及び
該第一層に隣接し、エラストマーを含む第二層を含む、管。
【請求項19】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレンは約4:1以下の延伸比を有する、請求項18に記載の管。
【請求項20】
該延伸比は約3:1以下である、請求項19に記載の管。
【請求項21】
該延伸比は約2.5:1以下である、請求項20に記載の管。
【請求項22】
該延伸比は約2:1以下である、請求項20に記載の管。
【請求項23】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約1ミル〜約20ミルの厚さを有する、請求項18に記載の管。
【請求項24】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約3ミル〜約10ミルの厚さを有する、請求項23に記載の管。
【請求項25】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約1ミル〜約2ミルの厚さを有する、請求項23に記載の管。
【請求項26】
エラストマーはシリコーンエラストマー、ジエンエラストマー、およびポリオレフィンとジエンエラストマーのブレンドからなる群から選択される、請求項18に記載の管。
【請求項27】
該ジエンエラストマーはエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーを含む、請求項26に記載の管。
【請求項28】
ポリオレフィンとジエンエラストマーの該ブレンドはポリプロピレン(PP)およびエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーのブレンドである、請求項26に記載の管。
【請求項29】
該裏地は該管の中心内腔を規定する内面を含む、請求項18に記載の管。
【請求項30】
ペースト押出ポリテトラフルオロエチレン層を含む裏当て;及び
該裏当ての上に重なり、エラストマーを含む被覆を含む、管。
【請求項31】
該裏当ては該管の中心内腔を規定する内面を含む、請求項30に記載の管。
【請求項32】
ポリテトラフルオロエチレンは熱収縮性である、請求項30に記載の管。
【請求項33】
該ポリテトラフルオロエチレンは約4:1以下の延伸比を有する、請求項32に記載の管。
【請求項34】
該延伸比は約3:1以下である、請求項33に記載の管。
【請求項35】
該延伸比は約2.5:1以下である、請求項34に記載の管。
【請求項36】
該延伸比は約2:1以下である、請求項35に記載の管。
【請求項37】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約1ミル〜約20ミルの厚さを有する、請求項30に記載の管。
【請求項38】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約3ミル〜約10ミルの厚さを有する、請求項37に記載の管。
【請求項39】
該熱収縮性ポリテトラフルオロエチレン裏当ては約1ミル〜約2ミルの厚さを有する、請求項38に記載の管。
【請求項40】
エラストマーはシリコーンエラストマー、ジエンエラストマー、およびポリオレフィンとジエンエラストマーのブレンドからなる群から選択される、請求項30に記載の管。
【請求項41】
該ジエンエラストマーはエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーを含む、請求項40に記載の管。
【請求項42】
ポリオレフィンとジエンエラストマーの該ブレンドはポリプロピレン(PP)およびエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーのブレンドである、請求項40に記載の管。
【請求項43】
多層管を形成する方法であって、
非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当てを供給し;及び
エラストマー被覆を該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ての上に押出すことを含む、方法。
【請求項44】
該裏当ては外面を含み、該方法はさらに該エラストマー被覆を押出す工程より前に該外面を処理することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
該外面を処理することは化学腐蝕、物理-機械的腐蝕、プラズマ腐蝕、コロナ放電処理、化学蒸着、またはこれらの組合せを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
該外面を処理することは化学腐蝕を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
化学腐蝕はナトリウムナフタレン溶蝕またはナトリウムアンモニア溶蝕を適用することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ては該エラストマー被覆を押出す前にペースト押出される、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当てはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、弗素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンおよびペルフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンおよびペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(MFA)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ならびにテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン弗化ビニリデンターポリマー(THV)からなる群から選択されるフルオロポリマーを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレンである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
該非フィブリル化高柔軟ポリテトラフルオロエチレンは4.5ポンドの荷重で3.0百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは示差走査熱量法により示される約32ジュール/グラムまでの結晶度を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
エラストマーはシリコーンエラストマー、ジエンエラストマー、およびポリオレフィンとジエンエラストマーのブレンドからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
該ジエンエラストマーはエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
ポリオレフィンとジエンエラストマーの該ブレンドはポリプロピレン(PP)およびエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーのブレンドである、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
さらに該多層管を約125℃〜約200℃の温度に加熱することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項57】
加熱は約5分〜約10時間の時間に加熱することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
加熱は該管をマンドレルに据付けることなく実施される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
押出することは少なくとも約25フィートまでの長さに連続的に押出すことを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項60】
非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーを含む第一層;及び
該第一層に隣接し、エラストマーを含む第二層を含む、管。
【請求項61】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは4.5ポンドの荷重で3.0百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項60に記載の管。
【請求項62】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは4.5ポンドの荷重で4.0百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項61に記載の管。
【請求項63】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは4.5ポンドの荷重で5.0百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項62に記載の管。
【請求項64】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは4.5ポンドの荷重で6.0百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項63に記載の管。
【請求項65】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマーは4.5ポンドの荷重で6.5百万サイクル超過屈曲循環を有する、請求項64に記載の管。
【請求項66】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ては約1ミル〜約20ミルの厚さを有する、請求項60に記載の管。
【請求項67】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ては約3ミル〜約10ミルの厚さを有する、請求項66に記載の管。
【請求項68】
該非フィブリル化高柔軟フルオロポリマー裏当ては約1ミル〜約2ミルの厚さを有する、請求項66に記載の管。
【請求項69】
エラストマーはシリコーンエラストマー、ジエンエラストマー、およびポリオレフィンとジエンエラストマーのブレンドからなる群から選択される、請求項60に記載の管。
【請求項70】
該ジエンエラストマーはエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーを含む、請求項69に記載の管。
【請求項71】
ポリオレフィンとジエンエラストマーの該ブレンドはポリプロピレン(PP)およびエチレンプロピレンジエン単量体(EPDM)エラストマーのブレンドである、請求項60に記載の管。
【請求項72】
該裏地は該管の中心内腔を規定する内面を含む、請求項60に記載の管。
【請求項73】
該シリコーンエラストマーは粘着性高稠度ゴムおよび粘着性液状シリコーンゴムを含む、請求項69に記載の管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−520435(P2010−520435A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552917(P2009−552917)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/056302
【国際公開番号】WO2008/109863
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】