多層試験センサを形成する方法
ベースと、第2の層と、反応層とを備えた電気化学的多層試験センサを形成する方法である。反応領域には酵素が含まれている。試験センサは、計器の中で使用されるようになされており、検体濃度の決定を補助する。複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部がベースの上に画定される。ベースの上に複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部が画定されると、第2の層にベースが取り付けられ、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンが画定される。第2の層にベースが取り付けられると、試験センサのベースの上に複数の導電リード線が完全に画定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に試験センサを形成する方法に関する。より詳細には、本発明は一般に、検体の濃度の決定を補助するようになされた多層試験センサを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体液中における検体の定量的な決定は、特定の生理学的異常を診断し、かつ、管理するためには極めて重要である。たとえば、特定の個人の乳酸塩、コレステロールおよびビリルビンをモニタしなければならない。特に、糖尿病患者に対しては、彼らの体液中のブドウ糖レベルを頻繁にチェックし、彼らが食事から摂取するブドウ糖を調節することが重要である。このような試験の結果を使用することにより、必要に応じて、投与すべきインスリンまたは他の投薬法を決定することができる。ある種の血液−ブドウ糖試験システムでは、試験センサを使用して血液標本が試験されている。
【0003】
試験センサには、血液ブドウ糖と反応する生物知覚物質または試薬物質が含まれている。ある種の試験センサは、ベースおよびふたを備えた多層試験センサである。ベースは多層試験センサ内のふたに取り付けられている。ベースをふたに取り付けるための方法の1つは積層である。ベースおよびふたを積層する行為は、どちらかと言えば望ましくない大きい公差を有していることがしばしばである。つまり、ベースおよびふたの積層には、どちらかと言えば望ましくない分散(つまり+/−0.0381cm(0.015インチ))を有する傾向がある。ベースおよびふたの積層が適切に整列していない場合、ベースおよびふたは、位置決め不良と言われる。
【0004】
従来技術の図1a〜cは、位置決め不良のベースおよびふたの一例を示したものである。図1aは、ベース−リボン条片20およびふた−リボン条片30を備えたセンサ−リボン条片10を示したものである。ベース−リボン条片20は、複数の導電リード線すなわちトレース26a〜dをその上に画定している複数のレーザ切断22a〜cを備えている。導電リード線すなわちトレースは、電極のリード線部分である。ベース−リボン条片20の上に形成されたレーザ切断22a〜cをより良好に示すために、レーザ切断22a〜cは、ふた−リボン条片30によって部分的に隠されることはあっても、ふた−リボン条片30の中に形成された個々の開口28の上方を上に向かって展開して示されている。また、図1a〜cは、導電リード線すなわちトレースの一部を形成することになる領域のみを強調して示したものであり、試験センサの電極または他の特徴を形成するための実際の切断は示されていない。
【0005】
図1aに示されているふた−リボン条片30は、複数の位置決め開口32a、bを形成している。ふた−リボン条片30は、ベース−リボン条片20に積層されている。図1aに示されているように、ふた−リボン条片30およびベース−リボン条片20の積層は適切に整列していない(つまり位置決め不良である)。図1aに示されているふた−リボン条片30およびベース−リボン条片20の位置決め不良は、導電リード線26a〜dの幅が不均一になる原因になっている。したがって、センサ−リボン条片10から形成された複数の試験センサは、不均一な幅の導電リード線26a〜dを有することになる。
【0006】
ベースおよびふたの位置決めが不良である場合、試験センサの導電リード線と計器または機器との間に導電性の問題が生じることになる。たとえば、位置決め不良は、試験センサの導電リード線と機器のコンタクトの間が短絡する原因になることがある。短絡が生じると、機器は検体濃度の誤った読値をもたらし、あるいは検体濃度の読値を一切もたらさないことになる。また、位置決め不良は、そのために導電リード線の面積が不適切になるため、検体濃度の誤った読値の原因になることもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ベースおよびふたの積層公差を除去する方法が使用されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一方法によれば、ベースと、第2の層と、反応層とを備えた電気化学的多層試験センサが形成される。反応領域には酵素が含まれている。試験センサは、計器の中で使用されるようになされており、検体濃度の決定を補助する。複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部がベースの上に画定される。ベースの上に複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部が画定されると、第2の層にベースが取り付けられ、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンが画定される。第2の層にベースが取り付けられると、試験センサのベースの上に複数の導電リード線が完全に画定される。
【0009】
他の方法によれば、ベースと、第2の層と、反応層とを備えた電気化学的多層試験センサが形成される。反応領域には酵素が含まれている。試験センサは、計器の中で使用されるようになされており、検体濃度の決定を補助する。複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部がベースの上にレーザによって画定される。ベースの上に複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部が画定されると、第2の層にベースが取り付けられ、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンが画定される。第2の層にベースが取り付けられると、試験センサのベースの上に複数の導電リード線が完全に画定される。取り付けられたベースおよび第2の層から試験センサが切り取られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、多層試験センサを形成する方法であって、ベースおよびふたの取付け行為(たとえば積層行為)における位置決め不良によって生じる、導電リード線すなわちトレースと機器のコンタクトとの間の問題を除去し、あるいは抑制することによる改良型方法を対象としている。このような問題を除去し、あるいは抑制することにより、検体濃度の誤った読値が減少し、また、検体濃度の読値なしの問題が抑制される。
【0011】
一実施形態では、試験センサは、液体標本を受け取るようになされており、機器または計器を使用して分析される。試験センサは、検体濃度の決定を補助する。測定可能な検体には、ブドウ糖、脂質プロフィール(たとえばコレステロール、トリグリセリド、LDLおよびHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビン、AIC、果糖、乳酸塩またはビリルビンが含まれている。他の検体濃度を決定することも可能であることが企図されている。検体は、たとえば、全血標本、血清標本、血漿標本、ISF(間質液)および尿などの他の体液、および非体液中のものであってもよい。
【0012】
本発明によるプロセスを使用して製造される多層試験センサは、少なくともベースと、ふたなどの第2の層とを備えている。この多層試験センサは電気化学的センサである。ベースおよびふたは、重合材料などの様々な材料から製造することができる。ベースおよびふたを形成するために使用することができる重合材料の非制限的な例には、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリイミドおよびそれらの組合せがある。以下で説明するように、多層試験センサは、スペーサなどの追加層を備えることができる。たとえば、他の実施形態では、ベース、スペーサおよびふたが多層試験センサを形成することができる。
【0013】
図2a、2bは、試験センサの非制限的な一例を示したものである。この試験センサは、ベース−リボン条片およびふた−リボン条片を備えたセンサ−リボン条片から形成することができる。図2a、2bは、ベース72、毛管通路74、ふた76、複数の電極78、80、82および84、および個々の電極78、80、82および84の複数の導電リード線すなわちトレース78a、80a、82aおよび84aを備えた試験センサ70を示している。毛管通路74は、ベースおよびふたが互いに取り付けられると形成される。この毛管通路74は、標本を試験センサ70に導入し、最終的には電極78、80、82および84に接触させるための密閉された流路を提供しており、したがって反応ゾーンを形成している。
【0014】
図2bに示されているように、試験センサ70(ふた76が除去されている)は、酵素を含有した反応領域つまり液体受入れ領域86を備えている。酵素は、試験すべき所望の1つまたは複数の検体と反応し、液体標本の検体濃度の決定を補助するように選択される。反応領域86には、液体試験標本(たとえば血液)中の注目する検体(たとえばブドウ糖)を電気化学的に測定が可能な化学種に変換するための試薬が含まれている。電気化学的な測定は、化学種が電極パターンのコンポーネントによって生成する電流の形で実施される。試薬には、通常、検体(たとえばブドウ糖)と反応し、また、電子受容体(フェリシアン化塩)と反応して、電極によって検出することができる電気化学的に測定が可能な種を生成する酵素(たとえばブドウ糖酸化酵素)が含まれている。反応領域86は、重合体、酵素および電子受容体を備えることができる。また、本発明のいくつかの実施形態では、反応領域86は、緩衝剤および界面活性剤などの追加成分を含むことも可能である。ブドウ糖と反応させるために、ブドウ糖脱水素酵素などの他の酵素を使用することも可能であることが企図されている。他の検体の濃度を決定する場合、その検体と反応する適切な酵素が選択される。
【0015】
図2bに示されている複数の電極は、この実施形態によれば、少なくとも対電極78および動作電極80を備えている。図2bには、検出電極82およびヘマトクリット電極84などの他の電極が示されている。本発明による方法には、もっと多くの電極あるいはもっと少ない電極を形成することも可能であることが企図されている。たとえば、試験センサは、正確に2つの電極を備えることも、あるいは少なくとも3つの電極を備えることも可能である。正確に2つの電極は、これらの電極が電気的に接続され、また、これらの電極の間に電位が生成されると、電気化学的に生成された電流が流れる動作電極および対電極であってもよい。
【0016】
検出電極は、アンダーフィル条件を検出する電極であってもよい。選択されたヘマトクリット濃度で生じるバイアスの修正を補助するヘマトクリット電極などの他の電極を使用することも可能であることが企図されている。追加電極には、それらに限定されないが、他の検体を検出する電極あるいは所望の検体の測定を潜在的に妨害する可能性のある種を検出する電極がある。また、他の検体の濃度の決定を補助する第2の動作電極を使用することも可能である。
【0017】
これらの電極は、たとえば金属材料(たとえば金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムまたはそれらの組合せ)または炭素などの導電性材料から形成される。たとえば米国特許第6,531,040号に、電気化学的試験センサのコンポーネントの例を、それらの動作と共に見出すことができる。たとえば米国特許第6,531,040号に開示されている以外の電気化学的試験センサの他のコンポーネントを使用することも可能であることが企図されている。
【0018】
本発明は、試験センサ、より詳細には電気化学的試験センサを形成するための創意工夫に富んだ方法を対象としている。一方法では、試験センサリボンから電気化学的多層試験センサを形成することができる。このリボンは、多重シートプロセスまたはウェブプロセスなどのプロセスによって製造される。
【0019】
図3を参照すると、ベース−リボン条片110は、電気化学的試験センサを形成するために使用される複数のベースを形成するようになされている。このベース−リボン条片110から形成される試験センサ180は、通常、この処理段階では未だベース−リボン条片の中に形成されていないため、図3にはダッシュ線で示されている。効率を改善するために、試験センサは、通常、ベース−リボン条片およびふた−リボン条片が取り付けられた後に形成される。
【0020】
図3に示されているベース−リボン条片110は、たとえばふた−リボン条片などの第2の層に取り付けられる(たとえば積層される)ようになされている。ベース−リボン条片110は、最終的には、計器または機器に接触するようになされた複数の導電リード線を形成することになる導電/反応領域120を備えている。これらの導電リード線は、複数の電極と計器を電気的に接触させる。また、ベース−リボン条片110は、試験センサの画定を補助することになる複数の開口153を形成している。図3には、もっと後の処理で導電リード線すなわちトレースの一部を形成することになる領域が示されているが、試験センサの電極または他の特徴を形成するための実際の切断は示されていない。上記図2a、2bには、これらの特徴のいくつかが示されている。図2bに示されているパターン以外の他の電極パターンを使用することも可能であることが企図されている。電極ならびに他の特徴は、通常、この処理段階でベース−リボン条片の上に形成される。
【0021】
しかしながら、図3に示されているベース−リボン条片110は、ふた−リボン条片への取付けに先だって、導電領域120に複数の導電リード線を完全には画定していない。つまり、複数の電極の導電リード線が画定されているのはその一部である。一方法では、複数のレーザ切断114a〜cによって、導電領域120への複数の導電リード線の画定プロセスが開始される。このプロセスでは、複数の電極の一部が画定されるが、上で説明したように図3には示されていない。ベース−リボン条片が反応ゾーンを画定している第2の層に取り付けられるまでは、複数の電極は完全には画定されない。
【0022】
電極を画定するプロセスの1つは、ベース−リボン条片を切断することである。たとえば、マスクを使用し、かつ、たとえばエキシマレーザまたは炭酸ガス・ベース・レーザなどのレーザを使用して複数の電極を画定することができる。マスクの一例は、光のビームのみが選択された領域を通過することができるガラス上クロム・マスクである。
【0023】
他の方法によれば、レーザを使用して線を直接書き込むことにより、ベース−リボン条片110の上に複数の電極の一部が形成される。上で説明したように、反応ゾーンを画定するためにベース−リボン条片が第2の層に取り付けられるまでは、複数の電極は完全には画定されない。レーザを使用して線を直接書き込む方法の場合、光のレーザビームが移動して複数の電極の一部が画定される。この方法では、層を除去することができるエネルギーを有するビームを生成し、また、パターンを形成するために移動させることができるレーザを使用することができる。このようなレーザの非制限的な例は、炭酸ガス・ベース・レーザおよびイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザなどのイットリウム・ベース・レーザである。
【0024】
たとえば印刷(たとえばスクリーン印刷)、コーティング(たとえば反転ロール)、気相成長法、スパッタリングおよび電気化学的付着法などの他の方法によって、ベース−リボン条片の上に複数の電極を画定することも可能であることが企図されている。
【0025】
複数の電極の一部が画定されると、第2の層にベース−リボン条片110が取り付けられる。一実施形態では、ふた−リボン条片160にベース−リボン条片110が取り付けられ、図4aに示されているようなセンサ−リボン条片100が形成される。ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160が取り付けられ、反応ゾーンが画定されると、複数の電極が完全に画定される。第2の層は、図7〜9に示されているようなスペーサ−リボン条片であってもよいことが企図されている。他の実施形態によれば、第2の層は、スペーサ−ふたリボン条片の組合せがもっと後でベース−リボン条片に取り付けられる前に、予めスペーサ−リボン条片およびふた−リボン条片が既に取り付けられたスペーサ−ふたリボン条片の組合せであってもよい。
【0026】
ベース−リボン条片(たとえばベース−リボン条片110)は、たとえば圧感接着剤および/またはホットメルト接着剤を使用して第2の層(たとえばふた−リボン条片160)に取り付けることができる。したがって、ベース−リボン条片と第2の表面との間の取付けには、圧力、熱またはそれらの組合せが使用される。他の材料を使用してベース−リボン条片を第2の表面に取り付けることも可能であることが企図されている。また、超音波エネルギーまたは溶剤溶接法を使用してベース−リボン条片およびふた−リボン条片を取り付けることも可能であることが企図されている。
【0027】
図4aに示されているように、センサ−リボン条片100は、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160を備えている。ふたリボン−条片160は、複数のふたを形成するようになされている。ふたリボン−条片160は、複数の位置決め開口152a、bをその中に形成しており、また、ベース−リボン条片110の個々の導電領域120へのアクセスを可能にするようになされた複数の開口154を形成している。導電領域120は、計器と試験センサが接触するようになされた領域である。また、ふた−リボン条片160も、試験センサのふたの周囲の画定を補助する複数の開口155を形成している。一実施形態では、複数の開口155および複数の開口153は若干オフセットしており、このオフセットが、試験センサ内のベースに対するふたの若干の張り出しを可能にしている。図4aのオフセット領域157は、これを示したものである。この若干の張り出しは、反応領域つまり液体受取り領域(図4aには図示せず)への標本の受取りおよび案内を補助している。試験センサは、液体受取り領域に張り出しを備えていなくてもよい(つまり、ベースもふたも、液体受取り領域で互いに外側に向かって展開していなくてもよい)ことが企図されている。
【0028】
図4a、4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cは、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160が積層されると、複数の導電リード線120a〜dを完全に画定する。これらの導電リード線120a〜dは、レーザプロセスを始めとする、複数の電極に関連して上で説明したプロセスによって形成することができる。レーザ切断170a〜cおよびレーザ切断114a〜cは、全く別の時間に実施され、したがって個別の行為と見なされている。しかしながら、レーザ切断170a〜cの形成に使用されるレーザは、レーザ切断114a〜cを形成する個別の行為に使用されるレーザと同じレーザであってもよい。レーザ切断170a〜cおよび114a〜cの形成に使用されるレーザは異なっていてもよいことが企図されている。
【0029】
複数のレーザ切断170a〜cは、ふた−リボン条片160の中に形成された個々の開口154を介したベース−リボン条片110の導電領域120へのアクセスを切り欠いている。図4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cは、複数の導電リード線120a〜dが概ね同じ幅W1〜W4を有するように整列している。また、図4dに最も良好に示されているように、レーザ切断114a〜cの一部は、開口154を介して露出している。
【0030】
複数の導電リード線120a〜dの位置決めが不良になることを防止し、あるいは禁じるために、レーザは、ガイドまたはマーク(図4aに示されている位置決め開口152a、b)を使用している。ベース−リボン条片に対するレーザ切断操作から形成される複数のマークなどの他のガイドを使用してレーザを位置決めすることも可能であることが企図されている。小さい製造公差(通常、0.0127cm(0.005インチ)未満)を維持することができるため、機械的または光学的なガイドを使用する場合、レーザ切断が望ましい。試験センサを切り取るために使用されるレーザおよび同じ位置決め開口を使用して導電リード線120a〜dを画定することにより、従来技術の図1a〜1cに関連して上で説明した従来技術による方法と比較して、より厳格な公差が可能になる。
【0031】
図4a、4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cの各々は、概ね「T」字形で形成されている。これらのレーザ切断は、図4a、4dに示されている形状とは異なる形状であってもよいことが企図されている。図4aに示されているレーザ切断170a〜cは、それぞれ、概ね水平の部分172a〜cおよび概ね垂直の部分174a〜cを有している。これらのレーザ切断170a〜cは、個々の複数の切断114a〜cとの物理的な接続を補助するように形成されている。
【0032】
概ね水平の部分172a〜c(図4dに図示されている)の長さ(L1)は、個々の切断114a〜cの製造分散が考慮されるように選択される。つまり、水平方向(矢印Aの方向)における個々の切断114a〜cの潜在的な分散が大きいほど、概ね水平の部分172a〜cの長さL1が長くなる。したがって、個々のレーザ切断114a〜cの位置決めは、望ましくは、図4a、4dに示されているように、個々の概ね水平の部分172a〜cの左側または右側にずれてはならない。また、レーザ切断114a〜cの垂直方向(図4a、4dに図示されている)の製造公差の影響を小さくするためには、レーザ切断114a〜cは、開口154を介してアクセスすることができる領域に部分的に展開していることが望ましい。
【0033】
図4a、4dに示されている概ね水平の部分172a〜cは、複数の切断114a〜cに物理的に接続された角度の付いた部分に置き換えることも可能であることが企図されている。図4eは、非制限的な一実施例を示したもので、レーザ切断171a〜cは、角度が付いた部分173a〜cを備えている。角度が付いた部分173a〜cは、複数の切断114a〜cの中へ展開し、かつ、これらの切断114a〜cと物理的に接触している。
【0034】
一方法では、機械パンチを使用して、センサ−リボン条片の複数の試験センサ(図4a〜4dに図示されている複数の試験センサ180および図4eに図示されている試験センサ181)が切り取られる。この機械パンチは、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160を通って展開する。これらの複数の試験センサは、他の方法によって切り取ることも可能であることが企図されている。望ましい実施形態では、図4aの位置決め開口152a、bは、センサ−リボン条片100から試験センサを切り取る機械パンチの設置を補助している。
【0035】
図6を参照すると、センサ−リボン条片200は、図5のベース−リボン条片175および上で説明したふた−リボン条片160を備えている。図6のセンサ−リボン条片200は、複数の試験センサ280を形成している。図6のセンサ−リボン条片200は、図3、4aのレーザ切断114a〜cとは異なり、図5、6のレーザ切断184a〜cが、適切に配置されている点を除き、図4aのセンサ−リボン条片100と同じである。図4a、4dのレーザ切断114a〜cは位置決め不良であり、また、図5、6のレーザ切断184a〜cは適切に位置決めされているにもかかわらず、図6のセンサ−リボン条片200のレーザ切断170a〜cは、図4aのセンサ−リボン条片100のレーザ切断170a〜cと同じ位置に形成されている。これは、レーザ切断170a〜cがそれぞれの位置決め開口152a、bを使用して形成されていることによるものである。
【0036】
上で説明したように、試験センサはスペーサを備えることも可能であることが企図されている。図7a、7bに示されている一実施形態では、図5のベース−リボン条片175にスペーサ−リボン条片305が取り付けられている。スペーサ−リボン条片305は、その中に形成された複数の開口307を備えており、ベース−リボン条片175の導電領域120へのアクセスを可能にしている。これらの開口307は、もっと後での処理のためにベース−リボン条片の導電領域120がアクセスすることができる限り、異なる形状にすることも可能であることが企図されている。
【0037】
また、スペーサ−リボン条片305は、複数の開口309を形成している。図7aに示されている開口309は、概ねU字形をなしており、試験センサ内のベースとふたの間に毛管空間すなわち液体チャンバが提供されるよう、そのU字形部分が開いている。毛管空間すなわち液体チャンバを形成するための開口は、図7a、7bおよび8に示されている形状とは異なる形状にすることも可能であることが企図されている。
【0038】
図8は、図7a、7bのベース−リボン条片175およびスペーサ−リボン条片305ならびにふた−リボン条片160を備えたセンサ−リボン条片300を示したものである。ふた−センサリボン条片160は、図6に関連して上で説明した通りである。図8に示されているように、ふた−リボン条片160の開口155を通して見ることができるのは、スペーサ−リボン条片305の微小部分のみである。切断170a〜cは、ふた−リボン条片160、スペーサ−リボン条片305およびベース−リボン条片175が取り付けられた後に形成される。上で説明したように、切断170a〜cは、切断184a〜cの行為とは別の行為で形成される。スペーサ−リボン条片は、ふた−リボン条片の代わりに位置決め開口を備えることができることも企図されている。
代替プロセスA
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、反応領域が酵素を含有し、試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定する行為と、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定した後にベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
ベースを第2の層に取り付けた後に試験センサのベースの上に複数の導電リード線を完全に画定する行為と
を含む方法。
代替プロセスB
複数の導電リード線および複数の電極がレーザによって画定される、代替プロセスAの方法。
代替プロセスC
複数の導電リード線および複数の電極が、印刷、コーティング、気相成長法、スパッタリングまたは電気化学的付着法によって画定される、代替プロセスAの方法。
代替プロセスD
複数の電極の一部を画定する行為がレーザを使用する行為を含む、代替プロセスAの方法。
代替プロセスE
第2の層がふたである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスF
第2の層がスペーサである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスG
第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスH
第2の層が複数のガイドを形成する、代替プロセスAの方法。
代替プロセスI
複数のガイドが複数の位置決め開口である、代替プロセスHの方法。
代替プロセスJ
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為をさらに含む、代替プロセスAの方法。
代替プロセスK
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為が機械パンチを使用する行為を含む、代替プロセスJの方法。
代替プロセスL
多重試験センサを切り取る行為および複数の導電トレースを画定する行為が互いに登録される、代替プロセスJの方法。
代替プロセスM
ベースおよび第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、代替プロセスAの方法。
代替プロセスN
複数の電極が金属導電性材料からなる、代替プロセスAの方法。
代替プロセスO
酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、代替プロセスAの方法。
代替プロセスP
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、反応領域が酵素を含有し、試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上にレーザによって画定する行為と、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定した後にベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
ベースを第2の層に取り付けた後に試験センサのベースの上に複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
取り付けられたベースおよび第2の層から試験センサを切り取る行為と
を含む方法。
代替プロセスQ
第2の層がふたである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスR
第2の層がスペーサである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスS
第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスT
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為が機械パンチを使用する行為を含む、代替プロセスPの方法。
代替プロセスU
多重試験センサを切り取る行為および複数の導電トレースを画定する行為が互いに登録される、代替プロセスPの方法。
代替プロセスV
ベースおよび第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、代替プロセスPの方法。
代替プロセスW
複数の電極が金属導電性材料からなる、代替プロセスPの方法。
代替プロセスX
酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、代替プロセスPの方法。
【0039】
以上、本発明について、1つまたは複数の特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、それらに多くの変更を加えることができることは当業者には認識されるであろう。これらの実施形態の各々、およびそれらの明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義されている本発明の精神および範囲の範疇であることが企図されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1aはベース−リボン条片およびふた−リボン条片の位置決めが不良である、従来技術によるセンサ−リボン条片の上面図である。図1bは従来技術の図1aの線1b−1bに概ね沿って取った横断面図である。図1cは従来技術の図1aの線1c−1cに概ね沿って取った横断面図である。
【図2】図2aは一実施形態によるふたを備えた試験センサの上面図である。図2bは図2aに示す試験センサからふたを除去した上面図である。
【図3】一実施形態によるベース−リボン条片の上面図である。
【図4a】ベース−リボン条片およびふた−リボン条片の位置決めが不良である、一実施形態によるふた−リボン条片に積層された図3に示すベース−リボン条片の上面図である。
【図4b】図4aの線4b−4bに概ね沿って取った横断面図である。
【図4c】図4aの線4c−4cに概ね沿って取った横断面図である。
【図4d】一実施形態による、直線的に切断された、図3に示すベース−リボン条片および図4aに示すふた−リボン条片の一部の拡大上面図である。
【図4e】一実施形態による、一定の角度で切断された、図3に示すベース−リボン条片および図4aに示すふた−リボン条片の一部の拡大上面図である。
【図5】他の実施形態によるベース−リボン条片の上面図である。
【図6】ベース−リボン条片およびふた−リボン条片が適切に整列した、他の実施形態によるふた−リボン条片に積層された図5に示すベース−リボン条片の上面図である。
【図7】図7aはさらに他の実施形態による、図5に示すベース−リボン条片と重畳したスペーサ−リボン条片の上面図である。図7bは図7aの線7b−7bに概ね沿って取った横断面図である。
【図8】ベース−リボン条片、スペーサ−リボン条片およびふた−リボン条片が適切に整列した、さらに他の実施形態によるふた−リボン条片に積層された図7aに示すベース−リボン条片およびスペーサ−リボン条片の上面図である。
【図9】図9aは図8の線9a−9aに概ね沿って取った横断面図である。図9bは図8の線9a−9aに概ね沿って取った、図8に示すベース/スペーサ/ふたリボン条片から形成された試験センサの横断面図である。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】

【技術分野】
【0001】
本発明は一般に試験センサを形成する方法に関する。より詳細には、本発明は一般に、検体の濃度の決定を補助するようになされた多層試験センサを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体液中における検体の定量的な決定は、特定の生理学的異常を診断し、かつ、管理するためには極めて重要である。たとえば、特定の個人の乳酸塩、コレステロールおよびビリルビンをモニタしなければならない。特に、糖尿病患者に対しては、彼らの体液中のブドウ糖レベルを頻繁にチェックし、彼らが食事から摂取するブドウ糖を調節することが重要である。このような試験の結果を使用することにより、必要に応じて、投与すべきインスリンまたは他の投薬法を決定することができる。ある種の血液−ブドウ糖試験システムでは、試験センサを使用して血液標本が試験されている。
【0003】
試験センサには、血液ブドウ糖と反応する生物知覚物質または試薬物質が含まれている。ある種の試験センサは、ベースおよびふたを備えた多層試験センサである。ベースは多層試験センサ内のふたに取り付けられている。ベースをふたに取り付けるための方法の1つは積層である。ベースおよびふたを積層する行為は、どちらかと言えば望ましくない大きい公差を有していることがしばしばである。つまり、ベースおよびふたの積層には、どちらかと言えば望ましくない分散(つまり+/−0.0381cm(0.015インチ))を有する傾向がある。ベースおよびふたの積層が適切に整列していない場合、ベースおよびふたは、位置決め不良と言われる。
【0004】
従来技術の図1a〜cは、位置決め不良のベースおよびふたの一例を示したものである。図1aは、ベース−リボン条片20およびふた−リボン条片30を備えたセンサ−リボン条片10を示したものである。ベース−リボン条片20は、複数の導電リード線すなわちトレース26a〜dをその上に画定している複数のレーザ切断22a〜cを備えている。導電リード線すなわちトレースは、電極のリード線部分である。ベース−リボン条片20の上に形成されたレーザ切断22a〜cをより良好に示すために、レーザ切断22a〜cは、ふた−リボン条片30によって部分的に隠されることはあっても、ふた−リボン条片30の中に形成された個々の開口28の上方を上に向かって展開して示されている。また、図1a〜cは、導電リード線すなわちトレースの一部を形成することになる領域のみを強調して示したものであり、試験センサの電極または他の特徴を形成するための実際の切断は示されていない。
【0005】
図1aに示されているふた−リボン条片30は、複数の位置決め開口32a、bを形成している。ふた−リボン条片30は、ベース−リボン条片20に積層されている。図1aに示されているように、ふた−リボン条片30およびベース−リボン条片20の積層は適切に整列していない(つまり位置決め不良である)。図1aに示されているふた−リボン条片30およびベース−リボン条片20の位置決め不良は、導電リード線26a〜dの幅が不均一になる原因になっている。したがって、センサ−リボン条片10から形成された複数の試験センサは、不均一な幅の導電リード線26a〜dを有することになる。
【0006】
ベースおよびふたの位置決めが不良である場合、試験センサの導電リード線と計器または機器との間に導電性の問題が生じることになる。たとえば、位置決め不良は、試験センサの導電リード線と機器のコンタクトの間が短絡する原因になることがある。短絡が生じると、機器は検体濃度の誤った読値をもたらし、あるいは検体濃度の読値を一切もたらさないことになる。また、位置決め不良は、そのために導電リード線の面積が不適切になるため、検体濃度の誤った読値の原因になることもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ベースおよびふたの積層公差を除去する方法が使用されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一方法によれば、ベースと、第2の層と、反応層とを備えた電気化学的多層試験センサが形成される。反応領域には酵素が含まれている。試験センサは、計器の中で使用されるようになされており、検体濃度の決定を補助する。複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部がベースの上に画定される。ベースの上に複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部が画定されると、第2の層にベースが取り付けられ、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンが画定される。第2の層にベースが取り付けられると、試験センサのベースの上に複数の導電リード線が完全に画定される。
【0009】
他の方法によれば、ベースと、第2の層と、反応層とを備えた電気化学的多層試験センサが形成される。反応領域には酵素が含まれている。試験センサは、計器の中で使用されるようになされており、検体濃度の決定を補助する。複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部がベースの上にレーザによって画定される。ベースの上に複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部が画定されると、第2の層にベースが取り付けられ、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンが画定される。第2の層にベースが取り付けられると、試験センサのベースの上に複数の導電リード線が完全に画定される。取り付けられたベースおよび第2の層から試験センサが切り取られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、多層試験センサを形成する方法であって、ベースおよびふたの取付け行為(たとえば積層行為)における位置決め不良によって生じる、導電リード線すなわちトレースと機器のコンタクトとの間の問題を除去し、あるいは抑制することによる改良型方法を対象としている。このような問題を除去し、あるいは抑制することにより、検体濃度の誤った読値が減少し、また、検体濃度の読値なしの問題が抑制される。
【0011】
一実施形態では、試験センサは、液体標本を受け取るようになされており、機器または計器を使用して分析される。試験センサは、検体濃度の決定を補助する。測定可能な検体には、ブドウ糖、脂質プロフィール(たとえばコレステロール、トリグリセリド、LDLおよびHDL)、微量アルブミン、ヘモグロビン、AIC、果糖、乳酸塩またはビリルビンが含まれている。他の検体濃度を決定することも可能であることが企図されている。検体は、たとえば、全血標本、血清標本、血漿標本、ISF(間質液)および尿などの他の体液、および非体液中のものであってもよい。
【0012】
本発明によるプロセスを使用して製造される多層試験センサは、少なくともベースと、ふたなどの第2の層とを備えている。この多層試験センサは電気化学的センサである。ベースおよびふたは、重合材料などの様々な材料から製造することができる。ベースおよびふたを形成するために使用することができる重合材料の非制限的な例には、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリイミドおよびそれらの組合せがある。以下で説明するように、多層試験センサは、スペーサなどの追加層を備えることができる。たとえば、他の実施形態では、ベース、スペーサおよびふたが多層試験センサを形成することができる。
【0013】
図2a、2bは、試験センサの非制限的な一例を示したものである。この試験センサは、ベース−リボン条片およびふた−リボン条片を備えたセンサ−リボン条片から形成することができる。図2a、2bは、ベース72、毛管通路74、ふた76、複数の電極78、80、82および84、および個々の電極78、80、82および84の複数の導電リード線すなわちトレース78a、80a、82aおよび84aを備えた試験センサ70を示している。毛管通路74は、ベースおよびふたが互いに取り付けられると形成される。この毛管通路74は、標本を試験センサ70に導入し、最終的には電極78、80、82および84に接触させるための密閉された流路を提供しており、したがって反応ゾーンを形成している。
【0014】
図2bに示されているように、試験センサ70(ふた76が除去されている)は、酵素を含有した反応領域つまり液体受入れ領域86を備えている。酵素は、試験すべき所望の1つまたは複数の検体と反応し、液体標本の検体濃度の決定を補助するように選択される。反応領域86には、液体試験標本(たとえば血液)中の注目する検体(たとえばブドウ糖)を電気化学的に測定が可能な化学種に変換するための試薬が含まれている。電気化学的な測定は、化学種が電極パターンのコンポーネントによって生成する電流の形で実施される。試薬には、通常、検体(たとえばブドウ糖)と反応し、また、電子受容体(フェリシアン化塩)と反応して、電極によって検出することができる電気化学的に測定が可能な種を生成する酵素(たとえばブドウ糖酸化酵素)が含まれている。反応領域86は、重合体、酵素および電子受容体を備えることができる。また、本発明のいくつかの実施形態では、反応領域86は、緩衝剤および界面活性剤などの追加成分を含むことも可能である。ブドウ糖と反応させるために、ブドウ糖脱水素酵素などの他の酵素を使用することも可能であることが企図されている。他の検体の濃度を決定する場合、その検体と反応する適切な酵素が選択される。
【0015】
図2bに示されている複数の電極は、この実施形態によれば、少なくとも対電極78および動作電極80を備えている。図2bには、検出電極82およびヘマトクリット電極84などの他の電極が示されている。本発明による方法には、もっと多くの電極あるいはもっと少ない電極を形成することも可能であることが企図されている。たとえば、試験センサは、正確に2つの電極を備えることも、あるいは少なくとも3つの電極を備えることも可能である。正確に2つの電極は、これらの電極が電気的に接続され、また、これらの電極の間に電位が生成されると、電気化学的に生成された電流が流れる動作電極および対電極であってもよい。
【0016】
検出電極は、アンダーフィル条件を検出する電極であってもよい。選択されたヘマトクリット濃度で生じるバイアスの修正を補助するヘマトクリット電極などの他の電極を使用することも可能であることが企図されている。追加電極には、それらに限定されないが、他の検体を検出する電極あるいは所望の検体の測定を潜在的に妨害する可能性のある種を検出する電極がある。また、他の検体の濃度の決定を補助する第2の動作電極を使用することも可能である。
【0017】
これらの電極は、たとえば金属材料(たとえば金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムまたはそれらの組合せ)または炭素などの導電性材料から形成される。たとえば米国特許第6,531,040号に、電気化学的試験センサのコンポーネントの例を、それらの動作と共に見出すことができる。たとえば米国特許第6,531,040号に開示されている以外の電気化学的試験センサの他のコンポーネントを使用することも可能であることが企図されている。
【0018】
本発明は、試験センサ、より詳細には電気化学的試験センサを形成するための創意工夫に富んだ方法を対象としている。一方法では、試験センサリボンから電気化学的多層試験センサを形成することができる。このリボンは、多重シートプロセスまたはウェブプロセスなどのプロセスによって製造される。
【0019】
図3を参照すると、ベース−リボン条片110は、電気化学的試験センサを形成するために使用される複数のベースを形成するようになされている。このベース−リボン条片110から形成される試験センサ180は、通常、この処理段階では未だベース−リボン条片の中に形成されていないため、図3にはダッシュ線で示されている。効率を改善するために、試験センサは、通常、ベース−リボン条片およびふた−リボン条片が取り付けられた後に形成される。
【0020】
図3に示されているベース−リボン条片110は、たとえばふた−リボン条片などの第2の層に取り付けられる(たとえば積層される)ようになされている。ベース−リボン条片110は、最終的には、計器または機器に接触するようになされた複数の導電リード線を形成することになる導電/反応領域120を備えている。これらの導電リード線は、複数の電極と計器を電気的に接触させる。また、ベース−リボン条片110は、試験センサの画定を補助することになる複数の開口153を形成している。図3には、もっと後の処理で導電リード線すなわちトレースの一部を形成することになる領域が示されているが、試験センサの電極または他の特徴を形成するための実際の切断は示されていない。上記図2a、2bには、これらの特徴のいくつかが示されている。図2bに示されているパターン以外の他の電極パターンを使用することも可能であることが企図されている。電極ならびに他の特徴は、通常、この処理段階でベース−リボン条片の上に形成される。
【0021】
しかしながら、図3に示されているベース−リボン条片110は、ふた−リボン条片への取付けに先だって、導電領域120に複数の導電リード線を完全には画定していない。つまり、複数の電極の導電リード線が画定されているのはその一部である。一方法では、複数のレーザ切断114a〜cによって、導電領域120への複数の導電リード線の画定プロセスが開始される。このプロセスでは、複数の電極の一部が画定されるが、上で説明したように図3には示されていない。ベース−リボン条片が反応ゾーンを画定している第2の層に取り付けられるまでは、複数の電極は完全には画定されない。
【0022】
電極を画定するプロセスの1つは、ベース−リボン条片を切断することである。たとえば、マスクを使用し、かつ、たとえばエキシマレーザまたは炭酸ガス・ベース・レーザなどのレーザを使用して複数の電極を画定することができる。マスクの一例は、光のビームのみが選択された領域を通過することができるガラス上クロム・マスクである。
【0023】
他の方法によれば、レーザを使用して線を直接書き込むことにより、ベース−リボン条片110の上に複数の電極の一部が形成される。上で説明したように、反応ゾーンを画定するためにベース−リボン条片が第2の層に取り付けられるまでは、複数の電極は完全には画定されない。レーザを使用して線を直接書き込む方法の場合、光のレーザビームが移動して複数の電極の一部が画定される。この方法では、層を除去することができるエネルギーを有するビームを生成し、また、パターンを形成するために移動させることができるレーザを使用することができる。このようなレーザの非制限的な例は、炭酸ガス・ベース・レーザおよびイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)レーザなどのイットリウム・ベース・レーザである。
【0024】
たとえば印刷(たとえばスクリーン印刷)、コーティング(たとえば反転ロール)、気相成長法、スパッタリングおよび電気化学的付着法などの他の方法によって、ベース−リボン条片の上に複数の電極を画定することも可能であることが企図されている。
【0025】
複数の電極の一部が画定されると、第2の層にベース−リボン条片110が取り付けられる。一実施形態では、ふた−リボン条片160にベース−リボン条片110が取り付けられ、図4aに示されているようなセンサ−リボン条片100が形成される。ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160が取り付けられ、反応ゾーンが画定されると、複数の電極が完全に画定される。第2の層は、図7〜9に示されているようなスペーサ−リボン条片であってもよいことが企図されている。他の実施形態によれば、第2の層は、スペーサ−ふたリボン条片の組合せがもっと後でベース−リボン条片に取り付けられる前に、予めスペーサ−リボン条片およびふた−リボン条片が既に取り付けられたスペーサ−ふたリボン条片の組合せであってもよい。
【0026】
ベース−リボン条片(たとえばベース−リボン条片110)は、たとえば圧感接着剤および/またはホットメルト接着剤を使用して第2の層(たとえばふた−リボン条片160)に取り付けることができる。したがって、ベース−リボン条片と第2の表面との間の取付けには、圧力、熱またはそれらの組合せが使用される。他の材料を使用してベース−リボン条片を第2の表面に取り付けることも可能であることが企図されている。また、超音波エネルギーまたは溶剤溶接法を使用してベース−リボン条片およびふた−リボン条片を取り付けることも可能であることが企図されている。
【0027】
図4aに示されているように、センサ−リボン条片100は、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160を備えている。ふたリボン−条片160は、複数のふたを形成するようになされている。ふたリボン−条片160は、複数の位置決め開口152a、bをその中に形成しており、また、ベース−リボン条片110の個々の導電領域120へのアクセスを可能にするようになされた複数の開口154を形成している。導電領域120は、計器と試験センサが接触するようになされた領域である。また、ふた−リボン条片160も、試験センサのふたの周囲の画定を補助する複数の開口155を形成している。一実施形態では、複数の開口155および複数の開口153は若干オフセットしており、このオフセットが、試験センサ内のベースに対するふたの若干の張り出しを可能にしている。図4aのオフセット領域157は、これを示したものである。この若干の張り出しは、反応領域つまり液体受取り領域(図4aには図示せず)への標本の受取りおよび案内を補助している。試験センサは、液体受取り領域に張り出しを備えていなくてもよい(つまり、ベースもふたも、液体受取り領域で互いに外側に向かって展開していなくてもよい)ことが企図されている。
【0028】
図4a、4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cは、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160が積層されると、複数の導電リード線120a〜dを完全に画定する。これらの導電リード線120a〜dは、レーザプロセスを始めとする、複数の電極に関連して上で説明したプロセスによって形成することができる。レーザ切断170a〜cおよびレーザ切断114a〜cは、全く別の時間に実施され、したがって個別の行為と見なされている。しかしながら、レーザ切断170a〜cの形成に使用されるレーザは、レーザ切断114a〜cを形成する個別の行為に使用されるレーザと同じレーザであってもよい。レーザ切断170a〜cおよび114a〜cの形成に使用されるレーザは異なっていてもよいことが企図されている。
【0029】
複数のレーザ切断170a〜cは、ふた−リボン条片160の中に形成された個々の開口154を介したベース−リボン条片110の導電領域120へのアクセスを切り欠いている。図4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cは、複数の導電リード線120a〜dが概ね同じ幅W1〜W4を有するように整列している。また、図4dに最も良好に示されているように、レーザ切断114a〜cの一部は、開口154を介して露出している。
【0030】
複数の導電リード線120a〜dの位置決めが不良になることを防止し、あるいは禁じるために、レーザは、ガイドまたはマーク(図4aに示されている位置決め開口152a、b)を使用している。ベース−リボン条片に対するレーザ切断操作から形成される複数のマークなどの他のガイドを使用してレーザを位置決めすることも可能であることが企図されている。小さい製造公差(通常、0.0127cm(0.005インチ)未満)を維持することができるため、機械的または光学的なガイドを使用する場合、レーザ切断が望ましい。試験センサを切り取るために使用されるレーザおよび同じ位置決め開口を使用して導電リード線120a〜dを画定することにより、従来技術の図1a〜1cに関連して上で説明した従来技術による方法と比較して、より厳格な公差が可能になる。
【0031】
図4a、4dに示されているように、複数のレーザ切断170a〜cの各々は、概ね「T」字形で形成されている。これらのレーザ切断は、図4a、4dに示されている形状とは異なる形状であってもよいことが企図されている。図4aに示されているレーザ切断170a〜cは、それぞれ、概ね水平の部分172a〜cおよび概ね垂直の部分174a〜cを有している。これらのレーザ切断170a〜cは、個々の複数の切断114a〜cとの物理的な接続を補助するように形成されている。
【0032】
概ね水平の部分172a〜c(図4dに図示されている)の長さ(L1)は、個々の切断114a〜cの製造分散が考慮されるように選択される。つまり、水平方向(矢印Aの方向)における個々の切断114a〜cの潜在的な分散が大きいほど、概ね水平の部分172a〜cの長さL1が長くなる。したがって、個々のレーザ切断114a〜cの位置決めは、望ましくは、図4a、4dに示されているように、個々の概ね水平の部分172a〜cの左側または右側にずれてはならない。また、レーザ切断114a〜cの垂直方向(図4a、4dに図示されている)の製造公差の影響を小さくするためには、レーザ切断114a〜cは、開口154を介してアクセスすることができる領域に部分的に展開していることが望ましい。
【0033】
図4a、4dに示されている概ね水平の部分172a〜cは、複数の切断114a〜cに物理的に接続された角度の付いた部分に置き換えることも可能であることが企図されている。図4eは、非制限的な一実施例を示したもので、レーザ切断171a〜cは、角度が付いた部分173a〜cを備えている。角度が付いた部分173a〜cは、複数の切断114a〜cの中へ展開し、かつ、これらの切断114a〜cと物理的に接触している。
【0034】
一方法では、機械パンチを使用して、センサ−リボン条片の複数の試験センサ(図4a〜4dに図示されている複数の試験センサ180および図4eに図示されている試験センサ181)が切り取られる。この機械パンチは、ベース−リボン条片110およびふた−リボン条片160を通って展開する。これらの複数の試験センサは、他の方法によって切り取ることも可能であることが企図されている。望ましい実施形態では、図4aの位置決め開口152a、bは、センサ−リボン条片100から試験センサを切り取る機械パンチの設置を補助している。
【0035】
図6を参照すると、センサ−リボン条片200は、図5のベース−リボン条片175および上で説明したふた−リボン条片160を備えている。図6のセンサ−リボン条片200は、複数の試験センサ280を形成している。図6のセンサ−リボン条片200は、図3、4aのレーザ切断114a〜cとは異なり、図5、6のレーザ切断184a〜cが、適切に配置されている点を除き、図4aのセンサ−リボン条片100と同じである。図4a、4dのレーザ切断114a〜cは位置決め不良であり、また、図5、6のレーザ切断184a〜cは適切に位置決めされているにもかかわらず、図6のセンサ−リボン条片200のレーザ切断170a〜cは、図4aのセンサ−リボン条片100のレーザ切断170a〜cと同じ位置に形成されている。これは、レーザ切断170a〜cがそれぞれの位置決め開口152a、bを使用して形成されていることによるものである。
【0036】
上で説明したように、試験センサはスペーサを備えることも可能であることが企図されている。図7a、7bに示されている一実施形態では、図5のベース−リボン条片175にスペーサ−リボン条片305が取り付けられている。スペーサ−リボン条片305は、その中に形成された複数の開口307を備えており、ベース−リボン条片175の導電領域120へのアクセスを可能にしている。これらの開口307は、もっと後での処理のためにベース−リボン条片の導電領域120がアクセスすることができる限り、異なる形状にすることも可能であることが企図されている。
【0037】
また、スペーサ−リボン条片305は、複数の開口309を形成している。図7aに示されている開口309は、概ねU字形をなしており、試験センサ内のベースとふたの間に毛管空間すなわち液体チャンバが提供されるよう、そのU字形部分が開いている。毛管空間すなわち液体チャンバを形成するための開口は、図7a、7bおよび8に示されている形状とは異なる形状にすることも可能であることが企図されている。
【0038】
図8は、図7a、7bのベース−リボン条片175およびスペーサ−リボン条片305ならびにふた−リボン条片160を備えたセンサ−リボン条片300を示したものである。ふた−センサリボン条片160は、図6に関連して上で説明した通りである。図8に示されているように、ふた−リボン条片160の開口155を通して見ることができるのは、スペーサ−リボン条片305の微小部分のみである。切断170a〜cは、ふた−リボン条片160、スペーサ−リボン条片305およびベース−リボン条片175が取り付けられた後に形成される。上で説明したように、切断170a〜cは、切断184a〜cの行為とは別の行為で形成される。スペーサ−リボン条片は、ふた−リボン条片の代わりに位置決め開口を備えることができることも企図されている。
代替プロセスA
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、反応領域が酵素を含有し、試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定する行為と、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定した後にベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
ベースを第2の層に取り付けた後に試験センサのベースの上に複数の導電リード線を完全に画定する行為と
を含む方法。
代替プロセスB
複数の導電リード線および複数の電極がレーザによって画定される、代替プロセスAの方法。
代替プロセスC
複数の導電リード線および複数の電極が、印刷、コーティング、気相成長法、スパッタリングまたは電気化学的付着法によって画定される、代替プロセスAの方法。
代替プロセスD
複数の電極の一部を画定する行為がレーザを使用する行為を含む、代替プロセスAの方法。
代替プロセスE
第2の層がふたである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスF
第2の層がスペーサである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスG
第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、代替プロセスAの方法。
代替プロセスH
第2の層が複数のガイドを形成する、代替プロセスAの方法。
代替プロセスI
複数のガイドが複数の位置決め開口である、代替プロセスHの方法。
代替プロセスJ
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為をさらに含む、代替プロセスAの方法。
代替プロセスK
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為が機械パンチを使用する行為を含む、代替プロセスJの方法。
代替プロセスL
多重試験センサを切り取る行為および複数の導電トレースを画定する行為が互いに登録される、代替プロセスJの方法。
代替プロセスM
ベースおよび第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、代替プロセスAの方法。
代替プロセスN
複数の電極が金属導電性材料からなる、代替プロセスAの方法。
代替プロセスO
酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、代替プロセスAの方法。
代替プロセスP
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、反応領域が酵素を含有し、試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上にレーザによって画定する行為と、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部をベースの上に画定した後にベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
ベースを第2の層に取り付けた後に試験センサのベースの上に複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
取り付けられたベースおよび第2の層から試験センサを切り取る行為と
を含む方法。
代替プロセスQ
第2の層がふたである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスR
第2の層がスペーサである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスS
第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、代替プロセスPの方法。
代替プロセスT
取り付けられたベースおよび第2の層から多層試験センサを切り取る行為が機械パンチを使用する行為を含む、代替プロセスPの方法。
代替プロセスU
多重試験センサを切り取る行為および複数の導電トレースを画定する行為が互いに登録される、代替プロセスPの方法。
代替プロセスV
ベースおよび第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、代替プロセスPの方法。
代替プロセスW
複数の電極が金属導電性材料からなる、代替プロセスPの方法。
代替プロセスX
酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、代替プロセスPの方法。
【0039】
以上、本発明について、1つまたは複数の特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、それらに多くの変更を加えることができることは当業者には認識されるであろう。これらの実施形態の各々、およびそれらの明白な変形形態は、特許請求の範囲によって定義されている本発明の精神および範囲の範疇であることが企図されている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1aはベース−リボン条片およびふた−リボン条片の位置決めが不良である、従来技術によるセンサ−リボン条片の上面図である。図1bは従来技術の図1aの線1b−1bに概ね沿って取った横断面図である。図1cは従来技術の図1aの線1c−1cに概ね沿って取った横断面図である。
【図2】図2aは一実施形態によるふたを備えた試験センサの上面図である。図2bは図2aに示す試験センサからふたを除去した上面図である。
【図3】一実施形態によるベース−リボン条片の上面図である。
【図4a】ベース−リボン条片およびふた−リボン条片の位置決めが不良である、一実施形態によるふた−リボン条片に積層された図3に示すベース−リボン条片の上面図である。
【図4b】図4aの線4b−4bに概ね沿って取った横断面図である。
【図4c】図4aの線4c−4cに概ね沿って取った横断面図である。
【図4d】一実施形態による、直線的に切断された、図3に示すベース−リボン条片および図4aに示すふた−リボン条片の一部の拡大上面図である。
【図4e】一実施形態による、一定の角度で切断された、図3に示すベース−リボン条片および図4aに示すふた−リボン条片の一部の拡大上面図である。
【図5】他の実施形態によるベース−リボン条片の上面図である。
【図6】ベース−リボン条片およびふた−リボン条片が適切に整列した、他の実施形態によるふた−リボン条片に積層された図5に示すベース−リボン条片の上面図である。
【図7】図7aはさらに他の実施形態による、図5に示すベース−リボン条片と重畳したスペーサ−リボン条片の上面図である。図7bは図7aの線7b−7bに概ね沿って取った横断面図である。
【図8】ベース−リボン条片、スペーサ−リボン条片およびふた−リボン条片が適切に整列した、さらに他の実施形態によるふた−リボン条片に積層された図7aに示すベース−リボン条片およびスペーサ−リボン条片の上面図である。
【図9】図9aは図8の線9a−9aに概ね沿って取った横断面図である。図9bは図8の線9a−9aに概ね沿って取った、図8に示すベース/スペーサ/ふたリボン条片から形成された試験センサの横断面図である。
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図2a】

【図2b】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、前記多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、前記反応領域が酵素を含有し、前記試験センサが、計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助するようになされ、前記方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定する行為と、
前記複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定した後に前記ベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、前記複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
前記ベースを前記第2の層に取り付けた後に前記試験センサの前記ベースの上に前記複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の導電リード線および複数の電極がレーザによって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の導電リード線および複数の電極が、印刷、コーティング、気相成長法、スパッタリングまたは電気化学的付着法によって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の電極の一部を画定する前記行為がレーザを使用する行為を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の層がふたである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の層がスペーサである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の層が複数のガイドを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のガイドが複数の位置決め開口である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る行為をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る前記行為が機械パンチを使用する行為を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記多重試験センサを切り取る前記行為および前記複数の導電トレースを画定する前記行為が互いに登録される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ベースおよび前記第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の電極が金属導電性材料からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、前記多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、前記反応領域が酵素を含有し、前記試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、前記方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上にレーザによって画定する行為と、
前記複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定した後に前記ベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、前記複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
前記ベースを前記第2の層に取り付けた後に前記試験センサの前記ベースの上に前記複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記試験センサを切り取る行為と、
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の層がふたである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の層がスペーサである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る前記行為が機械パンチを使用する行為を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記多重試験センサを切り取る前記行為および前記複数の導電トレースを画定する前記行為が互いに登録される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記ベースおよび前記第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の電極が金属導電性材料からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、前記多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、前記反応領域が酵素を含有し、前記試験センサが、計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助するようになされ、前記方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定する行為と、
前記複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定した後に前記ベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、前記複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
前記ベースを前記第2の層に取り付けた後に前記試験センサの前記ベースの上に前記複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の導電リード線および複数の電極がレーザによって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の導電リード線および複数の電極が、印刷、コーティング、気相成長法、スパッタリングまたは電気化学的付着法によって画定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の電極の一部を画定する前記行為がレーザを使用する行為を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の層がふたである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の層がスペーサである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の層が複数のガイドを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のガイドが複数の位置決め開口である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る行為をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る前記行為が機械パンチを使用する行為を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記多重試験センサを切り取る前記行為および前記複数の導電トレースを画定する前記行為が互いに登録される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ベースおよび前記第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の電極が金属導電性材料からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
電気化学的多層試験センサを形成する方法であって、前記多層試験センサが、ベースと、第2の層と、反応層とを備え、前記反応領域が酵素を含有し、前記試験センサが計器の中で使用されるようになされ、かつ、検体濃度の決定を補助し、前記方法が、
複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上にレーザによって画定する行為と、
前記複数の電極およびそれらの個々の導電リード線の一部を前記ベースの上に画定した後に前記ベースを第2の層に取り付ける行為であって、それにより、前記複数の電極が完全に画定される反応ゾーンを画定する行為と、
前記ベースを前記第2の層に取り付けた後に前記試験センサの前記ベースの上に前記複数の導電リード線を完全に画定する行為と、
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記試験センサを切り取る行為と、
を含む方法。
【請求項17】
前記第2の層がふたである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の層がスペーサである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の層がスペーサ−ふたの組合せである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記取り付けられたベースおよび前記第2の層から前記多層試験センサを切り取る前記行為が機械パンチを使用する行為を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記多重試験センサを切り取る前記行為および前記複数の導電トレースを画定する前記行為が互いに登録される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記ベースおよび前記第2の層が接着剤を使用して取り付けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の電極が金属導電性材料からなる、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記酵素がブドウ糖酸化酵素またはブドウ糖脱水素酵素である、請求項16に記載の方法。
【図3】


【図4a】


【図4b】


【図4c】


【図4d】


【図4e】


【図5】


【図6】


【図7a】


【図7b】


【図8】


【図9a】


【図9b】




【図4a】


【図4b】


【図4c】


【図4d】


【図4e】


【図5】


【図6】


【図7a】


【図7b】


【図8】


【図9a】


【図9b】


【公表番号】特表2009−521702(P2009−521702A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548637(P2008−548637)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048872
【国際公開番号】WO2007/075935
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/048872
【国際公開番号】WO2007/075935
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
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