説明

多層血液製剤

血液製剤(10)、血液製剤を調製する方法、この方法によって得られる血液製剤、および血液製剤調製容器手段。血液製剤は、全血由来の成分、特にフィブリン、血小板、および白血球を含む。血液製剤(10)は、第1層(21)、第2層(22)、および第3層(23)を含む。第2層(22)は、第1層(21)および第3層(23)に隣接している。第1層(21)は、血液製剤(10)の第1外面(24)を画定し、第3層(23)は、血液製剤(10)の第2外面(25)を画定する。第1層(21)は、大部分のフィブリンを含み、第2層(22)は、大部分の血小板を含み、第3層(23)は、大部分の白血球を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層血液製剤、血液製剤を調製する方法、この方法によって得られる血液製剤、および血液製剤調製容器手段に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの凝固系は出血を止め、治癒を開始することができる。この系の機能はよく知られており、広く研究されている。しかしながら、治癒の開始における凝固産物の重要性は、最近認識されたばかりである。
【0003】
フィブリン糊および濃厚血小板などの血液製剤は、抗凝固処理全血から多血小板血漿(PRP)を単離することによって生成される。血小板および血漿の存在は、トロンビン活性化により、天然のヒト凝固系をある程度模倣する。これによりフィブリン基質中に成長促進因子の血小板含有自己濃縮物がもたらされる。このような組成物は、創傷表面を被覆するために用いることができ、治癒を開始すると言われている。
【0004】
David M.Dohanらの「Platelet−rich fibrin(PRF):A second−generation platelet concentrate.Part I:Technological concepts and evolution,Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2006;101:E37−44」は、どのような添加剤も試薬も添加することなく、全血から多血小板固体フィブリンネットワークを調製する方法を記載している。PRFプロトコルは以下のとおりである。抗凝固剤を用いずに、血液サンプルを10mLガラス管またはガラス被覆プラスチックにとり、これを直ちに約400gで10分間遠心分離する。抗凝固剤の不在は、ガラス管壁と接触して血液サンプルのほとんどの血小板が数分で活性化し、凝固カスケードが解放されることを意味する。フィブリノゲンは、最初は管の高所に集まり、その後、循環トロンビンがこれをフィブリンに変換する。次いで、管の中間部にフィブリンクロットが得られ、管底部の赤血球の上部から頂部の無細胞血漿に広がる。血小板はフィブリン網に大量に捕捉される。この技法の成功は、すべて血液採取と遠心分離機への輸送の速度にかかっている。実際、抗凝固剤を用いなければ、血液サンプルは管のガラスに接触するとほぼ即座に凝固を始め、管の中間部および上部にフィブリノゲンを集めるためには遠心分離で最短でも数分間かかる。迅速な取り扱いが、臨床上使用可能なPRFクロットを得る唯一の方法である。血液の採取および遠心分離の開始に要する時間が過度に長い場合、失敗となる。フィブリンは管の中で拡散して重合し、一貫性のない小さい血液クロットのみが得られる。結論として、PRFプロトコルは、血清および血小板を含むフィブリンクロットの採集を可能にする。管からクロットを取り出し、手作業で赤血球部分を分離し、フィブリン基質に捕捉された流体(血清)を手作業で排除することによって、実施者は自己フィブリン膜を得る。
【0005】
しかしながら、このフィブリンネットワークには、相当部分の赤血球を含有する赤色血栓が含まれ、これを手作業で分離しなければならない。さらに、フィブリン、白血球、および血小板などの生成されたフィブリンネットワークの成分は、生成物中に任意に分布し、網に捕捉されている。白血球の回収は記載されておらず、用いられる小さいg力では、一部が赤血球部分に含まれ、白血球の回収は低量である。フィブリン中の細胞が網に捕捉されていることにより、これらの細胞は放出されないか、または緩やかに放出され、これによって包含される白血球の接触依存性抗殺菌(anti−microbicidal)潜在性を阻害する。
【0006】
Dohanらの「Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2006;101:E37−44および2006;101:E45−50」は、濃厚血小板の形状および構造でないネットワークを記載しており、これは創傷表面を被覆するためにそのまま適用できる。創傷表面を被覆するために使用可能な形状および形態/剛性を得るため、ならびに赤血球が含まれるのを防ぐために、既知の多血小板固体フィブリンネットワークは手作業で再形成し、圧縮しなければならない。さらに、この方法は幾つかの工程を含み、1つの閉鎖系では調製できず、従って臨床での使用に好都合でない。
【0007】
Suttonらの「Cell separation in the buffy coat.Biorheology.1988;25(4):663−73」は、抗凝固処理全血が遠心分離または受動的沈降によってどのように幾つかの層に分離されるかを記載している;赤血球、白血球および血小板(=バフィーコート)、ならびに血漿。さらに、10分間遠心分離力10000gを用い、浮遊密度(float of density)1.053を用いることによって、バフィーコートをグルタルアルデヒドで固定し、研究のために取り出すことができる。しかしながら、グルタルアルデヒドの毒性のため、これは臨床では使用できない。抗凝固処理血液からバフィーコートを抽出するための幾つかの方法が存在し、これには密度確定物質(即ち、Lymphoprep)の使用が含まれる。抗凝固処理血液の必要性に加えて、抽出された細胞は必然的に包含される血漿に懸濁され、混合(分散)される。
【0008】
EP1637145Aは、シート様多孔質膜によって懸濁液から細胞を濾過する方法(例えば、血小板および白血球を含む血液細胞)を記載しており、記載されているように膜に細胞が残される。シート多孔質材料は、フィブリンから調製できる。しかしながら、層構造は得られず、細胞は多孔質材料の深部に捕捉されており、同種異系フィブリンの使用は他のヒトからの交差感染のリスクを高める。さらに、この方法は幾つかの工程を含み、1つの閉鎖系では調製できず、従って臨床での使用に好都合でない。
【0009】
既知の方法は、これらの使用、特に臨床での使用が限定されている。細胞分離前の抗凝固剤の添加は、完全には自己由来でない製品を生じ、さらに創傷治癒促進物質(例えば、成長因子)の放出には、他の非自己物質(例えば、トロンビン、Ca2など)との混合を要し、所望の細胞分布を持たない均質な最終製品がもたらされる。
【0010】
抗凝固を排除した既知の方法は、細胞の無秩序な分布をもたらし、細胞は製品内部に固定され、これらの細胞の放出および潜在性を事実上限定している。さらに、これらの方法は、臨床での使用に物理的に適した製品を得るために、閉鎖系外部での手作業での取り扱いを必要とし、不適切に確定された取り扱いは、最適細胞収量より低い収量を伴う可変的な結果をもたらす。さらに、手作業での取り扱いは、作業時間(コスト)を必要とし、調製時間を長引かせる。
【0011】
明確な層構造を記載する方法は、臨床での使用、得られた構造の固定および自立に適していない、抗凝固および毒性成分の添加に依存している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1637145号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Platelet−rich fibrin(PRF):A second−generation platelet concentrate.Part I:Technological concepts and evolution,Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2006;101:E37−44、David M.Dohanら
【非特許文献2】Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 2006;101:E45−50、Dohanら
【非特許文献3】Cell separation in the buffy coat.Biorheology.1988;25(4):663−73、Suttonら
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服もしくは改善するか、または有用な代替を提供する、新規であり改善された血液製剤を提供することである。本発明の目的はさらに、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服もしくは改善するか、または有用な代替を提供する血液製剤を得るための新規であり改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的は、全血由来の成分、特にフィブリン、血小板、および白血球を含む血液製剤によって達成され、血液製剤は、第1層、第2層、および第3層を含み、第2層は、第1層および第3層に隣接しており、第1層は、血液製剤の第1外面を画定し、第3層は、血液製剤の第2外面を画定し、第1層は、大部分のフィブリンを含み、第2層は、大部分の血小板を含み、第3層は、大部分の白血球を含む。これにより、多層構造を有する血液製剤が提供され、各層はそれぞれの層の異なる組成のため、異なる機能性を提供する。血液製剤は、自己支持性、緻密、および固体であり、血液製剤を意図された用途にそのまま適用できるような構造を有する。大部分とは、フィブリン、血小板、または白血球などの成分が、各層の体積および/または質量に関して、および/または血液製剤の体積および/または質量に関して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%、またはこれらの記載したパーセントの組み合わせから画定できる任意の区間を占めることを意味する。第1、第2、および第3層は、それぞれ連続しており、および/または実質的に互いに平行であり、例えば層状および/または多層血液製剤を形成する。血液製剤は、好ましくは3層、例えば大部分のフィブリンを含む第1層、大部分の血小板を含む第2層、および大部分の白血球を含む第3層からなる。血液製剤は、好ましくは最大幅/厚比1、2、3、4、または5を有するが、この比は10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90まで、または100までであることができ、幅は血液製剤の層に沿って測定され、厚さは血液製剤の層と垂直に測定される。
【0016】
本発明の一態様において、血液製剤に含まれる大部分のフィブリンは、第1層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分のフィブリンが第1層に含まれる血液製剤が提供される。
【0017】
本発明の別の態様において、血液製剤に含まれる大部分の血小板は、第2層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分の血小板が第2層に含まれる血液製剤が提供される。
【0018】
本発明の別の態様において、血液製剤に含まれる大部分の白血球は、第3層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分の白血球が第3層に含まれる血液製剤が提供される。
【0019】
本発明の別の態様において、血液製剤は、全血由来の成分のみからなる。これにより、全血由来の成分のみからなる血液製剤が提供され、これは全血および/または血液製剤に添加剤が加えられていないこと、ならびに血液製剤が、全血、全血画分、または全血画分の組み合わせから直接誘導できることを意味する。
【0020】
本発明の別の態様において、血液製剤は自己由来である。
【0021】
本発明の別の態様において、血液製剤は可撓性である。これにより、通常の使用中、破裂することなく適用応力に耐えることのできる血液製剤が提供される。血液製剤の可撓性のため、血液製剤は、この血液製剤が適用される非常に連続的な輪郭に順応する。
【0022】
本発明の別の態様において、血液製剤はさらに、線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質を含む。これにより、皮膚再生に重要であることが知られている追加の細胞を含み、これによってさらに慢性損傷、特に成長能力が低いか、または成長可能でない周囲組織を有する領域の創傷の治癒潜在性が改善される血液製剤が提供される。既知の皮膚成分であるヒアルロン酸は、血液製剤の水結合能を増大し、組織損失領域での血液製剤の取り込み/浸透可能性を増大する潜在性を有する。
【0023】
本発明はまた、治療に使用するための血液製剤、および/または治療に使用するための前述の血液製剤の使用に関する。
【0024】
本発明はまた、治療に使用する薬剤を製造するための血液製剤の使用に関する。
【0025】
本発明はまた、創傷を治療するための血液製剤、および/または創傷を治療するための前述の血液製剤の使用に関する。
【0026】
本発明はまた、創傷を治療する薬剤を製造するための血液製剤の使用に関する。これにより、創傷を治療する薬剤を製造するのに特に適した血液製剤が提供される。第3層は、第1活性細胞であり、従って感染を制御し、マクロファージを含む他の細胞を誘引する大部分の白血球を含み、第2層は、線維芽細胞を刺激する成長促進因子を含む大部分の血小板を含み、血液製剤の第1層は、大部分のフィブリンを含み、従って血液製剤の第1外面は、周囲からの汚染に対して有効な防御を提供し、第1層はさらに、経時的に放出される成長促進因子を含むため、第3層によって定められる第2外面を創傷に適用することによって、創傷は、実質的に無菌に、例えば感染なく保持および/または維持される。第3層は、製品から容易に放出される大部分の白血球を含むため、第3層によって定められる第2外面を創傷に適用することによって、創傷は、実質的に感染なく保持および/または維持される。白血球は、感染および異物から身体を防御する免疫系の細胞であり、従って白血球は感染を制御し、さらにマクロファージを含む他の細胞を誘引する。第2層は、細胞を刺激する成長促進因子を含む大部分の血小板を含む。白血球は製品から迅速に放出されるため、第2層は、成長促進物質を創傷に最適に送達するように、創傷面に面する。血液製剤の第1層は、大部分のフィブリンを含み、従って血液製剤の第1外面は、周囲からの汚染に対して有効な防御を提供し、第1層はさらに、経時的に放出される成長促進因子を含む。
【0027】
本発明はまた、自己使用するための血液製剤、および/または自己使用するための請求項1から7のいずれかに記載の血液製剤の使用に関する。
【0028】
本発明はまた、自己薬剤を製造するための血液製剤の使用に関する。
【0029】
本発明はまた、例えば領域を密封するため、手術後の癒着を防ぐため、および/または吻合手技に用いる、手術に使用するための血液製剤、および/または手術に使用するための前述の血液製剤の使用に関する。
【0030】
本発明はまた、手術に使用する薬剤を製造するための血液製剤の使用に関する。
【0031】
本発明の別の態様において、血液製剤は、吻合用である。吻合のための、前述の方法によって得られる血液製剤の使用。
【0032】
本発明の別の態様において、血液製剤は、吻合用の製剤を製造するために用いられる。
【0033】
本発明はまた、ある体積の全血から血液製剤を調製する方法に関し、以下の工程:a)体積の全血を容器手段に入れる工程であって、容器手段が、全血が接触する内面を画定する第1材料を含む工程、b)全血の凝固を活性化する工程、c)容器手段に配置された全血に作用する遠心力によって、全血を赤血球、血清、および血液製剤に分離し、これによって全血が、赤血球、血液製剤、および血清間の密度の違いにより、赤血球、血液製剤、および血清を含む層に分離する工程であって、血液製剤は、フィブリン、白血球、および血小板を含み、適用される遠心力は、全血に作用する重力、例えばgより少なくとも1000倍大きい工程、ならびにd)血液製剤を容器手段から取り出す工程を含む。これにより、血液製剤が全血から誘導される方法が提供される。この方法は、赤血球を単離する必要がないため、閉鎖系において1サイクルで処理することができるが、この方法は、赤血球の単離を用いて行うこともできる。全血からフィブリンを抽出する方法の収率は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%超、または100%であり、全血から白血球を抽出する方法の収率は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%超、または100%であり、全血から血小板を抽出する方法の収率は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%超、または100%である。得られる血液製剤は、全血の体積の30%、20%、15%、10%未満、または5%未満の体積を有する。これにより、血液製剤が例えば遠心力を生じる遠心分離によって得ることのできる方法が提供される。適用される遠心力は、全血に作用する重力、例えばgより少なくとも1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、13000、14000、15000、16000、17000、18000、19000倍、もしくは20000倍大きいか、または適用される遠心力は、記載した数値の組み合わせから画定できる任意の区間内である。遠心力が適用される時間は、少なくとも30秒、40秒、50秒、60秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、もしくは30分間であるか、または遠心力は、記載した数値の組み合わせから画定できる任意の区間内、適用される。
【0034】
本発明の一態様において、全血からフィブリンを抽出する方法の収率は、少なくとも60%超である。
【0035】
本発明の一態様において、全血から白血球を抽出する方法の収率は、少なくとも50%超である。
【0036】
本発明の一態様において、全血から血小板を抽出する方法の収率は、少なくとも60%超である。
【0037】
本発明の一態様において、遠心力は、少なくとも30秒間適用される。遠心力が適用される時間は、少なくとも30秒、40秒、50秒、60秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、もしくは30分間であるか、または遠心力は、記載した数値の組み合わせから画定できる任意の区間内、適用される。
【0038】
本発明の一態様において、血液製剤は、全血由来の成分のみからなる。これにより、血液製剤が全血から誘導され、従って全血由来の成分のみからなる方法が提供される。従って、この方法は、全血および/または血液製剤に添加剤を加えることなく行われる。
【0039】
本発明の別の態様において、工程b)の凝固は、内面を画定する第1材料によって活性化される。これにより、全血を内面と接触させたとき、凝固が開始され、従って凝固を開始するために、全血に物体などを添加することを回避できる方法が提供される。
【0040】
本発明の別の態様において、工程b)の凝固は、全血をガラスビーズなどの物体に暴露することによって活性化される。これにより、全血に添加した物体と全血を接触させたとき、凝固が開始される方法が提供される。これにより、この方法に最適である、選択された時点で凝固を開始できる。
【0041】
本発明の別の態様において、容器手段の内面の第1材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカルボナート、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレン、変性スチレン、ポリウレタン、および他のポリマー材料からなる群から選択される。記載した群のポリマーはさらに、ガラス充填され得る。これにより、第1材料の内面を有する容器手段が、すべての種類のポリマー、金属、またはガラスから製造された典型的な試験管などであることができる方法が提供される。この材料は、材料特性が血液製剤と内面との間の最小の接着力/摩擦を提供するように選択することもできる。ポリアミドおよびポリウレタンは、他のポリマーを用いて得られるレベルより高い、好ましい活性化レベルの範囲内で凝固を開始するため、これらの材料は好ましい。
【0042】
本発明の別の態様において、容器手段の内面は、血液製剤と第1材料の内面との間の摩擦を下げるために、表面処理、例えば被覆されている。これにより、第1材料の内面を有する容器手段が、すべての種類のポリマー、金属、またはガラスから製造された典型的な試験管などであることができる方法が提供される。内面は、血液製剤と内面との間の最小の接着力/摩擦を得るために、表面処理および/または被覆され得る。
【0043】
本発明の別の態様において、遠心力は、内面と血液製剤との間に作用する接着力より大きい。これにより、遠心力が接着力と比較して優位であり、これによって血液製剤の明確な層構造が確保される方法が提供される。遠心力は、接着力より少なくとも10、100、1000、5000、10000、20000、50000、100000、1000000、もしくは10000000倍大きい力であることができ、または遠心力は、記載した数値の組み合わせから画定できる任意の区間内である。本発明の別の態様において、遠心力および遠心分離の時間は、内面とフィブリンとの間に作用する接着力が破壊/解放され、これによってフィブリン層が圧縮/圧搾されるような強度である。これにより、遠心力が接着力と比較して優位であり、これによって血液製剤の明確な層構造が確保される方法が提供される。壁への接着を解放するのに必要とされる遠心力は、フィブリン密度によって決まる。フィブリン密度は、凝固活性化、フィブリン濃度、時間などを含む幾つかの要因によって決まる。遠心分離力は、少なくとも10、100、1000、5000、10000、20000、50000、もしくは100000gであることができ、または遠心力は、記載した数値の組み合わせから画定できる任意の区間内である。
【0044】
本発明の別の態様において、内面に接着している血液製剤は、工程c)中、少なくとも1度、内面から剥離される。これにより、起こり得る血液製剤の内面への接着が、工程c)中に少なくとも1度血液製剤を分離することによって対処できる方法が提供される。分離は、切断などの機械的手段によって行うことができる。その後、g力はフィブリンを壁から解放する必要がないため、フィブリンの圧縮はより低いg力で行うことができる。
【0045】
本発明の別の態様において、この方法はさらに、容器手段に配置されたフィルタなどの圧縮手段によって血液製剤が圧縮される圧縮工程を含む。これにより、例えばフィルタによって血液製剤を圧縮することのできる方法が提供される。フィルタは、容器手段に固定して、または移動可能に配置することができ、フィルタは、血液製剤を単離するために用いることができる。
【0046】
本発明の別の態様において、この方法は、工程c)中に赤血球が血液製剤から単離される単離工程をさらに含む。これにより、この方法の間に赤血球が血清および血液製剤から単離される方法が提供される。
【0047】
本発明の別の態様において、この方法は、血液製剤が洗浄され、血液製剤に付着した実質的にすべての赤血球および/または血清が剥離される洗浄工程をさらに含む。これにより、血液製剤から他の成分が実質的に除去され、血液製剤が血液製剤自体である方法が提供される。遠心分離中に形成された血清を洗浄液として用いることができる。
【0048】
本発明の別の態様において、容器手段は、取り外し可能な蓋で閉鎖可能な開口端、および閉鎖端を含む管である。これにより、標準の試験管などを用いて本方法を行うことができる方法が提供される。
【0049】
本発明の別の態様において、工程b)が工程a)に先行する。これにより、全血を容器手段に入れる前に、凝固を活性化することができ、従って容器手段は凝固活性化因子を含む必要がなく、および/または全血を容器手段に入れるとき、全血は凝固活性化因子を含む必要がない。凝固は、例として、採血管にガラスビーズを入れることによって、または血液を活性化する管材料を選択することによって、採血中に活性化することができる。従って、凝固を開始するために、全血に物体などを添加するのを回避することができる。
【0050】
本発明の別の態様において、工程b)は、工程a)の少なくとも1分前に行われる。これにより、非常に迅速な取り扱いを必要としない方法が提供される。工程b)は、工程a)の少なくとも30秒、40秒、50秒、60秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、または20分前に行うことができる。工程b)の凝固活性化のレベルもこの方法によって制御できる。工程c)の細胞分離は、フィブリンが細胞分離を阻害するのに十分なレベルである前に行わなければならないため、これによって工程b)とa)との間の時間を延長することが可能となる。
【0051】
本発明の別の態様において、工程b)は、工程c)と同時に行われる。これにより、工程c)中、この方法に最適な時点で凝固を活性化できる。凝固は、容器手段に組み入れた凝固活性化因子によって、および/または血液を活性化する容器材料を用いることによって、活性化/開始することができる。凝固因子材料は、容器手段において全血に添加されるガラスビーズなどの物体であることができる。
【0052】
本発明の別の態様において、線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質が全血に添加される。これにより、皮膚再生に重要であることが知られている追加の細胞を含み、これによってさらに慢性損傷、特に成長能力が低いか、または成長可能でない周囲組織を有する領域の創傷の治癒が改善される血液製剤を得ることができる。既知の皮膚成分であるヒアルロン酸は、血液製剤の水結合能を増大し、組織損失領域での血液製剤の取り込み/浸透可能性を増大する潜在性を有する。
【0053】
本発明の別の態様において、フィルタなどの圧縮手段は、第1固定位置および第2位置を有する。白血球および血小板は分離され、血清中のフィブリンは圧縮されていない遠心分離の最初の部分の間、フィルタは、赤血球を含有する容器手段の一部の位置に固定される。フィルタの密度が血清の密度より小さいならば、フィルタの解放によってフィルタは管の頂部に運ばれ、これによって白血球および血小板層の収集ならびにフィブリン層の圧縮が起こる。
【0054】
本発明の別の態様において、フィルタなどの圧縮手段は、容器手段壁を変形することによって、第1固定位置に固定される。フィルタは、管壁を変形することによって固定される。フィルタは、壁の変形を取り除くことによって解放される。
【0055】
本発明の別の態様において、全血の代わりに、フィブリンを含む血漿、ならびに白血球および血小板を含むバフィーコートが用いられる。これにより、赤血球を除く全血を用いることができ、従って血液製剤を全血、全血画分、または全血画分の組み合わせから直接誘導できる方法が提供される。
【0056】
本発明の別の態様において、この方法は、15分以内に行われる。この方法は、少なくとも1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分以内、または少なくとも30分以内に行われる。
【0057】
本発明の別の態様において、この方法によって得られる血液製剤は、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤である。
【0058】
本発明はまた、全血由来の成分、特にフィブリン、血小板、および白血球を含み、血液製剤は、第1層、第2層、および第3層を含み、第2層は、第1層および第3層に隣接しており、第1層は、血液製剤の第1外面を画定し、第3層は、血液製剤の第2外面を画定し、第1層は、大部分のフィブリンを含み、第2層は、大部分の血小板を含み、第3層は、大部分の白血球を含む、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤に関する。これにより、多層構造を有する血液製剤が得られ、各層はそれぞれの層の異なる組成のため、異なる機能性を提供する。血液製剤は、自己支持性、緻密、および固体であり、血液製剤を意図された用途にそのまま適用できるような構造を有する。大部分とは、フィブリン、血小板、または白血球などの成分が、各層の体積および/または質量に関して、または血液製剤の体積および/または質量に関して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%、またはこれらの記載したパーセントの組み合わせから画定できる任意の区間を占めることを意味する。第1、第2、および第3層は、それぞれ連続しており、および/または実質的に互いに平行であり、例えば層状および/または多層血液製剤を形成する。血液製剤は、好ましくは3層、例えば大部分のフィブリンを含む第1層、大部分の血小板を含む第2層、および大部分の白血球を含む第3層からなる。血液製剤は、好ましくは最大幅/厚比1、2、3、4、または5を有するが、この比は10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90まで、または100までであることができ、幅は血液製剤の層に沿って測定され、厚さは血液製剤の層と垂直に測定される。
【0059】
本発明の別の態様において、血液製剤に含まれる大部分のフィブリンは、第1層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分のフィブリンが第1層に含まれる血液製剤を得ることができる。
【0060】
本発明の別の態様において、血液製剤に含まれる大部分の血小板は、第2層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分の血小板が第2層に含まれる血液製剤を得ることができる。
【0061】
本発明の別の態様において、血液製剤に含まれる大部分の白血球は、第3層に含まれる。これにより、全血液製剤に含まれる大部分の白血球が第3層に含まれる血液製剤を得ることができる。
【0062】
本発明の別の態様において、血液製剤は、全血由来の成分のみからなる。これにより、全血由来の成分のみからなる血液製剤を得ることができ、これは全血および/または血液製剤に添加剤が加えられていないこと、ならびに血液製剤が、全血、全血画分、または全血画分の組み合わせから直接誘導されることを意味する。
【0063】
本発明の別の態様において、血液製剤は自己由来である。
【0064】
本発明の別の態様において、血液製剤は可撓性である。これにより、通常の使用中、破裂することなく適用応力に耐えることのできる血液製剤を得ることができる。血液製剤の可撓性のため、血液製剤は、この血液製剤が適用される非常に連続的な輪郭に順応する。
【0065】
本発明の別の態様において、血液製剤はさらに、線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質を含む。これにより、血液製剤は、皮膚再生に重要であることが知られている追加の細胞を含み、これによってさらに慢性損傷、特に成長能力が低いか、または成長可能でない周囲組織を有する領域の創傷の治癒が改善される。既知の皮膚成分であるヒアルロン酸は、血液製剤の水結合能を増大し、組織損失領域での血液製剤の取り込み/浸透可能性を増大する潜在性を有する。
【0066】
本発明の別の態様において、血液製剤は、治療に使用するためのものである。治療に使用するために、前述の方法によって得られる血液製剤の使用。
【0067】
本発明の別の態様において、血液製剤は、治療に使用する薬剤を製造するために用いられる。
【0068】
本発明の別の態様において、血液製剤は、創傷を治療するためのものである。創傷を治療するための、前述の方法によって得られる血液製剤の使用。
【0069】
本発明の別の態様において、血液製剤は、創傷を治療する薬剤を製造するために用いられる。これにより、創傷を治療する薬剤を製造するのに特に適した血液製剤を得ることができる。第3層は、第1活性細胞であり、従って感染を制御し、マクロファージを含む他の細胞を誘引する大部分の白血球を含み、第2層は、創傷治癒および/または肉芽形成を刺激する成長促進因子を含む大部分の血小板を含み、血液製剤の第1層は、大部分のフィブリンを含み、従って血液製剤の第1外面は、周囲からの汚染に対して有効な防御を提供し、第1層はさらに、経時的に放出される成長促進因子を含むため、第3層によって定められる第2外面を創傷に適用することによって、創傷は、実質的に無菌に、例えば感染なく保持および/または維持される。第3層は、製品から容易に放出される大部分の白血球を含むため、第3層によって定められる第2外面を創傷に適用することによって、創傷は、実質的に感染なく保持および/または維持される。白血球は、感染および異物から身体を防御する免疫系の細胞であり、従って白血球は感染を制御し、さらにマクロファージを含む他の細胞を誘引する。第2層は、細胞を刺激する成長促進因子を含む大部分の血小板を含む。白血球は製品から迅速に放出されるため、第2層は、成長促進物質を創傷に最適に送達するように、創傷面に面する。血液製剤の第1層は、大部分のフィブリンを含み、従って血液製剤の第1外面は、周囲からの汚染に対して有効な防御を提供し、第1層はさらに、経時的に放出される成長促進因子を含む。
【0070】
本発明の別の態様において、血液製剤は、自己使用のために用いられる。自己使用のための、前述の方法によって得られる血液製剤の使用。
【0071】
本発明の別の態様において、血液製剤は、自己薬剤を製造するために用いられる。
【0072】
本発明はまた、例えば領域を密封するため、手術後の癒着を防ぐため、および/または吻合手技に用いる、手術に使用するための血液製剤、および/または手術に使用するための前述の血液製剤の使用に関する。
【0073】
本発明の別の態様において、血液製剤は、吻合用である。吻合のための、前述の方法によって得られる血液製剤の使用。
【0074】
本発明の別の態様において、血液製剤は、吻合用の製剤を製造するために用いられる。
【0075】
本発明はまた、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤を調製するための血液製剤調製容器手段に関し、血液製剤調製容器手段は、ポリアミドおよび/またはポリウレタンを含む。これにより、全血の凝固を活性化するか、またはより具体的には補体活性化を提供し、同時にポリマー脆弱性および/またはコストのため、ガラス容器より好ましく、これらの凝固不活性特性のため他のポリマー容器より好ましいポリマー材料を含む血液製剤調製容器手段が提供される。ポリアミドおよび/またはポリウレタンが全血の凝固を活性化するという事実は驚くべきものであり、この血液製剤調製容器手段は、既知のガラス容器手段とポリマー容器手段の利点を兼ね備えているため、典型的な既知のガラス容器手段および凝固不活性ポリマー容器手段の良好な代替手段が提供される。
【0076】
本発明はまた、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤を製造するための、請求項58に記載の血液製剤調製容器手段の使用に関する。
【0077】
本発明はまた、血液製剤調製容器手段に関し、血液製剤調製容器手段は、ポリアミドおよび/またはポリウレタンを含む。これにより、全血の凝固を活性化するか、またはより具体的には補体活性化を提供し、同時にポリマー脆弱性および/またはコストのため、ガラス容器より好ましく、これらの凝固不活性特性のため他のポリマー容器より好ましいポリマー材料を含む血液製剤調製容器手段が提供される。ポリアミドおよび/またはポリウレタンが全血の凝固を活性化するという事実は驚くべきものであり、この血液製剤調製容器手段は、既知のガラス容器手段とポリマー容器手段の利点を兼ね備えているため、典型的な既知のガラス容器手段および凝固不活性ポリマー容器手段の良好な代替手段が提供される。
【0078】
本発明はまた、血液製剤を製造するための、請求項60に記載の血液製剤調製容器手段の使用に関する。
本発明を次の図面を参照して以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による容器手段の第1の実施形態の断面図である。
【図2】本発明による容器手段の第2の実施形態の断面図である。
【図3】本発明による容器手段の第3の実施形態の断面図である。
【図4】本発明による容器手段の第4の実施形態の断面図である。
【図5】本発明による容器手段の第1の実施形態の断面図である。
【図6】本発明による容器手段の第2の実施形態の断面図である。
【図7】本発明による容器手段の第3の実施形態の断面図である。
【図8】本発明による容器手段の第4の実施形態の断面図である。
【図9】本発明による血液製剤の実施形態の断面図である。
【図10】本発明による血液製剤の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1から4はそれぞれ、容器手段1の第1、第2、第3、および第4の実施形態を例示する。4つの実施形態において、容器手段1は、内面3を有する空洞を含む。空洞は、壁4、閉鎖端12、および蓋2によって閉鎖可能な開口端によって境界を定められる。容器手段1は、ある体積の全血5を含み、容器手段1の開口端に搭載された蓋2によって周囲から閉鎖される。容器手段1は任意の材料で製造され得、材料は、容器手段1の材料が内面3を介して全血5と接触することにより、全血5の凝固カスケードをあるいは活性化するように選択することができ、これは図1の第1の実施形態および図3の第3の実施形態の場合である。または、容器手段1の材料は、材料が全血5の凝固カスケードに関して不活性であるように選択することができ、これは図2の第2の実施形態および図3の第4の実施形態の場合であり、ここでは物体7を用いて全血5の凝固カスケードが活性化されるように、血液5の凝固カスケードを活性化する材料で製造された物体7が、代わりに全血5に添加される。4つの実施形態において、容器手段1の内面3は、内面3と血液5の任意の成分との間の摩擦を下げるために、被覆および/または表面処理され得、さらに容器手段1の材料は、例えば低タンパク結合能を有する材料を選択することによって、内面3と血液5の任意の成分との間の低い摩擦が得られるように選択することができる。図3および4に示した第3および第4の実施形態において、フィルタなどの圧縮手段8は、容器手段1内に配置されており、これによって血液製剤10は、圧縮手段に対して圧縮される。
【0081】
工程の初期部分では、圧縮手段8は容器手段1の閉鎖端12に固定され得、ここに赤血球が位置する。後の時点では、圧縮手段8は解放され得、圧縮手段8の密度が血漿より低いならば、圧縮手段は血漿の頂部に送られる。蓋2を取り外すことによって、血液製剤10を容器手段1から取り出すことができる。容器手段1からの輸送時、血液製剤10を支持するために、圧縮手段8または圧縮手段の一部を用いることができる。
【0082】
工程の初期部分では、圧縮手段8は容器手段1の閉鎖端12に固定され得、ここに赤血球が位置する。後の時点では、圧縮手段8は解放され得、圧縮手段8の密度が血清より低いならば、圧縮手段は血清の頂部に送られる。蓋2を取り外すことによって、血液製剤10を容器手段1から取り出すことができる。容器手段1からの輸送時、血液製剤10を支持するために、圧縮手段8または圧縮手段の一部を用いることができる。
【0083】
4つの実施形態すべてにおいて、全血5は、例示のとおり下向きに作用する遠心力6に供されるが遠心力6は、示した方向に限定されない。全血5の成分は異なる密度を有し、従って遠心力6に対して異なる応答をするため、遠心力6は分離手段として機能する。
【0084】
図1から4は、遠心力6が適用されたばかりであり、従って全血5の分離が目に見えない時点での容器手段1の4つの実施形態を例示し、図5から8はそれぞれ、遠心力6が十分に長く、十分な大きさで作用し、従って全血5が血清9、血液製剤10、および赤血球11に分離した時点での容器手段1の第1、第2、第3、および第4の実施形態を示す。
【0085】
図1から4は、遠心力6が適用されたばかりであり、従って全血5の分離が目に見えない時点での容器手段1の4つの実施形態を例示し、遠心力6が十分に長く、十分な大きさで作用し、従って全血5が、この血清部分全体にフィブリンが分布している血清9、血小板および白血球層10、および赤血球11に分離した時点での1。後の時点では、圧縮手段8は解放され得、圧縮手段8の密度が血清より低いならば、圧縮手段は血清の頂部に送られ、これによってフィブリンが壁から放出され、フィブリンが圧縮される。蓋2を取り外すことによって、血液製剤10を容器手段1から取り出すことができる。容器手段1からの輸送時、血液製剤10を支持するために、圧縮手段8または圧縮手段の一部を用いることができる。
【0086】
図9は、第1層21、第2層22、および第3層23を含む血液製剤10の概略的な断面図を例示し、ここで第2層は、第1層21および第3層23に隣接している。第1層21は、血液製剤10の第1外面24を画定し、第3層23は、血液製剤10の第2外面を画定する。第1層21は、大部分のフィブリンを含み、第2層22は、大部分の血小板を含み、第3層23は、大部分の白血球を含む。従って、血液製剤10は、各層が異なる組成を有し、従って異なる機能性を有する明確な多層構造を有する。
【0087】
図10は、容器手段としてポリプロピレンで製造された試験管を用いて実験的に得られた血液製剤の断面図を示す。
【0088】
本発明を好ましい実施形態に関して記載した。しかしながら、本発明の範囲は例示した実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、変更、組み合わせ、および修正を行うことができる。
【実施例1】
【0089】
1.プラスチック容器(例えば、2mlマイクロ遠心管)を用い、凝固トリガー、例えば4つのガラスビーズ(直径2mm)を添加する。
2.プラスチック容器に採血する。
3.血液および凝固活性化因子を2分間転倒混合する。
4.容器を16200gで20分間スピンする。
5.この後、赤血球と血清の間の層に血液製剤が形成される。
6.鉗子を用いて、血液製剤を取り出す。
【0090】
この方法において、必要とされるスピン時間およびスピン速度は、活性化の力によって決まる。例えば、凝固活性化が高度である場合、細胞は、これらがフィブリンネットワークに捕捉される前に分離されなければならず、高いスピン速度を必要とする。高いスピン速度のため、スピン時間は低値であることができる。
【実施例2】
【0091】
1.標準の50ml遠心管容器を用い、凝固トリガー、例えばガラスビーズを添加する。
2.遠心管に採血する。
3.管の血液を1分間混合する。
4.管を3000gで20分間スピンする。
5.蓋を開け、壁からフィブリン(頂部の血清に形成)を解離させる(細いプラスチック棒または針を使用)。
6.サンプルをさらに5分間3000gでスピンする。
7.この後、赤血球と血清の間の層に血液製剤が形成される。
8.鉗子を用いて、血液製剤を取り出す。
【実施例3】
【0092】
1.ポリアミドまたはポリウレタンから調製された20ml容器(内径:26mm)を用いる。
2.蓋をして、容器の内部に真空を作る。
3.患者に針を挿入する。
4.真空のまま、針を容器に接続する。
5.真空の助力で、プラスチック容器に採血する。
6.管を15000gで12分間スピンする。
7.この後、赤血球と血清の間の層に血液製剤が形成される。
8.蓋を取り、血液製剤を鉗子で取り出す。
【実施例4】
【0093】
1.ポリアミドまたはポリウレタンから調製された20ml容器(内径:26mm)を用いる。
2.容器の底にディスクを入れる。ディスクの密度は1未満であるべきであり、できるかぎり小さいことが好ましい。
3.例えば容器の壁を圧縮して、容器の底にディスクを固定する。
4.蓋をして、容器の内部に真空を作る。
5.患者に針を挿入する。
6.真空のまま、針を容器に接続する。
7.真空の助力で、プラスチック容器に採血する。
8.管を3000gで8分間スピンする。この段階では、白血球は赤血球の上にあり、g力が低く、フィブリンを血小板の上に圧縮することができないため、フィブリンは上部血清層全体に重合される。
9.底のディスクを解放する。
10.管を3000gで2分間スピンする。これによりディスクは頂部に移動し、これによって白血球および血小板は集められ、フィブリン層は1つのシートに圧縮される。
11.蓋を取り、容器の頂部に配置される血液製剤を取り出す。
【実施例5】
【0094】
1.ポリアミドまたはポリウレタンから調製された20ml容器(内径:26mm)を用いる。
2.容器の底にディスクを入れる。ディスクの密度は1未満であるべきであり、できるかぎり小さいことが好ましい。
3.例えば容器の壁を圧縮して、容器の底にディスクを固定する。
4.容器の内部に真空を作り、蓋をする。
5.患者に針を挿入する。
6.真空のまま、針を容器に接続する。
7.真空の助力で、プラスチック容器に採血する。
8.管を3700gで3分間スピンする。この段階では、白血球は赤血球の上にあり、g力が低く、フィブリンを血小板の上に圧縮することができないため、フィブリンは上部血清層全体に重合される。
9.8分間待つ。
10.底のディスクを解放する。
11.管を3000gで2分間スピンする。これによりディスクは頂部に移動し、これによって白血球および血小板は集められ、フィブリン層は1つのシートに圧縮される。
12.蓋を取り、容器の頂部に配置される血液製剤を取り出す。
【0095】
上記の実施例から考えられるように、凝固活性化、スピン速度(g)、スピン時間、スピン間の静止時間は、ある範囲内で多様であり得る。
【0096】
これらを以下の表に例示する。
【0097】
【表1】

【0098】
ディスクを用いて処理する場合。
【0099】
【表2】

【実施例6】
【0100】
相対遠心分離力および時間の最適化
【0101】
1.全血(full blood)を6mlEDTA管(Vacutainer、BD(登録商標))に採血した。
2.ポリアミドまたはポリウレタンから調製した20ml容器(内径26mm)に18ml充填し、様々なRCF(相対遠心分離力)で様々な時間スピンした。
3.上記スピン時間後、底部(底から約5mm上)および頂部(表面から約5mm下)のサンプル(約300ul)をシリンジ採取し、その後、次のサンプルを得るために、スピンを継続した。底部サンプルをD−PBSで1:1に希釈した。
4.自動細胞計測(XE2100、Sysmex Corporation)によってサンプルを分析し、元のサンプルの細胞数を算出した。結果はml当たり細胞(100万)で示す。
【0102】
時間(分)の関数としての、所与の相対遠心分離力(g)で遠心分離した血液の上部(頂部)および下部(底部)のミリリットル当たり血小板(100万)
【0103】
【表3】

【0104】
時間(分)の関数としての、所与の相対遠心分離力(xg)で遠心分離した血液の上部(頂部)および下部(底部)のミリリットル当たり白血球(100万)
【0105】
【表4】

【実施例7】
【0106】
慢性創傷液に対する応答としての成長因子放出
【0107】
1.実施例1に示した方法によって血液製剤を生成した。
2.血液製剤を半分に切断し、100ulPBS1%BSAまたは100ul慢性損傷液(静脈性下腿潰瘍から24時間採取)に加え、37℃でインキュベートした。
3.所与の時点(1、2、3.5、7、14、22、および29時間)後、サンプルを16000gで10分間スピンし、上清を新しい管に移し、1/10(81ulサンプル+9ulPI)プロテアーゼ阻害剤(Complete(登録商標)、Roche)を添加し、−80℃で凍結させた。
4.製造業者によって記載されているとおり、ELISAキット(DuoSet(登録商標)ELISAカタログ番号DY222、R&Dsystems)を用いて、血小板由来成長因子−ABレベルを求めた。元のサンプルのPDGF−AB濃度を算出した。
【0108】
時間(時)の関数としての、血液製剤からの血小板由来成長因子AB(PDGF−AB)放出(ng/血液製剤ml)
【0109】
【表5】

【実施例8】
【0110】
1.実施例1に示した方法によって血液製剤を生成した。
2.2つの血液製剤を1mlDMEM(PAA、Germany)中、37℃および5%CO2で48時間インキュベートした。
3.並行して、2つの血液製剤を、リポ多糖((10ng/ml)大腸菌由来LPS;L2654;Sigma−Aldrich)を含む1mlDMEM(PAA、Germany)中、37℃および5%CO2で48時間インキュベートした。
4.48時間後、媒質をマイクロ遠心管に移し、16200xgで20分間スピンした。分析まで、上清を−80℃で凍結させた。
5.両方のキットでバッファ4(ARY007)を用いたことを除いて、R&Dsystemsによって記載されているとおり、プロテオーム・プロファイラ・アレイARY007およびARY005(共にR&Dsystems)を実行した。R&Dsystemsによって記載されているとおり、420ul上清を500ulバッファ4および580ulバッファ5で希釈した。
6.化学発光HRP基質(Immobilon Western(商標)、Millipore、US)を用いて、アレイによる反応性を検出した。
7.Fluorchem3000システム(Alpha Innotech、US)を用いて、発光を捕捉した。Flourchemソフトウェア(Alpha Innotech、US)で平均ピクセル密度を得た。
【0111】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
全血由来の成分、特にフィブリン、血小板、および白血球を含む血液製剤(10)であって、第1層(21)、第2層(22)、および第3層(23)を含み、第2層(22)は、第1層(21)および第3層(23)に隣接しており、第1層(21)は、血液製剤(10)の第1外面(24)を画定し、第3層(23)は、血液製剤(10)の第2外面(25)を画定し、第1層(21)は、大部分のフィブリンを含み、第2層(22)は、大部分の血小板を含み、第3層(23)は、大部分の白血球を含む血液製剤(10)。
【請求項2】
血液製剤(10)に含まれる大部分のフィブリンが、第1層(21)に含まれる、請求項1に記載の血液製剤。
【請求項3】
血液製剤(10)に含まれる大部分の血小板が、第2層(22)に含まれる、請求項1または2に記載の血液製剤。
【請求項4】
血液製剤(10)に含まれる大部分の白血球が、第3層(23)に含まれる、請求項1、2、または3に記載の血液製剤。
【請求項5】
血液製剤(10)が、全血由来の成分のみからなる、請求項1から4のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項6】
血液製剤(10)が、自己由来である、請求項1から5のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項7】
血液製剤(10)が、可撓性である、請求項1から6のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項8】
血液製剤(10)が、線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項9】
治療に使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項10】
治療に使用する薬剤を製造するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤の使用。
【請求項11】
創傷を治療するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項12】
創傷を治療する薬剤を製造するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤の使用。
【請求項13】
自己使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項14】
自己薬剤を製造するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤の使用。
【請求項15】
手術に使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤。
【請求項16】
手術に使用する薬剤を製造するための、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤の使用。
【請求項17】
ある体積の全血(5)から血液製剤(10)を調製する方法であって、以下の工程:
a)体積の全血(5)を容器手段(1)に入れる工程であって、容器手段(1)が、全血(5)が接触する内面(3)を画定する第1材料を含む工程、
b)全血(5)の凝固を活性化する工程、
c)容器手段(1)に配置された全血(5)に作用する遠心力(6)によって、全血(5)を赤血球(11)、血清(9)、および血液製剤(10)に分離し、これによって全血(10)が、赤血球(11)、血液製剤(10)、および血清(9)間の密度の違いにより、赤血球(11)、血液製剤(10)、および血清(9)を含む層に分離する工程であって、血液製剤(10)は、フィブリン、白血球、および血小板を含み、適用される遠心力(6)は、全血に作用する重力、例えばgより少なくとも1000倍大きい工程、ならびに
d)血液製剤(10)を容器手段(1)から取り出す工程を含む方法。
【請求項18】
全血からフィブリンを抽出する方法の収率が、少なくとも60%超である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
全血から白血球を抽出する方法の収率が、少なくとも50%超である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
全血から血小板を抽出する方法の収率が、少なくとも60%超である、請求項17、18、または19に記載の方法。
【請求項21】
遠心力が、少なくとも30秒間適用される、請求項17から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
血液製剤(10)が、全血由来の成分のみからなる、請求項17から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
工程b)の凝固が、内面(3)を画定する第1材料によって活性化される、請求項17から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
工程b)の凝固が、全血(5)をガラスビーズなどの物体(7)に暴露することによって活性化される、請求項17から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
容器手段(1)の内面(3)の第1材料が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカルボナート、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレン、変性スチレン、ポリウレタン、および他のポリマー材料からなる群から選択される、請求項17から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
容器手段(1)の内面(3)が、血液製剤(10)と第1材料の内面(3)との間の摩擦を下げるために、表面処理、例えば被覆されている、請求項17から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
遠心力(6)が、内面(3)と血液製剤(10)との間に作用する接着力より大きい、請求項17から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
内面(3)に接着している血液製剤(10)が、工程c)中、少なくとも1度、内面(3)から剥離される、請求項17から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
容器手段(1)に配置されたフィルタなどの圧縮手段(8)によって血液製剤(10)が圧縮される圧縮工程をさらに含む、請求項17から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
工程c)中に赤血球(11)が血液製剤(10)から単離される単離工程をさらに含む、請求項17から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
血液製剤(10)が洗浄され、血液製剤(10)に付着した実質的にすべての赤血球(11)および/または血清(9)が剥離される洗浄工程をさらに含む、請求項17から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
容器手段(1)が、取り外し可能な蓋(2)で閉鎖可能な開口端、および閉鎖端(12)を含む管(4)である、請求項17から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
工程b)が工程a)に先行する、請求項17から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
工程b)が、工程a)の少なくとも1分前に行われる、請求項17から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
工程b)が、工程c)と同時に行われる、請求項17から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質が全血に添加される、請求項17から35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
フィルタなどの圧縮手段(8)が、第1固定位置および第2位置を有する、請求項17から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
フィルタなどの圧縮手段(8)が、容器手段(1)の壁を変形することによって第1固定位置に固定される、請求項17から37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
全血(5)の代わりに、フィブリンを含む血漿、ならびに白血球および血小板を含むバフィーコートが用いられる、請求項17から38のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
15分以内に行われる、請求項17から39のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
請求項17から40のいずれかに記載の方法であって、該方法によって得られた血液製剤(10)が、請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤(10)である、方法。
【請求項42】
全血(5)由来の成分、特にフィブリン、血小板、および白血球を含み、血液製剤(10)は、第1層(21)、第2層(22)、および第3層(23)を含み、第2層(22)は、第1層(21)および第3層(23)に隣接しており、第1層(21)は、血液製剤(10)の第1外面(24)を画定し、第3層(23)は、血液製剤(10)の第2外面(25)を画定し、第1層(21)は、大部分のフィブリンを含み、第2層(22)は、大部分の血小板を含み、第3層(23)は、大部分の白血球を含む、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤(10)。
【請求項43】
血液製剤(10)に含まれる大部分のフィブリンが、第1層(21)に含まれる、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項44】
血液製剤(10)に含まれる大部分の血小板が、第2層(22)に含まれる、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項45】
血液製剤(10)に含まれる大部分の白血球が、第3層(23)に含まれる、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項46】
血液製剤(10)が、全血(5)由来の成分のみからなる、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項47】
血液製剤(10)が、自己由来である、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項48】
血液製剤(10)が、可撓性である、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項49】
血液製剤(10)が、線維芽細胞、ケラチノサイト細胞、およびヒアルロン酸を含む群から選択された第1物質をさらに含む、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項50】
治療に使用するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項51】
治療に使用する薬剤を製造するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤の使用。
【請求項52】
創傷を治療するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項53】
創傷を治療する薬剤を製造するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤の使用。
【請求項54】
自己使用のための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項55】
自己薬剤を製造するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤の使用。
【請求項56】
手術に使用するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤。
【請求項57】
手術に使用する薬剤を製造するための、請求項17から41のいずれかに記載の方法によって得られる血液製剤の使用。
【請求項58】
請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤を調製するための血液製剤調製容器手段(1)であって、ポリアミドおよび/またはポリウレタンを含む血液製剤調製容器手段(1)。
【請求項59】
請求項1から8のいずれかに記載の血液製剤(10)を製造するための、請求項58に記載の血液製剤調製容器手段(1)の使用。
【請求項60】
ポリアミドおよび/またはポリウレタンを含む、血液製剤調製容器手段(1)。
【請求項61】
血液製剤(10)を製造するための、請求項60に記載の血液製剤調製容器手段(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−500779(P2012−500779A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523306(P2011−523306)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050209
【国際公開番号】WO2010/020254
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(511045545)
【Fターム(参考)】